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第6節 避難応急体制等の整備

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第6節 避難応急体制等の整備
一般災害対策編
第2章
災害予防計画
第6節
避難応急体制等の整備
第6節 避難応急体制等の整備
■
計画の目的
水害・土砂災害から市民の生命や身体を守るためには,避難場所となる指定緊急避難場所の指定,避難
準備情報・勧告・指示の適切な発令と確実な伝達が必要となるとともに,自主防災組織等との連携により,
市民の避難体制の確立を図る必要がある。
さらに,地下街や地下階,人が生活等を行う地下室の所有者,管理者等は,水防法に基づく洪水予報河
川の浸水想定区域を基に,浸水防止措置や早期避難体制の整備を進めることが必要であるとともに,高齢
者,障害者,乳幼児等の要配慮者利用施設や大規模工場等においても,洪水時の円滑かつ迅速な避難の確
保や浸水の防止を図るための措置を講じるように努める必要がある。
6-1
避難応急体制等の整備
■ 基本方針
大規模な災害時に市民の身の安全を確保するため,日頃から市民に対し指定緊急避難場所や避難方法等
について周知徹底を図り,地域住民相互の連携による避難体制の確立を図る必要がある。
災害により避難を要する事態が発生した場合に備え,京都市は避難準備情報・勧告・指示を適切に発令
するための具体的な判断基準や市民への伝達方法を定めた避難勧告等の判断・伝達マニュアルを作成する
とともに,防災関係機関や自主防災組織等と連携し,訓練の実施や指導等を通じて避難体制の確立を図っ
ていく。
また,自主防災組織等は,災害発生時に迅速な避難活動が実施できるよう,平常時から指定緊急避難場
所や避難方法等についての理解を図るとともに,訓練の実施や指導等を通じて地元住民を中心とした避難
体制の確立を図っていく。
1 避難誘導体制の整備
⑴
避難に関する情報の伝達体制の整備(区役所,消防局)
区役所,消防署は,自主防災組織,自治会,社会福祉協議会等と連携して,避難場所,避難経路等の避
難に関する情報の伝達体制,特に,高齢者,障害のある方,乳幼児,傷病者,妊産婦,日本語を解するこ
とができない外国人等の要配慮者に対応できる伝達体制を整備する。
⑵ 避難準備情報・勧告・指示の発令体制の整備(行財政局防災危機管理室,区役所,消防局等)
行財政局防災危機管理室,区役所,消防局等は,水害・土砂災害の発生又は発生のおそれが認められる
ことによって避難を要する事態が発生することを想定し,避難勧告等の判断・伝達マニュアルに基づく,
時期を逸しない避難準備情報・勧告・指示の発令を行うための情報収集,分析,判断等の体制を整備する。
⑶ 避難準備情報・勧告・指示の発令伝達体制の整備(行財政局防災危機管理室,区役所)
行財政局防災危機管理室は,避難準備情報・勧告・指示を確実に伝達するため,放送機関,電気通信事
業者,ポータルサイト・サーバ事業者,ソーシャル・ネットワーキング・サービス事業者等の協力を得て,
多様な手段で迅速に情報伝達を実施する体制を整備する。
また,区役所は,消防署,警察署,自主防災組織,自治会,社会福祉協議会等と連携して,現地におけ
る避難準備情報・勧告・指示の伝達体制,特に,高齢者や体の不自由な方等の要配慮者に対応できる伝達
体制を整備する。
⑷ 警戒区域の設定体制の整備(消防局,区役所)
消防局,区役所は,災害の発生後において広範囲の区域で立入りを制限,禁止する必要が発生する場合
を想定し,関係機関と連携した警戒区域の設定体制を整備し,区総合防災訓練等を通じて習熟を図る。
⇒ 第3章 6.1 避難準備情報・勧告・指示を発令する
⇒ 第3章 6.2 避難準備情報・勧告・指示を伝達する
⇒ 第3章 6.3 警戒区域を設定する
⇒ 第3章 30.4.9 避難対策を実施する
2 避難システムの整備
⑴
避難体制の周知
災害発生時に住民の避難行動が迅速・的確に実施できるよう,以下の取組を実施し,指定緊急避難場
所等の周知徹底や避難行動についての必要な指導,啓発を実施する。特に,震災時の避難行動との違い
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― 一般災害対策編
第2章
災害予防計画
第6節
避難応急体制等の整備
について留意する。
ア 避難行動に関する資料等の作成・配布(パンフレット,防災マップ)
イ 避難訓練等の実施
ウ 地域ごとの避難計画の策定指導
エ 水害,土砂災害に関する避難誘導標識の検討
⑵ 自主防災組織等による避難体制の整備及び避難行動の周知
自主防災組織や自治会,町内会等は,水害,土砂災害等の災害で避難を要する事態が起こることを想
定して,自主的な判断に基づく住民の避難を支援する体制を整備するとともに,防災マップ等で地域の
被害想定を確認のうえ,災害時に指定緊急避難場所へ避難する,あるいは自宅や近隣建物の上階へ避難
する等の避難行動について,あらかじめ決めておくものとし,必要に応じて当該建物の関係者等との話
合いを通じて,付近住民が緊急的な退避ができる体制を整備するよう努める。
また,高齢者や体の不自由な方等の要配慮者が被災家屋に取り残されることがないよう,要配慮者の
援助に留意した体制を整備する。
自主防災組織等の地元組織は,避難行動や避難先となる指定緊急避難場所を地元住民に周知するとと
もに,避難が必要な場合は,近隣住民で声を掛け合って高齢者等の要配慮者の介添えを行いながら避難
できるよう,実践的かつ自主的な防災訓練等を実施する。
⇒ 第3章 6.4 避難を行う
3 施設の避難体制の整備
京都市庁舎,学校,社会教育施設,社会福祉施設,医療施設等京都市の所管する施設や駅舎,地下街,大
規模小売店舗,その他民間の不特定多数の者が利用する施設の管理者は,災害発生時において施設利用者や
職員を安全に避難誘導するための体制を具体的に整備する。
⇒ 第3章 6.7 庁舎等施設で避難誘導を行う
4 移送体制の整備
災害が発生し,山間部などにおいて道路の寸断等により孤立するおそれのある地域を有する区は,住民を
緊急的に移送することを想定し,移送手段の確保のための応援要請体制を整備する。
⇒ 第3章 6.8 移送を行う
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第2章
災害予防計画
第6節
避難応急体制等の整備
水害時の避難
■
基本方針
水害における避難行動は,指定緊急避難場所への避難に限らず,近隣の安全な建物等への移動や屋内の
安全な場所での待避など多様であり,市民は,想定される浸水の深さなど居住地の水害リスクを踏まえて,
市民自らがあらかじめ取るべき行動を検討しておくことが望ましい。京都市は,市民が的確かつ迅速な避
難行動をとる判断ができる知識と情報を提供する。
水害が発生するおそれがある場合には,気象庁からの各種警報や京都市からの避難情報が発令されるこ
とから,市民は,これらの情報を基に,あらかじめ決めておいた避難行動が速やかに行えるよう準備し,
また,自ら,危険な状況を把握した際には,各人の判断で的確な避難行動が行えるよう準備をする。
1 指定緊急避難場所(水害)
⑴
指定緊急避難場所(水害)
指定緊急避難場所(水害)とは,水害が発生し,又は発生するおそれがある場合における円滑かつ迅
速な避難を図る場所をいい,災害対策基本法に基づき指定する。
⑵ 指定緊急避難場所(水害)の指定基準
ア 水害が発生し,又は発生するおそれがある場合において,避難者等に開放されること。
イ 水害が発生した場合において人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域
(以下「安全区域」という。)内(浸水想定区域外)にあること。ただし,安全区域外にある場合にあ
っては,水害に対し安全な構造のもので,浸水想定深よりも高い場所に避難者等の受入れの用に供すべ
き屋上その他の部分が配置され,かつ,当該部分までの避難上有効な階段その他の経路があること。
ウ 避難者等の受入れの用に供すべき屋上その他の部分及び当該部分までの避難上有効な階段その他の
経路について,避難上の支障を生じさせないものであること。
⑶ 浸水想定区域内等での指定緊急避難場所(水害)の指定(区役所)
区長は,指定避難所が,安全区域外にある等(浸水想定区域内等),迅速な避難確保を図る必要がある
場合には,あらかじめ指定緊急避難場所(水害)を指定し,住民に周知するものとする。
指定に当たっては,各施設管理者と必要な協議を行い,承諾を得るとともに,人口動態,施設の変更等
について毎年調査し,更新する。
※ 資料2-3-6-1 指定避難所及び指定緊急避難場所一覧表
⇒ 震災対策編 第2章 第3部 第7節 避難所運営体制の整備
2 浸水想定区域内における円滑な避難の確保及び浸水の防止のための措置について
地下街,ビルの地下,地下駐車場,地下鉄,地下通路などで結ばれた地下空間は,短時間の局地的大雨
等でも浸水する可能性があるため,利用者を円滑かつ迅速に地上に避難させるための体制整備や情報伝達
が必要である。また,災害発生時には,避難に時間を要する高齢者や障害者等が犠牲となるおそれが高い
ことから,こうした要配慮者が利用する施設は,日頃から避難体制を整備することが重要である。さらに,
地域の社会経済活動に加えて,より広範なサプライチェーンにも重大な影響を与えるおそれがあることか
ら,大規模工場等で,その所有者又は管理者から申出のあった場合には,浸水防止計画の作成等を努力義
務として求めることとする。
⑴ 地下街等
ア 計画の作成
浸水想定区域内にある地下街等の地下施設で,市長が必要と認める施設の所有者又は管理者は,次の
事項を記載した計画を作成し,市長に報告するとともに,これを公表する。
(ア) 地下街等における洪水時の防災体制に関する事項
(イ) 地下街等の利用者の洪水時の避難の誘導に関する事項
(ウ) 地下街等における洪水時の浸水の防止のための活動に関する事項
(エ) 地下街等における洪水時の避難の確保及び洪水時の浸水の防止を図るための施設の整備に関する
事項
(オ) 地下街等における洪水時を想定した防災教育及び訓練の実施に関する事項
(カ) 自衛水防組織の業務に関する事項
(キ) その他,地下街等の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び洪水時の浸水の防止を図るた
めに必要な措置に関する事項
※ 資料2-1-14 避難確保措置及び浸水防止のための措置に関する計画が必要な施設
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― 一般災害対策編
第2章
災害予防計画
第6節
避難応急体制等の整備
イ 訓練及び自衛水防組織の設置
避難確保・浸水防止計画の作成に加えて,当該計画に従って避難確保及び浸水防止の活動が確実に行
われるよう,訓練の実施及び自衛水防組織の設置を義務づける。
ウ 洪水予報等の伝達
利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び浸水の防止の措置を図るため各施設の所有者又は
管理者等と協議して,洪水予報等の情報の伝達方法についてあらかじめ定めておく。
⑵ 要配慮者利用施設
ア 計画の作成
浸水想定区域内にある要配慮者利用施設で,市長が必要と認める施設の所有者又は管理者は,次の事
項を記載した計画を作成するように努める。
(ア) 要配慮者利用施設における洪水時の防災体制に関する事項
(イ) 要配慮者利用施設の利用者の洪水時の避難の誘導に関する事項
(ウ) 要配慮者利用施設における洪水時の避難の確保を図るための施設の整備に関する事項
(エ) 要配慮者利用施設における洪水時を想定した防災教育及び訓練の実施に関する事項
(オ) 自衛水防組織の業務に関する事項
(カ) その他,要配慮者利用施設の利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な措
置に関する事項
イ 訓練及び自衛水防組織の設置
避難確保計画の作成に加えて,当該計画に従って避難確保のための訓練を実施するほか,自衛水防組
織の設置に努める。
ウ 洪水予報等の伝達
利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため,各施設の所有者又は管理者等と協議して,
洪水予報等の情報の伝達方法についてあらかじめ定めておく。
※ 資料2-1-15 情報伝達体制を定める必要がある要配慮者利用施設(浸水想定区域内)
⑶ 大規模工場等
ア 計画の作成
浸水想定区域内にある大規模工場等で,市長が必要と認める施設で所有者又は管理者から申出があっ
た場合には,次の事項を記載した計画を作成するように努める。
(ア) 大規模工場等における洪水時の防災体制に関する事項
(イ) 大規模工場等における洪水時の浸水の防止のための活動に関する事項
(ウ) 大規模工場等における洪水時の浸水の防止を図るための施設の整備に関する事項
(エ) 大規模工場等における洪水時を想定した防災教育及び訓練の実施に関する事項
(オ) 自衛水防組織の業務に関する事項
(カ) その他,大規模工場等の洪水時の浸水の防止を図るために必要な措置に関する事項
イ 訓練及び自衛水防組織の設置
浸水防止計画の作成に加えて,当該計画に従って浸水防止のための訓練を実施するほか,自衛水防組
織の設置に努める。
ウ 洪水予報等の伝達
利用者の洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため,各施設の所有者又は管理者等と協議して,
洪水予報等の情報の伝達方法についてあらかじめ定めておく。
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― 一般災害対策編
第2章
災害予防計画
第6節
避難応急体制等の整備
6-3 土砂災害時の避難
■
基本方針
土砂災害から市民の安全を確保するため,土砂災害防止法に基づき京都府が行う土砂災害警戒区域等の指
定について,京都市として積極的に協力し,早期に指定完了を目指すとともに,土砂災害ハザードマップを
作成し,市民に対し指定緊急避難場所や避難方法等について周知徹底を図り,地域住民相互の連携による避
難体制の検討を具体的に行う。
1 指定緊急避難場所(土砂災害)
⑴ 指定緊急避難場所(土砂災害)
指定緊急避難場所(土砂災害)とは,土砂災害が発生し,又は発生するおそれがある場合における円滑
かつ迅速な避難を図る場所をいい,災害対策基本法に基づき指定する。
⑵ 指定緊急避難場所(土砂災害)の指定基準
ア 土砂災害警戒区域等を有する学区内に存する指定避難所のうち,当該施設が土砂災害警戒区域等内に
存しない場合は,指定緊急避難場所(土砂災害)に指定する。
イ 指定避難所が土砂災害警戒区域等内に存する場合は,必要に応じ,代替施設を指定緊急避難場所(土
砂災害)に指定する。ただし,代替施設の確保が困難な場合は,土砂に対して安全な構造を有している
こと,土砂災害発生前の早期避難を行うことなどを前提条件とし,区役所が自主防災組織等と協議を行
ったうえで,土砂災害警戒区域内の施設を指定することがある。
⑶ 指定緊急避難場所(土砂災害)の指定(行財政局,区役所)
指定に当たり,施設が教育委員会所管の場合は,行財政局が教育委員会と必要な協議を行い,行財政局
が指定する。
また,施設が教育委員会所管以外の場合は,区役所が施設管理者と必要な協議を行い,区役所が指定す
る。
※ 資料2-3-6-1 指定避難所及び指定緊急避難場所一覧表
⇒ 震災対策編 第2章 第3部 第7節 避難所運営体制の整備
2 土砂災害警戒区域等に存する要配慮者利用施設
土砂災害警戒区域等に存する要配慮者利用施設については,土砂災害ハザードマップに図示したうえで,
各施設の所有者又は管理者,区役所,自主防災組織等と協議し,土砂災害警戒情報等の情報の伝達方法,避
難誘導体制の整備について,あらかじめ定めておく。
※ 資料2-1-16 情報伝達体制を定める必要がある要配慮者利用施設(土砂災害警戒区域等内)
3
避難行動(避難経路)
避難による二次災害の発生を防ぐため,土砂災害ハザードマップ及び「防災行動マニュアル」を活用し,
効率的かつ適切な避難行動の周知に努める。
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