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北アフリカ、East Sahara地域(アルジェリア、リビア、及びエジプト

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北アフリカ、East Sahara地域(アルジェリア、リビア、及びエジプト
Lena Delta はどんなデルタか?
Lena Delta はどんなデルタか?
2011 年 4 月 ICEP 研究部
要約
Lena Delta は、東シベリアで Laptev Sea に面する大規模なデルタである。その堆積状況や地質構造発
達史を調査した結果、以下の点が判明した。
(1) 衛星写真に認められる Lena Delta は、現世のデルタ(東部)と、”古 Lena Delta”(西部)とに分かれる。
これらのデルタの形成時期は、現世のデルタは Holocene (7.5 Ka)以降、古 Lena Delta は Late
Pleistocene(約 12Ka)のものである。現世のデルタは Galloway (1975)の分類によると River
Dominated Delta に近い。ただし、沖合からの Storm Surge (Wave Energy)の影響も強く受ける。
(2) Lena Delta を世界の大規模デルタと比較すると、デルタの面積、集水域面積、流量、河川の長さ共に
上位に位置するのに対し、河川が運搬する土砂の量だけが他のデルタに比べて極端に小さい。
(3)
Lena Delta は、氷海デルタの特徴として特異なスロープ形状を呈する。また、蛇行した河川の他に直
線を呈する河川が認められ、リニアメント(断層)の存在が示唆される。
(4) Lena Delta は、下位から①Lower Sands、②Ice Complex、③Arga Sand、及び④現世のデルタ堆
積物の順に堆積し、堆積が始まったのは Late Pleistocene (Wisconsin)と新しいと考えられる。なお、
現世のデルタの形成は、約 7 Ka の断層活動により、古 Lena Delta との境界付近から東側が沈降した
ためであり、現在に至るまでその落差は埋められていない。Lena Delta の地下ではマグニチュード 6
を超える地震が観測されることから、この構造変動は現在に至っていると考えられる。
(5) Lena Delta は、基盤地質から見ると、Siberian Craton の縁辺部の、リフトを主体とする褶曲帯に位置
する。リフト活動(Ust’ Lena Rift)は北方の Eurasia Basin の形成に伴って Late Cretaceous に
Laptev Sea で始まり、凹地は大部分が Upper Cretaceous~Eocene の堆積物で埋め立てられている。
上位を覆う Oligocene~Middle Miocene、及び Upper Miocene~Quaternary の地層は薄く、それ
ぞれ 1~2 km 程度の層厚しかない。
(6) 広域層序によれば、Laptev Sea では、Middle Eocene、及び Late Miocene~Quaternary にデルタ
の環境が存在したとされるが、限られた古地理図からは、当時のデルタの堆積場が現在の Lena Delta
の位置と異なっていた可能性が示唆される。Lena Delta は、衛星写真に認められる部分は Late
Pleistocene 以降の新しい堆積層であり、下位層はデルタか否かも含めて、現時点では不明と言える。
(7)
1.
石油システムは、当面は Laptev Sea のリフト堆積盆地として考察されることになる。
緒言
Lena Delta は、東シベリアで Laptev Sea に面する大規模なデルタである(図 1-1)。その雄大な形状は
衛星写真(図 1-2)でたびたび紹介されるにもかかわらず、地質断面図が示されることはなく、いつの時代か
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Lena Delta はどんなデルタか?
ら形成されたデルタで層厚はどれくらいかという、他のデルタでは公知となっているような情報も、目に触れ
る機会に乏しい。
このため筆者は、Lena Delta の地形学的な位置づけや堆積史の研究の現況とともに、広域地質から
Lena Delta の堆積場の変遷や層厚に繋がる情報の有無を調査し、石油地質に繋がる要素があるかどうか
を検討した。
2.
Lena Deltaの地形学上の位置づけ
世界の大規模デルタの中で Lena Delta がどのような位置を占めるかにつき、地形学の面から考察を行
った。
図 2-1 は、世界で大規模な河川を有するデルタを示す。Lena Delta もそこに含まれている。
図 2-2 は、Galloway (1975)に基づくデルタの分類である(Galloway and Hobday, 1996)。Lena
Delta は、現世のデルタの形状(図 1-2、図 2-3)から見ると River Dominated と考えられる。ただし、露頭
調査によれば、北方の Laptev Sea からの Storm Surge (Wave Energy)による浸食も顕著である(Are &
Reimnitz, 2000, 図 2-4)。図 2-2 における Lena Delta の位置(丸印)は、以上を考慮して筆者が置いたも
のである。
図 2-5 及び図 2-6 は、Lena Delta の特徴のうち、Galloway (1975)の分類には現れない要素を示す。
図 2-5 は、Lena Delta を構成する河川チャンネルが蛇行せずにほぼ直線になる例で、デルタ直下の断層
に伴うリニアメントと考えられる。図 2-6 は、Lena Delta の氷海デルタとしての特徴を示す。温帯及び熱帯の
デルタは、Delta Slope の傾斜が一定のまま沖合に延びるのに対し、氷海のデルタは、冬季に沿岸部が厚
さ数 m の氷床で覆われるため、Delta Slope はデルタの表面が氷床と接する間は大変緩い傾斜のまま沖合
に延び、氷床とデルタの表面とが離れる場所から急傾斜となる(Alpha & Reimnitz, 1995)。Lena Delta
では、この緩傾斜の区間が沖合 18 km に及び、その間の水深は 2 m 以下である(Are & Reimnitz,
2000)。
表 2-1 及び表 2-2 は、世界の大規模デルタにおいて、河川が運搬する土砂の量(堆積量)、河川流量、
集水域面積、及びデルタの面積から見たランキングを示す(Hori & Saito, 2007)。Lena Deltaは、デルタ
面積では世界 5 位(表 2-2)であり、河川流量(Water discharge)で 9 位、集水域面積(drainage area)で
も 8 位を占める。これに対し、河川が運搬する土砂の量(Annual suspended load)(11.8~21 Mt/yr, Are
& Reimnitz, 2000) 1 は大変小さく、表 2-1 におけるランキング 10 位クラスのデルタの値を1桁下回る。
3.
1
Lena Deltaの地帯区分と堆積史
Are & Reimnitz (2000)は、Lena DeltaのSuspended Loadはデルタフロントで観測した値ではなく、デルタの上流
約 150 kmのKyusyrで観測したデータを複数の研究者がそれぞれ独自に解析した結果であり、値のばらつきにつ
いてはコメントできないと述べている。しかしながら、値の桁が誤っているとの指摘はなされていない。
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Lena Delta の堆積史は、ロシア及びドイツの研究者により精力的に行われている(Schwamborn et al.,
2002、Are & Reimnitz, 2000、他)。それらの研究から、衛星写真に認められる Lena Delta は Late
Pleistocene から Holocene にかけての非常に新しい堆積層からなることが判明している。
3-1 Lena Delta の地形区分と層序
図 3-1 は Lena Delta の地形区分である(Schwamborn et al, 2002)。Lena Delta は、標高の違いから、
①First Terrace (海抜 1~12 m)、②Second Terrace(20~30 m)、③Third Terrace(30~55 m)に分
けることが出来る(Schwambom et al., 2002)。First Terrace は現世のデルタが発達している部分、
Second Terrace は Arga Island に該当する。現在のレナ川は、約 61%が東方向、25%が南東方向に流れ、
北方向及び西方向にはそれぞれ 7%しか流れていない(Swamborn, 2001)。すなわち、現在のレナ川はほ
とんどが First Terrace に流れ、Second Terrace には流れていない。
図 3-2 は、図 3-1 に示す標高の違いと岩相(Are & Reimnitz, 2000)との関係を示す。First Terrace は
現世のデルタ堆積物(Modern Delta)、Second Terrace は砂層、Third Terrace は上位層が氷床堆積物
(Ice Complex)、下位層が砂層からなる。なお、Lena Delta の南方は Chekanovsky Ridge 及び
Kharaulakh Ridge であり、いわゆる基盤に該当する。
図 3-3 に、Lena Delta 西部で Arga Island を南北に切る地質断面図を示す(Are & Reimnitz(2000)
を修正。原図はロシア文献)。地質断面図では、南部の Khardang Island に上位の Ice Complex と下位
の砂層(Lower Sands)、北部の Arga Island に砂層(Arga Sand)が記載されている。両者の間は断層で
境された凹地があり、現世のデルタ堆積物(Modern Delta)で覆われている。なお、Khardang Island の
砂層(Lower Sands)と Arga Island の砂層(Arga Sand)の、地質時代の上下関係や成因については古く
から議論がある(Are & Reimnitz, 2000、Swamborn et al., 2002)。本図は、Swamborn et al.(2002)が
露頭サンプルの年代測定(図 3-4)に基づいて設定した層序(図 3-10)に従って、筆者が修正したものであ
る。
図 3-4 は、Swamborn et al. (2002)による露頭層序とサンプルの絶対年代測定値を示す。First
Terrace の露頭(露頭番号①、②、Modern Delta)は、岩相は Peat(泥炭)及び細粒砂層を主体とし、場所
により Ice Wedge を含む。絶対年代は 0.6~3.5 Ka である。Second Terrace の露頭(露頭番号④~⑥)は
細粒砂層(Arga Sand)が主体であり、絶対年代は 6.5~13.4 ka を示す。Third Terrace の露頭(露頭番
号⑦~⑨)は、上位層が Ice Complex、下位層が細粒砂層(Lower Sands)で、一部が wavy bedding を
示す。絶対年代の測定値は、Ice Complex は例が少ないが 43 Ka, 下位の砂層は 37~88 Ka である。す
なわち、絶対年代のデータからは、最下位層は Third Terrace の砂層(Lower Sand)、その上位が Ice
Complex、さらに上位が Arga Sand で、最上位が Modern Delta の堆積物となる。
3-2 Lena Delta の後背地に関する考察
図 3-5 は、重鉱物の分析から Lena Delta の各堆積層の後背地を検討した結果である(Schwamborn et
al., 2002)。First Terrace~Third Terrace の砂岩層は、時代や堆積場所の相違にも拘わらず、現在のレ
ナ川の堆積物と似通った重鉱物構成を示す。これに対し、Third Terrace の上位層である Ice Complex は、
現在のレナ川の堆積物とは異なる重鉱物構成を示し、南方の Chekanovsky Range (Chekanovsky
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brook sediments)と類似する。このことから、砂層の後背地は過去から一貫してレナ川であったのに対し、
Ice Complex の後背地は南方の山地(基盤)であった事が示唆される。
図 3-6 は、Third Terrace における上位の Ice Complex と下位の砂層(Lower Sands)の粒度分析の結
果を示す(Schwamborn et al., 2002)。Ice Complex はサンプル地点によって粒度分布がばらつくのに対
し、Lower Sands はサンプル地点によらず粒度分布がほぼ一定であり、図 3-5 から導かれた仮説が裏付け
られる。
3-3 Lena Delta の Late Quaternary の堆積史
図 3-7 に、3-1 及び 3-2 で得られた知見に基づく Lena Delta の堆積史(88 ka~現在、Schwamborn et
al., 2002)を示す。堆積は A. Lower Sand (88~43 ka)、B. Ice Complex (43~14 ka)、C. Arga Sand
(”古 Lena Delta”、約 12 ka)、及び D. Modern Delta (現世のデルタ、7 ka~現在)の順に行われた。ここ
で、Arga Sand の時代と Modern Delta の時代とで堆積場が変遷した理由は、海水準が広域的に上昇し
たことと、約 7 ka の断層活動により東側のブロックが沈降し、レナ川の流路が東向きになったこととの 2 つの
要因があるとされる(Schwamborn et al., 2002)。図 3-8 は、約 7 ka に起きた断層活動と、それに伴う東側
ブロックの沈降を模式的に示した図である(Schwamborn, 2001)。現在の Lena Delta は、このときに形成
された落差をいまだに埋め切れていない(Are & Reimnitz, 2000)。
なお、Lena Delta の断層活動が現在に至っていることは、震央分布にも認められる。図 3-9 は、マグニチ
ュード 6 以上の地震の震央と震源の応力場の分布、及び、推定される構造境界の位置を示す
(Schwamborn, 2001)。構造境界は、Lena Delta の南縁部で Chekanovsky Ridge と接する部分、及び
Arga Island (”古 Lena Delta”)と現世のデルタとの境界に推定される。
図 3-10 は、上記堆積史を1枚の層序にまとめたものである(Schwamborn, 2001 に加筆)。
4.
Lena Deltaの基盤構造とその形成史
4-1 基盤構造、堆積量及び広域層序
図 4-1 に、ロシア北極圏における基盤地質と Lena Delta の位置を示す。Lena Delta は Siberian
Craton 縁辺部の変動帯に位置し、Eurasia Basin(海洋地殻)に面する。
図 4-2 に Lena Delta 及び周辺海域の地震探査測線を、図 4-3 にLena Delta 沖合の全堆積量を示す。
Lena Delta の沖合は、Eurasia Basin の形成に伴うリフト構造が発達する。全堆積量は Ust’ Lena Rift
で 10 km を超え、Lena Delta 近傍でも約 7 km に達する(Drachev et al., 2001)。
図 4-3 に Lena Delta の北方における東西方向の断面図を示す。Ust’ Lena Rift を埋積する地層は主
に Upper Cretaceous~Eocene の堆積層である。その上位を覆う Oligocene~Middle Miocene の堆積
層、及び Late Miocene~Quaternary の堆積層は、層厚がそれぞれ 1~2 km に留まる。
図 4-5 に、Laptev Sea の層序と構造形成時期(Drachev et al., 2001)を、Lena Delta の堆積史
(Schwamborn, 2000)と比較して示す。Laptev Sea の構造形成の主動期は Late Cretaceous~Eocene
(First Rift Phase)、及び Miocene 以降(Second Rift Phase)であり、後者の活動が現在に及んでいると
考えられている。ここで、デルタが発達した時代は、Middle Eocene と Late Miocene~Quaternary とされ
ている。Lena Delta の形成時期(Schwamborn, 2000)は、後者の活動の最末期に該当する(図 4-5)。
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4-2 東シベリアの古地理と Lena Delta の堆積場の考察
図 4-6~図 4-8 に、現在の Lena Delta 付近を含む東シベリアの、新生代の古地理図を示す。また、図 4-9
に、同地域の古地温の変遷を示す。
図 4-6 は Early Eocene(約 50Ma)の古地理図である(Fradkina et al., 2005)。当時は Lena Delta を
含む一帯が Lowland Plain であり、海岸線も現在と似通った位置にあった。また、古環境は亜熱帯ないし
温帯であった(Fradkina et al., 2005、図 4-9)。図 4-7 は Late Pliocene(2.5 Ma)の古地理図である
(Fradkina et al., 2005)。この当時の海岸線は現在よりも遙か北方の沖合にあり、現在の Lena Delta 付
近は Upland (100~500m)の丘陵地であったとされる。本図から、当時の堆積場は現在よりも北方に発達
していたと考えられる。図 4-8 は、Earliest Holocene (8.4 Ka)の古地理図であり、現世の Lena Delta が発
達する直前に当たる。この当時も、海岸線は現在よりも遙か沖合で、水深は現在よりも約 27m 浅かったとさ
れる(Mueller-Lupp et al., 2004)。Oligocene および Miocene の古地理図は入手できていないため、当
時の堆積場は不明である。なお、現在のデルタの近傍の震探断面図や地質断面図も入手できていない。
以上から、Lena Delta の堆積場が現在と同じ位置で継続するのは 7 Ka 以降と非常に新しい事が判明し
た。それまでの堆積場は明確には分からないものの、Late Pliocene~Holocene には現在よりも沖合いに
あった可能性がある。Oligocene 及び Miocene の時代は古地理図が無いが、海底面が現在と同じように遠
浅であったとすれば、堆積場が現在の位置に近かった時代も、より沖合にあった時代もあったと考えられる。
堆積環境の変遷は古地温にも認められる。図 4-9 は、東シベリアにおける新生代の古地温の変化を示す。
Early Eocene には、現在の東シベリアの古地温は 10℃程度であり、温帯ないし亜熱帯に近い環境であっ
た。その後、古地温は徐々に低下して Miocene には-10℃となり、Late Pliocene 以降は急激に低下して現
在(-35℃)に至っている。このため、現在の Lena Delta が形成される Late Pliocene 以降とそれ以前では、
河川による堆積物の供給状況も大きく異なっていたと考えられる。
5.
まとめ−Lena Deltaはどんなデルタか?
Lena Delta は、衛星写真に認められる部分は Late Pleistocene から Holocene にかけての非常に新し
い堆積層からなることが判明しているが、それ以前の堆積層ないし下位層については直接の調査はなされ
ていない。広域層序(図 4-5)によれば、Middle Eocene 及び Late Miocene~Pliocene にはデルタが発達
する環境が存在したとされるが、限られた古地理図からは、デルタの堆積場が時代により異なっていた可能
性が示唆される。これは、世界の大規模デルタの多くが Miocene ないし Pliocene 以降、現在とほぼ同じ場
所に発達し、継続して厚い堆積層を形成していることと対照的である。デルタの基盤となる Laptev Sea では、
リフト活動に伴う堆積が Late Cretaceous 以降継続しているが、デルタの発達との関連は明らかではない。
これらの点で、Lena Delta は、衛星写真に認められる部分は表層を覆う薄い敷物のようであり、下位層につ
いては、デルタか否かも含めて現時点では不明であると言える。
Lena Delta の石油システムを考察するだけのデータは、現時点では得られていない。石油システムは、
当面、Laptev Sea のリフト堆積盆地として考察することになる。
以上
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参考文献
Alpha, T. R. and E. Reimnitz, 1995, Arctic delta process, a computer animation and paper
models, USGS Open-file Report 95-843, 27pp.
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geomorphology and hydrology, Journal of Coastal Research, v. 16. No. 4, p1083-1093
Drachev, S. S., N. A. Malyshev and A. M. Nikishin, 2010, Tectonic history and petroleum
geology of the Russian Arctic Shelves: an overview, in Vinging, B. and Pickering S. C.
(eds.), Petroleum Geology: from mature basin to new frontiers-Proceedings of the 7th
Petroleum Geology Conference, Geological Society of London, p519-619
Fradkina, A. F., O. V. Grinenko, S. A. Laukin, V. P. Nechaev, A. A. Andreev and V. A. Klimanov,
2005, Northeastern Asia, in Velichko, A. A. and V. P. Nechaev (eds.), Cenozoic Climate
and Environmental Changes in Russia, The Geological Society of America Special
Paper 382, Chapter 6, p105-120
Galloway, W. E. and D. K. Hobday, 1996, Terrigenous clastic depositional systems, application
to fossil fuel and groundwater resources, 2nd edition, Springer-Verlag, 489 pp.
Hori, K. and Y. Saito, 2007, Classification, architecture and evolution of large-river deltas, in A.
Gupta (ed.), Large Rives: geomorphology and management, John Wiley & Sons, Ltd.,
Chapter 6, p75-96
Muller-Lupp, T., H. A. Bauch and H. Erlenkeuser, 2004, Holocene hydrogeographical changes of
the eastern Laptev Sea (Siberian Arctic) record in δ18O profiles of bivalve shells,
Quaternary Research, v. 61, p32-41
Permafrost Laboratory, Alaska University, 2007, Lena River Delta-various project activities,
http://www2.gi.alaska.edu/snowice/Permafrost-lab/projects/projects_active/proj_guido_l
enadelta.html (accessed on January 21, 2011)
Schwamborn, G., 2001, Late Quaternary sedimentation history of Lena Delta, Stiftung
Alfred-Wegener-Institut
fur
Polar
und
Meeresforschung,
Institute
fur
Geowissenshaften der Univasitat Potsdam, 102pp.
Schwamborn, G., V. Rachold and M. N. Girgoriev, 2002, Late Quaternary sedimentation history
of Lena Delta, Quaternary International, v. 89, p119-134
6
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Lena Delta はどんなデルタか?
Wikipedia, 2011, Lena Delta Wildlife Reserve - Wikipedia, the free encyclopedia,
http://en.wikipedia.org/wiki/Lena_Delta_Wildlife_Reserve (accessed on February 10,
2011)
添付図表一覧
1. 緒言
図1-1 ロシア北極圏におけるLena Deltaの位置と水深
図1-2 Lena Delta: 現世のデルタの形態
2. Lena Deltaの地形学上の位置づけ
図2-1 世界の主要デルタの位置図
図2-2 Lena Delta: Galloway(1975)の分類に基づく位置付け
図2-3 Lena Delta: 衛星写真とLena Deltaの範囲
図2-4 Lena Delta: “古Lena Delta”におけるStorm-surgeの浸食
図2-5 Lena Delta: 河川チャンネルに構造運動の影響が認められる例
図2-6 氷海のデルタとそれ以外のデルタとのDelta Slopeの比較
表2-1 堆積量、河川流量、及び集水域からみた大規模デルタのランキング
表2-2 デルタの面積から見た大規模デルタのランキング
3. Lena Deltaの地帯区分と堆積史
図3-1 Lena Delta: 地帯区分、現世のレナ川の流量(矢印)、及び露頭層序の位置
図3-2 Lena Delta: 岩相区分と地質断面図の位置
図3-3 Lena Delta: 西部の地質断面図
図3-4 Lena Delta: 露頭層序のまとめ
図3-5 Lena Delta: 重鉱物分析から見た後背地の推定
図3-6 Lena Delta: Ice ComplexとLower Sandsの粒度分布の比較
図3-7 Lena Delta: Late Quaternaryの堆積史(88 ka~Present)
図3-8 Lena Delta: Late Pleistocene~Holoceneの構造発達史
図3-9 Lena Delta: 震央分布と構造線の推定位置
図3-10 Lena Delta: 堆積史から見た層序と構造発達史
4. Lena Deltaの基盤構造とその形成史
図4-1 ロシア北極圏の基盤地質図
図4-2 Lena Delta沖合(Laptev Sea)の震探測線
図4-3 Lena Delta沖合(Laptev Sea)の全堆積量図と断面位置
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Lena Delta はどんなデルタか?
図4-4 Lena Delta沖合(Laptev Sea)の広域地質断面図
図4-5 Laptev SeaとLena Deltaの層序対比
図4-6 東シベリアの古地理図: Early Eocene(約50Ma)
図4-7 東シベリアの古地理図: Late Pliocene (2.5 Ma)
図4-8 東シベリアの古地理図: Earliest Holocene (8.4ka)
図4-9 東シベリアにおける新生代の古地温の推移
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Lena Deltaはどんなデルタか?
Lena Deltaはどんなデルタか?
(添付図表)
2011年4月
ICEP
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1
Lena Deltaはどんなデルタか?
1. 緒言
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Lena Deltaはどんなデルタか?
Lena Delta
(Drachev et al., 2010)
図1-1 ロシア北極圏におけるLena Deltaの位置と水深
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Lena Deltaはどんなデルタか?
タ
デル
の
現世
ta
Del
a
n
e
古L
(Wikipedia)
図1-2 Lena Delta: 現世のデルタの形態
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Lena Deltaはどんなデルタか?
2. Lena Deltaの地形学上の位置づけ
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Lena Deltaはどんなデルタか?
(Hori & Saito, 2007)
図2-1 世界の主要デルタの位置図
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6
Lena Deltaはどんなデルタか?
Lena Delta
(Galloway & Hobday, 1996)
図2-2 Lena Delta: Galloway(1975)の分類に基づく位置付け
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7
Lena Deltaはどんなデルタか?
“古Lena Delta”
現世のデルタ
河川チャンネルに
構造運動の影響が
認められる例
Storm Surgeが
観察された露頭
(Permafrost Lab., Alaska Univ., 2007)
図2-3 Lena Delta: 衛星写真とLena Deltaの範囲
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Lena Deltaはどんなデルタか?
(Are & Reimnitz, 2000)
図2-4 Lena Delta: “古Lena Delta”におけるStorm-surgeの浸食
©2010 JOGMEC-ICEP
石油開発技術情報 2010-011
9
Lena Deltaはどんなデルタか?
(Are & Reimnitz, 2000)
図2-5 Lena Delta: 河川チャンネルに構造運動の影響が認められる例
©2010 JOGMEC-ICEP
石油開発技術情報 2010-011
10
Lena Deltaはどんなデルタか?
(Alpha & Reimnitz, 1995)
図2-6 氷海のデルタとそれ以外のデルタとのDelta Slopeの比較
©2010 JOGMEC-ICEP
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11
Lena Deltaはどんなデルタか?
Lena Delta: 11.8~21 Mt/year
(Are & Reimnitz, 2000)
(Hori & Saito, 2007)
表2-1 堆積量、河川流量、及び集水域からみた大規模デルタのランキング
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石油開発技術情報 2010-011
12
Lena Deltaはどんなデルタか?
(Hori & Saito, 2007)
表2-2 デルタの面積から見た大規模デルタのランキング
©2010 JOGMEC-ICEP
石油開発技術情報 2010-011
13
Lena Deltaはどんなデルタか?
3. Lena Deltaの地帯区分と堆積史
©2010 JOGMEC-ICEP
石油開発技術情報 2010-011
14
Lena Deltaはどんなデルタか?
7%
7%
61%
25%
(Schwamborn, 2001)
(Schwamborn et al., 2002)
図3-1 Lena Delta: 地形区分、現世のレナ川の流量(矢印)、及び露頭層序の位置
©2010 JOGMEC-ICEP
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15
Lena Deltaはどんなデルタか?
(Are & Reimnitz, 2000)
(ベースマップ: Schwamborn et al., 2002)
図3-2 Lena Delta: 岩相区分と地質断面図の位置
©2010 JOGMEC-ICEP
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16
Lena Deltaはどんなデルタか?
South
North
Modern Delta
Ice Complex (IC)
Arga Sand
Thermokarst
による凹地
Holocene marine
sediments
Lower Sands
Bedrock
fauts
Khardang IslandのIce Complexの下位にある砂層と、
Arga Islandにある砂層との、地質時代の上下関係に
は議論がある。本稿ではSchwamborn et al. (2002)
の層序に従い、Khadang Islandの砂層はArga Island
の砂層よりも古いものとした。
(Are & Reimnitz, 2000を修正)
図3-3 Lena Delta: 西部の地質断面図
©2010 JOGMEC-ICEP
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Lena Deltaはどんなデルタか?
(Schwamborn et al., 2002)
図3-4 Lena Delta: 露頭層序のまとめ
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Lena Deltaはどんなデルタか?
1. Lena Deltaの砂岩層は、堆積場所や時代
に関係なく、現世のLena Riverの堆積層
に類似する。これらは、古Lena Riverから
供給されたと考えられる。
2. Lena DeltaのIce Complexは、南方の
Chekanovsky Brook(基盤)に類似する。
これらは古Lena Riverからではなく、近傍
から供給されたと考えられる。
(Schwamborn et al., 2002)
図3-5 Lena Delta: 重鉱物分析から見た後背地の推定
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Lower Sands
Ice Complex
Lena Deltaはどんなデルタか?
(Schwamborn et al., 2002)
図3-6 Lena Delta: Ice ComplexとLower Sandsの粒度分布の比較
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Lena Deltaはどんなデルタか?
ブロックダイアグラムの範囲
A. Deposition of Lower Sands
(88~43 ka)
B. Deposition of Ice Complex
(43~14ka)
C. Accumulation of Arga sands
(~12 ka)
D. Major aggradation of the
modern delta with rising sea
level (7 ka~present)
(Schwamborn et al., 2002)
図3-7 Lena Delta: Late Quaternaryの堆積史(88 ka~Present)
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Lena Deltaはどんなデルタか?
現世のLena Deltaの堆積範囲
(Schwamborn, 2001)
図3-8 Lena Delta: Late Pleistocene~Holoceneの構造発達史
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Lena Deltaはどんなデルタか?
(Schwamborn, 2001)
図3-9 Lena Delta: 震央分布と構造線の推定位置
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Lena Deltaはどんなデルタか?
地帯区分(図3-1)
層序区分(図3-3、3-7)
Modern Delta
Arga Sand
(Schwamborn, 2001に加筆)
図3-10 Lena Delta: 堆積史から見た層序と構造発達史
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Lena Deltaはどんなデルタか?
4. Lena Deltaの基盤構造とその形成史
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Lena Deltaはどんなデルタか?
Lena Delta
全堆積量図
の範囲
図4-1 ロシア北極圏の基盤地質図
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(Drachev et al., 2010)
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Lena Deltaはどんなデルタか?
全堆積量図の範囲
(Drachev et al., 2010)
図4-2 Lena Delta沖合(Laptev Sea)の震探測線
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Lena Deltaはどんなデルタか?
1. Southwest Laptev
Rift Basin
2. Ust’ Lena Rift
3. East Laptev Horst
4. Stolbovoi Horst
5. Shironston Horst
6. Anisin Rift
7. Bel’kov Rift
8. Syvatoi Nos Graben
9. Kotel’nyi High
10. New Siberian Rift
11. De Long High
(Drachev et al., 2010)
図4-3 Lena Delta沖合(Laptev Sea)の全堆積量図と断面位置
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Lena Deltaはどんなデルタか?
SW
Lena Deltaの沖合部分
NE
(Drachev et al., 2010)
図4-4 Lena Delta沖合(Laptev Sea)の広域地質断面図
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Lena Deltaはどんなデルタか?
(Schwamborn, 2001)
(Drachev et al., 2010)
図4-5 Laptev SeaとLena Deltaの層序対比
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Lena Deltaはどんなデルタか?
現在のLena
Deltaの位置
(Fradkina et al., 2005)
図4-6 東シベリアの古地理図: Early Eocene(約50Ma)
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Lena Deltaはどんなデルタか?
現在のLena
Deltaの位置
(Fradkina et al., 2005)
図4-7 東シベリアの古地理図: Late Pliocene (2.5 Ma)
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Lena Deltaはどんなデルタか?
現在のLena Deltaの位置
(Mueller-Lupp et al., 2004)
図4-8 東シベリアの古地理図: Earliest Holocene (8.4ka)
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Lena Deltaはどんなデルタか?
東シベリアにおける
現在の平均気温
Miocene
Earliest Holocene (8.4 ka)
Late Pliocene (2.5 Ma)
Early Eocene (約50 Ma)
図4-9 東シベリアにおける新生代の古地温の推移
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(Fradkina et al., 2005)
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