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鹿児島県天降)1の水質と水辺環境整備に関する調査研究
鹿児島工業高等専門学校 研究報告 36(2001 ) 3 1" " 4 0 鹿児島県天降)1 1の水質と水辺環境整備に関する調査研究 疋田誠↑ 西 留 清 T 榎並利征 T 川崎博靖 T A Study of the Water Quality and the Waterfront Development of Amori River i n Kagoshima Prefecture Makoto HIKIDA, Kiyoshi NISHIDOME, Toshiyuki ENAMI and Hiroyasu KAWASAKI M i s c e l l a n e o u swastewater,h o ts p r i n gwater,f a c t o r yd r a i n a g e,af e r t i l i z e ro fa g r i c u l t u r eande t cmay producet h ep o l l u t i o no fA mo r iR i ver .P o r t a b l ewaterq u a l i t ymeasure-devices,aGPS-device,anda rubberdinghywithanoutboardmotorwereu s e f u lf o rt h ei n v e s t i g a t i o n .Thewaterq u a l i t yalways changeswitht h ep a s s a g eo ft i m e .Thenwecheckedt h er i v e r s i d eenvironmentfromt h es u r f a c eo ft h e h eupstreamt ot h emoutho far i v er .Ther e s u l to ft h ei n v e s t i g a t i o nwasd i f f e r e n tfrom water,fromt t h ea s p e c to ft h er i v e re n g i n e e r sfromt h el a n d .Wehopef o rt h ei n s t a l l a t i o no ft h emooringequipment o ft h erubberdinghyf o rs a f e t yandt h eremovalo fo l db r i d g ep i e r s . i v e r s i d eenvironment,GPS, Keywords:i n v e s t i g a t i o no fwaterq u a l i t y,r measurementt e c h n i q u e,A mo r iR i v e r 1.まえがき 水環境計画は長期観点にたち立案することが肝要 である。天降川は、鹿児島県姶良郡横川町国見岳を 水源とし、横川町、牧園町、隼人町、国分市を流域 2 とする流域面積 404m 、流路延長 42kmの国分 平野を貫流する県内最大の二級河川である。計画流 s、超過確率 1/60である。当地域は、 量は 1970m3/ 国分隼人テクノポリスに指定され、人口は鹿児島市 に次ぎ、県内で最も急速に都市化が進行中である。 現在、生活汚水、先端企業の工場排水、温泉水、農 業肥料等を含む河川水の錦江湾奥部への流入により この海域では、水質汚染が懸念されている。 本報では、天降川の水辺環境の現況把握を行うた めに実施した河川調査結果を報告する。水質の空間 分布及び時間的変化に着目、現地調査を行い、その 分析を行う。通常の中小河川においては、土木技術 者として、水辺空間を水上から観察する機会が乏し いようにある。本調査の水質計測では、図 -1に示さ れる河川│沿い空間的水質分布の測定を行い、 GPS を利用した。さらに、定地点で観測し、時間的推移 も調べた。最後に、本研究では、水辺環境整備の観 点から、河川の現地調査を陸及び水上にて調査をす すめ、その結果に基づき、今後の河川整備計画指針 を提供している。 図-1.天降川の流域図 土木工学科 T 3 1 疋田 誠 西留 榎並 =主 Iヲ ' J 利征 川崎 博 靖 2 . 水質調査について 1)環境庁の公共水面の調査結果 国立環境研究所の公共用水域水質年間値データを 示すと次のようである。 , , ・ 6 . . 、.v 点、 。 ::4 •• AP . . i・・柑・÷:・ . ・ ik一 一 ‘ 、 、 、・ n H ・ ・ 写真-2. U-23の表示部(左上) 印字部(右下)及びGPS (右上) a u nb F . e ., -a a a -令。.jf a a Me十: 、am- -← 'va 川 •. ・ 山 ・ 十白目 ・ ・ : ・ ・ ・ ・ 十 ・ ' '目---a.。 . 。: a M ・ ,・ ・・ h u ・ 1J 、一 mill-- i ﹄ φ::十由 J e T : :φ・ 司 ll e ・以内 7 h pH - 7 . 5 ・ 一 F 1 一 ・川⋮ ・ ( 3 ulinH一 一 昨 ⋮ 間 b A :・ ・ ・ ・ ・ ・ i b -ナ;・・・・・・・・0・:白:白li 。 u G'nu一 一 , r •• 叫:恥'十: λ e' : u唱。e。ん:白eAt・市刷 ・・ 1 州 、 8 r O 礼一一川一 hJ m U一 . γ : ・ ・ ・ ・ ', 令 。 。---‘ : : nb ⋮ An 一 •• ①水質測定に使用する計器は、堀場製作所のマルチ 水質モニタリングシステム ( U-23) を用いた。測定 項目として、 pH,溶存酸素 (DO) ,導電率,塩分 ,全溶存固形物量 (TDS) ,海水比重,温度,濁度, 水深,酸化還元電位 (ORP) ,硝酸イオン,塩化物 イオン,カルシウムイオン(またはアンモニア)の 13項目で、同時測定が可能である。 6. 5 7 9 8 4 9 5 9 6 9 2 9 3 9 1 9 9 09 1 9 図-2. 天降川の水質 (pH) の経年変化 Muv; . 、、,,,. ah ・ ・ n u : ・ ・・山:・・‘.‘ ‘ . E E-- ι : m o l i - ・ : ・ ・ ト 合 同 ︾ : ・ JW . 0.. , e a A : A U a e e a a e e, ・ ・ ••••••• ・ ・ ・ ・ + 。 。 . a ' -A明両 w 一 ::ha -:::A::::::;:::よ:悶}・ 一 l : : s・ l・-:⋮--sili--: 1 0 一 ( m g /1 ) ⋮ D O gb ;:v'::::h e :・ 一 一 O m A 1 5 5 6 9 7 9 8 4 9 5 9 2 9 3 9 1 9 9 09 1 9 図-3. 天降川の水質 (00) の経年変化 犬飼橋(中津川=天降川の支)1 1 ) 、下原橋(天降川 上流)、新川橋(天降川下流、国道 1 0号)の 3地点 の p H、 D Oの値を示してる。原因はよくわからな いが、犬飼橋と新川橋地点で、 pHの値が経年的に 増大する傾向が見られる。 2)水質計 U-23における測定 写真-1. U-23のセンサ一部(測定時) 3 2 ②パックテストと同様に、バケツで川の真ん中の水 をくみ、 U-23を水の入ったバケツに差し、測定 を行う。 ③各測定の原理は、以下のようである。 1. pH U-23では、 pH測定をガラス電極法にて行って いる。ガラス電極法とは、 pHに応答するガラス膜 と、比較電極の電位差を測定するものである。 2. 溶存酸素 (00) D0 ( D i s s o l v e dOxygen) は水中に溶け込んでい る酸素濃度のこと。 D Oは河川や海域の自浄作用や、 魚類なと、の水棲生物にとって不可欠であり、また D Oの測定は排水処理および水質管理などにとっても 不可欠である。 D Oの測定法は、隔膜電極法と呼ば れ、還元物質や酸化性物質の影響を除くために複雑 な前処理を必要とする化学分析法の較べて、大変簡 便に D Oを測定することができる。 3. 導電率 (CONO) 導電率は物質中における電流の流れ易さを示す指 標です。塩類が水に溶けると陽イオンと陰イオンに 分かれる。このような溶液を電解質溶液と呼んでい る。電解質溶液に電流が流れる性質があり、オーム の法則が成り立つ。乙の性質は、電解質溶液のイオ ンが移動することによって、電流が流れるため、イ オン伝導性と呼ばれる。一方、貴金属は、電子によ って電流が流れるため電子伝導性と呼ばれ、イオン 伝導性とは区別される。 U-23は交流四電極法を採用しており、電圧検出極 および、電圧印加極の計 4つの電極から構成される。 電圧検出極は、交流電圧を検出する電極であり、電 鹿児島県天降川の水質と水辺環境整備に関する調査研究 圧印加極は、交流電圧を印加する電極です。この方 法は非常に導電率の高い領域まで測定できる大変優 れた方式である。 4. 塩 分 (SAL) ここでいう塩分濃度は、海水の塩分濃度である。 或る温度における導電率と塩分濃度の聞には一定の 関係があるので、導電率と温度が分かれば、相当す る塩分濃度が決まる。 U-23の塩分濃度計は導電率 および温度の測定値を利用して塩分を演算するとい う原理に基づいている。 5. 全溶存固形物量 (TDS) TDSとは、 T o t a lD i s s o l v e dS s o l i d sの省略で、全 溶存固形物量を意味する。溶液の導電率は、塩分や 鉱物、溶存ガスの量に起因する。つまり、導電率は、 、 溶液の全ての物質の送料示す指標となる。 TDSは そのうち、全溶存固形物量だけを示すも。この TD 、 N aClのような単一成分からなる物質の状態の Sは 比較に用いることができるが、違う種類の溶液を比 較するときは誤差が大きくなる。 は、水の深さと圧力の関係を用いている。この水深 センサーは圧力を行っているため、気圧による影響 を受けるが、測定前の自動校正にてゼロ点を調整し ている。 9. 酸化還元電位 (ORP) ORPとは、 O x y d a t i o n R e d u c t i o nP o t e n t i a lの省 略で酸化還元電位のこと。すなわち、溶液中に共存 する酸化体と還元体の問の平衡状態によって定まる 測定は エネルギーレベル(電位)を意味する。 ORP 溶液の性質を表す尺度の一つであるとして理解する 必要があり、溶液の分析(電位差滴定)あるいは廃 液処理などに有益な指標として広く用いられている。 oRPの高さが殺菌作用に効果がある」と 最近では r oRPの低い水を飲むと体内細胞中の活性酸素 か 、 r と反応するので病気になりにくい j といった説があ り、アルカリ飲料水などの指標として使用されるこ とがある。 1O. 硝酸イオン(例 N03+ ) シウムイオン ( C イ a 針 2 勺 イオンセンサーの応答膜は測定溶液中に特定のイ オンが存在すると、そのイオン濃度に相応した電位 を発生する。発生した電位は比較電極を基準とした 電位差としてイオンメーターで測定される。一般に イオンセンサーでは測定電位差と測定溶液中の対象 イオン濃度の対数が比例関数にある。 6 . 海水比重 (σt) 海水の密度と比重は、 CGS単位系では、数値的 には等しいので、一般的に厳密に区別しないで用い 0 0 ' " ' '1 .0 31の間に られている。海水の密度 ρは、1.0 000倍した値 σとし あることから、便宜上、 1減じ 1 て表わす。 。 =(ρ-1) * 1000 海水の密度 ρは温度、水圧、塩分の関数表で表され るが、特に大気圧の時の σを σtとして示す。これは 温度・塩分によって決まる。 U-23では、温度の 測定と導電率換算より塩分の測定をおこなっている ので、計算により、 σtを算出している。 7. 濁度 (TURB) 濁度を算定する方法はいくつかあるが、 U-23シ リーズでは透過散乱方式を採用している。光源より サンプルに光束を照射するとサンプルを通過する透 過光と、サンプル中の濁度成分によって散乱された 散乱光が生じる。透過散乱方式は、この散乱光と透 過光の強さを各々の受光器で測定し、その比率に基 づいて濁度を表示する方式である。なお、濁度の値 はセルの構造によって変化するため測定計器によっ て異なる。 8. 水深 (DEP) 水深測定について U-23では、圧力ゲージにより 水深測定を行うことができる。この水深測定の原理 3)U-23における測定結果と考察 天降川の水質の空間分布を知るために、上流から 4 ' " ' '13 河口に至る縦断方向の測定を行い、図 (左図)に示す。 1 2 / 7 (木)、湯田橋より上流域では、 河川を横断する橋から、川中央部の河川水を採水し 0/19(土)、湯田橋より河口の塩止堰まで て測定。 1 は、ゴムボートを利用して船上から連続測定を行っ 0 / 2 6 (木)、塩止堰より錦江湾の海域へは、ゴ た 。 1 ムボートに船外機を付け、測定地点の現位置を確定 するために GPSを利用した計測を行った。 次に、水質の時間的分布、日変動を知るために、 48時間連続計測を、①泉帯橋 (9.54km地点、 1 2 / 2 2 (金)1 6 : 0 0 ' " ' ' 1 2 / 2 4 (月)1 6 : 0 0 ) と、②野口橋 (3.68km地点、 1 1 / 1 5 (水) 1 6 : 0 0 ' " ' ' 1 1 / 1 7 (金) 1 6 : 0 0 ) の 2地点で実施した。水質計 (U-23) は 、 3日関連続測定可能で、 1 0分間隔で観測した。 図4 ' " ' '1 3の右図は、その観測結果である。 33 疋田 誠 西留 川崎 博靖 8 . 5 8 . 5 n v⋮ 0. 8 7 . 5 pH 7 6 .5 リ- ム ﹄ μ ﹂ 2 0 1 0 u H⋮ 一日 0 y kμ G ia--4ji--ji--Jil---ji-↓:jji--I :43 W 一一一ム 0 ・ l ⋮ 6 . 5 0 ⋮⋮⋮ a gb⋮ ⋮ 一 ム ⋮︿一 一一ム pH 一:Gi--:ム 附 : 一 -HUji--:: 一::・ :ji--: A ⋮d a o t4/ 北 斗 su ・-開 huv'ae--: 、::'﹄ ⋮凶⋮ 日出⋮﹀⋮ hr ⋮同⋮ Fhd ⋮ l V∞ ⋮ ⋮ 。 ι 8 榎並 利 征 清 4 0 1 8 : 0 0 河口からの距離 ( k m ) 0 : 0 0 6 : 0 0 8 : 0 0 1 2 : 0 0 1 0 : 0 0 6 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 図-4. 天降川の水質 (pH) の空間分布と時間的経緯 1 8 2 0 1 6 Amori gawa( D O ) 1 4 O o J nut, 、J/ nU 0 t 1 0 : σ b , 1 , 0 m 、 (mg/1 ) ~ , , 川bashi o g u D O : ・ ‘ ー ー ー ・ ー ー ー ー ‘ . . . 、 ・ " ' 0 ・ ー ・ ー - nLnU 1 5 0: . ( ) ) . . . . . . 虫 . . . . 1 5 0 1 0 8 6 2 0 3 0 4 0 河口からの距離 ( k m ) 4 1 8・0 0 0 : 0 0 6 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 0 : 0 0 6 : 0 0 8 : 0 0 1 2 : 0 0 1 6 : 0 0 8・0 0 1 2 : 0 0 1 図-5. 天降川の水質(溶存酸素 DO) の空間分布と時間的経緯 0 . 1 0 . 0 8 ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー . . . ; . . . ・ ・ ー ー .Amo . r . l. g awa1cond).. 0 . 0 8 0 . 0 6 O .0 6 cond cond ( S / m ) 0 . 0 4 o " ' N o g ' u ' e l i i o 画 面i fi " ' ' ' [ O .0 2 J;J; r Q.Q コ 一 一 一. i . . . . . . C l . . . . . . . . . : 。 。 ojo o j oooo 0 . 0 4 O .0 2 Sentåi~yo 1 0 2 0 3 0 河口からの距離 ( k m ) 4 0 0 1 8 : 0 0 0 : 0 0 6 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 図-6. 天降川の水質(導電率)の空間分布と時間的経緯 3 4 0 : 0 0 鹿児島県天降川の水質と水辺環境整備に関する調査研究 O .6 O . 6 O .5 " ' " A mウr " I "g a w ョt C lDS)… O. 5 O .4 内毛 u パリ nU z , , 、 、 TDS ( g ! l ) 0.3 PO Dh Tι 0 . 4 oNogucliibashi j . . . . . . .. i . . . . . . . . . . . . . . . J. . . .. .. . . . ... . t O .2 0 0) 0 . 1 。 。 ~:_ O .2 ( " ) ナ ・ ・ 二 ・ ・ ・ 0・ ; … 。 . . { }・ J ….ωQb 0 . 1 S e n t a iJ <y o 1 0 2 0 0 4 0 3 0 1 8: 0 0 河口からの距離 ( k m ) 0 : 0 0 6 : 0 0 8 : 0 0 1 2 : 0 0 1 0 : 0 0 6 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 図-7. 天降川の水質(全溶存固形物量TDS) の空間分布と時間的経緯 2 5 !A m o r i g a w a ( T e m p ) 吋 2 0 .. . J . . . . . . . f. . . . .加 A 町 m 旧 l 吋 o 句 Q 件 } μ ト い 寸 : _ i ほ g 伊 ?a w a江 山 山 e 町 伺 m 2 0 9 .l.I.... .........~J...(5...ö...1 ハ QOn 一一… 。 …δ… む 一γ吊 一 1 5 T e m p ( O C ) S e n t ai ~yo 0 V i ! ハ T e m p ' -C O c ) 山 1 0 1 0 5 5 。 。 A 通mc....:.~ー~ι 字三三金色ぷ~主当 小! ! ! ! ! ! !? o g u c hi b a s hi ( sE d e ) N o g u c hi b a s ni ( c e n t骨r )N o v .1 5 1 7 .2 0 P O 1 5 h 叩叫:'-:~~J!!刊守斗宇竺 F宍叫...主日治..長漏ら=込 E忌-主お i孟~!.~~~汐 j語H衣抑伊 4り伊型~~,:.~守がポ担摂摂 m 雪腎巳照 F主史.主点雪 O∞ ① S.~胤irkY.9..(Q~nf~Ü 問 22乱やQQ i ぷj t M A i d ・ e ) ! 0 1 0 2 0 3 0 4 0 河口からの距離 ( k m ) 1 8 : 0 0 0 : 0 0 6 : 0 0 8 : 0 0 1 2 : 0 0 1 0 : 0 0 6 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 図-8. 天降川の水質(温度)の空間分布と時間的経緯 2 5 0 2 0 0 ……十一…畑町r ' j ' g a w a f 濁-度う- 1 5 0 1 5 0 T u r b Turb 1 0 0 1 0 0 ::; 。j ( N T U ) ( N T U ) 5 0 5 0 ι d L . . . 伊 _ .. _ … .. . n ; . i . .. . . ( } … …… ・ ー ー ハ f 、勺 o: u o~o 5 0 0 2 0 0 1 0 2 0 3 0 河口からの距離 ( k m ) 4 0 。 5 0 1 8 : 0 0 0 : 0 0 6 : 0 0 8 : 0 0 1 2: 0 0 1 図-9. 天降川の水質 (TURB) の空間分布と時間的経緯 3 5 0 : 0 0 6: 0 0 8: 0 0 1 2: 0 0 1 疋田 誠 西留 清 6 0 0 6 0 0 5 0 0 m o T ' i ' g a w a j { O R P ) ' " 5 0 0 "i a ; 4 0 0 4 0 0 9~P. 3 0 0 N o g u c hi~bash i ( m V ) 2 0 0 川崎博靖 榎並利征 ORP 3 0 0 ∞ l ( m V ) i 2 0 0 sdb/;oJ o oj I 0: ~ : 0 V: I . . . . . 0 . 一 一 ・ ・ ・ 十 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ー ・ 0・ . . . . . . .. 1 0 0 。 。 1 0 0 S e n t a i kt ¥o 1 0 2 0 0 1 8 : 0 0 4 0 3 0 河口からの距離 ( k m ) 0 0・0 6: 0 0 1 2: 0 0 1 8: 0 0 0: 0 0 6: 0 0 1 2: 0 0 1 8: 0 0 図-1 O. 天降川の水質(酸化還元電位 ORP) の空間分布と時間的経緯 0 . 4 0 . 4 0 . 3 5 A . o t i g a . a (硝酸イわ} 0 . 3 5 Amdrigawa(硝酸イオン) 0 . 3 0 . 3F … … . . . . ・ ・ … … . . . ・ ・…・…… H H O .2 5 O .2 N03- N o g u c h i b a s h i ( r } i~5 0 . 1 5 ( g / . I. ) O .1 0 . 0 5 " J ".......l................r 匂 … 叩 … ・・-…? n M ( " ¥ 0 ; 00 。 。 H 。 H 1 0 2 0 3 0 4 0 河口からの距離 ( k m ) 0 。 : 0 0 1 B :日 8 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 。 : 0 0 6 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 図-11.天降川の水質(硝酸イオン)の空間分布と時間的経緯 0 . 3 5 O .3 5 0 . 3F . . . . . . . A~or m o rE g a w a(カルシウムイオン) i g aw : : a( カ ル シ ウ4 イ オ ン ) 0 . 3 F-………・ 4 … H ・ H ・-・4 ………・・ 4 ・ H ・ H ・:::.:. . ~~.:-.:…… 0 . 2 5 0 . 2 5 0 . 2 Ca++ 0 . 1 5 (gj1 ) 0.1ι 0 . 0 5 … … 0 . 2F Ca++ 0 . 1 5 (gj1 ) N o g u c n i b a s h i 0.1 卜……一;.~~!円買 !Jkfph!!?)j. r . . . . ]説示i"l<yt ・ 。 。 tjooJo 1 0 2 0 ; 。 3 0 河口からの距離 ( k m ) 一 - 11ι「←-_............・ H ・………………...;:;.〆~・.....・ H ・………… 0 . 0 5 4 0 。 1 8 : 0 0 0 : 0 0 6 : 0 0 1 2・0 0 1 8: 0 0 0: 0 0 図-1 2. 天降川の水質(カルシウムイオン)の空間分布と時間的経緯 3 6 6: 0 0 1 2: 0 0 1 8: 0 0 鹿児島県天降川の水質と水辺環境整備に関する調査研究 引A ﹃ 0 . 0 6 0 . 0 5 0 . 0 4 C I- 0 . 0 3 吋 qU4411 一ン⋮⋮⋮⋮⋮一 O 一オ⋮⋮⋮⋮⋮⋮。一 T :よ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ 了: 十:ム初 十ギ・7li -⋮物⋮⋮⋮ -⋮ 一 円 心 ⋮レ u⋮ ⋮ 一 一 - 比 一 ﹁ aE一 一 一 一 MUd---0 ・4 、J , 一 i-・ ・ ふw ん f -::-jiT j i -t 一j 一 :0 は引 y U4 a一一一一 一;︿ ] N'-・ 1 ・a - - L H-+L・ 、. ,ム ・一 ・・﹂ ロ 一 一川 一・ 一 仁 斗 -S・ i-1 1・・ U 一S 一 r u l l 一 一一 一 目 ⋮ ⋮ ⋮ ・m 九 ぷ じψ d i 引い ・ 一 一一川 mh 一 ・ j e-! u m ⋮ ⋮ ⋮ 十l 上 wvθ⋮ 一 ︺ -r :t ・仁Lトト仁 μト ド区﹁ lnbkdA 守 L 0 . 0 2 0 . 0 1 n U 山 E 凋 U寸 dL 河口からの距離 ( k m ) ( g j1 ) ⋮句山 nununununununu nununununununU , 'E ρ u Jgfbf 。 。 0 . 0 7 0 1 8 : 0 0 0 : 0 0 6 : 0 0 1 2 : 0 0 1 8 : 0 0 0 : 0 0 6: 0 0 1 2 : 0 0 1 8: 0 0 図-1 3.天降川の水質(塩化物イオン)の空間分布と時間的経緯 図-4の pH:左図で、上流では 6 . 9 " " 7 . 3程度。 10kmより下流では 8に近い値を示す。右図で、川 c e n t e r )では 7 . 5程度であるが、岸辺 ( s i d e )で 中央 ( は、泉帯橋で日当山の温泉水の流入の影響を受け 8 程度と大きく、野口橋では更に小さく、 7弱の値で ある。野口橋の観測では、降雨 ( 11/16, 2 3 : 0 0 " " 2 4 : 0 0に3mm、 11/17, 2 : 0 0 " " 3 : 0 0, 4: 0 0 " " 5 : 0 0に各 1mm) が見られ、浮流物の影響を受けたため、観測 値が不安定となっている。 図-5の DO:左図で、下流では 1 0程度。上流で 3 . 水辺環境整備について 5に漸増する。岸辺では川中央より若干小さく、 は1 降雨があると、急激に大きな値に変化している。 図-13の塩化物イオン:左図で、河口に行くに 従って上昇傾向を示し、泉帯橋は野口橋より、約 5.86km上流に位置しているため、小さな値となるは ずである。しかし、右図では、日当山の温泉街では、 岸辺 ( s i d e )の値が、 12/23, 0 : 0 0 2 4 : 0 0の時間帯で顕 著に大きく、生活汚水等の汚濁物質の排出があった と考えられる。 2)水辺の風景 1)天降川の川下りと水辺環境整備状況 水上の河川調査を通して、水辺環境整備について 述べる。川下りの案内標識、資料は皆無。 1回目 ( 1 0/1 1 ) は、ゴムボート利用のための足場捜しを 行った。 2回目 ( 1 0/1 2 ) は川下りの可否の調査。 3回目 ( 1 0/1 9 ) に、やっと水質測定に成功した。 携帯電話を使いながら、陸上と連絡をとりながら 実 施。水辺に親しむことの難しさと感激を味わった。 1)水辺への昇降口の整備:ゴムボートを降ろす場 所、引き上げる場所が、極めて少ない。係船構造物 はほとんど未整備、ボートは係留できず、危険であ る 。 2 ) 川下りへの傷害物:泉帯橋下流の旧固定堰は支 障なく通過できたが、 JR橋下流の旧橋脚地点は狭 く、ゴムボートの底が破れ、最初の川下りでは、沈 没事故が発生した。 3) 川の原風景:船上から見ると、川の中や岸辺に アユ釣りの人、水上に水鳥が数多く見られた。岸辺 は緑で覆われ、船上は微風、湯田橋から、塩止堰ま で、約 8. 7km、約 2時間の川下りは、貴重な体験で あった。 4)生活汚水等:晴天時でも、河川では汚濁物質の みならず、草木等の浮流物が結構多いととが理解で きた。 写真一 3. スタッフ(予備調査) 写真一 4. 船底破損のゴムボート(京セラ付近) 3 7 疋田 誠 西留 清 榎並利征 川崎博靖 写真一 9 . 川下り開始(予備調査) 写真一 5 . 新川渓谷(鮎釣り) 司 . 園置. . ・ 司 ・ 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃 圃圃 圃 圃圃 圃 圃 園田 園圃 圃 圃圃 圃 圃 圃 ・. . P宇一てで~二~ 圃 、 l h J ' : r J 以. 、 η 川 J : e ' T rE IB 一気汚尚之節税 g叫ん:.芯ト~湖 詰占有・そBImIII地河北山手ねえ次ドナま11・~ 貯守、:ぺ三二:アlB1冷斗二二二二己主ζ半 • 写真一 6 . 新川渓谷 写真一 1 0 . 日当山小の児童の遠足 写真一 1 1 . 固定堰(日当山) 写真一 8 . 川下り開始地点(湯田橋下流,左岸) 写真一 1 2 . 観測中のゴムボート 3 8 鹿児島県天降川の水質と水辺環境整備に関する調査研究 3 . 鮎釣り(日当山) 写真一 1 写真一 1 7 . J R橋と旧橋脚(日豊本線) 4 . 鴨(日当山) 写真一 1 8 . J R橋下流の狭窄部 写真一 1 写真一 1 5 . 日当山温泉街の排水孔 9 . 岸辺(野口橋上流) 写真一 1 6 . 岸辺(泉帯橋下流) 写真一 1 写真一 2 0 . 観測の終点(塩止堰) 3 9 疋田 誠 西留 清 榎並利征 写真一 2 1 . 川下りの終点(塩止堰) 川崎博靖 写真一2 2 . 海岸の堤防(右岸) 4. まとめ 天降川の水質と河川水辺環境整備の実態調査を 行った。上流では道路沿いに河川を横断する橋地点 を基準に実施。自然の状態が温存されている区域、 河川改修工事中のもの、流れを遮断する取水堰の存 在など、様々な形態がみられた。中下流では、移動式 ゴムボートを用い、水上から観察。大人の鮎釣り、 鳥類など。天降川は、豊かな水辺に育まれ、自然が 残された水辺空間を形成していることを認識した。 然しながら、水域に至るボートの搬入路の案内標識 はなく、係留施設も皆無。旧橋脚による狭窄部では通 過危険箇所が残存。河口近くでは、透過型ブロック 積みの塩止堰があり、海域との問で流れが遮断。水 面では、子供の姿はほとんど見られなかった。水面利 用の観点から、随所に整備が不適切な箇所があるこ と。教育行政において川に近づけない方策がとられ てきたととも判明、今後の河川整備の進め方の問題 点を数多く把握することができた。今後、川内川、 肝属川、甲突川など、県内河川の水辺環境の把握と問 題点等をすすめる予定にしている。 謝辞: 本研究を進めるにあたり、国土交通省川内川工事事 務所、鹿児島県河川課、加治木土木事務所、鹿児島 高専の前田滋校長より、ご支援とご助言をいただき ました。(財)河川環境管理財団より河川整備基金及 び鹿児島高専より研究助成金を頂いた。ここに、関 係各位に、心から厚く謝意を表する次第である。 4 0