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避雷針を用いた落雷対策の限界
避雷針を用いた落雷対策の限界 何故、PDCE避雷針による落とさない対策なのか? 2013年12月10日 落雷抑制システムズ 松本敏男 2013/12/10 Copyright LSS 2013 1 0.はじめに 第1章 通常避雷針の限界 第2章 PDCE避雷針の原理 第3章 PDCE避雷針の使用例 2013/12/10 Copyright LSS 2013 2 0. 何故、落雷するのか? 1) 高い場所へ落雷する 落雷にまつわる誤解 × 結果としては高い所が多いが、高さが要素ではない 雷は、6000m以上の上空から、地表の構造物の高低を判定できるか? 何を求めて降りてくるのか? 2) 落雷は一方的に落ちてくる 答え できない 高さではなく、帯電している強度 × 地表の帯電強度も一様ではなく、帯電した部分から放電し易い、放電し難い条件はある 落雷は、雷雲と地表との相関関係で発生する 地表からのお迎え放電を出し難くする事が、落雷を誘導しないために重要 2013/12/10 Copyright LSS 2013 3 第1章 2013/12/10 通常避雷針の限界 Copyright LSS 2013 4 捕捉率が100%でない 1-1.通常避雷針の限界 通常避雷針を付けても落雷を100%捕捉できない 捕捉率を高めるための色々な工夫 1) 突起部を増やした避雷針 「受雷針」 2) 保護対象のカバー率を広げた避雷針 「パラキャッチ」 3) お迎え放電を放出し易くした 「ESE避雷針」 ESE : Early Streamer Emission これらは、落雷の捕捉を高める点では、有効 2013/12/10 Copyright LSS 2013 5 1-2. 捕捉率を高めるための色々な試み 受雷針 ESE避雷針 パラキャッチ避雷針 被保護物【パラボラ】の真上まで水平避雷針を 伸ばして、カバー率を向上させたもの 突起部を増やして捕捉率 を高めたもの 球形の部分に地面の電 荷を貯えることで、お迎 え放電を放出し易くした もの しかし、落雷を誘導すれば解決と言う単純な話しではない 2013/12/10 Copyright LSS 2013 6 1-3.雷電流の影響 落雷を捕捉した後の問題 雷電流 市街化が進み、無人であった場所にも住宅建設が進む 落雷による周辺住宅での地電位上昇による苦情 落雷 基地局建設後に落雷が増加した 雷被害が増加した(損害を補償しろ!) 住宅火災が心配だ 安心できる生活に戻りたい 電磁誘導 雷が落ちない様にして欲しい 内部設備の保護は十分でも周辺地域対策も必要 局舎 民家 地電位上昇 基地局を撤去して欲しい 2013/12/10 Copyright LSS 2013 7 1-4.アースしてあれば大丈夫? 雷電流は影響大 落雷 大地抵抗率 300Ω・m 流入部接地抵抗 100Ω 雷撃電流 50kA 50kA 18kV L=130m 2013/12/10 落雷地点からの距離(m) 電位上昇(kV) 10m 239 20m 119 30m 80 50m 48 70m 34 100m 24 120m 130m 20 18 160m 15 180m 13 200m 12 Copyright LSS 2013 8 1-5.落とす対策ではどうにもならない 落雷を捕捉した後の問題 市街化が進み、無人であった場所にも住宅建設が進む 落雷による周辺住宅での地電位上昇による苦情 落雷 基地局建設後に落雷が増加した 雷被害が増加した(損害を補償しろ!) 住宅火災が心配だ 安心できる生活に戻りたい 電磁誘導 雷が落ちない様にして欲しい 内部設備の保護は十分でも周辺地域対策も必要 局舎 民家 地電位上昇 基地局を撤去して欲しい 2013/12/10 Copyright LSS 2013 9 1-6.雷電流の解決策 落雷させてから絶縁ケーブルと深埋接地で処理 落雷 避雷針へ全ての落雷を誘導できれば問題はない しかし 必ずしも全ての落雷を捕捉できない 【落雷は気まぐれ】 高耐圧碍子 ボーリングのコストが高い 民家 高絶縁耐雷ケーブル 局舎 高絶縁深層埋設接地 中電位 高電位 2013/12/10 Copyright LSS 2013 10 第2章 PDCE避雷針の原理 2013/12/10 Copyright LSS 2013 11 2-1.避雷針の歴史と問題点 1752 避雷針の発明 ベンジャミン・フランクリン 130年 130年 1881 1899 エジソン電気照明会社 2011 無線電信 実用 マルコーニ 現代文明は電力依存 避雷針 落雷は安全に誘導すれば良かった時代 電力/情報ネットワーク時代 では、ワザワザ落雷を発生さ せれば副作用が問題になる 何故、260年前の技術に頼りきっているのでしょうか? 二つの問題点 1. 雷電流の処理 地面に流しても周囲に副作用 2. 補足率は100%ではない。避雷針周囲への落雷を誘 発 オイル・ランプ 2013/12/10 Copyright LSS 2013 スマートグリッド時代の雷対策 「落雷を発生させない」 12 2-2.避雷針の原理 お迎え放電を上げて放電路を形成する 正電荷 -10℃ で雹が生 成 負電荷 夏: 7000m 以 上 冬: 1000m 程 度 1) 先行放 電 2) お迎え放電 3) 放電路ができ る 4) 電流が流れる 地表の電荷【通常はマイナス】 負電荷 2013/12/10 正電荷 Copyright LSS 2013 13 落雷を発生させない対策 2-3.残された解決策 負電荷 絶縁破壊電圧 空気 : 35.5kV/cm 木材 : 6kV/cm 放電開始電圧 V1 < 放電開始電圧 V2 正電荷 正電荷を求めて降りてくる 負電荷 正電荷 面-点の放電開始電圧 正電荷 2013/12/10 負電荷 面-面の放電開始電圧 正電荷 Copyright LSS 2013 正電荷 正電荷 14 2-4. 放電実験による 点と面 放電開始電圧の違い 面―点の放電開始電圧は、 面―面の放電開始電圧よ りも低い 通常の避雷針で放電する 電圧でなら、PDCE避雷針 は放電しない 2013/12/10 Copyright LSS 2013 15 2-5. PDCE の原理 (1) ----- - - - ----金属球 2013/12/10 はく検電器 Copyright LSS 2013 16 2-5. PDCE の原理 (2) - - - - -- ----------- - ----------- - - - - - - - - - - - -- - - - - ------ ------ ------ ------ ------------ + + + + + -----+ + + + + + + + 負電荷を持つ雨粒 大気中は負電荷が浮遊 PDCE上部電極の正電荷は中和 されてしまう ------ + + + + + + + + + + + + 初期状態は上部 電極に正電荷が 誘導される + + + + +++ + + + + + 2013/12/10 Copyright LSS 2013 17 2-5.PDCEの原理 (3) どこに放電しているか(実証) 上部電極 放電痕が少ない ------- 下部電極 + + + + 放電痕が多い + + 2013/12/10 + + Copyright LSS 2013 18 2-5.PDCEの原理 (4) 時間軸で見ると 落雷発生のステップ 先行放電 お迎え放電 落雷の発生 SPD 耐雷トランス 落ちた後始末 大電流との闘いは大変 これは自然 現象で防げ ない 先行放電 帰還電流 放電路の形成 発生したら、ほぼ手遅れ × お迎え放電を発 生させない 放電路が形成さ れない 放電自体が発生しない 時間の経過 2013/12/10 Copyright LSS 2013 19 2-6.PDCE避雷針と通常避雷針の比較 正電荷 -10℃ で雹が生 成 負電荷 先行放電 夏: 7000m 以 上 冬: 1000m 程 度 お迎え放電 上部電極は負電荷 目標になりえない 地表の電荷 負電荷 2013/12/10 正電荷 Copyright LSS 2013 20 2-7. 雷対策の進歩 落とす対策から落とさない対策に 負電荷 絶縁破壊電圧 空気 : 35.5kV/cm 木材 : 6kV/cm 放電開始電圧 V1 < 放電開始電圧 V2 正電荷 正電荷 面-点の放電開始電圧 正電荷 2013/12/10 負電荷 正電荷 面-面の放電開始電圧 正電荷 Copyright LSS 2013 正電荷 21 2-11.落雷を発生させない対策 落雷させなければ地電位上昇も無い 日本海沿岸でも冬季雷対策に8年の実績 周辺の実害も減少、設備機器にも好影響 新規設備での住民対策に有効 住民対策: 住民の知識レベルの向上、権利意識も強く納得のいく説明と対策が必要 公共交通機関 路線の長距離化【乗り入れ】で影響範囲が広くなってきている ⇒ 乗客の雷についてのリテラシーが向上 事故の影響が大 落雷⇒自然災害⇒不可抗力 にならない 最大限の事故回避責任 対策しない場合での事故責任 > 対策していての事故責任 民家 2013/12/10 Copyright LSS 2013 局舎 22 2-9. 従来型避雷針との比較 1)最も好ましい状態 PDCE避雷針 落雷が生じない 通常の避雷設備 2)次善の状態 落雷を誘導できる 3) 最悪の状態 落雷を誘導できない 通常の避雷針 PDCE避雷針が機能を発揮できない状態 = 通常の避雷針が最大の機能を発揮している状態 【PDCE での最悪の状態 】 【通常避雷針の最上の状態】 2013/12/10 Copyright LSS 2013 23 2-8. PDCEの保護範囲比較 建築基準法の適用の無い場合: 20mの高さでのPDCE避雷針の保護範囲 半径 100m 建築基準法が適用される場合 : 雷撃で生じる電流を安全に地中に流す事のできる単なる受雷部 20mの高さでの通常避雷針の保護角度 60度 【旧JIS】 例えば、 高さ20mを越える建築物での使用 ⇒建築基準法を適用 駐車場 ⇒ 建築基準法の適用の無い 20 m 60度 20 *tan 60 = 34.6m 20 * 5 = 100m 2013/12/10 Copyright LSS 2013 24 2-10.PDCEの保護範囲についての仮説 雷電流とストリーマの半径について NFC17-100 での定義 ストリーマの半径、PDCEの高さ、保護領域の 関係 R=√[r2-(r-h)2] r=10・I2/3 Lightning current 129kA Current 50kA 130kA 150kA Radius:r 136m 257m 282m Radius r 257 257 257 257 2013/12/10 Copyright LSS 2013 PDCE Height h Protection Area R 20 30 40 60 99 120 138 165 25 2-12. 実際の現場での効果 小松市 海上 2009年度 高さ42mのタワー PDCE避雷針付き 2013/12/10 Copyright LSS 2013 26 2-13.インドネシア・テレコム バタム島での112mの鉄塔 2013/12/10 Copyright LSS 2013 27 2-13. インドネシアテレコム バタム島での結果 Before 年間雷日数 約180日 該当施設への落雷 After 年間雷日数 約180日 該当施設への落雷 毎月1-2回 ゼロ 周辺の鉄塔にも雷サージ・カウンターを設置したが、周辺部での落雷は今までと 同じく多数の落雷(400m離れた鉄塔で11kA を記録) 2009年4月より今まで無事故を継続 2013/12/10 実例として回避できている例が存在 Copyright LSS 2013 28 第3章 PDCE避雷針の使用例 2013/12/10 Copyright LSS 2013 29 第二パナマ運河工事現場 2013/12/10 合計200基のPDCEを使用 Copyright LSS 2013 30 3-1. どういうところで使用されるのか 鉄塔 無線鉄塔 携帯基地局 専用ネットワーク 国土交通省 警察庁 防衛省 JR 放送局 防災無線 2013/12/10 Copyright LSS 2013 31 3-2. どういうところで使用されるのか 牛久大仏 高さ120m 世界最大のブロンズ像 85mの展望階まで参拝客が上がれる 落雷 ⇒ 内部は安全であるがエレベータに障害 PDCEを設置以来、事故なし 2013/12/10 Copyright LSS 2013 32 3-3. どういうところで使用されるのか 横浜 2013/12/10 Copyright LSS 2013 三ツ沢球技場/陸上競技場 合計 8基 33 3-4. 煙突での落雷対策 (1) 2013/12/10 Copyright LSS 2013 34 3-4. 煙突での落雷対策 (2) 2013/12/10 Copyright LSS 2013 35 3-4. 煙突での落雷対策 (3) 2013/12/10 Copyright LSS 2013 36 煙突用PDCE の使用例 群馬県沼田市 清掃工場 2013/12/10 Copyright LSS 2013 37 3-6.スマート・ハウスでの落雷対策 今までの電力供給 今後の電力供給 制御可能な柱上変圧器 柱上変圧器 太陽光発電パネル PV 電化製品 電化製品 スマート・メータ EV 大容量電池 コントローラ 落雷で被害を受ける製品が増加する 落雷した後の対策だけで十分か? 2013/12/10 Copyright LSS 2013 落雷した後の対策でなく、落雷を受けない対策が必要 38 独立行政法人 水資源機構様 支持管を起こす前にPDCE取付 既設避雷針の撤去 2013/12/10 Copyright LSS 2013 39 独立行政法人 水資源機構様 PDCE設置完了 2013/12/10 PDCE 固定 Copyright LSS 2013 40 独立行政法人 2013/12/10 水資源機構様 Copyright LSS 2013 41 創価大学様 新総合教育棟 2013年3月 施工 完成図 創価大学ホームページより 2013/12/10 Copyright LSS 2013 42 創価大学様 新総合教育棟 2013/12/10 Copyright LSS 2013 2013年3月 施工 43 PDCE-Magnum 使用例 「サッカー場」 2013.6月設置 新潟県刈羽郡刈羽村大字刈羽4286 「ぴあパーク とうりんぼ」 2013/12/10 Copyright LSS 2013 44 新潟県刈羽郡 「刈羽ぴあパークサッカー場」 2013/12/10 Copyright LSS 2013 45 新潟県刈羽郡 「刈羽ぴあパークサッカー場」 2013/12/10 Copyright LSS 2013 46 新潟県刈羽郡 「刈羽ぴあパークサッカー場」 2013/12/10 Copyright LSS 2013 Magnum 3台を御利用 47 福島県須賀川 工場の屋根の太陽光パネル保護 2013年3月 施工 2013/12/10 Copyright LSS 2013 48 京丹後市 2013/12/10 某保育所様 Copyright LSS 2013 49 箱根石油様 2013/12/10 2013年2月設置 Copyright LSS 2013 50 屋外イベントでの落雷 その後 コンサートの落雷で死亡 エイベックス子会社など提訴 2013.7.31 12:19 大阪市の長居公園で昨年8月、人気アーティスト「EXILE」らが出演する野外コンサート「a-nation」に訪れ た客2人が落雷で死亡した事故で、北九州市の女性=当時(22)=の両親が30日、イベント運営会社「エイ ベックス・ライヴ・クリエイティヴ」(東京)など2社に計約8200万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こ した。両親は、避難誘導などの安全対策を怠ったと訴えている。 原告の代理人弁護士によると、屋外イベントの落雷事故で主催者側の安全責任を問う訴訟は初。 訴えたのは、亡くなった会社員、岩永牧子さんの父、浩美さん(51)と母、和子さん(53)。同社は音楽・映像 事業などを手がける「エイベックス・グループ・ホールディングス」の子会社で、被告側のもう1社は「キョードー 大阪」(大阪市)。 訴状によると、岩永さんは昨年8月18日午後2時すぎごろ、開演前に長居公園内の木の近くで友人とともに 落雷に遭い、翌19日に死亡。友人も亡くなった。 原告側は、2社に来場者の安全を確保する義務があったと主張。「前日から雷注意報が出ており、落雷事故 を予測できたのに対応をとらず、来場者を早期に安全な場所に誘導することもしなかった」などとしている。 エイベックス・グループ・ホールディングスは「訴状が届いていないのでコメントできない」、キョードー大阪は 「当社は主催者ではないのでコメントを控える」としている。 2013/10/7 Copyright LSS 2013 51 期間レンタル 東京ビッグサイト 2013/10/7 Copyright LSS 2013 コミケット (1) 52 期間レンタル 東京ビッグサイト 2013/10/7 Copyright LSS 2013 コミケット (2) 53 期間レンタル 東京ビッグサイト コミケット (3) 高さ22m アース線固定 2013/10/7 Copyright LSS 2013 54 期間レンタル 東京ビッグサイト 2013/10/7 Copyright LSS 2013 コミケット (4) 55 コミケット 高所作業車の前でのパフォーマンス 2013/10/7 Copyright LSS 2013 56 期間レンタル 2013/10/7 陸上自衛隊 富士総合火力演習 (1) Copyright LSS 2013 57 期間レンタル 陸上自衛隊 富士総合火力演習 (2) 高さ22m 2013/10/7 Copyright LSS 2013 58 13. 期間レンタル 2013/10/7 陸上自衛隊 富士総合火力演習 Copyright LSS 2013 59 実証実験 青森県 深浦町 通常避雷針との比較 通常避雷針とPDCEへの落雷回数を測定 2013/10/7 Copyright LSS 2013 60 この資料の内容につきましては下記にご連絡下さい。 株式会社 落雷抑制システムズ 横浜市中区山下町24番地8 松本敏男 電話 045-264-4110 [email protected] http://www.rakurai-yokusei.jp 【落雷抑制システムズ】 で検索 Gooブログ【雷ブログ】 毎日更新中です 2013/12/10 Copyright LSS 2013 61