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特集 民放2局が 8K制作にトライ
特集 民放2局が 8K制作にトライ 8Kコンテンツ制作は、やはり8K生みの親であるNHKが先行していた。その数はもちろんだが、カメラから編集機、ス トレージなど機材も先行して開発してきた。そこへ次世代放送推進フォーラム(NexTVフォーラム)が検証用8Kコン テンツの企画募集を行った。このチャンスを生かして地上波テレビ民放2局の企画が採択された。日本テレビ『笑点 8Kスペシャル』 (45分)と、読売テレビ『今、若冲を観よ∼細かき処に神が宿る∼』 (10分)の2作。その初めての8K制 作の奮闘ぶりを聞いた。 読売テレビ 従前にカット割りを 準備して 8K撮影に臨む 「今年は伊藤若冲の生誕300年。300年前に生まれた名画家と8Kという最新技術を融合させるというコンセプトが面白い」ということで8K に挑んだ読売テレビ(YTV)。初めての経験を経営企画室メディア企画部の星野高久氏に聞いた。 (レポート:吉井 勇・本誌編集長、写真提供:読売テレビ) 若冲生誕300年 細見美術館の所蔵品から収録 NexTV フォーラムの物を借りられるという にじみを利用した独特の技法による濃淡のデ ことで、8K での撮影・編集などのノウハウ ィテールなど、8K の高精細さを生かして表 を得る良い機会だと捉えました。最先端の映 現したいということを狙いました」と、若冲 YTV はなぜ NexTV フォーラムの 8K コ 像技術の 1 つである 8K の番組制作のノウ 生誕300年とともに、表現としての課題を ンテンツ制作に応募したのか。今回の 8K 制 ハウを習得しておくことは、自社にとって有 星野氏は説明する。 作の狙いとして、経営企画室メディア企画部 意義であると考えています」 番組名は『今、若冲を観よ∼細かき処に神 の星野高久氏は次のように話す。 被写体として伊藤若冲の美術品を選んでい が宿る∼』で、10分の短尺。京都の細見美 「8K はまだまだ機材も少なく高価である る。 「伊藤若冲は神に見せるために絵を描い 術館が所蔵する若冲の作品から、館長の細見 ため、8K 番組制作にトライできる機会は滅 たと言われており、人の目では認識できない 良行氏の解説を交えて紹介しており、つなぎ 多にありません。今回、NexTV フォーラム 部分まで繊細に描いています。その精緻な筆 のカットとして若冲の生まれた京都の錦市場 による 8K 検証番組の募集があり、機材も づかい、水墨画では『筋目描き』という墨の などのロケ映像も構成されている。 44 5-2016