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SolarMagic SM73201 DCアーク検出評価ボード (Rev. A)

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SolarMagic SM73201 DCアーク検出評価ボード (Rev. A)
ご注意 :日本語のア プ リ ケーシ ョ ン ・ ノ ー ト は参考資料 と し て提供 し てお り 、 内容が
最新で ない場合があ り ます。 製品のご使用に際 し ては、 必ず最新の英文ア プ
リ ケーシ ョ ン ・ ノ ー ト を ご確認 く だ さ い。
JAJA444A
間の経験が、 比類なき製造 / 設計 / 開発テクノロジを生み出し
ました。
特長
は じ めに
SolarMagic™ リファレンス・デザイン ・キット RD-195 に含まれて
いる SM73201-ARC-EV PCB は、 UL1699B 準拠の太陽光発
電アーク検出システムで、 最小実装面積は 50mm × 30mm 未
満です。 テキサス ・ インスツルメンツ (TI) の先進的なアナログ ・
テクノロジと革新的なダイナミック・フィルタリング技術を駆使した
このリファレンス ・ デザインは、 ノイズの多い実際の環境下で、
アークを発生させる導体のシグネチャを効果的に検出します。
また、 TI の PowerWise™ テクノロジの採用により、 アナログ ・
パス上でアクティブ・フィルタを実装するのに必要な消費電力は
50mW 未満に抑えられています。 このデバイスは、 産業用温
度範囲である- 40 ℃~+ 85 ℃で動作します。 SolarMagic™
テクノロジは、 既存の設備であるか新規の設備であるかを問わ
ず、 一般住宅から商業施設、 公共事業にまで対応した包括的
なソリューションです。 エレクトロニクス業界における TI の 50 年
•
1,000V 絶縁
•
最大 15A の DC ストリング電流で効果的に検出
•
シンプルな LED アーク検出フラグ
•
セルフテスト機能
•
産業用温度範囲 ( - 40 ℃~+ 85 ℃ )
•
実装面積 50mm × 30mm 未満の小型片面 PCB
•
400mW未満の低消費電力、50mW未満のアナロ グ消費電力
SolarMagic RD-195 DC アーク検出評価ボード
Texas Instruments
Application Note 2154
Florent Boico, Chris Oberhauser, 
Mike Stout, Jason Seitz
2012 年 6 月
SolarMagic RD-195
DC アーク検出評価ボード
FIGURE 1. Evaluation board
AN-2154
PowerWise™ はテキサス ・ インスツルメンツの商標です。
© 2012 Texas Instruments Incorporated AN301638-04-JP SNOA564C 翻訳版
1
最新の英語版資料 http://www.ti.com/lit/an/snoa564c/snoa564c.pdf
AN-2154
端子
この機能を実行するには、 カスタム ・ インターフェイス ・ ケーブ
ルが必要です。 ピン配置については、 次の表を参照してくださ
い。
評価ボード上の複数の端子にラベルが付けられています。各端
子の用途については、 次の表を参照してください。
端子
用途
J1
ストリング電流 A: J1 はフラグ ・ コネクタです。
J2
ストリング電流 B: J2 はフラグ ・ コネクタです。
J3
VA 接続 : 動作させるには、 5V と VA の間に
ジャンパが必要です。
J4
リセット : システムをリセットするには、 これら
のピンを瞬間的に短絡させます。
J11/J8p1
正の電源 : 90mA を超える電流で 5.4V <
Vin < 12.5V の電圧を供給します。 J11 には
バナナ ・ プラグを使用できます。
J9
連続した NOISE 信号を生成する場合に取り
付けます。
J10/J8p2
グランド : J10 にはバナナ ・ プラグを接続でき
ます。
J14
RS232 インターフェイス : { ピン 1: Txout、 ピ
ン 2: Gnd、 ピン 3: Rxin}。
機能
1
TX (out)
2
GND
3
RX (in)
RS232 の設定
あらゆるターミナル ・ プログラムに対応しています。 Windows コ
ンピュータ・システムの場合、評価ボードとの通信に利用可能な
プログラムはハイパーターミナルです。 Windows XP では、 [ ス
タート ] メニューの [ スタート ] > [ プログラム ] > [ アクセサリ ] >
[ 通信 ] の中にハイパーターミナルの項目があります。
ハイパーターミナルを起動したら、接続名(「ArcDetectCon-nect」
など ) を入力し、 適切な COM ポートを選択します。 RS232 リ
ンクのポートは、 115,200 ボー ( ビット / 秒 )、 8 データ ・ ビット、
パリティなし、 1 ストップ ・ ビット、 フロー制御なしに設定する必
要があります。
接続と電源投入が済むと、 評価ボードはバージョン情報ヘッ
ダーを送信してから、 「Arc Searching」 ( アーク検出中 ) または
「Arc Detected」(アーク検出)をコンソール・ポートに送信します。
簡単な設定手順
ステップ 1: 6V 電源の正側を J8 の+ 6V ピン (J8p1) に、 負側
を J8 の GND ピン (J8p2) に接続します。 または、 正側を J11
に、 負側を J10 に接続します。
デー タ の収集
ユニットに搭載されたファームウェアを利用すると、 RS232 イン
ターフェイスを介して評価ボードの動作を変更できます。 以下
の説明では、 RS232 インターフェイスに接続済みで、 上記のよ
うにハイパーターミナルを使用していることを想定しています。
ステップ 2: LED パターンが適切であるか確認します。 緑色の
LED が点灯、 黄色の LED が点滅、 赤色の LED が消灯状態
になります。
「help」 と入力すると、 命令の一覧が表示されます。 ただし、
ハイパーターミナルのデフォルト設定では、 入力内容が表示さ
れません。入力内容を表示するには、メニューの [ ファイル ] >
[ プロパティ] を選んでから、 [ 設定 ] タブを選択します。 [ASCII
設定 ...] ボタンをクリックし、 [ ローカル エコーする ] の左側の
ボックスをチェックしてから、 [OK] を 2 回クリックして設定を完了
します。
LED の機能
電源を投入すると、 緑色の LED が点灯します。 ボードがアー
クを探索している間は、 黄色の LED が継続的に点滅します。
アークが検出されると、 赤色の LED が点灯し、 黄色の LED の
点滅が停止します。
出荷時の設定では、 検出されたアークが 4 秒後に自動的にク
リアされてから、 ボードがアークの探索を再開します。 この動作
はユーザーによる変更が可能です。
RS232 インターフェイスを介して発行できる基本コマンドは、
「help」、 「set」、 「get」 の 3 種類です ( 括弧は含まれません )。
「help」 コマンドを入力すると、 コマンドの一覧が返されます。
「get」 コマンドは現在のパラメータ値を取得し、 「set」 コマンド
はパラメータを変更します。 コマンドによっては、 パラメータを 1
つまたは 2 つ指定する必要があります。 例えば、 「set T 250」
と入力すると、 T パラメータが 250 に設定されます。 コマンドで
は大文字と小文字が区別されます。 パラメータとパラメータの間
はスペースで区切ってください。 アーク検出ルーチンでは設定
内容が検証されず、 設定によっては適切に動作しない場合が
あるので、 アーク検出パラメータ (B、 D、 F、 I、 C、 T) を変
更する際は注意が必要です。
RS232 イ ン タ ー フ ェ イ スのオプ シ ョ ン
評価ボードは、 コネクタ J14 に配置された RS232 インターフェイ
スを介してアーク検出ステータスを出力できます。 状況に応じて
「No Arc Detected」(アーク未検出)または「Arc Detected」(アーク
検出 ) というメッセージを定期的に発行します。
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ピン番号
2
AN-2154
RS232 コ マ ン ド の一覧
コマンド ・
デフォルト
パラメータ
名称
用途
アーク検出パラメータ 「B」 を設定 / 取得します。 「set」 の場合は第 2 パラ
メータが必要で、 適切な動作を得るには 1.0 を超える値を指定してください。
「set」 コマンド実行後は、 アーク検出ルーチンが再初期化されます。
B
30.0e3
D
0.35
ビン破棄ファクタ : フィルタリン アーク検出パラメータ 「D」 を設定 / 取得します。 「set」 の場合は第 2 パラ
グ強度を制御し、 アーク ・ シ メータが必要で、 適切な動作を得るには 0.0 ~ 1.0 の値を指定してくださ
グネチャの形成を補正
い。 「set」 コマンド実行後は、 アーク検出ルーチンが再初期化されます。
F
4.00
フィルタ ・ ウェイト : フィルタリ アーク検出パラメータ 「F」 を設定 / 取得します。 「set」 の場合は第 2 パラ
ング強度を制御し、 アーク ・ メータが必要で、 適切な動作を得るには 0.0 を超える値を指定してください。
シグネチャの形成を補正
「set」 コマンド実行後は、 アーク検出ルーチンが再初期化されます。
I
45.0e3
C
55
クリッピング ・ ファクタ : 誤検
アーク検出パラメータ 「C」 を設定 / 取得します。 「set」 の場合は第 2 パラ
出の原因となる高速過渡の影
メータが必要で、 適切な動作を得るには 1.0 を超える値を指定してください。
響を低減するのに使用
T
250
アーク検出スレッショルド :
この値を高く設定すると、 誤
アーク検出パラメータ 「T」 を指定値に設定します。 「set」 の場合は第 2 パ
検出の可能性を減らせます。
ラメータが必要で、 適切な動作を得るには 1.0 を超える値を指定してくださ
ただし、 値が高すぎると、
い。
アークを検出し損なう可能性
があります。
U
NA
ユニット固有ゲイン補正値
ユニット固有ゲイン補正値を設定 / 取得します。 この値は dB 単位で、 公称
値は 0.0 とします。 「set」 の場合は第 2 パラメータが必要で、 ユーザーが
希望する補正値を指定してください。
A
NA
アーク検出ステータス
「get A」 と入力すると、 現在のステータスに基づいて 「Arc Detected」 ( アー
ク検出 ) または 「No Arc Detected」 ( アーク未検出 ) の文字列が返されま
す。 アーク自動クリアがディスエーブルの場合は、 「set A」 と入力すると、
検出済みアークがクリアされます。
解析帯域幅
最小周波数
アーク検出パラメータ 「I」 を設定 / 取得します。 「set」 の場合は第 2 パラ
メータが必要で、 適切な動作を得るには 1.0 を超える値を指定してください。
「set」 コマンド実行後は、 アーク検出ルーチンが再初期化されます。
「set N 1」 と入力すると、 アーク検出ステータスに関する定期的な RS232 通
知 ( 「No Arc Detected 0, (#Arcs=0)」 など ) がイネーブルになります。
N
NA
定期的な RS232 通知の
イネーブル
「set N 0」 と入力すると、 アーク検出ステータスに関する定期的な通知がディ
スエーブルになります。
「get N」 と入力すると、 現在の設定に基づいて 「Notifications On」 ( 通知
オン ) または 「Notifications Off」 ( 通知オフ ) という文字列が返されます。
デフォルト設定では、 通知はイネーブルです。
「set R 1」 と入力すると、 アーク検出がイネーブルになります。
「set R 0」 と入力すると、 アーク検出がディスエーブルになります。
R
NA
アーク検出イネーブル
「get R」 と入力すると、 現在の設定に基づいて 「Arc Detect Running」
( アーク検出実行中 ) または 「Arc Detect not Running」 ( アーク検出未実
行 ) という文字列が返されます。 デフォルト設定では、 アーク検出はイネー
ブルです。
アーク検出をディスエーブルにすると、 緑色の LED が消灯し、 黄色の
LED が高速点滅します。
S
NA
EEPROM 設定
「set S 0」 と入力すると、 現在の設定がオンボードの EEPROM に保存されま
す。
「set S 1」 と入力すると、 設定が EEPROM から取得されます。
「get S」 は無効なコマンドです。
V
NA
ファームウェア ・ バージョン
「get V」 と入力すると、 ファームウェアのバージョン情報が返されます。
「set V」 は無効なコマンドです。
3
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AN-2154
コマンド ・
デフォルト
パラメータ
W
NA
名称
用途
「get W」 と入力すると、 <number> 個の連続した生の A/D コンバータ ・ サン
プルが返されます。 <number> が 2,048 を超える場合は、 2,048 個のサンプ
A/D コンバータ ・ サンプル ・ ルが返されます。 これは、 追加のパラメータを受け入れる唯一の 「get」 コ
マンドです。
データのキャプチャ
W コマンドは、 保存されているサンプリング ・ レートも返します。
「set W」 は無効なコマンドです。
「set X 1」 と入力すると、 検出済みアークの自動クリアがイネーブルになりま
す ( コマンドを何も発行しなくても、 検出済みアークが検出から約 4 秒後に
クリアされます )。
X
NA
アーク検出自動クリア
「set X 0」 と入力すると、 自動クリアがディスエーブルになります。 自動クリ
アがディスエーブルの場合は、 「set A」 が検出済みアークをクリアできる唯
一の手段になります。
「get X」 と入力すると、 現在の設定に基づいて 「Detected Arcs AutoCleared」 ( 検出済みアークを自動クリア ) または 「Detected Arcs not AutoCleared」 ( 検出済みアークの自動クリアが無効 ) の文字列が返されます。
デフォルト設定では、 検出済みアークが自動クリアされます。
「set Z 1」 と入力すると、 セルフテストがイネーブルになります。
Z
NA
セルフテスト
「get Z」 と入力すると、 「INACTIVE」 ( 非アクティブ ) または 「ACTIVE」
( アクティブ ) のセルフテスト ・ ステータスが返されます。
kHz 帯 ( 通常は 50kHz 未満 ) で動作し、 スイッチング周波数で
は PV ストリングの配線に高レベルのノイズをもたらします。 こう
した理由から、 アーク検出には 40kHz ~ 100kHz の周波数帯
域のノイズが選ばれています。 PV ストリング内でアーク検出シ
ステムが使用されるポイントでは、 電圧が 1,000VDC に達する
場合があります。 また、 システムによって監視される電流では、
DC 成分が 15A DC に達することがあります。 こうした高い DC
電圧や電流からアーク監視回路を絶縁するには、 絶縁トランス
を使用します。 適切なサイズのトランスでこの絶縁要件を満たす
と、 励磁インダクタンスが比較的低くなります。 そのため、 トラ
ンスの二次側のノイズ信号を比較的小さくできます。
生デー タ のキ ャ プ チ ャ ・ コ マ ン ド
生の A/D コンバータ ・ コードを最も効率的にキャプチャするに
は、 以下の命令を送信して、 通知とアーク検出をディスエーブ
ルにします。
set N 0
set R 0
コマンド発行後は、 ハイパーターミナルで [ 転送 ] > [ テキスト
のキャプチャ ] を選択して、 生データをファイルに保存するよう
に設定します。 [ 開始 ] をクリックする際に、 ライン上の条件に
基づいてファイル名 (inverter_A_10panels_no_arc.txt など ) を指
定してください。 「get W 2000」 と入力すると、 データをキャプ
チャできます。
海上無線航行業務や標準時間サービスなどでは、 50kHz ~
100kHz のスペクトラムが使用されます。 標準的な PV 配線シス
テムの大きなループ領域は、 この低周波信号を傍受し、 アー
クによって生じたノイズ信号の数倍のライン電流を発生させる場
合があります。 また、 PV システムに搭載されたインバータなど
の電子機器から生じたスイッチング ・ ノイズも、 この周波数では
ノイズ源となることがあります。 こうした信号を効果的に除去する
方法としては、 A/D 変換後に信号をデジタル処理します。 ただ
し、 不要な信号をデジタル的に除去するには、 A/D コンバー
タを含む信号チェーンが、 アークによって生じた低レベルのノイ
ズ信号を検出しながら高レベルの CW 信号を処理できるダイナ
ミック ・ レンジを備えていなければなりません。 こうした点を考慮
すると、 96dB のダイナミック ・ レンジを備えた 16 ビット A/D コン
バータが適切です。 この A/D コンバータであれば、 アーク検
出用に測定が必要なノイズよりも 93dB 高い CW 信号をシグナ
ルパスで処理できます。 Figure 2 に、 アーク発生時やアーク未
発生時における、 検出された電流 ( フィルタリングとサンプリン
グ後 ) の dB とスペクトラム (10kHz ~ 130kHz) の関係を示しま
す。アークは、DC 電流 12A の PV ストリングで発生しています。
テキストの転送が完了したら ( 約 2 秒後 )、 [ 転送 ] > [ テキス
トのキャプチャ] > [ 停止 ] を選択してハイパーターミナルのファ
イルを閉じます。 必要な条件下のデータをすべてテキスト ・ ファ
イルに保存するまで、 ファイルのオープン、 「get W」 の発行、
ファイルのクローズを繰り返してください。
動作原理
PV システムでアークが発生すると、 PV ストリングに使用される
ケーブル上にランダム ・ ノイズ電流が流れます。 アーク自体の
電流ノイズにはガウス分布特性があり、スペクトラムは数 MHz に
及びます。 一般的な PV システムの場合、 配線形状が原因と
なり、 200kHz を上回るノイズ電流密度は周波数に応じて大きく
変動します。 PV システムで使用されるインバータは通常、 ス
イッチ ・ モード ・ コントローラを利用して入力 DC 電圧をレギュ
レートします。 一般に、 こうしたスイッチング ・ レギュレータは
www.tij.co.jp
4
AN-2154
FIGURE 2. Spectrum of Digitized Current on SM73201
シ ス テムの実装
ンバータに入力されます。 信号はさらにマイクロコントローラに
入力され、 信号処理とアーク検出が行われます。 このボードで
は、 アーク ・ イベントを模倣した信号を生成するセルフテスト回
路もサポートされています。
アーク検出ボードを構成するトランスでは、 ストリング電流が一
次側を流れ、 ストリング ・ ライン上の AC ノイズに反応します。
二次側に発生した信号は、 増幅やフィルタリングの後、 A/D コ
FIGURE 3. System Diagram
Figure 4 に示すように、 ボードは単一ストリング構成向けに設計
されています。 ボードはストリングの負側に接続します。 複数の
PV ストリングからなるアレイの場合、 ストリングごとに 1 つのアー
ク検出ボードを接続すれば対応できます。
FIGURE 4. System Insertion
5
www.tij.co.jp
AN-2154
パス ・ フィルタを構成しています。 U18B と U14A は、 低ノイ
ズ ・ フロアのオペアンプによってシステムにゲインを追加してい
ます。 U18B の出力は、 A/D 変換回路への入力となります。
フィルタには、 下限 40kHz と上限 100kHz のカットオフ周波数
が設定されています。 マイクロコントローラ内にプログラムされた
ソフトウェアを適切に動作させるには、 このような帯域幅が必要
となります。
シ ス テムの実装 ( つづき )
ボードには 1,000V の絶縁能力があります。 そのため、 電圧が
1,000V を超えなければ、 ボードをストリングの中間や正側にも
接続できます。 ただし、 取り扱う上で安全性が問題となるため、
このような接続は推奨していません。 ボードへの電力供給に使
用する 6V 電源は、 J10 と J11 に接続します。 ストリング電流は、
J1 と J2 に接続します。 Figure 5 を参照してください。
オペアンプは、 リニア ・ レギュレータから供給される 5V 電源に
よって駆動します。 オペアンプの入力は、 Figure 6 に示す別の
オペアンプ回路から供給されたリファレンス電圧を使ってバイア
スされます。
このボードでは、 アーク ・ イベントを模倣した信号を生成するセ
ルフテスト回路もサポートされています。 Figure 7 を参照してく
ださい。 セルフテスト回路で生成されるノイズ信号は、 スイッチ
SW1 による手動制御、 または NOISE_EN 入力を用いた CPU
による制御が可能です。 手動テストの場合 (J9 をオープン )、
SW1 を押すと、 アーク ・ イベントをシミュレートしたノイズ信号が
生成されます。CPU テストの場合 (J9 をオープン )、NOISE_EN
信号 (AIO10) を High に設定すると、 ノイズ信号が生成されま
す。 ソフトウェアでは、 「set Z 1」 コマンドで実行します。 アー
クが検出された場合、 Z はリセットされ、 セルフテスト回路がオ
フになります。 アークが検出されない場合、 Z は 1 のままで、
セルフテスト回路もイネーブル状態が維持されます。 連続したノ
イズ信号を生成するには、 J9 ジャンパを取り付けてください。 ノ
イズ回路を適切に動作させるには、 + V を 8V ~ 12V の範囲
にする必要があります。
FIGURE 5. Board Connection
設計についての説明
Figure 8 に、 アナログ ・ シグナルパスを示します。 電流は T3
で検出されます。 U15A と U18A が 4 次のバターワース ・ ハイ
パス ・ フィルタを構成し、 U14B、 U15B、 U18B が 5 次のロー
FIGURE 6. Reference voltage
www.tij.co.jp
6
AN-2154
設計についての説明 ( つづき )
FIGURE 7. Self Test Circuit
7
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FIGURE 8. Analog Front End
FIGURE 8. Analog Front End
AN-2154
設計についての説明 ( つづき )
www.tij.co.jp
8
の干渉信号の振幅が増加しても、 クリッピングを発生させること
なく適切にアークのシグネチャを検出できます。 コンバータのサ
ンプリング ・ レートは、 マイクロコントローラによって制御されま
す。 接続図を Figure 9 に示します。
この A/D コンバータは、 約 250kS/s で動作する 16 ビット ・ コン
バータです。 分解能が高く、 検出される信号向けに十分なダ
イナミック ・ レンジを備えています。 そのため、 インバータから
FIGURE 9. A/D Converter
安全性
アーク生成時は常に注意を払う必要があります。 PV システム上
の高電圧は、 致命的な危険性をもたらします。 金属から高温
の火花が散ったり、 裸火が発生することがあります。 保護メガ
ネ / マスク、 電気作業用グローブ、 その他の適切な装備を含
め、 必要な安全保護具をすべて装着してください。 いかなる損
害や傷害が発生しても、 テキサス ・ インスツルメンツは一切責
任を負いません。
9
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設計についての説明 ( つづき )
AN-2154
レ イ アウ ト
FIGURE 10. Board Assembly TOP
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10
AN-2154
レ イ アウ ト
( つづき )
FIGURE 11. Board Assembly BOTTOM
11
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AN-2154
部品表
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12
SolarMagic RD-195 DC アーク検出評価ボード
部品表 ( つづき )
AN-2154
IMPORTANT NOTICE
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