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消防防災活動の現場からみた測位・地理空間情報の重要性(総務省消防

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消防防災活動の現場からみた測位・地理空間情報の重要性(総務省消防
消防防災活動の現場からみた
測位・地理空間情報の重要性
消防研究センター
細川 直史
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
消防防災の業務と測位・地理空間情報
予防
火災原因の調査、
火災発生防止と建物管理者への指導業務
石油など危険物施設の保安管理の指導
警防
火災の防御・消火
救助
災害や事故により危険の迫った者の救出
救急
傷病者を病院まで搬送、救命処置
地震等の大規模災害対応
緊急消防援助隊:管轄をこえた災害対応
国民保護
テロや武力事態における消火や住民の避難
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
1
課題・・・・防災:大規模災害時の初動対応
災害情報の収集が困難な大規模災害に迅速に対応しなければならない。
地震計による震度情報の収集と配信
災害発生
日本国内のどこで、どれだけ揺れたか。
震度の分布
震度に基づく初動の職員参集体制
時
間
震源情報
http://tenki.jp/earthquake/
被害予測
震源情報と地理空間情報に基づく被害予測
面的な地盤情報、地表の構造物の分布が不可欠
(実被害情報の収集の遅れを補い、災害の空間
的イメージを)
家屋費概数(木造の全壊数)
実際の被害情報による詳細な対応へ
迅速な初動対応や危機管理を実施するために、センサーと地理空間情報と
の連携によるシステムが災害対応業務に不可欠となっている。
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
課題・・・地下鉄駅等閉空間での消防隊の活動把握
韓国・大邱市における地下鉄火災
大深度地下やトンネル、地下街等で火災が起きた場
合には、消防活動には困難が伴う
指揮本部と災害現場が離れた場所にあるため、指揮本部で活動中
の隊員の位置や状況を把握することが困難である。
活動中の隊員は、濃煙熱気の充満により視界が失われ、緊急脱出
方向を救助ロープで確保していても気がつかない場合があり、二次災
害につながる恐れがある。
消防無線が繋がりにくく、音声による情報を得ることが困難である。
(通信補助設備のある地下街は除く)
隊員の位置情報を得ることが困難である。
消防活動が困難な地下空間等での活動を支援するため
活動中の隊員の位置や活動状況等の情報を指揮本部でリアルタイムに把握
把握した情報を消防隊が保有する建物情報等と併せて有効に活用できる
機能が求められる。
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
2
消防活動が困難な地下空間等における消防活動支援情報システムの開発
○位置特定システム
・慣性航法装置を利用した自立測位
・電子タグを利用した位置補正
○位置表示システム
・警防計画図をデジタル化した3次元表示シ
ステム
○通信システム
・自動火災報知設備の電話線を使ったVDS
L通信
警防計画図
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
課題・・・救急
救急車の駆けつけ時間の増加
カーラーの救命曲線
◎バイスタンダーの応急処置
◎的確な119番通報と迅速な覚知
◎救急救命士の制度、AEDの普及と活用
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
3
AEDの設置場所に関する情報
・あいちAEDマップ
ユーザ登録により次の操作が可能
1. AEDの設置情報の登録
2. AEDの設置情報の修正・削除
携帯電話から最寄りのAEDが検索可能
http://aed.maps.pref.aichi.jp/
・埼玉県独自のAED設置情報提供システム
・京都市AED設置施設検索システム「AEDマップ」
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
課題・・・緊急通報119
固定電話から携帯電話の普及へ
↓
災害現場の直近から緊急通報が可能
↓
発信位置(災害現場)の迅速な特定が必要
消防本部
通報
災害現場
最寄りの所署からの迅速な駆けつけ
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
発信地表示
消防研究センター
4
日本版E911
・総務省が事業用電気通信設備規則を2006年1月に改正・公布、
2007年4月に施行。
・3G端末は、原則としてGPSモジュールの内蔵が義務付けられる。
・110番/118 番/119番へ緊急通報した際に、通報者の位置情報をGPS等で
測位し、警察・消防・海上保安本部に自動通知する仕組み。
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
携帯電話及びIP電話等からの緊急通報に係る位置情報通知システム実証試験 から
④ 神戸市消防局
神戸市消防局ベランダ 【 神戸市加納町 6-5-1 /
使用端末
試験機能(測位方式)
①セルベース測位
位置情報通知
A 社 3G 携帯
②GPS 測位
(GPS 機能付)
位置情報取得 GPS 測位
①セルベース測位
位置情報通知
A 社 3G 携帯
②代替測位
位置情報取得 代替測位
①セルベース測位
位置情報通知
B 社 3G 携帯
②GPS 測位
(GPS 機能付)
位置情報取得 GPS 測位
①セルベース測位
位置情報通知
B 社 3G 携帯
②代替測位
位置情報取得 代替測位
①セルベース測位
位置情報通知
C 社 3G 携帯
②GPS 測位
(GPS 機能付)
位置情報取得 方式不明
①セルベース測位
位置情報通知
C 社 3G 携帯
②代替測位
位置情報取得 代替測位
GPS 専用端末による緯度:34.68944 経度:135.19513 】
緯度
経度
精度
高度
高度精度
34.68802 135.19533
7900
34.68955 135.19535
58
100
210
34.68955 135.19535
58
100
210
34.68802 135.19533
7900
34.68802 135.19533
7900
34.68802 135.19533
7900
34.69536 135.19363
1800
94
100
34.68964 135.19529
51
71
22
34.68964 135.19529
51
71
22
34.69536 135.19363
1800
94
100
34.69536 135.19363
1800
94
100
34.69536 135.19363
1800
94
100
34.69021 135.19542
※
34.68933 135.19567
13
34.71670 135.18260
1500
34.68831 135.19702
※
34.68831 135.19702
※
34.68929 135.68929
※
-
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
備考
消防研究センター
5
携帯電話端末による測位の事例
携帯電話で屋内設
置のAED撮影し、
GPS・測位情報を
付加した画像
実際の位置
実際の位置
屋内で測位した場合
は誤差が発生する場
合がある。
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
課題・・・測位と地図の精度
携帯電話からの緊急通報に係る位置情報通知システムなど、
測位と地理空間情報に基づいたシステムは、
災害覚知をはじめとした消防防災の活動現場において不可欠
となっている。
・GPSの信号が届かない建物内や地下
などの閉空間においては、測位精度
に課題がのこる。
・建物平面図やAEDの設置場所など、
地図の整備とその精度、内容の更新
が求められる。
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
×
集合住宅内の
部屋
消防研究センター
6
電子タグを利用した測位と安全・安心の確保
○課題分類 「ユビキタスネットワークの斬新な利活用研究・実証」
○提案課題名 「電子タグを利用した測位と安全・安心の確保
○研究代表者名「瀬崎 薫
○責任機関名 「国立大学法人 東京大学
測位技術を利用した
安全・安心の確保に
関する研究
子供の異常事態 地域の見守り
の自動検知
活動の支援
シームレス測位
による位置把握
」
」
」
P2Pによる
現場での情報交換
被災情報の場所
を通じた共有と活用
電子表札
○日○時/ 家族は全員
無事です。小金井公民
館に避難しています。
階数や部屋位置など
の正確な位置通報
電子表札
文
保護者でなくても
見守り対象児童
が分かる
一人になる場所
マップ
電子タグ
GPSが使えない地下街や高層建物内からの
急病・火災時の救援要請
P2Pによるシームレス測位
位置記述の標準化
(座標から部屋番号まで)
センサ出力
との統合
場所を媒介にした
P2P情報共有・取得・配信
(x,y,t)
(x,y,t)
(x,y,t)
技術の基盤
■□■△@(x.y.t)
(x,y,t)
P2Pモデルを利用した位置
情報の高精度化と環境情
報取得に関する研究
(x,y,t)
+
地方公共団体
社会基盤施設
位置の基盤
四 等
三
角
点
商店会など
電子タグを利用したシー
+
標石の場合
ムレス測位・効率的な測
量システムの開発
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム
2009年9月29日
安全施設
安心して利用できる位置の基準
ガイドライン等による普及
消防研究センター
システムの構成図
(2)位置解決サーバ
(通報アプリの管理)
集合住宅内の部屋
タグIDによる問い合わせ
N/W
位置、住所、通報先
の電話番号・URL
火災感知器
(3)通報受信サーバ
アクティブタグ
位置情報・
火災警報
近隣の火災
警報情報
通報(位置、通報内
容、通報者のパーソ
ナリティなどを送出)
(1)タグリーダ付き
携帯電話
(4)火災発生位置や建
物の平面図の表示
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
通報内容の表示
消防研究センター
7
フィールド実験
平成20年11月26日 流山おおたかの森駅にて
電子タグ
Ucode設置
位置の解決
PCサーバ
Ucode
タグ方式
アクティブタイプ
周波数
315MHzアク
電子タグ読み取り
距離
約10m
電子タグIDビット
64~128bit (送
信および受信)
電子タグ読み取り
の動作回数・時間
約10時間 (連続
稼働時間)
タグリーダ付き携帯電話端末(kddi社製)
メール通報における高精度
な位置情報の通知
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
実験の結果
高架下(地上階)
平成20年11月26日
消防研究センター
流山おおたかの森駅にて
電子タグの設置位置
電子タグに依らない測位結果
2階自由通路
ロータリー
50m
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
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まとめ・・・測位・地理空間情報への期待
地理空間情報の整備
・地下街や建物の3次地図(警防計画図として)
精度の向上
・測位精度
・地図の精度
・情報の更新(現実空間との整合性)
シームレス化
・屋外→屋内へ
・2次元から3次元へ(階高)
ユビキタス通信との連携
・携帯電話をはじめとした汎用の機器が利用可能
次世代の測位・地理空間情報基盤に関するシンポジウム 2009年9月29日
消防研究センター
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