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資料2 産業界からみた学術研究の大型プロジェクト(藤原

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資料2 産業界からみた学術研究の大型プロジェクト(藤原
(株)ナノオプトニクス・エナジーの活動例
【1】超高精度研削技術による大型天体望遠鏡開発プロジェクト
●京都大学、名古屋大学、国立天文台との共同プロジェクト 【約10億円を投資】
~世界初の超高精度高速研削技術による日本初の分割鏡方式望遠鏡製作~
直径3.8mアジア最大 18枚鏡
岡山県南西部の浅口市鴨方町の
竹林寺山(標高372m )に設置
2012年 ファーストライト
サポート:藤原地球環境基金
●日米共同のTMT(30m望遠鏡)プロジェクトの反射鏡製作へ【主鏡:日本が担当】
直径30m世界最大 492枚鏡
ハワイ島(標高4200m )に設置
2018年 ファーストライト
サポート:ゴードン・ムーア財団
Hiroshi Fujiwara.
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京大岡山新技術望遠鏡計画
京都大学宇宙物理学教室/附属天文台
国立天文台岡山天体物理観測所
名古屋大学理学部Z研
(株)ナノオプトニクス・エナジー
3.8m望遠鏡の新技術
1. 分割鏡制御技術 -小さな鏡を並べて巨大鏡を作る-
18枚の分割鏡を各々3個の精密ジャッキによりナノメートル精度で位置合わせし、一枚の巨大鏡として機
能させます。このような分割鏡方式は次世代超大型望遠鏡において、主流となる技術
2. 世界初の研削のみによる鏡製作 -鏡を早く安く作る-
時間と費用がかかりすぎる従来の鏡製作手法“研磨”ではなく、大量の鏡を短時間で製作することが可能
な“研削”のみで鏡を作ります。これは世界初の試み。
3. 軽量架台の開発 -軽く強い構造にする-
従来の望遠鏡のような主鏡をつりさげる構造ではなく、円弧状のガイドレールを用いて背面から主鏡を支
える構造。このユニークな方法で、軽量強固な望遠鏡を目指す。
望遠鏡の仕様
口 径
3.8 m (18枚合成鏡)
タイプ
リッチークレチアン式
焦 点
ナスミス焦点×2
視 野
1ºφ (補正レンズあり)
0.2ºφ (補正レンズなし)
像 質
• 分割主鏡(凹面)
• 副鏡(凸面)
• 第三鏡(平面) から構成されます。
Hiroshi Fujiwara.
直径0.5秒角以内に80%
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ナガセインテグレックス社製 超精密大型研削盤 N2C-1300(ナノオプトマシン)を用い、18枚の分割鏡
(材質:クリアセラム-z HS)を形状精度0.2 μm(p-v) ・表面粗さ30 nm (Ry) の加工精度で製作します。研削盤
上方に設置するCGH干渉計により形状を機上測定し、フィードバック加工を行うことで、分割鏡を効率的に
製作します。
N2C-1300(ナノオプトマシン)仕様
:
1,300 mmφ
移動量
:
2,500 mm
最小設定単位
:
10 nm
移動速度
:
> 15 m/min.
移動量
:
950 mm
最小設定単位
:
10 nm
移動速度
:
> 0.6 m/min.
上下移動量
:
300 mm
最小設定単位
:
10 nm
移動速度
:
> 0.6 m/min.
角度精度
:
1/10,000°
最大回転速度
:
50 rpm
砥石サイズ
:
φ810 ~ 355 mm
最大回転速度
:
1,800 rpm
旋回範囲
:
-10° ~ +10°
最小設定単位
:
1/3,600°
テーブルサイズ
テーブル左右駆動
コラム前後駆動
ヘッド上下駆動
回転テーブル
主砥石軸
磨き用旋回ヘッド
Hiroshi Fujiwara.
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大型天体望遠鏡開発プロジェクトの方向性
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
京大/名大/国立天文
台向け3.8m技術の完成
TMT入札への対応/実用化
TMT主鏡の建設開始
宇宙デブリ監視シス
テムの実用化
他産業分野への展開
1.京大/名大/国立天文台向け3.8m技術の完成:
2.上記1に基づくTMT入札への対応/実用化:
2010年
2010年
⇒2010年1月26日国立天文台より主鏡テスト入札合格通知!
⇒岐阜県関市の超高精度研削加工サービスセンターの拡充
3.上記1に基づく宇宙デブリ監視システムの実用化:2011年
4.超高精度研削加工技術の他産業分野への展開:2012年
Hiroshi Fujiwara.
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【2】高温直流超伝導送電プロジェクト
中部大学に超伝導持続可能エネルギー研究センター【約6億円を投資】
直流高温超伝導配電でデータセンターの電力消費を50%削減へ!
1.熱侵入低減技術の確立
2.冷媒循環システム技術の確立
3.データセンターと同等200m規模の実システムの構築
データセンター規模へ!
200m
現状20m
Hiroshi Fujiwara.
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経済産業省グリーンITプロジェクト
現在: IT機器 5%(全電力消費)⇒50%(2050年):経済産業省
*大半はデータセンター需要
我々の挑戦=直流+高温超伝導送電による送電ロス50%削減!
Hiroshi Fujiwara.
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中部大学に2009年7月7日
超伝導持続可能エネルギー研究センターが始動
Hiroshi Fujiwara.
17
高温直流200m送電線設備が始動
Hiroshi Fujiwara.
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住友電工製の超伝導ケーブルを試作
Hiroshi Fujiwara.
19
Solar-TAO Project (東京大学理学/工学系連携) 【共同調査研究】
●TAO(University of Tokyo Atacama Observatory) は宇宙から
の微弱な光を通して銀河や惑星の誕生を解明するため、東京大学
が南米チリのアタカマ砂漠の標高5,600mの高山に赤外線望遠鏡
を建設 【赤外線天文学】
●Solar TAO計画は地球温暖化の問題にも貢献。微弱な光も高精
度に測定できる望遠鏡施設を使うことで、従来は難しかった温暖化
ガスの精密測定が可能。 地球全体の二酸化炭素循環を探るのに
不可欠な観測拠点【赤外線気象学】
●砂漠の太陽光エネルギーは、
天文台+近隣都市にも供給し、
都市インフラの整備に貢献。
都市と科学研究の共生を目指す
新しい試み。 【エネルギー工学】
●GENESIS計画の基礎研究
Hiroshi Fujiwara.
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高温直流超伝導送電プロジェクトの方向性
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
200m送電システムの
完成
データセンター向け構内
配電実用化
地域内送配電の実用化
化
他産業分野への展開
1.世界初の200m送電システムの完成:
4.上記3に基づく都市間送配電の実用化: 2015年
2010年
2.上記1に基づくデータセンター向け構内配電事業: 2011年
⇒送電距離:200~500m : クラウドコンピューティングへの対応
3.上記1に基づく地域内送配電の実用化: 2013年
⇒送電距離: 20~50Km
5.上記4に基づく発電所~都市間送配電の実用化: 2018年
⇒送電距離: 200~500Km
⇒送電距離: 2~5Km
Hiroshi Fujiwara.
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現状
あるべき姿
基礎科学の探究
基礎科学の探究
大型プロジェクトの必要性
大型プロジェクトの必要性
実現のための新技術開発
実現のための新技術開発
政府予算による全額負担
政府予算+産業界投資
資金の流れが一方向
資金が社会に循環
する仕組み作り
Hiroshi Fujiwara.
新産業創出
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①第4次産業革命において日本が主導権をとれるプロジェクト
②原理=総合科学
③第4次産業革命=環境エネルギー革命
④強くすべき分野に重点指向したプロジェクト
⇒宇宙科学/宇宙開発
⇒生命科学
⇒エネルギー科学
Hiroshi Fujiwara.
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産業革命史における日本の役割
第1次産業革命 原理:力学⇒動力革命
→イギリス 紡績/船舶/鉄道産業へ
第2次産業革命 原理:物質科学⇒重化学工業革命
→ドイツ/アメリカ 鉄鋼/自動車産業へ
第3次産業革命 原理:数理科学⇒デジタル情報革命
→アメリカ
通信/コンピュータ/半導体/家電産業へ
この間一貫して日本は官主導・改良技術立国だった!
第4次産業革命 原理:総合科学⇒環境エネルギー革命
→日本
環境エネルギー革命(宇宙/生命/エネルギー)
これからは産官学連携の発明/発見技術立国へ!
新産業革命により税収を90兆円に!⇒科学技術予算の適正化!
Hiroshi Fujiwara.
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