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提供:三協国際特許事務所
http://www.sankyo-pat.gr.jp
2003.4.7
US特許実務入門コース
■第4講
基礎的事項 (IDS; 重要な日;特許可能主題;新規性;最終拒絶など)
講 師: 矢部 達雄 (三協国際特許事務所)
注意事項
■ご利用について
「私的使用」以外の場合、例えば社内研修用テキストとしてご利用頂く場合にはご一報下さい。
また弊所の文書による承諾なしに無断転載・再配布・販売等の再利用(転用)はご遠慮ください。
■質問等について
内容に関するご質問は電子メールでのみ受付け致しますが、原則としてQ&A形式でホームペ
ージ上で回答致しますので、個別に回答することをお約束するものではありません。ご質問等は
原文まま、或いは一部変更してホームページ上に掲載することがありますので予めご了承下さい。
尚、具体的な案件に関する質問については一切お答えできません。
質問送信先:[email protected]
メール送信時の「件名」欄には、「HP 米国特許実務入門コースについて(矢部)」と記入
して下さい。
■ 免責事項
本テキストは 2002 年 10 月1日現在の米国特許法に基づいて作成されています。条文、施行規
則の改定に合せてテキストの内容も改定致しますが、必ずしも最新の情報を反映していない場合
があります。
弊所では、本テキストに基づいて行なった手続き、対応によって生じたいかなる損害について
責任を負いません。個別具体的な案件の処理に際しては必ず専門家に意見を求めて下さい。
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本日の講義内容
Text Pages 12 ----- 19 (別紙 TEXT を参照して下さい)
IDS;
米国出願に関する重要な日
特許可能主題
新規性;
最終拒絶;
早期審査;
審査の保留;
法定期限;
出願放棄と復活
インタビュー
下記クイズは上記テキストの該当部分に対応しています。
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本日の学習内容の確認
■ クイズ:
(1) 米国特許出願において出願人は IDS 開示義務をいつまで負うか?
(2) A 社特許課の B さんは米国出願後 4 ヶ月が経過する時点(このときには第 1 回目の OA は
未だ発行されていない)まで関連技術公報(B さんは米国特許出願前から知っており上司の
C さんに米国出願と同時に IDS しておくように指示されていた)を IDS するのを忘れていた。
B さんはこの時点でどのように IDS するのがベストかを相談してきた。 B さんにどのように
アドバイスするべきか?
(3)
A 社特許課の B さんは同米国出願において第 1 回目の OA 発行後 4 ヶ月が経過する時
点まで関連技術公報(対応日本出願の OA で審査官が 6 ヶ月前に引用したもので B さんは
周知していた)を IDS するのを忘れていた。B さんはこの時点でどのように IDS するのがベス
トかを相談してきた。 B さんにどのようにアドバイスするべきか?
(4) A 社特許課の B さんは同社の先般出願を終えた米国特許出願のクレーム 1 の構成要件を
全て開示した先行技術文献 T1(英語文献:T1 引例)に出くわした。 B さんは直ちに文献 T1
を米国特許庁に IDS として提出した。 2,3 週間後に B さんは IDS として提出した先行技術
文献 T1(英語)の対応和訳刊行物 T2(T2 引例)を図書館で見つけた。 B さんは T2 引例を
どのように扱うべきか対処に困り相談してきた。 B さんにどのようにアドバイスするべき
か?
(5) A 社の発明者 B さんは米国特許出願前(但し基礎となる日本出願が終了した後)に学会で
自分の発明を説明したところ凄く反響があり、某経済新聞に大きくその発表内容が取り上げ
られ賞賛を受けた。 それに気を良くした B さんは同新聞の記事を英訳しこれを IDS してく
れと頼んできた。 B さんにどのようにアドバイスするべきか?
(6) A さんは自己の米国出願において第 1 回目の OA で 102 条(a)項の基に先行技術文献 T(T
引例)によって拒絶を受けた。A さんの米国出願(2001 年 11 月 20 日に出願された)の基礎
となる日本出願の出願日は 2001 年 01 月 20 日である。 T 引例の公開日は 2001 年 01 月
18 日である。 この場合に A さんは T 引例の先行技術の地位を喪失させることができる
か? 注意:A さんは実験ノートを毎日記録しており同米国特許出願のクレーム 1 に対応す
る発明の完成日を証明できる程度には開示がある。
(7) 権利有効期限が出願日から 20 年となるのはいつ以降の米国特許出願か?
(8) WTO の国で実施された発明の発明日を遡及できる限界はいつか?
(9) NAFTA の国で実施された発明の発明日を遡及できる限界はいつか?
(10) 仮出願が可能となったのはいつか?
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(11) AIPA(アメリカ発明者保護法)に基づき PTA(特許有効期限の延長)が適用されるのはいつ
以降の出願か?
(12) AIPA(アメリカ発明者保護法)に基づき出願公開されるのはいつ以降の米国出願か?
(13) 米国指定で英語公開され放棄された PCT 出願の PCT 出願日が米国特許法 102 条(e)項の
基に先行技術になりえるか?
(14) 1999 年 3 月 20 日に日本で公開された公報 A は 2000 年 3 月 30 日に出願された B さんの
出願に対する先行技術になるか? どの条文の下に引例になるか?
(15) 1999 年 3 月 20 日に日本で公開された公報 A は 1999 年 3 月 25 日に米国出願された C さ
んの米国出願の先行技術になるか? どの条文の下に引例になるか?
(16) 1999 年 3 月 20 日に日本で公開された公報 A は 1999 年 3 月 25 日に米国出願された C さ
んの米国出願の先行技術になるか? 但し、C さんの米国出願は 1998 年 3 月 25 日に出願
された JP 出願から優先権主張している。 どの条文の下に引例になるか?
(17) 1999 年 4 月 21 日に米国出願された米国出願 A(A さんによる)は 1999 年 8 月 20 日に出
願された B さんの米国出願 B の先行技術になることはあるか? なる場合にはどの条文の
下になるか?
(18) 1999 年 3 月 20 日に JP 出願した内容を優先権を主張せずに 2000 年 4 月 20 日に米国に
出願できるか?
(19) 2000 年 3 月 20 日に JP 出願をした発明を何時までであれば米国出願可能か? 但し、JP
出願は 18 ヶ月後に公開されたものとする。 それ以前の公開はないとする。
(20) 2000 年 4 月 1 日に学会で発表した(公知となった)発明内容をその後米国出願できるか?
(21) 2000 年 4 月 1 日に学会で発表した発明を 2001 年 4 月 1 日に米国出願できるか?
(22) 1999 年 7 月 1 日に学会発表した発明を 2000 年 7 月 3 日に米国出願できるか?
(注意:2000 年 7 月 1 日は土曜日)
(23) 次のうち特許できない発明は?
― 重力;
― 重力を利用した機器;
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アフリカの山奥で見つけた特殊な植物(プラント);
マリワナを吸うための吸引器具;
ビジネスの方法;
数学の方程式を解くための公式;
2 次方程式を解くための公式;
2 次方程式を解くための公式を利用した制御手段を含む発明
(24) 2000 年 3 月 3 日に第 1 回目の OA を受けた、最大延長し、いつまでに応答する必要があ
るか?
(25) 2000 年 3 月 3 日に第 1 回目の OA を受け(短縮応答期限が 3 ヶ月)ときに、6 月 3 日まで
に期限延長を申請しなければならない。 正しいか?
(26) 3 ヶ月期限延長費と継続出願費用(或いは RCE)のどちらが高いか?
(27) 67 歳の発明者は早期審査(Petition to Make a Special)を実施可能か?
(28) 40 歳の発明家の米国出願の代理業務を 69 歳の米国代理人が担当する場合には早期審
査は可能か?
(29) 最終拒絶を受けたときに出願人に与えられた権利はなにか?
(30) 最終拒絶を受けたときに出願人はインタビューを実施する権利はあるか?
(31) 第 1 回目の OA を受けたときに出願人はインタビューを実施する権利はあるか?
(32) 最終拒絶を受けたときに出来る限り出願を長く生かしたいときにはどのように対処すれば
よいか? またそのときには最高何ヶ月くらいの時間を稼げるか?
(33) 2 month Rule とは何か説明せよ!
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■ クイズ:(解答例)
(1) 米国特許出願において出願人は IDS 開示義務をいつまで負うか?
Until the day the patent is issued.
(2) A 社特許課の B さんは米国出願後 4 ヶ月が経過する時点(このときには第 1 回目の OA は未
だ発行されていない)まで関連技術公報(B さんは米国特許出願前から知っており上司の C
さんに米国出願と同時に IDS しておくように指示されていた)を IDS するのを忘れていた。B さ
んはこの時点でどのように IDS するのがベストかを相談してきた。 B さんにどのようにアドバ
イスするべきか?
B does not have to worry about as the submission of the reference is timely because
submission of IDS after passage of 4 months but before the issuance of the 1st OA is
considered “timely”.
(3) A 社特許課の B さんは同米国出願において第 1 回目の OA 発行後 4 ヶ月が経過する時点
まで関連技術公報(対応日本出願の OA で審査官が 6 ヶ月前に引用したもので B さんは周知
していた)を IDS するのを忘れていた。B さんはこの時点でどのように IDS するのがベストかを
相談してきた。 B さんにどのようにアドバイスするべきか?
B does not have to worry too much about it because he can submit the reference with fee
(surcharge fee $180.00 as a bit of punishment).
(4) A 社特許課の B さんは同社の先般出願を終えた米国特許出願のクレーム 1 の構成要件を全
て開示した先行技術文献 T1(英語文献:T1 引例)に出くわした。 B さんは直ちに文献 T1 を
米国特許庁に IDS として提出した。 2,3 週間後に B さんは IDS として提出した先行技術文
献 T1(英語)の対応和訳刊行物 T2(T2 引例)を図書館で見つけた。 B さんは T2 引例をどの
ように扱うべきか対処に困り相談してきた。 B さんにどのようにアドバイスするべきか?
B does not have to do anything as the submission of T1 reference is suffice for complying
with the duty to disclose the material information to the patentability according to 37
CFR1.56(b). The section reads as the information is material to patentability when it is not
cumulative to information already of record or being made of record in the application.
(5) A 社の発明者 B さんは米国特許出願前(但し基礎となる日本出願が終了した後)に学会で自
分の発明を説明したところ凄く反響があり、某経済新聞に大きくその発表内容が取り上げら
れ賞賛を受けた。 それに気を良くした B さんは同新聞の記事を英訳しこれを IDS してくれと
頼んできた。 B さんにどのようにアドバイスするべきか?
Unfortunately, B does not have to submit the information such as this which is favor to the
patentability (those information is not considered to be “material” to patentability under 37
CFR 1.56(a). See also MPEP2001.04
(6) A さんは自己の米国出願において第 1 回目の OA で 102 条(a)項の基に先行技術文献 T(T
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引例)によって拒絶を受けた。A さんの米国出願(2001 年 11 月 20 日に出願された)の基礎と
なる日本出願の出願日は 2001 年 01 月 20 日である。 T 引例の公開日は 2001 年 01 月 18
日である。 この場合に A さんは T 引例の先行技術の地位を喪失させることができるか? 注
意:A さんは実験ノートを毎日記録しており同米国特許出願のクレーム 1 に対応する発明の
完成日を証明できる程度には開示がある。
He could swear back his invention date under 37 CFR1.131 (Rule 131) before October 12,
2000 with his lab-note so that T reference can be removed as an effective prior art.
(7) 権利有効期限が出願日から 20 年となるのはいつ以降の米国特許出願か?
For those US patent application filed on or after June 08, 1995.
(8) WTO の国で実施された発明の発明日を遡及できる限界はいつか?
Jan 01, 1996.
(9) NAFTA の国で実施された発明の発明日を遡及できる限界はいつか?
December 08, 1993.
(10)
仮出願が可能となったのはいつか?
June 08, 1995
(11)
AIPA(アメリカ発明者保護法)に基づき PTA(特許有効期限の延長)が適用される
のはいつ以降の出願か?
May 29, 2000
(12)
か?
AIPA(アメリカ発明者保護法)に基づき出願公開されるのはいつ以降の米国出願
November 29, 2000
(13)
米国指定で英語公開され放棄された PCT 出願の PCT 出願日が米国特許法 102
条(e)項の基に先行技術になりえるか?
November 29, 2000 以降に実施した PCT 出願の PCT 出願日は 102 条(e)date になりうる。
(14)
1999 年 3 月 20 日に日本で公開された公報 A は 2000 年 3 月 30 日に出願された
B さんの出願に対する先行技術になるか? どの条文の下に引例になるか?
A
----|-------------------|------X------|
------------------|------B
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Span X is more than one year, thus 102(b) bars.
(15) 1999 年 3 月 20 日に日本で公開された公報 A は 1999 年 3 月 25 日に米国出願された C
さんの米国出願の先行技術になるか? どの条文の下に引例になるか?
A
-----|----------------------X---C
--------------|------Though span X is less than a year but at least 102(a) bars. In order to overcome the
rejection, C has to rely on his priority date if there is one before 1999/03/20.
(16) 1999 年 3 月 20 日に日本で公開された公報 A は 1999 年 3 月 25 日に米国出願された C
さんの米国出願の先行技術になるか? 但し、C さんの米国出願は 1998 年 3 月 25 日に出願さ
れた JP 出願から優先権主張している。 どの条文の下に引例になるか?
------------|------A
----|---------|-----JP
C
First C’s application will be rejected under 102(a) by A reference. But when C-san submits
the certificate of translation of the priority application, then C-san can remove A reference.
(17) 1999 年 4 月 21 日に米国出願された米国出願 A(A さんによる)は 1999 年 8 月 20 日に出
願された B さんの米国出願 B の先行技術になることはあるか? なる場合にはどの条文の下に
なるか?
A: -----|--------B: --------|-----Reference A is going to be a prior art against B when it matures into USP under 102(e).
(18) 1999 年 3 月 20 日に JP 出願した内容を優先権を主張せずに 2000 年 4 月 20 日に米国に
出願できるか?
Yes, it is possible. However, if the invention was publicly disclosed after 03/20/1999
before 04/20/1999, then such public disclosure bars to US application under 102(b).
(19) 2000 年 3 月 20 日に JP 出願をした発明をいつまでであれば米国出願可能か? 但し、JP
出願は 18 ヶ月後に公開されたものとする。 それ以外の公開はないとする。
One can file a U.S. Patent application within one year (grace period: or one year rule) from
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the public disclosure. Thus one year (12 months) after the 18month publication date is the
answer, which is 30 months from JP filing date.
(20) 2000 年 4 月 1 日に学会で発表した(公知となった)発明内容をその後米国出願できるか?
Yes, if it is done within one year.
(21) 2000 年 4 月 1 日に学会で発表した発明を 2001 年 4 月 1 日に米国出願できるか?
Yes, it is possible!
(22) 1999 年 7 月 1 日に学会発表した発明を 2000 年 7 月 3 日に米国出願できるか?
Yes, it is! Because 07/01/2000, one year anniversary, falls on Saturday (07/01/2001), thus the
next business day in Washington DC is 07/03/2000 Monday.
(23) 次のうち特許できない発明は?
― 重力;
― 重力を利用した機器;
― アフリカの山奥で見つけた特殊な植物(プラント);
― マリワナを吸うための吸引器具;
― ビジネスの方法;
― 数学の方程式を解くための公式;
― 2 次方程式を解くための公式;
― 2 次方程式を解くための公式を利用した制御手段を含む発明
Business method related invention, a device utilizing a gravity force, and one employing a
control means having a formula to solve the quadratic equation are patentable subject
matter.
(24) 2000 年 3 月 3 日に第 1 回目の OA を受けた、最大延長し、いつまでに応答する必要があ
るか?
6 months from 03/03/2000.
(25) 2000 年 3 月 3 日に第 1 回目の OA を受け(短縮法定期限が 3 ヶ月)ときに、6 月 3 日まで
に期限延長を請求しなければならない。 正しいか?
No, because automatic time extension under Rule 136(a) is possible.
(26) 3ヶ月期限延長費と継続出願費用のどちらが高いか?
3month time extension costs you as much as US$930 but filing a CA (or RCE) costs you
US$750.
(27) 67 歳の発明者は早期審査(Make a Special)を実施可能か?
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Yes, an inventor who is 65 or older is eligible for making a special.
(28) 40 歳の発明家の米国出願の代理業務を 69 歳の米国代理人が担当する場合には早期審
査は可能か?
No, because it (“Make a Special”) depends on the inventor’s age.
(29) 最終拒絶を受けたときに出願人に与えられた権利はなにか?
CCA Rules applies: See text in more details:
-
C-ancel claim(s);
C-omply with the examiner’s requirements;
A-dapt suggestions made by the examiner.
(30) 最終拒絶を受けたときに出願人はインタビューを実施する権利はあるか?
No, no right is given to an applicant but usually permitted!
(31) 第 1 回目の OA を受けたときに出願人はインタビューを実施する権利はあるか?
Yes, the examiner cannot refuse.
(32) 最終拒絶を受けたときに出来るだけ長く出願を生かしたいときにはどのように対処すれば
よいか? またそのときには最高何ヶ月くらいの時間を稼げるか?
File a notice of appeal at the end of statutory period for the final OA, then within two
months thereof plus five more month-time-extensions are available for filing an appeal brief.
Thus total 6+2+5 months from the mailing date of FINAL OA is available.
(33) 2 month Rule とは何か説明せよ!
|----|--“--|----|----|--‘--|----|
|
|
Res
A.A.
If the response is filed by an applicant within two months from the mailing date of FINAL
Action, then the time extension is calculated from the date an advisory action is received. Thus it
leads to little money savings for the client.
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