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点検要領(参考) 機械設備編
点検要領(参考)機械設備編 点検要領(参考) 機械設備編 M1−1 揚水ポンプが停止しない。 高置タンクのタンクが満水になっているのに、揚水ポ ンプが停止しない。 ↓ 手動により揚水ポンプを停止する。 屋上設置の場合、漏水事故発生に注意が必要。 ↓ 水位の変化によって電極棒に断通電され、その信号に より揚水ポンプの発停制御を行っている。 ↓ 高置タンク内の水位を検出し揚水ポンプの運転を制御 する系統(電極体、リレー等)のどこかに故障が考え られる。 電極体 M1−1 揚水ポンプの運転不確立 揚水ポンプが運転せず、高置タンクが減水した。 ↓ 揚水ポンプが自動運転になっているか、高置受水タ ンクの水量に異常がないか、電極棒に破損・異常がな いかを確認する。 ↓ 異常がない場合は、ポンプもしくはフート弁の故障 (落水)又は高置タンク内の水位を検出し揚水ポンプ の運転を制御する系統のどこかに故障が考えられる。 M1−1 揚水ポンプの故障(交互運転) 揚水ポンプの一方が故障した。 ↓ 自動交互運転を解除し、正常な方のポンプのみの運転 に切り替る。切替の際は、一旦主スイッチを停止に し、切替後主スイッチを運転に復帰する。 ↓ 制御盤内のNO1、NO2切替スイッチにて正常に動 作するポンプを選択し、片側運転する。 ↓ 揚水ポンプは通常2台設置されており、自動交互運転す るよう設定されている。製造時期が同じであればもう 一方も故障時期が近い。 揚水ポンプの例 - 32- 点検要領(参考)機械設備編 M1−1 排水ポンプの故障(交互運転) 排水ポンプの一方のポンプが故障した。 ↓ 自動交互運転を解除し、正常な方のポンプのみの運転 に切り替える。 ↓ 2∼3個所のフロートスイッチによって、自動運転を 行っている。異物が巻きこまれることが多く、故障の 原因となっている。 ↓ 排水ポンプは通常2台設置されており、自動交互運転す るよう設定されている。配管には圧がかかっており、 吹出しに注意する。 排水ポンプの構造例 M1−1 並列ポンプの故障 ポンプの一方が故障した。 ↓ 自動交互運転を解除し、正常な方のポンプのみの運転 に切り替る。(施設管理者で対応できない場合は、専 門の者に対応してもらう) ↓ ポンプは通常2台設置されており、自動交互運転するよ う設定されている。 ポンプの例 M1−2 給水管からの漏水・赤水 給水管から漏水する。または赤水が発生する。 ↓ 漏水している給水管系統のバルブを止めて一時的に使 用を禁止する。また施設利用者にその旨を周知する。 ↓ カバー工法、新規配管敷設、管内に樹脂を圧送する管 更正工事などの方法がある。 ↓ 給水管にはライニング鋼管が使われていることが多 く、錆びにくくなっているが、継手のネジ部が水に触 れるために錆びてくる。また、今後も同じように給水 管からの漏水の可能性があるので、必要に応じて内視 鏡やX線で配管の劣化調査を行う。 給水管の劣化例 - 33- 点検要領(参考)機械設備編 M1−2・A1−6 排水管の詰まり 排水ますの排水管がつまっている。 ↓ 漏水している排水管系統の水の使用を止め、原因を調 べ修理が終わるまで使用させないように施設利用者に 周知する。 ↓ ふたを外して中につまっている土砂などを除去する。 閉塞部の上流側からホースなどを用いて注水し圧力を かける。 ↓ 排水管や排水ますの漏水、排水不良がないかときどき 確認し、問題があれば適切に改善する。排水管や排水 ますが詰まったり壊れたりすると、汚物があふれた り、悪臭がする。 排水ますの例 M1−2・A1−6 排水管の通過障害 排水管が流れ難くなった。 ↓ 市販されている排水管の詰まり解消剤を使用してみ る。 ↓ 阻集ネットや油脂凝固剤を使用し、排水管に負担を掛 けるものをながさ ↓ 排水管の故障の多くは詰りが原因。異物を流さないよ うにする。また、阻集器やグリストラップを設置する などして、排水管への異物・雑排物の分離・収集を図 る。 排水管の詰まり状況例 M1−2 排水管の漏水 排水管から漏水する。 ↓ 漏水している排水管系統の水の使用を止め、原因を調 べ修理が終わるまで使用させないように施設利用者に 周知する。 ↓ 結露によるものか確認する。 ↓ 排水管には鋼管が使用されており配管内部の腐食に よって管の肉厚が薄くなり、穴があきやすくなってい る。また、配管の接合部分などは、最初から管の肉厚 が薄くなっているため、腐食の進みが速く、漏水の主 原因のひとつになっている。 洗面器トラップ例 (左:Sトラップ・右:Pトラップ) - 34- 点検要領(参考)機械設備編 M1−2 排水管からの臭気 給排水管の排水管に臭いが出る。 ↓ トラップの封水が切れていたり、洗浄水が少なく汚水 がトラップに溜っていることが多いので、水を流す。 ↓ 髪の毛や糸くずが毛細管現象を起こすことで封水が切 れやすくなるため掃除をこまめに行う。 ↓ 長い期間、水を流さないと封水が蒸発して、トラップ の機能がなくなる。トラップは、便器、洗面器、流 し、床排水等に取り付けられている。 トラップの構造例 M1−4 高置水槽の満水警報 高置水槽の満水警報が出ている。 ↓ オーバーフロー管から水が溢れていれば、元栓又は手 元弁を閉める。満水でなければ警報を停止する。 ↓ 水位の変化によって電極棒に断通電され、その信号に より揚水ポンプの発停制御を行っている。 ↓ 高置水槽内の水位を検出し揚水ポンプの運転を制御す る系統(電極体、リレー等)のどこかに故障が考えら れる。 ※E1-E8、E4-E8に通電すると満水警報、 E3-E8、E7-E8に通電がないと減水警報が鳴る。 給水配管系統図 M1−4 高置タンクのオーバーフロー 高置タンクのオーバーフロー管から水が溢れている ↓ 制御盤にて揚水ポンプを手動停止する。 ↓ 水位の変化によって電極棒に断通電され、その信号に より揚水ポンプの発停制御を行っている。 ↓ 高置タンク内の水位を検出し揚水ポンプの運転を制御 する系統(電極体、リレー等)のどこかに故障が考え られる。 ※電極体の汚れ・折損を確認 オーバーフロー管 - 35- 点検要領(参考)機械設備編 M1−4 給水タンク(上水・雑用水用)の異臭 飲料用の水に著しい異臭、にごり、異常が有る。 ↓ 入居者や施設利用者に飲料用水の使用を一時控えるよ う連絡する。(蛇口付近に使用禁止の表示する) ↓ 専門業者(専門技術者)に至急連絡し、受水槽内等の 水が、厚生労働省の示す水質基準を満たしているかを 検査する。 ↓ 飲料用の水に関しては、水道法、ビル管理法に規定さ れ、タンク内部の清掃や水質の検査を定期的に行なう ことが義務づけられている。 水質検査 M1−4 地下オイルタンクのタンクの油位異常 地下オイルタンクのタンクの油位が極端に下がる。 ↓ タンクの腐食または外部からの衝撃(地震その他)に よる損傷が考えられるので、漏油検知管、液面計に よって漏れの有無を確認する。 ↓ そのほか液面計の異常の可能性がある。 ↓ 地下オイルタンクは定期的に漏れの有無を点検する。 ※通気管が閉塞すると給油が困難となる。 地下タンクの構造例 M1−4 M2−7 受水槽の満水警報 受水タンクの満水警報がでる。 ↓ オーバーフロー管から水が溢れていれば、元栓又は手 元弁を閉める。満水でなければ警報を停止する。 ↓ 専門の者に依頼し、満水警報の原因を調査する。 ↓ 満水になった原因として、電極棒、定水位調整弁、 ボールタップ、リレー等のいずれかの故障が考えられ る。 タンクの構造例 - 36- 点検要領(参考)機械設備編 M1−4 M2−7 受水槽のオーバーフロー 受水タンクのオーバーフロー管から水が溢れる。 ↓ 元栓又は手元弁を閉める。 ↓ 経年劣化によって、ボールタップの動作がぎこちなく なったり、シャフトが折損することがある。定水位調 整弁の閉鎖不良の場合もある。 ↓ 満水になった原因として、電極棒、定水位調整弁、 ボールタップ、リレー等のいずれかの故障が考えられ る。 オーバーフロー管・ボールタップ M2−1 トイレの異臭 トイレの異臭が著しく強くなった。 ↓ トラップの封水が切れていたり、洗浄水が少なく汚水 がトラップに溜っていることが多いので水を流す。 ↓ トラップの封水が原因でない場合は、トイレの換気状 態による可能性も高いのでトイレ内の排気状況につい て確認する。床排水トラップの封水が切れていない か、確認する。 ↓ 小便器の洗浄方式は、フラッシュ弁によるもの、自動 サイホンによるもの、感知フラッシュ弁によるもの等 がある。トイレの臭気の原因は、小便器排水口のト ラップ部分から生じていることが多いため、日常から 十分な清掃が必要。 排水トラップの例 M2−1 衛生器具からの臭気 衛生器具や流し台、床排水などの排水口から著しい異 臭がする。 ↓ 封水が蒸発している場合があるので、水を流してト ラップに封水をつくる。 ↓ 髪の毛や糸くずが毛細管現象を起こすことで封水が切 れやすくなるため掃除をこまめに行う。 ↓ 衛生器具や流し台、床排水などの排水口近くの配管に 水をため、下水からのにおいや害虫の侵入を防ぐ構造 (トラップ)を持ち、この水を封水と呼ぶ。長い期 間、水を流さないと封水が蒸発して、トラップの機能 を失う。 週に1度は水を流す。 排水トラップの例(ワントラップ) - 37- 点検要領(参考)機械設備編 M2−1 洗面器・小便器の詰まり 小便器、洗面器など詰って流れない。 ↓ 洗面器、手洗いの場合は、トラップをはずして、中の 異物を除去する。対応出来ない場合は使用禁止の表示 をする。 ↓ 状況が改善されない場合は、専門の者に早急に依頼 し、配管の清掃を行う。 小便器は配管が細く、尿石が 発生する場合がある。 ↓ 浄化槽を使用している場合は、薬品の使用量に注意 し、排水時は洗浄水を多く流す。 小便器の構造例 M2−1 大便器の詰まり 大便器の便器が詰った。 ↓ トラップの部分に紙などの異物が詰っていることが多 いので、針金やラバーカップなどを用いて除去する。 ↓ 熱湯を使用すると便器が破損することがあるので、流 さないこと。薬剤は浄化槽に負荷がかからない程度使 用する。 ↓ ラバーカップを使用しても直らない場合は圧縮空気を 吹き込むか、便器をはずして異物を取り出すしか方法 がない。 つまりの原因となりやすい物としては、ティッシュ ペーパー、生理用品、洗浄補助剤、たわし、マスコッ ト等。 大便器の構造例 M2−2 小便器洗浄水の止水不良 小便器の水栓の水が止まらない。 ↓ 止水弁を閉めて水を止める。 故障している小便器に使用禁止の表示をする。 ↓ 洗浄弁の損傷等が考えられるので、専門の者に依頼 し、パッキンまたは水栓を取り替える。 ↓ タンクに流れ込む水が止まらない場合は、「ボール タップ」の異常。空気の入ったボールの浮力で水を止 めるので、ボールの動きが妨げられたり止水部分の パッキンの劣化によって起こる。 止水弁の閉鎖 - 38- 点検要領(参考)機械設備編 M2−2 大便器洗浄水の不足 大便器の水量が少なく汚物が残る。 ↓ 洗浄弁の調整ネジを調整して水量を適正にする。 ↓ 洗浄弁の損傷等が考えられるので、専門の者に依頼 し、パッキンまたは、水栓を取り替える。 ↓ 大便器洗浄弁の標準吐水量は15±1.5ℓ、標準吐水時間 は10±2s。また、瞬間最大吐水量は給水圧力の高低に より変動するため、瞬時流量調整装置が付属してお り、現場での調整が必要。同時使用で水量が減ること がある。 洗浄弁の構造例 M2−2 大便器洗浄水の過多 大便器の水量が多すぎる。 ↓ 洗浄弁の調整ネジを調整して水量を適正にする。 ↓ 洗浄弁の損傷等が考えられるので、専門の者に依頼 し、パッキンまたは、水栓を取り替える。 ↓ 大便器洗浄弁の標準吐水量は15±1.5ℓ、標準吐水時間 は10±2s。また、瞬間最大吐水量は給水圧力の高低に より変動するため、瞬時流量調整装置が付属してお り、現場での調整が必要。 洗浄弁の構造例 M2−3 大便器洗浄水の止水不良 大便器の水が止まらない。 ↓ 洗浄弁の開閉ネジ、洗浄タンクの止水弁を閉めて水を 止める。故障している大便器に使用禁止の張り紙をす る。 ↓ 洗浄弁または、洗浄タンクのフロート弁の故障なの で、専門の者に依頼し、修理を行う。 ↓ 洗浄タンクの場合、タンク内の鎖が絡んでいる場合が ある。節水のためとタンク内にペットボトルなどを入 れないようにする。 洗浄タンクの例 - 39- 点検要領(参考)機械設備編 M2−5 洗面器の止水不良。 洗面器の水栓の水が止まらない。 ↓ 止水弁を閉めて水を止める。 故障している洗面器に使用禁止の表示をする。 ↓ 洗浄弁の損傷等が考えられるので、専門の者に依頼 し、パッキンまたは、水栓を取り替える。 ↓ 水が止まらない時に備えるため、水道メーターの設置 場所を確認しておく。止水栓の多くは、メータと同設 または、その近くに設置してある。(台所の流し・洗面 台やトイレのロータンクには、メータ付近の止水栓と は別に止水栓が設けてある場合がある) 水栓の構造例・止水栓の例 M2−6・A1−6 桝からの異臭 汚水ます、雑排水ますから著しい臭気が出ている。 ↓ ふたとふたを受ける枠との間に砂などが入って隙間が 開いていないかを調べ、ふたを完全に閉める。ふたに 損傷があるときは取り替える。 ↓ ふたを開けるとき、片側だけ持ち上げると縁が欠ける ことがあるので均等に持ち上げて開ける。 汚水ますの例 M2−8・M3−1 ボイラーの燃焼不良 ボイラのバーナが起動しても燃焼しない。 ↓ 油が切れていれば補給する。油配管の弁が閉じていた ら開く。バーナノズル、オイルストレーナが詰ってい ないか点検し、清掃する。オイルポンプの動作を確認 する。 ↓ 燃料の劣化でノズルが詰まることがある。灯油でフ ラッシングする。 ↓ 建築のボイラーには、立てボイラー、鋳鉄ボイラー、 炉筒煙管ボイラーの3つのタイプが多く用いられてい る。安全装置によるインターロックが作動している場 合がある。 ボイラの構成例 - 40- 点検要領(参考)機械設備編 M2−8・M3−1 ボイラーのばい煙警報 ボイラのばい煙濃度計の警報が出る。 ↓ バーナの不完全燃焼でばい煙が出ている場合は、ノズ ルの清掃やバーナの調整を行う。(施設管理者で対応 できない場合は、専門の者に対応してもらう) ↓ ばい煙濃度計の受光面は取り外して定期的に清掃す る。定期的に濃度計のゼロ点調節を行う。 ばい煙濃度計の例 M2−8・M3−1 ボイラの異常表示ランプ点灯 運転中にボイラのバーナが停止して、異常表示ランプ が点灯する。 ↓ 安全装置(地震感知器、低水位遮断器、温度調節器 等)の作動を確認し、原因を調べる。 ↓ 状況が改善されない場合は、専門の者に依頼して修理 してもらう。 ボイラの例 M2−8・M3−1 ボイラの水高計の指針異常。 ボイラの運転開始後に水高計の指針が異常値を示し た。 ↓ すぐに運転を停止し、原因を調べる。(施設管理者で 対応できない場合は、専門の者に対応してもらう) ↓ 逃し弁が設けられていない場合に膨張管の凍結に気づ かずに運転すると、水の膨張圧力でボイラが破裂す る。年末年始の停止後に運転を開始する場合は、凍結 に注意。 ボイラの構造例 - 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