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FOMC(9月12・13日)について

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FOMC(9月12・13日)について
FOMC(9月12・13日)について
2012年9月14日
<MBSの購入と時間軸の延長>
9月12・13日(現地、以下同様)に開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、二つの事が新たに決定
されました。一つはMBS(住宅ローン担保証券)の月400億ドルペースでの購入で、もう一つは現在の超低金利政
策の時間軸の2015年半ばまでの延長です。
<予想されるQE3の長期化>
FRB(米国連邦準備制度理事会)は従来の「大規模資産購入」との表現を今回敢えて避けていますが、MBSの
購入はQE3(量的緩和第三弾)と位置付けられるでしょう。新たなMBSの購入に加えて、FRBが保有する政府機関
債とMBSの償還金のMBSへの再投資、並びに保有国債の残存期間の長期化(ツイスト・オペ)による長期国債の
購入とを合わせて、年末まで月850億ドルのペースでFRBの長期証券の保有残高が増加する見通しです。
今回の声明文ではQE3について、「労働市場の見通しが顕著に改善するまで」継続すると記されており、具体
的な期限の定めがない(無期限である)のが特徴です。これは、市場がQE3の効果を疑問視しつつある状況を踏
まえた上で、FRBの責務の一つである「雇用の最大化」の達成に対するFRBからの強い意志表示と捉えられます。
労働市場の見通しが顕著に改善するには相当の時間を要すると考えられるため、QE3も長期化しそうです。
「(QE3の)効果とコストを適切に考慮する」とも記されていますが、現実問題として、いったん開始されたQE3を停
止する敷居は高いと思われます。
QE3が無期限であることの最大のメリットは、これまでの「量的緩和」や「ツイスト・オペ」とは異なり、期限が近づく
度に、政策が延長されるかどうかの憶測、懸念を呼ぶことがない点です。対象をMBSに限定したのは、住宅市場
支援としての「信用緩和」の意味合いもあり、議会などの理解を得るのが比較的容易になるという理由も含まれて
いるでしょう。住宅市場は今年に入り大底入れの動きを見せており、多少なりとも住宅ローン金利の低下が一段と
進めば、住宅市場の改善を促す一助となる筈です。
失業率の推移
12
(2006年1月~2012年8月)
(%)
10
8
6
4
2
0
06/1
07/1
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
(出所)ブルームバーグ
当資料のお取り扱いにおけるご注意
■当資料は、ファンドの状況や関連する情報等をお知らせするために大和投資信託により作成されたものであり、勧誘を目的としたものではありません。■当資
料は、各種の信頼できると考えられる情報源から作成していますが、その正確性・完全性が保証されているものではありません。■当資料の中で記載されてい
る内容、数値、図表、意見等は当資料作成時点のものであり、将来の成果を示唆・保証するものではなく、また今後予告なく変更されることがあります。■当資
料中における運用実績等は、過去の実績および結果を示したものであり、将来の成果を示唆・保証するものではありません。
販売会社等についてのお問い合わせ⇒大和投資信託 フリーダイヤル 0120-106212(営業日の9:00~17:00) HP http://www.daiwa-am.co.jp/
1/2
さらに今回景気見通しを2013、14年について上方修正しましたが一方で、2015年までを通じて、インフレ率は
2%以下との見通しを示しており、ここからもQE3の長期化が予見されます。
また「時間軸」の2015年半ばまでの延長は市場に織り込み済みですが、声明文で「雇用の最大化と物価の安定
に向けた継続的な進展を下支えするために、景気回復が強まった後もかなりの間、非常に緩和的な金融政策姿
勢が適切であり続けるとFOMCは考える」との一文を挿入したことで、単なる延長にとどまらず、「時間軸」を強化し
たと考えられます。
FOMC経済見通し(陰影部が今回公表分)
対象年
2012
2013
2014
2015
長期
(単位:%)
公表日
実質GDP
失業率
12/9/13
12/6/20
12/9/13
12/6/20
12/9/13
12/6/20
12/9/13
12/9/13
12/6/20
1.7~2.0
1.9~2.4
2.5~3.0
2.2~2.8
3.0~3.8
3.0~3.5
3.0~3.8
2.3~2.5
2.3~2.5
8.0~8.2
8.0~8.2
7.6~7.9
7.5~8.0
6.7~7.3
7.0~7.7
6.0~6.8
5.2~6.0
5.2~6.0
(注)実質GDP、インフレ率は10-12月期の前年同期比、失業率は10-12月期の平均
インフレ率
総合
コア
1.7~1.8
1.7~1.9
1.2~1.7
1.7~2.0
1.6~2.0
1.7~2.0
1.5~2.0
1.6~2.0
1.6~2.0
1.8~2.0
1.5~2.0
1.6~2.0
1.8~2.0
1.9~2.0
2.0
2.0
(出所)FRB
<インフレへの懸念にも配慮>
追加金融緩和がインフレ圧力を高めるとの懸念に対しては、インフレ率は平均すれば何年にもわたりFRBの目
標とする2%近傍で推移してきた実績や、インフレ期待が安定している現状を指摘しつつ、物価安定への脅威を
回避するためにFRBは適切に動く手段も意志も有しているとし、インフレへの懸念を軽減しようとしています。
<市場の期待を上回る対応>
今回の内容は、市場の反応に見られる通り、いつもながら市場を決して失望させることのないFRBの本領が発
揮されたと評価できます。追加金融緩和が住宅需要、住宅価格、株価などを押し上げることで、その効果が実体
経済の各方面へ波及することが期待されますが、バーナンキFRB議長が記者会見で何度も繰り返した様に、金
融政策は万能ではありません。特に、減税の期限切れと歳出削減が重なる「財政の崖」が現実化したときの影響
に、金融政策だけでは対応しきれないとの従来の見解を改めて披露し、警戒を示しています。金融政策面での
安心感は得られましたが、今後は大統領・議会選挙の帰すうと、それを受けての財政政策が市場の注目の的とな
るでしょう。
以上
※1ページ目の「当資料のお取り扱いにおけるご注意」をよくお読みください。
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