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第7章 観光意識調査及び認知度調査に見る本市観光の現状
第7章 観光意識調査及び認知度調査に見る本市観光の現状 1.富士市民を対象とした観光意識調査の結果と分析 本市では、 「計画」の検証と見直しの参考にするため、平成21年6月に市民を対象に世 論調査を実施し「富士市の観光」についての市民意識を調査しました。その概要と回答か ら探った課題と展望は以下のとおりです。 調査項目 調査の内訳 調査地域 富士市全域 調査対象 富士市在住の満20歳以上80歳未満の男女 標本数 3,000人 抽出方法 住民基本台帳から等間隔無作為抽出 調査方法 郵送調査 調査期間 平成21年6月15日~29日 調査機関 (株)ビデオリサーチ静岡営業所 回収結果 回収内訳 発送数 3,000人(100%) 回収数 1,857人(61.9%) 有効回収数 1,853人(61.8%) 【主な設問に対する上位の数値】 (1)富士市内で行ったことのある場所(複数回答) 【自然】 ①富士川(79.7%) ②丸火自然公園(74.9%) 上記、両者が圧倒的に高い数値を示しているように、市民の身近な存在であり、誇り ともなっていることがうかがえます。第4位の回答項目に「須津川渓谷」(46.0%)とな っているが、今後は自然環境志向が高まると予想されるだけに、外来者は市民以上に注 目するものと考えられます。 【歴史】 ①実相寺(51.7%) ②曽我兄弟ゆかりの地(25.0%) 実相寺が圧倒的に高い数値を表しています。これは歴史的にも由緒ある名刹であり、 今後の展開次第(単に鑑賞のみでなく体験的趣向など)によっては、観光的にもかなり 大きなインパクトが期待でき、本市の観光に不可欠な要素のひとつになると思われます。 曽我兄弟ゆかりの地については、観光的インパクトは弱いと思われます。 【公園施設】 ①岩本山公園(89.9%) ②道の駅富士川楽座(85.5%) ③中央公園(84.2%) ④広見公園(72.7%) ⑤富士川緑地(64.5%) 上記5施設が圧倒的に多く市民のいこいの場になっていることがうかがえます。岩本 山が梅や桜の季節に人気が高いのは市民も外来者も同じであるので、今後のPR次第で は地域イメージ戦略の一環としての活用ができると考えられます。道の駅富士川楽座に ついては、全国的にも高速道路と一般道が交わる異色の道の駅で、富士山眺望の素晴ら しさの利もあり、本市観光の誘致拠点として活用していく必要があると考えます。 【文化芸術】 ①ロゼシアター(90.1%) ②毘沙門天(84.2%) ③富士市立博物館(48.2%) ロゼシアターについては市民の芸術文化の拠点的であり、市民の文化的暮らしに溶け 込んだ施設と推察されます。 毘沙門天大祭は日本三大だるま市にもなっているように、全国区となっているため、 元吉原地区にとっても観光活性化の大きな目玉的資源と考えています。 (2)富士市の特産品として自慢できるもの(複数回答) ①お茶(59.6%) ②しらす(48.0%) ③ゆで落花生(44.0%) ④富士梨(38.5%) ⑤紙製品(36.8%) 上記の特産品は市民に浸透しているものと注目されますが、首都圏でのアンケートで は、お茶以外は認知度が低いのが現状です。観光振興策にとっては、特産品(土産品) とのリンクは重要な要素であり、観光土産品の少ないところは観光的にはインパクトも 弱いだけに、今後、新たな特産品アイテム開発とともに富士市の特産品=○○といわれ るような特産品開発への取組みが重要となると考えられます。 (3)食べたことのある富士市独特の料理・食材(複数回答) ①ゆで落花生(88.4%) ②生しらす(85.8%) 圧倒的に上記2品目が多く、マーケティング次第では全国クラスになる可能性は十分 にあると思われます。ゆで落花生の土産品に、生しらすを活用した丼など、イメージ戦 略とともに食文化がらみの魅力的なツアープログラムの造成で他地域との差別化を図り ながらの展開が必要と考えています。 (4)全国にPRしたい富士市のお祭り・イベント(複数回答) ①毘沙門天大祭(63.3%) ②富士まつり(33.8%) ③吉原祇園祭(32.2%) ④岩本山梅まつり(24.6%) ⑤かりがね祭り(14.7%) ⑥しらす祭り(12.3%) 毘沙門天大祭が他を引き離して高くなっています。これは、伝統的祭事が観光的にも 誇れるものであると市民が認識している証拠であり、今後はPR戦略の強化を図ってい く必要があると考えています。また、吉原祇園祭も本市の由緒ある祭りとして情報発信 強化が必要であると考えます。 他の祭り・イベントについては、展開の異色性と希少性を前面に打ち出すことで情報 発信力は増していくと考えます。 (5)日本最古の物語「竹取物語」発祥の地が富士市であるのを知っています か? ①知っている(78.7%) さすがに、富士市民は良く知っていることをうかがわせます。しかし、設問1の「富 士市内で行ったことがある場所」では、 「行ったことがある」と回答した岩本山公園等5 項目に比べて低い(37.2%)のは、 「知っているがあまり行きたいとは思わない」と感じて いることが原因と考えられます。 現時点での観光的魅力に薄いことを示していますが、全国的に注目を浴び得る素材だ けに、さらなる観光イメージ戦略の構築が必要であると考えています。 (6)富士市の観光振興に必要なものはなんですか?(複数回答) ①富士山の眺望(54.6%) ②交通アクセス(43.1%) ③宿泊施設(40.9%) ④温泉(33.6%) 富士市民は富士山の眺望が一番と感じている方が多いことを表しています。ちなみに、 富士川楽座の売上は全国でも新潟県妙高市の「あらい」に次いで2位となっています。 2つの道の駅は高速道と一般道の双方に接している利便性と、富士川楽座では「富士 山の眺望」が大きなインパクトをもっているのに起因しています。富士市の観光も大い に「眺望向上戦略」を構築する必要があると思われます。 交通アクセスについては、誘客活動に欠かせないことから、今後の整備が求められま す。宿泊、温泉については、いわゆる「ないものねだり」的発想を捨て、まず、できる ところから取組みを図り、ゆくゆく優先順位が向上した際に検討していくべきと考えま す。 (7)自由意見(参考となるコメントの抜粋) ①観光イメージについて ・ ほたるのいる自然、メダカやタナゴのいる自然が復活できれば。 ・ 富士市に住むようになっていいなと思ったことは湧き水がある」 「ゆで落花生が珍しい」 「釜揚げしらすが美味しい」 。 ・ 富士市は水がとても美味しい。紙産業の発達は「水」であるし、「水」は人間にとって 非常に重要。せっかくおいしい「水」がある富士市だから、「水関連の観光振興」がい い。 ・ 富士市に住んで10年近くなるが観光イメージはまったくない。岩本山公園にも花見シ ーズンだけ行く。 ・ 東海道線の駅、新富士駅周辺の整備など富士市の出入り口からの整備が必要。 ・ 昔は富士市=ヘドロの町だったが、その海がすごく綺麗になったとアピールできればと 思う。 ・ 「製紙工場見学ツアー」 「観光地の駐車場の整備」 「特産品を生み出す」がポイント。 ・ 富士山の地下水を使うというPRすれば企業も会社の広告にもなり、相乗効果で雇用創 出・法人税の税収アップにつながる。 ・ 紙の町として、個性のある町、他にない部分をもっているのでアピールの方法を考える べき。 ・ 工場をライトアップした夜景ツアー ・ 観光・食・歴史等の情報を全国に発信する。 ・ 「つけナポリタン」で県外から来る人が多くなった。 ・ 映画やTV番組のロケに協力する「フィルムコミッション活動」に期待する。 ・ 世は環境ブーム、生物多様性について関心も高まっている中、自然を体験できるプログ ラムに力を入れ、子どもが楽しめるところから始める。これは将来性、継続性がある。 ・ 「富士山の眺望」 「美味しい水」 「澄んだ空気」をアピールしたいが、それも林立する煙 突の煙が半減する。 ・ 産業観光・スポーツ観光を推進しているが決めてに欠ける。スポーツ観光については将 来の目標を定めて施設整備・交流アクセス整備が必要。 ・ 静岡空港の開港で増加すると見込まれる外国人向けの富士登山を目指した整備を。 ・ 駿河湾をメインにした海洋関連事業(海洋深層水を利用した食料品、飲料水等)の企画。 ・ 富士山景観による富士市のクリーンイメージづくり。 ・ 富士市の絵図マップ(神社、古木、名産匠など)の作成 ・ 観光に対する市民教育が必要。 ・ 山部赤人、田子浦港のPRに力を入れて欲しい。 ・ 富士市の全国版と言えば、製紙会社とお茶、それに富士山くらい。 ・ 富士山の眺望を利用したもの(岩本山からの景観、富士川楽座等の利用促進) ・ 新富士駅乗降客が富士山が見えなかったとき、 「男前証明書」 「べっぴん証明書」等の発 行は意味がない。 ・ 吉原商店街を何とかしないと駄目。 ・ 富士宮の焼きそばのような食による町おこし(つけナポリタンはそれほど集客を感じな い)がない。 ・ 岩本山から富士山を見ながら宿泊とお茶摘み、みかん狩りなどの体験パック。 ・ せっかくの「水の街富士」 「製紙の街富士」が過去のものとならないように。 ・ 富士市で撮影したドラマをもっと広報すべき。 ・ 写真家たちの心ない行動(よい写真を撮りたいために枝を折ったり、梅の実を取ったり する人がいる)が問題。 ・ カメラのシャッタースポットパンフレットの作成。 ・ 富士市には豊かな自然があるのを生かすべき。 ・ 分かりやすい標識が必要。 ・ 温泉、宿泊施設、富士山(景観)の眺望が必要。 ・ 富士川をもっと観光化に(川沿いに桜の木の植栽、ウォーキング、富士川楽座、物見堂、 温泉) ・ 道の駅の紹介、観る、祭り、湯、食、四季、歴史探訪、鉄道路線、バス路線等をテーマ にガイドブックの作成で全国PRを。 ・ 富士川楽座の活用、夜の工場巡りなど ・ 富士市出身有名人にオファーし盛り上げを図る。 ・ 須津川渓谷を利用した観光、浮島沼を利用した花の植栽。 ・ 海から富士山が見える綺麗な場所が欲しい。 ・ エコを入れた富士市の観光。 ・ 紙にちなんだイベントで全国にアピールできたらと思う。 ・ 自然と景観を大切にし、観光の人たちがまた来たいと思えるような、やさしく美しい町 づくり・人づくりが欲しい。 ・ 観光の目玉は万葉歌人・山部赤人が感激した田子の浦からの優雅な富士山の眺望。 ・ 産業を基とした観光振興の推進。 ・ 曽我兄弟や頼朝にかかわる遺跡、富士川治水、かぐや姫伝説、宿場町等。ビューポイン トとして岩本山や浮島から望む富士山。そこでしか食べられない料理、そこでしか味わ えない、また手に入らない土産品など。また、富士市の特徴を現した「かりがね祭り」 など。 ・ 野間別荘とみかん狩り。 ・ 富士山絶景お勧め30選ガイドマップ作成。 ・ もっと文化振興に目を。 ・ 紙の町であるから、製紙工場見学→道の駅→岩本公園→富士川楽座(昼食)→体験コー ナー(手漉き和紙、クラフト工芸)など1日コースの設定。 ・ 富士山を見ながらの農業体験(お茶摘など) 、漁業体験(しらす漁など) ・ タクシーやバス運転手の観光知識講習会の実施 ②施設整備について ・ 田子浦港公園の早期の完成。 ・ 竹採公園、山部赤人歌碑の充実。 ・ 水の豊富な富士市なので、 「ほたる」が沢山生きられる環境・他の生き物。 ・ 富士川楽座に安い料金で利用できる日帰り温泉を。 (または、富士山を眺望できる温泉・ 宿泊施設を) ・ 富士山と駿河湾を同時に眺望できる温泉・宿泊施設などあれば。 ・ 浮島ヶ原公園や竹採公園をもう少し整備。 ・ 現在の公園のビオトープ・噴水の整備と管理の徹底。 ・ 田子浦港に釣り公園などの設置。 ・ 自転車の周遊コースの設置。 ・ 昭和放水路から沼川の整備。 ・ お茶処新富士の設置。 ・ 田子浦港の整備と富士市の特産品(しらす、新鮮な魚介類)のショッピングセンター、 安く新鮮な物品センターの設置。 ・ 富士川河川敷の整備と駿河湾を利用し港やヨットハーバーを設置する。田子の浦港をも っと深くまで船が入れるようにJR線を高架にする。 ・ 富士宮のように地産地消やオーガニック・有機野菜・環境に配慮した事業がない。「太 陽のカフェ」や沼津にある「我が家の台所」のようなレストランが増えて欲しい。 ・ 東京築地のように見学できる漁港や富士ひのきを使った小物類の体験施設を重視。 ③交通アクセス ・ 富士駅と新富士駅のアクセスの悪さがネック。 ・ 岩本山の梅・桜の季節にはバスが運行しているが利用者が少ない。広見公園など交通の 便が悪い。利用者少なく採算も合わない。 ・ 新富士駅と吉原駅、富士駅との接続を良くする。 ・ 身延線を新富士駅から富士駅まで地下鉄にして結び、アクセスできればと思う。 ・ 吉原・富士・新富士を繋ぐ交通アクセスの大至急の完成で車なしでも行けるようにする。 ロゼ、中央公園、吉原地区等、核となる施設はある。 ・ 新富士駅、富士駅間のスムーズな移動手段(広い道路、バス、モノレール、DMV、歩 道) ・ 海からの交通の便を良くして海の上からの景色をよくする。富士川橋をもう一本多くし、 交通の便をよくする。 ・ 新富士駅を在来線と交差する位置に移動して吉原駅を合わせ、岳南鉄道でフェリー乗り 場まで行けるようにする。 ④特産品について ・ B1グランプリの開催。 ・ B級グルメを全国アピール ・ 全国的に「つけナポリタン」を有名になるように。 ・ 「つけナポリタン」で食のイメージは難しい。 ・ 「つけナポリタン」よりも「しらす」と「梨」で何かできないか。海のある町なので、 美味しい魚、しらす等は買えたり食べられたりする施設があったら。 ・ グルメ戦術、つけナポリタン、ひらひら、かぐや姫弁当など全国に発信。 ・ 全国的に珍しい「ゆで落花生」を富士市のブランド品に。 ・ 新鮮な野菜や果物等の直売所を数箇所に設置を。 ・ しらすや桜海老が食べられるお店がほしい。 ・ 実家への帰省時のお土産に悩み、結局お茶(富士市以外の)とウナギパイに。 ・ 富士市の自慢は生しらすが美味しく食べられること。茹しらすも美味しい。 ⑤お祭り・イベントについて ・ 世界遺産登録に向けての活動(イベント)が必要。 ・ 農業を活性化するイベント(農業体験、自然塾など)の実施。 ・ 富士山とエコ活動を上手に組み合わせたイベントの実施。 ・ 春夏秋冬の富士山を見られるバスツアー・写真のベストポイント歩きイベント。 ・ 伝統的な地祭りの復活(天王祭など) ・ ロゼシアターの有効的な利活用したイベントの実施。 ・ 富士山メッセでのイベントの実施。 ・ 市民参加型のスポーツイベントの実施(自転車レース、マラソンなど) ・ 中央公園での野外オーケストラコンサートなど文化音楽の町に。 ・ スポーツ大会、国際会議の誘致。 ・ 甲子祭など本町商店街の活性化。 ・ 吉原祇園祭の全国PRを。 ・ 50mプールでのウォーターボーイコンテスト・ロゼシアターでの喉自慢コンテスト・ 「私の生き甲斐」テーマの大声大会など。 ・ 季節ごとのウォーキングイベントの誘致。 ⑥かぐや姫について ・ 「かぐや姫発祥の地」は歴史的な裏づけがはっきりしていない。 ・ 「かぐや姫」はあくまでもおとぎ話であって大々的にPRするのは無理がある。 ・ 「かぐや姫」より、史実として有名な「源平富士川の戦い」のPRを。 ・ 「かぐや姫」を元に商品開発を。 ・ 竹採公園は訪れても期待はずれ。 ・ 60年前童謡で「かぐや姫」という歌があった。 2.首都圏在住者による富士市観光認知度調査の結果概要 本市への観光客誘致の主な対象地域は、なんといっても東京を中心とした首都圏住民で あり、首都圏に住む人々が本市に対して、どのような認識を持ち、どのようなイメージを 抱いているのか、また、観光的魅力をどのように作り上げれば首都圏住民が本市に注目し、 興味を持ち訪れてくれるのか、本市の観光施策にとって大きな課題でもあります。 このような狙いのもとに近畿日本ツーリスト(KNT)により実施したのが本調査であ り、今後本市の観光振興の方策構築のための参考にするものであり、以下は、その結果概 要です。 調査項目 調査の内訳 調査地域 東京都内 有楽町、新宿、池袋の㈱KNTツーリスト各店舗 調査対象 KNT店舗を訪れた満20歳以上80歳未満の男女 標本数 150票(男性54、女性96) 調査方法 お客さまへの聞き取り調査 調査期間 平成21年11月14日(土) 調査機関 近畿日本ツーリスト(株)旅行事業創発本部(地域振興担当) 設問1.調査対象とした人の性別 男性:54人(36%) 女性:96人(64%) 設問2.調査対象とした人の年代 20代:50人(33%) 30代:34人(23%) 40代:15人(10%) 50代:15人(10%) 60代:27人(18%) 70代以上:9人(6%) 設問3.調査対象とした人の住まい 東京都内:106人(71%) 東京以外の首都圏:42人(28%) その他:2人(1%) 設問4:富士山で思い浮かぶ周辺市町村はどこですか?(複数回答人数) 4.富士山で思い浮かぶ周辺市町村は? 1.芝川町 42 2.富士宮市 29 3.富士市 13 4.沼津市 5.長泉町 7 6.裾野市 57 7.御殿場市 1 8.小山町 55 9.山中湖村 21 10.忍野村 46 11.富士吉田市 74 12.富士河口湖町 3 13.鳴沢村 1 14.無回答 0 10 20 30 40 50 60 70 80 首都圏住民にとっては、1位:富士河口湖町74人(21%) 、3位:山中湖村 55 人(18%) 、 4位:富士吉田市 46 人(13%)と圧倒的に山梨県内の市町村を思い浮かべる人が多い結果 となっています。 2位の御殿場市57人(16%)にしても、首都圏住民は小田急電鉄で行くことができる ため、神奈川県内のイメージが大半ですが、あえて静岡県内の順位づけをすると、2位: 御殿場市に続いて、5位:富士宮市42人(12%)で、本市は僅か29人(8%)しか思い 浮かべていないという事実は、富士山とセットにした情報発信力が、いかに弱いかを示し ています。 グラフが示すように、首都圏住民にとっての富士山麓のイメージは、静岡県側よりも山 梨県側の方が強い印象を与えているということができます。 このことは、静岡県側が山梨県側に比べて観光資源が乏しいのではなく、これまで観光 情報発信力が不足していたことがあげられます。 ○設問5.富士山周辺でいったことのある市町村は? 1位:富士河口湖町、2位:御殿場市、3位:山中湖村、4位:富士吉田市、 5位:沼津 設問6.あなたにとって富士市のイメージはどのようなものですか?(複数回答人数) 6.あなたにとって富士市のイメージは? 90 1.富士山の眺望が美しいまち 27 2.製紙工場などの産業のまち 35 3.湧水が多く水の美味しいまち 1 4.駿河湾に面した活気ある港まち 7 5.東海道の要衝として栄えた宿場まち 22 6.お茶やしらすなどの特産品のあるまち 1 7.その他 21 8.まったくイメージが湧かない 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 設問4では、本市に対して、あまりイメージが浮かばない地域(第6位)であると回答 しているにもかかわらず、 「富士山の眺望が美しいまち」90人(44%)であると多くの人 が回答しているのは、興味ある結果であるといえます。おそらく、東海道新幹線で一度や 二度、富士市を通過したときの印象が反映しているものと思われます。 第2位の「湧水が多く水の美味しいまち」35人(17%)についても、富士山のイメー ジが、そのまま延長線上でとらえられているからであると思われます。 第3位の「製紙工場などの産業のまち」27人(13%)が、富士山麓のイメージより少 ないということは「製紙工場のまち」に対する認識不足が挙げられます。 「お茶やしらすなどの特産品のあるまち」22人(11%)についても、 「お茶やしらすは 静岡県」といった漠然としたとらえ方であって、本市といった限定エリアではとらえてい ないと推察できます。 ○問7.富士市に今まで行ったことがありますか? 「ある」44人(29%) 、 「ない」106人(71%) ○問8.富士市に行った目的はなんですか?(「行った」と回答した人) 1位: 「観光及びレジャー」34人(77%) 2位: 「ビジネス」6人(13%) 3位:「親戚及び友人を訪ねて」2人(4%) 問9.行ったことのある富士市内の観光地(施設)はどこですか?(「行った」と回答した人) 1位: 「まったく行ったことがない」13人(19%) 2位:「富士川」11人(16%) 3位: 「富士川楽座」5人(7%)「富士市博物館」5人(7%) 問10.あなたが知っている富士市の特産品はどれですか?(複数回答人数) 10.あなたが知っている富士市の特産品は? 86 1.お茶 28 2.みかん 8 3.イチゴ 4.キウイフルーツ 5 5.ゆで落花生 3 6.富士梨 7.しらす 17 8.紙製品 17 9.富士ひのき 1 10.フルーツゼリー 11.小まんじゅう 12.その他 52 13.まったく知らない 0 20 40 60 80 100 富士市というよりも静岡県といったとらえ方で回答しているのが、第1位の「お茶」 86人(40%)であると思われます。次に「みかん」28人(13%)、 「しらす」17人(8%) 「紙製品」17人(8%)の順で、 「まったく知らない」52人(24%)もかなり多い結果 となっています。 この数値を見る限り、本市の特産品に対する認識が比較的不足していると言えます。 問11.食べたことのある富士市の料理・食材はどれですか?(複数回答人数) 11.食べたことのある富士市の料理・食材は? 49 1.しらす 12 2.ゆで落花生 3.つけナポリタン 2 4.富士っ米ひらひら 1 5.富士かぐや姫茶漬け 1 6.その他 2 98 7.まったく食べたことが無い 0 20 40 60 80 100 120 「まったく食べたことが無い」98人(59%)が飛びぬけて多い状況です。これは「し らす」49人(30%)や「ゆで落花生」12人(8%)を除くと、ほとんどが食べたこともな いうえに、知られてもいないということだと思われます。 「つけナポリタン」についても、 2人が食べている程度で、昨今、周辺住民に評判となっている割には、未だ首都圏住民に ふ じ こ は浸透していないことがうかがえます。併せて、 「富士っ米ひらひら」や「富士かぐや姫茶 漬け」などのPR戦略も不足していると言えます。 問12.知っている富士市の祭り・イベントはどれですか? 1位: 「まったく知らない」120人(78%) 2位: 「富士川夏まつり」7人(4%) 3位: 「富士まつり」5人(3%) 「毘沙門天祭り」5人(3%) 問13.富士市には「竹取物語」の発祥伝説があるのをご存知ですか? 1位: 「まったく知らない」125人(83%) 2位: 「聞いたことがある」24人(16%) 3位: 「よく知っている」1名(1%) 問14.富士市が今後力を入れて欲しい観光施策はどれですか?(複数回答人数) 14.富士市が今後力を入れて欲しい観光施策は? 63 1.豊かな自然や景観等を生かしたエコ体験観光 2.お茶や果物栽培など農地を生かした農業観光 60 35 3.駿河湾の海を生かした漁業観光 4.製紙や伝統工芸など地場企業を生かした産業観光 19 5.社寺・史跡等を生かした歴史観光 19 9 6.観光文化施設等を整備した文化観光 18 7.タウンウォッチングなどのまち歩き観光 7 8.健康づくりやスポーツ大会誘致などのスポーツ観光 28 9.宿泊施設など観光客受入体制の充実 3 10.その他 17 11.特にない 0 10 20 30 40 50 60 70 1位「豊かな自然や景観等を生かしたエコ体験観光」63人(23%)、2位「お茶や果物 栽培など農地を生かした農業観光」60人(22%)が群を抜いて高い数値を示しています。 このことは、秀峰富士の麓にあり、富士山の恩恵を精一杯受けている自然環境の豊かさ を十分生かした観光への憧れが読み取れます。次いで、 「駿河湾を生かした漁業観光」35 人(13%)にも期待していることもうかがえます。宿泊施設などの充実 28 人(10%)に対 しては受け皿づくりへの注文と受け取れます。製紙産業を中心とした産業観光 19 人(7%) や社寺・史跡を生かした歴史観光 19 人(7%)についての回答が少ないのは、本市に対す る認識不足からきているものと推察できます。 このように見ていくと、富士山の恵みと調和した自然環境に優しい観光振興策に期待を 寄せていることがうかがえます。 【自由意見】 ・ このアンケートで富士市というところを意識しました。これからいろいろ調べて訪れて みたいです。 ・ 外国人なので、日本の国内はまだわからなかったです。 ・ 富士山行って見たいです。鳥取の大山に似てますよね、富士山の形。 ・ 富士山のイメージあまりありませんでした。今後「富士山」や「山中湖」などのイメー ジに「富士市」もついてくるような観光振興をしていただきたいです。 ・ なじみがあまりない市なので、今回、少し興味をもちました。 ・ すいません。富士市がどこにあるか分かりません。きっと、東名高速にあるのでしょう けど。普通、東名には行かないのです。富士市という名前も抽象的過ぎるかな? ・ 富士市はあまり強い印象がなく、わざわざ行こうという気には残念ながらなかなかなり ません。 ・ 富士市と富士宮市と混同していました。焼きそばで有名なのは・・・・と曖昧です。 ・ 富士山イコール富士市というイメージは一般に浸透していないと思う。漢字をみれば思 い浮かぶが、他に強いインパクトがあまりない。多分、食べ物も美味しいと思うので、 他のものをもっと売り出して欲しい。 ・ 遊園地やアウトレットなど、単体のイメージは大きいが、「富士市」の存在を意識した ことはありませんでした。交通の便が良いので、JRとのPRやグルメを主とした飲食 店とのタイアップなどが消費者の意識付けにつながると思います。 ・ 富士山が大好きです。そんな富士山を一日中眺められるなんて憧れです。ご飯も美味し そうだし、空気が綺麗だし、祭りもいっぱいありそうなので、このアンケートを読んだ だけで行きたくなりました。 ・ 農業体験に興味あります。友人も社会人やりながら、農業し、自給自足で生活している 人が多数おります。その人たちは茨城県と都会で生活を満喫しています。メディアでも とりあげられているので、きっと、地元の農家の人たちと・・・とかになれば、集まっ てくる20~30代は多いはずです。 ・ 行ったことがないので、あまりイメージが湧きませんでした。個人的には富士市と富士 宮市がごちゃ混ぜになっています。 ・ 富士山=富士市?という漢字で、山のイメージばかりがあり、申し訳ない感じのアンケ ートになってしまいした。竹取物語発祥伝説、すごく興味あります。 ・ 浜松市に弟が居て、訪れるが、富士市までは行ったことがない。由比に桜えびを食べに 今年バスで行きました。 ・ 富士山の周辺の町はよく行くが具体的な富士市のロケーションが分からない。 ・ 高速道路のサービスエリア(富士川)のあるところなのでしょうか?SAの利用では伺 っておりますが、降りたことがありません。リゾートホテル等あるとさらに利用できる かも・・・。 ・ 富士山として大くくりに関心があるので、具体的にどこの市町村かは注意していない。 富士市の特徴と特産品等を生かした魅力的で楽しめる観光を作り出しほしい。 ・ 富士市に行ってみたいです。 ・ ごめんなさい、あまり知りませんでした。富士山が綺麗に見えるようなので行ってみた いと思います。 ・ 富士山に行ってみたいが、ツアー等があるとうれしい。(知らないだけかもしれません が)一度は行ってみたい県です。 ・ 知らないことの多い土地なので、その土地ならではの美味しい食べ物(名物)があった ら、ぜひ、足と運んでみたい。 ・ せっかく自然豊かなところなので、全国にアピールしてほしい。 ・ 富士市としてはよく知らないので、観光地など自然や特産物をアピールしては? ・ 富士市の場所があまりよく分からなかったので答えることができない部分もありまし た。申し訳ありません。富士山の近くは何度も訪れています。気が付かずに行っていた のかもしれません。 ・ 製紙工場から出る汚水で駿河湾のヘドロが公害問題になっている。環境対策に十分力を 入れるべき。ヘドロというイメージがある。 田子の浦港 田子の浦漁港の生しらす丼