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「社会保障・税番号大綱」に関する意見募集(パブリックコメント)

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「社会保障・税番号大綱」に関する意見募集(パブリックコメント)
資料4
平成23年9月27日
内
閣
官
房
「社会保障・税番号大綱」に関する意見募集(パブリックコメント)の結果について(概要)
1.概要
内閣官房社会保障改革担当室では、本年 6 月 30 日に「社会保障・税番号大綱」を公表し、
当該大綱の内容について、以下の要領で、国民の皆様からご意見を募集しました。
○募集内容 : 「社会保障・税番号大綱」に関するご意見
○募集期間 : 平成 23 年 7 月 7 日~8 月 6 日までの 1 ヶ月間
○提出方法 : 電子メール及び郵送にてご意見を受付
2.お寄せ頂いたご意見
本件に関して、153 件 (うち、個人:86 件、団体 67 件)のご意見をいただきました。
ご意見の概要は、以下のとおりです。
○番号制度の導入について
番号制度の導入に賛成又は積極的なご意見(「番号制度の導入に賛成」、「番号制度の早
期導入は不可欠」等)をいただいた一方、導入に反対又は慎重なご意見(「番号制度の導
入に反対」
、
「番号制度の導入に慎重な立場」、
「行政の効率化は図れるが、国民はプライバ
シー侵害の恐れを抱える」、「長年検討してきた電子政府構想の高邁な理想が欠落してい
る」、「弱者切り捨てのツールになりうる危険性がある」等)をいただきました。
また、拙速は避け丁寧に議論し、国民の理解を得る必要があるとのご意見(「方向性と
しては正しいとの認識はあるものの、拙速な導入は避けるべき」
、
「真の導入目的がどこに
あるのか国民の目から隠されている。導入ありきの拙速な議論である」、
「過去の様々な問
題を踏まえた議論が不十分ではないか」、「導入準備は 4~5 年待つべき」等)や、費用対
効果やセキュリティ体制等の具体的な姿が示されていない現段階で賛否の判断を行うこ
とはできない旨のご意見(「番号制度の具体的な必要性や利用目的が明らかにされていな
い」、
「費用対効果の明示無くして導入の判断はできない」、
「番号制度導入の是非を判断す
るために必要な諸情報をきちんと国民に開示し、十分説明した上で、適切な手順を踏んだ
意見収集を実施すべき」、
「現状の番号制度では、まだリスクコミュニケーションを実施で
きる段階にまで来ていない」等)をいただきました。
-1-
○利用範囲について
番号制度導入そのものには一定のご理解をいただいているものの、分野横断的な「共通
番号」として導入することへの不安や必要性に疑問があるとのご意見(「広い分野が1つ
の番号で管理されることに不安を感じる」、
「共通番号を作るのではなく、分野別の番号で
十分」、
「政府の掲げる目標を達成するためには、各分野に共通する番号制度の導入を目指
すのではなく、プライバシー権を侵害する恐れの小さい分野別の番号制導入で足りるので
はないかが慎重に検討されるべき」、
「災害時の払戻し等において、単に『番号』による本
人確認を行うにすぎず、『番号』に有用性はない」、「番号を使用するにしても、個人情報
の収集・利用目的ごとに分類された『分野別番号』を維持し、『容易には』各分野の個人
情報が連携されないようにするシステムを保障することが必要」等)や、大綱で想定して
いる利用範囲の中でもまずは狭い分野から導入すべきとのご意見(「まずは社会保障のう
ち年金分野と税務分野から迅速に導入すべき」、
「民間事業者(保険会社等)へデータ利用
の対象が拡大していくのではないかと不安」、「医療情報まで広げるべきでない」、「医療、
介護分野の拙速な導入は一考を要する」等)をいただいた一方、大綱で想定している利用
範囲よりも更に幅広い分野で活用すべき(「社会保障・税分野のみに限定するのではなく、
幅広い行政分野で活用すべき。さらに、プライバシー等に配慮しつつ民間サービス等で活
用し、番号制度の有効活用を図るべき」、
「番号制度を幅広い用途に活用できるよう道筋を
作っておくべき」、
「住所、氏名など機微性の低い情報は制度当初から民間での活用を認め
るべき」、
「犯罪収益移転防止法、金融商品取引法等に基づいて行う業務遂行目的の番号の
利用を認めてほしい」等)とのご意見もいただきました。
また、利用範囲については、「番号の利用範囲や情報連携の範囲は政省令に落とすので
はなく、法律事項とすべき」、
「地方の実情を踏まえながら利用方法や範囲を決定すべき」、
「医療、介護分野への番号制度の活用について明確な工程を示すべき」
、
「緊急時の活用を
充実させてほしい」、「公正な給付の前提として所得捕捉のためにも番号を活用すべき」、
「犯罪捜査等への利用は禁止するべき」、
「利用範囲拡大を前提とする検討には賛成できな
い」等のご意見もいただきました。
このほか、きめ細やかな社会保障の実現の例として大綱に記載した「総合合算制度(仮
称)」について、逆に社会的弱者が切り捨てられるのではないかと危惧するご意見(「総合
合算制度により社会保障制度における弱者切り捨てに使われる恐れがある」、
「総合合算制
度は社会保障個人会計に代わる可能性があり、社会保障と国民皆保険を崩壊させる可能性
がある」等)をいただきました。
○付番について
「番号」の付番については、新たに「番号」を付番する必要はないとするご意見(「住民
票コードを活用すべき」、
「住民票コードがあるのに新たに番号を付けるとはあきれた」、
「住
民票コードを「番号」として使うことと何が違うのか。」等)とのご意見をいただいた一方
で、付番対象を国内源泉所得を有する非居住者等にも広げるべきとするご意見(「国外にい
る日本人も付番の対象とする必要がある」、
「納税義務を負う非居住者たる個人を番号制度の
外に置くことなり、課税について著しい不公平を生ずる懸念があることから、極力すべての
-2-
納税義務者に付番するような制度とすべき」等)をいただきました。
また、付番方法について、住所不定者や住基ネット不接続団体の住民に対する対応をさら
に整理する必要があるのではないかとするご意見(「住所不定の人などセーフティネットに
かからない人への対応はどうするか」、
「住基ネット不接続団体の住民に対する別途の付番方
法等の取扱いを整理する必要がある」等)をいただきました。
このほか、
「「最新の基本 4 情報が関連付けられていること」を「番号」の特性から除外す
るべき」、
「一定の条件のもと、番号の変更を可能とすべき」、
「システム構築に必須となる「番
号」の具体的な仕様(桁数、体系等)を早く明らかにしてほしい」といったご意見もいただ
きました。
○本人同意の取扱いについて
番号制度の導入にあたり、本人同意は必要であるとのご意見(「デジタルディバイドが存
在する限り、本人同意の仕組みは必要」等)がある一方で、番号の利用に関する本人同意の
取扱いについては、制限すべき、安易に容認すべきでないといったご意見(「単に同意があ
るからというのみならず、真にその用途が必要不可欠かという要件を課すべき」、「「同意」
は「半強制的」になる可能性が高く、安易に同意を前提とした利用範囲や取扱う情報の範囲
を広げるべきではない」、
「本人同意を前提とした民間利用の容認は個人の権利利益の保護に
ならない可能性がある」等)をいただきました。
○費用対効果等について
費用が巨額であることから番号制度を導入する合理性がないとするご意見(「プライバシ
ー、情報漏えいの危険があまりに大きく、費用も巨額であることから合理性がない」、
「大災
害時に 6000 億円もの巨額を使うのは非常識。災害復旧に費用を回すべき」等)とするご意
見のほか、費用対効果の根拠を示すべきであるとのご意見(「番号制度の必要性や費用対効
果の根拠となるデータを示すべき」、
「将来的に何を可能とするためにどのような仕様を組み
込んでおくのか。それにどのくらいコストがかかるのか、開示し、国民の理解を得るべき。
要件変更がむやみに発生し、追加コストがかかることは避けるべき」
、
「費用便益分析を行っ
たうえで番号制度を導入すること」、
「番号制度の有効性を明確化せよ」、
「費用対効果の検討
がほとんどされていないのは問題」)をいただきました。
また、「民間企業に負担だけ押し付けることのないようにすべき」といったご意見をいた
だきました。
○個人情報保護について
個人情報保護に関しては、情報の一元管理に反対するご意見や、プライバシー侵害や成り
すまし等を懸念するご意見(「個人情報の一元管理には反対」、「プライバシー侵害やなりす
まし犯罪の懸念がある」、
「個人情報は保護できない」、
「番号制度が導入されればプライバシ
ー侵害を招くことは確実。マイ・ポータルを利用した利用履歴の確認、第三者機関による監
視、罰則強化は実効的ではない」、
「災害時に番号だけで本人を特定することになれば、なり
-3-
すましが発生する」、
「大綱の個人情報保護措置は不十分であり、憲法違反を含めて国民の基
本的人権等を侵害する可能性」等)がある一方で、個人情報保護のためのシステム等につい
て最大限の対策を求めるご意見(「個人情報保護に関しては最大限の配慮、対策をすべき」、
「成りすましを防止する高度な認証システムをクラウドコンピューティング上で行えるよ
うにする必要がある」、
「静脈認証などの的確な本人確認システムが必要」等)をいただきま
した。
また、自己情報コントロールに関するご意見(「『自己情報コントロール』の意味がわから
ない」、「『自己情報コントロール』は『自己に関する情報についての開示・訂正等の一定の
請求権を持つ』に修正されるべき」等)や、情報を漏洩させた場合の罰則等に関するご意見
(「民間事業者に対する罰則を強化するなど法令順守の実効性を担保すべき」、
「「番号」の漏
洩は間接罰とすべき」等)をいただきました。
このほか、「本当に期待したいのは国民の命を守り、不安を解消すること。漏洩、不正使
用、セキュリティ等の問題が起こることよりもはるかに大切。特に防災福祉が必要な時に番
号制度が有効な手段となる」、
「報道の自由、取材の自由が妨げられるような過剰反応がない
よう周知徹底が必要である」といったご意見をいただきました。
○情報連携について
情報連携には不安や問題があるとするご意見(「医療、介護分野の情報連携に不安を感じ
る」、
「情報連携は人格権の侵害である」、
「住基ネットはデータマッチングを行わないから合
憲だと判断された。番号制度が最高裁判決をクリアしたことにはならない」、
「国民は番号の
有無にかかわらず、自分の情報が芋づる式に一元化されることに不安を感じるのであり、番
号を用いないで連携するから安全と言う理屈では理解を得られない」、
「初期突合がうまくい
かなかった記録の取扱い等について検討しておく必要」等)や、情報保有機関の範囲を限定
すべきとのご意見(「自治体はすでに様々な機関と情報連携しており、既存業務への影響を
考慮し、連携用番号(符号)を付番する情報保有機関はこれまで連携してこなかった機関に
留めるべき」等)をいただきました。
また、情報保有機関と情報連携基盤の運営組織は別にすべきとするご意見(「情報連携基
盤の運営機関は情報保有機関と異なる組織である必要」、
「情報連携基盤の運営機関は情報保
有機関から独立した中立機関とすべき」等)をいただきました。
このほか、情報連携について「民間分野を視野に入れた情報連携をすべき」、
「符号の内容、
番号と符号との関係を明確にすべき」、
「バックアップ体制の確保が必要」、
「国民の使い勝手
を最優先したシステムとすべき」といったご意見をいただきました。
○マイ・ポータルについて
マイ・ポータルに関しては、情報格差についての懸念や、情報弱者に対する配慮を求める
ご意見(「IT弱者対策を明確に示すべき」、「マイ・ポータルにログインできる者とできな
い者との間に不公平が生じないようにする必要」、
「パソコンを使わない人は情報から疎外さ
れる」等)や、マイ・ポータルを利用した情報の提供・取得の範囲の拡大に関するご意見(「税
務代理人である税理士が本人に代わって電子申請にかかる代理送信や申告に必要な納税者
-4-
情報をマイ・ポータルから取得できるようにすべき」、
「マイ・ポータルでは社会保障・税に
係る行政情報に限定せず、民間事業者からの情報も提供できるようにしてほしい」等)をい
ただきました。
また、「マイ・ポータルでオープンガバメントへの道を拓け」、「自分の情報を見るのにお
金と時間がかかる」、
「いつでもネット上で確認できる必要はないのでは(年 1 回の郵送等の
通知で十分)」といったご意見をいただきました。
○ICカードについて
ICカードに番号や顔写真を記載すべきとのご意見(「顔写真をつけて国民全員に付与す
べき」、
「ICカードに例外なく番号を記載すること」、
「ICカードは顔写真付きとし、番号
を券面に記載すべき」、「ICカードに少なくとも「番号」「氏名」「住所」「生年月日」を記
載すること」等)をいただいた一方で、ICカードの導入への危惧や不安に関するご意見(「国
内パスポートのようになる懸念」、
「発行コストが不安」
、
「医療費の総額をICカードに記録
することに反対」、
「自身で十分に管理できない高齢者の対応が危惧される」、
「ICカードの
普及は法律による強制がなければ無理」、
「全員交付あるいは大多数への交付が行われるとす
れば、厳格な本人確認や顔写真の手間など、膨大な交付事務の処理は現実的ではない。IC カ
ードを用いるのは過度の安全性を求めるものであり、非効率で負担が大きい」等)をいただ
きました。
また、「顔写真まで必要であれば運転免許センターのような専門の設備が必要」、「現行住
基カードの IC チップの読み取りに必要となる照合番号(14 ケタ)の短縮を検討してほしい」、
「番号利用開始時(平成 27 年 1 月)に署名検証者が民間事業者に拡大されるように」等の
ご意見をいただきました。
○第三者機関について
第三者機関を設置すべきとするご意見(
「「会計検査院」と同じような「情報検査院」を作
るべき」、
「第三者機関である委員会を設置し、その権限・機能等について明確に定めること
は賛成」、
「強大な力を持つ独立した「第三者機関」をまず設立し、次のステップとして番号
制度を検討するべき。現時点での法案提出には反対」等)をいただくとともに、第三者機関
の在り方について、強い独立性を求めるご意見(「第三者機関は高い透明性が担保される必
要がある」、
「第三者機関は独立性の強い組織として法的に位置づけるべき」、
「EU からも認め
られる委員会とすべき」等)をいただきました。
また、第三者機関の委員については、実務経験者など多方面から集める一方、当事者を外
すべきとのご意見(「委員には実務経験者も加えるべき。組織の情報セキュリティも含めて
チェックすべき」、
「弁護士、医師、歯科医師、民間団体代表、学術関係者など、多方面から
委員を集めるべき。迅速な対応を取れる体制が必要である」、
「中立性、独立性を確保できる
体制とし、労働者代表などを委員とすべき」
、
「委員に当事者を含めてはならない」等)との
ご意見をいただきました。
このほか、「犯則調査や犯罪捜査に関しても第三者機関の権限を及ぼすべき」、「情報連携
基盤等のシステム構築段階から情報保護評価が行われる体制を整える必要がある」、
「行政に
-5-
よる不正利用に対しては厳しい監視や罰則を設けるべき」、
「第三者機関の監視が行き届くの
か疑問」といったご意見をいただきました。
○今後の進め方について
今後、番号制度の導入を検討するにあたり、引き続き検討すべき事項に関するご意見(
「所
得把握の限界を無くしていく必要がある」、「可能な限り 100%所得捕捉する仕組みと給付を
充実させるための財政的裏付けの仕組みも同時に検討し、国民に示すべき」、
「国税・地方税
の共通手続、類似手続の整理が必要である」
、
「地方税の現年課税について検討課題として明
記すべき」、「国家管理への拒否感、政府のセキュリティ体制への不安を払拭し、国民感情、
費用対効果の問題を解決できる制度を希望する」、
「技術革新により行政の効率化を図り、省
力化、公務員改革が実施されるべき」、
「代理で業務を行う者が正当な範囲の仕事を間違いな
く行えるよう工夫が必要である」、
「歳入庁の創設を早期に行い、番号制度は歳入庁主導で行
うべき」、
「政府は安全性、公平性、利便性等の提供に注力すべき」、
「給付付き税額控除への
活用について具体的に検討し、それに必要な行政の体制や費用についても明確にすべき。」
「年金事務を委託されている金融機関で基礎年金番号と新たな番号との二重管理を不要と
してほしい」、
「番号制度をインフラとしてシステム輸出することを目指すべき」等)をいた
だきました。
また、制度を導入する場合、十分な準備期間や透明性を確保してほしいとするご意見(「関
係者との事前協議を行い、十分な準備期間の設定を含め、実務面でも対応可能な制度設計と
すべき」、
「企業側の準備期間や費用、実務の流れなどに十分に配慮しつつ、制度の具体化を
進めてほしい」、「システムの入札及び発注の透明性を確保し、独占性を排除すること」等)
や、さらなる国民的議論や国民に対する周知・広報が必要であるとするご意見(「法案の国
会審議の前に改めて国民から意見募集し、国民的な議論を尽くすべき」、
「国民生活に近い地
方公共団体を軸にした広報活動に力点を置くべき」、
「医療情報に関する特別法の内容につい
て国民へ周知すべき」等)をいただきました。
これまでに紹介したご意見のほかにも、多数のご意見をいただきました。
ありがとうございました。
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