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肝炎治療特別促進事業に関する問答 集集 (Ⅲ)

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肝炎治療特別促進事業に関する問答 集集 (Ⅲ)
H24.3.28(水)現在
肝炎治療特別促進事業に関する問答集
(Ⅲ)
厚生労働省健康局疾病対策課
肝
炎
対
策
推
進 室
目
次
Ⅰ
対象医療、対象患者に関するもの ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)共通
(2)インターフェロン治療関係(3剤併用療法を含む)
(3)核酸アナログ製剤治療関係
(4)テラプレビルを含む3剤併用療法関係
2
Ⅱ
11
助成期間に関するもの ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)共通
(2)インターフェロン治療関係(3剤併用療法を含む)
(3)テラプレビルを含む3剤併用療法関係
Ⅲ
申請手続(申請書、世帯の解釈、課税証明等)に関するもの
(1)共通
(2)インターフェロン治療関係(3剤併用療法を含む)
(3)核酸アナログ製剤治療関係
・・・・・・
14
・・・・・・・・
19
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
21
Ⅳ
認定事務(受給者証、診断書、認定協議会等)に関するもの
Ⅴ
医療機関等の指定、契約等に関するもの
Ⅵ
自己負担額(管理票等含む)に関するもの
Ⅶ
その他(制度全般に係るもの) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
(1)共通
(2)インターフェロン治療関係
(3)テラプレビルを含む3剤併用療法関係
(4)フローチャート関係
(注)
1.本問答集は、平成20年度の事業開始時から平成23年度改正までの間に、各都道府県からい
ただいた御質問のうち全都道府県に対して周知すべきと判断したものを中心に取りまとめたもの
である。
2.各問の末尾にある【改変】は、当該問答が既存の問答集に掲載されていたものから変更がある
場合、
【新規】は今回の改訂で新しく掲載した場合に付している。
- 1 -
Ⅰ
対象医療、対象患者に関するもの
(1)共通
(問1)助成対象となるのはどのような医療か。
(答)B型及びC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎(C型代償性肝硬変を含む)に対
して保険適用となっているインターフェロン治療、並びにB型慢性肝疾患に対
して保険適用となっている核酸アナログ製剤治療を対象とする。
(問2)本事業における助成対象医療の適用範囲を具体的に例示願いたい。
【改変】
(答)お尋ねについては、次の①及び②に記載した考え方に従って、個別の事例に
ついて、各都道府県で判断されたい。
ただし、「傷病手当金意見書交付料」のように、直接の治療や検査等に伴っ
て算定される報酬ではないものについては対象とはならないものと考える。
①
インターフェロン治療においては、インターフェロン以外の個別の薬剤
や治療が本事業の助成対象となるかは、それがインターフェロン治療と併
用することで治療効果(根治)のある薬剤・治療であり、かつ、保険適用
の治療であるかどうか(問 19、23、27、29 参照)。核酸アナログ製剤治療
においては、上記の条件を満たす薬剤は現在のところインターフェロン製
剤以外にはない。
②
インターフェロン治療又は核酸アナログ製剤治療の副作用に対する検
査・治療が本事業の助成対象となるかは、それが助成対象治療を継続す
るために真に必要なものかどうか。
(問3)既往の疾患(高血圧など)がある患者が、同疾患に対する治療と並行し
てインターフェロン治療又は核酸アナログ製剤治療を開始した場合、その後
に発生する再診料については、本医療費助成の対象としてよいか。
(答)既往の疾患に対する治療とインターフェロン治療について、同時に再診を行
うような場合、再診料は1回の算定となり切り分けられないことから、そのよ
うな場合にあっては、本医療費助成の対象として差し支えない。
(問4)血液検査や画像検査は助成対象となるのか。
(答)受給者証記載の有効期間における、助成対象治療にかかわる検査については
助成対象とする。
- 2 -
(問5)本助成事業の申請に当たり、インターフェロン治療又は核酸アナログ製
剤治療導入の是非を判断するための検査が行われるが、この検査については
公費負担の対象となるのか。
(答)公費負担の対象となり得るが、助成期間以前の検査は対象とはならないもの
である。
(問6)肝がんの合併を確認するための、インターフェロン製剤及び核酸アナロ
グ製剤治療開始前のエコー、CT、MRIの検査については、必要な検査と
して扱ってもよろしいか(最終的に認定基準を満たしている場合)。
また、治療開始後のエコー、CT、MRIの検査は、肝がんの合併を確認
するためであれば、必要な検査として扱ってもよろしいか。【改変】
(答)お尋ねの治療開始前後に行われるエコー等の検査については、当該検査が助
成対象期間内に行われ、かつ、当該検査の実施後に抗ウイルス治療が実施され
ていれば助成対象となる。
(問7)インターフェロン製剤及び核酸アナログ製剤治療開始前の腫瘍マーカー
検査(AFP、PIVKAⅡ)は、必要な検査として扱ってもよろしいか。
また、治療開始後の腫瘍マーカー検査(AFP、PIVKAⅡ)も必要な
検査として扱ってもよろしいか。【改変】
(答)お尋ねの治療開始前後に行われる腫瘍マーカー検査(AFP、PIVKAⅡ)
については、当該検査が助成対象期間内に行われていれば助成対象となる。
ただし、当該治療の開始後にがんの合併が確認され、インターフェロン治療
を中止せざるを得なくなった場合、それ以降の治療については助成対象外とな
る。
- 3 -
(問8)助成対象となる検査についてであるが、申請の際、インターフェロン治
療又は核酸アナログ製剤治療導入の是非を判断するための検査については公
費負担の助成対象となりうる(ただし助成期間以前の検査は対象とはならな
い。)とのことだが、以下のような場合、原則として、助成期間は4月からと
なるが、4月1日のかかりつけ医で受けた検査も助成対象としてよいか。
【例】
4/1
かかりつけ医にて検査→B型肝炎あるいはC型肝炎と判断
↓紹介
4/5
専門医にて診断書を書くために検査
4/10
申請
(答)受給者証の交付を受けてから複数の医療機関で受療する場合においては、い
ずれの医療機関で受けるインターフェロン治療又は核酸アナログ製剤治療も
助成対象となり得るが、お尋ねの場合のかかりつけ医による検査は、インター
フェロン治療あるいは核酸アナログ製剤治療を前提とするものではなく、肝炎
であるかどうかの検査であると思料されるため、助成対象とすることは適当で
はないと考える。
(問9)検査のみで経過観察されている者は助成対象となるのか。
(答)助成対象とはならない。
(問10)B型肝炎の場合、核酸アナログ製剤の投与中にインターフェロンを投与す
る場合があると聞くが、当該治療を実施する場合の本助成制度における取扱い
はどのようになるのか。
(答)お尋ねのケースにおける助成期間については、インターフェロン治療又は核
酸アナログ製剤治療について単独で助成を受ける場合と同様の取扱いとなる。
したがって、各々の治療を開始する際に、各々の治療に係る申請手続・審査を
経て受給者証が交付されることとなる。また、助成対象医療、期間等の取扱い
についても、各々の治療について単独に実施する際と同様に運用いただきたい。
(問 11)実施要綱の3にある「入院料等」の「等」とは何を想定しているのか。
(答)薬剤料を指している。
- 4 -
(問 12)入院料は助成の対象となると思うが、入院時食事療養標準負担額及び入
院時生活療養標準負担額は助成の対象となるのか。
(答)本制度は、インターフェロン治療及び核酸アナログ製剤治療の促進のために
その医療費を助成する事業であり、入院時食事療養標準負担額及び入院時生活
療養標準負担額といった食費や生活費を公費で負担することは事業の趣旨に
そぐわないことから助成の対象としない。
(問 13)本制度の対象となる治療と無関係な治療は助成の対象としないとのこと
であるが、毎月、審査支払機関から送付されてくるのは連名簿だけであり、
都道府県としては、治療内容まで確認することはできないと思われるが、受
給者全員のレセプトを毎月取り寄せる必要があるのか。
(答)受給者全員のレセプトを毎月取り寄せて治療内容の確認まで行うことは、相
当な労力を伴うものであり必要ないものと考える。
しかしながら、適正な医療の給付を確保するため、例えば、連名簿において
受給者個々の請求額を確認した際、ある者の請求額が他者に比して極端に高額
であるなど不自然な請求であると思われる場合には、その者のレセプトの写し
を取り寄せて対象治療に限定した請求であるか否かの検認を行う、あるいは直
接医療機関に照会して確認する、等の取組に努めていただきたい。
(問 14)肝炎治療受給者証所持者がDPC対象病院に入院し、診断群分類点数表に
基づいて診療報酬請求が行われる場合、包括評価部分についてどのように取扱
えばよいか。【新規】
(補足)
DPC(診断群分類、Diagnosis Procedure Combination)とは入院期間中に医
療資源を最も投入した「傷病名」と、入院期間中に提供される手術、処置、化学
療法などの「診療行為」の組み合わせにより分類された患者群である。診断群分
類に基づく1日当たり定額報酬算定制度により支払いを行っている病院をDPC
対象病院という。
(答)医療資源を最も投入した病名がインターフェロン治療又は核酸アナログ製剤
治療の適応のある肝炎等の場合か否かによって、その判断が異なるものと考え
られるため、以下のいずれかにより取り扱われたい。
①
医療資源を最も投入した病名がB型慢性肝疾患、C型慢性肝炎又はC型代償
性肝硬変であって、当該病名に対して適応のあるインターフェロン治療又は核
酸アナログ製剤治療が行われている場合には、包括評価部分を助成対象として
取り扱って差し支えない。
- 5 -
②
①以外の場合については、当該入院期間中にインターフェロン治療又は核酸
アナログ製剤治療が行われたとしても、助成対象とすることはできない。
(2)インターフェロン治療関係(3剤併用療法を含む)
(問 15)ペグインターフェロン製剤単独治療については保険適用にならないので
はないかとの医師の意見があったが、助成の対象となるのか。
(答)C型肝炎に対する治療薬であるペグインターフェロン製剤のうち PEG-INFα
-2a の単独投与については、保険適用となっている。
(問 16)肝硬変に対してインターフェロン治療を行った場合は、助成対象とする
のか。
(答)保険適用(代償性肝硬変(C型肝炎ウイルスによる))の範囲内であれば、
本制度の趣旨にかんがみ助成の対象となり得る。
(問 17)無症候性キャリアに対してインターフェロン治療を行った場合は、助成
対象となるのか。
(答)当該行為は、保険適用となっていないため、助成の対象とならない。
(問 18)インターフェロン治療の認定基準に、
「肝がんの合併のないもの」とある
が、過去に肝がんの治療をし、現在は肝がんを合併していない場合について
もこれに含まれるのか。
(答)現在、肝がんの合併を認めなければ差し支えない。
(問 19)インターフェロン治療において、当該製剤以外の投薬治療については助
成対象となるのか。【改変】
(答)C型肝炎に対する根治療法としてインターフェロン及びペグインターフェロ
ンと併用が認められている治療薬であるリバビリン製剤及びテラプレビル製
剤については助成対象となる。
(問 20)高齢者については、副作用があることからインターフェロン治療を行わ
ないのが一般的だが、高齢者が治療を求めた場合は認めてもよいのか。年齢
制限を設ける必要はないのか。
(答)一般的に患者の体力や体質等には個人差があり、一律に年齢制限を設けるこ
とはできないと考える。また、保険適用に当たっても、年齢による制限は設け
- 6 -
られていない。
(問 21)インターフェロンの少量長期投与について、助成対象とされていないの
はなぜか。
(答)発がん抑制目的のインターフェロン少量長期投与については、薬事承認の適
用外でもあることから、現時点では助成の対象とはしていない。
(問 22)次の①、②の場合、どのように対応するのか。
①数値は正常だが、診断名が慢性肝炎とあった場合
②少量長期投与を疑う内容であった場合
また、認定協議会で診断書の治療内容に不備があり、いったん保留若しく
は不承認とした者が再度診断書を書き換えて申請してきた場合、受理される
のか。その際、変更後の診断書のみを審査材料とするのか。【改変】
(答)①については、GOT(AST)、GPT(ALT)が正常であっても、肝
生検や画像診断によって「慢性肝炎」の診断となることはあり得るので、当該
検査結果を診断書に記載するよう求める必要があると思われる。
②については、問 21 を参照されたいが、念のため主治医への確認を行う必
要があると思われる。
また、後段のお尋ねについては、申請自体は受理されるものと考える。ただ
し、いったん保留若しくは不承認となった事例であることから、その理由等に
留意し、診断書のみならず、必要に応じて主治医への照会等を行うなどして慎
重に審査する必要があるものと考える。
(問 23)受給期間内で、治療開始前に行われる脾臓摘出、PSE(部分脾動脈塞
栓術)、肝がん手術等は助成の対象になるのか。
(答)インターフェロン治療との併用で治療効果のある薬剤・治療ではなく、助成
対象とはならない。同様の理由で、インターフェロン治療の前に行われる、肝
がん手術等も助成の対象とならない。
(問 24)受給期間中、一度インターフェロン治療を中断した場合に、インターフ
ェロン治療の再開の是非を判断するための検査については公費対象か。また、
当該検査の結果、インターフェロン治療を行わないことが決定された場合はど
うなるか。
(答)受給期間中であれば差し支えない。なお、当該検査の結果によってインター
フェロン治療を行わないこととなった場合でも、受給期間中であれば当該検査
費用までは公費対象として差し支えないものと考える。
- 7 -
(問 25)認定基準2(1)における2回目の制度利用について、再燃で肝硬変の
者は対象となるのか。【改変】
(答)認定基準に合致すれば、保険適用の範囲内で可能となると考える。
(参考資料1;フローチャート3参照)
(問 26)認定基準2(1)における2回目の制度利用において、治療内容は保険
適用の範囲内であれば、ペグインターフェロン+リバビリン併用療法に限定
されないという理解でよろしいか。
(答)貴見のとおり。
(問 27)ウルソデオキシコール酸やグリチルリチン製剤等の肝庇護剤による治療
は、インターフェロン治療と並行して行われるなら対象となるのか。また受
給者証有効期限内ならインターフェロン治療終了後も対象としてよいのか。
(答)お尋ねの肝庇護療法については、基本的に根治を目的とした治療ではないこ
とから助成対象とは認められないものである。
なお、インターフェロン治療終了後にあっては、受給者証有効期限内であっ
ても助成対象とは認められないものである。
(問 28)高齢者に対する減量投与は対象となるのか。
(答)本助成制度の趣旨、認定条件等に合致すれば、保険適用の範囲内で可能とな
ると考える。
(問 29)二重濾過血漿交換療法(DFPP)※とインターフェロン治療とを併用す
る治療は助成の対象になるのか。
(答)二重濾過血漿交換療法(DFPP)に関しては、平成21年4月から保険適
用された治療法であるが、インターフェロン治療と同時に当該療法を実施する
ことによって特にウイルス量の多いタイプのC型肝炎に対するインターフェ
ロン治療の効果を高めるために行われる場合、助成対象として差し支えないも
のと考える。
※
「ウイルス除去療法」などとも呼ばれている。
(問 30)インターフェロン製剤等による副作用に対する治療はどこまでが助成の
対象となるのか。
- 8 -
(答)インターフェロン治療による軽微な副作用が発生した際、当該治療の中止を
防止するために併用せざるを得ない副作用の治療については、受給者証の認定
期間中に限り、本制度の趣旨にかんがみ助成の対象とする。
したがって、インターフェロン治療を中止して行う副作用に対する治療は助
成の対象としない(下表参照)。
【治療中止を防止するために併用せざるを得ない薬剤例】(対象)
発熱及びインフルエンザ様症状 → 鎮痛解熱薬など
アレルギー症状
→ 抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬など
皮膚症状
→ 副腎皮質ステロイドホルモン(外用薬)など
精神症状(睡眠障害など)
→ 睡眠導入薬など
消化器症状
→ 制吐薬、粘膜保護薬など
【治療を中止する場合がある副作用例】(非対象)
重篤なうつ症状
間質性肺炎
重篤な血小板減少
重篤な貧血(溶血性貧血)
高度の白血球減少、好中球減少
重篤な耐糖能異常
重篤な甲状腺機能異常
重篤な眼症状(眼底出血)
頭蓋内出血(脳出血など)
重篤な皮膚障害
(問 31)副作用の治療に必要な薬剤が助成対象となった場合、その薬で他疾患を
併発した場合でも公費負担の対象となるのか。
(答)インターフェロン治療を続けるために必要な副作用の管理のために投与され
る薬剤については助成対象となるが、その薬剤による他の疾患への治療はイン
ターフェロン治療とは別のものであり、公費負担の対象とはならない。
(問 32)ウルソデオキシコール酸やグリチルリチン製剤等の肝庇護剤について、
インターフェロン治療開始後、副作用の治療としてこれらの肝庇護剤を一定期
間使用する場合は助成の対象になると考えてよいか。
(専門医によると、インターフェロン治療途中でHCV RNAが陰性化したにもか
かわらず、肝機能障害が持続する症例において、薬物性の肝機能障害(インタ
ーフェロンによる副作用)が疑われる場合には、頻度としては非常に低いもの
の、当該インターフェロン治療継続のためにウルソや強ミノを用いることがあ
る、とのこと。)
- 9 -
(答)インターフェロン治療の中止を防止するために併用せざるを得ない副作用の
治療については、助成対象となり得るものと考える。
(問 33)インターフェロン治療開始前の副作用を確認するための検査(網膜、甲
状腺、自己免疫の抗体価)は、必要な検査として扱ってもよろしいか(最終
的に認定基準を満たしている場合)。
また、インターフェロン治療開始後の副作用を確認するための検査も、必
要な検査として扱ってもよろしいか。
(答)お尋ねのインターフェロン治療開始前後に行われる検査については、保険適
応の範囲内で当該検査が助成対象期間内に行われていれば助成対象となる。
(問 34)インターフェロン治療中に、間質性肺炎が疑われる場合のシアル化糖鎖
抗原検査、不整脈が出た場合の心電図、塞栓の場合の頭部CT、MRI検査
等は、必要な検査として扱ってもよろしいか。
(答)インターフェロン治療によって副作用が疑われる場合、当該検査の実施まで
は一連の治療経過と考えられるため、当該検査費用については助成対象になる
ものと考える。
ただし、インターフェロン治療を中止することとなった場合、当該検査以降
に行われる検査や治療等に係る費用は助成対象外となる。
(問 35)筋肉痛や関節痛のリハビリは助成対象となるのか。
(答)インターフェロン治療に起因する副作用であり、かつインターフェロン治療
期間中で、治療の中止を防止するために併用せざるを得ない保険適用範囲内の
治療であれば除外する理由はないものと考える。
(問 36)インターフェロン治療を終えた後の次のような事例に対する助成が可能
か否かを教示されたい。
①
インターフェロン治療終了後、治療効果を把握するための血液検査や画
像診断等に対する費用は、受給者証の有効期間内においては、本事業の助
成対象とすることとして差し支えないか。
②
インターフェロン治療終了後も引き続きインターフェロンに起因する副
作用の治療のために必要な投薬、検査等に対する費用は、受給者証の有効
期間内においては、本事業の助成対象とすることとして差し支えないか。
(答)①
本助成事業の理念に照らせば、インターフェロン治療終了後に行われる
検査等については助成対象とはならないものと考える。
- 10 -
②
①と同様、本助成事業の理念に照らせば、インターフェロン治療終了後
に行われる副作用の治療については助成対象とはならないものと考える。
(問 37)B型慢性活動性肝炎でペグインターフェロン治療と核酸アナログ製剤治
療の併用は助成対象となるか。【新規】
(答)助成対象となる。
(問 38)1回目の助成利用でB型慢性活動性肝炎に対するペグインターフェロン
療法を実施した場合は、2回目に使用するインターフェロン製剤の種類にか
かわらず、2回目の助成については対象外ということか。【新規】
(答)貴見のとおり。
(問 39)現在B型慢性活動性肝炎に対するインターフェロンα製剤投与を受けて
助成期間中にある者が、途中でペグインターフェロン治療に切り替える場合、
①現在の受給者証のまま薬剤のみペグインターフェロンに変更する、②あら
ためて2回目の助成を申請する、の2つのパターンが想定される。①のパタ
ーンにおいては、使用するインターフェロン製剤の種類に関わらず、2回目
の助成は対象外ということか。【新規】
(答)貴見のとおり。
(3)核酸アナログ製剤治療関係
(問 40)核酸アナログ製剤治療の助成対象となる薬剤は何か。
(答)B型慢性肝疾患に対し保険適用のある薬剤を助成対象とする。
具体的に挙げれば、現在のところ、エンテカビル、ラミブジン、アデホビル
となる。
(問 41)制度改正以前に、核酸アナログ治療を受けたことがある者であっても助
成対象となるのか。また、過去に本助成制度でインターフェロン治療を受けた
者が、核酸アナログ製剤治療を受ける場合、助成対象となるのか。
(答)本事業においては、核酸アナログ製剤治療に対する助成開始以前の治療歴に
ついて条件は付していないため、助成対象となり得る。
- 11 -
(問 42)核酸アナログ製剤治療において、仮に当該治療による副作用が生じ、当
該治療の継続のために、この副作用に対する治療が必要となるような場合は、
公費助成対象となるのか。【新規】
(答)一般的に、インターフェロン治療に比べて核酸アナログ製剤治療による副作
用は少ないと考えられるが、核酸アナログ製剤治療による副作用についても、
当該治療による副作用であるとの主治医の診断があり、当該治療の中止を防止
するため、真に併用せざるを得ない副作用治療が行われた場合であれば、助成
対象になり得るものと考える。なお、実際に個別の事案が生じた場合には、認
定協議会委員の意見等も踏まえ判断されたい。
(4)テラプレビルを含む3剤併用療法関係
(問 43)認定基準2(1)中に、「十分量の3剤併用療法」とあるが、「十分量」
とは、どういう意味か。【新規】
(答)3剤併用療法として期待される効果を得るのに十分な量。個々のケースごと
に医学的に判断されたい。
(問 44)認定基準2(1)において、ただし書きでは3剤併用療法による十分量
の24週投与が行われた場合となっているが、中止した場合や十分量でない場
合は助成対象となるのか。【新規】
(答)助成対象となる。
(問 45)「十分量の3剤併用療法を受けなかった。」と医師が判断してペグリバ
併用療法を行う場合、医師の判断のとおりに助成を認めてよいのか。【新規】
(答)認定協議会の判断に基づき決定されたい。
(問 46)3剤併用療法の治療歴(中止を含む。)があれば、「助成の有無」にか
かわらず3剤併用療法の助成対象外ということでよいか。【新規】
(答)貴見のとおり。(参考資料;フローチャート2参照)
(問 47)認定基準2(2)の「これまでに3剤併用療法を受けたことがなく」に
は、治験が含まれるか。【新規】
(答)含まれる。ただし、同意の撤回等、医学的な理由以外の事情で中止となった
者については、助成対象となり得る。
- 12 -
(問 48)認定基準2(2)※2の冒頭「3剤併用療法の実施」は、診断書を作成
し治療を実施する、という意味か。【新規】
(答)貴見のとおり(診断書は治療実施機関が作成するものとする。)。
(問 49)肝臓専門医が常勤している医療機関であれば、診断書を作成し治療する
医師は、他の非常勤の肝臓専門医又は常勤の消化器病専門医でも可能か。【新
規】
(答)可能。
(問 50)「常勤」の定義は何か。【新規】
(答)「常勤」とは、その施設で定められた就業時間をすべて勤務することをいう。
病院が定める常勤の就業時間が週32時間未満(※)であっても、当該就業時間
を全て勤務していれば常勤として取り扱って差し支えない(就業時間が極端に
短いケースがあれば、個別に御相談いただきたい。)。病院が定める常勤の就
業時間が週32時間を超える場合は、週に32時間勤務していれば常勤として
取り扱って差し支えない。
※医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱別紙「常勤医師等の取扱いに
ついて」に定めのある時間。
(問 51)認定基準に「3剤併用療法の実施は、日本肝臓学会肝臓専門医が常勤す
る医療機関に限る。」とされているが、県の実情により、肝臓専門医が常勤で
ない医療機関においても実施できることとしてよいか。
また、県の実情により、「日本肝臓学会の肝臓専門医」に、日本消化器病
学会の専門医も含めてよいか。【新規】
(答)認定基準2(2)の※の付帯条件どおりに運用していただきたい。
(問 52)「3剤併用療法の実施は、日本皮膚科学会皮膚科専門医(日本皮膚科学
会が認定する専門医主研修施設又は研修施設に勤務する者に限る。)と連携し、
日本肝臓学会肝臓専門医が常勤する医療機関に限る。」とあるが、3剤併用療
法は最初の12週が3剤で残り12週は2剤になると聞いている。上記記載事
項は、①最初の12週についての条件なのか、②24週全てについての条件な
のか。【新規】
(答)24週の治療期間全体に係る条件である。
(問 53)皮膚科専門医との連携は、どういう状態を意味しているのか。【新規】
- 13 -
(答)3剤併用療法を実施中に発生し得る重篤な皮膚障害に対し、必要時に皮膚科
医の救急対応が担保されている状態。
(問 54)上記(問55)で救急対応が担保されている状態とはどういう意味か。【新
規】
(答)重篤な皮膚障害が出現した場合に、皮膚科専門医が責任をもって診療できる
状態を意味している。
(問 55)肝臓専門医と皮膚科専門医が異なる医療機関の場合、各医療機関で文書
を交わす必要があるのか、医療機関の診断書の記載を信頼する形でよいのか、
各県の判断なのか、ご教示願いたい。【新規】
(答)連携の形式を問わない。診断書の記載をもって判断して差し支えない。
(問 56)皮膚科医との連携とは、指定の皮膚科専門医が同じ病院内に常勤する必
要があるのか。異なる施設の皮膚科専門医との連携でもよいか(県外の施設と
の連携でも良いか。)。【新規】
(答)必ずしも同一施設の皮膚科専門医との連携でなくてもよい。医師又は医療機
関が救急対応が可能と判断すれば、県外の認定施設の皮膚科専門医との連携で
もよい。
(問 57)常勤の肝臓専門医が転勤するなどにより、治療期間中に認定条件に変更
が生じる可能性がある場合、どこまで確認する必要があるのか。【新規】
(答)肝臓専門医の転勤等により認定条件を満たさなくなった場合には、速やかに、
医療機関から都道府県に報告がなされるよう徹底されたい。認定条件を満たす
めどが立たない場合は、原則として、受給者証は無効となる。
(問 58)受給者が県内外を問わず、転居等により治療実施医療機関が変わる場合
があるが、都道府県として、治療実施医療機関の把握はどこまで行う必要があ
るのか。【新規】
(答)都道府県が把握する必要はない。3剤併用療法の治療期間中に、受給者の転
居等により治療実施医療機関を変更する場合には、紹介元の医療機関が責任を
持って、認定条件を満たす次の医療機関を紹介するよう、医療機関に対し周知
願いたい。
- 14 -
(問 59)助成を受けている患者が医療機関を変わる場合、都道府県が認定基準に
当てはまる病院を確保する必要があるのか。【新規】
(答)これまで治療を実施してきた医療機関に、認定条件を満たす医療機関を紹介
する等の対応をしていただくよう、周知願いたい。
(問 60)3剤併用期間(治療開始後12週まで)は認定条件に定めのある治療機
関で治療を行い、残りの期間は他の医療機関で実施することは可能か。
【新規】
(答)認定条件は24週の治療期間全体に係る条件であり、事情により医療機関を
変更する場合には、変更後の医療機関も認定条件を満たす必要がある。
(問 61)診断を行った医療機関において、まずは入院が必要と判断され、他の医
療機関で入院する場合、診断書の作成機関はどちらになるのか。【新規】
(答)診断書は原則として治療を実施する医療機関で作成することとしており、お
尋ねのケースでは、入院する医療機関が診断書を作成することとなる。
(問 62)開業医が単独で治療を実施しても問題ないのか。【新規】
(答)認定条件に合致していれば開業医であっても実施可能であるが、都道府県の
判断により医療機関を限定することは差し支えない。
(問 63)3剤併用療法の診断書(様式例2-5)を書ける医師は、肝臓専門医に限
らないという理解でよいか。【新規】
(答)貴見のとおり。肝臓専門医が常勤する医療機関の医師であれば、診断書作成・
治療実施が可能である。
(問 64)診断書が作成された医療機関が、本当に条件を満たしているのか、都道
府県が確認する必要はあるのか。【新規】
(答)治療実施医療機関が実際に診断書の記載どおりであるか、都道府県が改めて
確認する必要はない。都道府県の判断で更に記載する欄を追加することは差し
支えない。
(問 65)24週間、1医療機関で治療を実施すべきか。途中で医療機関を変更す
ることは可能か。【新規】
- 15 -
(答)認定基準2(2)の※2の付帯条件を満たしていれば、都道府県の判断によ
り途中で実施医療機関を変更することを認めても差し支えない。
(問 66)学会が認定する主研修施設又は研修施設以外に勤務する皮膚科専門医が
副作用に対する治療をした場合は、当該治療に係る医療費は医療費助成の対象
外となるのか。【新規】
(答)連携外の医師が行ったものも助成対象となる(緊急時を想定)。
(問 67)3剤併用療法は強い副作用が多いが、3剤併用療法を中止した後に行わ
れた副作用の治療は助成対象となるか。【新規】
(答)助成対象とならない。医療費助成制度の趣旨により、治療の中止を防止する
ために併用せざるを得ない副作用の治療を助成対象とする。
(問 68)新薬の納入医療機関の制限は、使用成績調査の結果等により、一定期間
を過ぎれば緩和されることもあり得ると思うが、今後、制限がなくなれば、そ
れに合わせ認定基準等の改正も検討されると考えてよいか。【新規】
(答)今後の状況をみながら対応を検討していきたい。
(問 69)治療効果を予測するための遺伝子検査(保険適用外)は助成対象となる
か。【新規】
(答)保険適用となっていない検査については助成対象とならない。
- 16 -
Ⅱ
助成期間に関するもの
(1)共通
(問 70)市町村民税の課税額の変更に伴い自己負担限度月額が下がり、受給者証
の変更交付申請の提出があった場合、新たに発行する受給者証は、申請を受
理した月の初日から当初の有効期限までとする取扱いでよろしいか。
(答)変更交付申請を行った日の属する月の翌月(月の初日に手続が行われた場合
は当該月)から、新たな自己負担限度額を適用することとされたい。
(問 71)受給者証の有効期限は治療予定期間に即した期間の1年以内で、原則と
して交付申請書を受理した日の属する月の初日から起算するとしているが、
申請者が受給者証の交付を確認してから治療開始を希望した場合に、有効期
間の開始日を申請者の希望によって設定してよいか。可能な場合、何か月程
度を目安に取り扱うべきか。
(答)受給者証の有効期間については、原則として交付申請書の受理日の属する月
の初日から起算するものとしているが、お尋ねのような場合には、申請時に提
出される診断書に記載された治療予定期間と、受給者証の有効期間の開始日に
齟齬がないように調整されたい。
(問 72)受給者証の有効期間についてであるが、原則として交付申請書の受理日
の属する月の初日から起算するとのことだが、以下のような場合、治療を開
始した5月からを助成期間としてもよいか。
【例】4/28
5/12
申請
治療開始
(答)有効期間の始期については、実務上の取扱いで原則的な取扱いをお示しして
いるものであり、お尋ねのような事例などについては、各都道府県の判断で、
治療開始予定日の属する月の初日(もしくは治療開始予定日)を始期とする取
扱いでも差し支えない。
(2)インターフェロン治療関係(3剤併用療法を含む)
(問 73)助成期間について、例外的に1年間を超えて受給期間の延長を認める場
合とは、具体的にどのような場合か。
(答)例外的に助成期間について1年間を超えて認める場合としては、実務上の取
扱いの別添2(助成期間の延長に係る取扱い)においてもお示ししているが、
- 17 -
下記の例によることとされたい。
①
C型慢性肝炎セログループ1型、高ウイルス量症例に対する、ペグイン
ターフェロン及びリバビリン併用療法の実施に当たり、一定の条件を満た
し、医師が72週投与が必要と判断する場合に、6か月を限度とする期間
延長を認めること。なお、少量長期療法については対象としない。
(参考資料;フローチャート4参照)
②
副作用による休薬等、本人に帰責性のない事由による治療休止期間があ
る場合、受給者証の有効期間に関わらず最大2か月を限度とする期間延長
を認めること。なお、再治療(再投与)については、対象としない。
また、本人に帰責性のない事由に該当するか否かについては、詳細な基
準を定めることは困難であり、各都道府県において、個々の事情に応じ、
判断・運用いただきたいが、例えば、他の疾患の罹患・勤務先の都合によ
る頻回な海外出張等は本人に帰責性のない事由に該当するものと考えて
いる。一方、確たる理由のない安易な自己判断による治療休止等の場合は、
期間延長の対象とならないものと考えているところ。
※
なお、①②について各々該当する場合には、最大1年8か月を限度と
する期間延長を認めることとされたい。
(問 74)期間延長を認める場合の事務処理手続は、どのようにすべきか。
(答)期間延長を希望する受給者から、インターフェロン治療を行っている主治医
による署名・捺印入りの申請書及び受給者証を都道府県に提出させるものとす
る。
本申請書等の提出をもって期間延長を認める場合、当該患者の受給者証の有
効期間欄について、申請受付後、受給者証の修正を行うものとする。
また、修正によらず、期間延長を行った受給者証を再交付する方法でも差し
支えない。
(問 75)
「最大2か月を限度とする延長期間を認める」とされているが、治療中断
期間が2か月を超えた場合も2か月を限度とするのか。治療中断期間が2か
月を超えた場合、当該治療中断期間と同期間の延長を認めてもよいのではな
いか。
(答)延長を認めることとしているのは、副作用等による助成期間中の治療中断に
よって治療終了を目前にしながら助成期間を終了してしまう方に対して、例外
的に若干の延長を認めることにより、終了目前の治療を完了していただきたい
という意図によるものである。
したがって、長期間の延長を認めるものではないことから、最長で2か月間
を限度として助成期間の延長を認めることとしたものである。
- 18 -
(問 76)インターフェロン治療の2回目の助成制度利用時においても、初回の制
度利用時と同様に、一定の条件を満たす場合については、助成期間の延長が可
能となるのか。
(答)お尋ねについては、1回目の助成の有無にかかわらず、直近の治療を反映し
た要件を満たした場合に限り、助成期間の延長が可能となる。
(問 77)受給者証有効期間が切れた後に延長申請があった場合は受理できるか。
受理できるとすれば、当該延長の申請日からの有効期間とするのか。
(答)現在の助成期間延長に係る取扱いにおいては、その期間を「1年+2か月」
若しくは「1年+6か月」(ケースによっては1年+8か月)を超えない範囲
としているため、お尋ねのケースであっても、申請自体は受理できるものと考
える。
また、申請される事案によっては、その内容を審査・確認する必要があると
思われるが、有効期間の始期は、原則として自治体が当該延長申請の受理日の
属する月の初日とすることが適当である。
(3)テラプレビルを含む3剤併用療法関係
(問 78)3剤併用療法について、治療予定期間の24週に即した期間で受給者証
の有効期間を設定する場合、6か月と7か月の場合が想定されるが、有効期間
を7か月とすることは認められるか。【新規】
(答)認められる(助成期間を一律7か月とすることも可。)。
(問 79)3剤併用療法でウイルスの消失が遅い場合、24週を超えてペグインタ
ーフェロン及びリバビリンを投与することにより寛解する場合があり、医師の
中には6か月以上の助成期間を設定すべきとの意見もあるが、助成期間につい
ては、都道府県の裁量を認めることはできないか。【新規】
(答)認められない。理由:国内外の治験において、3剤併用療法24週投与群と、
さらに続けてペグリバ24週を追加投与する群で、抗ウイルス効果に有意差を
認めるデータは得られておらず、肝炎治療戦略会議においても、エビデンスの
明らかでない治療については、助成対象とするべきではないとの結論であった
ため。
(問 80)3剤併用療法の受給者証の有効期間は、開始日は「1日」で満了日は「月
末日(30又は31日)」でよいか。【新規】
- 19 -
(答)よい。有効期間は、原則として交付申請書の受理日の属する月の初日から起
算し、治療予定期間に即した期間を設定されたい。
(問 81)3剤併用療法については、受給者証の有効期間は6か月又は7か月とし
て発行とあるが、インターフェロン+リバビリンで治療期間が24週の場合
も、今後は6か月又は7か月とする必要があるのか(現行では、受給者証は有
効期間を1年間で交付しているが、今回の取扱いの導入により、インターフェ
ロン+リバビリンで治療期間が24週の場合も「6か月」で交付を検討してい
る。)。【新規】
(答)今回、3剤併用療法(24週)の受給者証の有効期間を6(7)か月にする
ことに合わせて、今後は3剤併用療法以外についても、可能な限り速やかに同
様の取扱いとしていただくよう改めていただきたい。
(問 82)3剤併用療法施行中に副作用による治療休止期間がある場合の期間延長
はどのように取り扱うのか。【新規】
(答)3剤併用療法についても、本人に帰責性のない事由による治療休止期間があ
る場合、最大2か月を限度とした期間延長を認める。
- 20 -
Ⅲ
申請手続(申請書、世帯の解釈、課税証明等)に関するもの
(1)共通
(問 83)やむを得ない事情のため、申請手続(又は延長申請手続)が行えなかっ
た者について、遡及して申請を受理することは可能か。
(答)本人に帰責性がない等の個別具体的な事情を斟酌し、各都道府県の判断によ
って遡及運用を認める取扱いも可能と考える。
(問 84)実務上の取扱いにおいて、市町村民税課税年額の合算対象から除外するこ
とができる場合として「相互に地方税法上及び医療保険上の扶養関係にない」
とあるが、具体的にどのような場合をいうのか。
(答)「相互に地方税法上及び医療保険上の扶養関係にない」とは、以下のような
場合をいう。
○
地方税法上の扶養関係にない
市町村民税課税の際、受給者及び配偶者が除外対象者の被扶養者とされ
ておらず、かつ、除外対象者が受給者あるいはその配偶者の被扶養者とさ
れていないこと。
○
医療保険上の扶養関係にない
受給者及び配偶者が除外対象者の加入する健康保険の被扶養者でなく、
かつ、除外対象者が受給者あるいはその配偶者の加入する健康保険の被扶
養者でないこと。
なお、国民健康保険・長寿医療制度は、個人単位の加入であるため、そ
の被保険者は他の世帯員と医療保険上の扶養関係にないものとして取り
扱って差し支えない(国民健康保険における退職被保険者及び退職被保険
者の被扶養者を除く。)。
(問 85)地方税法上・医療保険上の扶養関係の有無は、具体的にどのように確認
するのか。
(答)確認方法については、原則として、下記の方法が考えられるが、下記によ
ることが難しい場合は、都道府県の判断で運用していただいて差し支えない。
- 21 -
※
確認方法
・「配偶者以外であること」
住民票の続柄により判断。
・「地方税法上の扶養関係にないこと」
受給者及びその配偶者、除外対象者について市町村民税の税情報(扶養
控除関係)を証明する書類等により適宜判断。(例:課税証明書、市町村
が通知する市町村民税の決定通知書の写し、源泉徴収票等。)
・「医療保険上の扶養関係にないこと」
受給者及びその配偶者、除外対象者が加入する健康保険の被扶養者を証明
する書類により適宜判断。(例:健康保険証のコピー等。)
・「受給者からの申請に基づくこと」
申請時に、実務上の取扱いに定める別紙様式例3に準ずる申告書の提出を
求め、判断。
(既存の受給者証交付申請書を変更し、住民票上同一世帯に属する者で、
課税額合算対象から除外を希望する者についての記載欄を設ける等、都
道府県の判断で、適宜、最良と判断する方法で実施していただいて差し
支えない。)
(問 86)申請書に添付する証明書類について、
「住民票の写し」及び「市町村民税
課税証明書」は原本のみの取扱いではなく写しも認めるのか。
(答)住民票の写し及び市町村民税課税証明書については、原本のみの扱いとする。
(問 87)課税年額を証明する書類を例示願いたい。
(答)課税年額を証明する書類については、課税証明書や市町村が通知する市町村
民税の決定通知書の写しなどが考えられる。
(問 88)市町村民税については通常6月に前年分の額が確定するが、6月より前
に申請する者に関しては前年の税額証明書を、6月以降に申請する者に関し
ては当年の税額証明書を提出させるのか。それとも患者が取得できる直近の
ものでよいのか。また、受給者証の有効期間内に市町村民税の課税額が変更
になった場合、自己負担限度額の変更は行うのか。
(答)税額証明書については、申請の時期に応じて申請者が取得できる直近のもの
で差し支えない。また、受給者証の有効期間内に市町村民税の課税額が変更に
なった場合、自己負担限度額の変更を行うことが患者の利益となれば変更され
たい。
- 22 -
(問 89)申請者の所得の有無の確認であるが、所得がない場合の確認は、どのよ
うにすればよいか。非課税証明の添付は必要か。
(答)申請者からの「所得がない」という自己申告のみで判断するのは適切ではな
いため、非課税証明により確認する必要があると思われる。
(ただし、住民票や健康保険証の写しなどによって義務教育を受けていることが
明らかな者のような場合であれば、非課税証明の添付は不要であると考える。)
(問 90)課税証明書について、実務上の取扱いには、申請書に、申請者と同一世
帯に属する者の市町村民税課税年額を証明する書類を添付するとあるが、乳
幼児や義務教育期間の年齢にある者等、通常は収入がないと考えられる者に
ついても提出を求めるのか。
(答)通常、収入がないと考えられる者については、提出を求める必要はない。
(問 91)
「同一の世帯に属する者の課税年額を証明する書類」とあるが、生計中心
者が単身赴任などで他県へ住民票を異動させ、対象者世帯の家計を担ってい
る場合、他県の生計中心者の住民票・課税年額を証明する書類の提出は必要
か。また、単身赴任者の課税年額についても、本事業の自己負担限度額を決
定する際の合算対象としてよいか。
(答)御質問のケースについては、他県の生計中心者の住民票・課税年額を証明す
る書類の提出までは必要ないものと考える。
(問 92)1月1日の時点で海外に在住していた者が、その後、家族とともに帰国
して本助成制度の申請を行う場合、この者には当該年度の市町村民税が課税
されないこととなるが、自己負担限度額の階層区分はどのように決定すれば
よいのか。
(答)特定疾患治療研究事業の取扱いと同様に、乙階層(1万円)に決定して差し
支えない。
(問 93)申請時に、申請者本人から、自己負担限度額の階層区分は甲階層(2万
円)で差し支えないとの申し出があった場合、関連の書類提出は不要として
よいか。
(答)貴見のとおり。
- 23 -
(問 94)住民票を所持していない在日外国人が申請してきた場合、住民票に代わ
る資料として必要な添付書類は何か。
(答)お尋ねの事例では、「外国人登録証明書」の写しになると思われる。また、
世帯全員用の「外国人登録原票記載事項証明書」も住民票に代わるものとして
利用されているようである。
(問 95)新規申請時に市町村民税課税額合算除外申請を同時に行う場合の提出書
類は、新規時の申請書類であるが、下記の①及び②を提出する必要があるか。
もしくは、同時申請であるため、除外申請書類で除外できる者が確認でき
れば、新規申請書類のうち除外対象者の課税額証明書の提出を省くことがで
きるのか。【新規】
(例)①
世帯全員の市町村民税課税額証明書、市町村民税課税額
合算除外対象除外申請時の申請書類
②
地方税法上、医療保険上、扶養関係を確認できる書類
(答)御質問のケースについては、市町村民税額課税額合算除外申請において容易
かつ明確に合算除外対象者であることが確認できると考えられる場合は、新規
申請書類のうち除外対象者の課税額証明書の提出を省くことは差し支えない
ものと考える。
(2)インターフェロン治療関係
(問 96)インターフェロン治療の2回目の制度利用を行う者の場合、新規の場合
と同様に申請手続は必要か。また、その際、認定協議会による審査も必要か。
(答)2回目の制度利用についても、新規申請の場合と同様の手続及び認定協議会
による審査が必要となる。
なお、提出資料の様式等については1回目の場合と異なるものがあるため、
留意されたい。
(問 97)インターフェロン治療の2回目の申請に関しては、過去の本助成制度利
用歴や治療情報をどのように収集すればよいのか。
(答)受給者証交付申請書様式例に示した「本助成制度利用歴」や2回目の制度利
用に係る受給者証交付申請に係る診断書様式例に示した「過去の治療歴」欄等
を活用されたい。
- 24 -
(3)
核酸アナログ製剤治療関係
(問 98)核酸アナログ製剤治療による受給者が、受給者証の有効期間内において、
使用している薬剤を変更した場合、どのように対応すればよいのか。
(答)受給者証の有効期間内における薬剤変更については、B型慢性肝疾患に対し
保険適用のある核酸アナログ製剤への変更であり当初申請と同趣旨の治療であ
れば、特段の申請手続は必須としないが、各都道府県の判断で報告等を求める
ことは差し支えない。
なお、当該受給者が更新手続を行う場合には、その際に提出する診断書(又
は医師の意見書)において、更新前に使用していた薬剤からの変更について記
載することとされたい。
(問 99)核酸アナログ製剤治療の更新についても、認定協議会による審査が必要
となるのか。
(答)核酸アナログ製剤治療は、インターフェロン治療とは性格が異なり、治療予
定期間が定まっているものではないため、更新の際は、認定協議会における審
査が必要となる。
(問 100)核酸アナログ製剤治療に係る更新の申請が、その時点で有している受
給者証の有効期間内に行われなかった場合においては、新規の申請を行うこ
とになるのか。また、その際、治療が継続していれば遡及措置を講じてよい
か。
(答)各都道府県の定める期間内に更新手続を行わなかった場合は、原則として、
新規の申請扱いとし、遡及措置も講じないことが適当と考える。
(問 101)核酸アナログ製剤治療の更新に係る取扱いについて、都道府県で前回
申請時のデータを認定協議会に提供できる場合、診断書(又は医師の意見書)
様式例から前回更新時のデータ記載欄を省くことは可能か。
(答)都道府県の実情に応じて対応されたい。
(問 102)核酸アナログ製剤治療について、同一受給者の更新回数に制限はある
のか。
(答)制限は設けていない。
- 25 -
(問 103)核酸アナログ製剤治療の更新申請において、住民票と課税証明書の添
付を省略できないか。【新規】
(答)住民票については、助成事業の主体となる自治体が当該申請者が被受給者と
して適当か確認すること及び自己負担限度月額の区分の決定における算定の基
礎とする者を確認することを目的として添付を求めているものであることから、
原則添付が必要と考えているが、上記の趣旨を理解した上で、過去に提出した
住民票等の情報から変更がないこと等を自治体において容易に判断できる場合
には、申請者の負担等を勘案し、添付を省略しても差し支えない。
一方、課税証明書については、毎年内容に変更が生じることが想定され、自
己負担額の決定に大きく影響することから、核酸アナログ製剤治療の更新時に
も添付が必要であると考える。なお、申請者本人から自己負担額階層区分は甲
階層(2万円)で差し支えないとの申し出があった場合には課税証明書の省略
は可能である。
- 26 -
Ⅳ
認定事務(受給者証、診断書、認定協議会等)に関するもの
(問 104)都道府県で設置する認定協議会では、治療内容のチェックを行うのか。
また、その人数等の基準は、国で定めるのか。
(答)認定協議会では、申請者から提出された資料(医師の診断書等を含む)を基
に、助成対象者として妥当かどうかを審査していただく必要があると認識して
いる。認定協議会の人数等の基準については、国で定める予定はないので、各
都道府県の判断によられたい。
(問 105)都道府県外へ転出した場合に、転出先の都道府県において受給者証を交
付するためには認定協議会での審査は必要か。
(答)都道府県の判断によるが、必須ではない。
(問 106)診断書を作成する医療機関が、実際に治療を実施しない場合も考えられ
るが、この場合でも治療内容の記載は必要か。【改変】
(答)本助成制度においては、当該患者の助成対象治療適用及びその保険適用の是
非を判断する必要があるため、診断書の作成医療機関において治療が行われな
い場合であっても、診断書を作成する医師による治療内容の記載は必要である。
ただし、テラプレビルを含む3剤併用療法に限っては、治療実施医療機関が
診断書を作成することとしている。
- 27 -
Ⅴ
医療機関等の指定、契約等に関するもの
(問 107)医療機関や薬局と委託契約を結ぶ必要はあるのか。
(答)必須ではないが、本制度を適正に遂行する観点から、委託契約を締結するこ
とが望ましい。
(問 108)診断書を発行する医療機関は、都道府県が指定することが望ましいとあ
るが、その指定要件を御教示願いたい。【改変】
(答)日本肝臓学会・日本消化器病学会等の専門医がいる医療機関が適当と考えら
れる。ただし、都道府県によって専門医の配置にばらつきがあると予想される
ことなどから、指定は必須ではなく望ましいとしたところである。
ただし、テラプレビルを含む3剤併用療法に限っては、認定基準を満たす治
療実施医療機関が診断書を作成することとしている。
(問 109)診断書を発行する医療機関が他自治体の医療機関の場合、どのような対
応をするのか。
(答)国としては、診断書に関して、実施要綱において「都道府県が指定した保険
医療機関が発行することが望ましい。」とのみ規定していることから、お尋ね
の事例については、当該自治体間で協議の上、適宜対応されたい。
- 28 -
Ⅵ
自己負担額(管理票等含む)に関するもの
(問 110)自己負担限度月額管理票について、患者が医療機関等への提示を忘れた
場合、どのように取り扱えばよいか。また、紛失した場合はどうか。
(答)
1.患者が管理票を持参せず医療機関等へ提示できなかった場合、その患者の自
己負担限度額(1万円なのか2万円なのか)や受診等の時期(医療機関と薬局
で、その月の何回目の利用か)によって、
①
3割相当額を支払ってもらうケース、
②
既に上限額に達していて支払う必要がないケース、
③
3割相当額の一部を支払ってもらうケース、
の3パターンがあるが、いずれのケースに該当するのか、管理票を確認しない
限り判断できないこととなる。
したがって、このような場合、患者からは3割相当額を支払ってもらい、次
回受診等の際、管理票に基づいて精算いただく方法になるのではないかと考え
るが、実際には、各都道府県の御判断にお任せしたいと考える。
2.また、紛失した場合については、新たな管理票を使用し、受療した医療機関
等の協力を得て、再度記入いただくなど、患者の不利益とならない取扱いに配
慮されたい。
(問 111)「国民健康保険被保険者資格証明書」を発行されている患者が助成対
象者である場合、医療機関における支払はどうなるのか。
(答)当該証明書は、国民健康保険の被保険者であることを証明するものであり、
当該証明書を医療機関へ提示することで保険給付が受けられるものではないた
め、いったん医療費の全額を支払う必要がある。
- 29 -
Ⅶ
その他(制度全般に係るもの等)
(1)共通
(問 112)申請から交付までの事務処理期限を定めるべきではないか。
(答)患者の利便性にかんがみ、可能な限り速やかに審査を終えて受給者証を交付
し、医療機関窓口での負担軽減を開始することが重要であるが、申請件数の多
寡や審査体制等、各都道府県における状況が異なると思われるため、全国一律
に事務処理期限を設けることは考えていない。
(問 113)高額療養費制度と本医療費助成制度の優先順位はどうなるのか。
(答)本制度は、医療保険制度の被保険者又は被扶養者たる対象患者の保険診療を
助成対象とする保険優先の公費負担医療制度であるから、高額療養費制度につ
いては、本医療費助成制度に優先して適用するものである。
(問 114)生活保護受給者でも医療保険の被保険者であれば対象になると解してよ
ろしいか。
(答)貴見のとおり。
(問 115)生活保護等の他の公費負担医療制度と本医療費助成制度の優先順位はど
うなるのか。
(答)本制度は、医療保険制度の被保険者又は被扶養者たる対象患者の保険診療を
助成対象とする保険優先の公費負担医療制度であるから、生活保護制度の被保
護者のうち医療保険に加入していない者については本制度の対象とはならな
い。医療保険に加入している生活保護制度の被保護者や他の公費負担医療制度
の対象者との優先順位については、
「「診療報酬請求等の記載要領について」等
の一部改正について」(平成20年3月31日保医発第0331002号)で
改正された「診療報酬請求書等の記載要領等について」(昭和51年8月7日
保険発第82号)の別紙2の別添2の別表1の(3)に規定されている順位によ
る。
- 30 -
(問 116)医療費助成については、既に小児慢性特定疾患治療研究事業、特定疾患
治療研究事業等が実施されており、特定疾患治療研究事業等については他法
優先となっている。肝炎治療特別促進事業とこれら諸制度との公費優先順位
を明示されたい。
(答)公費優先順位の取扱いについて、本制度は特定疾患治療研究事業等の次に位
置づけられている。具体的には、
「「診療報酬請求等の記載要領について」等の
一部改正について」(平成20年3月31日保医発第0331002号)で改
正された「診療報酬請求書等の記載要領等について」(昭和51年8月7日保
険発第82号)の別紙2の別添2の別表1の(3)に規定されている順位による。
(問 117)身体障害者福祉法による肝臓機能障害についての公費負担制度と本助成
事業の優先順位はどうなるのか。
(答)本制度と他の公費負担医療制度の対象者との優先順位については、「診療報
酬請求書等の記載要領等について」(昭和52年8月7日保険発第82号)の
別添3(3)に規定される順位による。
(障害者自立支援法による更生医療・育成医療が優先適用されることとなる。)
(問 118)申請書を受理した日から、認定協議会の審査を経て患者に受給者証が交
付され、現物給付による医療を受けることができるようになるまでの期間に
ついての助成方法はどうするのか。
(答)受給者証の交付までに現物給付の取扱いができない都道府県にあっては、償
還払いの手続が必要になると思われる。
なお、そのような手続となることが想定される場合、あらかじめ、申請者や
医療機関等に対してその旨周知しておくことが必要である。
(問 119)他の法令等の規定により国又は地方公共団体の負担による医療に関する
給付が行われる者は除くとあるが、具体的にはどのようなものがあるのか。
(答)原爆被爆者援護法、感染症予防法、障害者自立支援法に基づく医療給付制度
及び特定疾患治療研究事業などがある。
- 31 -
(問 120)受給者証を所持する者が、年末年始等の緊急時に、受給者証記載医療機
関以外で受診した場合の取扱いはどうなるのか。
(答)都道府県によって、受療可能な医療機関に制限を設けないところもあること
から、都道府県の判断で柔軟に対応して差し支えない。仮に御指摘のような場
合、都道府県において現物給付による取扱いが困難であれば、償還払いの手続
きをとるなど、受給者証の所持者に不利益の生じない取扱いに配慮いただきた
い。
(問 121)助成対象治療と併せて他の疾患等への治療が行われる場合、その薬剤等
について、医療機関で助成対象かどうか区分するのは難しいものがあるとの
ことだが、どうすればよいか。
(答)明らかに助成対象医療と対象外医療の区分ができるものを除き、助成対象医
療として差し支えないものと考える。
(問 122)都道府県外に転出した場合の取扱いであるが、転出前に交付されてい
た受給者証は交付元の都道府県に返却するのか(患者は転出前に交付されて
いた受給者証の「写し」等を添えて転出先都道府県知事に届け出ることにな
っている)。
(答)実務上の取扱いにおいては、受給者証を交付元の都道府県へ返却することが
必須とはなっていない。
(問 123)他県で、受給期間を終えた後、本県へ転入し、患者が再度申請した場合、
患者の自己申告がなく、かつ住民票でも受給していた自治体が分からない(複
数回転居を繰り返している場合等)という事態も想定しうるが、このような
場合にはどう対処すべきと考えているか。
(答)御意見のようなケースに対しては、例えば、診断書の「治療上の問題点」の
欄などを活用して、過去に受けた医療費助成の有無を記載させることで把握す
ることも可能であると考える。
- 32 -
(問 124)患者が転出先都道府県知事に届出、受理されるまでの間に転出先都道
府県の医療機関を受診した場合の取扱いはどうなるのか。
①
患者は転出前に交付されていた他都道府県の受給者証で受診するのか。
②
月単位の管理票は転出元都道府県から転出先都道府県に引き継がれるの
か。
③
患者が一旦診療費(一部負担金)を支払い、償還払いとなるのか。
(答)
①
問の「受理されるまでの間」は、「受給者証が交付されるまでの間」として
回答するが、都道府県によってその取扱いは異なるものと考えられるので、転
出先の都道府県(保健所等)へ届け出た際に、患者に対して当該都道府県にお
ける取扱いが教示されるものと考えている。
②
管理票は、都道府県ごとに作成して受給者に配布されるが、問のケースが月
の中途での転入である場合、当該月分については転出元で使用していた管理票
を使用することも可能性としてはあり得る。
ただし、その取扱いは各都道府県の判断による。
③
古い受給者証の使用により現物給付的な取扱いとする場合、また、受給者証
の交付を受けるまでの間は償還払いとなる場合のいずれも想定される。
(問 125)転出日以降の費用については、転出先の都道府県が費用を負担するもの
とするとのことであるが、転出とともに保険医療機関が変更された場合はと
もかく、月の途中で転出し従前の保険医療機関で治療した場合、都道府県間
の費用負担はどのように扱うべきか。
(答)月の途中で転出し従前の保険医療機関で治療した場合、レセプト処理上転出
日以降の治療費を把握することは困難であるから、例外的に転出元の都道府県
がその月の費用を負担するものとする。
(問 126)平成23年度の制度変更に係る申請手続については、平成24年3月末
日をもって遡及の取扱いを終了することとしてよいか。【新規】
(答)貴見のとおりとして差し支えない。
(問 127)受給者が助成を受ける際の医療機関を指定している場合、都道府県から
各指定医療機関に対して、当該医療機関で受療することとされている受給者に
ついて、自己負担限度額に変更が生じる旨、通知する必要があるか。
- 33 -
(答)お尋ねのような通知は必要ではないと考えるが、各都道府県の判断により、
個別の指定医療機関に対し、個々の受給者に係る情報を提供する場合は、個人
情報保護の観点から、適切な対応に十分留意願いたい。
(問 128)核酸アナログ製剤の添付文書上、「本剤は、投与中止により肝機能の悪
化若しくは肝炎の重症化を起こすことがある。本内容を患者に説明し、患者が
自己の判断で投与を中止しないように十分指導すること」とあるが、患者が核
酸アナログ製剤を自己中断することを防止するために、都道府県から何らかの
啓発を行う必要があるのか。
(答)医療法第1条の4第2項において、「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その
他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受
ける者の理解を得るよう努めなければならない。」とされているところである。
したがって、各都道府県が行うことが必須となっているものではないが、今
般の制度改正に係る事項と併せて、改めて、患者に対する丁寧な情報提供につ
いて、各医療機関に対し周知されることは望ましい。
(問 129)助成対象期間中に生活保護受給者となり、健康保険から脱退したが、
数か月で生活保護が終了し、再び健康保険の被保険者となった。この一連の
期間において、当初のインターフェロン治療を継続して行っている場合、再
び被保険者となった時期が当初の助成対象期間内であれば、健康保険に再加
入後に助成を再開することは差し支えないと考えるがどうか。また、その場
合、受給者証の取扱いはどうなるのか。
(答)貴見のとおりと考える。
また、受給者証については、助成対象外となる期間(健康保険から脱退して
いる間)に使用されることがないよう、適切に取り扱われたい。
(2)インターフェロン治療関係
(問 130)仕事の関係で、毎月半分以上を海外で勤務している者が、インターフェ
ロン治療を海外と国内で受療することを予定している。基本的に海外での受
診は保険診療とならないが、診療証明、明細を添付し、保険者に「療養費支
給申請」を行うことにより、医療費の一部が還付されるようである。この場
合、海外受診で支払った自己負担額は公費助成の対象になると考えてよいか。
(答)お尋ねの事例については、当該患者が、保険者に対して「海外療養費」とし
ての支給を申請し、給付が認められた場合には、本事業の実施主体である貴県
が、その診療内容について精査し、国内でのインターフェロンによる助成対象
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医療に相当するものであることを確認できた場合においては、助成対象として
取り扱って差し支えないものと考える。
ただし、国内での指定医療機関でなければ、その助成対象とは認めないとす
る貴県の判断があればこの限りではないと考える。
(3)テラプレビルを含む3剤併用療法関係
(問 131)ペグインターフェロン及びリバビリン併用療法(初回)中の受給者が3
剤併用療法に変更する場合、診断書(様式例2-5)の「過去の治療歴」は、
“1.治療歴なし(初回治療例)”と、“ウ.上記以外の治療”のどちらに該
当するか。【新規】
(答)「2.治療歴あり」にチェックし、切り替える前の治療内容を、前回の治療
内容の「ウ.上記以外の治療」に具体的に記載していただく。治療実施医療機
関が実際に診断書の記載どおりであるか、都道府県が改めて確認する必要はな
い。都道府県の判断で更に記載する欄を追加することは差し支えない。
(問 132)ペグインターフェロン及びリバビリン併用療法中の受給者が3剤併用療
法に変更する場合、診断書(様式例2-5)の「検査所見」の「今回の治療開
始前の所見」は、ペグインターフェロン及びリバビリン併用療法前の所見を記
載すればよいか。【新規】
(答)切り替える直前のデータを記載することとする。審査に当たっては、切り替
え前の治療を申請した際の診断書と合わせて助成の可否を判断していただきた
い。
(問 133)治療を切り替える時にウイルスが陰性化している者も申請を認めていい
のか。【新規】
(答)認めてよい。この場合、診断書には、切り替える直前のデータを記載し、切
り替え前の治療を申請した際の診断書と合わせて助成の可否を判断していただ
きたい。
(問 134)治療を切り替え、新たな受給者証を発行する場合、受給者番号も新たに
付与するのか。【新規】
(答)新たな受給者番号の付与の有無については、各都道府県の判断により決定し
て差し支えない。なお、各月の2剤療法の申請件数・交付件数、3剤併用療法
の申請件数・交付件数は把握できるようにしていただきたい。
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(問 135)3剤併用を中止し、ペグリバ治療に切り替えた場合のペグリバ治療の始
期はどのように考えるのか。連続して切り替える場合、新たに48週治療が始
まるという理解でよろしいか。また、休薬期間を経て2剤を開始する場合の取
扱いは如何すべきか。【新規】
(答)いずれの場合も2剤併用療法の申請を受理した日の属する月の初日を始期と
されたい。ただし、事前申請の場合には、受給者証の有効期間の始期は診断書
に記載されている治療予定期間の開始月の初日とし、終期は治療予定期間に基
づき設定されたい。
(問 136)3剤併用療法を開始したが副作用のためにテラプレビルのみ途中で中止
し、ペグリバ治療に切り替える場合、改めて申請するときの添付書類(住民票
等)の省略は可能か。【新規】
(答)都道府県の判断で省略しても差し支えない。
(問 137)治療を切り替えた場合に旧受給者証を無効とする手続きは、具体的には
どのように行えばいいのか。【新規】
(答)新たな受給者証の交付時に旧受給者証を無効とする手続きは不要であるが、
都道府県の判断で旧受給者証を返納させる等の取扱いとしても差し支えない。
(問 138)「2剤⇒3剤」、又は「3剤⇒2剤」の切り替え時に受給者証の有効期
間が重複するケースがあるが,自己負担限度月額管理票の取扱いについては、
両治療を合算することとなるのか。【新規】
(答)貴見の通り。両治療の合算については、自己負担限度月額管理票を引き続き
使用するなどにより対応されたい。
(問 139)テラプレビルを含む3剤併用療法は重篤な副作用が出る場合があると聞
くが、治療中止後も障害が残り、受給者から訴えがあった場合に救済できる既
存の制度や新たな救済措置があるか。【新規】
(答)他の治療法においても副作用による障害が残る可能性がある中で、3剤併用
療法について特別の救済措置を設ける予定はない。その点も含め、患者には主
治医からの十分な説明が必要である。
(問 140)テラプレビルは副作用被害救済制度の対象とはならないのか。【新規】
(答)対象からは除外されていないが、救済措置が受けられるかどうかは個別のケ
ースごとに判断されることになっている。
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(問 141)3剤併用療法により重度の皮膚障害が生じた場合、特定疾患治療研究事
業の対象となるのか。【新規】
(答)薬剤による副作用であることが明らかな場合、対象とはならない。
(4)フローチャート関係
(問 142)「・・・療法(治療)を受けたことがある」とは、助成制度の利用の有無
は関係ないということでよいか。また、中止例も含むのか。【新規】
(答)フローチャートについては、助成制度利用の有無は問わない。「中止例を含
む。」、との記載がない場合には中止例は含まない。
(問 143)フローチャート1の「十分量の3剤併用療法による24週投与を受けた
ことがある」が「No」とは「中止例」ということでよいか。【新規】
(答)貴見のとおり。
(問 144)フローチャート1で「医療費助成制度の3回利用」は、認定基準2(1)
の新規(初回)と2回目及び2(2)の新規(初回)ということでよいか。【新規】
(答)貴見のとおり。
(問 145)フローチャート1で「医療費助成制度の3回利用」が「No」の場合は、
制度利用が0~2回の場合と考えてよいか。【新規】
(答)貴見のとおり。
(問 146)フローチャート1によると、例えば1回目の制度利用がペグリバ併用療
法48週投与(36週目までにHCV-RNA陰性化)で再燃、2回目の制度利用が
3剤併用療法(副作用により中止)である場合に、3回目の制度利用でペグリ
バ併用療法72週投与に対する助成は可能か。【新規】
(答)お尋ねのケースでは助成可能である。
(問 147)フローチャート1の3剤併用療法を実施済みの患者の制度利用に係る取
扱いについて、3剤併用療法で一度制度利用があった場合は、途中で3剤併用
療法を中止した場合を含め、いかなる場合も3剤併用療法での再度の制度利用
は認められないのか。【新規】
(答)貴見のとおり(3剤併用療法の助成利用は1回のみである。)。
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参考資料
C型慢性肝炎・肝硬変に係る
医療費助成制度のフローチャート
3剤併用療法を受けたことがある(中止例を含む。)。
No
Yes
フローチャート1へ
今回受ける治療は、3剤併用療法である。
Yes
No
フローチャート2へ
助成制度を利用するのは1回目である。
Yes
No
認定基準2(1)へ
フローチャート3へ
助成期間の延長(72週投与)の判断が
必要である場合。
フローチャート4へ
フローチャート1
3剤併用療法を実施済みの患者(中止例を含む)の
制度利用に係る取扱い
十分量の3剤併用療法による24週投与を受けたことがある。
Yes
No
医療費助成制度を3回利用したことがある。
No
Yes
ペグインターフェロン及びリバビリン併用療法による
72週投与を受けたことがある。
No
Yes
十分量のペグインターフェロン及びリバビリン
併用療法による48週投与を受けたことがある。
No
Yes
同治療で36週目までに
HCV-RNAが陰性化した。
Yes
3剤併用療法以外の制度利用
を認める。
No
制度利用を認めない。
フローチャート2
3剤併用療法の制度利用に係る取扱い
「HCV-RNA陽性かつセログループ1型のC型慢性肝炎で、3剤
併用療法を行う予定、又は実施中の者のうち、肝がんの合併
のないもの」に該当する。
No
Yes
3剤併用療法を受けたことがある(中止例を含む。)。
Yes
No
ウイルス排除を目的としたインターフェロン
治療を受けたことがある。
No
Yes
高ウイルス量(5.0logIU/ml以上)である。
Yes
3剤併用療法の制度利用
を認める。
No
3剤併用療法の制度利用
を認めない。
フローチャート3
認定基準2(1)の2回目の制度利用
に係る取扱い
「HCV-RNA陽性のC型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変でイン
ターフェロン治療を行う予定、又はインターフェロン治療
実施中の者のうち、肝がんの合併のないもの」に該当する。
Yes
No
ペグインターフェロン及びリバビリン併用療法による72週
の投与を受けたことがある。
Yes
No
十分量のペグインターフェロン及びリバビリン
併用療法による48週投与を受けたことがある。
Yes
No
同治療で36週目までにHCV-RNAが
陰性化した。
Yes
No
2回目の制度利用を認める。 2回目の制度利用を認めない。
フローチャート4
助成期間の延長(72週投与)に係る取扱い
セログループ1型かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する
ペグインターフェロン及びリバビリン併用療法である。
Yes
No
十分量のペグインターフェロン及びリバビリン併
用療法による48週投与を受けたことがある。
No
Yes
今回の治療が「投与開始後12週後にHCV-RNA量
が前値(※)の1/100以下に低下するが、
HCV-RNAが陽性(Real time PCR)」に該当す
る。
※
前値:治療開始約半年前~直前までのHCV-RNA定量値。
Yes
No
今回の治療で36週目までにHCV-RNAが陰性化
した。
Yes
助成期間の延長を認める。
No
助成期間の延長を認めない。
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