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チーム「ニッポン」マルチサポート事業
資料1 平成22年6月24日 筑 波 大 学 筑波大学における『チーム「ニッポン」マルチサポート事業』 『研究開発プロジェクト』について ■概 要 このたび筑波大学は、文部科学省の『チーム「ニッポン」マルチサポート事業』の 「研究開発プロジェクト」事業実施団体として採択されました。 本プロジェクトでは、筑波大学が幹事校となり、課題に対応できる国内の大学、研 究機関、民間企業と連携して、オールジャパン体制を構築し、トップレベル競技者に 対する高度な支援に必要な研究開発を行います。 ■背 景 スポーツ振興基本計画においては、オリンピックにおけるメダル獲得率が、夏季・ 冬 季 合 わ せ て 3. 5 パ ー セ ン ト と な る こ と を 政 策 目 標 と し て 掲 げ て お り 、 ト ッ プ レ ベ ル 競技者へのトレーニング環境改善及び個々の競技者に応じたきめ細やかな支援充実が 必 要 と し て い ま す 。 平 成 24年 7月 の ロ ン ド ン オ リ ン ピ ッ ク 競 技 大 会 及 び 平 成 26年 2月 の ソチオリンピック冬季競技大会において、我が国が世界の強豪国に競り勝ち、より確 実にメダルを獲得するために、文部科学省では、トップレベル競技者などに対して、 情報の収集、スポーツ医科学、栄養学等の活用、用具・機器・トレーニング方法の開 発などの高度な支援を戦略的・包括的に実施することとしています。 こ の た め 、 こ れ ら の 事 業 を 実 施 す る ポ テ ン シ ャ ル を 有 す る 団 体 の 公 募 を 行 い 、「 研 究開発プロジェクト」の事業実施団体として本学が採択されました。 な お 、「 特 別 支 援 の 実 施 等 」 を 行 う 事 業 実 施 団 体 と し て は 、 独 立 行 政 法 人 日 本 ス ポ ー ツ振興センター(国立スポーツ科学センター)が採択されています。 ■内 容 今回採択された提案は、本学の総合大学としてのポテンシャルとスポーツ科学に関 するこれまでに蓄積されたノウハウ・研究実績を最大限に活用し、研究開発プロジェ ク ト の 実 施 に 関 し 、オ ー ル ジ ャ パ ン 体 制( 別 図 )に よ る マ ル チ サ ポ ー ト ・ シ ス テ ム( 競 技者が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、情報戦略、スポーツ科学・医学・心 理学・生理学・栄養学などの活用、用具・トレーニング機器の開発、トレーニング方 法やコンディショニング方法の開発などの多方面からの専門的かつ高度な支援を総合 的 に 行 う 仕 組 み 。) を 構 築 し 、 研 究 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト を 展 開 す る も の で す 。 具体的な研究開発プロジェクトの例としては、以下のようなものが想定されます。 -1- 研究開発プロジェクトの例 (1) 競 技 に 関 す る 研 究 開 発 日本の競技者が世界水準の大会で高い競技成績を得るには、高い水準にある我が国 の科学研究成果や各種の技術を活用して形態、体力、技術といった競技者の特性を最 大限に引き出せる用器具・ウェアが重要となります。 本プロジェクトでは、日本のトップレベル選手ごとの特性に合うように既存のもの を改良するとともに、より最適なテーラーメイド型の用器具・ウェアを開発します。 これらには、各種シューズ、ラケット、グリップ、オール、ジャケットなどが考えら れます。 (2) ト レ ー ニ ン グ に 関 す る 研 究 開 発 体格的に不利とされる日本人が国際大会で活躍するためには、技術の精度を高める とともに、スピードとパワーといった体力要因を強化することが不可欠です。また、 日本選手だけでなく、各国選手のレースやゲーム中における移動パターンなどの情報 を、そのときの動作をも加味して解析し、それをもとにレースパターンやゲームパタ ーンを戦略的に作成し、それを目標に専門的で高度なトレーニングを行う必要があり ます。そこで、本プロジェクトでは、多くの種目において重要度の高い移動スピード (特に、疾走スピード)強化のためのトレーニング機器及びトレーニング法、体幹部 筋群の筋力とパワーの強化とそのためのトレーニング機器、レースパターンやゲーム パターン構築並びにトレーニングの基礎となる移動体追跡解析技術などの開発を行い ます。 (3) コ ン デ ィ シ ョ ニ ン グ に 関 す る 研 究 開 発 オリンピック等の国際大会、特に海外での大会では、大会前から期間中のコンディ ションがパフォーマンス発揮に極めて重要となります。個人及びチームのパフォーマ ン ス 発 揮 に 最 適 な “ ア ク テ ィ ブ コ ン デ ィ シ ョ ニ ン グ ”、 及 び “ ピ ー キ ン グ ” を テ ー マ に、問題となる諸課題(例:疲労、時差、睡眠、補食摂取、傷病管理、心理ケア、フ ィットネス維持等)についての研究を情報・医・科学面から行い、また大会期間中の リカバリー促進法についての研究開発を行います。 また、国際試合、合宿、遠征先等でのコンディションあるいは疲労に伴う障害状況 をインターネットを利用して、専属のトレーナーや医師のもとに送り、データベース に蓄積された過去の動作映像などを参考に、双方向に通信しながら、診断、アドバイ スを行うシステムを開発します。 -2- ■実施期間 平成22年6月1日∼平成26年3月31日(4年間) ■事業規模 8億円程度/年 ■今後の展開 文部科学省に設置されている「アドバイザリーボード」により、今後決定される本 プロジェクトの事業戦略及びターゲット種目を受け、更に詳細な研究開発計画を策定 するとともに、それらを展開する上で必要なオールジャパン体制を整備し、プロジェ クトを推進します。 -3- - 『チーム「ニッポン」マルチ・サポート事業』の運営体制 - 文部科学省 チーム「ニッポン」マルチサポート事業アドバイザリーボード B 研究開発プロジェクト A 特別支援の実施等 事業推進委員会 【複数受託者の場合】 具体的な研究開発の企画立案 学外連携機関(予定) オールジャパン体制により、トップレベル競技者に対する高度な支援に必要な研究開発を展開 大 学 学 長 企 業 スポーツ関連企業、情報関連 企業 など 研究機関・団体等 国立スポーツ科学センター、 JOC及び加盟競技団体、 NTC など 学内連携組織 人間総合科学研究科、数理物質 科学研究科、システム情報工学 研究科 など 筑波大学・スポーツResearch&Developmentコア 運営統括責任者 アドバイザリーボード、事業推進委員会の意見を踏まえ、 研究チーム・計画、予算など資源配分の決定 共同研究の 実施 運営統轄責 任者が参画 相互連携・協力 共同研究開発プロジェクトチーム プロジェクト支援室 グループ長、共同機関担当者等で構成 コーディネーター、事務スタッフ等 共同研究、調査研究等の実施 資金管理、契約業務などの事務的支援 2010 2011 2012 2013 (1)競技に関する研究開発(テーラーメイド型あるいはウォータースポーツ用器具、低抗ウェア、スケート靴など) (2) トレーニングに関する研究開発(トーイングマシン、体幹筋群トレーニング機器、移動体追跡解析など) (3)コンディショニングに関する研究開発(コンディショニングの維持法、リカバリー促進法、リモート診断システム) 学内外の機関等との連携体制の構築により、競技横断的課題も含め、マルチな研究開発を実現