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大阪高体連テニス部審判講習会用資料 2014/11/07

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大阪高体連テニス部審判講習会用資料 2014/11/07
大阪高体連テニス部審判講習会用資料
2014/11/07
【試合開始前】
【チェアアンパイア】
① 試合前の確認(対戦校名、対戦選手名、試合形式)
② ネットが正しく張られているかを確認する。(センターの高さは 91.4cm )
③ シングルス・スティックの必要・不必要を確認する。
*シングルスの時:シングルス・スティックはパットを敷きネットを挟んで交差して立てる。
*ダブルスの時 :シングルス・スティックは審判台の下に2本とも置く。
④ 開封前の缶も破損がないか確認。ボールの缶を開けて、ボールの点検をする。(変形や弾み方)
⑤ コート内に不要なゴミ、ボールがないか点検する。
【サービスライン・アンパイア】
① スコア・ボードにネームプレートをドロー番号の小さい方を上にして掛ける。
② 前の試合のスコアを0(ゼロ)に戻す。
第 1 セットの欄に「0」「0」を表示する。同様に各セットの始まる前には「0」「0」を
表示する。第 1 セットが終わるまでは、第 2・第 3 セットの欄は空欄にしておく。
【サイドライン・アンパイア】
① コートの準備(ネット、ボール、コート内の不要物のチェック)を手伝う。
【団体戦開始のあいさつ】
団体戦開始の時
ドロー番号の小さいチームが審判台左側のコートに入りサービスラインに審判台の方から監督・選手(
登録順)の順に整列する。
●ダブルスのコートで行う。挨拶はその
コートの担当審判員で実施する。
選手
●右図のように選手・審判員は整列する。
監督
○○○○ □
★サイドラインU
■チェアアンパイア
審判台
●番号の小さい学校が、審判台から見て
○○○○ □
左側のコートに入り、整列する。
選手
*ベンチも同じ側に座ってもらうこと。
センターサービスライン
監督
●サービスラインU
★サイドラインU
サイドライン
チェアアンパイアコール・・・声は大きく。
①「試合前の挨拶を行います。サービスラインにお並びください。」
②「男子(女子1回戦(○回戦・準々決勝・準決勝・決勝)☆高校と★高校の試合を行います。」
③「礼。」
④「ネットの前までお進みください。監督の先生はオーダー用紙の交換をお願いします。」
⑤「○○高校、監督の先生よりダブルス・シングルス1・シングルス2の順に選手の紹介をお願
いします。」 注)ドロー番号の小さい学校より紹介する。
⑥「ありがとうございました。引き続きダブルスの試合から行いますので、選手は準備をして
コートに入ってください」
⑦「これで、試合前の挨拶を終わります。
礼!
1
」
団体戦ダブルスのとき
選手
○
選手
○
★サイドライン・アンパイア
■チェアアンパイア
ネット
審判台
○
選手
○
選手
センターサービスライン
●サービスライン・アンパイア
★サイドライン・アンパイア
サイドライン
チェアアンパイアコール・・・声は普通で。
・選手がコートに入ってきたら、チェアアンパイアはネット中央付近で審判台に向かって立ち、
①「ネットを挟んでお集まりください。」
・選手がネットの前に整列したら、チェアアンパイアは選手の名前を確認する。
(名前と顔が一致するように特徴をスコアカードに記入すると間違えにくい)
②「☆☆高校のAさんですか? Bさんですね?」
③「★★高校のCさんですか?
Dさんですね?」
・チェアアンパイアの自己紹介と試合内容およびウォームアップ(3分間)の説明
【8ゲームのとき(QFより3セットマッチ)】
④「主審は○○高校の□□です。よろしくお願いします。」
⑤「☆☆高校と★★高校のダブルスの試合を行います。この試合は8ゲームズプロセットです。」
⑥「ウォームアップは3分間です。何か質問はありますか?」
⑦「トスを行います。」
ドロー番号の小さい選手に表/裏を選択させ、コインを回転させながら空中に投げ、地面に落とす。投
げたコインは空中でつかんではいけない。コインをコート上においたまま選手にコインの向きを確認
させる。
⑧「(トスに勝った選手に)何を選びますか?」
トスの勝者が以下①~③から選択
①サーバーかレシーバーの選択
②エンド(コート)の選択
③相手に上の①②のどちらかを選ばせる
⑨「試合は★★高校のサービスで始めます。」
⑩「ウォームアップは3分間です。サービスより練習してください。」
*チェアアンパイアは審判台に上がる。
サービスライン・アンパイアはボールを選手に渡し、位置に付く。
サイドライン・アンパイアは位置に付く。
*トスの結果を判断し、始めのポイントでジャッジする位置に就くこと。
*選手のウェアが規定に反するときは、コートレフェリーに連絡し、指示を待つ。
・ウォームアップ開始(チェアアンパイアは打球を目で追い目のウォームアップを行う)声は大きく
⑪「スリーミニッツ フォ ウォームアップ(Three minutes for warm up.)」
とアナウンスし、選手がボールを打ち始めてからストップウォッチで時間を計り始める。
2
・残り2分
⑫「トゥーミニッツ(Two minutes.)残り2分です。」
・残り1分
⑬「ワンミニッ(One minute.)残り1分です。」
・選手紹介を開始
⑭「ただいまより全国高校総体(男子 or 女子)団体( )回戦ダブルスの試合を行います。
この試合は、(8ゲームスプロセットマッチ or3セットマッチ)で行われます。審判台から見て右側
☆☆高校A選手・B選手、左側★★高校C選手・D選手です。トスの結果A選手・B選手がサービスと
なりました。」
・試合開始
⑮「タイム(Time.)」
・習慣で選手がベンチに戻った場合は、20秒以内に試合を始めさせる。
* 試合が始まらないときは「レッツ・プレイ!(Let’s play !)」
団体戦シングルスのとき
チェアアンパイアコール・・・声は普通で。
・選手がコートに入ってきたら、チェアアンパイアはネット中央付近で審判台に向かって立ち、
①「ネットを挟んでお集まりください。」
・選手がネットの前に整列したら、チェアアンパイアは選手の名前を確認する。
(名前と顔が一致するように特徴をスコアカードに記入すると間違えにくい)
②「☆☆高校のAさんですか?」
③「★★高校のBさんですか?」
・チェアアンパイアの自己紹介と試合内容およびウォームアップ(3分間)の説明
【8ゲームのとき(QFより3セットマッチ)】
④「主審は○○高校の□□です。よろしくお願いします。」
⑤「☆高校と★高校のシングルス(1or2)の試合を行います。この試合は8ゲームズプロセット
です。」
⑥「ウォームアップは3分間です。何か質問はありますか?」
※以下、団体戦ダブルスと同じ。
【団体戦の試合後】
個々の試合の終了時
チェアアンパイア
① 試合終了をアナウンスして、スコア・ボードのスコアを確認する。
② 選手たちと握手をした後、勝者からスコアカードにサインをもらう。
③ 競技本部へ行きスコアカード提出する。
④ 審判セットを、競技本部に返却。
サービスライン・アンパイア
①ボールを回収し、チェアアンパイアに渡す。
サイドライン・アンパイア
※スコア・ボードのスコアは次の試合の審判入場までそのままにしておく。
3
全試合終了時(学校同士の終わりの挨拶)
チェアアンパイア ※ポイント決定コートのチェアアンパイア
・勝者にサインをもらった後、コートレフェリーに他のコートの結果を確認し、団体戦のポイント
をまとめる。以下、スコアカードを見て、次のように行う。
声は普通
①「○番コートのサービスラインにお並びください。」
②「ネットの前までお進みください。」
声は大きく
③「ただ今の☆☆高校と★★高校の試合は、2-1(3-0)で☆☆高校の勝ちです。」
④「両校で礼をした後、握手をして解散してください。」
⑤「両校、礼」
・ 最初に受け取った審判セットに、スコアカード・使用球・勝者校名プレート・その他を入れて
競技本部まで返却をする。
勝者の学校名のプレートは、主審が本部に持ってくること。敗者にはプレートを贈呈する。
サービスライン・アンパイア
・コート上を見て、選手の忘れ物、ボール缶等が落ちていないか確認する。
サイドライン・アンパイア
・校名プレートを回収し、チェアアンパイアに渡す。
注)スコア・ボードは次の試合の主審入場までそのままにしておく。
すべてを確認した上で、審判クルーは退場する。
4
【個人戦のあいさつ】
シングルスのとき
チェアアンパイアコール・・・声は普通で。
・選手がコートに入ってきたら、チェアアンパイアはネット中央付近で審判台に向かって立ち、
①「ネットを挟んでお集まりください。」
・選手がネットの前に整列したら、チェアアンパイアは選手の名前を確認する。
(名前と顔が一致するように特徴をスコアカードに記入すると間違えにくい)
②「☆☆高校のAさんですか?」
③「★★高校のBさんですか?」
・チェアアンパイアの自己紹介と試合内容およびウォームアップ(3分間)の説明
【8ゲームのとき(QFより3セットマッチ)】
④「主審は○○高校の□□です。よろしくお願いします。」
⑤「(男子 or 女子)シングルス( )回戦の試合を行います。この試合は(8ゲームスプロセッ
トマッチ or3セットマッチ)です。」
⑥「ウォームアップは3分間です。何か質問はありますか?」
⑦「トスを行います。」
ドロー番号の小さい選手に表/裏を選択させ、コインを回転させながら空中に投げ、地面に落とす。投
げたコインは空中でつかんではいけない。コインをコート上においたまま選手にコインの向きを確認
させる。
⑧「(トスに勝った選手に)何を選びますか?」
トスの勝者が以下①~③から選択
①サーバーかレシーバーの選択
②エンド(コート)の選択
③相手に上の①②のどちらかを選ばせる
⑨「試合は○○さんのサービスで始めます。」
⑩「ウォームアップは3分間です。サービスより練習してください。」
*チェアアンパイアは審判台に上がる。
サービスライン・アンパイアはボールを選手に渡し、位置に付く。
サイドライン・アンパイアは位置に付く。
*トスの結果を判断し、始めのポイントでジャッジする位置に就くこと
*選手のウェアが規定に反するときは、コートレフェリーに連絡し、指示を待つ。
・ウォームアップ開始(審判は打球を目で追い、目のウォームアップを行う)・・・声は大きく
⑪「スリーミニッツ フォ ウォームアップ(Three minutes for warm up.)」
とアナウンスし、ストップウォッチで時間を計り始める。
・残り2分
⑫「ツーミニッツ(Two minutes.)残り2分です。」
・残り1分
⑬「ワンミニッ(One minute.)残り 1 分です。」
・選手紹介を開始
⑭「ただいまより全国高校総体(男子 or 女子)シングルス(
)回戦の試合を行います。この
試合は、(8ゲームスプロセットマッチ or3セットマッチ)で行われます。審判台から見て右側
5
☆☆高校A選手、左側★★高校B選手です。トスの結果A選手(もしくはB)がサービスとなりました
。」
・試合開始
⑮「タイム(Time.)」
・習慣で選手がベンチに戻った場合は、20秒以内に試合を始めさせる。
*試合が始まらないときは「レッツ・プレイ!(Let’s play !)」
ダブルスのとき
チェアアンパイアコール・・・声は普通で。
・選手がコートに入ってきたら、チェアアンパイアはネット中央付近で審判台に向かって立ち、
①「ネットを挟んでお集まりください。」
・選手がネットの前に整列したら、チェアアンパイアは選手の名前を確認する。
(名前と顔が一致するように特徴をスコアカードに記入すると間違えにくい)
②「☆☆高校のAさんですか?Bさんですね?」
③「★★高校のCさんですか?Dさんですね?」
・チェアアンパイアの自己紹介と試合内容およびウォームアップ(3分間)の説明
【8ゲームのとき(QFより3セットマッチ)】
④「主審は○○高校の□□です。よろしくお願いします。」
⑤「(男子 or 女子)ダブルス( )回戦の試合を行います。この試合は(8ゲームスプロセット
マッチ or3セットマッチです。」
⑥「ウォームアップは3分間です。何か質問はありますか?」
⑦「トスを行います。」
ドロー番号の小さい選手に表/裏を選択させ、コインを回転させながら空中に投げ、地面に落とす。投
げたコインは空中でつかんではいけない。コインをコート上においたまま選手にコインの向きを確認
させる。
⑧「(トスに勝った選手に)何を選びますか?」
トスの勝者が以下①~③から選択
①サーバーかレシーバーの選択
②エンド(コート)の選択
③相手に上の①②のどちらかを選ばせる
⑨「試合は A さん、Bさんのサービスで始めます。」
⑩「ウォームアップは3分間です。サービスより練習してください。」
*チェアアンパイアは審判台に上がる。
サービスライン・アンパイアはボールを選手に渡し、位置に付く。
サイドライン・アンパイアは位置に付く。
*トスの結果を判断し、始めのポイントでジャッジする位置に就くこと
*選手のウェアが規定に反するときは、コートレフェリーに連絡し、指示を待つ。
・ウォームアップ開始(チェアアンパイアは打球を目で追い目のウォームアップを行う)声は大きく
⑪「スリーミニッツ フォ ウォームアップ(Three minutes for warm up.)」
とアナウンスし、ストップウォッチで時間を計り始める。
6
・残り2分
⑫「ツーミニッツ(Two minutes.)残り2分です。」
・残り1分
⑬「ワンミニッ(One minute.)残り1分です。」
・選手紹介を開始
⑭「ただいまより全国高校総体(男子 or 女子)ダブルス(
)回戦の試合を行います。この試
合は、(8ゲームスプロセットマッチ or3セットマッチ)で行われます。審判台から見て右側
☆☆高校A選手B選手、左側★★高校C選手D選手です。トスの結果A選手B選手(もしくはC・
D)がサービスとなりました。」
・試合開始
⑮「タイム(Time.)」
・習慣で選手がベンチに戻った場合は、20秒以内に試合を始めさせる。
*試合が始まらないときは「レッツ・プレイ!(Let’s play !)」
【個人戦の試合後】
チェアアンパイア
① 試合終了をアナウンスして、スコア・ボードのスコアを確認する。
② 選手たちと握手した後、勝者からスコアカードにサインをもらう。
③ コートレフェリーのところへ行き、確認サインをしてもらう。
④ 審判セットに、スコアカード・ボール・その他を入れて返却できるようにする。
※コインがなくなりやすいので必ず確認をする。
サービスライン・アンパイア
① ボールを回収し、チェアアンパイアに渡す。
サイドライン・アンパイア
② ネームプレートを回収し、勝者の物はチェアアンパイアに渡し敗者にはプレートを贈呈する。
※スコア・ボードのスコアは次の試合の審判入場までそのままにしておく。
最後に審判クルー全員でコート上を見て、選手の忘れ物・ボール缶等が落ちていないかを確認
し、退場する。
→ 主審は、審判セットを競技本部に返却する。
→ その後審判員控所の審判委員の教員に終了報告を行う。
7
チェアアンパイア
の注意事項
(1)コールとスコアアナウンス
① ポイントが終わったら、直ちに大きな声で行う。
※審判の動作は次の手順で行う。
①ジャッジコール → ②ストップウォッチ →
③カウントアナウンス
→
④スコア記入
② 際どいボールの判定後は、失点した選手の目を見つめてうなずいたり、時にはアウトまたは
フォルトのハンドシグナル、グッド(イン)のハンドシグナル(片手)を行う。
③ ラインアンパイアのコールは原則として繰り返さない。
④ ネットしたサービスのボールには「フォルト」のコールはしない。
⑤ 「ダブルフォルト」のコールはしない。
(2)時間管理
① ポイントとポイントの間のインターバルは20秒である。20秒を過ぎてもプレイしないとき
は、「レッツ・プレイ(Let’s play.)」と声を掛け、プレイ続行を促す。
② エンド(サイド)交代の時間は、前のゲームの最終ポイントが終了した瞬間に、ストップ
ウォッチを作動させ90秒計る。60秒経過した時、「タイム(Time.)」とアナウンスする。
75 秒経過してもベンチにいたら「フィフティーン・セカンズ」とアナウンスする。
※タイブレーク中は、ノーレスト(休憩無し)。エンド交代は20秒以内に行わせる。
③ セットブレイクは120秒である。
(3)オーバールール
① ラインアンパイアの明らかなミスジャッジに対しては、直ちにオーバールールする。
直ちにしなかった場合は、ミスジャッジがミスジャッジでなくなる。
*グッドのボールをラインアンパイアが「アウト(フォルト)」とコールした場合、
チェアアンパイアは「コレクション。ボール・ワズ・グッド」とコールする。
Correction. Ball was good.
※明らかなエースショットであった場合は、コールのみ。
選手がゲームをやめてしまった場合は、ポイント・レット(やり直し)。
チェアアンパイアは「コレクション。ボール・ワズ・グッド。リプレイ・ザ・ポイント」
とコールする。
*アウトのボールをラインアンパイアが「イン(グッド)」とした場合、
チェアアンパイアは「アウト(フォルト)」とコールする。
② 選手の抗議によってオーバールールは絶対にしてはならない。
(4)クレームに対する処置
① 事実問題(アウトかインか ネットに触れたか触れないか 等々)についての、最終判定者は
チェアアンパイアであり、レフェリーではない。チェアアンパイアは事実問題をしっかりジャッジする
。
8
※選手・監督には事実問題の紛争に関して、「レフェリーを呼べ」という権利はない。
② コート上で起こったルールの法的解釈の問題に関しては、はじめにチェアアンパイアがその判定を下し
、もしプレイヤーがその判定に対してアピールをしてきた場合は、コートレフェリーにその最終裁定を
求める。
■
コートレフェリーを呼びたいときは、帽子を脱ぎ合図を送る。
*正当なクレーム(事実問題を除く)が出た場合にはストップウォッチをいったん止め、
そのクレームを処置し、もう一度正式な判定とポイントをコールした後、
「レッツ・プレイ (Let’s play.)」と言い、ストップウォッチで20秒を計る。
それでもプレイを再開しないときはコートレフェリーを呼んで処置してもらう。
③ チェアアンパイアは抗議に対して「・・・と思う。」ではなく、毅然とした態度で「・・・です!」と
言うように明確な表現で答えることが大事である。
(5)メディカルタイムアウト(MTO)
① 選手はメディカルタイムアウトを要求できない。
② けいれん等の治療はできない。
③ 突発的な事故に関しては、レフェリーが判断する。
④ 監督・引率責任者は、選手の体調管理に責任を持って対処する。
⑤ 選手の安全上、試合続行が危険であると判断した場合は、選手の将来を考慮し、レフェリーがリ
タイア宣言する。
■
痙攣、怪我については、帽子を脱ぎ合図を送り、コートレフェリーを呼び、
処置してもらう。
(6)レット
① サービスのレットの場合、そのサービスのみをやり直す。
「レット。ファースト(セカンド)サービス。(Let. First(Second) service.)」とコール。
② ポイント・レットの場合は,「レット」とコールしてプレイを止めてそのポイントのファースト
サービスから行う。※「レット」とコールするタイミングには十分注意する。
※たとえそのポイントのラリーがセカンドサービスから始まったとしても、やり直しの場合、
ファーストサービスからやり直す。
チェアアンパイアは「レット。リプレイ・ザ・ポイント。(Let. Replay the point.)」とコールす
る。
※試合中よく起きるポイント・レットは、インプレイ中に他のコートからボールが転がって
来たときである。基本的にはいつ「レット」をコールしても良いが、完全にポイントが
決まりそうな時(エース級ショットが打たれた時)にはかけない。(タイミングに注意)
※選手はレットのコールをすることができない。
③ ファーストサービスをフォルトし、セカンドサービスを行うまでに妨害(他のコートから
ボールが進入してきた等)があった場合、サーバーの動作がセカンドサービスのための
レディポジションに入っていたときは、ポイントのレットとなって改めてファースト
サービスを行い、それ以外の場合は「ウェイト・プリーズ」とコールし、そのままセカンド
サービスのやり直しとなる。
9
(7)その他
① トスが終わり、サービス・レシーブ・エンド等が決まって、ウォームアップが始まったが、
試合が開始されるまでに雨が降ってきてプレイが中断し、再開されたとき、先程のトスの
勝者が「選択をやり直したい」と申し出たら、受け入れなければならない。
例:トスの勝者は「サーブをとったが、レシーブをとりたい」と要求できる。
② フットフォルトについては、積極的に「フットフォルト!!」とコールする。
※フットフォルトはプレイヤーの癖の問題であることが多い。フットフォルトを犯す選手は
ゲーム当初から犯している場合がほとんどなので、早い段階で発見しコールすること。
ゲーム終盤になって初めてフットフォルトをとるとトラブルになりやすい。
※相手選手・監督・ベンチコーチの指摘によって初めてフットフォルトをとるのも良くない。
③ 試合中、スコア・ボードを確認してゲームスコアが一致しているかを調べ、一致していないとき
は、ラインアンパイアに指示して訂正させる。
④ コールの声が小さいとクレームが付きやすくなるので、常に大きな声ではっきりコールする。
10
試合時のアナウンス
① 試合開始・・・サーバーが松岡選手の場合
8ゲームの場合
「8ゲームズプロセット
松岡
トゥ
サーブ
プレイ」
3セットマッチの場合
「ザ ベスト オブ 3タイブレーク セッツマッチ 松岡 トゥ サーブ プレイ」
●「松岡」の部分は、団体戦では学校名でアナウンスする。ただし、「○○高校」の「高校」は省略して
もよい。
② アドバンテージ時のアナウンス
「アドバンテージ
松岡」
●団体戦では、学校名でアナウンスする。
●個人戦は個人名でアナウンスする。
(ダブルスではサーバーもしくはアドバンテージサイドの選手の名前。)
③ ゲームを取った時のアナウンス
◇1ゲーム終了時
「ゲーム 松岡(福井) ファースト ゲーム 福井(松岡) トゥ サーブ」
●アナウンスの手順は「ゲーム」→「取った方の名(学校名)」→「スコア」
●ゲームカウントのアナウンスはそのゲームを取得したポイントの後に直ちに言う。次のゲームの
サーバーがポジションにつく時ではない。
●個人戦ダブルスでのゲーム終了時には、両選手の名前をコールする。
◇2ゲーム終了以降
「ゲーム 伊達 1-1(ワン オール)」
「ゲーム 松岡 松岡 リーズ 2-0(ツー ラブ)」
●エンドチェンジの時間は 90 秒以内である。60 秒経過で「タイム!」。75 秒経過でポジションにつ
いていない場合「フィフティーン・セカンズ」とアナウンスする。
④ タイブレーク前のアナウンス
「ゲーム 伊達
6 オールタイブレーク
松岡トゥ
サーブ」
⑤ タイブレーク時のアナウンス
「1-0(ワン・ゼロ)松岡」
「4-1(フォー・ワン)松岡」
「1-1 (ワン・オール)」
「4-3 (フォー・スリー)松岡」
●タイブレーク中のスコアは、最初にスコアをアナウンスし(大きい数字を先に)、次にリードしている
選手(学校)をアナウンスする。
●タイブレーク中の「0」は、「ラブ」ではなく「ゼロ」とアナウンスする。
11
⑥ セット終了時のアナウンス(3セットの場合)
「ゲーム アンド ファースト セット 松岡 7-6(セブン・シックス)」
(セカンドセット開始直前)「セカンド セット」
「ゲーム アンド セカンド セット 伊達
6-4(シックス・フォー)
ワンセット オール」
ファイナル セット開始直前)「ファイナルセット」
⑦ 試合終了のアナウンス
◇(松岡選手が1セットの試合でタイブレークの末に勝利した場合)
「ゲーム セット アンド マッチ 松岡、 7-6(セブン・シックス)」
◇(伊達選手がセットカウント 2-1 で勝利。ゲームカウントは6-7、6-4、6-0)
「ゲーム セット アンド マッチ 伊達、 ツー セッツ トゥ ワン。 6-7、
6-4、6-0(シックス・セブン、 シックス・フォー、シックス・ラブ)」
ラインアンパイア
の注意事項
(1)コールとハンドシグナル
① 与えられたラインのみの判定を行い、担当するラインに集中する。
ラインを判定するに当たっては、ラインの外側間際に照準を合わせるのが有効である。
*転がってきたボールを拾う必要はない。判定に集中すること。
② 「アウト(Out)」「フォルト(Fault)」のコールは、ボールが接地した瞬間に「アゥ!」,
「フォ!」のように最初にアクセントをおいて大きな声で行い、次にハンドシグナルを添える。
※
まず大きな声!
一呼吸おいてハンドシグナル
③ ハンドシグナルは、チェアアンパイアのアナウンスが終わるまでそのままにしておく。アウト
もしくはフォルトのハンドシグナルは、指をそろえて手のひらをチェアアンパイアに向け、
腕を真っ直ぐに水平に伸ばす。ハンドシグナルはコールに添える補助的なものである。
④ ライン際(ライン内側の1m程度)にイン(グッド)のボールに対しては、セーフシグナルを
出す。エースのときは大きく、ラリーが続いているときは控えめに出す。
いずれの場合も声は絶対に出してはいけない。セーフシグナルは、手の甲を主審に向ける。
(地面に垂直)
⑤ ボールが実際にアウトになるまで、またはボールがパーマネント・フィクチェアにぶつかる
までは、決して「アウト」をコールしない。
(2)訂正
① インのボールを間違えて「アウト」「フォルト」とコールしたときは、
直ちに「コレクション。(Correction .)」
とコールし、片腕を垂直にあげる。そして、セーフシグナルをだす。
12
② アウトボールに対してセーフシグナルを出したときは、「コレクション」と言わずに、
直ちに「アウト」「フォルト」のコールをして、ハンドシグナルを出す。
*間違いを訂正することは恥ではない。悪びれることなく積極的に訂正すべきである。
*「コレクション」を言いそびれて、その返球がネットを越え、相手がそれを打ってし
まっても必ず言う。あとはチェアアンパイアの判断に任せればよい。
(3)オーバールール
① 自分の判定をチェアアンパイアにオーバールールされても、決して悪びれないこと。
② オーバールールされたとき、もしハンドシグナルを出していたら、それをすぐに解除し、
あとは一切チェアアンパイアに任せる。
(4)クレームに対する処置
① 選手および監督が、抗議してきても一切声を出して答える必要はない。
*ライン際のボールに対して選手が判断を求めた場合は、ハンドシグナルで答える。
② クレームの処理については、すべてチェアアンパイアあるいはコートレフェリーに任せる。
(5)その他
① いかなる場合でもボールマークを調べる必要はない。
② ボールの落下地点が見えなかったときは、チェアアンパイアの方を向いて両手で目を覆う。
(アンサイト シグナル)
③ 選手がコートを離れる必要があるときは、チェアアンパイアとコートレフェリーの許可を得る。
【サービスライン・アンパイア】
① ボールチェンジ(セットごと)やロストボールなどのボール管理をしっかりと行う。
② サービスラインを判定するときは、低い姿勢をとり、頭をサービスラインに向け、視野の
一角にサーバーが見えるようにして、目とラインが一直線上にあるようにする。
(サービスの動作が目に入り、しかも頭を動かさずにサービスラインに集中できる姿勢)
③ 選手によってラインを隠されてジャッジしにくい場合は見える位置に移動する。
④ 試合前
スコア・ボード、第1セットの欄に「0」「0」を表示する。
同様に各セットの始まる前に「0」「0」を表示する。
第1セットが終わるまでは、第2・第3セットの欄は空欄にしておく
⑤ 試合中
コートチェンジになったら速やかにスコア・ボードの位置に移動し、スコアを更新する
⑥ 試合終了後
※すべてのセットのスコアを表示しておく。次の試合の主審が入場するまでは「0」に
戻さない。
※スコア・ボードのネームプレートは審判セットに入れ、競技本部に返却する。
敗者へは、ネームプレートを差し上げても構わない。
13
ルール
配置と判定ライン
4人制審判の場合
デュースサイドからのサーブ時
■チェアアンパイア
ダブルス時
シングルス時
▲
▲
◎サーバー
◎
サイドライン
アンパイアB
▲
サイドライン
アンパイアA
★シングルス時
★ダブルス時
◎
レシーバー
◎
●
●サービスライン・アンパイア
アドサイドからのサーブ時
■チェアアンパイア
レシーバー
アンパイアA
★ダブルス時
★シングル時
◎
サイドライン
アンパイアB
▲
シングル時
ダブルス時
▲
▲
◎サーバー
●
■チェアアンパイアが判定する
●サービスライン・アンパイア
ラインは
・ベースラインを判定する。フットフォルトも判定する。
●サービスライン・アンパイアが判定するラインは
・サービスラインの判定をして、ポスト(ポール)横に移動する。(ポストには触れないこと。)
★サイドライン・アンパイアAが判定するラインは
・サービスサイドラインとサイドラインを判定する。(ネット越しにも見る。)
・ダブルスではサービスサイドラインの判定後、移動してサイドラインを判定する。
▲サイドライン・アンパイアBが判定するラインは
・サービスセンターラインとサイドラインを判定する。(ネット越しにも見る。)
・サービスセンターラインの判定後、移動してサイドラインを判定する。
(シングル時はシングルサイドラインまで、ダブルス時はダブルスサイドラインまで移動する。)
・サーバーがセンターマークの仮想延長線上を越えてサーブしていないかを判定する。
※ 試合によっては 8 人制で審判を担当する場合がある。
14
審判員の主なコール
チェア:チェアアンパイアがコールするもの
サイド:サイドライン・アンパイアがコールするもの
サービス:サービスライン・アンパイアがコールするもの
(1)フォルト(Fault)…サイド・サービス (チェアはオーバールール・復唱時のみコール)
① サービスがサービスコートの外に落ちた時のみコールし、ネットにかかった時は言わない。
② チェアアンパイアはセカンドサービスがフォルトした時に「ダブルフォルト」と言ってはいけない。
2回目の「フォルト」のコール後、直ちにポイントをアナウンスする。
(2)アウト(Out)…チェア・サイド
① ネットを越えた打球がコートの外側に落ちるか、パーマネント・フィクスチュア(審判台やフェン
スなど)やコート外の何かにノーバウンドで触れた時。
② 明らかにアウトが予想されても、ボールがバウンドするまではコールしてはならない。
(3)レット(Let)…チェア
① 「サービス・レット」の場合、「レット、ファースト(セカンド) サービス」とコールし、そのサ
ービスのみ、やり直す
② 「ポイント・レット」の場合、「レット リプレイ・ザ・ポイント」とコールしてプレイを止め、全
てファーストサービスからやり直す。
●他のコートからボールが進入してきたなどの場合は、ためらわずに「レット」をコールする。
●「レット」は選手から要求することはできないので、チェアアンパイアが速やかに対応する。
●「レット」のコールの直前の打球がアウトやネットの場合は打った選手の失点になる。
エースの場合は、ポイントはそのまま成立する。(そのボールが打たれた瞬間に妨害になって
いたかの見極めが大切!)
●シングルス・スティックがはずれた場合は、直ちに「レット」をコールする。
③ ファーストサービスをフォルトし、セカンドサービスを行うまでに妨害(他コートからのボール
の進入など)があった場合でも、サーバーがレディポジションに入っていたときは「ポイント・レッ
ト」となる。
●「レディポジションに入る」とは「サービスのモーションを開始した」ことをいう。
●レディポジションに入っていない場合は、「ウェイト・プリーズ」とコールする。
その後、セカンドサービスを行う。
(4)フットフォルト(Foot Fault)…チェア・サイド
① サーバーが構えてからインパクトの瞬間までに、次のことが起こればフットフォルトである。
●ベースラインを踏んだ。
●サイドライン(ここはサイドがジャッジ)やセンターマークの仮想延長線を越えた。
② フットフォルトは、サーバーがボールをインパクトした直後にコールする。(インパクト前の
コールは審判による妨害であるため「レット」となり、ファーストサービスからやり直しとなる。)
③ ウォームアップ時より選手の癖に注意し、見つけ次第、フットフォルトを取ること。
(5)ノット・アップ(Not Up)…チェア
① プレイヤーが打つ意志をもってツーバウンド以上で打ったボールがネットを越えたとき。
(6)スルー(Through)…チェア
① 打球がネット(の穴)を通り抜けた時。
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(7)ファウル・ショット(Foul Shot)…チェア
① 故意による2度打ち。(偶然の二度打ちは失点とならず、プレイを継続する。)
② ボールがネットを越してくる前に打った時。(いわゆる「オーバーネット」。)
③ ダブルスで、パートナー同士が続けて打った時。
(8)タッチ(Touch)…チェア
① インプレイの間、身体・ラケット・着衣・持ち物(以上3つは手(身体)から離れていても)がネッ
ト・ポスト・バンド・ストラップ・相手コート内の地面に触れた時。
② ボールが、手から離れたラケット・身体・着衣及び持ち物に触れた時。
③ ボールがラケットをかすった時。
(9)ヒンダランス(Hindrance)…チェア
① プレイヤーが相手を妨害した時。故意ならば失点、無意識ならばポイント・レット。
② インプレイ中に、大きな声を発した場合は妨害となり失点。
③ インプレイ中に、ラケット・シューズ以外の持ち物(帽子、2コ目のボール等)を相手コート以外
の場所に落とした時、「2回目以降はヒンダランスとして失点となります。」と選手に伝えたうえで
1回目のみ「レット」とする。
※相手コートに落とした場合は即失点となる。
(10)ウェイト・プリーズ(Wait Please)…チェア
① サーバーがレディポジションに入る前に、他コートからボールが進入した場合、レシーバーや線審
がポジションについていない場合は「レット」ではなく、「ウェイト・プリーズ」とコールする。
(11)コレクション(Correction)…チェア・サイド・サービス
① チェアアンパイアが「フォルト」や「アウト」のコールが明らかに誤りであると判断した時。コールは「
コレクション、(ザ ボール ワズ) グッド。」であり、ポイント・レットとなる。
●ポイント・レットとなるのは、審判のコールでプレイヤーが妨害を受けたと判断するためで、
この場合はさらに「レット」をコールする。
●「アウト」や「フォルト」のコールに関係なく、返球の可能性が全くなかったと判断した場
合は、そのままボールを打ったプレイヤーの得点とする。
② ラインアンパイアがグッド(いわゆるイン)とジャッジしても、チェアアンパイアから見て明らかにアウ
ト(フォールト)の時は「コレクション」をコールせず、「アウト」もしくは「フォルト」と直ちにコール
する。
③ 選手の抗議(クレーム)によってオーバールール(覆すこと)してはならない。チェアアンパイアは抗議
に対し、「~と思う」ではなく、毅然とした態度で「アウトでした」とはっきり答えること。
④ コールを言い間違えた時などに「15-0・・・コレクション 0-15」などと訂正する。
⑤ ラインアンパイアが「アウト」・「フォールト」とコールし、シグナルを出した後で間違いに気付いた場
合は、「コレクション」と言い、「イン」のシグナルを出す。
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チェアアンパイアのテクニックと注意事項
(1)コールとアナウンス
① ラインアンパイアのついているラインも含めて、全てのラインコールの責任はチェアアンパイアにある
。
② 常にポイントスコアとサーバーを頭に入れておく。ポイントが決まったら、まずスコアをアナウ
ンスし、その後でスコアカードに記入する。何よりもまずアナウンス。
③ スコアのアナウンスはタイミングよく行う。原則は、ポイントが決まったら「直ち」に「ハッキリ
」と「大きな声」で(観客席にも聞こえるように)アナウンスする。場合によっては拍手や声援の
収まるのを待ってアナウンスする。
④ スコアカードをつけながらのアナウンスは避ける。
⑤ サーバーがサービスの用意に入ったら、必ずレシーバーをチェックする。
⑥ ポイントが決まったとき、失点した選手を視野に入れておく。何か選手が質問したら答える。
⑦ オーバールールするときは直ちにすること。プレイヤーの抗議のあとではできない。
⑧ ラインアンパイアの「アウト」・「フォルト」のコールは、必ず繰り返す。(復唱する)
※ラインアンパイアがジャッジをしなかった場合やできなかった場合、代わりにコールする。
⑨ 特にきわどいジャッジのあとは、失点した(またはフォルトした)選手、コールしたラインアンパイア
に目を配る。
※選手が「目」で確認を求めてきた場合は、アウトなら人差し指を軽くたて、インなら指をそろえて手
のひらを下に向けて、判定が正しいことを伝える。
(2)時間管理
20 秒 :ポイントとポイントの間は 20 秒以内とする。
90 秒 :エンドの交代は 90 秒以内とする。奇数ゲームが終了した時点で、ストップウォッチで計る。
※60 秒経過したら「タイム!」とアナウンスし、75 秒経過しても選手がコートに入っていない場合
は、「フィフティーン・セカンズ」とアナウンスする。
① チェアアンパイアはストップウォッチを首からかけ、ポイント、ゲームの終了とともに計時する。
② 選手からの抗議には、再度自分が下した判定をアナウンスする。それでも選手がプレイしない場合
は「レッツ・プレイ!」とアナウンスする。
※その後も 20 秒以内にプレイしない場合は、帽子を振ってコートレフェリーを呼ぶ。
③ 疲労回復などのためにスローペースでプレイをする選手がいれば、20 秒・90 秒を確実に計時し、
時間以内にプレイをしない場合は、「タイム!」とアナウンスする。
※それでもプレイしない、または同じことを繰り返した場合、帽子を振ってコートレフェリーを
呼び、コートレフェリーの指示に従って「タイム・バイオレーション」をアナウンスする。
●アナウンスは「タイム・バイオレーション。ウォーニング、 ○○選手」(=警告)
●2回目以降は「タイム・バイオレーション。ポイント・ペナルティー、 ○○選手、(新しいス
コアのアナウンス)」(=ペナルティーとしてアナウンスのたびに1ポイントを失う。)
●場合によってはコード・バイオレーションに移行することがある。
④ タイブレークのエンドチェンジではベンチに座ってはいけない。
●ただし、汗を拭いたり、水分を補給することは可能である。
⑤ 試合開始と終了の時刻をスコアカードに記入する。
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120秒:セットとセットの間は120秒以内とする。
(3)スコアカードの記入
コートに入る前
① 「審判の氏名と高校名」、「コートレフェリー名」、「試合形式」を記入しておく。
プレマッチミーティング時
① 選手の名前を確認する際、選手の特徴(ウェアの色、背の高低など)をスコアカードの氏名欄にメモ
しておくと便利である。
② コイントスの後、以下の項目を記入する。
※コイントスの勝者にチェック(✓)を入れる。
※「サーバーサイド」および「タイブレーク」の欄はその試合のエンド通りに選手名を記入する。
③ ダブルスの場合は「Doubles receivers」欄に、審判台から見たレシーバー名を記入する。
試合開始後
① 試合開始時刻を記入する。
② ポイントは斜線「/」で表す。サーバーがポイントを取ればゲーム欄の上段に、レシーバーがポイン
トを取れば下段に記入する。
●「C」はコード・バイオレーション。(ポイントを取った方は×、コード・バイオレーションを
取られた方にC。)
●「T」はタイム・バイオレーション。(ポイントを取った方は×、タイム・バイオレーションを
取られた方にT。)
③ ゲームスコアは「スコア」欄に、前のゲームを累積して記入する。
④ デュースが続き、ゲーム欄に記入しきれない場合は、下の「Additional advantage points」欄にサ
ーバー名と、第何ゲームかを記入した上で、続きを記入する。
⑤ タイブレークは、斜線ではなく、数字を記入していく。
●「C」・「T」の記号はバイオレーションを取られた方に記入する。
⑥ エンドチェンジの時間を利用して、ポイントの記入もれ等のミスがないかチェックしておく。
試合終了後
① 「勝者サイン」欄上のゲームスコア記入欄に記入する。
●タイブレークは、7-4だったら(4)と小さくポイントを記入する。
② 試合終了時刻を記入する。
③ 勝者にサインをもらう。
④ コートレフェリーにスコアカードの確認後サインしてもらう。
(4)オーバールール
① ラインアンパイアの明らかなミスジャッジに対しては、直ちにオーバールールする。
② 決して選手や監督の抗議によってオーバールールしてはならない。
③ インのボールを「アウト」や「フォルト」とミスジャッジのコールをした場合。
●アナウンスは「コレクション!
ザ
ボール
ワズ・グッド」
●チェアアンパイアがエースボール又はあきらかなアウト/ネットと判断した場合は、ポイントを成立
させる。
それ以外の場合は「レット!リプレイ・ザ・ポイント」とコールし、ポイント・レットとする。
④ アウトやフォルトのボールを「イン」とミスジャッジした場合。
●「アウト」、「フォルト」と直ちにコールして訂正する。
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(5)クレームに対する処理とその事例
処 理
① 事実問題(アウトかインかなど)についての最終判定者はチェアアンパイアであり、レフェリーではない
。
●プレイヤーの要求で、ラインアンパイアの判定をオーバールールしてはならない。
●選手や監督にレフェリーを呼ぶ権限はない。
② ボールマークの確認は、ハードコートでは出来ない。
●選手がボールマークの確認を要求しても、応じてはならない。
③ クレームに対して、「~と思います」というあいまいなジャッジではなく、毅然とした態度で「今の
はアウトでした」と明確な表現で答えること。
事 例
① 選手・監督「今のボールはアウト(イン)じゃないのですか?」
チェア
② 選手
チェア
「今のボールはイン(アウト)でした。」と言って、もう一度スコアをコールする。
「ボールマークを確認してくれ!」
「ハードコートではボールマークは調べられないことになっています。」と言って、もう一度
スコアをコールし、「レッツ・プレイ!」で試合を進行させる。
③ 選手
チェア
「今のサービスはレットだろ!」
「私には確認できませんでしたので、ポイントは成立します。」
④ 選手の陰に隠れたボールをジャッジできず「レット」のコールをしたら、選手が説明を求めた。
チェア
「選手の陰に隠れてアンサイトだったので、レットでお願いします。」
(6)コートレフェリーを呼ぶケースと、ソフト・ウォーニングの事例
コートレフェリーを呼ぶ場合は、帽子を振ってコートレフェリーを呼び、内容を説明する。
コートレフェリーを呼ぶケース
① 選手、ベンチコーチ、観客のコード・バイオレーション(悪質な態度など)などを発見した場合。
●「コード・バイオレーション」にあたる行為は以下のものである。
・不当な遅延行為
「レッツ・プレイ!」の指示から 20 秒以内に試合を開始しない。
・疲労や体力消耗によって、試合が続行できない。
・声やしぐさによる卑猥な表現
・コーチング(選手の携帯電話が鳴った場合もこれに該当する)
・ボール・ラケットまたは用具の乱用
・言葉での侮辱
・身体に対する危害
・その他、スポーツマンらしくない行為
(相手側コートのボールマークを調べようとして相手方コートに行くなどの行為も含む。)
●
コートレフェリーからアナウンスを指示されたら、「コード・バイオレーション、 ラケット
の乱用、ウォーニング、 ○○選手」のように行う。
●コートレフェリーが直接ペナルティーを科することもある。
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② 選手がケガ・体調不良やけいれんを起こした場合。
③ 選手がトイレットブレークを要求してきた場合。
④ ボールが、コート外に出て、探したが見当たらない場合。
⑤ 法的問題(ルールの解釈)について、チェアアンパイアの判定にプレイヤーがクレームを付けてきた場合
。
⑥ その他、突発的な出来事や困った事態になった場合。
ソフト・ウォーニングの事例
●次のような場面を見た場合、「ソフト・ウォーニング」によって事態を収拾するように努める。
●いずれのケースでも、ソフト・ウォーニングを伝えた後は、その内容をコートレフェリーを呼ん
で報告すること。
① インプレイ中に選手に向かって監督がアドバイスしている。
チェア「インプレイ中のアドバイスはお控えください。」
「アドバイスはエンドチェンジの時のみにしてください。」
② 監督がエキサイトして大声を出したり、派手なガッツポーズをとったり、立ち上がったりしている。
チェア「お静かにねがいます。」
「エンドチェンジの時以外は立ち上がらないでください。」
③ 監督がベンチをはさんで両方のコートの選手を応援している。
チェア「応援はこちらのコートのみにしてください。」
④ エンドチェンジの際、ボールパーソンが選手をあおいであげている。
チェア「ボールパーソンはネット付近にいてください。」
⑤ 選手が審判に暴言を吐いた。
チェア「次に暴言を吐いたら、コード・バイオレーションになります。」
→帽子を振って、ただちにコートレフェリーを呼ぶ。
⑥ 著しくマナーに反する応援を行う観客がいる。
チェア「静かにして下さい。」
ラインアンパイアのテクニックと注意事項
(1)ラインアンパイアの種類と役割
① サービスライン・アンパイア
●判定後はプレイの妨げにならないように、ポスト横に速やかにムービングする。(ポストには触
れない。)
●以下の通りにスコア・ボードを管理する。
Ⅰ)試合前に以下のプレートを受け取る。
・ネームプレート(チェアアンパイアから。)
Ⅱ)以下の通り、スコア・ボードにプレートを設置してから整列する。
・ネームプレートを、小さい番号が上になるように設置する。
・「0」の数字プレートを上段・下段ともに設置する。
Ⅲ)試合中の数字プレートの変更は、エンドチェンジの際に直ちに行う。
・チェアアンパイアのゲームスコアのアナウンスをよく聞き、正確に数字を入れ替える。
Ⅳ)試合が終了したら直ちに最終スコアを表示する。
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(次の試合までそのスコアは残しておく。)
Ⅴ)ネームプレートなどは、
・団体戦:学校プレートをはずしチェアアンパイアに渡す。S1・S2のプレートは審判セット
に戻す。
・個人戦:勝者のプレートは主審に渡し、敗者のプレートは選手に贈呈する。
1
18
高
崎
5
22
前
橋
3
2
3
② サイドライン・アンパイア
●4人制審判時はネットの向こう側のラインも判定する。
●サーバーがセンターマークやサイドラインの仮想延長線を越えてサーブをしていないかを判定し
越えている場合はサーバーがボールをインパクトした瞬間に「フットフォールト!」とコール
する。(6人以上の審判がつく場合は、サーバーがベースラインを踏んでいるかどうかも確認す
ることになる。)
(2)コールとハンドシグナル
① コールは「フォルト」、「フットフォルト」、「アウト」、「コレクション」の4種類。
●サービスライン・アンパイアは「フットフォルト」、「アウト」のコールはない。
② コールは短く。フォルトは「フォ!」アウトなら「アウ!」と発音すると聞き取りやすい。
③ ボールが落ちた瞬間に素早くコールし、その後にハンドシグナルを出す。
④ 「イン」の場合は無言で両手指先を揃えて手のひらを下に向けて「グッド」のシグナルを出す。
●「グッド」のシグナルはラインから1m程度をひとつの目安とする。
⑤ 「アウト」、「フォルト」の場合はコールした後に、一呼吸おいてからハンドシグナルを出し、
3秒間静止する。
⑥ 選手の体で隠されるなどしてどうしても見えなかった場合は、両手をほほの位置にあげる。
●これを「アンサイト」といい、この場合はチェアアンパイアが判断する。
(3)ボールの見方
① じっとラインを見ていては、いつボールが来るかわからず、正確な判定がむずかしい。
担当ラインの近くにボールが来ない時はプレイを見るとよい。
② ボールがラインに来ると思ったら、ボールを目で追いかけるのではなく、ボールよりも先にラインの
外側に注目するように心がける。
③ サービスライン・アンパイアは、サーバーがレディポジションを取るまで様子を見る。
サーバーがトスの動作に入ったら、ラインの外側に視線を集中させる。
④ 基本的には担当ラインの延長線上に構えるが、プレイヤーのポジションでラインが見えない場合は
速やかに最も見やすい位置に移る。
⑤ ムービングは、次のボールの判定ができるように、プレイを見ながら素早く走って移動する。
特にダブルスではサイドラインまでの移動距離が長くなることと、リターン直後のボレーボールが
サイドラインへ飛ぶことがあるので、ダッシュで移動する。
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(4)訂正
① インのボールを間違って「アウト」または「フォルト」とコールした場合は、直ちに「コレクショ
ン」と大きな声でコールし、「グッド」のシグナルを出す。
② アウトのボールに対してグッドシグナルを出した場合は、直ちに「アウト」、「フォルト」のコー
ルをしてハンドシグナルを出す。「コレクション」は必要ない
③ 間違いを訂正することは恥ではない。悪びれることなく積極的に訂正すること。
④ チェアアンパイアにオーバールールされた時は、ハンドシグナルをすぐに戻し、判定に従う。
(5)クレームに対する処置
① 選手が抗議してきても、選手と目を合わせて、ハンドシグナルを継続させる。選手と会話をかわす必
要はない。曖昧な態度、照れ笑いは、かえって立場を悪くする。
② クレームの処理については、すべて主審に任せる。
③ ハードコートなので、ボールマークを調べない。
(6)その他
① ジャッジに集中するために、審判員はボールを拾う必要はない。
② 選手が勝手にジャッジ(声や仕草等)することに、決して惑わされてはならない。
③ 選手・監督・観客から何か言われた場合は、言い返さず、遠慮せずにコートレフェリーに報告し、
「注意」「警告」等を取ってもらうこと。
④ 試合中、コートを離れる必要がある時は、コートレフェリーに申し出て、許可を得ること。
⑤ エンドチェンジの間は休息を取ること。また、椅子の下に置いた飲料水を飲み、水分を十分に補給す
ること。飲料水は各自用意すること。
レディポジション
グッド
アウトまたはフォルト
アンサイト
知っておきたいテニスルール
(1)パーマネント・フィクスチュア
●「パーマネント・フィクスチュア」とは「コートの周りにある全ての施設、設備、アンパイア、ボールパーソ
ンのこと」をいい、シングルス時にはシングルス・スティック外側のネットポストやネットもパーマネント・フ
ィクスチュアとみなされる。
Q1:インプレイ中のボールを地面に落ちる前に、ボールパーソンやラインアンパイアがうっかりつかんだ場合は?
A1:ボールを打った者の失点になる。
Q2:シングルス・スティックを立ててシングルスを行っているとき、ラリー中のボールがダブルス用ポスト
に触れて相手方のコートに入った場合は?
A2:シングルス・スティックの外側はパーマネント・フィクスチュアであり、バウンド前にパーマネント・
22
フィクスチュアに当たった場合は失点となる。
Q3:シングルスを行っているとき、シングルス・スティックとダブルス用ポストとの間にあるネットに、イ
ンプレイ中のプレイヤーが触れた場合は失点になるか?
A3:パーマネント・フィクスチュアにプレイヤー自身が触れても、失点にはならない。
(2)ボール
Q1:インプレイ中にボールが破れた場合は?
A1:そのポイントをやり直す。
Q2:ポイントが終わったとき、ボールが軟かくなっていたら、そのポイントはやり直すか?
A2:ボールが破れたのではなく、単なる軟化の場合、ポイントはやり直さない。
(3)ラケット、ストリング
Q1:ラリー中にストリングが切れた場合は?
A1:そのポイントはそのままでプレイしなければならないが、ポイント終了後ただちに正規のラケットに交
換する。持っているラケットのストリングが全部切れた場合、プレイヤーはコートレフェリーの許可を
得て、第三者にラケットの補充を頼むか、プレイヤー自身がコートを離れることができるが、いずれの
場合も次のポイントが始まるまでの時間内(20 秒または 90 秒)で用意しなければならない。時間内に
再開できない場合はコード・バイオレーションの対象となる。
(4)サービス、サーバー
Q1:ダブルスで、サーバーのパートナーに当たったサービスの扱いは?
A1:フォルトとなる。
Q2:ファーストサービスの打球時に、サーバーのストリングが切れ、そのサービスがフォルトの場合は?
A2:切れたままセカンドサービスを打っても、ラケットを交換してセカンドサービスを打ってもよい。
Q3:サービスがシングルス・スティックにあたったあと、正しいサービスコートに落ちた場合は?
A3:地面に落ちる前にパーマネント・フィクスチュアやシングルス・スティックまたはネットポストに触れ
た場合はフォルトとなる。
Q4:ファーストサービスがネットにあたったはずみでシングルス・スティックが倒れた場合は?
A4:ポイント・レットになる。スティックを立て直して、ファーストサービスからやり直す。センタースト
ラップの止め金がはずれた場合なども同じである。
Q5:サーバーが誤ったサイドからサーブするのが発見された場合はどうするか?
A5:ただちに誤りを訂正し、スコアに応じた正しいサイドからサーブする。誤りが発見される前にフォール
トしたサービスは成立する。
Q6:サーバーの順序が間違っていることに気づいた場合はどうするか?
A6:気づきしだい、本来のサーバーに代わる。気づいたときに、すでにゲームが終了していた場合は、入れ
替わったままの順番で行う。
Q7:タイブレーク中にサーバーの順序が間違っていることに気づいた場合はどうするか?
A7:偶数ポイント終了時に気づけば正しい順番に戻し、奇数ポイント終了時に気づけば順番が入れ代わった
ままプレイを続ける。
(5)レシーブ、レシーバー
Q1:ファーストサービスがフォルトになった時にレシーバーのストリングが切れた場合は?
A1:レシーバーはラケットを換えないでそのままそのポイントをプレイしてもよいし、すぐラケットをかえ
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てもよい。ただし、レシーバーがラケットを換えた場合は、ポイント・レットとなり、ファーストサー
ビスが与えられる。
Q2:ネットに触れて飛んできたサービスのボールを、レシーバーが思わずノーバウンドでつかんでしまった
場合は?
A2:サービス・レットとなり、そのサービスをやり直す。
Q3:ダブルスでサーブしたボールが、地面に落ちる前にレシーバーのパートナーに当たった場合は?
A3:ボールを当てられたプレーヤー(チーム)の失点となる。
Q4:レシーバーがいったん構えた後、サーバーがセカンドサービスを打つ寸前に、レシーバーが手を上げて
「ノットレディ」を知らせたが、サーバーが気づかずにサーブを打ってしまった場合は?
A4:ファーストサービスからやり直す。
Q5:ダブルスのゲームの途中で、レシーブの位置を間違えていることに気づいた場合は?
A5:そのゲームはそのままの位置でレシーブを行い、次のレシーブ・ゲームで本来の順番に戻す。
(6)プレイヤーの失点と有効返球
Q1:届かないと思って投げたラケットにボールが当たり、相手コートに入った場合は失点になるか?
A1:手から離れたラケットにボールが当たった場合は失点である。
Q2:プレイヤーが、ネットの仮想延長線を越えて相手側に入り込んだ場合は失点になるか?
A2:相手コートに入らない限り、返球の前後に関わらず失点にはならない。
Q3:ラリー中にシングルス・スティックにあたったあと、正しくコートに入っても失点になるか?
A3:ならない。有効返球である。(ただし、サービスの場合はフォルトとなる。)
Q4:ボールがバウンドした後、逆回転がかかって(風に戻されて)ネットを越えて相手側に戻ったので、ネ
ットを越えて返球した場合は失点になるか?
A4:ならない。有効返球である。
Q5:ネットの自分側で打った後、ボールは正しく返球されたが、自分のラケットがネットを越えて相手側に
突き出た場合は失点になるか?
A5:ならない。有効返球である。
(7)妨害
Q1:インプレイ中、隣のコートのプレイヤーが勢いあまって自分たちのコートへ走りこんできて、自分たち
のプレイが妨害を受けた。この場合、レットとしてポイントのやり直しはできるか?
A1:できる。
Q2:インプレイ中のボールが、空中で他のボールと当たった。この場合、レットとしてポイントのやり直し
はできるか?
A2:できる。
Q3:ポイントが始まったとき、すでにコート上に転がっていたボール、または他の物体がプレイ中に邪魔に
なった。この場合、レットとしてポイントのやり直しはできるか?
A3:妨害ではないので、やり直しはできない。
(8)誤りの訂正
Q1:誤りが発見されたときは、誤りに気づくまでに行われたポイントは、どうなるか?
A1:原則として、誤りに気づくまでに行われたポイントは有効である。
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Q2:プレイヤーが誤ったエンドにいることが発見された場合はどうするか?
A2:ただちに誤りを訂正し、スコアに応じた正しいエンドからサーブする。
(9)コーチング
Q1:団体戦では、タイブレークのエンドチェンジの時でも、コーチングを受けることができるか?
A1:できない。
(10)その他
Q1:試合中に選手が、シューズの交換を申し出てきた場合はどうするか?
A1:「汗で湿ったシューズを取り替えたい」ときは、1試合に1回に限り、エンドチェンジ時にコート内に
予備のシューズやソックスが用意されていれば履き替えるための時間延長が認められる。「シューズが
すべる」などの理由でコートを離れることはできないが、破損した場合は、「用具の不具合」として、
会場内に予備の用具がある場合に限り、理にかなった時間内で取りに行くことができる。
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審判員Q&A
●ルールブックに載っている事例以外にも、様々なケースが考えられます。
リハーサル大会中に審判員から寄せられた質問や、過去の大会での事例を集めました。
(1)コール
Q1:ダブルスでポーチに出た選手のラケットが、かすかにボールにあたり、「プチッ」と音がしたが、
他の3人は気づかずプレイを続行しようとした。この際、どういうコールをすればいいのか?
A1:「タッチ」とコールする。
Q2:ボール侵入時の「ウェイト」と「レット」の違いは?
A2:「レット」とは「やり直し」という意味で、ファーストサービスをフォルトし、セカンドサービスを
打つ動作に入る直前にボールの侵入があった場合は、そのポイントをファーストサービスからやり直す
ファーストサービスを打つ前であれば、単なる「ウェイト」で「タイム」ではない。テニスにおいて
の「タイム」は「時間になりました。プレイを始めて下さい。」という意味で、「外部からボールが侵
入した」、「主審がスコアシートを記入している」、「線審が、まだ定位置に戻っていない」などとい
った状況に気づかずに選手がプレイを始めようとした場合は、「ウェイト、プリーズ」とコールする。
もちろん「待ってください」でも構わない。
Q3:学校では、ラリー中はずっと、「イン」のハンドシグナルをし続けなさい、と指導されたが?
A3:必要ない。「イン」のシグナルはラインから1m程度の時だけである。明らかに「イン」のボールに対
して、いちいちハンドシグナルを出す必要はない。「ナイスショット」と感じたら出すでもいいかもし
れない。
(2)判定
Q1:スコアを記入しているうちに選手がプレイを始めてしまい、全くボールの行方を見届けていないショッ
トに関して「イン」か「アウト」かを、問いつめられたのだが?
A1:主審に認識できないプレイはすべて存在していないと同然で、ポイント・レットとなる。ただし、
この場合はスコアをより早く記入する努力をすべきである。しかし、記入を焦るあまりポイント成立後すぐに
用紙に目を落とすのは良くない。判定を確認するために、失点した選手が主審に視線を向けることがよくある
が、選手と目をあわせてうなずくだけでも、信頼されるようになる。
Q2:線審をしていて、目の前のベースラインで、ボールは確かに「アウト」に見えた。しかし、主審は「イ
ン」と判断し選手の激しいクレームを受けている。この場合、線審の立場で主審に対して、「今のボー
ルは確かにアウトだった」などと助言はできるか? また、主審がその助言を聞き入れて、判定を覆す
ことはできるか?
A2:できない。線審は、本来見るべきライン以外には何らの権限も持たない。また、主審は他から
の助言で判定を覆す必要はない。ただし、主審自身が間違いに気づいた場合は訂正すべきである。
Q3:松岡選手が打ったサイドラインぎりぎりのボールを、線審は「イン」の判定を下したが、伊達選手は「
アウト」を主張し、松岡選手も自分のボールのアウトを認めたので、伊達選手は自分のポイントを要求
した。
A3:事実問題に関して、主審の判定は最終であり、審判はプレイヤーの要求によって判定を覆してはならな
い。ただし、プレイヤーが、自らの不利益を理解して、相手の獲得ポイントとして認める場合、ポイン
トのコンシード(Concede)として、相手プレイヤーへのポイント譲渡が認められる。
Q4:松岡選手のボールへの主審の「アウト」の声が小さく、両校の選手はまだプレイを継続しているが?
A4:松岡選手の失点を再度大きな声でコールする。ポイントが決まった時は「ただちに」・「大きな声で」
・「はっきりと」スコアをアナウンスする。
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(3)順序
Q1:タイブレークのあと、次のセットのサーバーとコートがわからなくなった。
A1:長引いて、エンドチェンジが何回あっても、タイブレークは1ポイント目のサーバーの1ゲームと考え
る。松岡選手がタイブレーク最初のサービスを打った場合、タイブレーク終了後、次のセットのファー
ストゲームは、伊達選手のサービスとなる。この際、スコアは7-6なので、必ずエンドチェンジをす
る。そのエンドチェンジは、最終ポイントをプレイしたエンドから必ず交代するということである。
(4)妨害
Q1:松岡選手のファーストサービスがネットにかかり、サービスラインあたりに転がった。松岡選手は、そ
のボールを放置してセカンドサービスを打ち、ラリーが続いた。ネットに出ようとした松岡選手は転が
っていたボールが邪魔になり、とっさにラケットでボールをのけたところ、そのボールはネットで止ま
らず、ネットの下を抜けて相手コートにまで転がってしまった。どうなるか?
A1:ネットにかかったファーストサービスのボールは、それ以降コート内の石ころと同じで、ボー
ルにラリー中のボールが当たってイレギュラーしても返球しなければならない。邪魔になったボールをのけよ
うとして、そのボールがネットに当たったとしても失点にはならない。しかし、相手コートまで転がった場合
は、明らかに相手への妨害となり、失点する。
Q2:選手がついセルフジャッジの癖が出て、「アウト!」と言いながら軽く返球した。相手選手は不審そう
な顔をしながらもラリーを止めてしまった。主審の判定は「イン」であった。この場合はどうなるか?
A2:「アウト」と言った瞬間に、相手選手への妨害行為(ヒンダランス)となり、「アウト」と言った選手
の失点となる。
●打球時に大きな声を出す選手においては、まぎらわしく聞こえる場合がある。声が相手を
妨害していると主審が認めた場合は、「レット」をコールしてプレイのやり直しを命じる。また、プ
レイの再開の前に、このプレイヤーに対して、「次に同じようなことをしたら、そのたびに『故意に
相手を妨害した』として失点する。」ことを告げる。
Q3:ダブルスのレシーバーのパートナーがサーバーの気をそらそうとして妙な動きを見せるのだが、警告す
る必要があるか?
A3:明らかに妨害にあたると主審が判断した場合、「故意の相手への妨害」により失点となる。ただ、
フォーメーションや、ポーチなどの「フェイク」の場合もあり、適用は難しい。戦略からあまりにはずれ、妨
害行為としかみえないような場合、必ずコートレフェリーを呼ぶ。
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雨天時の対応
中断時
① 雨による一時中断および試合再開の指示は、レフェリーが決定する。
② 一時中断および試合再開の決定は、放送やトランシーバーで、各コートに伝えられる。
③ 各コートへの連絡は、コートレフェリーが行う。
(1)「一時中断」が決まったら…
チェアアンパイア
① 試合の中断を選手に指示し、現在のゲームカウント・ポイント・エンドの確認を、選手立ち合いの
もとに行う。
② スコアカードが濡れないように注意する。
③ メジャーとストップウォッチを競技セットに入れる。
④ 試合の使用球を、ボール担当のラインパンパイアより受け取る。
⑤ スコアカード・審判セット・競技セット・試合球を持って競技本部に戻り指示を待つ。その際、審判セ
ットの中身を確認し、再開時ウォームアップに使用するユーズドボールを追加しておく。
ラインアンパイア
① ボール担当のラインアンパイアは一時中断が決まると、速やかに試合使用球を回収して缶に保管し、チ
ェアアンパイアに渡す。
③ 芝生広場待機場所に戻り、支持を待つ。
(2)「試合再開」が決まったら…
チェアアンパイア
① 審判セットの中身(スコアカード・試合で使用するボール・ウォームアップに使用するユーズド
ボールなど)を確認し、すみやかに担当コートへ向かう。
② ウォームアップは3分間で、ボールは準備しておいたユーズドボールを使用する。
③ 試合は、中断前に使用していたボールで行う。
ラインアンパイア
① ベンチ・審判台・パイプ椅子の水拭き取り作業を行う。
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