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歩行支援機における転倒防止制御技術の開発

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歩行支援機における転倒防止制御技術の開発
平成 16 年度
卒業論文
歩行支援機における転倒防止制御技術の開発
(A Study on a Fall Prevention Control Technology
in a Walking Support Machine)
指導教員
井上喜雄 教授
芝田京子 講師
高知工科大学 知能機械システム工学科
1050173 松下準
1
目次
1章
緒言 ............................................................................................................................ 3
1.1
研究背景 ................................................................................................................... 3
1.2
従来の歩行訓練 ........................................................................................................ 4
1.3 本研究の目的 ............................................................................................................ 5
1.4 本論文の構成 ............................................................................................................ 5
2章
2.1
解析手法 ..................................................................................................................... 1
転倒防止方法............................................................................................................ 1
2.2 転倒状況を3次元動作解析カメラで解析 ................................................................. 1
2.3 シミュレーション上で転倒防止を再現..................................................................... 1
3章
3.1
解析結果・考察........................................................................................................... 2
3次元動作解析カメラの解析結果 ........................................................................... 2
3.2 MSC.visualNastran4D による人体モデルの作成及び転倒の再現........................... 5
3.3 ばね,ダンパを用いた転倒防止のシミュレーション結果 ........................................ 7
4章
現在の歩行支援機の製作状況 ................................................................................... 11
4.1 部品の選定.............................................................................................................. 13
4.2 制御盤関係.............................................................................................................. 17
4.3 フレームの設計 ...................................................................................................... 19
5章
結言 .......................................................................................................................... 24
謝辞................................................................................................................................. 25
参考文献.......................................................................................................................... 26
付録 1 ばね定数変更による転倒防止結果..................................................................... 27
付録 2 転倒の衝撃を緩和させるための減衰係数の検討 ............................................... 29
付録 3 購入部品リスト ................................................................................................. 33
付録 4 AC サーボモータ(三菱電機株式会社製 HC-KFS23BK) .................................... 36
付録 5
減速機(日本電産シンポ製 VRKF-PB-45D-200-三菱電機(株)-HC-KFS23BK)
........................................................................................................................................ 37
2
1章
1.1
緒言
研究背景
国立社会保障・人口問題研究所の調査において,2050 年の夫婦の完結出生児数は 1.72
人,そして 65 歳以上人口割合は 35.7%に達すると発表している.このことは将来深刻な少
子高齢化が進むことを容易に予測させる.
今後の高齢化の推移を「日本の将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所,2002 年
1 月推計)でみると,65 歳以上の高齢者人口及び高齢化率は,平均寿命の伸びや低い出生
率を反映して今後も上昇を続け,2013 年には高齢者人口は 3,000 万人以上になり,高齢化
率は 25 %を超え,国民の約 4 人に1 人が 65 歳以上の高齢者という本格的な高齢社会が
到来するものと見込まれている.また少子化も進んでおり,すでに 65 歳以上の人口は,14
歳以下の年少人口(2002 年には 1,809 万人)を上回っている.さらに,高齢化は全国的に
進行し,2022 年にはすべての都道府県で 65 歳以上の高齢世帯の割合が 30%以上になり,
高知県・秋田県など7 県では 40%以上と見込まれている.
このような高齢社会の進行により,加齢にともなう筋力や体力の低下,骨折,脳血管障
害などが原因で歩行機能に障害を持つ人々が増えてきている.高齢者が自立した生活を送
るための前提条件としては,日常生活の基本動作である歩行・移動機能が充足されること
が必要であり,歩くことは高齢者にとって肉体的・精神的な健康を保つ上で非常に重要で
ある.また逆に,ひとたび歩行が困難になると,生活の質は著しく低下し,本来の疾患は
重症でないにも関わらず,連鎖反応的にその他の身体的機能も衰える「廃用性症候群」と
して,最終的に寝たきりの状態に結びつく危険性も指摘されている.
しかしこのような歩行障害は比較的初期に適切なリハビリテーションやケアをすること
によって歩行不能を回避し,「寝たきり」状態を予防することは可能です.現在歩行機能に
障害のある患者が歩行リハビリテーションを行う場合には,多くの人手と時間を要する.
一般には理学療法士や看護士らが患者に付き添い,体を支えながら行っているのが現状で
ある.しかし先ほど述べたように高齢化,少子化が進むと歩行リハビリテーションを望む
人は年々増えていき,それをサポートする若年人口は減っていくことになる.このような
状態を改善するために患者がある程度自立して歩行リハビリテーションを行うことを可能
にする歩行支援機の開発が望まれている.
その場合には転倒を防止し安全にリハビリテーションを行える環境が必要である.本研
究では,リハビリテーション中に患者の動きをできるだけ拘束せず,転倒を検知したとき
に吊り上げ機構によりやさしく転倒を支える方法を考える.転倒防止のための制御アルゴ
リズムを開発するためには,転倒現象を十分に把握する必要があるが,実際に転倒の実験
を行うことには危険を伴うので,制御アルゴリズムを開発するために数値シミュレーショ
ンを用いることが有効であると考えられる.そこで,本研究では,人間をマルチボディシ
ステムでモデル化し,シミュレーションにより検討を行った.
3
1.2 従来の歩行訓練
一般的には,術後早期にベッド上における筋力強化訓練から始まる.これは,術後の関
節や筋肉が固くなっている状態を改善し,徐々に筋肉をつけるものである.次にベッド上
で起座,そして車椅子での移動訓練へと進む.これらと平行して傾斜台を用いた起立訓練
を行う.これは,患者を仰臥位の状態から徐々に台を傾斜させ,起立位までもっていくも
のである.そして,平行棒,歩行器,松葉杖による歩行訓練を開始する.
このような段階的訓練は,能力と意欲に合わせて行える利点がある反面,患者の上肢の
力により体を支えて行うものであるため,患者自身の努力と忍耐に負うところが多い.ま
た,平行棒は長さが約 3.6m あり方向転換をするときに非常に困難をともなう.さらに,
歩行器や松葉杖ではいずれも,転倒の危険性がある.そのため,介助者には,患者の支持
という肉体的負担が生じ,彼らの腰痛も大きな問題になっている.
また,プールを用いた水中歩行訓練もおこなわれている.これは水の浮力を利用したも
のであり,足にかかる負担も小さく効果も高いと言われ,高齢者にとっては温泉療法と似
たような感覚があり馴染みのある訓練方法である.しかし,プールの設備のない病院も多
い,医療スタッフも毎日水に入らなければならない,水質等の衛生管理にも費用がかかる
などの理由で実施には適さないことが多い.
そのようなことから,患者に苦痛を与えず,効率的・長期的な訓練支援をし,介助者の
負担軽減を可能にする機器として,患者の体幹を支えたり上から吊るタイプのものが研究
されており,その中のいくつかはすでに実用化されている.
この種の装置は患者の身体支持を訓練装置にゆだねることで,介助者の身体的・時間的
負担を軽減し,訓練時間や回数の効果的な増加が可能になる.さらに,訓練内容の評価や
患者の精神的ケアに専念できるというメリットもある.
4
1.3 本研究の目的
そこで本研究では,以下の3 点を目的として進めてきた.
・通常の歩行時には,患者をできるだけ拘束せず動きに追従させる.
・転倒が発生した場合には早期に安全を確保し,やさしく転倒を防止する.
・実際に歩行支援機の製作を行う.
1.4 本論文の構成
1 章:研究背景および研究目的について述べる.
2 章:MSC.visualNasutran4D を用いた転倒の再現と吊り機構による転倒防止シミュレー
ション解析方法について述べる.
3 章:解析結果と考察について述べる.
4 章:歩行支援機の製作状況について述べる.
5 章:結言と今後について述べる.
5
2章
2.1
解析手法
転倒防止方法
転倒防止法としては,上部からロープで吊上げ,インピーダンス制御により歩行時と転
倒時のパラメータを変化させる方法を用いる.インピーダンス制御とは実際にはばねやダ
ンパは付いていないが,ロープの負荷を変化させることによりばね定数や減衰係数を状況
に応じて変化させる制御法である.すなわち,歩行中の患者には拘束感を与えないように
インピーダンスをほぼゼロに設定し,ロープにはほとんど張力が発生しないように制御す
る.転倒が発生した時には速やかに転倒を検知し,患者を仮想のばねで支持する.これは
あたかも人間が支える場合のようにやさしく支持できるような制御である.
転倒防止のための制御アルゴリズムを開発するためには転倒現象を十分把握する必要が
あるが,実際に転倒の実験を行うことには危険を伴うので,数値シミュレーションを用い
ることが有効であると考えられる.そこで,人体をマルチボディシステムでモデル化し,
数値シミュレーションにより検討を行う.
2.2 転倒状況を3次元動作解析カメラで解析
人体の転倒防止を数値シミュレーション上で再現し,歩行中の患者に極力拘束感を与え
ないように転倒を防止するためには歩行中と転倒の区別を明確に行う必要がある.そのた
め一般的な歩行器を使用している患者を 3 次元動作解析カメラにより動画解析を行いこの
2つの相違点を明らかにする.
解析方法として歩行器を使用して歩行を行っている状態と崩れ落ちの転倒を想定し,比
較及び検討を行った.この解析データによって歩行中から転倒に移り変わる状態をすばや
く検知し,患者をやさしく受け止め安全に転倒を防止する制御法を検討する.
2.3 シミュレーション上で転倒防止を再現
人体を平均的な日本人の身体データを用いて,マルチボディシステムでモデリングし転
倒を再現する.この人体モデルをロープで吊り上げ,インピーダンス制御を用いてやさし
く転倒を防止する.
また 3 次元動作解析カメラの解析結果より転倒をすばやく検知し,人体に極力負荷を与
えずに転倒を防止することを実現する.そのためにインピーダンス制御によるばね定数と
減衰係数を試験的に変化させ,転倒防止のシミュレーション解析の条件を変えて何度か行
い,あたかも人間が支えているかのように転倒を防止することを目指す.
1
3章
3.1
解析結果・考察
3次元動作解析カメラの解析結果
3 次元動作解析カメラの解析結果として平常の歩行時と転倒した場合の上下方向におけ
る変位と加速度を図に示す.
0.1
Displacement(m)
0
-0.1
-0.2
-0.3
-0.4
-0.5
50
100
150
200
250
300
350
Frame(250/s)
図 1 3 次元動作解析カメラによる平常歩行時の上下方向の変位
0.1
Displacement(m)
0
-0.1
-0.2
-0.3
-0.4
-0.5
50
100
150
200
250
300
Frame(250/s)
図 2 3 次元動作解析カメラによる転倒時の変位
2
350
100
Acceleration(m/s 2)
50
0
-50
-100
-150
50
100
150
200
250
300
350
Frame(250/s)
図 3 3 次元動作解析カメラによる平常歩行時の上下方向の加速度
100
Acceleration(m/s2)
50
0
-50
-100
-150
50
100
150
200
250
300
Frame(250/s)
図 4 3 次元動作解析カメラによる転倒時の加速度
3
350
この解析結果より歩行時のロープの変位に比べて転倒時の変位は明らかに大きいことが
わかる.また人体ボディの加速度についても同じことが言える.しかし加速度については 3
次元動作解析カメラのキャリブレーションの誤差が出たのか,値が非常に大きくなってい
る.だが,この二つのグラフを比較すると歩行中には加速度はほとんど 0 付近であるのに
比べ,転倒時では非常に大きな加速度が出ている傾向は把握できる.
したがって転倒であることを検知する閾値として,変位は-0.15m,加速度は以前行われ
た実験のデータ(1)~(2)の資料を参考に-0.5m/s2 とした.この値は,正常な歩行時の変位,加
速度と比べて2倍程度の値として設定した.
4
3.2 MSC.visualNastran4D による人体モデルの作成及び転倒の再現
MSC.visualNastran4D 上でモデリングした人体のモデル概観を図 5 に示す.人間の諸元
としては,身長 170cm,体重 60kg であり,日本の成人男性の平均データを使用した.また
参考資料(3)から人体の比重を考えてできるだけ人体に近いモデリングを行った.人体モデル
を作成するに当たって参考にした資料とその計算結果から出された寸法表を図 6 と表 1 に
表す.今回人体に備わる臓器などの質量は骨格モデルとして定義することとした.下の相
対重量比に日本人平均体重 60kg を掛けたものが,重量である.この相対重量比より,各骨
格モデルの質量を定義した.
図 5 人体モデル
図 6 人体の相対重量比
表,1 身体各部の重量
骨格名
相対重量比[%]
頭部
重量[kg]
7
4.2
上半身(頭部・腕を除く)
43
25.8
上腕
3.6
2.16
前腕
2.2
1.32
手
0.7
0.42
太腿
11.4
6.84
下腿
5.3
3.18
足
1.8
1.08
シミュレーション上ではこの値の小数点以下 2 桁を四捨五入したものを適用した.
5
この人体モデルを用いてシミュレーション上で転倒を再現させる.転倒は患者の力が抜
けて膝から崩れ落ちていく転倒を再現した.転倒条件としては膝に前方向の微小な力を加
え,転倒のきっかけを与えている.図 7 に膝から崩れ落ちる転倒の様子を示す.
転倒防止方法としてボディ上部と吊り上げ部にインピーダンス制御による仮想のばね,
ダンパがついており,吊り上げ部は天井と摩擦 0 の平面上固定ジョイントで拘束されてい
て前後左右に自由に移動する.転倒防止の概観は図 8 に示す.
図 7 転倒の再現
図 8 転倒防止概観
6
3.3 ばね,ダンパを用いた転倒防止のシミュレーション結果
最初に基礎実験として転倒検知後の仮想のばね,減衰については,ばね定数を 10000N/m
に設定し,減衰係数は 0 と設定した.これは 60kg の人体を支えて安定するまでに 0.06m
ばねが伸びることになり,人体ボディにかかる加速度から転倒防止として適度な長さだと
考えたからである.またばね定数を 5000N/m にした場合に比べて振動が安定するまでの時
間が短く,15000N/m と比べると転倒直後の振動数が低いことからばね定数は 10000N/m
とした.図 9 にはばねのみで転倒を防止した場合のばねの変位,図 10 にはロープの張力を
示す.参考として 5000N/m,15000N/m の解析結果は付録 1 に示す.
0.67
0.66
Displacement(m)
0.65
0.64
0.63
0.62
0.61
0.6
0.59
0.58
0.57
0
2
4
6
8
10
8
10
Time(s)
図 9 ばねのみの場合の変位
Tension(N)
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
-50
0
2
4
6
Time(s)
図 10 ばねのみの場合のロープの張力
7
ばねの変位を見ると初期長さ 0.576m から 0.63m に収束している.これは理論通り 0.06m
の変位で安定している.
減衰係数が 0 の場合ではばねの復元力が強いため転倒を防止した後も強い振動が続いて
いた.この振動も高齢者の患者には大きな負担になると考えられる.そのため減衰係数を
適度に与えることによりこの振動を抑えることを考えた.減衰係数を変化させた場合の解
析を何度か行い,最適な値を検討する.これらの解析結果は付録 2 で示す.試行錯誤によ
り,最終的には転倒を検知した直後の減衰係数を 8800Ns/m にし,転倒が安定する頃には
減衰係数を 11000Ns/m に設定している.転倒前は拘束力をゼロとして計算した.
図 11 に変位を閾値とした場合の全体の挙動,図 12 に加速度を閾値とした場合の全体の
挙動を示す.
図 11 変位を閾値とした場合の全体の挙動
図 12 加速度を閾値とした場合の全体の挙動
変位を閾値とした場合と加速度を閾値とした場合の全体の挙動を比較すると,変位に比
べると加速度の方が落下の落ち込みが少なく,視覚的にも人体にかかる衝撃力は低いこと
がわかる
図 13 には変位を閾値とした場合のロープ張力の計算結果を,図 14 に加速度を閾値とし
た場合の結果を示す.
8
400
350
Tension(N)
300
250
200
150
100
50
0
0
1
2
3
4
5
6
Time(s)
図 13 変位を閾値とした場合のロープの張力
400
350
Tension(N)
300
250
200
150
100
50
0
0
1
2
3
4
5
6
Time(s)
図 14 加速度を閾値とした場合のロープの張力
図 13 の解析結果からばねだけの場合に比べてロープにかかる張力は低くなっているこ
とが分かる.また単純な値だけではなく何度も上下に起こっていた振動も少なくなってお
り,図 14 の加速度においては安定する時間が早い.このことから転倒を防止したときに患
者にかかる負荷が小さくなったことが言える.
両者を比較した結果変位の転倒防止に比べて加速度のほうが衝撃力は低い.これは加速
度のほうが転倒したと判断するタイミングが早く,大きい速度が出る前に転倒を受け止め
9
ているからであると考えられる.
このことから患者にとって危険な転倒を防止するのは加速度を検知して転倒を防止する
方法が有効であることがわかった.
10
4章
現在の歩行支援機の製作状況
図 15 は本研究室で以前制作された歩行支援機 2 号機の全体図である.この歩行支援機は
一般的な歩行器を用いて起こりえる 2 つの転倒パターンを防止することが出来る.この転
倒パターンのうち膝から崩れ落ちるパターン 2 の方を防止することに特化した歩行支援機
を製作することが今回の研究目標である.転倒パターンの概略図はそれぞれ図 16 と図 17
に示す.
図 15 歩行支援機 2 号機の全体図
図 16 転倒パターン 1:患者の足が遅れ,転倒に至るパターン
図 17 転倒パターン 2:脚が体重を支えられなくなり,鉛直方向に崩れ落ちるパターン
11
前回の歩行支援機は非常に大きく持ち運び及び実験にはある程度の制約があった.今回
はこの問題を解消するために,転倒防止用の吊り機構を出来るだけコンパクトに設計し,
汎用性を高めることを考えて製作する.
またモータや減速機の性能の関係上,転倒が起こった場合に人体の落下に追従する速度
が出ていなかったという問題点がある.このロープの巻き取り速度に関する検討と対策も
考慮して製作していきたいと思う.
12
4.1 部品の選定
準備段階として制御用のパソコンと各種ボードを購入した.これらの購入リストは付録 3
の表に示す.これらは実装した後,DOS プログラム上でチェックすることによって正常に
動作することを確認した.(4)~ (5)
次に吊り上げ部のモータを選定した.田能らによる実験(2)ではワコー技研の AC サーボモ
ータ(ANR020B),AC サーボドライバ(ABE
Duo-460)を使用していたが,モータの実
験に必要な性能を計算により求めた.
体重 100kg を持ち上げるときのモータのトルクを計算した結果
100[kg]
荷重
ギア比
1/50
巻き取り部分半径
0.05[m]
F=100*9.8 = 980[N]
T=980*1/50*0.05 = 0.98[N*m]
定格トルクは 0.98[N*m]必要だということがわかった.
今回は前回のモータ 2 個に比べ安定性を高めるために 4 個に増やそうと考えた.そこで
定格トルクも半分の 0.49[N*m]で十分であると考えたが,一点に荷重がかかる恐れがある
ので前回と同じ程度の定格トルクが必要だと考えた.
次に人の落下する速度を明らかにするため,実際に健常者により歩行器を用いた転倒実
験を行い,3 次元動作解析カメラで解析し体の落下速度の解析を行った.その結果を図 18
に示し,MSC.visualNastran4D による落下速度の解析結果を図 19 に示す.
13
2
Body velocity (m/s)
1
0
-1
-2
-3
-4
0
100
200
300
400
500
Frame(250/s)
図 18 3次元動画解析における転倒時の速度
1
Body velocity(m/s)
0.5
0
-0.5
-1
-1.5
-2
-2.5
-3
0
0.5
1
1.5
2
Time(s)
図 19 シミュレーション解析結果における転倒時の速度
これらの結果を比較するとシミュレーション結果のグラフのほうのデータが乱れている
が,3 次元動作解析カメラ解析では健常者により故意に転倒実験を行ったために,ある程度
転倒を緩衝した結果このようになったと考えられる.
また最高落下速度にも若干の違いが見られるが,今回参考するデータは転倒を感知する
までの速度が重要になるので,加速度が 500mm/s2 になり転倒であると判断した時点での速
度を図 20 に示す.図 20 は図 19 の円で囲んだ部分の拡大図である.
14
0.2
0
Velocity(m/s)
-0.2
-0.4
-0.6
-0.8
-1
-1.2
-1.4
0
0.05
0.1
0.15
0.2
Time(s)
図 20 転倒状態と判断したときの速度
図 20 の円で囲んだ時点で加速度が 500mm/s2 に達している.
このときの速度は-0.187m/s
であった.
下式の計算は田能らの実験におけるモータと減速機,プーリの直径を用いて計算した結
果である.
モータ回転数
巻き取り部直径
ギア比
2000[rpm]
0.08[m]
1/50
V=2000*1/50*0.08* π=10.05[m/min]
=167.5[mm/s]
この計算結果からモータの速度は 168[mm/s]ほどで,これでは転倒時の人体に追従する
ためには十分な速度ではなかった.またモータの定格回転数,最大回転数ともに 2000[rpm]
であった.これまでのことを踏まえモータを検討した結果,三菱電機の HC-KFS シリーズ
の 23(B)を用いることにした.
この HC-KFS は定格トルク 1.3[N*m]上記で計算した結果の 0.98[N*m]より上なのでト
ルク容量は足りている.定格回転数 3000[rpm],最大回転数 4500[rpm]で田能らにより使
われていたモータの最大速度の 2 倍以上の速度が出る.
15
減速機はモータの規格品でありキーの有無に関係なく両方対応している.今回人体の吊
り上げ用のモータはキー溝があるので,モータはキー付が前提条件である.実際には現在
多くのモータではキーの付いていない割締めが主流である.精度のうえでは大きな違いは
無い.しかし管理の時点できちんと締め付けておかなければ,転倒が起こった場合に患者
に取り返しのきかないダメージを与えることになる.これらの事故を配慮した結果今回は
キー付のモータ,減速機を使用することにした.
今回使用するモータと減速機の詳細な情報は付録 4 に示す.これらの値から最高巻き取
り速度を計算した.
モータ回転数
巻き取り部直径
ギア比
4500[rpm]
0.1[m]
1/45
V=4500*1/45*0.1* π=31.45[m/min]
=523.5[mm/s]
この結果から転倒時を判断したときの速度に比べ 3 倍近くの速度が出ることになる.こ
のモータとギアの組み合わせでは通常の歩行時はもちろん,急な転倒状態でもロープの追
従性は十分であることが分かる.
その他に購入した配線,マークチューブ,端子台など,細かい部品は付録 3 に表で示す.
16
4.2 制御盤関係
制御盤は内部の部品と冷却用のファンの設置する寸法をできるだけコンパクトに設計す
ることが重要である.まず制御盤内部の部品の配置だが,購入した部品のサイズを確認し
試行錯誤して盤内に配置していく.この作業は配置後すぐに視認できるように
Pro/ENGINEER を用いて進めた.できるだけ無駄なスペースを作らず配置していったが,
追加の部品が来ても配置できるように必要な場所ではある程度の余裕を持つことを考えた.
制御盤内の部品の配置は図 21 のようになった.
図 21 制御盤内配置図
このことから制御盤のサイズを縦 600mm 横 700mm に決定した.図 21 ではアンプ等が
4 組配置されているが,これは将来モータを 4 つにするための仮の配置であり今回はモータ,
アンプともに 2 組である.次にこの制御盤内部のエアーフローを考え,ファンの配置を決
めた.サーボアンプ技術資料 (5) にサーボアンプの上 4[in](10.16[cm])に風量 100CFM
(2.8m3/min)のファンを設置,または同等以上の冷却を施す必要があると記載されている
のでこれを目安にファンを選定していった.風量が多くいるのでファンは分散して 4 個つ
けることにした.また制御盤への電源とアンプからパソコンへ行く配線,そしてモータに
つながるケーブルのコネクト穴も Pro/ENGINEER により設計した(6)~ (10).
17
その概観と寸法図を図 22,図 23 に表す.
図 22 制御盤概観
図 23 制御盤寸法図
現在制御盤の中板にドリルでねじ穴を開けアンプ等部品を固定,その後部品同士の配線
をした.
18
4.3 フレームの設計
歩行支援機吊り上げ部のフレームを設計した.仕様として2mまでの身長で体重 100kg
を超える程度の人が吊り上げられる歩行支援機にすることを目標にした.形状は前回の歩
行機を参考にしつつできるだけコンパクトにすることを意識して設計することにした.
形状の 1 つのコンセプトとして研究室にあった歩行器(図 24)をベースに周りを覆うフレ
ーム形状にし,一般的な歩行器がセット可能に出来るように設計した.その後,設定重量
にも耐えられるように Pro/Mechanica で応力解析を行った(12).歩行フレームの全体の概観
を図 25 に解析条件図を図 26 に示す(9).
図 24 設置する歩行器
荷重 1000N
拘束
図 25 Pro/ENGINEER による歩行支援機フレームの概観
図 26 解析条件図
(右)
19
(左)
今回歩行支援機フレームの材料として角パイプを使っているが,角パイプを解析すると
構造が非常に難しくなるため,計算が行えなかった.そのため計算を簡単にするために,
解析するモデルは中実の角柱で解析した(9)~ (11).
両者の解析結果をより近づけるために,角パイプと角柱の断面二次モーメントを計算し,
解析結果が同じになるように角柱の断面を決定した.断面二次モーメントの計算式を図 27
と図 28 に示し,計算結果を下に表す.
図 27 角柱の断面二次モーメント計算式
図 28 角パイプの断面二次モーメント計算式
角パイプの断面は h2=50mm*50mm,h1=43.6*43.6
断面二次モーメントは (504-43.64)/12=219695
この断面二次モーメントと等しくなるように角柱の断面寸法を決めれば理論上解析結果
は等しくなる.
角柱の断面寸法を求めると
h4=219695*12
h=21.64
よって角柱の断面寸法は 22mm*22mm とした.
20
応力解析の条件として実際に人体を吊り下げる部分に 1000N ずつの力を与え,溶接する
部分を拘束し,破断しないか検討した.フレームの材料は一般構造用鋼(SS400)とし降伏点
235MPa,引張り強さを 400MPa とした(11).応力解析の結果を図 29 に,変位の解析結果を
図 30 に示す(12).
図 29 応力解析結果
図 30 変位についての解析結果
応力解析の結果から最大応力は図 29 の赤い部分に集中していることが分かる.しかし応
力の値は 9.244*10=92.44MPa なので,許容応力の値に比べて十分に低い.
また変位については図 30 から吊り上げ部の先端にたわみが起こっていることがわかった
が,その変位はわずか 6.47mm であり 200kg の重量がかかっていることを考えれば,許容
範囲内である.
21
これらの解析結果から実際に加工を依頼した.歩行支援機フレームの完成したものを図
31 に示す.
図 31 完成した歩行支援機フレーム
設計のコンセプト通り上下に分離させることによって,一般的な扉も出入りすることが
でき,エレベータにも乗せることができる.しかし気になるのは支柱の位置である.角パ
イプを加工するのは難しく丸パイプを使うことになったが角 R の関係上,左右に対して若
干の窮屈感がある.
実際に使用したが発進,方向転換に負荷が強いように感じられ,実際に足の不自由な方
には少し扱いづらいと考えられる.しかし研究用として健常者による実験をする分には問
題は無いと思われる.
22
また今回の仕様では,患者にとって危険な上下方向の転倒を防止することを考慮して
作成しているが,実際に歩行リハビリテーションを行う上では前後方向の動きを無視す
ることはできない.
この解決法としてルームランナーと併用してリハビリテーションを行うことにより解
決できないか検討している.図 32,33 は現在検討中である一般的なルームランナーの図
である.
図 32 電動ウォーカー LT-1230
23
図 33 低速トレッドミル 870
5章
結言
歩行中は患者を拘束せず,転倒を検出することによって,やさしく患者を支持できるよ
うな歩行訓練機を開発することを目指し,簡単なマルチボディシステムを用いた数値シミ
ュレーションのモデル化および計算を行った.インピーダンス制御を有効に用いることに
よってロープにかかる張力は低くなっている.また何度も上下に起こっていた振動も少な
くなっており,加速度においては飛躍的に安定する速度が早い.このことから転倒を防止
したときに患者にかかる衝撃力が小さくなったことが言える.
その結果,患者にとって危険な転倒は加速度を検知することによってやさしく転倒防止
することができると確認できた.
現在これまでの条件を満たすことのできる歩行支援機を製作している.今後も患者に重
度な負担がかからず,リハビリテーションの効果が著しい歩行支援機と制御法の研究を行
いたい.
24
謝辞
本研究を行うにあたり御指導してくださった,井上喜雄教授,芝田京子講師に深く感謝
いたします.また本研究を行うに伴い,貴重なアドバイスをいただいた中浜昌夫博士後期
課程,知能機械力学研究室の皆様にもこの場を借りて御礼申し上げます.
25
参考文献
(1)山内
勉
平成 14 年度
(2)田能
寿孝
卒業論文
平成 14 年度
歩行支援機における吊り上げ装置の制御実験
修士論文
下肢支持性欠如に起因する転倒の防止制御の検
討
(3)生命工学工業技術研究所 編 設計のための人体寸法データ集
(4)米山 寿一 著 図解 A/D コンバータ入門 新版
(5)相良
岩男
著
AD/DA 変換回路入門
(6)三菱 AC サーボ
汎用インターフェイス
(7)藤井
信生
よく分かる電気回路
(8)戸田
孝
(9)太田
幹郎
著
ほか共著
著
第2版
サーボアンプ技術資料集
図解制御用小型モータの活用
Pro/ENGINEER の基礎から応用へ:機械系学生・技術者のための 3
次元 CAD(Computer
Aided Geometric
Design)
(10)設計製図研究会
編
(11)西村
ポイントを学ぶ材料力学
尚
編著
新機械設計製図法
(12)矢野健太郎,石原繁共
著
第2版
応用解析(基礎解析学コース)
26
付録 1 ばね定数変更による転倒防止結果
0.77
0.75
Displacement(m)
0.73
0.71
0.69
0.67
0.65
0.63
0.61
0.59
0.57
0
2
4
6
8
10
8
10
Time(s)
図 34 ばね定数 5000N/m 時のロープの変位
500
450
400
Tension(N)
350
300
250
200
150
100
50
0
-50
0
2
4
6
Time(s)
図 35 ばね定数 5000N/m 時のロープの張力
27
0.61
0.605
Displacement(m)
0.6
0.595
0.59
0.585
0.58
0.575
0.57
0
2
4
6
8
10
Time(s)
図 36 ばね定数 15000N/m 時のロープの変位
Tension(N)
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
-50
0
2
4
6
8
Time(s)
図 37 ばね定数 15000N/m 時のロープの張力
28
10
付録 2 転倒の衝撃を緩和させるための減衰係数の検討
ばね定数は 10000N/m で固定
0.64
Displacement(m)
0.63
0.62
0.61
0.6
0.59
0.58
0.57
0
2
4
6
8
10
Time(s)
図 38 減衰係数 1000s/m 時のロープの変位
350
300
Tension(N)
250
200
150
100
50
0
-50
0
2
4
6
8
Time(s)
図 39 減衰係数 1000Ns/m 時のロープの張力
29
10
0.64
Displacement(m)
0.63
0.62
0.61
0.6
0.59
0.58
0.57
0
2
4
6
8
10
Time(s)
図 40 減衰係数 5000Ns/m 時のロープの変位
350
300
Tension(N)
250
200
150
100
50
0
-50
0
2
4
6
8
Time(s)
図 41 減衰係数 5000Ns/m 時のロープの張力
30
10
0.64
Displacement(m)
0.63
0.62
0.61
0.6
0.59
0.58
0.57
0
2
4
6
8
10
Time(s)
図 42 減衰係数 10000Ns/m 時のロープの変位
350
300
Tension(N)
250
200
150
100
50
0
-50
0
2
4
6
8
Time(s)
図 43 減衰係数 10000Ns/m 時のロープの張力
31
10
0.64
Displacement(m)
0.63
0.62
0.61
0.6
0.59
0.58
0.57
0
2
4
6
8
10
Time(s)
図 44 減衰係数 15000Ns/m 時のロープの変位
300
250
Tension(N)
200
150
100
50
0
-50
0
2
4
6
8
Time(s)
図 45 減衰係数 15000Ns/m 時のロープの張力
32
10
付録 3 購入部品リスト
部品(名称)
型名
CPU
CELERON2.0GW/FAN-478
マザーボード
P4G800-V/AUDIO/LAN
メモリ
PC2700-256M/CL2.5
IDE ハードディスク 3.5 インチ
ST380011A/72R/2M
フロッピードライブ
FD235HG
ケース
H60/400W
CD/DVD ドライブ
CD-RW552G/B'S/52X32X5
AD ボード(非絶縁多チャンネルアナ
ログ入力ボード)
DA ボード(非絶縁多チャンネルアナ
ログ出力ボード)
PIO ボード(高速絶縁型デジタル入
出力ボード)
カウンタボード(24 ビット差動入力対
応アップダウンカウンタボード)
AD12-64(PCI)
DA12-16(PCI)
PIO-32/32F(PCI)
CNT24-4D(PCI)
CardBus 対応シリアル通信カード
RS-232C 4ch COM-4(CB)H
96ピンシールドケーブル
PCB96PS-1.5(1.5m)
37ピンシールケーブル
PCB37PS-1.5(1.5m)
サーボモーター ブレーキ付
HC-KFS 23(B)
サーボアンプ
MR-J2S-20A
アンプ用バッテリー
MR-BAT
電磁用コネクタセット(電磁ブレーキ
付用)
MR-PWCNK2
エンコータケーブル 2m
MR-JCCBL2M-L
中継端子台
MR-TB20
中継端子台ケーブル
MR-J2TBL05M
保守用中継カード
MR-J2CN3TM
保守用中継カードケーブル
MR-J2HBUS05M
回生オプション
FR-RB032
力率改善リアクトル(AC リアクトル)
FR-BAL-0.4K
ラジオノイズフィルタ
FR-BIF
33
セットアップソフト
MRZJW3-SETUP161
パソコン通信ケーブル
MR-CPCATCBL3M
電気接触器
S-N10(CX) AC100V
ノーヒューズ
NV30-KC2P
サーキットプロテクタ
CP-HU-2P-1-MD-5A
CP-HU-1P-1-MD-3A
CP-HU-1P-1-MD-2A
CP-HU-1P-1-MD-1A
減速機
VRKF-PB-45D-200-三菱電機(株)-HC-KFS23BK
サーボモータ ブレーキ&キー付
HC-KFS23BK
ソリッドステートリレー
G3PA-220B-VD DC5-24
ノイズフィルタ
ZAC2215-00U
パワーサプライ
PS3N-F24A1CN
プロペラファン
T-MDS1451-24S-G
制御盤加工
RA30-67 タイプ相当品(穴加工)
歩行支援機本体フレーム
歩行支援機 加工部品
PCR ハーフピッチハーネスコウ EMI
EPCR-P96-1
S-VCTF
S-VCTF-2-3-3
DSUB ハーネス
NEDJ-P-B-37-1.0
PCR コネクタ(ソケット)
PCR-E96FS
EMID-SUB コネクタ ハンダ
DC-37SF-N
ハーフピッチコネクタ レセプタクル
PCS-E96LKPA
EMID-SUB コネクタ アッセン
HDC-CTH
ビニルチューブ
VTUB3.2-W-10
ダクト(盤用)
MD-3L
AC コード国内向け
JP-BI-JPSLK-3
圧着端子(ハダカ Y)
F0.3-3*
小型インレット
ID-1022-S*
34
UK21*DIN レール端子台
UK215
端子台レール
BAA-500
端子台エンドプレート(右)
UK215-A
端子台エンドプレート(左)
UK215-B
端子台留め金具
UKBH2
端子台上カバー
KT25-D
端子台下カバー
KG-D
六角穴付ボルト(M8 ボルト)
CB8-20
六角穴付ボルト(M12 ボルト)
CB12-70
M8 ナット
LBNR8
M12 ナット
LBNR12
ベアリング
BGBKS6204ZZ-50
キャスター
CMGNS 100-R
圧着端子 丸型
03-3*+
圧着端子 丸型
1.25-3.5*+
圧着端子 丸型
2-3.5*+
圧着端子 丸型
2-4*+
配線用電線(白)
KIV-0.75-W-50
配線用電線(黒)
KIV-0.75-BK-50
配線用電線(緑)
KIV-0.75-GN-50
熱収縮チューブ(黒)
SMTA-3-B
熱収縮チューブ(透明)
MITHT-1.0-20P-T
35
付録 4 AC サーボモータ(三菱電機株式会社製 HC-KFS23BK)
サーボモータシリーズ
HC-KFS シリーズ(低慣性・小容量)
サーボモータ型名 HC-KFS
23(B)K
サーボアンプ型名 MR-J2S
20A
電源設備容量
0.5
(kVA)
定格出力容量
200
(W)
定格トルク
0.64
(N・m)
最大トルク
1.9
(N・m)
定格回転速度
3000
(r/min)
最大回転速度
4500
(r/min)
瞬時許容回転速度
5175
(r/min)
連続定格トルク時のパワーレート
9.65
(kW/s)
定格電流
1.1
(A)
最大電流
3.4
(A)
慣性モーメント J
0.47
(*10-4kg・m2)
推奨負荷慣性モーメント比
速度・位置検出器
装備品
サーボモータ慣性モーメントの 15 倍以下
エンコーダ,サーボモータ 1 回転あたりの分解能:
131072p/rev
アブソリュート・インクリメンタル共用 17 ビットエンコーダ
36
付録 5 減速機(日本電産シンポ製 VRKF-PB-45D-200-三菱電機(株)-HC-KFS23BK)
機種
VRKF
減速比
1/45
枠番
D
モータ容量 (W)
200
出力軸回転速度 (rpm)
66
定格入力回転速度 (rpm)
3000
最高入力回転速度 (rpm)
5000
定格出力トルク (N・m)
21.1
瞬間最大出力トルク (N・m)
63.5
許容ラジアル荷重 (N)
2060
許容スラスト荷重 (N)
1030
入力軸換算内部慣性モーメント J (g・cm2)
25.6
許容出力トルク (N・m)
28.3
瞬間最大許容出力トルク (N・m)
85.2
37
Fly UP