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障害福祉サービス(生活介護)
1/3 総 調査事案名 省庁名 調査対象 予 算 額 (20)障害福祉サービス(生活介護) 厚生労働省 組織 括 厚生労働本省 調 査 票 平成 27 年度:947,536 百万円の内数 (参考:平成 28 年度:984,959 百万円の内数) 会計 一般会計 調査主体 共同 取りまとめ財務局 (関東財務局) ①調査事案の概要 ○ 障害福祉サービスとは、障害者総合支援法(平成 17 年法律第 123 号)に基づき、市町村が支弁する自立支援給付費の支給に要する費用の一部を負担するこ とにより、障害者の福祉の増進を図ることを目的とするもの。このうち生活介護は、障害者支援施設等において、入浴、排せつ及び食事等の介護、創作的活 動又は生産活動の機会の提供等の必要な便宜を供与するものである。 ○ 対 象 者:障害支援区分 3 以上の者等(身体障害、知的障害、精神障害、難病、障害児) ○ サービス内容:身体介護(入浴、排せつ及び食事等の介護)、創作的活動(造形、絵画、園芸等)、生産活動(事業所内での軽作業等)の機会の提供 ○ 実 施 主 体:市町村 ○ 負 担 率:国 1/2、都道府県 1/4、市町村 1/4 【生活介護の現状及び利用者の現状】(出典:国保連データ) ○ 生活介護の総費用額は 6,191 億円(26 年度)、利用者数は 25.8 万人(26 年度月平均)、一人当たり月額費用は 20.2 万円(27 年 12 月)となっている。これ は障害福祉サービス全体の中で、総費用額の約 4 割、利用者数の約 3 割を占めている。また、一人当たり日額費用で比較したところ、日中活動系のサービス 中、単価が最も高額となっている。 ○ 生活介護の報酬は、一日を単位とした支払いとなっているが、営業時間が 6 時間未満の場合に報酬を減算する「開所時間減算」制度が設けられている。 障害福祉サービス総費用額の推移 利用者数(月平均)の推移 サービス種類 一人当たり費用額(日額) 生活介護 10,482 短期入所 9,588 療養介護 8,399 自立訓練(生活訓練) 7,729 就労移行支援 9,601 就労継続支援(B 型) 6,960 (注)国保連データ(27 年 12 月)を基に作成 2/3 総 調査事案名 括 調 査 票 (20)障害福祉サービス(生活介護) ②調査の視点 1.生活介護に対す る基本報酬は、事 業所の開所時間 に応じて減算さ れることとなっ ているが、サービ スの利用時間な ど、その利用・提 供実態を十分踏 まえたものとな っているか。 2.通所のための送 迎について、基本 報酬に含まれて いるとされるが、 送迎の実態を踏 まえたものとな っているか。 ③調査結果及びその分析 1.サービスの利用・提供実態について サービスの利用・提供実態について、事業所の通所、入所の別、開所時間減算(以下「減算」という。)の有無の別に利用時間な どを調査した。 (1)利用者のサービス利用実態について 営業時間が 6 時間以上であり減算の対象となっていない通所事業所のサービス利用者のうち、6 時間以下(15 分未満切り捨 て、以下同じ。)の利用にとどまっている者が約 5 割となっている。 基本報酬は 1 日単位での利用が 想定されており、全体としては 6 時 間超の利用が約 7 割となっている が、通所施設のサービス利用者につ いては 6 時間以下の利用が約 5 割と なっている。 営業時間に応じた減算制度はあ るものの、利用時間等の実態を勘案 した報酬とすることの是非を検討 すべきではないか。 (2)事業所のサービス提供実態について (1)と同様、営業時間が 6 時間以上であり減算の対象となっていない通所事業所において、サービスの平均利用時間が 6 時間 以下の事業所が約 5 割となっており、また、5 時間以下の利用が全体の 3 割を超える事業所が 641 事業所あった。 減算の対象となっていない事業所においても、6 時間以下のサービ ス利用が一定割合を占めている事業所がある。このような事業所が、例 えば 8 時間サービス提供を行っている事業所と同額の報酬を得ること について、利用実態に合わせた見直しを行うべきではないか。 3/3 総 調査事案名 括 調 査 票 (20)障害福祉サービス(生活介護) ③調査結果及びその分析 2.送迎の実態について 送迎の実態について、実際に送迎を利用している者の割合や、共同生活援助(以下「グループホーム」という。) との併設状況などを調査した。 (1)送迎の状況について 基本的な送迎は、基本報酬に含まれているが、一定数以上の利用者が利用する送迎を実施している場合、 「送迎加算」制度が設けられている。調査対象事業所のうち、送迎を実施している事業所は約 8 割であった が、利用者のうち送迎を利用している者は全体の 4 割を下回っていた。 6 割を超える利用者が送迎を利用しておらず、基本報酬に含まれているとされている基本的な送迎を送迎 加算なしで実施している事業所が約 1 割にとどまる実態を考慮すると、見直しを検討すべきではないか。 (2)グループホームとの併設状況について 全国の登録簿を調査したところ、生活介護事業所のうち、グループホームと同一住所にある事業所が 392 事業所あった。 また、事業所に対してアンケート調査を実施したところ、同じ建物で双方のサービスを提供している事業 所が 84 あり、そのうち 66 事業所が送迎加算対象の事業所であった。 同じ建物内に住まいの場とサービス提供の場がある場合には、送迎の実態を踏まえて、報酬の在り方の見 直しが必要ではないか。 ④今後の改善点・検討の方向性 1.短時間利用の実態を踏まえ、開 所時間減算の在り方等について、 利用時間も勘案して見直すべき ではないか。 特に、通所サービス利用者は、 6 時間以下の利用が約半数となっ ていることから、利用実態に合わ せた見直しを行うべきではない か。 2.「基本的な送迎」は基本報酬に 含まれていることを前提として、 利用実態を考慮し、これに係る報 酬の在り方の見直しを検討すべ きである。 また、同じ建物内で生活介護と グループホームが提供されてい るような場合には、送迎の実態を 踏まえ、報酬の在り方を見直すべ きではないか。