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宇 治 武 田 病 院

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宇 治 武 田 病 院
医学フォーラム
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<病 院 だ よ り>
宇 治 武 田 病 院
院長
勝 見 泰 和
当院は,平成 14年 4月に経営母体がユニチカ
から武田病院グループに変わり,ユニチカ中央
病院から宇治武田病院に名称が変わりました.
また,旧病院の老朽化に伴い,平成 19年 4月 1
日に新病院へ移転しました.
前回の病院だより時点(平成 19年)と現在
の比較ですが,診療科が 20から 24
(内科・神
経 内 科・消 化 器 科・循 環 器 科・小 児 科・外
科・肛門科・脳神経外科・整形外科・眼科・
耳鼻咽喉科・アレルギー科・リウマチ科・放
射線科・歯科・歯科口腔外科・リハビリテー
ション科・皮膚科・麻酔科・泌尿器科に形成
外科・腎臓内科・糖尿病内科・内分泌内科が
加わりました)に,常勤医師数が 25名から 39
名に,看護師数が 115名から 149名に,コメディ
カルが 65名から 73名に増加しました.
〒611
‐0021京都府宇治市宇治里尻 3626
診療科・職員の充実を図り,以下の 5つのコ
ンセプトを基本にして,地域に安心の医療を提
供出来るよう,努力しております.
1.質の高い医療を提供する
2.患者様に満足を提供する
3.院内の環境を高める
4.地球にやさしい環境づくり
5.地域とともに進む
質の高い医療を提供する
より多くの急性期患者さんの入院に対応出来
るよう,平成 22年 8月に回復期リハビリテー
ション病棟を一般急性期病棟へ変更しました.
広大なリハビリテーションルームでは,主に急
性期のリハビリを行っております.
また,近畿圏内で初めて導入された“トモセ
医学フォーラム
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ラピー”は,現在,年間患者数 176人・延患者
数 4700件の治療を行っております.内訳は,前
立腺癌 90
・肺癌 21
・乳癌 11
・子宮頸癌 7
・大腸
癌5
・食道癌 5
・膀胱癌 5件などです.前立腺癌
等に対する治癒目的の治療だけでは,骨転移の
痛みの除去など,患者さんの QOLの向上に役立
つよう努力しております.
中宇治地区で初めて設置された透析センター
は,16の透析ベットと 14のリクライニング
チェア形式の新型透析ベットを導入しておりま
した.耐圧分散マットの導入や液晶テレビの設
置を行い,患者さんが心地よくゆったりと落ち
着いた雰囲気で治療が受けられるように工夫し
ております.現在は,45ベットで,約 90人の患
者さんの透析を行っております.
患者さんに満足を提供する
患者さん一人あたりの病室面積を 8.
2m2に拡
大し,個室風の 4人部屋でも全てのベットに窓
を設け自然光を取り入れるようにしました.
屋上庭園の設置
当院の 5階・6階に写真のような屋上庭園を
設置しました.四季それぞれに草花が咲き,患
者さんの癒しの空間となっております.
図書室の設置
当院の 6階の一室を図書館にしております.
医学書のみならず,文学書・文庫本・雑誌など
を備えており,入院患者さんには,好評を得て
おります.また,今年の春から,外来の待合室
には,
“なでしこ文庫”と称して,職員から集め
た単行本・文庫本・雑誌などを設置しており,
外来受診の待ち時間に利用していただいており
ます.
べーカリーショップの設立
1階フロアーにベーカリーショップ・コンビ
ニエンスストアを設置しております.ベーカ
リーでは,その日の朝にその場で焼いたパンを
提供しております.主に外来患者さんの待ち時
間や受診後にご利用いただいております.私も
毎朝,駐車場から病院に入るとパンの焼ける良
い香りがして,ゆったりとした気持ちで出勤し
ております.また,コンビニエンスストアに
は,お弁当や飲み物だけでなく,入院患者さん
の日常に必要な物品も備えており,患者さんの
アメニティーの向上に役立つよう努めておりま
す.ただ,ベーカリーが,健診センター・内視
鏡室の近くにあり,絶食で来院されている患者
さんには,空腹感を助長し,申し訳ないのです
が.
快適な院内環境をつくる
外来ゾーンでは,患者さんと職員の動線を完
全に分離した設計を用いております.
また,手術室などでは,清潔・不潔が交差し
ない動線運用を行っており,院内感染の防止対
策としての効果が見込まれています.さらに,
空気感染防止のための細菌を室外に出さない陰
圧室を各病棟に 1室設置し,また,クリーンルー
ムを 2室設置し,運用しております.
医学フォーラム
地球にやさしい環境づくり
先ほども書きましたが,屋上庭園を設置する
などして,敷地全体の 30%を緑地化する事で,
ヒートアイランド現象の軽減に努めておりま
す.
また,ガスコージェネレーションシステムを
導入しております.ガスコージェネレーション
システムとは,ガスを使って電気と熱を取り出
し,利用するシステムです.ガスで発熱すると
同時に,排熱を給湯や空調,蒸気などの形で有
効に活用するのでムダがありません.また,耐
震性のある中圧ガス配管を利用しているため,
震災時は,どの非常用発電機としても利用可能
です.
地域とともに歩む
外来のエントランスホールには,大規模災害
発生時に広大な医療活動ゾーンとしての役目を
はたせるように,医療用酸素や吸引などの緊急
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対応可能なガス配管を整備しました.また,井
戸水や耐震性の高いガスコジェネレーションシ
ステムの利用も含め,災害時の拠点施設として
の機能を担う事を想定しております.
また,地域の病院・診療所の先生方との連携
を密にし,病病・病診連携のネットワークを構
築しております.医科 153名・歯科 57名と計
200名を超える先生方に開放型登録を戴いてお
り,開放型病床の利用率は,107.
3%でした.
お
わ
り
に
平成 21年 2月には,日本病院機能評価をと
り,来年度にはその更新・審査を迎えます.
今後とも,府立医大の関連病院として,診療
所の先生や病院の先生方との連携を密にし,地
域の医療ネットワークを構築する事で,患者さ
んの病気の継続治療・社会復帰が円滑にいくよ
う職員一同努力していきますので,今後ともよ
ろしくお願いいたします.
(文責:副院長 宮嶋敬)
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