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8月20日校内研修資料 授業のユニバーサルデザイン化モデル研究事業
8 月 20日 校 内 研 修 資 料 授業のユニバーサルデザイン化モデル研究事業 授業のユニバーサルデザイン化の定義 1 ユニバーサルデザインとは 「 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン 」 と は 、 1985年 に ア メ リ カ ノ ー ス カ ロ ラ イ ナ 州 立 大 学 の ロ ナ ル ド・メ イ ス が 提 唱 し た 考 え 方 で あ る 。使 う 人 に 必 要 な 情 報 が す ぐ わ か る 、使 い 方 が 簡 単 に わ か っ て 使 え る 、少 な い 力 で 効 率 的 に 使 え る な ど 、あ ら ゆ る 人 に と っ て使いやすいデザインを意味する。 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 提 唱 者 ド ナ ル ド・メ イ ス は 、ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン を 見 極める視点として「ユニバーサルデザイン7原則」を示した。 ユニバーサルデザインの7原則 1 公平な利用 2 利用における柔軟性 3 単純で直観に訴える利用法 4 認知できる情報 5 エラーに対する寛大さ 6 少ない身体的能力 7 接近や利用のためのサイズと空間 出 展 : ロ ナ ル ド ・ メ イ ス 他 ( 1997) 2 ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業の定義 特 別 支 援 教 育 の 視 点 と ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 7 原 則 を 踏 ま え 、朝 来 市 モデルにおけるユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業を以下の ように定義する。 ①特別な教育的ニーズのある児童・生徒への指導・支援の中にある 要素と、通常の学級で培った「どの子にもわかる授業」とされて きた要素を融合させた授業。 ②その結果、児童・生徒にとって「わかりやすく」、学習意欲が喚 起される楽しい授業。 ※留意点1 ユニバーサルデザインの7原則に依拠するが、必ずしもすべてを満たす 必要はない。7原則を可能な範囲で取り入れた授業づくりをめざすこと から、「ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業」とする。 ※留意点2 通常学級での「どの子にも活かされる学級経営」「どの子にもわかる授 業」の要素と特別支援教育で培った要素を融合させるという発想を持つ ことをユニバーサルデザインの視点として捉える。 3 「ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業」づくりの指針 授業づくりの視点で読み替えた「授業のユニバーサルデザインの7原則」 1 全ての児童・生徒が学びに参加できる授業 2 多様な学び方に対し柔軟に対応できる授業 3 視覚や触覚に訴える教材・教具や環境設定が準備されている授業 4 欲しい情報がわかりやすく提供される授業 5 間違いや失敗が許容され、試行錯誤しながら学べる授業 6 現実的に発揮することが可能な力で達成感が得られる授業 7 必要な学習活動に十分に取り組める課題設定がなされている授業 出 典 : 長 江 ・ 細 渕 2005 4 「ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業」づくりの観点 1 参 加 に 対 し て 制 限 の な い 、学 習 活 動 が 保 証 さ れ て い る 授 業 。学 び の 共 同 体 の 一 員 と な り う る 最 低 限 の 学 習 レ デ ィ ネ ス を 獲 得 し て い る 、ま た は 必 要 な 支 援 の 基 に 保 証 さ れ て い る こ と で 、学 び の 共 同 体 と し て の 共 通 課 題 が 存 在 し て い ることが必要である。 2 多 様 な 興 味・関 心 に 対 応 で き 、多 様 な 学 び の ス タ イ ル に 対 応 で き る 授 業 の こ と 。一 人 一 人 の 学 び 方 が 保 証 さ れ 、多 様 な 学 び 方 の 重 な り 合 い や 絡 み 合 い が 豊かな学びとして評価されるようにすることが必要である。 3 視 覚 や 触 覚 に よ る 手 が か り で 、何 を 学 ぶ の か 理 解 す る こ と が で き る 、わ か り や す い 授 業 の こ と 。学 び の 興 味・関 心 を 引 き 出 し 、学 び 方 や そ の 目 標 と す る ことを把握するために教材・教具の工夫や環境設定の工夫が必要である。 4 欲 し い 情 報 や わ か り や す い メ デ ィ ア で 必 要 な 時 に 提 供 さ れ る 授 業 の こ と 。学 びの支援となる情報が、必要な時にすぐに手に入れることができるように、 整理された環境づくりをすることが必要である。 5 試 行 錯 誤 し な が ら 学 ぶ こ と が 認 め ら れ て い る 授 業 の こ と 。試 行 錯 誤 す る た め の時間と機会と環境設定が必要である。 6 一 人 一 人 の 課 題 を 把 握 し 、適 切 に 設 定 さ れ た 課 題 に 取 り 組 む 学 び が で き る 授 業のこと。正確な実態把握と適切な課題設定をすることが必要である。 7 子 ど も の 興 味・関 心 か ら 生 ま れ た 活 動 が 、十 分 に 展 開 で き る 授 業 の こ と 環 境 設 定 な ど の 理 由 か ら 、活 動 を 制 限 し て 児 童・生 徒 の 意 欲 を そ が な い よ う に 環 境設定に留意することが必要である。 5 指定校における研究内容 (1)児童の実態把握(アセスメント) ①気になる児童のアセスメント(学級担任・教科担任・コーディネーター等) ②気になる児童のアセスメント(中尾教授) (2)教職員の意識調査 ①管理者用チェックリスト ②学級担任・教科担任用チェックリスト (3)学級づくりのポイント(共通取組事項) ①物的環境 ・教室全面の掲示物が集中の妨げにならないよう配慮されている。 (必要最小限に、棚は目隠し、刺激的な騒音) ・教室内の物については置く位置が決まっている。置き方を写真や数字で示す。 ・ホワイトボードなどで一日のスケジュールを示す。 ・机の中、ロッカーを整理する時間を設定する。 ②人的環境 ・ルールを明確化する。 <言葉のルール> ちくちく言葉は使わない。 話してもいい時、話してはいけない時を明確化する。 当番・係活動等のマニュアルがある。 ルールについての確認・評価する時間を設定する。 <行動のルール> 授業は正しい姿勢で臨む。 授業中は支持なしで席を立たない。 ・児童を多面的に見る。 児童の持つ背景を理解しておく。(家族構成、家庭生活、障害、性等) 児童の情報交換を密に行う。(児童を語る会、保護者面談等) ・児童のよさを見出す。 よい言動や行動をタイムリーにほめる。 日記や作文等の文章から「よさ」を見つける。 ・児童とのふれあいを大切にする。 児童の話をしっかりと聞く。 児童と休み時間に積極的に遊ぶ。 ・人間関係づくりを意図的に行う。 グループエンカウンターのエクササイズ等を実態に応じて行う。 生活班や学習班を活用する。 6 授業づくりのポイント(共通取組事項) ①見通しを持たせる工夫(時間の構造化) ・授業の流れを視覚的に伝える。 ・作業や活動の手順を視覚的に示す。 ・マークや目印などで授業の進行場面がわかるようにする。 ②板書・机間指導の工夫 ・シンプルで構造化された板書にする。(不必要な刺激の除去) ・色チョークの使用、文字の大きさ、行間に配慮する。 ・言葉かけにより学習意欲を高めさせると共に理解の度合いを見取る。 ③話し方の工夫 ・簡潔で具体的な指示を出す。(一つずつ) ・指示・説明と児童の活動を分ける。 ・肯定的な表現で評価し、指示する。(~しないと~ → ~すれば~) ④視覚化・動作化の工夫 ・絵やイラスト、吹き出しや写真などを効果的に提示する。 ・ 視 聴 覚 教 材 ( ICT機 器 ) を 有 効 に 活 用 す る 。 ( PC、 プ ロ ジ ェ ク タ ー 、 プ レ ゼ ン テ ーションソフト、タブレットなど) ・実物や模型などを使い指示・説明を行ったり動作活動をさせたりする。 ⑤個の特性に合わせた学習活動・学習形態の工夫(内容の構造化) ・複数のワークシートやヒントカードを準備し、自己選択させる。 ・発展課題を準備し、早くできた児童や意欲の高い児童に対応する。 ・学習や作業が負担になる児童には、学習量や学習形態、作業方法に配慮する。 (スモールステップ化、ペア・グループ学習、補助具等) 7 アプローチの方向性 ICT活用(大蔵小学校) 8 評価方法 教職員による授業評価 児童による授業アンケート 保護者によるアンケート 9 研究の背景と展開のために必要なポイント ①校長のリーダーシップ ②教師の意識改革 ③アセスメントと教師の努力 ④研修を楽しむ ⑤子どもの変化を実感 ⑥困った時の救急車を市内に作れ