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2014年度版 - 名古屋大学太陽地球環境研究所

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2014年度版 - 名古屋大学太陽地球環境研究所
名古屋大学
太 陽 地 球環境研究所
年 報
2014年度
(平成2 6 年度版)
Solar -Terrestrial Environment Laboratory
Nagoya University
目
次
1
1. 研究活動報告
大気圏環境(第1部門)/電磁気圏環境(第2部門)/太陽圏環境(第3部門)/総合
解析(第4部門)
ジオスペース研究センター
2.
33
センターの定常的事業/プロジェクト/母子里観測所/陸別観測所/富士観
測所、菅平観測施設、木曽観測施設/鹿児島観測所
3. 研究成果の発表
51
3.1
研究論文等
著書/論文
51
3.2
学会・研究会等での発表
国際研究集会/国内学会/研究会等
74
81
組織・職員
4.
組織図/職員名簿
運
5.
85
営
運営機構図/運営協議会/共同利用委員会/共同利用専門委員会/ジオスペー
ス研究センター運営委員会/総合観測委員会 90
6.
共同利用
共同研究/研究集会/共同利用機器等/共同利用に関する出版/STE研究連絡会/
CAWSES宇宙天気国際協同研究データベース
101
国際交流
7.
7.1 学術交流協定
7.2 国際共同研究
7.3 研究者の交流
101
103
107
8.
教育活動
109
大学院教育/学部教育への協力/環境学研究科での教育/その他の大学での教育/
国際共同研究への学生参加数/学会・研究会等への学生参加状況/フィールド
ワーク大学院生参加状況
9.
研究関連活動
117
計算機・通信ネットワーク/会議・研究会等の開催/出版
10.
委
員 会
121
学内委員会/学外委員会活動
社会との連携
11.
124
研究所一般公開/観測所の一般公開/一般向け講演/報道等/研究所見学/広報活動
12.
資
料
沿革/蔵書/土地・建物/科学研究費補助金および採択状況/研究費 131
はじめに
ここに、2014 年度 (平成 26 年度) の太陽地球環境研究所の活動をまとめた年報を皆様
にお届けします。
当研究所は、宇宙科学と地球科学双方にまたがる太陽地球系科学全域をカバーする唯一
の共同利用・共同研究拠点として、国内外の研究者と連携しながら「太陽地球環境の構造
とダイナミックスに関する研究」を推進しています。当研究所は第 2 期中期目標期間の 2010
年 4 月より 6 年間、太陽地球環境学の共同利用・共同研究拠点として認定されています。
2014 年度の共同利用・共同研究活動としましては、これまでに引き続き 4 つの研究プロ
ジェクト「特異な太陽活動周期における太陽圏 3 次元構造の変遷と粒子加速の研究」
「グロ
ーバル地上・衛星観測に基づく宇宙プラズマ-電離大気-中性大気結合の研究」
「太陽活動
の地球環境への影響の研究」「実証型ジオスペース環境モデリングシステム (GEMSIS):宇
宙嵐に伴う多圏間相互作用と粒子加速の解明にむけて」を中心に活動を展開いたしました。
2014 年度もこれら 4 つのプロジェクトの下、地上ネットワーク観測のさらなる発展を推進
させるための大型共同研究 25 件と、2010 年度より始まった、大型 (重点) 共同研究 1 件を
公募して実施しました。また、それらを含む 165 件の共同利用事業を推進しました。
国際研究集会については、
「第 5 回フェルミシンポジウム」を 2014 年 10 月 20-24 日に当
研究所が中心となって名古屋大学で開催し、海外からの 131 名を含む 191 名の参加があり
ました。同じく当研究所が中心となって、2014 年 11 月 10-14 日の期間、
「国際サブストー
ム会議」を三重県志摩市の伊勢志摩ロイヤルホテルで開催し、海外からの 68 名を含む合計
125 名の研究者の参加がありました。
また、本年度には、International Council for Science (ICSU) 傘下の国際組織 SCOSTEP (国
際太陽地球系物理学・科学委員会) が推進する国際協同研究「太陽活動の変動とその地球へ
の影響 (VarSITI, 2014-2018 年)」を、当研究所が世界および国内の関連研究機関と協力し
て立ち上げました。所内の教員がこのプログラムの国際リーダーを務めており、VarSITI の
国際ニュースレターを当研究所が中心となり発行しています。
2011 年に国立天文台と連携して立ち上げた「ひので」サイエンスセンタープロジェクト
の活動をさらに進め、ひので衛星の太陽活動データと当研究所の持つ太陽風データを統合
した解析が容易にできる環境をコミュニティーに提供しました。また、宇宙航空研究開発
機構 (JAXA) 宇宙科学研究所との協力のもと、宇宙科学連携拠点として ERG サイエンスセ
ンターを 2013 年度に当研究所内に設置しましたが、ERG 衛星科学利用のための研究環境の
整備と全国の研究者に提供するデータ解析ツールの開発を進めました。
さらに、昨年度に引き続き、国立極地研究所、東北大学、京都大学、九州大学と連携し
た大学間連携プロジェクトとして、超高層大気の地上観測網でこれまでに蓄積された観測
データのメタデータ・データベースである IUGONET を構築し、各研究機関に分散している
観測データベースを横断検索できるシステムを整備しました。本データベースにより、様々
な観測データを利用した総合解析が推進できる環境をコミュニティーに提供しました。
2009 年に 6 ヶ年計画でスタートした大学間連携プロジェクトとしての最終年度を迎えまし
たが、この有益なシステムをさらに普及させるべく今後も活動を継続してまいります。
計算機共同利用関係については、当研究所はスーパーコンピュータを用いた高速で高度
な数値計算環境をコミュニティーに提供しています。名古屋大学情報基盤センターと連携
して名古屋大学 HPC 計算科学連携研究プロジェクトを 2010 年度より立ち上げ、2014 年度
は全国から研究提案を公募し、12 件の共同利用を実施しています。計算機共同利用の成果
が評価され、日本のスパコンに関する将来計画を作成するために 2012 年度に文科省主導で
作られた組織 HPCI コンソーシアムのユーザーコミュニティー代表会員 (全国で 15 機関)
に選ばれており、2014 年度も継続してコミュニティーの意見を反映した活動を行いました。
当研究所では理学研究科と工学研究科の 2 つの研究科の協力教員として理工連携した大
学院教育を行い、また共同研究も上で示した 4 つの領域横断型のプロジェクトを柱に既存
の枠にとらわれない広い視野を持った若手研究者を育成すべく大学院生教育を展開してい
ます。また、2012 年からは当研究所が中心となって博士課程教育リーディングプログラム
「フロンティア宇宙開拓リーダー養成プログラム」を開始し、国際的リーダーとして活躍
し、宇宙をはじめとする次世代の産業を開拓する能力を持つ人材の育成を行っています。
さらに、日本学術振興会 (JSPS)「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プ
ログラム」 (2014-2016) に採択され、若手研究者の国際派遣が始まっています。
また、学術会議マスタープラン 2014 の重点大型研究計画 27 件の一つおよび文科省の大
型プロジェクトロードマップ 2014 の 10 計画の一つとして、
「太陽地球系結合過程の研究基
盤形成」が採択されています。その中の 3 つの大型装置のうち EISCAT_3D レーダーと全球
観測ネットワークに本研究所が関係しており、それらの機器の予算化と共同利用機器への
提供の可能性を検討しています。
学内外の関連コミュニティーから選出された運営協議会を開催し、研究所の運営方針や
人事計画等の重要事項については必ず諮り、コミュニティーの意見を取り入れてきました。
また、外部評価が 2013-2014 年度に行われましたが、その委員会における今後の指針とし
て、地球を閉じた地球システムとして捉えるのではなく宇宙に開かれたシステムとして捉
え、重点的に取り組む研究課題を選定すべきであるとの提言をいただきました。さらに、
従来の部門制を見直して研究課題ごとに柔軟な体制で取り組むため、また、現在の研究所
では人的資源が限られているので、学内外の研究組織との連携組織の構築を目指すべきで
ある。学内に関しては当研究所と関係が深い地球水循環研究センターおよび年代測定総合
研究センターがあり、それらとの統合が実現すれば研究の体制が整い、太陽地球システム
の研究が格段に進歩することが期待できるという提言も頂戴しました。現在、それを受け
た組織統合の動きが急速に進みつつあります。
本年報は 2014 年度 (平成 26 年度) の研究所の研究・教育活動、共同利用・共同研究事業、
そのための運営に関わる委員会活動等を記録したもので、自己点検の役割も持っています。
研究所の活動の全容と現状を知って頂ければ幸いです。
2015 年 5 月
所長
町田
忍
1. 研究活動報告
1. 研究活動報告
大気圏環境(第1部門)
現在の地球の安定した大気環境は、生物の発生とともに進化をとげ、太陽系の他の惑星とは大き
く組成が異なっている。しかし近年、人類の基本的活動によって放出される微量分子ガスが、この
かけがえのない地球大気のバランスを揺るがし、地球温暖化、オゾン層破壊といった問題を引き起
こし始めている。大気圏環境部門では新しい計測装置や実験システムを自分達の手で開発し、室内
実験およびフィールドでのリモート計測を展開し、こうした地球大気の諸現象と密接にリンクする
大気微量分子成分の変動や輸送、大気化学反応の素過程、エアロゾルの組成や影響などの詳細理解
を目指し研究に取り組んでいる。
1. 成層圏・中間圏大気環境に関する観測的研究
(1) 南極昭和基地における中層大気組成変動観測
極域は磁場の構造により地球外から高エネルギー粒子が侵入できる領域であり、その影響による大気
組成変動が最も顕著に表れる領域である。太陽活動期に太陽陽子イベント (SPE) が発生すると 10 MeV
を超える高エネルギー陽子が極域の上部成層圏まで降りこむ。大規模な SPE 時には、高エネルギー陽子
は中間圏-上部成層圏まで到達して窒素分子や酸素分子を電離し、それに引き続くイオン-分子反応に
より窒素酸化物 (NOx), 水素酸化物 (HOx) 等を増加させ、結果としてオゾンを破壊することがこれまで
の衛星観測により報告されていた。衛星観測は広範囲にわたり高エネルギー粒子の降り込みが影響を与
える範囲を描き出すのに適している一方、観測点が周回軌道とともに変化していくため、定点上の時間
変化を刻一刻と追尾するのには適していない。そこで当研究所では国立極地研究所と共同で南極昭和基
地にミリ波分光観測装置を設置して地上からの定点観測を実施する計画をたて、2012 年 1 月より一酸化
窒素 (NO) とオゾンの連続的なモニタリング観測を開始した。ミリ波分光観測装置は大気分子の回転遷移
により放射されるミリ波・サブミリ波帯の電波スペクトルを検出する装置であり、昼夜を問わない連続観
測が可能である。さらに、NO 観測時の最高時間分解能は3 時間で、1 日以内の変動を捉える事ができる。
ミリ波分光観測装置でえられた 2012 年から 2014 年にかけての昭和基地上空の中間圏・下部熱圏の一酸化窒
素 (NO) カラム量の日平均値の時間変動。
1
1.研究活動報告
2013 年度までの研究では、2 年間の観測データをもとに日平均したNO の線スペクトルの解析から高
度約75 kmから約105 kmの中間圏および下部熱圏のNOカラム量の特徴的な時間変動を明らかにした。
一つは南極の冬期=極夜期に夏期の 4 倍程度に増加する季節変動であり、もう一つは不定期に発生する
数日程度の短期的な増加を示す短期変動であった。季節変動は、昭和基地上空の日照時間ときれいな反
相関を示すことから、紫外線による光解離が季節変動の時間変動パターンの形成で主要な役割を果たし
ていると解釈された。一方、短期変動は高エネルギー粒子の降り込みイベントの影響が大きいと予想さ
れ、低高度の極軌道をまわる極軌道気象衛星 (POES) で取得された高エネルギー陽子および電子のフラ
ックスと比較したところ、それまで注目されていた太陽陽子のスラックス変動よりもむしろ磁気嵐発生
時に放射線帯から降り込む高エネルギー電子のフラックスの時間変動と相関がよいことが明らかにな
った。2012 年および 2013 年の大規模な磁気嵐 (9 例) における NO の変動期間は 5-10 日程度であり、
NO は磁気嵐の回復相から徐々に増加し始め、
主相の 1-5 日後に最大となることなどが明らかになった。
3 年目にあたる 2014 年度も観測を継続し、209 日分のデータが取得できた。前 2 年間の NO カラ
ム量の時系列変化と顕著な違いが季節変動に見られ、振幅が前 2 年に比べ 3−4 分の 1 に大きく減少
していることが明らかになった。ミリ波分光計のハードウェア的な障害の可能性も考慮し、
Aeronomy of Ice in the Mesosphere (AIM) 衛星に搭載された Solar Occultation for Ice Experiment (SOFIE)
による NO 観測データと比較したところ同様の傾向が確認され、測定系の問題ではないことを確認
した。太陽黒点数や F10.4 などの太陽活動を示す指数は前 2 年に比べ減少している傾向はみられな
かったが、POES 衛星のデータをもとに昭和基地に降り込んだ電子、陽子のフラックスと比較する
と、NO カラム量が増加する極夜期前後の 4 ヶ月間にわたり、30 keV 以上の高エネルギー電子のフ
ラックスが 2014 年は前 2 年に比べ顕著に少ないことが分かった。これまでの観測を総合し、昭和基
地上空の中間圏から下部熱圏の NO カラム量の季節変化の変動パターンは紫外線による光解離によ
って形成され、その振幅は中間圏から下部熱圏まで到達する 30 keV 以上の高エネルギー粒子の総量
に大きく依存することが観測的に明らかになった。
(2) 南米パタゴニア地域における紫外線・中層大気オゾンのモニタリング観測
ミリ波やレーザーを用いた先端的な大気観測機器は、北半球の先進国に多く設置されている。全
球的に見ると南半球、とくに南米地域はそうした先端的な観測網の空白域となっている。一方、冬
期南極域の成層圏で発生する南極オゾンホールは、その発達・消滅期において極渦の動態に伴って
南半球中緯度地帯の成層圏大気に影響を与える。このメカニズムの詳細を明らかにし、その影響を
評価することは全球的なオゾンの長期トレンドの精確な理解と将来予測に不可欠である。また、南
米大陸の南端部はオゾンホールの勢力圏下にしばしば入り込み、同南端部に生活する住民にとって
オゾンホールは南極の特殊事情ではなく、日常の生活にも密接に関わる環境問題となっている。
当研究所では、2010 年 9 月に最も頻繁に南極オゾンホールの影響を受ける南米最南端に近いアル
ゼンチン共和国リオ・ガジェゴス市 (南緯 52 度、西経 69 度、高度 40 m) の南部パタゴニア大気観
測所にミリ波観測装置を設置した。2012 年度からは独立行政法人科学技術振興機構と国際協力機構
(JST-JICA) の地球規模課題対応国際科学技術協力事業 (SATREPS)「南米における大気環境リスク管
理システムの開発」プロジェクトとしてアルゼンチンおよびチリとの共同研究を開始した。同プロ
ジェクトは南米のパタゴニア地域を中心に紫外線・オゾンとエアロゾルの観測網を整備し、同観測
網から得られたデータをもとに関連省庁への環境リスク情報の伝達と住民への注意喚起を行うため
の社会システムを整備することを目的としている。研究所はミリ波分光計を軸に相手国のオゾンラ
イダー、オゾンゾンデとの比較観測を推進し、エアロゾルの観測網整備に関しては国立環境研究所
2
1. 研究活動報告
左:2014 年 10 月 18 日のキャンペーン観測時にオゾンゾンデ、オゾンライダー、ミリ波分光計から得
られたオゾン混合比の高度プロファイル。高度 30 km を超えるとライダーの精度が悪くなるが、20-
30 km の範囲では 3 つの結果がよい一致を示している。
右:ミリ波分光計観測から得られた 2014 年 10 月から 12 月の高度別オゾン混合比の時間変化。矢印は
リオ・ガジェゴス上空にオゾンホールが到来した時期を示す。11 月 12 日頃から 11 月 20 日ごろにかけ
て、30 km あたりのオゾンが減少していることが明瞭に分かる。
のライダー観測グループとともに事業を推進している。本年度は大阪府立大学と共同開発し、前年
度に陸別観測所で性能評価を行った導波管型サイドバンド除去フィルタをミリ波分光計に搭載して
強度較正の精度を高め、また、現地で頻発する停電に対処するため大型の 3 相 200 VUPS を導入し
たことにより観測効率が大きく向上した。10 月と 11 月にはリオ・ガジェゴス (アルゼンチン) とプ
ンタアレナス (チリ) において相手国のオゾンライダーおよびオゾンゾンデとの 3 測器キャンペー
ン観測を実施した。3 測器の測定結果は良い一致を示し、3 測器のデータを統合することにより、地
上から 75 km 程度の中間圏までのオゾン混合比の鉛直プロファイルを取得することができた。
また、
特に 11 月のキャンペーン観測では、上空にオゾンホールが飛来し、オゾンホール境界部内外での鉛
直分布の変化が明瞭に捉えられた。今後は国立環境研究所の化学輸送モデルの研究グループと協力
し、オゾン減少空気塊の中緯度帯への拡散過程等についての研究を進めていく予定である。
(3) 北海道陸別観測所における成層圏・中間圏オゾンのモニタリング
陸別観測所では開所以来、国立環境研究所がミリ波分光放射計の運用を行ってきたが、2011 年よ
り研究所に運用が移管された。2005 年後期に受信機、分光計および観測法を変更したことに伴い、
スペクトルの輝度温度が変更前と比べて 30%程度低くなる傾向にあった。また、受信機の不安定性
や経年変化などにより、本装置で測定している対流圏の光学的厚みや輝度温度が変動することがこ
れまでのデータの見直しから分かってきた。そこで、観測システムの見直しを行い必要な改良を加
えるとともに (2013 年度年報参照)、次のようなデータの再校正法の開発を行った。まず、対流圏の
光学的厚みについては、
根室のラジオゾンデの湿度データから光学的厚みを計算して補正を行った。
スペクトルの輝度温度については、(1) 高度 30-35 km までの札幌のオゾンゾンデのデータと MLS
データから作成した気候値をつなげて、地上から高度 100 km までのオゾンプロファイルを作成す
る。(2) そのオゾンのプロファイルから放射伝達計算により観測を模擬したスペクトルを計算する。
(3) 計算スペクトルにある定数を掛けたものと観測スペクトルの差が最小となるように定数 (スケ
ールファクタ) を決定する。(4) ゾンデの打ち上げの間は時間的に直線補間したスケールファクタを
求め、その値で観測スペクトルを割ってスペクトルの輝度温度を補正する。このようにして得られ
3
1.研究活動報告
たスペクトルからインバージョン解析によりオゾンのプロファイルを算出した。この補正手法を適
用することにより、観測法等の変更前後で見られたリトリーバル結果の不一致が解消された。20-
60 km までの各高度において人工衛星搭載センサ MLS および SABER のデータと比較して、同様の
季節変動、年々変動を示すことを確認した。ただし、高度 40 km 以上では 2005 年後期以降、衛星
データと比較して低バイアスが発生しており、この原因については現在調査中である。
(4) 赤外分光観測装置による温室効果気体等の成層圏・対流圏微量成分のモニタリング
人間活動により排出される温室効果気体の大気中濃度の増加は、地球環境変動による大気組成変
動のうちで特に大きな問題であり、大気中の二酸化炭素 (CO2) やメタン (CH4) などの温室効果気
体濃度が増加することで地球温暖化を促進し、将来の地球環境と人類生活に大きな影響を与えると
引き続き警告されている。研究所においても 1995 年以来、母子里および陸別観測所に設置された高
分解能フーリエ変換型赤外分光器 (FTIR) を用いたオゾン等の成層圏微量分子や一酸化炭素等の対
流圏汚染気体の観測に加え、
2009 年から温室効果気体である CO2 および CH4 の近赤外吸収スペクト
ルモニタリング観測を行ってきたが、2012 年 9 月に太陽追尾装置、2014 年 9 月に真空ポンプ装置に
不具合が発生し、現在名古屋で修理を進めている。2015 年 4 月以降にこれら装置を再設置し観測を
再開する予定である。また、陸別観測所には近赤外光スペクトラムアナライザ (OSA) を設置し、
年間を通じた CO2 カラム平均量 (XCO2) の試験観測を行っている。今後、独立した小型太陽追尾装
置を設置し、CH4 カラム平均量 (XCH4)も含め夏から定常観測を始める予定である。
(5) ミリ波・サブミリ波望遠鏡を用いた惑星大気の観測
ガス惑星の中層大気では、惑星外から飛来した小天体の流入により生じた可能性のある組成変動
が見られる。流入の頻度や全量の特定から、大気組成変動プロセスや小天体分布に制約を与えるこ
とを目的とし、2010 年より海王星および木星の成層圏揮発性分子の観測をアリゾナ大学サブミリ波
望遠鏡および国立天文台 ASTE 望遠鏡を用いて行ってきた。海王星成層圏の大気組成は、他のガス
惑星に比して 30-1000 倍ほども豊富な一酸化炭素 (CO) 分子の存在によって特徴づけられ、さら
に成層圏上部の CO 混合比が成層圏下部-対流圏に比べて 2-4 倍程度高いことが知られている。
1994
年の木星へのシューメーカー・レヴィー第 9 彗星の衝突では、衝突後に大量の CO 分子の増加に加
え CS 等の硫黄化合物の増加が成層圏上部で観測されており、海王星でも同様の小天体との衝突で
あった場合に硫黄化合物が生成された可能性が考えられるため、CS, H2S, H2CS, C3S, OCS, SO, SO2
等の分子を系統的に探査した。観測したすべての硫化物分子に対し、木星の衝突事例から想定した
検出限界を有意に越える輝線は検出されなかったが、これらの分子の存在量の上限値を導出し、海
王星における硫化物の存在量がCO との比で0.3%以下と太陽系内の小天体の典型的な値よりも一桁
程度低くなっていることを示した。CS 等の硫化物が低い原因としては、大気の下方拡散あるいは大
気循環に伴う上下輸送により、対流圏界面において硫化物が凝結し気相から高い効率で除去された
可能性が考えられる。海王星大気が成層圏上部で CO 分子が卓越する点で彗星衝突後の木星と類似
する反面、硫化物は気相において大きく欠乏しており、木星の彗星衝突事例とは大きく異なってい
ることを明らかにした。一方、木星成層圏では HCN および CS 分子の線スペクトルを検出し、分子
の濃度や気温をリトリーバルして、最も観測データをフィットする鉛直分布の解析を進めている。
(6) ミリ波・サブミリ波帯超伝導デバイスの開発
オゾン、NO 等の大気微量分子のミリ波・サブミリ波帯にあるスペクトルを高感度で観測するた
めには、ヘテロダイン受信機に使用する高性能な超伝導デバイスが不可欠である。特に観測スペク
トルの輝度温度を決定する際に、
常温および液体窒素温度の基準雑音黒体からの放射を入力するが、
4
1. 研究活動報告
この時に受信機のリニアリティが観測精度を左右することが分かっている。我々は、常温黒体の強
い入力に対しても飽和度を 1 %程度に抑えることを目標に、2014 年度から国立天文台先端技術セン
ターと新たな 100 GHz/200 GHz 帯超伝導デバイスの共同開発研究を開始した。ここでは、複数の
超伝導接合を直列に接続することで入力可能な電力を大きくすることにより飽和度を低減させる方
法を検討した。100 GHz 帯で試作した 5 個直列型のデバイスでは、周波数 85 GHz から 105 GHz の
範囲で受信機雑音温度が 30 K 以下 (量子限界の 2-3 倍程度) という良好な結果を得ることができた。
2. 対流圏大気環境に関する観測的研究および室内実験研究
(1) 台風および前線通過時の二酸化炭素および水蒸気安定同位体比の変化
大気中 CO2 および水蒸気 (H2O(v)) の安定同位体比の動態を把握することは、地球表層における
炭素循環や水循環など物質循環の解明に有用である。しかし、これまでの同位体比質量分析装置を
用いた測定では、サンプリング回数が限られるため、気象条件の変化に対応した同位体比の変化を
連続的に測定することは難しかった。そこで私たちは、赤外レーザー吸収分光法を用いることで、
時間分解能 1 分以下で同位体比の連続測定を実現し、台風や前線の通過といった気象条件の変化に
伴い、同位体比がどのように変動するか調べた。
18
 O-CO2
/ PDB-CO2
-12
-8
-10
-12
/ PDB
d13C-CO2
-14
-3
[CO2]
/ppm
425
400
/
dD-H2O
-100
-4
-6
440
400
-100
/
/ PDB
-10
-150
/ SMOW
27000
18000
9000
d18O-H2O
-15
-20
-25
[H2O]
/ppm
-20
-30
[H2O]
/ppm
30000
20
24000
Rain
/mm h-1
/ SMOW
-200
Rain
/mm h-1
d18O-H2O
dD-H2O [CO2]
18
 O-CO2
/ppm / PDB-CO2
d13C-CO
観測は、2010 年 9 月 1 日から 27 日まで名古屋大学東山キャンパスにおいて行い、Aerodyne 社およ
び LGR 社のレーザー分光装置を用いて、CO2 および H2O(v) の安定同位体比 (CO2; δ13C, δ18O,
H2O(v); δD, δ18O) をそれぞれ計測した。また、名古屋地方気象台による気温、日射量、風向、風速、
降水量、相対湿度の観測データと比較し、気象変化と同位体比変化の対応を考察した。9 月8 日には観測地
点の北約50 km を台風9 号が西から東に通過し、
9 月23 日には停滞前線が名古屋付近を北西から南東に横切
った。これらの日のCO2 およびH2O(v) の安定同位体比および降水量の時間変化を下図に示した。9 月 8 日
の台風通過時 (午前10時頃) には、
CO2 濃度が390から420 ppmまで短時間で上昇するとともに、
δ13C-CO2
とδ18O-CO2 が減少した。また、H2O(v) 濃度に大きな変化は見られなかったが、δD-H2O およびδ18O- H2O
は減少した。この要因として、名古屋市南方に点在する工業地帯から化石燃料の燃焼起源のCO2 が観測地
点上空に移流し、台風通過時の降雨により生じた大気沈降流により観測地点付近に到達したことが考えら
れる。水蒸気の凝縮に伴い上空には比較的軽い同位体比を持った H2O(v) が存在すると考えられることか
10
0
00:00
0:00
04:00
4:00
08:00
8:00
12:00
12:00
16:00
16:00
20:00
20:00
24:00
24:00
Time (8 Sep. 2010)
20
10
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4:00
8:00
12:00
16:00
20:00
Time (23 Sep. 2010)
2010 年 9 月 8 日 (左) および 2010 年 9 月 23 日 (右) の CO2 と H2O(v) の濃度、同位体比 (CO2; δ13C,
δ18O, H2O (v); δD, δ18O)、降水量の時間変化。
5
24:00
1.研究活動報告
ら、降水に伴う下降流によりH2O(v) の同位体比も減少したと考えられる。一方、9 月23 日午前7 時頃の
δ13C-CO2 とδ18O-CO2
停滞前線通過時には、
CO2 濃度が430 から390 ppm まで短時間で減少するとともに、
が増加した。また、H2O(v) 濃度およびδD-H2O, δ18O-H2O は減少した。この要因として、前線通過に伴
い、北方の気塊が名古屋に到達することで、夜間境界層内に蓄積した人為起源および生物呼吸起源のCO2
が希釈されるとともに、比較的乾燥した同位体比の低い H2O(v) が流入したと考えられる。このように、
気象条件の変化が、CO2 およびH2O(v) の短時間変動に及ぼす影響を整合的に説明することができた。
(2) 光音響分光装置を用いたエアロゾル光学特性計測の不確定性の評価
従来、エアロゾルの光吸収の測定には、粒子をフィルターに捕集してランプ光を照射し、透過光や
反射光強度の時間変化を測定することで吸収係数を得るフィルター光吸収法が用いられているが、フ
ィルター繊維上での粒子の変質や形状変化が測定値に影響を及ぼす可能性が指摘されている。そこで
近年、
粒子が浮遊した状態で吸収係数を直接計測できる光音響分光 (PAS) 装置の開発が進められてお
り、市販の装置 (PAX や PASS-3) も販売されている。PAS 法では、強度変調したレーザー光をエアロ
ゾルに照射し、光吸収に伴う熱で周りの空気が膨張して発生した音波をマイクロフォンで検出するこ
とで光吸収量を得る。PAX や PASS-3 装置では、セルの側面に設置された光検出器で粒子による散乱
光を同時に検出することができる。我々は、これまで詳細な評価がなされていなかった PAX ( = 375
nm) および PASS-3 ( = 405, 532, 781 nm) 装置の性能および校正手法の評価を行った。
散乱測定の校正には、気相分子 (CO2 等) のレイリー散乱、単分散のポリスチレンラテックス
(PSL) と硫酸アンモニウム粒子、および多分散の硫酸アンモニウム粒子のミー散乱を用いた。その
結果、各方法で求めた校正ファクター (装置読み出し値を真値に変換するための係数) は、375, 405,
781 nm において、それぞれ 5, 5, 10%以内で一致した。一方、532 nm における校正ファクターは、粒
径に大きく依存することが判明した (下図左)。観測面に対するレーザーの偏光方向の違いと検出でき
ない散乱角度が大きいことが、大きな粒径依存性に寄与していると考えられる。観測された粒径依存
性を元に推定した実効的な検出可能角度範囲から、散乱測定の校正ファクターの不確定性を推定した。
その結果、光吸収性が無いか小さいサブミクロン粒子を測定した場合の典型的な不確定性は、375, 405,
532, 781 nm において、それぞれ 12, 7, 34, 17%と推定された。吸収測定の校正には、多分散のプロパン
直径 299, 499, 707 nm の単分散 PSL 粒子の散乱係数の装置読み出し値と、Mie 散乱理論による計算値の相
関プロット(左)、NO2 の光吸収係数の装置読み出し値と、セル出口で測定したレーザー光の透過率の変化
から求めた消散係数の相関プロット(右)、いずれも傾きが校正ファクターに対応する。破線は気相分子の
レイリー散乱から求めた場合 (左)、スス粒子を用いて決定した場合 (右) の校正ファクターを表す。
6
1. 研究活動報告
燃焼起源スス粒子および二酸化窒素 (NO2) 分子の光吸収を用いた。スス粒子を用いて決定した校正
ファクターの典型的な不確定性は、
375, 405, 532, 781 nm において、
それぞれ6, 4, 8, 11%と推定された。
スス粒子を用いて決定した校正ファクターは、532 nm では NO2 分子の光吸収を用いて決定した値と
よく一致したが、375, 405 nm においては、48 および 36%小さかった (前頁図右)。吸収されたエネル
ギーの一部が NO2 の光解離に使われることが原因であると考えられ、NO2 を 375, 405 nm における吸
収測定の校正に使用する場合には、その影響を考慮する必要があることが示唆された。
(3) イソプレンの光酸化反応で生成する二次有機エアロゾルの複素屈折率の決定
イソプレンは大気中への放出量が最も多い植物起源の非メタン炭化水素である。イソプレンは大
気中で主にヒドロキシル (OH) ラジカルにより酸化され、その酸化生成物であるアルデヒドやアル
コールの粒子相反応などにより、アセタールやオリゴエステル等のオリゴマーや硫酸エステル、硝
酸エステルといった低揮発性化合物が生成し、二次有機エアロゾル (SOA) 生成に寄与すると考え
られている。特に、酸性のシード粒子存在下では酸触媒反応が進行し、SOA の収率が増加すること
が知られている。しかしながら、イソプレン起源の SOA の複素屈折率 (m = n - ki) を調べた例はな
かった。そこで、イソプレン起源の SOA の複素屈折率の波長依存性について詳細に調べた。
実験では、国立環境研究所のスモッグチャンバー内に反応ガスを導入し、NOx および二酸化硫黄 (SO2) 存
在下でのイソプレンの光酸化により SOA を生成させた。表に、実験に用いた前駆気体の濃度を示した。生
成したSOA の波長375, 405, 532, 781 nm における吸収および散乱係数を、光散乱測定機能のついた光音響分
光装置 (PASS-3 およびPAX) で、532 nm における消散係数をキャビティリングダウン分光装置 (CRDS) で
測定した。また、粒径分布を走査型移動度粒径測定器 (SMPS) で、化学成分を飛行時間型エアロゾル質量分
析計 (AMS) で測定した。さらに、フィルター採取した粒子をメタノールで抽出し、液体クロマトグラフィ
ー質量分析計 (LC-MS) による分析を行った。初期イソプレン濃度が同じ場合には、初期 SO2 濃度が高いほ
ど、有機物や硫酸塩 (無機硫酸・有機硫黄化合物を含む) の生成量が増加した (下図左)。得られた吸収・散
乱・消散係数を、同時に測定した粒径分布から見積もった全粒子断面積で割ることにより、吸収・散乱・消
散効率を得た。各効率の粒径依存性を、Mie 散乱理論による計算値と比較することにより、実験データを最
もよく再現する複素屈折率の実部 (n) および虚部 (k) を決定した。SO2 無し (Run-2) および[SO2]=184 ppb
(Run-5) の条件下で生成したSOA の複素屈折率の虚部の波長依存性を下図右に示した。本研究の結果、SO2
無しの条件下で生成したSOA は光吸収性がないのに対し、SO2 存在下で生成したSOA は有意な光吸収性を
有し、短波長になるに従いk 値が増加することが判明した。SO2 存在下で生成したSOA のk 値は、トルエ
ンのNOx 存在下での光酸化反応で生成するSOA の報告値と同程度であり、森林起源のイソプレンと汚染物
Isoprene
(ppb)
NOx
(ppb)
SO2
(ppb)
Organics
(g/m3)
Sulfate
(g/m3)
1
995
257
0
5
<0.1
2
3794
994
0
327
<0.1
3
991
257
66
149
46
4
997
248
116
178
68
5
996
259
184
220
87
Imaginary part ( k)
0.010
Run
Isoprene/NOx(Run2)
Isoprene/NOx/SO2(Run5)
Toluene/NO x
(Nakayama et al. 2013)
0.008
0.006
0.004
0.002
0
400
500
600
700
800
Wavelength (nm)
左:前駆気体の初期濃度と AMS で測定された有機物および硫酸塩の最大重量濃度。
右:SOA の屈折率の虚部の波長依存性(○:イソプレン-SOA(SO2 無し, Run-2), ●:イソプレン-SOA(SO2 有
り, Run-5), ○:トルエン-SOA (Nakayama et al., 2013))
。
7
1.研究活動報告
質 (NOx およびSO2) の相互作用がある環境下では、イソプレン起源のSOA による光吸収が、地球大気の
放射収支や紫外光により駆動される光化学過程に寄与を持ちうることが示唆された。
(4) 独自開発したエアロゾル散乱全角度分布同時計測装置による実大気エアロゾルの試験観測
エアロゾルの光散乱の角度分布 (位相関数) は、エアロゾルの放射影響を決定付けるパラメータの一つ
である。また、散乱の角度分布は、粒子の粒径・複素屈折率・形状に依存するため、大気中の1 個1 個の
粒子の散乱角度分布を測定することで、粒子の物理化学的特性や混合状態に関する情報がリアルタイムに
得られる可能性がある。そこで、私たちは、波長532 nm のレーザー光源の偏光方向に対して水平・垂直
両方の散乱面における単一粒子の散乱全角度分布を同時に測定可能な装置を開発した。本装置では、100
Hz という高い時間分解能で、個々の粒子の前方散乱 11.74 度から後方散乱 167.26 度までの散乱角度分布
を約8.3 度の角度分解能で測定することができる。これまで行った室内実験により、球形の標準粒子 (PSL
およびニグロシン粒子) では、観測される散乱角度分布が、球形粒子を仮定したMie 散乱理論による計算
値とよく一致する一方、塩化ナトリウムやスス粒子といった非球形粒子では、観測される散乱角度分布に
干渉パターンが現れず、球形粒子を仮定したMie 散乱理論とは一致しないことが確認されている。そこで
今回、実大気中の粒子を計測し、粒子の特性に応じた散乱角度分布が測定可能か検討を行った。
観測は 2014 年 2 月 26 日に名古屋大学東山キャンパスで行った。エアロゾルは拡散ドライヤーを
通過させて乾燥させた後、微分型静電分級器 (DMA) で電気移動度直径 300, 500, もしくは 700 nm
の粒子を取り出し、散乱角度分布計測装置に導入した。直径 500 nm の粒子の測定では、DMA を通
過させた後に、エアロゾル質量分級器 (APM) を通過させ、質量による選別を行うことで、平均有
効密度 0.3 もしくは 1.4 g/cm3 を有する粒子の散乱角度分布測定を実施した。凝集構造を有する粒子
の場合、その有効密度は小さくなることから、平均有効密度 0.3 g/cm3 での測定においては、スス粒
子などの非球形粒子が計測され、一方、平均有効密度 1.4 g/cm3 での測定においては、有機物や硫酸
塩などを含む球形に近い粒子が主に計測されると考えられる。平均有効密度 1.4 g/cm3 の条件で得
られた散乱角度分布は、散乱面がレーザーの偏光方向に対し垂直の場合に、球形の硫酸アンモニウ
ム粒子を仮定して得た Mie 散乱理論の計算値と同様に、70 度付近に極小値を持つことが分かった
(下図左)。一方、平均有効密度 0.3 g/cm3 の条件で得られた散乱角度分布は、70 度付近に極小値を
持たなかった (下図右)。また、DMA および APM を通過させた粒子の透過型電子顕微鏡画像の解
析においても、平均有効密度 1.4 g/cm3 の条件では粒子は円形度がより大きかった。これらの結果
から、硫酸塩などの球形に近い粒子とスス粒子などの非球形粒子の区別が可能であることが示唆された。
平均有効密度 1.4 g/cm3 (左) および 0.3 g/cm3 (右) を持つ実大気粒子を測定した場合の平均散乱角度分布。
実線および破線は、球形の硫酸アンモニウムを仮定した場合の Mie 散乱理論の計算結果。
8
1. 研究活動報告
電磁気圏環境(第2部門)
太陽風から地球磁気圏・電離圏に流入してくるプラズマとエネルギーは、地球周辺の宇
宙空間 (ジオスペース:Geospace) でのプラズマの力学変動を支配し、極域のオーロラ発
光や超高層大気の擾乱を引き起こす。一方、下層大気から伝搬してくる大気波動は、超高
層大気内でエネルギーと運動量を放出しながら熱圏・電離圏まで侵入し、中間圏・熱圏・
電離圏の大気・プラズマダイナミクスを支配している。電磁気圏環境部門では、国内外に
おける電波・光技術を用いた観測機器、および飛翔体搭載機器を基にしてこれらの変動現
象を研究している。北極域では、欧州非干渉散乱 (European Incoherent Scatter:EISCAT) レ
ーダーや大型短波レーダー群、高感度分光観測機器を用いた観測研究を行っている。中低
緯度では、高感度分光観測機器、GPS 衛星電波、レーダーを用いた観測から中間圏・熱圏・
電離圏の構造や力学変動に関する成果が出ている。また、人工衛星による宇宙空間プラズ
マの直接観測データやオーロラ撮像データの解析と、今後の探査機計画に向けた搭載用機
器開発・地上実験設備の構築が進んでいる。
1.高緯度地域におけるオーロラと電磁場の観測
カナダの極冠域にあるレゾリュートベイ、サブオーロラ帯のアサバスカ観測点、ノルウェー
のトロムソ観測点やロシア極東域では、オーロラ・大気光や VLF/ELF/ULF 波動の定常観測を継
続している。2014 年度には、サブストームの回復相において点滅するオーロラの中に発見され
た指状のオーロラ構造を統計的に解析し、その発生特性や地磁気活動度、太陽風変動に対する
依存性などを明らかにした。この構造はオーロラの半数以上に見られるパッチ構造が、磁気圏
プラズマ中の圧力駆動型不安定で発生していることを示唆した重要な結果である。
2.大気光の分光イメージング観測による中間圏・熱圏・電離圏の研究
超高層大気で発光する夜間大気光を分光イメージング観測することにより、中間圏・熱
圏・電離圏を含む超高層大気・プラズマの力学変動を調べることができる。私たちは高度
80-350 km の夜間大気光の輝度、風速、温度を計測することができる超高層大気イメージ
ングシステム (OMTIs) を開発してきた。このシステムはファブリ・ペロー干渉計 (FPI) 5
台、全天カメラ 13 台、掃天フォトメータ 3 台、分光温度フォトメータ 4 台で構成されてい
る。2014 年度は、滋賀県信楽町 (京都大学信楽 MU 観測所)、北海道陸別観測所、鹿児島
県佐多岬 (鹿児島観測所)、沖縄県石垣島、チェンマイ (タイ)、ダーウィン (オーストラリ
ア)、コトタバン (インドネシア)、レゾリュートベイ、アサバスカ (カナダ)、パラツンカ、
マガダン (ロシア極東域)、トロムソ EISCAT サイト (ノルウェー) 、ハワイ (アメリカ) で
定常運用を継続した。これらの観測および国際共同観測により、中間圏温度変動に見られ
るプラネタリー波の世界的な緯度・経度変動の特性を明らかにすることができた。また、
FPI で観測された温度データを統計的に評価し、その精度や背景大気光の影響などを明ら
かにした。これらに加えて、今後の地上大気光イメージング観測網のさらなる拡充に向け
て、小型で低価格な観測システムの開発も進めた。
9
1.研究活動報告
左:インドネシアのコトタバン付近において、 GPS 受信機によって計測された、約 10 km 離れた 2 地
点での電離圏遅延量の差。
右:この時、コトタバンに設置された全天カメラで観測された波長 630 nm の大気光の全天画像。プラ
ズマバブル発生時に、電離圏遅延量の差が大きくなることが分かった。
3.東南アジア域での超高層大気研究
インドネシアのスマトラ島コトタバンに設置されている京都大学赤道大気レーダー (EAR) サイ
トにおいて、GPS 受信機、VHF レーダー、全天カメラ、磁力計、およびファブリ・ペロー干渉計に
よる超高層大気の観測を行っている。赤道域では、プラズマバブル内部に発生するプラズマ密度の
不規則構造により、GPS をはじめとする衛星測位に誤差を生じることがある。本研究では、電離
圏擾乱が衛星測位を利用した航空航法支援システムにもたらす影響を調べるため、EAR サイト周
辺に 2 台の GPS 受信機を約 10 km 離して設置し、電離圏遅延量の水平方向の空間勾配を測定し、
一周波の電波を用いたGPS データだけでもプラズマバブルによる測位への影響を充分な精度で推
定できることを示した。
4.国際宇宙ステーションからの超高層大気撮像観測
国際宇宙ステーションに搭載された超高層大気撮像観測装置 (Ionosphere, Mesosphere, upper
Atmosphere and Plasmasphere mapping: IMAP) によって撮像された大気光データを解析し、赤道
域の擾乱現象であるプラズマバブルと赤道異常の発達との関係を調べた。その結果、赤道異常
による 630 nm 大気増光の極大値が起こる緯度の幅は、プラズマバブルが発生しているときに大
きいことが明らかになった。この結果は東向き電場がプラズマバブル発生の有無に大きな影響
を与えていることを示唆している。
5.GPS 観測による電離圏擾乱の研究
北米に設置された約 2200 台の GPS 受信機のデータを用いて全電子数変動の水平二次元構造を調
べ、2013 年一年間における中規模伝搬性電離圏擾乱 (Medium-Scale Traveling Ionospheric Disturbance:
MSTID) の統計的性質を明らかにした。その結果,以下のことが明らかになった。(1) 北米上空の
MSTID の発生頻度は、昼間において冬季に高く、伝搬方向は南東方向が多かった。この特徴から、
大気重力波が昼間の MSTID 成因の原因であると考えられる。(2) 夜間における MSTID は、夏季に
発生頻度が高く、南西方向に伝搬するものが多かった。この特徴から、夜間の MSTID の成因はプ
10
1. 研究活動報告
北米の GPS 受信機網データを用いて算出した、全電子数変動の二次元分布図。MSTID による全電子数の変
動が見られる。
ラズマ不安定によるものと考えられる。(3) 夜間の MSTID の発生頻度は、北米の西部のほうが約
20%東部よりも高いことが明らかになった。従来の研究により、MSTID が発生する高度よりも低高
度にプラズマ密度の高い領域ができるスポラデック E 層も、北米において西部のほうが東部よりも
発生頻度が高いことが示されており、本研究の結果は、MSTID の生成にスポラデック E 層の発生
が関わっていることを観測的に示したものである。
6.月周辺のプラズマ環境に関する研究
月には天体スケールでの磁気圏は無いが、表面付近には磁気異常が広範囲に存在して周囲の宇宙
プラズマと相互作用をすることが知られている。月が太陽風中に存在しているとき、月の夜側には
ウェイクと呼ばれる低密度領域が形成されるが、強い磁気異常がウェイク中にあるときのその場所
でのプラズマの様子はこれまで知られていなかった。私たちは、月周回衛星 SELENE の観測データ
を用い、月のウェイクで磁気異常の閉じた磁力線上での電子の様子を初めて捉えた。SELENE がウ
ェイクで強い磁気異常を高度 15 km で通過した際に、磁気異常の閉じた磁力線上に中エネルギー
(150-300 eV 程度) の電子が捕捉されているとともに、低エネルギー (150 eV 以下) の電子が月面か
ら上昇してきていることである。中エネルギー電子は磁場平行・反平行方向の両方にロスコーンが
あり、磁力線が閉じていることを示す。また、低エネルギー電子は双方向ビームになっており、閉
じた磁力線の双方の足元 (月の表面) から電子が上昇していることを示している。
SELENE 衛星が捉えた月の磁気異常における中・低エネルギー電子の振舞い。
11
1.研究活動報告
北海道-陸別第一・第二短波レーダーにより観測した SAPS の空間分布。
7.大型短波レーダーによる研究
2006 年 12 月に連続観測を開始した SuperDARN 北海道-陸別第一短波レーダーは、従来の
SuperDARN レーダーよりも低緯度側に位置するため、高・中緯度の電離圏・熱圏の結合過程を解
明することができる。観測開始後約 8 年が経過し、磁気圏から電離圏・熱圏および上部中間圏に
わたる領域および領域間結合の研究で着実に成果を上げている。2014 年度は中間圏エコーの統計
的発生特性、伝搬性電離圏擾乱の統計特性、擾乱時におけるグローバルな電離圏対流分布 (他の
SuperDARN レーダーデータも併用) 等を明らかにした。上記レーダーに加えて、北海道-陸別第二
短波レーダーが平成 26 年 10 月に完成し、
第一・第二レーダーを併せた SuperDARN HOP (HOkkaido
Pair of) radars システムとして稼働を開始した。Sub-Auroral Polarization Streams (SAPS) の時間・空
間特性等の初期結果が得られている。さらには、遠隔地である名古屋大学東山キャンパスの研究
所建物屋上にレーダー電波受信専用機を設置し、ドップラー効果を測定することによりレーダー
バックローブビームの電離圏反射点の上下移動速度を求めることに成功し、同速度の日変化等の
初期結果を得た。
8.観測データのアーカイブ
磁気圏・電離圏の研究に関連した取得データはデータベース化し、ウェブページで公開して共同利
用・共同研究に供している。データベースと Web サイトは下記の通り。
データベース名
Web サイト
超高層大気イメージングシステム
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti/
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/QL-S4/
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/vhfr/
http://center.stelab.nagoya-u.ac.jp/web1/superdarn/hokkaido/data/
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/mm210/
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/magne/
http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/vlf/
GPS シンチレーション
VHF (30.8 MHz) レーダー
北海道-陸別大型短波レーダー
210 度磁気子午面地磁気データ
STEL 磁力計ネットワークデータ
STEL VLF/ELF データ
12
1. 研究活動報告
9.EISCAT レーダーを中心とした北欧拠点観測
北欧にて EISCAT レーダーを中心に、複数の観測装置による電離圏・熱圏・中間圏の観測研究
を実施している。太陽風-磁気圏-電離圏-熱圏-中間圏相互作用の理解をさらに進めるため、
複数の光学・電波観測装置を、EISCAT レーダートロムソ観測所 (北緯 69.6 度、東経 19.2 度) を
中心としたスカンジナビア半島北部に集約し、拠点観測を実施している。2014 年度にはファブリ・
ペロー干渉計、多波長全天カメラ、3 波長フォトメータ、プロトン全天カメラなどの光学観測装
置が、冬期に自動定常観測を実施した。同時に、EISCAT レーダーを用いた共同利用・共同研究
を国立極地研究所と連携して実施している。2014 年度は 15 件の EISCAT 特別実験が採択され、
うち 11 件を国立極地研究所と連携協力して実施した。また、EISCAT_3D 計画を極地研究所と連
携して推進した。2014 年 5 月に開催された日本地球惑星科学連合 (JpGU) 講演会においては、
EISCAT_3D 計画が関係する国際セッション「Study of coupling processes in Sun-Earth system with
large radars and large-area observations」
を京都大学生存圏研究所および国立極地研究所の共同研究者
と共に企画・開催し、EISCAT 協会本部やフィンランド、イギリスの研究者と日本のユーザーコ
ミュニティとの交流を図り、実現に向けて議論を行なった。2014 年 6 月には、第 82 回 EISCAT
Council を名古屋大学にて開催した。また、EISCAT レーダーを中心に用いた研究成果および
EISCAT_3D 計画の進捗状況およびサイエンスプランを議論するために EISCAT 研究集会を 2015
年 3 月に国立極地研究所にて開催した。
10.トロムソナトリウムライダーを用いた極域下部熱圏・中間圏変動の研究
2014 年 11 月下旬から 2015 年 1 月下旬にかけて、暗夜期間にほぼ連続してライダー観測を実施し
た。それ以外に、10 月に 3 週間、3 月に 2 週間程度観測を実施した。特に、2014 年 10 月に、4 つの
PMT を交換することにより、データ質の改善を行った。2014 年シーズンにおいては、大気温度、
風速、ナトリウム密度の 5 方向観測を行い、約 470 時間の大気温度・風速・ナトリウム密度データ
を取得した。
地磁気活動が静穏な 2010 年 10 月 29 日 16:30 UT から 24:30 UT において、みかけ周期約 4 時間、
鉛直波長約 11.9 km、水平波長約 1380 km、振幅約 15 K、位相速度約 96 m s-1 の大気重力波がナトリ
ウムライダーにより観測された。この大気重力波は、16:30 UT から 21:00 UT において、高度約 95 km
2010 年 10 月 29 日にナトリウムライダーが観測した高度 95 km 付近まで上方伝搬する大気重力波。
13
1.研究活動報告
サブストームオンセットの前後1 時間に取得されたEISCAT レーダーデータにsuperposed epoch解析を行っ
た(a) 電子密度、(b) 電子温度、(c) イオン温度の高度プロファイル。オンセットに伴い電子密度は全高度
域で急激に増加する。イオン温度はオンセットの直前のみ全高度域で上昇する。その 30-60 分後に電子密
度の最大値が下部電離圏に発生し、F 領域の電子密度も高い値を維持することが分かる。
付近まで上方伝搬していたが、21:00 UT 以降はさらに高高度まで伝搬していた。背景風速度と位相
速度の比較から、フィルタリング効果は本事例では大気重力波の上方伝搬を妨げた主たる原因では
ないことが分かった。一方、ブラントバイサラ振動数とリチャードソン数から、21:00 UT 以前には
高度 95 km 付近で断続的に対流・力学的不安定が引き起こっていたことが明らかになった。
さらに、
約 18:00 UT から 21:00 UT における MF レーダーのエコー強度の増大、およびナトリウム原子と中
性大気密度の混合比の高度変動におけるオーバーターン (overturning) の存在から、本事例で観測さ
れた大気重力波は、21:00 UT 以前、対流・力学的不安定によって砕波し、散逸していたと結論した。
さらに、21:00 UT を境として、以前と以後で平均温度構造を比較した。その結果、21:00 UT 以降は
21:00 UT 以前と比較して、平均温度の鉛直勾配が緩やかであり、背景大気がより安定な状態であっ
たことが分かった。このことは、背景大気温度構造の違いが大気重力波の上方伝搬に支配的な影響
を与えていたことを示唆する。
11.サブストームオンセット前後の電離圏変動とその高度分布の解明
太陽風からジオスペースへのエネルギー・物質輸送のプロセスの中で、サブストームは極域超高
層大気を急激かつ広範囲に変化させることで知られる。特にオンセット時には、沿磁力線電流と電
離圏電流が発達し、オーロラ発生領域の拡大や電離圏・熱圏の温度・密度上昇を引き起こす。サブ
ストームに伴う極域への物質・エネルギー輸送の全容解明は、当該研究分野の重要課題の一つであ
り、長年の研究活動によってオーロラ形態と電離圏の水平構造の時間発展について多くのことが示
された。しかし、水平構造に比べ電離圏の高度分布の変化はあまり分かっていない。高度分布の変
化は、イオン-中性粒子衝突、オーロラ粒子降込みによる電離などの超高層物理学の基礎課程の把
握と密接な関係がある。そこで EISCAT レーダーデータからサブストーム前後の測定値を抽出し、
オンセットを基準時間とした superposed epoch 解析を実施、高度分布の時間発展を求めた。これに
より時間発展の高度依存性が示され、サブストーム成長相から回復相に至る電離圏変動および付随
する熱圏変動等に関する今後の研究活動の基礎となる知見を得た。
14
1. 研究活動報告
12.脈動オーロラ発生時の局所的熱圏変動の解明に向けた国際共同研究
脈動オーロラはサブストームの回復相に現れる典型的なオーロラ形態の一つである。これまでの
研究活動では、オーロラ発光強度と電離度の周期的変動や磁気圏での高エネルギー粒子の生成への
プラズマ波動の影響など、電離圏と磁気圏あるいはその結合が主な研究課題であった。しかし近年
の光学観測により熱圏にもかなりの変動が発生することが分かってきた。特に回復相後半における
パッチ状オーロラの出現に同期し下部熱圏風速が激しく変動することがトロムソ観測所の光学測定
で示された。
この観測事実は電離圏の水平微細構造を詳細に把握することの重要性を示唆しており、
トロムソ観測所での観測活動に加えアラスカのポーカーフラット観測所におけるフェーズドアレイ
非干渉散乱レーダーを用いて、
パッチ状オーロラ近傍の電離圏構造を把握する観測研究を実施した。
13.EISCAT レーダーおよび光学観測装置のデータベース整備とその公開
EISCAT レーダートロムソ観測所に設置されている光学観測装置で得られたデータを共同利用者
へ提供するため、それらの解析データおよびサマリープロットをインターネットで公開している
(http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/~eiscat/data/EISCAT.html)。EISCAT レーダーデータは、トロムソ UHF・
VHF レーダーやロングイアビンの ESR 32 m/42 m レーダーが観測したプラズマ温度や密度などの 1
次物理量に加え、電離圏電場や電気伝導度などの 2 次物理量を複数の時間分解能で再解析しデータ
ベース化している。また、ナトリウムライダー、トロムソ MF レーダー、ベアアイランド流星レー
ダーのサマリープロットも公開している。
14.れいめい衛星による活発なオーロラの観測と将来の極域電磁気圏観測計画の検討
世界初となる 10 Hz 程度の高速サンプリングによりオーロラ発光・電子の高時間分解能同時観測
を実現したれいめい衛星による観測データを用いて、微細な構造を持ち、高速の時間変動を示すオ
ーロラアークの事例解析を実施した。カーテン状の活発なオーロラでは準静的な沿磁力線電場構造
による電子加速が主な発光原因であるが、その電場の高度分布が従来提唱されているものより低高
度に存在することが示唆された。また、発光分布の時間変動が激しいものほど、分散アルベン波に
よる沿磁力線電子加速が同時に存在することが確認され、
異なった加速機構がお互いに関連しつつ、
オーロラアークの成長・変動に深く寄与していることが示唆された。更に、電離圏高度の地球大気
イオンがオーロラ現象と関連して加速されつつ宇宙空間に向かって上昇している事例に関して、オ
ーロラ電子・発光や沿磁力線電流との相関が調査され、イオン加速機構を担うプラズマ波動との高
速サンプリングによる同時観測の重要性が示された。これらの成果から、2020 年代初頭を目指して、
編隊飛行を行う準小型探査機の同時多点観測により、極域電磁気圏を高時間・高空間分解能にて多
点同時観測を行う将来計画を具体的に検討し、搭載機器に関する詳細な仕様・観測項目に関して議
論を行った。
15.地球・惑星の超高層大気直接観測に向けた中性粒子質量分析器の開発
地球・惑星超高層大気の探査機による直接観測に向け、粒子種毎の 2 次元速度分布が取得可能
な中性粒子質量分析器を開発している。本分析器は、電子ビームにより中性粒子をイオン化させ
るための電離部と、高周波電場を用いて特定の粒子を選別する質量分析部、MCP アセンブリによ
る位置検出部から成る。今年度は本研究室の超熱的イオン・電子ビームラインを用いて Ar+、N2+
を照射し、 電離部を除いた試作機の動作試験を行った。この実験により Ar+、N2+は分別可能であ
15
1.研究活動報告
ることが確認されたが、検出に必要なイオンのエネルギーにおいて、シミュレーションと実験結
果に差が生じた。現在、その原因の究明とシミュレーションを利用した分析器の改良が進められ
ている。
16.探査機搭載用粒子分析器の開発と較正実験に向けたイオン・電子ビームラインシステムの構築
現在、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) と共同して、宇宙嵐の機構の直接観測を目的とするジオス
ペース探査衛星「ERG」計画や、水星探査を目的として日欧共同で開発されている「BepiColombo」
計画に向けて宇宙プラズマ粒子分析器の開発が行われつつある。また、将来の探査機搭載用中性粒
子質量分析器および超熱的イオン分析器の較正実験に向けて、超熱的イオン・低エネルギー電子ビ
ームラインシステムの構築を進めている。ビームラインシステムは、超熱的イオン・低エネルギー
電子ビームラインに加え、高真空を作り出す真空システム、地球磁場による粒子の旋回運動の影響
を軽減するための 3 軸 ヘルムホルツコイルによる磁場制御システムから成る。
今年度は構築したシ
ステムによるイオン・電子ビームの特性を取得した。具体的には 10 eV 程度の超熱的イオンビーム
の断面プロファイル、30 eV までのイオンの入射角度・フラックス特性、1500 eV 程度の電子の入射
角度・フラックス特性の取得に成功した。
17.真空チェンバーを用いた波動・粒子相互作用の室内シミュレーション
波動・粒子相互作用の直接観測手法の確立を目指して、JAXA 宇宙科学研究所の大型スペースサ
イエンスチェンバーを用いた室内シミュレーション実験を行った。スペースチェンバー中に配置し
たマルチカプス磁場発生装置をイオンビーム源および高密度プラズマ源として用いることでイオン
音波を励起し、
プラズマ波動計測器と粒子分析器により電場波動とイオン速度の同時観測を行った。
波動・粒子間のエネルギー交換フラックスの算出を目指し、取得したデータの解析を進めている段
階である。東北大学との共同研究では、昨年度開発した波動・電流同時計測用新型プローブを用い
て、
直線型プラズマ装置内で励起したドリフト波の電場揺動とイオン電流揺動の同時計測を行った。
計測した電場揺動とイオン電流揺動とイオン電流揺動のベクトル内積演算から波動・電流間エネル
ギー収支を検討した。
左:立方体型ヘルムホルツコイルが新設された超熱的イオン・低エネルギー電子ビームライン。
右:較正実験のため、ビームラインに設置された中性粒子分析器の試作器。
16
1. 研究活動報告
太陽圏環境(第3部門)
太陽圏は、太陽から吹き出したプラズマや磁場に満たされた銀河空間に浮かぶ巨大な泡のよう
なものである。地球はこの中で生まれ、進化してきた。我々は、この地球を抱く太陽圏環境の中
で起きている諸物理過程の研究を行い、太陽圏環境構築のシナリオの解明を試みている。そのた
めに、太陽コロナの爆発現象に伴って放出される高エネルギー中性子や荷電粒子、そして定常太
陽風やコロナ物質放出現象によるプラズマ流などを、独自の装置を開発することで広範なエネル
ギーと空間スケールにわたって観測し、その加速機構や伝搬機構の解明に取り組んでいる。また、
数年から数千年という様々なタイムスケールでの太陽活動と太陽圏の歴史の研究も行っている。
さらに、我々の太陽圏をよりよく知るために、太陽以外の天体で起きている類似の現象との比較
研究、太陽系以外の惑星系の探索、太陽系を包む宇宙空間を満たす暗黒物質や超高エネルギー宇
宙線の研究も実施している。
1.惑星間空間シンチレーション (IPS) システムの更新
我々は 2013 年度から補正予算・科研費基盤 A の下で富士・木曽・菅平アンテナの大規模な更
新を開始した。更新の内容は、低雑音受信機を FE327-V5 へ換装、ループ法による位相・利得校
正システムおよびノイズソースを用いた受信機温度測定システムの開発、パラボラ反射面・コ
ーナーリフレクターの更新、タッチパネル式駆動制御システム (木曽アンテナのみ) の開発など
である。2013 年 12 月までに大半の更新作業を完了していたが、2014 年 2 月の豪雪により深刻
な被害を受け、復旧作業が必要になった。但し、菅平アンテナは被害があまりにも大きいため
復旧を断念し、閉鎖することにした。4-5 月に富士・木曽アンテナの復旧工事を実施し、その
後、富士アンテナの低雑音受信機の調整および木曽アンテナへの低雑音受信機の組み込み・調
整を実施した。7 月末までにすべての修理・調整が完了し、8 月から豊川・富士・木曽アンテナ
による多地点 IPS 観測を開始した。秋に富士アンテナは台風や雷による被害が発生し、修理を
行っている。本更新により富士・木曽アンテナの効率が改善し、効率よく太陽風速度が得られ
ていることを確認した。2014 年の多地点 IPS 観測は 11 月末で終了している (豊川の IPS 観測は
通年実施)。
2.サイクル 24 太陽極大期における太陽風構造の変動
昨年度までに太陽磁場の極性反転が完了し、
過去 100 年来で最も不活発なサイクル 24 が極大に達
したことが確認された。2013 年の我々の IPS 観測からは、北極に高速風が再出現し、一方南極では
未だ低速風が支配的な状態であることが示されている。今年の観測では南極に高速風が出現したこ
とが分かった。過去のサイクルでも極大期に北極の高速風が南極より先行して出現する傾向が観測
されている。ただ今年が過去の極大期と大きく異なったのは、北極の高速風が再び消失したことで
ある。
これはサイクル 24 の特異性を示すもので今後如何に発展してゆくか注意深く監視してゆく必
要がある。
17
1.研究活動報告
3.国際共同研究プロジェクト
IPS データを実時間で Tomography 解析をすると、地球に到来する太陽風を精度よく予報すること
が可能となる。このことは、カリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD) ジャクソン博士のグルー
プとの共同研究を通じて実証されてきた (http://ips.ucsd.edu/)。本共同研究により開発された
Time-dependent tomography (TDT) 解析プログラムは、NASA の Community Coordinated Modeling
Center (CCMC) を通じて公開され、同センターのサーバー上で誰でも実行可能となっている。2012
年度から IPS データを韓国宇宙天気センター (KSWC) における実際の宇宙天気予報に応用する計
画に着手し、2013 年度に我々の IPS データを実時間で TDT によって解析するシステムの運用を開
始した。2014 年度は D. Ostrcil 博士 (GMU/NASA) と協同して、IPS データの解析結果を実時間で
ENLIL 太陽風モデルに入力して惑星間空間磁場 (IMF) を含む太陽風の正確な予報ができるように
した(http://spaceweather.gmu.edu/)。また、CSSS 太陽磁場モデルと IPS データを組み合わせた解析か
ら IMF の Bz 成分が精度よく予報できる可能性が示された。
4.IPS 観測によるアイソン彗星プラズマテイルの研究
アイソン彗星 (C/2012 S1) は、2013 年 11 月に太陽に接近した際に発達したプラズマテイルを見せ
た。電離したガスから成るプラズマテイルは、惑星間空間のコロナ質量放出 (ICME) と同様に IPS の
突発的増加を引き起こすと予想されている。
今回11月1 日から28日までの期間に豊川アンテナ (Solar
Wind Imaging Facility) で得られた IPS 観測と Solar-Terrestrial Relation Observatory 衛星搭載の
Heliospheric Imager データを解析し、アイソン彗星のプラズマテイルが通過した電波天体の突発的 IPS
現象を調査した。解析から、テイル内部では通常よりも空間スケールが大きい擾乱が卓越しているこ
とを示唆する結果が得られた。プラズマテイル由来の IPS と考えられる擾乱係数の増加を 3 例確認し
これらからテイル内部の電子密度を推定した結果、境界付近で電子密度が最大になることが分かった。
本研究は、日本大学との共同研究である。
IPS 観測から推定されたアイソン彗星プラズマテイルの電子密度分布(図中●、■、▲)
。菱形のシンボル
は ICME の影響を受けているデータを示す。図中水平の実線はプラズマテイルの中心軸を示し、実線左端
の位置は彗星の核に対応する。点線と破線は、それぞれプラズマテイルの広がり角度を 4.6 度と 8.9 度に仮
定した場合のテイル境界を示す(Iju et al., Icarus 252, 301―310, 2015 より引用)。
18
1. 研究活動報告
5.太陽高エネルギー粒子加速機構の解明を目指して
宇宙線の起源を解明するため、太陽での高エネルギー粒子加速機構を解明することを一つの大き
な研究目標にし、様々な装置でリアルタイムに観測を行っている。本研究のためには、粒子加速が
起こった時間を知ることが重要で、惑星間空間を太陽から地球へ直進する中性子はその一つの観測
手段である。中性子は質量を有し、そのエネルギーによって飛行時間が異なる。そこで当研究所で
は、エネルギーと到来方向を測定できる太陽中性子望遠鏡を、世界 7 高山に設置して太陽中性子の
24 時間観測体制を確立している。中性子は太陽高度が低くなると大気中で激しく吸収されるので、
観測装置を経度の異なる高山に設置する必要があったからである。
第 24 太陽活動期に進めてきた SciBar Cosmic Ray Telescope (SciCRT) 計画では、2013 年にメキシコ
の 4600 m 高山シェラネグラに高感度宇宙放射線測定装置を、京都大学・高エネルギー加速器研究機
構 (KEK) の協力で設置した。本検出器はこれまでの検出器ではなし得なかった粒子の軌跡をリアル
タイムに記録することができるので、粒子のエネルギー分解能力・粒子弁別能力・方向決定精度に優
れている。また、体積も 3 m×3 m×1.7 m と、既存のものに比べて大きく太陽中性子の検出効率も高
い。また、本検出器は多方向宇宙線強度の変動を調べることも目標としていて、現在全体の 8 分の 3
を用いて中性子と宇宙線ミューオンの 2 種類のデータを開始している。一方で、SciCRT の運転と並
行して、高速データ収集システムの開発も行っている。これは既存のデータ収集システムのスピード
(最大 1 kHz) では高山でのバックグラウンド宇宙線を取得しきれない等の問題があるためで、SiTCP
という方式を用いたデータ取得の試作モジュールを KEK との共同で開発してきた。本年度は試作 1
号機をシェラネグラに持ち込み動作試験を行い、
荷電粒子のトラックが見えることや現状の 10 倍の
速度でデータを取得できること等を確認した。この結果本モジュールは 2 号機としてグレードアッ
プし、来年度検出器全体の 8 分の 1 を用いたデータ取得の本試験を行う予定である。
本研究は、中部大学、信州大学、東京工業大学、国立天文台、宇宙航空研究開発機構、東京大学宇
宙線研究所、愛知工業大学、日本原子力研究開発機構、KEK などとの共同研究である。
現在開発中のデータ収集モジュールの最初のバージョン。今年度はこのバージョンを用いた試験をシェ
ラネグラで行った。
19
1.研究活動報告
スーパーカミオカンデで太陽中 WIMP 対消滅ニュートリノの探索から得られた WIMP-核子散乱断面積
に対する上限値、スピン依存型 (SD, 左) とスピン非依存型 (SI, 右) に対する結果。
6.宇宙線ニュートリノと暗黒物質の研究
2014 年度は、スーパーカミオカンデでの fully-contained neutrino 事象を用いた太陽からの軽い
Weakly Interacting Massive Particles (WIMP) 対消滅ニュートリノ探索の結果を Physical Review Letters
に投稿し掲載決定となった。本結果は、軽い数 GeV 質量領域の WIMP に対して、スピン依存型断
面積の上限値を 10 倍改善するこれまでで最も厳しい制限であると共に、DAMA や CDMS など
WIMP 直接探索実験が示唆するスピン非依存型断面積の領域もほぼ排除する結果で、Editor’s Choice
にも選ばれた。これらの結果は博士論文としてまとめられた。また、偏光レーザービームを用いて
水中のレイリー散乱パラメーター測定のために、レーザー射出機の基本特性を調べる測定結果をま
とめ、第 70 回物理学会年次大会で報告した。
暗黒物質の直接探索として液体キセノンを用いたWIMP 直接探索XMASS 実験の遂行を引き続き
行い、液体キセノンからのシンチレーション発光時定数の解析を行なった他、将来の XMASS1.5 実
験建設のための検出器部材の放射性物質スクリーニングを行なった。
また、
液体キセノン 1 相式 TPC
開発のために、東大宇宙線研 (神岡) において新しい液体キセノンテストベンチの製作を行なった
他、学内においても小型ガスアルゴン TPC の試作も行なった。
本研究は東京大学宇宙線研究所等との共同研究である。
7.加速器を用いた宇宙線相互作用の検証実験
宇宙線が地球大気中の原子と相互作用を起こし複数の粒子が発生する現象を空気シャワーと呼ぶ。
空気シャワーによる超高エネルギー宇宙線の研究が進んでいるが、観測結果の解釈の際、相互作用モ
デルの不定性による誤差が生じる。我々は、人工的に最高エネルギーの粒子を作ることのできる Large
Hadron Collider (LHC) 加速器を用いた核相互作用検証実験 LHCf を実施している。LHC は欧州合同原
子核研究機関 (CERN;スイス) に建設された 14 TeV (TeV は 1012 eV) 陽子衝突型加速器で、実験室系
換算で 1017 eV の相互作用の検証が可能である。
20
1. 研究活動報告
2014 年度には、2013 年に取得した重心系 5 TeV 陽子鉛衝突における超前方中性パイ中間子生成断
面積を公開した。測定された中間子スペクトルは 1) 陽子と鉛原子核によるハドロン反応、2) 陽子
と鉛原子核周辺の仮想光子による反応、の重ね合わせで説明できることが分かった。空気シャワー
発展に重要なハドロン反応成分は、
測定誤差の範囲では既存のモデルで説明できることが分かった。
本測定では、LHC 衝突点を共有する ATLAS 実験グループとの共同測定を行っており、年度後半に
共同解析を開始した。
LHCf は2015 年にLHC 13 TeV 陽子陽子衝突でのデータ取得を予定している。
測定にむけた検出器の改良を 9 月に完了、10 月には CERN SPS 加速器において基礎性能試験を実施
した。装置は 11 月に LHC トンネル内に設置され、初期動作試験に成功している。LHCf の将来計
画として Relativistic Heavy Ion Collider (RHIC) 加速器 (Brookhaven 国立研究所;アメリカ) における
重心系 510 GeV 陽子陽子衝突の超前方測定の提案を行い、現地調査を含めた議論をすすめている。
本研究は、芝浦工業大学、早稲田大学、神奈川大学およびアメリカ、フランス、イタリア、スイス、
スペインの研究機関との共同研究である。
8. 広視野望遠鏡による太陽系外惑星探索
背景の星の前を、質量を持った他の星が通過する際、その重力レンズ効果によって、背景の星
の光が集められ、一時的に明るく見える。この現象を利用して、宇宙の質量のほとんどを占める
とされるダークマター、宇宙初期に生成したとされる原始ブラックホール、太陽系外惑星などの
M 型星連星の一方を回る地球質量惑星 OGLE-2013-BLG-0341 (Gould et al., 2014)
21
1.研究活動報告
探索を行うことが本研究の目的である。この現象は極めて稀にしか起きないので、大小マゼラン
雲や銀河中心のような星の密集した領域を、広視野望遠鏡で常時監視する必要がある。このため、
我々はマゼラン雲や銀河中心の観測に適したニュージーランド・マウントジョン天文台に口径 1.8
m、 視野 2.2 平方度の専用望遠鏡を設置し、2005 年 5 月から観測を行っている。それまで利用し
ていた 61 cm 望遠鏡は、追観測に使用している。2014 年 8 月からは 3 色同時撮像カメラによる追
観測を開始した。
2014 年度は、銀河中心方向では、621 個のマイクロレンズイベントをリアルタイムで検出し、全世
界に追観測を促すアラートを発する事に成功した。太陽系外惑星および浮遊惑星候補がそれぞれ複数
見つかっており、解析が進められている。過去のイベントのデータ解析も進み、続々と研究成果を公
表している。マイクロレンズ法による惑星発見数は 34 個となった。特筆すべきものとしては、
OGLE-2013-BLG-0341 事象で、非常に低質量の連星の一方を回る地球質量の惑星が発見されたことが
あげられる。また、JAXA Hayabusa 2 ミッションのターゲットとなる小惑星 (162173) 1999 JU3 の観測
結果を公表した。銀河中心の見えない時間帯は、マゼラン雲の高頻度観測と M 型星のトランジット
観測を実施している。
本研究は、ニュージーランド・カンタベリー大学、オークランド大学、ビクトリア大学、マッシー
大学のほか、大阪大学、京都産業大学、東京都立産業技術高等専門学校、長野工業高等専門学校との
共同研究である。
9.放射性炭素による過去の太陽活動の研究
地球に到達する銀河宇宙線強度は太陽活動に依存する。宇宙線が地球大気中で原子核反応を起
こすことにより、放射性炭素 (炭素 14) が生成される。この炭素 14 は半減期が 5730 年の放射性
同位体であり、その一部は炭素循環の過程で光合成により樹木の中に取り込まれる。樹木年輪中
の炭素 14 濃度を測定すれば、炭素 14 が取り込まれた年代の宇宙線強度や、この変動の要因とな
っている太陽活動や宇宙高エネルギー現象に関する知見が得られ、過去の太陽や地球周辺の宇宙
環境の変遷を知ることができる。これまでに、太陽活動が低下していた極小期 (grand minima) を
中心に年輪中の炭素 14 濃度を測定し、太陽黒点が見られなかったマウンダー極小期 (1645-1715
年) にも炭素 14 濃度は変動しており太陽が周期活動をしていたこと、マウンダー極小期の太陽活
動周期 (シュワーベ・サイクル/ヘール・サイクル) が、現在の 11 年/22 年に対して 14 年/28
年であったこと、太陽磁場が反転していたこと等が明らかになった。一方シュペーラー極小期
(1416-1534 年) では太陽活動周期が現在とほぼ同じ 11 年/22 年周期であった。また紀元前 4 世
紀の顕著な太陽活動極小期における太陽活動周期は 16 年であり、一方、西暦 7 世紀の小さな極小
期では 13 年周期が見られた。これらのことから 11 年太陽活動周期は、太陽活動極小期の規模に
応じて長くなることが示唆された。
炭素 14 の測定により西暦 775 年と 994 年に宇宙線急増現象の痕跡を発見したが、この現象が他の
宇宙線生成核種にもみられるかどうかを検証した。南極ドームふじのアイスコア試料中のベリリウム
10 濃度を測定し、西暦 775 年付近に有意な増加を見い出し、Geophysical Research Letters に発表した。
発生頻度から、この事象の原因が太陽の特大フレアによる可能性が高いと考えられるが,さらに精度
の良い測定とさらなる事象の発見を目指して、炭素 14 とベリリウム 10 の測定を継続している。
22
1. 研究活動報告
本研究は、名古屋大学年代測定総合研究センター,国立極地研究所,東京大学タンデム加速器研究
施設 MALT との共同研究で実施された。
10.宇宙線による雲生成検証実験
太陽活動と地球気候が関係していることは多くのデータが示しているが、そのメカニズムとしては、
太陽紫外線の影響が広く考えられている。一方、地球に到来する銀河宇宙線が作り出す二次宇宙線粒
子による大気イオンが、対流圏下部における雲生成を制御することによって地球気候と相関するとい
う考えが提唱されている。この仮説を実験的に検証するための室内実験を開始し、やや大型の大気反
応チェンバーを用いて、これに自然大気や人工模擬大気を導入し、オゾン、二酸化硫黄などの微量成
分比や宇宙線に替わる放射線源による照射量を変化させて、イオン生成やエアロゾル粒子生成を測定
している。ベータ線や加速器粒子の照射による現象の再現性を確認し、雲核のもとになるエアロゾル
粒子の生成率の測定を試みている。2014 年度も昨年度に引き続き,高エネルギー重イオンによる反応
を調べた。今後さらに本格的な測定を行い、宇宙線による雲生成仮説の検証を行う。
本研究は、独立行政法人海洋研究開発機構、独立行政法人放射線医学総合研究所との共同研究で行
われている。
11.ガンマ線観測による宇宙線加速源の研究
宇宙線 (陽子・原子核) の起源は未だ謎であるが、宇宙線と星間ガスの相互作用で放出されるガン
マ線は、宇宙線の起源とその伝播を研究する上で最も有力な手段と考えられている。2008 年に観測を
開始した Fermi 衛星により、銀河系内宇宙線源の最有力候補である超新星残骸での宇宙線加速・伝播
の様子を明らかにしつつある。
2013 年には超新星残骸W44 やIC443 においてGeV (109 電子ボルト) 領
域ガンマ線のエネルギースペクトルを測定し銀河系内宇宙線の起源に関する決定的な証拠を得た。ま
FOXSI でとらえた太陽フレア。RHESSI では、回転型コリメータの画像を処理しているので偽のパターン
が出てしまうが、FOXSI では光学系で結像しているので鮮明な画像が得られ、フレアの根元における硬 X
線放射のスペクトル解析を可能にしている。
23
1.研究活動報告
ASTRO-H に搭載される直前の軟ガンマ線検出器。
た Fermi 衛星によるガンマ線観測は、暗黒物質の対消滅によって生成されるガンマ線にも感度持つ。
これまで背景ガンマ線の少ない矮小楕円体銀河と呼ばれる我々の銀河系の周りを回る伴銀河や銀河
ハロー領域における対消滅ガンマ線信号による暗黒物質探査において、宇宙初期の熱的残存起源の暗
黒物質の存在を約 30 GeV 以下の質量範囲で否定した。最近ガンマ線の選別アルゴリズムを改良しデ
ータを追加した結果、矮小楕円体銀河の解析において約 100 GeV の質量まで否定範囲を拡大した。
既存の観測装置からのデータ解析を進める一方で、次世代のガンマ線観測装置である ASTRO-H 軟
ガンマ線検出器の開発を主導している。2014 年度は、衛星搭載器の製造を完了し、打ち上げ時の振動・
音響環境に耐えることを確認する振動試験・音響試験や、軌道上での熱環境における性能を検証する
熱真空試験などの環境試験を実施した。
ASTRO-H では、硬 X 線の撮像分光器の技術開発において、低雑音両面型ストリップ検出器や専用
集積回路の開発に貢献してきたが、その技術を応用したロケット太陽観測実験 FOXSI に参加し、硬 X
線撮像分光器を宇宙科学研と協力して開発し搭載した。2013 年には第一回目のロケット実験を実施し
たが、観測開始から約 3 分後に運良く太陽フレアが発生したため、約 2 分半の間太陽フレアを観測し
た。硬 X 線エネルギー領域では、通常のカウントレートが毎秒 10 カウント以下 (有効面積は 180 cm2
程度)で あるが、フレアでは毎秒 100 カウント以上のカウントレートを記録した。図に示す通り、
RHESSI と比較してはるかに鮮明な画像の撮影に成功した。現在有効面積を 30%広げ、10 keV 以上で
の検出効率を改良した FOXSI2 の打ち上げ準備を進めている。
さらに Cherenkov Telescope Array (CTA) の基礎開発に参加し、SLAC 国立加速器研究所 (アメリカ)
と共同で電子回路開発の中心的役割を果たしている。また、CTA で導入予定の半導体光検出器の性能
改善の研究を製造業者と共同で進めている。
24
1.研究活動報告
総 合 解 析 (第 4部 門 )
総合解析部門 (Integrated Studies Division) では、太陽から地球までのエネルギーと物質
の流れの解明と太陽地球環境の変動予測を目指し、人工衛星や地上観測によって得られた
データの解析と、コンピュータシミュレーション/モデリングを組み合わせた太陽地球環
境システムの総合解析研究を行っている。特に、非線形過程や領域間相互作用の結果とし
て起こる諸現象 (太陽フレア、コロナ質量放出 (CME)、磁気嵐、オーロラなど) の解明と
その発生予測につながる研究を推進すると共に、これらの変動現象が社会に及ぼす様々な
影響を定量的に明らかにしていくことに重点をおいた研究を行っている。
総合解析部門が中心となり推進している GEMSIS プロジェクトでは、太陽、磁気圏、電
離圏の 3 つのサブグループを核に、ジオスペースにおける各領域での実証型モデルを構築
し、宇宙嵐時に強く発動する多圏間相互作用と高エネルギー粒子生成・消滅を担う物理機
構の解明を目指している。また、コミュニティのニーズに応じて、太陽観測衛星ひので、
ジオスペース探査計画 ERG のサイエンスセンター機能 (イベントカタログ、メタデータ
付データベース、統合解析ツール等) の整備を進めてきた。ERG サイエンスセンター機能
の整備に向けては、地上観測データ提供元の諸機関および大学間連携プログラム
IUGONET 等と協力しながら推進してきたが、2013 年度からは JAXA 宇宙科学研究所と当
究所が「大学共同利用連携拠点の設置・運営に係る協定」を締結し、宇宙科学連携拠点と
して当研究所に設置された ERG サイエンスセンターを共同運用している。
1. 白色光フレアの発生要因に関する統計的研究
白色光フレアとは、可視連続光において増光が観測される太陽フレアである。白色光増
光には、加速電子の降り込みが深く関わっているあることは分かっているが、発生過程の
詳細については未解明である。本研究では、多数の太陽フレアを白色光フレアと非白色光
フレアに分類し、両者を多波長観測 (可視連続光、Ca II 線、軟 X 線、硬 X 線、電波) で
得られたさまざまな物理量で比較することにより、統計的に白色光増光を生み出す要因を
探った。これは世界的にも全く新しい手法である。その解析結果を考察して、白色光増光
には、大量の比較的低エネルギーの加速電子がコンパクトな領域に短時間に降り込むこと
が重要であるという結論を得た。これは、今後の白色光フレアの発生モデルの議論に大き
な制約を与えることになる。
2. ひので衛星フレアデータベース作成
2006 年 10 月の Hinode 衛星の観測開始から現在までに 3 つの搭載機器 (SOT・XRT・EIS)
で観測された太陽フレアのカタログ作成を行い、随時更新している。本カタログには、野
辺山電波ヘリオグラフ、RHESSI 衛星の観測情報も含まれている。今年度は、さらに X 線
天文衛星 Suzaku が検出した太陽フレアの情報を付加した。
URL: http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/hinode_flare/index.html
25
1.研究活動報告
3. 太陽風-乱流輸送 3 次元磁気流体モデルの開発
太陽物理学における最重要課題の一つに、太陽コロナ加熱・太陽風加速問題がある。太
陽コロナ加熱・太陽風加速において、磁力線に沿って伝番する Alfven 波、特に Alfven 乱
流によるエネルギーの輸送が重要な役割を果たしていると考えられている。
本研究では、内部太陽圏の太陽風 3 次元磁気流体力学シミュレーションの中で、乱流の
生成・輸送・散逸を取り扱う数値シミュレーションモデルの開発を行った。このモデルで
は、Alfven 乱流の中で磁力線に沿って双方向に伝搬する成分および非 Alfven 成分のそれ
ぞれの 3 つのモーメント量の時間空間発展を解く。これに加え、3 つのモーメントに対応
する correlation length を表す 3 つの変数の時間空間発展も同時に解く。これにより、太陽
からの距離に応じて状態の変化する乱流を統一的に取り扱うことに成功している。このモ
デルによって得られた乱流の分布は、Helios および Ulysses によって観測された乱流分布
を極めてよく再現した。
4. 太陽活動領域 NOAA12192 のコロナ磁場構造の時間発展
巨大な黒点をともなう活動領域 NOAA12192 は、2014 年 10 月中旬から地球側に現れ、
地球から観測できる期間の間に 6 回の X クラスフレアを発生した。驚くべきことに、6 回
の X クラスフレアのすべてにおいて CME が発生しなかった。CME を伴わない X クラス
フレアはこれまでも複数報告されているが 6 回も連続した前例は報告されていない。
この原因を調べるため、SDO/HMI ベクトル磁場の時系列観測データから時系列の非線
形フォースフリー磁場を計算した。磁束量・磁気エネルギーの時間変化および decay index
の高さ方向の分布の時間発展を調べた。活動領域 NOAA 12192 は大きく分けて 3 段階の
特徴の異なる発展過程を経ていることが明らかになった。decay index の高度分布は時間
的に大きく変化せず、n=1.5 を超える領域は平均して 80M m より上空にある。一方、フレ
アを引き起こしたシア磁場の中心高度は 20-30M m と十分低かった。これにより、磁場に
よる閉じ込め効果が強かったことが示唆された。
5. 太陽面爆発のトリガ機構に関するシミュレーション研究
太陽コロナにおける磁気エネルギーの突発的解放現象である太陽フレアや CME など太
陽面爆発のトリガ機構は未だに十分理解されていない。そのため、太陽面爆発の予測能力
も低いままである。我々は太陽面爆発のトリガ機構を解明するために、系統的なシミュレ
ーション研究を実施してきた。その結果、磁気シアとして自由エネルギーが蓄積された領
域において、2 つの特徴的な構造をもつ小規模磁場の出現が爆発のトリガとなることを明
らかにした。本年度はこの研究を発展させ、小規模磁場の位置と爆発のトリガとの関係に
ついて調査した。その結果、逆シア型と呼ばれる小規模磁場は磁気中性線から比較的離れ
ても爆発を引き起こすことができるが、反極性型と呼ばれる小規模磁場は磁気中性線の近
傍でのみ爆発を引き起こすことが可能であることを明らかにした。このことは、逆シア型
の磁場に伴う爆発がより頻繁に発生する可能性を示唆するものである。
26
1.研究活動報告
6. ダイポラリゼーション・フロント周辺にみられる粒子速度分布関数の特性
Burst Bulk Flow (BBF) の先端部は周辺よりも大きな北向き磁場成分 (Bz) や加速された
イオン・電子によって特徴づけられ、ダイポラリゼーション・フロントと呼ばれている。
本研究では、Geotail 衛星が X~-10Re (Re: 地球半径) 付近で、BBF を観測していた時のイ
オンの速度分布関数に着目してデータ解析を行った。
その結果、ダイポラリゼーション・フロント領域においては、頻繁に、クレッシェンド
型のピッチ角が大きく広がった地球向きのイオンビームの存在することが確認された。こ
のビーム成分は、X~-30Re 以遠に出現する反地球向きの BBF でみられるものに比べて、
ピッチ角が大きい傾向がある。また、ある時間帯では、それよりも低速であるが、やはり
ピッチ角の広がった反地球向きのイオンビームが確認された。地球向きのイオンビームは、
より尾部側の領域で加速されたものであり、そのビームが磁力線に沿って運動すると、あ
る地点で磁気ミラー効果によって運動の向きを反転させて赤道付近に戻り、それが反地球
向きのイオンビームとして観測されたという解釈を与えた。
7. 電気伝導度の太陽天頂角依存性
本研究では、地球の昼間電離圏における、高度積分した電気伝導度の、太陽天頂角 (SZA)
依存性を調べた。特に、ペダーセン伝導度に対するホール伝導度の、比について近似式を
理論的に得た。式の検証には、トロムソ (67 MLAT) の EISCAT レーダー観測を用いた。
電気伝導度は電子密度に依存している。しかし、過去の研究においては、伝導度の SZA
依存性が、Chapman 理論による電離層最大電子密度で表現できるか否か不明であった。本
研究では、観測された電気伝導度を理解するためには、Chapman 電離層を修正すれば良い
ことを見出した。そのような修正は、E 層の topside では垂直方向に電子密度が一様であ
ると近似すること、また、中性大気温度が高高度ほど高くなる効果を取り入れることであ
る。さらに、SZA が大きくなるほど、つまり夜に近づくほど、ホール層が薄くなる効果を
指摘し、この効果を、Chapman 理論における最大電子生成高度により表現し、電気伝導度
電離層における、電場に垂直な方向のホール電気伝導度と、電場に平行な方向のペダーセン電気伝
導度の比。EISCAT 非干渉散乱レーダーの観測地を、本研究で提唱された理論近似式に当てはめた。
27
1.研究活動報告
比の近似式を作成した。電離層における、電場に垂直な方向のホール電気伝導度と、電場
に平行な方向のペダーセン電気伝導度の比。EISCAT 非干渉散乱レーダーの観測地を、本
研究で提唱された理論近似式に当てはめた。
8. 衛星-地上観測およびシミュレーション研究による脈動オーロラ時における準相対論的電子
降下の実証
脈動オーロラは、サブストーム時に普遍的に見られる現象であり、数 keV から数十 keV
の電子が間欠的に電離圏に降り込むことで引き起こされる。一方、Miyoshi et al.[2010]が提
案したモデルによれば、脈動オーロラ時には準相対論的エネルギーから相対論的エネルギ
ーを持つ電子も同時に降り込むことが予見されている。本研究では、2012 年 11 月にノルウ
ェー・トロムソ上空で観測された脈動オーロラ現象について、EISCAT レーダー、光学観測、
リオメータ―、LF 標準電波の地上観測、Van Allen Probes 衛星による磁気圏プラズマ波動観
測、そして GEMSIS-RBW シミュレーションを組み合わせた研究を行った。北欧 EISCAT レ
ーダーが観測した電子密度の高度プロファイルからは、脈動オーロラ時に少なくとも 200
keV の電子が降りこんでいることが同定された。北欧リオメータ観測ネットワークからも高
エネルギー電子が降りこんでいたことが証左づけられるとともに、LF 標準電波観測ネット
ワークからは、真夜中から朝側にいたる広い経度域でこのような降り込みが起こっていた
ことが明らかになった。また、このときトロムソの全天カメラの視野内に、Van Allen Probes
衛星の footprint が位置していた。この脈動オーロラ時に、Van Allen Probes がホイッスラー
モード・コーラス波動の rising tone を連続して観測していた。観測されたコーラス波動を入
力として、GEMSIS-RBW による波動粒子相互作用の計算を行った結果、コーラス波動によ
って EISCAT が観測した電子の降り込みが定量的に再現され、Miyoshi et al.[2010]のモデルの
妥当性が実証された。
9. ECH 波動による電子ピッチ角散乱の観測的実証
本研究では、Electrostatic cyclotron harmonic (ECH) 波動と呼ばれる、磁気圏内で観測さ
れる静電的波動による電子ピッチ角散乱の効果を観測的に検証した。これまでの数値実験
では、ホイッスラーモード波動と呼ばれる電磁波による電子ピッチ角散乱が ECH 波動に
比べて有効に作用し、磁気圏内に存在する keV 帯の電子が効率的に大気に向かって降下し、
ディフューズオーロラと呼ばれるオーロラの生成に寄与すると考えられてきた。本研究で
は、THEMIS 衛星による電子分布関数・プラズマ波動データを組み合わせた解析を行い、
ホイッスラーモード波動が存在しない場合においても、ECH 波動が電子分布関数を優位に
変形させており、電子を大気に向かって降下させている傾向が見られた。本研究により、
ホイッスラーモード波動が存在しない場合でも、ECH 波動が活発である事でディフューズ
オーロラが励起される事を観測的に示した。
10. ERG 衛星搭載波動粒子相互作用解析装置のためのアルゴリズム開発
2016 年度に打ち上げ予定であるジオスペース探査衛星 ERG には、
「波動粒子相互作用解
析装置 (Wave-Particle Interaction Analyzer:WPIA)」が搭載される予定である。WPIA は放射
線帯高エネルギー粒子生成に関わる波動粒子相互作用をその場で直接計測するシステム
である。具体的には衛星の機上において波動の電界および磁界ベクトルと粒子速度ベクト
28
1.研究活動報告
ERG 衛星搭載波動粒子相互作用解析装置の開発用システム。
ルの位相差情報を取得し、相互のエネルギー授受の定量的変化を直接計測する.本研究で
は,この WPIA を実現するためのアルゴリズムを衛星に搭載されるシステムと等価なハー
ドウェアを用いながら開発する。本年度は演算処理部および波動・粒子のデータ保存用の
メモリを搭載した開発システム (上図) を当研究所に設置し、WPIA の機上処理を実現す
るために波動および粒子の各機器が生成する複数の WPIA 用データおよび通常科学デー
タの取得および地上へのデータ送信を目的とした設計を行った。そして、機上演算アルゴ
リズムの開発、動作検証を行い、オンボード処理においてプラズマ波動波形の位相情報の
連続性を保証するアルゴリズムの確立を行った。
11. サブストームに伴う磁気圏近尾部の変化とオーロラオンセットアークの発展の対応
サブストーム開始時の磁気圏近尾部における変化とオーロラオンセットアークの発展のタイ
ミングについて、THEMIS 衛星と地上全天カメラのデータを用いて事例解析を行った。THEMIS
地上全天カメラは、オーロラを広範囲にわたって、これまでの衛星搭載のカメラよりも高い時
間空間分解能で観測している。そのため、従来よりも詳細にオーロラの発展のタイミングを調
べることができる。オーロラオンセットアークは、出現し、増光し始めてから数分後に大きく
波打ち、渦巻き始める。さらにその数分後に極方向に拡大する。THEMIS 衛星による磁気圏尾
部の観測から、磁気リコネクションは、X~-20 Re 付近で、オーロラオンセットアークの出現
の少なくとも 1-2 分前に始まることが分かった。
その後、
オーロラの波状構造の出現と同時に、
X~-10 Re のプラズマシートで低周波波動が励起する。そして、オーロラの極方向拡大と同時
に磁場双極子化が始まる。これらの結果から、磁気リコネクションは磁場双極子化とオーロラ
オンセットアークの発展を促す役割を果たしていることが示唆される。
12. サブストームのエネルギー収支と磁気圏尾部のエネルギー輸送の評価
私たちがこれまでに得た観測結果に基づいて、サブストームのエネルギー収支と磁気圏尾
部のエネルギー輸送について定量的な評価を行った。サブストーム爆発相のエネルギー、す
なわち、電離圏のジュール加熱と粒子の降り込み、およびリングカレントの粒子注入のエネ
ルギーは、磁気圏尾部から十分な量が供給され得ることを示唆する結果が得られた。磁気圏
29
1.研究活動報告
近尾部のプラズマシートのエネルギーの大部分は、磁気圏近尾部の磁気リコネクションによ
って発生するプラズマシートの高速流よりも、ローブから直接ポインティングフラックスと
して運ばれることが分かった。しかし、磁気圏近尾部の磁気リコネクションの役割はサブス
トーム爆発相のポインティングフラックスを増大させることであり、それに伴って供給され
るエネルギーはサブストームのエネルギーに十分に足りることを提唱した。
13. 地球内部磁気圏における酸素イオン増加と消失に関する観測的研究
磁気嵐発生時に地球磁気圏内で増加する高エネルギー (1-1000 keV) 酸素イオンのダイ
ナミクスを調べるため、Van Allen Probes 衛星や AMPTE/CCE 衛星で得られたデータを用
いた研究を行っている。酸素イオンの消失については、Van Allen Probes 衛星によって、電
荷交換反応で予想される消失率よりも速く消失していることが示された。これは、波動粒
子相互作用によるイオン消失の重要性を示唆する結果である。酸素イオンの増加について
は、Van Allen Probes ミッションによる複数衛星観測により、磁気嵐主相中のサブストーム
発生時に、酸素イオンが突発的かつ広範囲にわたって増加している事例が確認された。エ
ネルギースペクトル解析から、酸素イオンは非断熱加速を受けていないことが示された。
これは、内部磁気圏あるいは近尾部プラズマシートに予め存在していた低温/熱的酸素イ
オンが断熱的に輸送・加速されたことを示唆している。今後統計解析を進めることで、酸
素イオン供給と非断熱加速の相対的な役割や重要性を明らかにしていく。
14. 地球内部磁気圏における高エネルギーイオン輸送に関する観測的研究
磁気嵐発生時にプラズマシートから内部磁気圏に輸送され、リングカレントの主要コン
ポーネントとなる高エネルギーイオンの輸送特性を調べるため、Van Allen Probes 衛星デー
タを用いた観測的研究を行っている。
2013 年 4 月 23 日の磁気嵐中に観測された、μ値 (第一断熱不変量) が 0.3, 0.5, および 1.0
keV/nT であるイオンについて、それぞれ位相空間密度の L 値依存を複数軌道周回にわたって
調べた。水素イオンはμ値 (第一断熱不変量) が小さいイオンほど地球近くまで侵入していた。
一方で酸素イオンは、侵入境界がμ値に依存せず、また水素イオンよりも時間的に早く、よ
り深く侵入していた。これらの結果は、高エネルギー酸素イオンの源となる低温/熱的酸素イ
オンが、水素イオンよりも地球側に多く存在していたことを示唆している。
15. 電磁イオンサイクロトロントリガード放射による非線形波動粒子相互作用の研究
地球内部磁気圏の磁気赤道域において、数 Hz 帯に電磁イオンサイクロトロン (EMIC)
トリガード放射と呼ばれる新たなプラズマ波動放射現象が複数の人工衛星により観測さ
れた。EMIC トリガード放射は非線形波動粒子相互作用によって周波数上昇しながら成長
する EMIC 波であり、スーパーコンピュータを用いた粒子シミュレーションにより周波数
上昇を伴うスペクトルおよびサブパケット構造を持った波形の再現に成功している。非線
形波動粒子相互作用による影響は内部磁気圏プラズマに様々な形で影響を与える。数 keV
のプロトンはトリガード放射を励起すると同時に散乱されてロスコーンに落ちる。一方で
一部は磁気赤道面で高ピッチ角方向に加速される。また、広い周波数帯を持つトリガード
放射と相対論的電子との異常共鳴により、幅広いエネルギー帯の電子が散乱されることを
30
1.研究活動報告
テスト粒子計算により示した。波動の持つ波形の微細構造に対応して、散乱の様子が異な
る。一方で、低エネルギーイオンの運動を考慮した場合、赤道周辺において EMIC 波動に
よる非線形加熱が効率よく起きることを示した。このとき、強い静電場が発生し、波動の
スペクトル構造も変化させられることが明らかになった。
16. オーロラ帯における流出イオン組成とエネルギーインプットと流出フラックスの太陽天頂角
依存性
オーロラ帯では磁気圏からのエネルギー流入によってイオン流出が発生している。特に、
重い O+イオンの流出および磁気圏への供給に関してはこのオーロラ帯からのイオン流出
の寄与が大きく、重要視されている。FAST 衛星の 1998 年 1 月から 1999 年 2 月の電磁場、
電子、イオン、イオン組成のデータを解析し、流出するイオンの組成、エネルギーインプ
ットと流出イオンフラックスの太陽天頂角依存性について解析を行った。その結果、磁力
線のフットプリントの電離圏が日照状態の場合には流出イオンは O+イオンが支配的な傾
向があるが、日陰では H+イオンが支配的な傾向があることが明らかになった。また、大
フラックスの O+イオン流出イベントについては主に日照時に発生していた。降り込み電
子 (>50 eV) の密度とイオン流出フラックスの関係についても太陽天頂角依存性が見られ、
O+イオンの流出フラックスの理解には以前から指摘されていたエネルギーインプットに
加えて、電離圏への日照の効果を考慮する事が重要である事を示した。さらに、太陽天頂
角依存性を考慮したイオン組成比、エネルギーインプットと流出フラックスの経験モデル
を構築した。
17. 磁気急始の振動
磁気圏-電離圏結合の観点で、磁気急始時に極域電離圏に誘起される対流電場に関して、
北半球で稼働中の全 SuperDARN レーダーから得られる電離圏プラズマ対流観測データを
数年分統計することで、磁気急始に伴う過渡的な電離圏プラズマ対流振動の全体像を明ら
かにした。結果として、磁気急始の極性と、惑星空間磁場の Y 成分の極性との組み合わせ
により、誘起される対流振動の構造が正反対の朝夕非対称構造を持つことが、今回初めて
観測的に示された。この結果とグローバル MHD シミュレーションとの比較により、この
朝夕非対称性を持つ対流振動が、元々極域電離圏に誘起されていた磁気圏対流電場と、磁
気圏の急圧縮・膨張によって発生した過渡的な電場振動との重ねあわせにより駆動されて
いることが分かった。
18. MGS 衛星データ解析に基づく太陽風-火星相互作用の研究
火星前面のバウショックで減速された太陽風 (マグネトシース) は、火星周辺では火星
大気起源のイオンによって更に減速され、太陽風磁場が積み重なって誘導磁気圏が形成さ
れる。この磁場が積み重なった領域とマグネトシースの境界面を Magnetic Pileup Boundary
(MPB) と呼ぶ。MPB の位置は太陽風の条件によって大きく変動し、動圧の高い太陽風が
火星に吹きつけた場合、マグネトシース領域がより低高度まで達し、太陽風起源プラズマ
が侵入する「太陽風侵入イベント」が起こることが報告されている。太陽風侵入の深度は、
火星からの大気流出率を左右する重要なパラメータであるため、その頻度やメカニズムの
理解が必要とされている。先行研究では、太陽風動圧の他、惑星間空間磁場 (IMF) の向
31
1.研究活動報告
きが太陽方向 (toward セクター) 向きか、反太陽方向 (away セクター) 向きかが、太陽風
侵入に影響を及ぼすことが示唆された。しかし、その発動メカニズムはよく分かっていな
い。
本研究では、MGS がほぼ一定の高度 (約 400 km) で観測を行った 1999 年 4 月から 2006
年 11 月までのデータを用い、磁場と電子の観測から太陽風侵入イベントを判定する条件
を設定し、244 の太陽風侵入イベントを同定した。イベント時の IMF セクターを調べるた
め、地球軌道での ACE 衛星による太陽風データと MGS の太陽風プロキシーデータとの比
較を行い、同期間に対し、火星軌道での太陽風条件の推定を行った。統計解析の結果、太
陽風侵入イベントの頻度は、IMF の away セクター通過時に、toward セクター時の 2 倍以
上に増加することを発見した。また、低動圧のときには磁気異常の比較的弱い北半球で太
陽風侵入現象がよく観測されることを明らかにした。これらの結果より、away セクター
時に磁気異常の弱い北半球に太陽風が侵入しやすくなる物理的メカニズムの候補として、
ケルビンヘルムホルツ(K-H) 不安定性の成長率の電場依存性による境界面の波状構造形
成など、太陽風電場の方向が重要な役割を果たすことが示唆される。
19. ひさき衛星による金星極端紫外大気光の周期的変動の発見
2014 年のひさき衛星の観測データを用い、金星超高層大気 (〜 >130 km) において極端
紫外域で発光する大気光の時間変動について解析を行った。その結果、金星超高層大気で
発光する酸素 I (130.4 nm および 135.6 nm) や酸素 II (83.4 nm) の発光強度に特徴的な周期
性があることが明らかになった。また、この周期性が金星の見え方 (ローカルタイムの変
化) によって異なることも明らかになった。観測された周期的変動は超高層大気の酸素原
子または光電子の密度が周期的に変動しているものと考えられる。今回の観測ではこの周
期的変動の原因の特定には至らなかったものの、3 つの仮説が提案された。一つは金星中
層大気から伝搬してくる大気重力波による影響、一つは同様に中層大気から伝搬してくる
プラネタリー波による影響、そして最後に太陽風パラメータ (速度、動圧、磁場) の変動
に伴う影響である。2015 年はこれらの仮説により制限を与えられるよう、以前より長期的
かつ連続的な金星観測を予定している。
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2.ジオスペース研究センター
2. ジオスペース研究センター
ジオスペース研究センターは、従来の共同観測情報センターおよび各観測所を統合して
2004 年 4 月に発足しており、太陽から地球大気までのエネルギー・物質の輸送・循環過程
に関する系統的解明を目指して、太陽地球環境に関する定常的事業と領域横断的な重点共
同研究プロジェクトの企画・推進を行っている。ジオスペース研究センターは、プロジェ
クトの企画・統括を行うマネジメント部と、プロジェクト研究の実践・支援を担うプロジ
ェクト推進部、そして分野横断的な観測協力が機動的に実施できるように一元的に編成さ
れた観測所群から構成される。研究推進に不可欠な太陽地球環境の観測は、研究所本部 (名
古屋)、研究所分室 (豊川) の他、北海道の母子里観測所・陸別観測所、富士山麓の富士観測
所、南九州の鹿児島観測所および長野県の菅平観測施設・木曽観測施設で行われている。
センターの定 常 的 事 業
1.データベース作成
2014年度のデータベース作成共同研究は、
16課題 (p.95参照) が運営委員会で審査の上承認され、
実施された (http://center.stelab.nagoya-u.ac.jp/site1/kyodo/db_kadai26.html) 。当研究所が建設した
SuperDARN レーダー (北海道-陸別短波レーダー) が 2006 年 11 月より継続して稼働をしており、
このデータベースも共同利用の形式で公開を行っている (http://center.stelab.nagoya-u.ac.jp/hokkaido/)。
2.計算機利用共同研究
太陽地球系科学に関するモデリング・シミュレーションの 2014 年度計算機利用共同研究
は、21 課題 (p.94 参照) が各専門委員会で審査の上、共同利用委員会で承認された。2013
年 10 月から稼働している Fujitsu CX400 および FX10 を用いた共同研究が精力的に実施され
た (http://center.stelab.nagoya-u.ac.jp/site1/kyodo/cp_kadai26.html)。更に、2010 年 12 月より稼
働した当研究所のスーパーコンピュータ DELL PowerEdge R815 の運用を開始し、ケルビン
-ヘルムホルツ不安定性や磁気リコネクションのブラソフシミュレーションや、衝撃波の
粒子シミュレーションなどの大規模な運動論シミュレーションが実施された。
3.研究会・会合
2014 年 12 月 22-24 日に STEL 研究集会:STE シミュレーション研究会が海洋開発研究機
構 東京事務所において開催され、大気圏―電離圏結合モデル、多変量データ可視化、粒子法
を用いた流体計算や新地球シミュレータシステムに関する 4 件の招待講演および、電離圏プ
ラズマバブル、衝撃波、乱流、磁気リコネクション、磁気圏ダイナミックス、プラズマ波動、
太陽風モデリング、数値解法や計算機システムなどの様々な天体、太陽地球系科学およびプ
ラズマ科学に関するシミュレーション研究の最新成果に関する 27 件の講演があった。
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2. ジオスペース研究センター
4.大学間連携プロジェクト「超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究」の推進
文部科学省特別教育研究経費 (研究推進) の交付を受け、2009 年度より 6 ヶ年計画として発
足した特別教育研究経費プロジェクト「超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研
究」(IUGONET プロジェクト) は、国立極地研究所、東北大学、名古屋大学、京都大学、およ
び九州大学の 5 機関が連携し、各研究機関がこれまで全地球上に展開してきた超高層大気観測
網をさらに発展させることで観測データの蓄積を継続させるとともに、連携機関および関連研
究機関の間で多点情報交換システムを用いて
「超高層大気科学バーチャル情報拠点」を構成し、
観測データのメタ情報を集積して共有データベース化することにより、連携機関間のデータの
流通を促進し、それにより緊密な分野横断的共同研究を推進することを目指してきた。当研究
所では、ジオスペース研究センター職員で構成されるプロジェクト推進グループと、所内各研
究グループの代表から成るプロジェクト運営委員とが協力して、プロジェクトを推進している。
研究経費交付の最終年度となる 2014 年度は、前年度に引き続き、テレビ会議システムおよ
びウェブ会議システムを活用して、連携機関の間でのプロジェクト運営会議やデータベース
システムの開発会議・打ち合わせを定期的に行い、メタ情報データベースシステムおよび共通
データ解析ソフトウェアの改良・機能追加に関する作業を、連携機関間で協力して効率的に行
った。観測データのデータベース化とメタ情報の抽出・記述に関しては、当初に予定していた
全ての種類のメタデータのデータベース化を終了して公開すると共に、今後に生成されるデー
タに関しても順次メタデータベースに自動登録するようした。また、当該プロジェクトの期
末報告会を 2015 年 2 月 19-20 日に京都大学で当研究所の研究集会「太陽地球環境データ解
析に基づく超高層大気の空間・時間変動の解明」として開催した。この研究集会には 49 名が
参加し,連携機関および関連研究機関のネットワーク研究推進につき活発な意見交換を行っ
た。これらの成果は、大学間連携プロジェクトのウェブサイト(http:// www.iugonet.org) より公
開されている。さらに、国連が主導する国際研究集会「United Nations / Japan Workshop on Space
Weather」(2015 年 3 月 2-6 日、福岡) において参加者に解析ツールの利用講習会を開催した
り、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所 (APL) が推進する SuperMAG プロジェクトと
の相互参照を推進したりするなど、当情報拠点の関連他分野への拡大を図った。なお当プロジ
ェクトは、研究経費交付終了後の 2015 年度も引き続き可能な範囲で継続していく予定である。
プロジェクト
センターでは、2010 年度から 6 ヶ年計画で 4 つの課題を設定し、以下のとおり領域横断
的共同研究プロジェクトを推進した。
プロジェクト1 「特異な太陽活動周期における太陽圏3次元構造の変遷と粒子加速の研究」
第 24 太陽活動周期は、過去の周期と比べ黒点の出現が少なく、極磁場が弱いことや高速太陽風
の動圧が弱まっているなどの特異性がある。プロジェクト 1 では、この第 24 太陽活動周期におい
て太陽圏の 3 次元構造がどのように変貌していくかを、国内外の研究者との共同研究を通じて明ら
かにしていこうとしている。また、同周期における太陽圏観測から粒子加速機構の解明も目指す。
34
2.ジオスペース研究センター
(1) 宇宙線モジュレーション観測による IMF に関する研究
宇宙線強度のモジュレーションは、惑星間空間磁場 (IMF) の大規模構造を研究するため
の有力な手がかりを与える。我々は、信州大学・宗像教授のグループと共同して名古屋-
ホバート (オーストラリア)-Sao Martinho (ブラジル)-クェートに設置した多方向ミュー
オン計による宇宙線観測ネットワーク (Global Muon Detector Network; GMDN) の整備を行
ってきた。2014 年度はクェートのミューオン計の改良を行った。従来の同ミューオン計の
検出面積は 9 m2 であったが、今回の改良により検出面積は 25 m2 となる。これにより検出
効率と入射方向決定精度の向上が期待される。また、メキシコ Sierra Negra 山頂 (標高 4600
m) に新たに設置したミューオン計についても試験観測を継続し、評価を行った。このミュ
ーオン計は同地に当研究所が開発した太陽中性子望遠鏡 SciCRT を利用したもので、定常観
測が開始されれば北米から南西インド洋にかけて存在する GMDN の観測空白域を埋めるこ
とができる。試験観測の結果からは、改良すべき課題が判明したので、次年度以降、それ
らを解決し早期に定常観測を開始する予定である。これまでに取得した GMDN のデータ解
析からは、太陽活動に伴う宇宙線密度勾配の長期変動が明らかになっている。
一方、我々は愛知工業大学・小島教授、大阪市立大学・林教授らのグループと共同で Ooty
(インド) の超大型ミューオン望遠鏡 GRAPES-3 を用いた宇宙線強度変動の研究も実施して
いる。GRAPES-3 は、560 m2 といった比類のない面積を持ち、細かな角度分解能でミューオ
ン強度の分布を決定することができる。目下、本装置の面積を 980 m2 へ拡張する作業が行
われている。今年度は、GRAPES-3 の施設を訪れ、開発作業に参加した他、同データの解析
結果を議論した。解析からは、Forbush decrease の剛度依存性や IMF との関係、宇宙線強度
と太陽活動パラメータとの相関が明らかにされている。
(2) 多地点 IPS 観測システムによる太陽風の 3 次元構造に関する研究
当研究所では、豊川、富士、菅平、木曽に設置した大型アンテナから成る多地点システ
ムを用いて長年にわたって惑星間空間シンチレーション (IPS) 観測を実施し、太陽風の 3
クェートに設置された GMDN のミューオン計。
35
2. ジオスペース研究センター
次元構造の変動を明らかにしてきた。IPS 観測の精度を向上するには、アンテナの高感度化
が不可欠である。豊川のアンテナは、優れた受信感度を持つ太陽圏イメージング装置
(SWIFT) に更新され、2008 年夏から SWIFT による定常観測が実施されている。2013 年に
は、補正予算 (2012 年度) および科研費基盤 A を使って富士・木曽・菅平アンテナの性能
向上を目指した大規模な更新作業に着手した。同年には大半の作業を完了していたが、2014
年 2 月の記録的な大雪によりこれらのアンテナは甚大な被害を受けた。特に菅平アンテナ
の被害は深刻で、検討した結果、復旧は行わず、将来閉鎖することにした。富士・木曽ア
ンテナは 2014 年 4 月から復旧作業を行い、同年 7 月末までには観測可能な状態になった。
この時点までに更新に伴う調整作業も全て完了している。8-11 月に実施された豊川・富士・
木曽アンテナを用いた多地点 IPS 観測からは良好な太陽風データが得られている。これまで
に取得した IPS データからは、アイソン彗星に伴うプラズマ尾や太陽風の南北非対称性と太
陽磁場特性との関係、サイクル 24 極大期の高緯度太陽風の変動が明らかにされている。
(3) 飛翔体と IPS による国際共同観測よる太陽圏の 3 次元特性の研究
我々はカリフォルニア大学サンディエゴ校 (USCD) のグループと、計算機トモグラフィ
ー法を応用した太陽圏 3 次元構造の再構築の研究を共同で行ってきている。
2012 年度から、
韓国宇宙天気センター (KSWC) と UCSD、当研究所との間で研究交流協定が締結され、IPS
データのトモグラフィー解析を宇宙天気予報に応用する試みが始まった。2013 年からは
KSWC で UCSD グループが開発したトモグラフィー解析システムが運用を開始し、当研究
所の IPS データを実時間で処理して太陽風 (速度・密度) の予報が行えるようになった。2014
IPS データを ENLIL モデルの入力として得られた太陽風予報結果。
36
2.ジオスペース研究センター
年度は、この解析結果を D. Odstrcil 博士 (NASA) の開発した ENLIL 太陽風モデルに入力
し、地球付近の磁場を含めた太陽風パラメータを予報するシステムを開発した。今後、こ
のシステムをさらに発展させて IMF Bz 成分の正確な予報を目指している。
プロジェクト2 「グローバル地上・衛星観測に基づく宇宙プラズマ-電離大気-中性大気結合
の研究」
地上観測を有機的に結合させてネットワーク化し、人工衛星観測と組み合わせることに
より、地球周辺の宇宙プラズマ-電離大気-中性大気間の結合過程とその間のエネルギ
ー・物質のやりとりを研究するのが本プロジェクトの目的である。また、長期モニタリン
グが可能な地上観測の特性を生かして、極大期・極小期を包括する長期的な観測を行い、
太陽活動が地球大気に与える影響を明らかにしていく。2014 年度の代表的な研究活動とし
ては以下のようなものがあげられる。
(1) カナダ・アラスカでのオーロラ・大気光の光学観測
カナダ・レゾリュートベイおよびアサバスカに設置された全天カメラ、掃天分光フォト
メータ、誘導型磁力計、VLF 波動の観測は継続的に行っている。これらのデータはホーム
ページを開設して公開している。
また 2014 年 12 月に、
カナダおよびアラスカで全天 EMCCD
カメラおよび CMOS カメラによる高時間分解能 (~100 Hz) のオーロラ観測を実施した。ア
ラスカでは、CMOS カメラによる観測を、また、カナダ (アサバスカ) では、VLF 波動との
比較観測を冬期を通じて 2015 年 2 月現在まで継続している。
(2) ジオスペース探査プロジェクト ERG の推進
宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 宇宙科学研究所 (ISAS) が進めるジオスペース探査衛
星プロジェクト ERG に参加し、本プロジェクトのメンバーはプロジェクトサイエンティ
スト、連携地上観測 PI 等としてプロジェクトの推進に中心的な役割を果たしている。ERG
衛星プロジェクトは 2012 年 8 月にプロジェクト化され、2016 年度の打ち上げを目指して
準備が進められている。
(3) 北海道-陸別短波レーダーの観測
2006 年 12 月より定常観測を開始した北海道-陸別短波第一レーダーは、2014 年度も定
常観測を継続し、中間圏エコーの統計的発生特性、中緯度で観測された Pi2 波動の電磁気
的特性を明らかにした。さらに、北海道-陸別第二短波レーダーが 2014 年 10 月に完成し、
第一・第二レーダーを併せた SuperDARN HOP (HOkkaido Pair of) radars システムとして稼
働を開始した。Sub-Auroral Polarization Streams (SAPS) の時間・空間特性等、いくつかの
初期結果が得られつつある。
(4) ナトリウムライダーによる極域下部熱圏・中間圏の観測
2014 年 10 月から 2015 年 3 月まで、トロムソナトリウムライダーを用いて、5 方向観測
を実施した。高度約 80 km から約 105 km までの高度領域で、大気温度の空間構造および風
速の約 500 時間分のデータを取得した。 2010 年 10 月 29 日に取得されたナトリウムライダ
ーの温度データを用いて、大気重力波の散逸過程を調べた。背景大気風速でなく、背景大
気温度構造により、大気重力波の上方伝搬が大きく変動したことを示した。2010 年 10 月 6
37
2. ジオスペース研究センター
日に取得された EISCAT UHF レーダーとナトリウムライダーの同時観測データを解析し、
中性大気温度とイオン温度を比較した結果、高度 110 km で、従来用いられているジュール
加熱式では、加熱率を低く見積もっていることを示した。
(5) SCOSTEP CAWSES-II/VarSITI プログラムの推進
本プロジェクトは ICSU 傘下の国際組織 Scientific Committee on Solar-Terrestrial Physics
(SCOSTEP) が推進する国際プロジェクトの協力をうたっている。2009-2013 年に実施されてきた
CAWSES-II(太陽地球系の気候と天気)は 2013 年に終了し、SCOSTEP は 2014 年 1 月から新た
な 5 ヶ年プログラムとして太陽活動変動とその地球への影響 (Variability of the Sun and Its
Terrestrial Impact:VarSITI) を開始した。本プロジェクトのメンバーはこのプログラムの国際
co-chair やキャンペーンコーディネーターとして、このプログラムを推進している。また、関連
する国際ホームページ (http://www.varsiti.org/)、国内ホームページ (http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/
varsiti/) を立ち上げるとともに、国際ニュースレターを 4 回、発行し、SCOSTEP として 2014 年
に 10 件以上の国際会議の支援を行ってきた。
(6) トロムソでの光学・GPS 観測
フォトメータ、デジタルカメラ (2 台)、冷却 CCD 全天カメラ (2 台)、ファブリペロー
干渉計の計 6 台の光学観測装置が自動運用されている。2014-2015 年の冬期観測期間は日
本・英国・ノルウェー・フィンランドによる EISCAT 特別実験やロケット実験に参加し、
各国の研究者に観測データを提供した。特にジュール加熱による熱圏ダイナミクスの変化、
ポーラーパッチと電離圏擾乱との関係、サブストーム回復相のオーロラパッチと下部熱圏
風変動について共同研究を進めている。また、同サイトで GPS 受信機によるシンチレー
ションの観測を行い、オーロラ活動と電離圏擾乱との関係を調べている。
(7) 人工衛星によるジオスペース探査
あけぼの衛星の長期観測データを用いた解析を行い、2 太陽活動周期にわたるプラズマ圏
の変動を初めて明らかにするとともに、プラズマ圏 EMIC 波動等に関する研究を行った。
また、Van Allen Probes 衛星 (アメリカ) と、本プロジェクトで行われているトロムソでの各
種光学観測、EISCAT 観測、本プロジェクトに関係する地上ネットワーク観測大型研究であ
る LF 標準電波観測の連携観測、およびプロジェクト 4 で進めている GEMSIS-RBW シミュ
レーションコードの計算により、パルセーティンオーロラ時において従来考えられていた
よりも高エネルギーの電子が降ってきていることを実証的に明らかにした。
プロジェクト3 「太陽活動の地球環境への影響に関する研究」
太陽活動はさまざまな形で地球環境に影響を与えている。我々は太陽活動の変動がどの
ように地球環境に影響を与えてきたのか、過去から現在にわたって検証し、その素過程を
解明しようと考えている。そのために 4 つのサブテーマを設定して以下のような活動をし
た。また 2014 年 4 月には「宇宙気候学に関する研究会」を開催した。
(1) 過去の太陽活動とその地球環境への影響
宇宙線が大気原子核と反応してつくる樹木年輪中の炭素14 濃度から過去の太陽活動を復元
する。2014 年度は AD7-11 世紀の炭素 14 濃度の測定結果を解析し、弱い太陽活動極小期と
38
2.ジオスペース研究センター
思われる AD7-8 世紀において 11 年より長い 13 年周期を検出し、太陽活動と周期長の逆相関
関係を確認した。また一昨年度に発見した西暦 775 年と昨年度に発見した西暦 994 年の顕著
な短期的な炭素 14 濃度の増加を受けて、対応する年代の南極アイスコアの測定によりベリリ
ウム 10 の増加を発見した。異なる二種類の宇宙線生成核種で増加が確認されたことにより、
地球近傍の宇宙空間における高エネルギー現象の原因解明にさらに近づいたと言える。
一方、ベリリウムの大気中での挙動と現在の太陽活動に対する生成率を調べるために、山
形大学と共同で、世界の多地点でのベリリウム 7 の観測を行ってきた。現地の協力を得て、
北半球高緯度や南半球の高山で試料を採取し、観測を継続している。これまでに高緯度地域
で生成された核種が日本などの中緯度地域へ移動している可能性を見いだしてきた。昨年度
から今年度にかけてボリビアやタイの設備を整備した。タイは宇宙線の限界リジディティが
高く、太陽活動がピークに達したとも思われる中、今後これらの結果が期待される。
(2) 大気中微量成分への太陽活動の影響
モニタリング観測を通して,大気組成の数年から十数年のタイムスケールでの変動から、
太陽の 11 年周期に対応する変動を抽出し、太陽活動の大気組成変動に対する影響を調べる
とともに高感度ミリ波大気観測装置の開発を行うことを目的とする。
南極域における太陽活動に伴う高エネルギー粒子の降り込みが地球大気へ与える影響を明らかに
するため、高感度超伝導受信機を用いた小型ミリ波観測装置を南極昭和基地に設置し,平成 24 年よ
り NO のモニタリング観測を行っている。2012 年中に 197 日分,2013 年は 228 日分、2014 年は 163
日分 (10 月31 日分まで) のデータを取得し,
年間を通して1 日以下の分解能で高度75 km から100 km
程度の NO の時間変動の様子を初めて明らかにすることができた。極域冬期に NO カラム量が大きく
なり夏期に小さくなるという季節変化が見られ、さらに 2014 年にはこの冬季増大が他の年に比べて
顕著に小さくなったことを見出した。放射線帯の相対論的電子のフラックスの季節変化との比較から、
NO カラム量の年々変化は電子の降込み総量と良い関連があることが明らかになった。
南極オゾンホールが中緯度地帯のオゾン層に与える影響とそのメカニズムの解明を目指し、
2010 年に南米大陸の南端部に位置するリオ・ガジェゴス (アルゼンチン) にミリ波観測装置を設
置した。2014 年度は国際協力機構 (JICA) と科学技術振興機構 (JST) の「地球規模の環境課題の
解決に資する研究」プログラムからの支援の下、レーザー応用技術研究センター (CEILAP) とチ
リ共和国のマゼラン大学の協力を得てオゾンライダー、オゾンゾンデ、ミリ波分光計の 3 測器に
よる合同キャンペーン観測を実施した。特に 11 月のキャンペーン観測時には極渦が崩壊する直
前のオゾンホールが南米側に大きく移動し、リオ・ガジェゴスにおいてオゾンホール起因と考え
られるオゾンの減少イベントを観測した。今後モデルとの比較を通してこの原因を解明していく。
(3) 太陽活動が大気微量成分の変動および地球環境に与える影響の素過程の解明
太陽活動変動の顕著な現れである太陽紫外線の強度変動が大気組成に与える影響を解明
し、ならびに大気中の二酸化炭素 (CO2) の濃度、CO2 安定同位体比およびエアロゾルの光
学特性を計測して、地球環境に与える影響を解析することを目的としている。
2014 年度は大気中のエアロゾルの光学特性をリアルタイムで計測する装置を改良し,エ
アロゾルの成分と光学特性を調べた。名古屋の都市域および和歌山の森林において多波長
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2. ジオスペース研究センター
光音響分光装置を用いてエアロゾルの吸収および散乱係数を測定したデータを解析した。
大気エアロゾルを加熱処理した場合の吸収係数およびその波長依存性の変化から、ブラッ
クカーボンの被覆や光吸収性有機エアロゾルによる光吸収への寄与を推定した。また、同
時に気相成分やエアロゾル中の化学成分を計測することで、エアロゾルの光吸収の決定に
影響を及ぼしている要因について調べた。
エアロゾルの密度は、重量と体積を結び付ける物理量でありエアロゾルの性質を理解する
上で不可欠なパラメータである。しかし、大気エアロゾルには、様々な成分が内部・外部混
合して存在し、その密度が複雑に変化するため,大気エアロゾルの密度分布については,未
解明な点が多い。大気エアロゾルの密度分布のその場計測を実施し、化学成分と比較した。
また、得られた密度分布から粒子の外部混合状態について考察した。レーザー蒸発イオン化
質量分析計を用いた長崎県福江島でのエアロゾルの個別粒子観測で、中国から飛来するエア
ロゾル粒子に鉛の重金属成分が含まれていることを見出した。大気中の二酸化炭素の同位体
の変動を速いレスポンスでリアルタイム計測が可能なレーザー分光を用いた計測装置で観測
し、名古屋の都市大気および森林における二酸化炭素の動態の解明を行った。
(4) 宇宙線による雲生成の検証
海洋研究開発機構 (JAMSTEC) の協力を得て、太陽活動と地球気候の関係を調べるため
に、宇宙線による雲生成仮説の検証実験を継続して進めている。放射線源による大気電離
とエアロゾル生成の関係を明らかにするために、2014 年度は,放射線源の違いによるイオ
ン生成および粒子生成への効果を調べるために,容積 75 L の金属チェンバーを用いた加速
器実験を、放射線医学総合研究所 HIMAC 加速器で行った。昨年度の窒素および酸素イオン
に加えて今年度はキセノンイオンを用いた。キセノンイオンは原子番号が大きく,気体分
子へのエネルギー付与が大きいが、生成したイオン密度は窒素イオンとほとんど変わらな
かった。入射粒子の飛跡上の再結合が効いていると考えられる。しかし、粒子密度はイオ
ン密度に対応して増加し、入射イオンの違いにはあまり依存しない可能性がある。
なお,2014 年 4 月に,H. Svensmark 氏を交えて「宇宙気候学に関する研究会」を開催し、
これまでに行われてきた室内実験を評価するともに今後の展望を議論した。
プロジェクト4 「第2期実証型ジオスペース環境モデリングシステム (GEMSIS-phase II) :宇宙
嵐に伴う多圏間相互作用と粒子加速の解明に向けて」
太陽活動極大期に頻発する宇宙嵐は、太陽から地球上層大気までの広い範囲で領域間相
互作用が強まることにより生じる大規模な宇宙環境変動現象である。本プロジェクトでは、
太陽、磁気圏、電離圏の 3 つのサブグループを中心に、ジオスペースにおける各領域での
実証型モデルを構築し、宇宙嵐時に強く発動する多圏間相互作用と高エネルギー粒子生
成・消滅を担う物理機構の解明を目指して、研究を進めている。また、コミュニティのニ
ーズに応じて、太陽観測衛星ひので、ジオスペース探査計画 ERG のサイエンスセンター機
能 (メタデータ付データベース、統合解析ツール等) の整備を推進してきた。以下では、サ
ブグループ毎に進捗状況の概要を報告する。研究については、ここでは項目をあげるのみ
にとどめるが、本誌内の総合解析部門の研究成果報告の対応する欄を参照されたい。
40
2.ジオスペース研究センター
(1) GEMSIS-太陽サブグループ
第二期における GEMSIS-Sun の大目標は、
「太陽フレアにおいて、エネルギー蓄積過程、トリ
ガ機構、エネルギー解放、粒子加速過程を統一的に理解すること」であり、そのための現実的な
モデルを構築し、観測結果 (特に大フレア) との比較研究を行う。また、Hinode 衛星を中心にサ
イエンスデータベースの構築・整備を行っている。今年度は、主に下記のような研究活動を行った。
・白色光フレアの発生要因に関する統計的研究
・太陽フレアのトリガ機構に関する研究
・太陽フレアにおける太陽表面磁場の変化に関する研究
・太陽フレアにおける彩層蒸発プラズマのダイナミクスについての研究
また、下記の開発・作成を行い、成果物として一部は web 上で公開している。
1) 磁場・コロナホールの自動追跡モジュールの開発
ひので衛星に搭載された可視光・磁場望遠鏡 (Solar Optical Telescope: SOT) の観測データ
を用いて太陽表面における磁場構造を解析するために、磁気要素等を自動で検出し各領域
の時間変化を追跡するモジュールを開発した。このモジュールをさらに黒点崩壊まで扱え
るよう拡張した。具体的には磁気要素のような小さい構造と黒点のような大きい構造を空
間周波数で切り分ける事で、大きいスケールから小さいスケールまで同時に追跡する事が
可能となった。現在、多数の黒点観測に適応し、統計的に黒点崩壊の性質を研究している。
また、同じ手法を用いて、SDO 衛星、STEREO 衛星の観測を使用して太陽全球でコロナホ
ールの生成・消滅を議論するモジュールも開発した。現在、多数のコロナホール観測に適
応し、統計的にコロナホール生成・消滅過程を研究している。
2) 全自動太陽風-放射線帯予報モデルの開発
GEMSIS-Sun では、太陽-地球の間の相互作用を理解し、リアルタイムの予報を実現するために
太陽風-放射線帯の全自動リアルタイムシミュレーションモデルの開発を行った。太陽風モデルで
は、GONG プロジェクトで得られた太陽の光球磁場観測のみを入力データとして利用し、コロナ
全球のポテンシャル磁場を計算する。惑星間空間へと開いた磁力線の形状から太陽風速度の緯度
経度分布を求め、その時系列データを内側の境界条件として、25 太陽半径から 6 天文単位まで内
部太陽圏全球の太陽風を 1 週間先までを電磁流体力学 (MHD) シミュレーションで再現している。
2007 年から 2009 年までの 3 年間の地球・金星・火星の位置での太陽風変動の in situ 観測と太陽
風シミュレーション結果との比較を行ったところ、磁場の極性とともに速度の変動をよく再現し
ていた。この磁場の観測データ取得から太陽風 MHD シミュレーションを毎日自動で実行し、地球
の位置の太陽風の時系列データを放射線帯シミュレーションに入力データとして結合させるこ
とで、放射線帯電子フラックスの変動の計算を行っている。太陽風および放射線帯電子フラック
スの予報結果の公開をウェブページにて開始した。(URL: http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/susanoo/)
3) コロナ磁場データベースの作成
GEMSIS-Sun では、太陽フレアの発生過程を理解するために必要なコロナ磁場のデータベ
ースとして、ひので衛星と SDO 衛星によって取得されたベクトルマグネトグラム等の光球
面磁場データを境界条件とした Non-linear force free field (NLFFF) データベースの作成を
行っている。前年度までに開発された自動化プログラムを使用し、2006 年以降に大規模フ
レア (M5 クラス以上) を発生した活動領域について、8 例のフレア発生前後の複数の時刻
のコロナ磁場を計算した。フレア研究のデータ解析に広く利用してもらうために、ウェブ
ページにおいて磁力線を可視化した画像の公開を開始した。太陽フレア発生過程の解明に
41
2. ジオスペース研究センター
向けて、ひので衛星がより多くの太陽フレアを観測することが求められている。そのため
に、ひので衛星運用を担う研究者は太陽フレアが発生する活動領域を予想して観測プラン
ニングを行わなければならない。そこで我々は、現在の太陽にある活動領域のリストおよ
び SDO 衛星ベクトル磁場データをリアルタイムで収集し、以下の URL のページに表示す
るシステムを構築した。このページはひので衛星運用プランニングの参考資料に利用され
て始めている。(URL: http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/nlfff/nrt/ )
4) Hinode 衛星フレアデータベース作成
2006 年 10 月の Hinode 衛星の観測開始から現在までに 3 つの搭載機器(SOT・XRT・EIS)で観
測された太陽フレアのカタログ作成を行い、随時更新している。本カタログには、野辺山電波
ヘリオグラフ、RHESSI 衛星の観測情報も含まれている。今年度は、さらに X 線天文衛星 Suzaku
が検出した太陽フレアの情報を付加した。(URL: http://st4a.stelab.nagoya-u.ac.jp/hinode_flare/)
(2) GEMSIS-磁気圏サブグループ
GEMSIS-磁気圏グループでは、宇宙嵐時に生起するダイナミックなジオスペース変動と
粒子加速・消失過程の理解を目指している。また、ジオスペース環境変動の衛星観測、地
上観測、理論・モデリング・総合解析を三位一体で進める予定の ERG 計画に向けて、実証
型モデルの構築とともに、サイエンスセンター機能整備による異なるデータを効率的に解
析可能な総合解析ツールなどの開発を進めてきた。今年度の研究ハイライトに関しては、
総合解析部門の報告に詳細があるため、ここでは項目のみを報告する。
・プラズマ圏 EMIC/磁気音波波動の統計解析
・地球内部磁気圏における酸素イオン増加と消失に関する観測的研究
・磁気圏プラズマシートの温度密度構造の太陽風依存性の統計的研究
以上の研究成果の他、GEMSIS-磁気圏サブグループでは、宇宙嵐に関係する諸現象 (オー
ロラ、放射線帯変動等) のデータ解析研究も推進した。また、下記の ERG サイエンスセン
ターを中心とした開発・研究を行っている。
1) GEMSIS-環電流、放射線帯モデルを軸としたマルチスケール内部磁気圏シミュレーションモ
デルの開発太陽風-放射線帯結合過程の解明
本プロジェクトでは、これまで放射線帯を構成する相対論的エネルギー電子の振る舞い
を正確に追跡するために、ドリフト近似を用いた 3 次元相対論的粒子軌道計算コード
(GEMSIS-RB モデル) の開発を行ってきた。また、環電流のダイナミクスをグローバルに
記述する、ドリフト運動論近似に基づいた、エネルギー依存するイオン輸送や低周波波動
(ULF) を自己無撞着に記述可能な GEMSIS-RC モデルを開発してきた。こうしたモデルを
もとに、地上観測との連携研究などを推進し、以下の成果を得た。
2) 相対論的電子加速に対する準線形および非線形散乱モデルの検証
Whistler Chorus との波動粒子相互作用を介した放射線帯電子加速に対してこれまで準線形
モデルが多く利用されてきた。しかしながら実際観測されている whistler chorus は強い非線形
性を持ち、準線形モデルで chorus-電子間の波動粒子相互作用を説明出来るかどうかについて
近年注目されてきている。本研究では電子加速に対する非線形性の重要性について注目した。
局所的にミリ秒以下で実現される非線形散乱プロセスを解きつつ、グローバルなスケールで
数千秒程度散乱された際の電子加速の様子について、GEMSIS-RBW モデルを用いてコンピュ
ータシミュレーションを行い、非線形散乱プロセスの影響について調べた。この結果より、
42
2.ジオスペース研究センター
非線形散乱プロセスを考慮することにより準線形モデルより多くの MeV 電子が短時間で生
成されることが明らかになった。本結果は放射線帯での相対論的電子生成は常に準線形モデ
ルだけで理解される訳ではなく、非線形散乱プロセスの重要性を示唆している。
3) GEMSIS-RBW、Van Allen Probes, EISCAT を用いた脈動オーロラにおける降下電子の研究
トロムソで観測された脈動オーロラの降下電子スペクトルを EISCAT を用いて導出し、
脈動オーロラ時に数十 keV の電子に加え、数百 keV の電子も同時に降ってきていること
が明らかになった。また、このときトロムソの視野内に Van Allen Probes の footprint があ
り、Van Allen Probes は赤道面側で強いコーラス波動を観測していた。観測されたコーラス
波動のスペクトルおよび Van Allen Probes が観測した高エネルギー電子スペクトルを初期
値として GEMSIS-RBW を用いた降り込み電子の計算を行ったところ、EISCAT から得ら
れた降り込み電子のエネルギースペクトルをよく再現し、コーラスによる波動粒子相互作
用が広いエネルギー帯の電子を同時に散乱させていることを実証的に明らかにした。
この他 GEMSIS-RB に、これまで GEMSIS プロジェクトで開発してきたジオスペース要
素モデル:グローバル MHD シミュレーション (GEMSIS-GM)、リングカレントシミュレ
ーション (GEMSIS-RC) を組み合わせて、現実的な磁気圏における、太陽風や環電流イオ
ンに起因する MHD 波動中での高エネルギー電子の輸送、消失過程のシミュレーションを
行うマルチスケールシミュレーションのためのモデル結合に基づく研究を推進した。これ
らの結果については、複数の国際会議で招待講演として報告された。
4) ERG サイエンスセンター
ERG 衛星は 2012 年 8 月にジオスペース探査衛星 ERG プロジェクトとして JAXA でプロジ
ェクト化され、2015 年の打ち上げを目指して準備が進められている。プロジェクト 4 のメン
バーは、ERG プロジェクトの中心メンバーとしてプロジェクトの推進にあたっている。上述
のように昨年度から、宇宙科学連携拠点として、ISAS、当研究所双方が共同でサイエンスセ
ンターを運用する体制が確立され準備を進めている。
GEMSIS プロジェクトの特任教員 2 名、
および ISAS 経費で雇用される特任教員 2 名がプロジェクト専任となり、サイエンスセンター
活動を推進している。特に GEMSIS プロジェクトとしては、ERG 連携地上観測データのアー
カイブ構築と、そのデータアーカイブと連携することで多種データを可視化・解析できる統
合解析ツールの開発を行っている。今年度は、地磁気データ、電離圏レーダーデータ、およ
び大気光・オーロラ撮像データに関して、それぞれ新規に複数の観測点のデータをデータア
ーカイブに追加し、統合解析ツールとともに内外の研究コミュニティに向けて公開した。ま
た、THEMIS プロジェクトの解析ツール TDAS をベースに、宇宙科学のコミュニティツールを
開発しようというコンソーシアム (SPEDAS) 活動にも参加し、技術提供や提言を行っている。
(3) GEMSIS-電離圏サブグループ
GEMSIS-電離圏グループでは、極域電離圏と他の領域との結合過程を、総合的に解明すること
を目指している。特に、磁気圏尾部との結合によるサブストーム、および赤道電離圏との結合に
よるグローバル電離圏変動を主軸として研究を進めている。今年度の研究ハイライトに関しては、
総合解析部門の報告に詳細があるため、ここでは項目のみを報告するが、以下の成果を得た。
・電気伝導度の太陽天頂角依存性
・磁気急始時に極域電離圏に誘起される対流電場
・サブストームに伴う磁気圏近尾部の変化とオーロラオンセットアークの発展の対応
・サブストームのエネルギー収支と磁気圏尾部のエネルギー輸送の評価
43
2. ジオスペース研究センター
母子里観測所
北緯 44 度の北海道中央部に位置する母子里観測所は、冬季には最低気温が -30 度以下
になる寒冷地であり、また、豪雪地域でもある。母子里観測所では、大気圏環境と電磁気
圏環境に関する以下のような観測研究を行っている。
1.大気圏環境に関する研究
母子里観測所は人口密集地域から離れているので、地域的な大気汚染の影響が比較的少な
く、大気のバックグランド観測に適している。また、平地部分が多いため、広い地表範囲で
の平均的な対流圏成分を計測する人工衛星の検証データを得るのに適している。地上からの
分光計測や気球による計測により成層圏および対流圏の微量化学成分の観測を行っている。
地球規模の大気環境問題の一つである成層圏オゾン破壊については、近年、成層圏オゾン
の減少が収まりつつあることが観測されている。しかし、オゾン破壊物質の年々変動の影響
や地域性の有無などを長期的な観測によって確認していくことが依然として課題であり、母
子里観測所においても引き続き成層圏オゾンとオゾン破壊関連物質の長期的な観測を行うこ
とが重要である。中緯度オゾンの変動の原因を研究するために 1996 年 3 月、0.0019 cm-1 の波
数分解能を持つフーリエ変換型赤外分光器 (FTIR) を母子里観測所に設置し、オゾンの全量
の他、オゾンの化学に直接関係した重要な成層圏化学成分である塩化水素 (HCl)、硝酸塩素
(ClONO2)、硝酸 (HNO3)、フッ化水素 (HF) などを、設置以来持続的に高精度で観測してきた。
2014 年には装置の真空システムの一部に不具合が発生し現在改修を行っている。また、地上
設置型の可視分光器を用いた成層圏二酸化窒素とオゾンの気柱全量の観測を、1991 年 3 月か
ら行っている。ここでの赤外および可視分光観測は、大気組成変化検出ネットワーク
(NDACC) の一部として実施されており、成層圏化学成分については高度分布解析を行ってデ
ータを共同利用に供している。また FTIR を用いて、対流圏の重要な化学成分の連続観測も行
っている。一酸化炭素 (CO)、エタン (C2H6)、シアン化水素 (HCN) などを計測しており、こ
れらの成分の季節変動やアジア大陸でのバイオマス燃焼の影響を研究している。首都大学東
京と共同で地上のオゾン、一酸化炭素および炭化水素の濃度を測定しており、長期間のデー
タについて比較検討している。さらに、地球温暖化の主原因である二酸化炭素 (CO2) および
メタン (CH4) の FTIR による観測を 2009 年より加えた。また、小型光スペクトラムアナライ
ザ (OSA) による CO2 および CH4 の測定について FTIR との比較同時観測実験を行い、測定精
度の検証を進めている。大気圏環境部門で開発している CO2 計測の気球センサの実証試験の
ために、母子里観測所で気球の放球試験を行っている。気球は 3-5 m 毎秒程度のスピードで
上昇し、高度 20-30 km 程度まで到達し、上空の西風に乗ってオホーツク海まで移動して、
海上に落下する。CO2 センサは独自に開発している赤外光吸収セルを用いたものである。大
気中の CO2 の濃度を 1 ppm の精度で計測できるものを目指している。
CO2 センサのデータは、
一緒に気球に載せている気象ゾンデの無線データに割り込ませて、地上においてリアルタイ
ムで受信している。地上から約 12 km の高度までの CO2 の高度分布を計測できる。GOSAT の
検証を目指すとともに、オゾンゾンデのように世界各地で定期的に放球されて、地球温暖化
問題に関する重要な観測データが得られる汎用的な観測機器を目指している。この気球試験
は、北海道大学、京都大学などと共同して行っている。
44
2.ジオスペース研究センター
2.電磁気圏環境に関する研究
市街地から離れて広大な観測用地を持つ母子里観測所は、人工の電磁気雑音や光の干渉
が少なく、電磁気圏環境の観測に適している。磁気緯度が北緯 36 度 (L=1.5) に位置して
おり、中緯度の電磁気圏環境を観測するための観測点として、地磁気や電波・オーロラ観
測を通して全国の研究者による共同利用・共同研究がなされている。特に誘導磁力計や
ELF/VLF 波動の観測は、近年注目されている波動粒子相互作用による内部磁気圏での放射
線帯粒子の加速・消失機構の解明において重要な意味をもっている。
(1) 地磁気変動観測 (フラックスゲート磁力計、インダクション磁力計)
母子里観測所における磁場観測は 1989 年から継続し、210 度磁気子午面に沿った磁場多点観測
網や STEL 地磁気ネットワークの主要観測点として、1 分値データや 1 分値・4 秒値のデータプ
ロットをウェブページ (http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/magne/) で公開している。高時間分解能 (1
秒値) データに関しても、リクエストに応じてデータを公開している。また、2007 年 7 月より、
サンプリング周波数 64 Hz でインダクション磁力計による Pc1 帯地磁気脈動の観測を行い、Pc1
地磁気脈動のスペクトルなどのデータを上記のウェブページで公開している。この Pc1 地磁気脈
動は、放射線帯電子の消失に関わる波動として近年注目されている。2014 年度には、母子里、カ
ナダ、ロシアの観測点で観測された Pc1 地磁気脈動を統計的に解析することにより、この波動の
振幅変調が、電離圏をダクト伝搬する際のうなりによって生じている可能性を定量的に評価した。
(2) 電波観測
内部磁気圏の電磁環境を探査する目的で、観測所近くの高さ 43 m の三角直交アンテナ
による ELF/VLF 電磁放射の観測を定常的に実施している。信号波形は A/D 変換ボードを
内蔵したパソコンを導入し、30 分に 1 回、2 分ずつ、20 kHz で波形をディジタル記録して
いる。観測される夜間にトウィーク空電の分散特性の精密解析から、低緯度域における電
離圏 D 層下部の反射高度 (等価電子密度) を求めることができる。過去の 10 回の地磁気
嵐のデータを解析することにより、これまで夜間しか観測されないと思われていたトウィ
ーク空電が、昼間にも観測されていることが明らかになった。
フーリエ変換型赤外分光器に太陽光を導入するための新しい太陽追尾装置。
45
2. ジオスペース研究センター
(3) 低緯度オーロラ全天カメラ記録 (分光フォトメータ)
3 波長分光フォトメータを本庁舎の壁面に設置し、
低緯度オーロラの定常観測を行っている。
2014 年 3 月 17 日に発生した大磁気嵐では、波長 630 nm の赤い光の増光が観測されており、
低緯度オーロラをとらえた可能性がある。また、駒澤大学と共同で、地球温暖化の指標の一
つになる超高層大気の夜光雲の観測を、
自動カラーカメラを使って2010 年度より行っている。
陸別観測所
陸別観測所は北緯 43.5 度、東経 143.8 度の北海道道東のほぼ中央部に位置している。晴天率が
高い上、降水量 (年平均 688 mm)・降雪量 (年平均 145 mm) ともに少なく、風速も年間を通して
弱い (平均 1.6 m/s) ため、オーロラ・大気の観測に最適の場所である。本観測所では、電波・赤
外線・可視光等の観測装置を用いた成層圏オゾン層破壊に関連する大気微量成分の総合的観測、
高感度全天カメラやフォトメータ等を用いた低緯度オーロラの定常的な観測や酸素原子や OH 分
子の大気夜光観測に基づいた中間圏大気重力波の伝播特性の研究が継続的に行われている。
本観測所は、1997 年 10 月、陸別町の「りくべつ宇宙地球科学館」の 2 階の一部を国立環境
研究所と共同で借り受け、陸別総合観測室として本格的な観測をスタートさせた。1989 年、地
元の天文観測グループが赤いオーロラの写真撮影に成功したことに端を発し、1992 年にオーロ
ラ観測装置を現地に持ち込んでテスト的な観測を始めたのが本観測所の前身となっている。最
終的には、
本研究所と国立環境研究所の他に情報通信研究機構や東北工業大学、
横浜国立大学、
東北大学なども加わり、省庁や大学の枠を超えて 10 台の測定装置が広さ約 1200 平米の部屋で
共同研究を展開している。2003 年 4 月からは、学内措置により陸別総合観測室から陸別観測所
に格上げされた。この観測所は母子里観測所とともに世界的な観測ネットワークである
NDACC の拠点にもなっており、赤外線分光および可視分光の観測データが同ネットワークの
データベースに提供されている。また、本観測所から約 15 km 北西のポントマム地区に新たに
大型短波レーダー (北海道-陸別短波レーダー) を設置し、2006 年 12 月より継続的な観測を開
始した。これは、世界で 2 番目の中緯度 SuperDARN でかつアジア領域で初めての SuperDARN
レーダーである。また、2014 年 10 月より第 2 大型短波レーダーが観測を開始した。
陸別観測所 (左) と北海道-陸別短波レーダー (右)。
46
2.ジオスペース研究センター
1.成層圏オゾンに関連する大気微量成分の研究
FTIR, 可視分光計、ミリ波分光放射計等を用い、国立環境研究所と共同で我が国の北域
における中層大気の組成変動の総合的なモニタリング観測を進めている。FTIR は、太陽
光を背景とした吸収スペクトル線の測定から、オゾンの他にも HCl や対流圏の CO など
の季節変動を高精度で観測している。また、可視分光計は薄明時の太陽光の散乱光強度か
ら二酸化窒素とオゾンの全量を求めている。またミリ波分光放射計は、大気中オゾンから
の放射スペクトルを測定しオゾンの高度別混合比を知ることができる。なお、開所以来国
立環境研究所が運用してきたミリ波分光放射計は、2011 年より本研究所に運用が移管され
観測を継続している。2013 年度には導波管フィルタを用いた受信機の片サイドバンド化、
音響光学型分光計からデジタル高速フーリエ (FFT) 分光計への更新、計算機の Linux 化
による観測の無人化・遠隔モニタの整備等のシステム更新を行った。2014 年度は札幌のオ
ゾンゾンデデータを用いたスペクトル線強度較正および根室のラジオゾンデデータを用
いた大気吸収量補正を行ない過去の観測データのリトリーバル精度を向上させた。
2.光学・磁場・電波観測による熱圏・電離圏・中間圏変動の研究
本観測所では、高感度全天カメラ、掃天フォトメータ、分光温度フォトメータ、フラッ
クスゲート磁力計による低緯度オーロラ、大気夜光変動の定常観測を行っており、観測デ
ータをウェブページで公開している。分光温度フォトメータは中間圏プラネタリー波の振
幅のグローバルな解析、フラックスゲート磁力計は地磁気の緯度・経度依存性のフラクタ
ル解析等でデータが活用され研究成果が上がっている。また、2015 年 3 月 18 日には 11
年ぶりの低緯度オーロラを観測し、観測データを Web で公開した。
観測データのホームページは以下のとおり。
光学観測データ:http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti/index.html
磁場観測データ:http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/mm210/index.html
大型短波レーダー:http://center.stelab.nagoya-u.ac.jp/hokkaido/index.html
主な観測装置は次のとおりである。
観 測 機 器
成層圏オゾン関連
赤外線フーリエ変換型分光計
可視分光計
ミリ波放射分光計
ブリューワ分光光度計
オーロラ・大気光・電離圏関連
高感度全天 CCD カメラ
2 波長掃天分光観測器
3 波長固定型分光測光器
分光温度フォトメータ
フラックスゲート磁力計
LF 標準電波受信機
HF レーダー (ポントマム地区)
担
当 機 関
太陽地球環境研究所
太陽地球環境研究所
太陽地球環境研究所
国立環境研究所
太陽地球環境研究所
太陽地球環境研究所
太陽地球環境研究所
太陽地球環境研究所
太陽地球環境研究所
東北大学、太陽地球環境研究所
太陽地球環境研究所
47
2. ジオスペース研究センター
富士観測所、菅平観測施設、木曽観測施設
天体電波源の惑星間空間シンチレーション (IPS) を利用して太陽風を観測するため、富
士観測所、菅平観測施設、木曽観測施設および豊川分室の 4 地点にはそれぞれ UHF 電波
望遠鏡が配置されている。
富士観測所は標高 1015 m の富士山裾野にあり、
1978 年に太陽風観測を目的に開設された。
同観測所は周囲を樹海と牧草地に囲まれ電波環境にも恵まれているため、4 地点システムに
おいて要の役目を果たしている。同観測所の庁舎は、電波シールド室、実験室、宿泊兼居
室からなり、太陽風観測以外の研究にも共同利用されている。菅平観測施設は、富士観測
所の開設時に電気通信大学菅平宇宙電波観測所の構内に設置された。また、木曽観測施設
は 1993 年に上松町の山間部に設置されている。富士、木曽、菅平に設置された電波望遠鏡
は、開口面積約 2000 m2 の非対称シリンドリカルパラボラ反射面を有し、モータによりその
反射面を南北方向に駆動することができる。また、これらの電波望遠鏡はフェーズドアレ
イを用いることで、東西方向にビームを制御可能である。観測周波数は 327 MHz である。
これらの電波望遠鏡は、通常は冬期を除く毎日稼働し、IPS 観測データを取得している。ま
た共同研究の下で富士・木曽の電波望遠鏡を用いた木星デシメータ電波の観測も実施され
ている。電波望遠鏡の制御を含め、全ての観測は完全自動化され、名古屋から遠隔制御・
監視されている。富士・木曽・菅平の観測システムは 2013 年から補正予算 (2012 年度) お
よび科研費基盤 A によって大規模な更新が行われている。本更新の主な項目は、新しい低
雑音受信機 (FE327-V5) への換装、ループ法による位相・利得校正システムおよびノイズソ
ースによる受信機温度測定システムの開発、パラボラ反射面およびコーナーレフレクター
の更新、木曽アンテナ用駆動制御システムの開発などである。2013 年末までに大半の更新
作業は完了していたが、2014 年 2 月の記録的な大雪によって富士・木曽・菅平アンテナは
甚大な被害を受けた。特に菅平アンテナの被害は深刻で、復旧を諦めざるを得なかった。
今年度は同アンテナの保全のための作業を実施した (将来には菅平は閉鎖の予定)。富士・
木曽アンテナは 2014 年 4 月より復旧作業に着手し、
7 月末までには運転可能な状態になった。
富士観測所 (左) および木曽観測施設 (右) の UHF 電波望遠鏡。
48
2.ジオスペース研究センター
同時に、システム更新で残されていた作業も完了している。2014 年 8 月から 11 月末までの期
間、富士・木曽・豊川アンテナを使った多地点 IPS 観測を実施した。この観測からは、シス
テム更新により富士・木曽アンテナの感度が大いに向上し、品質のよい太陽風データがより
多く取得できるようになったことが確認された。なお、8 月 9 日に木曽観測施設の一般公開を
行っている。
一方、豊川分室の電波望遠鏡 (SWIFT) は子午面トランシット型の固定シリンドリカルパ
ラボラアンテナであり、他の 3 地点とは異なる形状をしている。反射面の大きさは南北長
106 m、東西有効開口幅 18.95 m×2 で他の 3 地点の約 2 倍である。これにより従来に比べよ
り多くの電波源が観測可能になった。観測周波数は従来と同じ (327 MHz)。同電波望遠鏡は
2008 年から定常的な IPS 観測を開始し、2014 年度は 1 年を通じてデータを取得した。
鹿児島観測所
2014 年は 450 回も爆発的噴火を起こすなど活発な活動を続ける桜島火山の近くの垂水
市に鹿児島観測所は位置している。観測所には、本庁舎と 500 m ほど離れた台地の上にあ
る上の台地観測点がある。また、約 70 km 南の佐多岬の鹿児島大学農学部演習林内にもコ
ンテナハウスによる観測点がある。これらの観測点では、下表に掲げる各種の電波観測機
器などによる観測を実施し、地磁気擾乱、電離圏擾乱、超高層大気擾乱の研究を行うとと
もに、取得データを共同利用・共同研究に提供している。
1.ELF/VLF 空電および 40 kHz 標準電波の観測
上の台地観測点に設置している ELF/VLF 帯電磁波動の波形観測と 40 kHz 標準電波の強
度・位相の観測、スタンフォード大学の直交ループアンテナと電気通信大学の電界計測用
垂直アンテナによる観測は、2014 年度も順調に観測を継続した。また、アナログテープ
に記録されていた 1976 年以降の 30 年分の ELF/VLF 帯電磁波動の波形をデジタル化す
るプロジェクトを 2007 年 2 月より継続している。磁気テープの記録リストと 20 kHz サ
。
鹿児島観測所 (左) と ELF/VLF 観測アンテナ(右)。背景は噴煙を上げる桜島火山。
49
2. ジオスペース研究センター
ンプルの波形観測データは http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/vlf で公開し、1976 年から 2006
年までの毎月の地磁気静穏日、および 1976 年から 1996 年までの毎月の地磁気擾乱日、お
よび 2006 年までの 10 個の磁気嵐の前後 10 日分のデータのデジタル化を終了した。これ
らの波形データに含まれる夜間のトウィーク空電の分散特性の精密解析から、低緯度域に
おける電離圏 D 層下部の反射高度 (等価電子密度) の変動を求めることができる。特に過
去の 10 例の磁気嵐の前後のデータ解析から、これまで夜間のみに発生すると思われてい
た Tweek 波動が昼間にも発生している事を明らかにして、論文として発表した。
2.地磁気変動観測
(フラックスゲート磁力計、インダクション磁力計)
上の台地観測点における地磁気観測は STEL 磁力計ネットワークの重要観測点として、
1989 年から継続し、1 分値データプロットをウェブページで公開している (http://
stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/magne/)。2007 年 9 月から佐多観測点で継続している誘導磁力計
による Pc1 帯 (0.2-5 Hz) の地磁気脈動の観測も順調にデータを取得し、データは同じウ
ェブページで公開している。また、2011 年度から垂水観測点の高周波用誘導磁力計で行っ
ている電気通信大学による雷の方探観測も継続している。
3.大気光観測
鹿児島県佐多の鹿児島大学演習林内では高感度大気光全天カメラによる観測を 2000 年
7 月から継続している。2003 年 9 月にはそれまでの木箱による観測からコンテナハウスに
よる観測に以降した。さらに 2003 年 12 月、コンテナハウス内に新たに分光温度フォトメ
ータを設置し、中間圏界面付近の大気温度、中間圏・熱圏の大気光強度の定常観測を開始
した。これらの観測データは、電話回線によるネットワークを通して、準リアルタイムで
名古屋に転送されてデータベース化され、ウェブページ (http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/
omti/) で公開されている。この佐多観測点は、オーストラリアのダーウィン観測点と磁気
共役点にある。分光温度フォトメータのデータを世界各地の同種のデータと比較すること
により、中間圏のプラネタリー波の地球規模の特性が明らかになった。
鹿児島観測所での観測
観 測 項 目
超高層大気環境
地球電磁気環境
場所
観 測 機 器
共同研究体制
佐多
大気光全天カメラ
佐多
分光温度フォトメータ
垂水
フラックスゲート磁力計
垂水
誘導磁力計・垂直アンテナ
電気通信大学
垂水
VLF 帯波動観測用直交ルー
スタンフォード大学
プアンテナ
佐多
誘導磁力計
垂水
ELF/VLF 帯 波 動 観 測 用 直
千葉大学
交ループアンテナ
垂水
40 kHz 標準電波受信機
50
千葉大学
3.
研究成果の発表
3. 研究成果の発表
3.1 研 究 論 文 等 (2013年 1月 -2015年 3月 )
著
書
Bosinger, T., J. LaBelle, H. J. Opgenoorth, J.-P. Pommereau, K. Shiokawa, S. C. Solomon, and R. A.
Treumann (editors), Dynamic coupling between Earth’s atmospheric and plasma environments,
Space Sciences Series of ISSI, 42, 609pp, Springer, Heidelberg, 2013.
野尻伸一、伊藤好孝、藤博之、門田健司、物理学ミニマ、杉山直監修、276pp, 名古屋大学出版会、
名古屋、2014.
Okumiya, K., K. Matsubayashi, M. Kato, T. Inamura, A. Kawai, K. Saito, K. Ando, Y. Ishimoto, K. Usami,
S. Miyamoto, et al. (A. Yatagai), Aging, Disease and Health in the Himalayas and Tibet:
Medical, Ecological and Cultural Viewpoints, edited by K, Okumiya, Rubi Enterprise, Dhaka,
Bangladesh, 216pp, 2014.
杉山直、徳宿克夫、市川温子、平野哲文、櫻井博儀、坂井南美、小久保英一郎、大石雅寿、田村
裕和、
伊藤好孝、宇宙の物質はどのようにできたのか 素粒子から生命へ、
伊藤好孝他編、
208pp、日本評論社、東京、2015.
論
文 (査読ありの論文のみ掲載)
Abe, F., C. Airey, E. Barnard, J. Baudry, C. Botzler, D. Douchin, M. Freeman, P. Larsen, A. Niemiec, Y.
Perrott, L. Philpott, N. Rattenbury, and P. Yock, Extending the planetary mass function to Earth
mass by microlensing at moderately high magnification, Mont. Not. R. Astro. Soc., 431,
2975-2985, 2013.
Abe, K., Y. Hayato, T. Iida, K. Iyogi, J. Kameda, Y. Koshio, Y. Kozuma, L. Marti, M. Miura, S. Moriyama
et al. (Y. Itow, G. Mitsuka, T. Tanaka), Evidence for the appearance of atmospheric tau
neutrinos in Super-Kamiokande, Phys. Rev.Lett., 110, 181802, 2013.
Abe, K., Y. Hayato, T. Iida, K. Iyogi, J. Kameda, Y. Kishimoto, Y. Koshio, Ll. Marti, M. Miura, S.
Moriyama et al. (K. Choi, Y. Itow, G. Mitsuka, M. Miyake), Calibration of the
Super-Kamiokande detector, Nucl. Instrum. Meth., A 737, 253-272, 2014.
Abe, K., Y. Hayato, K. Iyogi, J. Kameda, M. Miura, S. Moriyama, M. Nakahata, S. Nakayama, R.A.
Wendell, H. Sekiya et al. (K. Choi, Y. Itow, G. Mitsuka, M. Miyoke), Search for proton decay
+
via p →νK using 260 kiloton·year data of Super-Kamiokande, Phys. Rev. Lett., 113, 101801,
2014.
51
3. 研究成果の発表
Abe, K., K. Hieda, K. Hiraide, S. Hirano, Y. Kishimoto, K. Kobayashi, S. Moriyama, K. Nakagawa, M.
Nakahata, H. Nishiie et al. (Y. Itow, Y. Nishitani, K. Masuda, H. Takiya, H. Uchida), XMASS
detector, Nucl. Instrum. Meth., A 716, 78-85, 2013.
Abe, K., K. Hieda, K. Hiraide, S. Hirano, Y. Kishimoto, K. Kobayashi, S. Moriyama, K. Nakagawa, M.
Nakahata, H. Ogawa et al. (Y. Itow, K. Masuda, Y. Nishitani, H. Takiya, H. Uchida), Light
WIMP search in XMASS, Phys. Lett. B, 719, 78-82, 2013.
Abe, K., K. Hieda, K. Hiraide, S. Hirano, Y. Kishimoto, K. Kobayashi, S. Moriyama, K. Nakagawa, M.
Nakahata, H. Ogawa et al. (Y. Itow, K. Masuda, Y. Nishitani, H. Takiya, H. Uchida), Search
for solar axions in XMASS, a large liquid-xenon detector, Phys. Lett. B, 724, 46-50, 2013.
Abe, K., K. Hieda, K. Hiraide, S. Hirano, Y. Kishimoto, K. Kobayashi, K. Ichimura, S. Moriyama, K.
Nakagawa, M. Nakahata et al. (H. Uchida, Y. Itow, K. Masuda, Y. Nishitani, H. Takiya),
Search for bosonic superweakly interacting massive dark matter particles with the XMASS-I
detector, Phys. Rev. Lett., 113, 121301, 2014.
Abe, S., N. Umemura, Y. Koyama, Y. Tanaka, M. Yagi, A. Yatagai, A. Shinbori, S. UeNo, Y. Sato, and N.
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area telescope γ-ray observations of Earth's limb, Phys. Rev. Lett., 112, 151103, 2014.
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Ackermann, M., M. Ajello, A. Allafort, K. Asano, W. B. Atwood, L. Baldini, J. Ballet, G. Barbiellini, D.
Bastieri, K. Bechtol et al. (H. Tajima), Determination of the point-spread function for the Fermi
Large Area Telescope from on-orbit data and limits on pair halos of active galactic nuclei,
52
3.
研究成果の発表
Astrophys. J., 765, 54, 2013.
Ackermann, M., M. Ajello, A. Allafort, W. B. Atwood, L. Baldini, J. Ballet, G. Barbiellini D. Bastieri, K.
Bechtol, A. Belfiore et al. (A. Okumura), The first Fermi-LAT catalog of sources above 10 GeV,
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Ackermann, M., M. Ajello, A. Allafort, L. Baldini, J. Ballet, G. Barbiellini, M. G. Baring, D. Bastieri, K.
Bechtol, R. Bellazzini et al. (H. Tajima), Detection of the characteristic pion-decay signature in
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Ackermann, M., M. Ajello, K. Asano, W. B. Atwood, M. Axelsson, L. Baldini, J. Ballet, G. Barbiellini, M.
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Ackermann, M., M. Ajello, K. Asano, M. Axelsson, L. Baldini, J. Ballet, G. Barbiellini, D. Bastieri, K.
Bechtol, R. Bellazzini et al. (H. Tajima), The first Fermi-LAT gamma-ray burst catalog,
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Ackermann, M., M. Ajello, K. Asano, L. Baldini, G. Barbiellini, M. G. Baring, D. Bastieri, R. Bellazzini, R.
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Adriani, O., E. Berti, L. Bonechi, M. Bongi, G. Castellini, R. D’Alessandro, M. Del Prete,M. Haguenauer,
Y. Itow, K. Kasahara, et al. (K. Kawade, Y. Makino, K. Masuda, E. Matsubayashi, Y.
Muraki, T. Sako) Transverse-momentum distribution and nuclear modification factor for neutral
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53
3. 研究成果の発表
Space Physics, 120, 1371-1382, 2015 (10.1002/2014JA020878).
Aleksic, J., S. Ansoldi, L. A. Antonelli, P. Antoranz, A. Babic, U. Barres de Almeida, J. A. Barrio, J.
Becerra Gonzalez, W. Bednarek, K. Berger et al. (H. Tajima), MAGIC upper limits on the GRB
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54
3.
研究成果の発表
Bzowski, M., J. M. Sokol, M. Tokumaru, K. Fujiki, E. Quemerais, R. Lallement, S. Ferron, P. Bochsler,
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Choi, K., C. Rott, and Y. Itow, Impact of the dark matter velocity distribution on capture rates in the Sun, J.
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Choi, J.-Y., C. Han, A. Udalski, T. Sumi, B. S. Gaudi, A. Gould, D. P. Bennett, M. Dominik, J.-P. Beaulieu,
Y. Tsapras et al. (F. Abe, K. Furusawa, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, N. Miyake, Y.
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Piazzo, D. Polychroni, K. L. J. Rygl, H. Yamamoto, and Y. Maruccia, The first Hi-GAL
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Fukazawa, K., T. Nanri, and T. Umeda, Performance measurements of MHD simulation for planetary
magnetosphere on Peta-scale computer FX10, in Parallel Computing: Accelerating
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Bader, A. Bode, H.-J. Bungartz, M. Gerndt, G.R. Joubert, and F. Peters, IOS Press, Amsterdam,
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55
3. 研究成果の発表
Fukuda, Y., M. Hirahara, K. Asamura, T. Sakanoi, Y. Miyoshi, T. Takada, A. Yamazaki, K. Seki and Y.
Ebihara, Electron properties in inverted-V structures and their vicinities based on Reimei
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Fukui, Y., A. Ohama, N. Hanaoka, N. Furukawa, K. Torii, J. R. Dawson, N. Mizuno, K. Hasegawa, T.
Fukuda, S. Soga, et al. (A. Mizuno), Molecular clouds toward the super star cluster NGC 3603
possible evidence for a cloud-cloud collision in Triggering the cluster formation, Astrophys. J.,
780, 36, 1-13, 2014.
Fukushima, D., K. Shiokawa, Y. Otsuka, M. Nishioka, M. Kubota, T. Tsugawa, T. Nagatsuma, S.
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Furukawa, N., A. Ohama, T. Fukuda, K. Torii, T. Hayakawa, H. Sano, T. Okuda, H. Yamamoto, N. Moribe,
A. Mizuno, et al., The jet and arc molecular clouds toward Westerlund 2, RCW 49, and HESS
J1023-575
12
CO and
13
CO (J = 2-1 and J = 1-0) observations with NANTEN2 and Mopra
Telescope, Astrophys. J., 781, 70, 1-20, 2014.
Furusawa, K., A. Udalski, T. Sumi, D. P. Bennett, I. A. Bond, A. Gould, U. G. Jørgensen, C. Snodgrass, D.
Dominis Prester, M. D. Albrow et al. (F. Abe, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, N. Miyake,
Y. Muraki), MOA-2010-BLG-328Lb: A sub-Neptune orbiting very late M dwarf?, Astrophys. J.,
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Gould, A., J. C. Yee, I. A. Bond, A. Udalski, C. Han, U. G. Jørgensen, J. Greenhill, Y. Tsapras, M. H.
Pinsonneault, T. Bensby et al. (F. Abe, K. Furusawa, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, N.
Miyake), MOA-2010-BLG-523: “Failed Planet” = RS CVn star, Astrophys. J., 763, 141, 2013.
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Han, C., Y. K. Jung, A. Udalski, T. Sumi, B. S. Gaudi, A. Gould, D. P. Bennett, Y. Tsapras, M. K.
Szymański et al. (F. Abe, K. Furusawa, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, Y. Muraki),
Microlensing discovery of a tight, low-mass-ratio planetary-mass object around an old field
brown dwarf, Astrophys. J., 778, 38, 2013.
56
3.
研究成果の発表
Han, Y., Y. Iwamoto, T. Nakayama, K. Kawamura, and M. Mochida, Formation and evolution of biogenic
secondary organic aerosol over a forest site in Japan, J. Geophys. Res. Atmos., 119, 259-273,
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Han, Y., Y. Iwamoto, T. Nakayama, K. Kawamura, T. Hussein, and M. Mochida, Observation of new
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Hayashi, H., Y. Koyama, T. Hori, Y. Tanaka, S. Abe, A. Shinbori, M. Kagitani, T. Kouno, D. Yoshida, S.
UeNo, N. Kaneda, M. Yoneda, N. Umemura, H. Tadokoro, T. Motoba, and IUGONET project
team, Inter-university Upper atmosphere Global Observation NETwork (IUGONET), Data Sci. J.,
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Martian magnetic flux ropes recovered by the Grad-Shafranov reconstruction technique, J.
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Hara, T., K. Seki, H. Hasegawa, D. A. Brain, K. Matsunaga, M. H. Saito, and D. Shiota, Formation
processes of flux ropes downstream from Martian crustal magnetic fields inferred
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(10.1002/2014JA019943).
Hara, T., K. Seki, Y. Futaana, M. Yamauchi, S. Barabash, A. O. Fedorov, M. Yagi, and D. C. Delcourt,
Statistical properties of planetary heavy-ion precipitations toward the Martian ionosphere
obtained from Mars Express, J. Geophys. Res., 118, 5348-5357, 2013 (10.1002/jgra.50494).
Harada, Y., Y. Futaana, S. Barabash, M. Wieser, P. Wurz, A. Bhardwaj, K. Asamura, Y. Saito, S. Yokota,
H. Tsunakawa, and S. Machida, Backscattered energetic neutral atoms from the Moon in the
Earth’s plasma sheet observed by Chandarayaan-1/Sub-keV Atom Reflecting Analyzer
instrument, J. Geophys. Res. Space Physics, 119, 3573-3584, 2014 (10.1002/2013JA019682).
Henderson, C. B., H. Park, T. Sumi, A. Udalski, A. Gould, Y. Tsapras, C. Han, B. S. Gaudi, V. Bozza, F.
Abe et al. (D. Fukunaga, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, Y. Muraki, N. Tsurumi),
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Hidemori, T., T. Nakayama, Y. Matsumi, T. Kinugawa, A. Yabushita, M. Ohashi, T. Miyoshi, S. Irei, A.
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Hori, T., N. Umemura, S. Abe, Y. Koyama, Y. Tanaka, H. Hayashi, S. UeNo, A. Shinbori, Y. Sato, and M.
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Hori, T., N. Nishitani, Y. Miyoshi, Y. Miyashita, K. Seki, T. Segawa, K. Hosokawa, A. S. Yukimatu, Y.
Tanaka, N. Sato, M. Kunitake, and T. Nagatsuma, An integrated analysis platform merging the
57
3. 研究成果の発表
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Hori, T., Y. Miyashita, Y. Miyoshi, K. Seki, T. Segawa, Y.-M. Tanaka, K. Keika, M. Shoji, I. Shinohara,
K. Shiokawa, Y. Otsuka, et al. (N. Nishitani), CDF data archive and integrated data analysis
platform for ERG-related ground data developed by ERG Science Center (ERG-SC), J. Sp. Sci.
Info. Jpn, in press.
Hosokawa, K., S. Taguchi, K. Shiokawa, Y. Otsuka, Y. Ogawa, and M. Nicolls, Global imaging of polar
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Hosokawa, K., Y. Otsuka, Y. Ogawa and T. Tsugawa, Observations of GPS scintillation during an isolated
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Hwang, K.-H., J.-Y. Choi, I. A. Bond, T. Sumi, C. Han, B. S. Gaudi, A. Gould, V. Bozza, J.-P. Beaulieu, Y.
Tsapras et al. (F. Abe, K. Fukunaga, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, Y. Muraki),
Interpretation
of
a
short-term
anomaly
in
the
gravitational
microlensing
event
MOA-2012-BLG-486, Astrophys. J., 778, 55, 2013.
Ichihara, A., N. Nishitani, T. Ogawa, and T. Tsugawa, Northward-propagating nighttime medium-scale
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3.
研究成果の発表
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3. 研究成果の発表
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3.
研究成果の発表
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3. 研究成果の発表
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3.
研究成果の発表
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3. 研究成果の発表
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研究成果の発表
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3.
研究成果の発表
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3. 研究成果の発表
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3.
研究成果の発表
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3. 研究成果の発表
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70
3.
研究成果の発表
田中良昌、新堀 淳樹、梅村宜生、堀 智昭、阿部 修司、小山 幸伸、林 寛生、上野 悟、佐藤由
佳、谷田貝亜紀代、小川泰信、三好由純、関 華奈子、宮下幸長、瀨川朋紀、IUGONET
解析ソフト ウェアの現 状と今後の 発展、 宇宙航空研究開発機構研究開発報告 、
JAXA-RR-12-006, 63-70, 2013.
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Teramoto, M., N. Nishitani, V. Pilipenko, T. Ogawa, K. Shiokawa, T. Nagatsuma, and K. T. Murata, J.
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23 to the early phase of cycle 24, in Thirteen International Solar Wind Conference, AIP Proc.,
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Toriumi, S., Y. Iida, Y. Bamba, K. Kusano, S. Imada, and S. Inoue, Magnetic systems triggering the
M6.6-class solar flare in NOAA active region 11158, Astrophys. J., 773, 128-137, 2013.
Toriumi, S., Y. Iida, K. Kusano, Y. Bamba, and S. Imada, Formation of a flare-productive active region:
observation and numerical simulation of NOAA AR 11158, Solar Physics, 289, 3351-3369,
2014.
Tsapras, Y., J.-Y. Choi, R. A. Street, C. Han, V. Bozza, A. Gould, M. Dominik, J.-P. Beaulieu, A. Udalski,
U. G. Jørgensen et al. (F. Abe, D. Fukunaga, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, Y. Muraki,
N. Tsurumi), A super-Jupiter orbiting a late-type star: A refined analysis of microlensing event
OGLE-2012-BLG-0406, Astrophys. J., 782, 48, 2014.
Tsuda, T., S. Nozawa, T. D. Kawahara, T. Kawabata, N. Saito, S. Wada, Y. Ogawa, S. Oyama, C. M.
Hall, M. Tsutsumi, M. K. Ejiri, S. Suzuki, T. Takahashi, and T. Nakamura, Decrease in sodium
density observed during auroral particle precipitation over Tromsø, Norway, Geophys. Res. Lett.,
40, 4486-4490, 2013 (10.1002/grl.50897).
Uchida, H., K. Abe, K. Hieda, K. Hiraide, S. Hirano, K. Ichimura, Y. Kishimoto, K. Kobayashi, S.
Moriyama, K. Nakagawa, et al. (Y. Itow, K. Masuda, Y. Nishitani, H. Takiya), Search for
inelastic WIMP nucleus scattering on
129
Xe in data from the XMASS-I experiment, Prog. Theor.
Exp. Phys., 2014, 063C01, 2014.
Umeda, T., and Y. Ito, Entry of solar-wind ions into the wake of a small body with a magnetic anomaly: A
global Vlasov simulation, Planet. Space Sci., 93-94, 35-40, 2014.
Umeda, T., and K. Fukazawa, Performance measurement of parallel Vlasov code for space plasma on
scalar-type supercomputer systems with large number of cores, in AsiaSim 2013, Commun.
Comput. Inf. Sci., 402, edited by G. Tan, G. K. Yeo, S. J. Turner, and Y. M. Teo, Springer-Verlag,
Berlin, Heidelberg, 561-569, 2013.
Umeda, T., and K. Fukazawa, Performance tuning of Vlasov code for space plasma on the K computer, In:
AsiaSim 2014, Commun. Comput. Inf. Sci., 474, edited by S. Tanaka, K. Hasegawa, X. Rui, and S.
J. Turner, Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, 127-138, 2014.
71
3. 研究成果の発表
Umeda, T., and K. Fukazawa, A high-resolution global Vlasov simulation of a small dielectric body with a
weak intrinsic magnetic field on the K computer, Earth Planets Space, in press.
Umeda, T., Y. Ito, and K. Fukazawa, Global Vlasov simulation on magnetospheres of astronomical objects,
J. Phys.: Conf. Ser., 454, 012005, 2013.
Umeda, T., S. Saito, and Y. Nariyuki, Electron acceleration during the decay of nonlinear whistler waves in
low-beta electron-ion plasma, Astrophys. J., 794, 63, 2014.
Umeda, T., S. Ueno, and T. K. M. Nakamura, Ion kinetic effects to nonlinear processes of the
Kelvin-Helmholtz instability, Plasma Phys. Control. Fusion, 56, 075006, 2014.
Umeda, T., Y. Kidani, S. Matsukiyo, and R. Yamazaki, Dynamics and microinstabilities at perpendicular
collisionless shock: A comparison of large-scale two-dimensional full particle simulations with
different ion to electron mass ratio, Phys. Plasmas, 21, 022102, 2014.
Vekstein, G., and K. Kusano, Onset of Hall-mediated magnetic reconnection in weakly ionized
astrophysical plasmas, Month. Not. R. Astron. Soc., 434, 1789-1791, 2013.
Vekstein, G., and K. Kusano, Comment on “Supersonic regime of the Hall- magnetohydrodynamics
resistive tearing instability” [Phys. Plasmas 19, 072519 (2012)], Phys. Plasmas, 20, 014703,
2013.
Wanliss, J. A., K. Shiokawa, and K. Yumoto, Latitudinal variation of stochastic properties of the
geomagnetic field, Nonlin. Processes Geophys., 21, 347-356, 2014.
Watanabe, D., and N. Nishitani, Study of ionospheric disturbances during solar flare events with the
SuperDARN Hokkaido Radar, Adv. Polar Sci., 24, 12-18, 2013.
Watanabe, K., T. Shimizu, S. Masuda, K. Ichimoto, and M. Ohno, Emission hight and temperature
Distribution of White-Light Emission Observed by Hinode/SOT from a 2012 January 27 Solar
Flare, Astrophys. J., 776, 123, 2013.
Wu, Q., and S. Nozawa, Mesospheric and thermospheric observations of the January 2010 stratospheric
warming event, J. Atmos. Solar-Terr. Phys., 123, 22-38, 2015.
Yamamoto, T. T., and Y. Miyoshi, 0.5-4 Å X-ray Brightenings in the Magnetosphere Observed by
geostationary operational environmental satellites, Astrophys. J., 775, 121, 2013.
Yatagai, A., Y. Sato, A. Shinbori, S. Abe, S. UeNo, and IUGONET project team, The capacity-building
and science-enabling activities of the IUGONET for the solar-terrestrial research community,
Earth Planets Space, 67, 2, 2015.
Yatagai, A., Y. Tanaka, S. Abe, A. Shinbori, Y. Sato, M. Yagi, S. UeNo, Y. Koyama, N. Umemura, M.
Nose, T. Hori, N. O. Hashiguchi, N. Kaneda, and IUGONET project team, Interuniversity Upper
Atmosphere Global Observation Network (IUGONET) Metadata Database and Analysis
Software, Data Sci. J., 13, PDA37-PDA43, 2014.
Yee, J. C., C. Han, A. Gould, J. Skowron, I. A. Bond, A. Udalski, M. Hundertmark, L. A. G. Monard, I.
Porritt, P. Nelson et al. (F. Abe, D. Fukunaga, Y. Itow, K. Masuda, Y. Matsubara, Y. Muraki,
N. Tsurumi), MOA-2013-BLG-220Lb: Massive planetary companion to galactic-disk host,
Astrophys. J., 790, 14, 2014.
Yee, J. C., L.-W. Hung, I. A. Bond, W. Allen, L. A. G. Monard, M. D. Albrow, P. Fouqué, M. Dominik, Y.
72
3.
研究成果の発表
Tsapras, A. Udalski et al. (F. Abe, K. Furusawa, Y. Itow, S. Kobara, K. Masuda, Y.
Matsubara, N. Miyake), MOA-2010-BLG-311: A planetary candidate below the threshold of
reliable detection, Astrophys. J., 769, 77, 2013.
Yokota, S., T. Tanaka, Y. Saito, K. Asamura, M. N. Nishino, M. Fujimoto, H. Tsunakawa, H. Shibuya, M.
Matsushima, H. Shimizu and F. Takahashi, Structure of the ionized lunar sodium and potassium
exosphere: Dawn-dusk asymmetry, J. Geophys. Res. Planets, 119, 798-809, 2014
(10.1002/2013JE004529).
Yokota, S., Y. Saito, K. Asamura, M. N. Nishino, T. I. Yamamoto, H. Tsunakawa, H. Shibuya, M.
Matsushima, H. Shimizu, F. Takahashi, M. Fujimoto, and T. Terasawa, Kaguya observation of
the ion acceleration around a lunar crustal magnetic anomaly, Planet. Space Sci., 93-94, 87-95,
2014.
Yoshiike, S., T. Fukuda, H. Sano, A. Ohama, N. Moribe, K. Torii, T. Hayakawa, T. Okuda, H. Yamamoto,
H. Tajima, N. Mizuno, A. Nishimura, K. Kimura, H. Maezawa, T. Onishi, A. Mizuno, H.
Ogawa, A. Giuliani, B.-C. Koo, and Y. Fukui, The neutral interstellar gas toward SNR W44:
Candidates for target protons in hadronic γ-ray production in a middle-aged supernova remnant,
Astrophys. J., 768, 179, 2013.
Yoshikawa, A., O. Amm, H. Vanhamaki, and R. Fujii, Illustration of cowling channel coupling to the shear
Alfven wave, J. Geophys. Res., 118, 6405-6415, 2013 (10.1002/jgra.50513).
Yoshikawa, A., O. Amm, H. Vanhamaki, A. Nakamizo, and R. Fujii, Theory of cowling channel formation
by reflection of shear Alfven waves from the auroral ionosphere, J. Geophys. Res., 118,
6416-6425, 2013 (10.1002/jgra.50514).
Zenitani, S., and T. Umeda, Some remarks on the diffusion regions in magnetic reconnection, Phys.
Plasmas, 21, 034503, 2014.
Zou, Y., and N. Nishitani, Study of mid-latitude ionospheric convection during quiet and disturbed periods
using the SuperDARN Hokkaido radar, Adv. Space Res., 54, 473-480, 2014.
Zou, Y., Y. Nishimura, L. R. Lyons, E. F. Donovan, J. M. Ruohoniemi, N. Nishitani, and K. A.
McWilliams, Statistical relationships between enhanced polar cap flows and PBIs, J. Geophys.
Res. Space Physics, 119, 51-162, 2014 (10.1002/2013JA019269).
73
3.研究成果の発表
3.2 学 会 ・研 究 会 等 での発 表 (2014 年 4 月 -2015 年 3 月 )
国際研究集会
研 究 集 会 名
開 催 国
開 催 期 日
Workshop on Space Climate
Calor 2014
ERG Mission Science Workshop
QCD and Forward Physics at the LHC
Hadron Physics Symposium
EGU General Assembly 2014
Interferometry Workshop
MR 2014
SuperDARN 2014 Workshop
MST14/iMST1
TIPP’14
Goldschmidt Conference 2014
RHIC PAC Meeting
5th SERENA-HEWG Meeting
The 2014 GEM Summer Workshop
Low-X Workshop
6th Alfven Conference
AOGS 2014 (11th Annual Meeting
of the Asia Oceania Geosciences
Society)
40th COSPAR Scientific Assembly
The 14th Symposium of SEDI
URSI GASS 2014
The 12th Asian-Pacific Regional
IAU Meeting (APRIM 2014)
ISVHECRI 2014
PANIC 2014
International Aerosol Conference
(IAC 2014)
AGU Chapman Conference on
Low-Frequency Waves in Space
Plasmas
Future directions on heavy-ion
physics in the forward region &
LHC Working Group on Forward
Physics and Diffraction
VERTEX 2014
Geospace revisited: a Cluster/
MAARBLE/Van Allen Probes
Conference
UHECR 2014
日本
ドイツ
台湾
イタリア
日本
オーストリア
フランス
日本
ノルウェー
ブラジル
オランダ
アメリカ
アメリカ
アイルランド
アメリカ
日本
イギリス
日本
2014 年
4月3日
4 月 6-11 日
4 月 14-15 日
4 月 14-18 日
4 月 17-19 日
4 月 27 日-5 月 2 日
5 月 12 日
5 月 20-24 日
5 月 25-30 日
5 月 25-31 日
6 月 2-6 日
6 月 8-13 日
6 月 12-14 日
6 月 12-17 日
6 月 15-20 日
6 月 17-21 日
7 月 7-11 日
7 月 28 日-8 月 1 日
発表数
コンビー
ナー
教員 研究員 学生
1
計
1
0
4
1
2
3
1
1
4
2
0
2
1
1
1
1
1
39
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
3
1
1
0
0
1
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
13
2
1
4
1
3
4
1
1
4
3
1
2
1
1
2
1
2
55
ロシア
日本
中国
韓国
8 月 2-10 日
8 月 3-8 日
8 月 16-23 日
8 月 18-22 日
6
0
0
1
0
2
2
0
0
0
0
0
6
2
2
1
スイス
ドイツ
韓国
8 月 18-22 日
8 月 25-30 日
8 月 28 日-9 月 2 日
3
1
0
0
0
1
1
0
2
4
1
3
韓国
8 月 31 日-9 月 5 日
1
0
1
2
アメリカ
9 月 3-6 日
1
0
0
1
チェコ
ギリシャ
9 月 15-19 日
9 月 15-20 日
1
2
0
0
0
1
1
3
アメリカ
10 月 12-17 日
1
0
0
1
74
3.研究成果の発表
研 究 集 会 名
開 催 国
開 催 期 日
発表数
コンビー
ナー
教員 研究員 学生
計
SCOSTEP 13th Solar-Terrestrial
Physics Symposium (STP13)
Workshop on Interstellar Matter
2014
ITOC Workshop, ICSTI 2014
General Assembly
14th Asia Simulation Conference
Living With a Star (LWS) 2014
Workshop
Magnetosphere-Ionosphere
Convection and Substorm meeting
The 12th International Conference
on Substorms (ICS-12)
Magnetic fields from the Sun to
Blackholes - In memory to Jean
Heyvaerts
11th European Space Weather Week
Korea Space Science Fall Meeting
2nd SAKURA MRI-IRSN joint
meeting
Revolution in Astronomy with
ALMA -The 3rd Year15th
Workshop
on
Submillimeter-Wave
Receiver
Technologies in Eastern Asia
2014 AGU Fall Meeting
中国
10 月 13-18 日
3
0
1
4
日本
10 月 16-18 日
1
0
0
1
日本
10 月 18-19 日
1
0
0
1
日本
アメリカ
10 月 26-31 日
11 月 2-6 日
1
5
0
0
0
2
1
7
日本
11 月 8-9 日
3
0
0
3
日本
11 月10-14 日
11
1
8
20
フランス
11 月 17-19 日
1
0
0
1
ベルギー
韓国
日本
11 月 17-21 日
11 月 28-30 日
12 月 8-9 日
1
1
1
0
0
0
0
0
0
1
1
1
日本
12 月 8-11 日
1
0
0
1
日本
12 月 15-17 日
1
0
1
2
10
2
11
23
95th American Meteorological
Society Annual Meeting
International
Conference
on
Climate Change Innovation and
Resilience
for
Sustainable
Livelihood
Grand Challenge Brain Storming
Session, in Theory, Numerical,
Experimental, Technology and
Instrumentation, for Advancing
Coordinated
Ground
and
Sounding Rocket Missions
19th International Conference on
Microlensing
ISSI Meeting
Symposium on Planetary Science
2015 in Sendai
Data Requirements to Address the
WCRP GC on Weather and
Climate Extremes
The 3rd AOSWA Workshop 2015
UN/Japan Workshop on Space
Weather
Space Weather Event Report:
Preliminary Analysis of Latest Event
アメリカ
12 月 15-19 日
2015 年
1 月 3-8 日
4
0
0
4
ネパール
1 月 12-14 日
1
0
0
1
日本
1 月 13 日
1
0
0
1
アメリカ
1 月 19-22 日
2
0
1
3
スイス
1 月 26-30 日
2 月 16-18 日
0
2
0
3
1
1
1
6
オーストラリア 2 月 25-27 日
1
0
0
1
3
4
0
0
0
0
3
4
2
0
0
2
アメリカ
日本
日本
3 月 2-5 日
3 月 2-6 日
日本
3月4日
日本
75
1
1
3.研究成果の発表
研 究 集 会 名
開 催 国
開 催 期 日
LHCC 2015
The
International
School
on
Equatorial
and
Low-Latitude
Ionosphere
LPSC2015 The 46th Lunar and
Planetary Science Conference
Inner Magnetosphere Coupling III
合 計 (国際研究集会)
スイス
インドネシア
3月4日
3 月 16-20 日
アメリカ
アメリカ
コンビー
ナー
発表数
教員 研究員 学生
計
0
0
0
0
1
0
1
0
3 月 16-20 日
0
1
1
2
3 月 23-27 日
7
4 150
0
18
1
2
9
53 221
国内学会
研 究 集 会 名
日本地球惑星科学連合 2014
年大会
第 31 回エアロゾル科学・技
術研究討論会
日本天文学会 2014 年秋季年会
日本物理学会 2014 年秋季大会
第 146 回 HPC 研究会
日本気象学会 2014 年度秋季
大会
第 20 回大気化学討論会
第 136 回地球電磁気・地球惑
星圏学会総会および講演会
Plasma Conference 2014
日本天文学会 2015 年春季年会
日本物理学会第 70 回年次大
会 (2015 年)
合 計 (国内学会)
開 催 場 所
開 催 期 日
2014 年
パシフィコ横浜 4 月28 日-5 月2 日
会議センター
筑波大学
8 月 6-8 日
山形大学
佐賀大学
沖縄産業支援セ
ンター
福岡国際会議場
発 表 数
* コンビ
ーナー
教員 研究員 学生
計
9
42
4
21
67
1
1
2
0
3
9 月 11-13 日
9 月 18-21 日
10 月2-3 日
7
5
1
0
0
0
5
5
0
12
10
1
10 月 21-23 日
2
0
0
2
3
18
0
5
2
15
5
38
2
0
0
2
6
4
0
0
7
10
13
14
91
11
府中グリーンプラザ 10 月 27-29 日
長野県松本文化 10 月 31 日-11 月
会館
5日
新潟コンベンショ 11 月 18-21 日
ンセンター
2015 年
大阪大学
3 月 18-21 日
早稲田大学
3 月 21-24 日
5
15
65 167
*セッションコンビーナー
研究会等
研 究 集 会 名
「宇宙気候学に関する研究
会」 (第 4 回 「太陽活動
と気候変動の関係」に関す
る名古屋ワークショップ)
わが国における太陽分野将来
計画-SolarC 計画と太陽圏
ネットワーク地上観測計画
平成 25 年度 HIMAC 共同利
用成果発表会
開 催 場 所
名古屋大学
開 催 期 日
2014 年
4月3日
発 表 数
世話人
2
教員 研究員 学生
計
0
0
2
2
京都大学
4月4日
1
0
0
1
ホテルポートプ
ラザちば
4 月 21-22 日
3
0
0
3
76
3.研究成果の発表
研 究 集 会 名
開 催 場 所
開 催 期 日
発 表 数
世話人
九州大学
4 月 25 日
1
0
0
計
1
東北大学
5 月 13 日
2
0
0
2
全天軟 X 線放射研究会
理化学研究所
5 月 27 日
1
0
0
1
EXCEED チームミーティング
宇宙航空研究開
発機構宇宙科学
研究所
首都大学東京
6 月 24 日
0
1
0
1
7月4日
0
1
0
1
品川グランドセ
ントラルタワー
7 月 10-11 日
1
0
1
2
名古屋大学
東京大学
7 月 12-13 日
7 月22 日
1
1
0
0
0
0
1
1
国立天文台野辺
山
ホテル圓山荘:
長野県千曲市
宇宙航空研究開
発機構宇宙科学
研究所
リファレンス駅
東ビル:福岡県福
岡市
7 月 23-24 日
1
0
1
2
7 月 28-31 日
0
0
2
2
8 月 4-6 日
1
0
0
1
8 月 5-6 日
1
0
0
1
名古屋大学
8月6日
0
0
1
1
宇宙航空研究開
発機構宇宙科学
研究所
国立極地研究所
8月8日
0
1
0
1
8 月 18-19 日
2
0
0
2
国立極地研究所
8 月 20 日
4
1
0
5
東京工業大学
8 月 20 日
0
0
1
1
名古屋大学
8 月 21 日-22 日
0
0
1
1
東京大学
高山市民文化会
館
名古屋大学
9月2日
9 月 4-5 日
0
1
0
0
0
0
0
1
12
0
0
12
0
0
10
10
先駆的科学計算に関するフ
ォーラム 2014 ~先端的
計算科学研究プロジェク
ト成果報告~
Hisaki 衛星搭載の極端紫外分
光器 EXCEED のチームミ
ーティング
エアロゾル先端計測研究会
第 2 回会合
学際大規模情報基盤共同利
用・共同研究拠点 第 6 回シ
ンポジウム
第7回CRCタウンミーティング
第 20 回ひので-実験室リコ
ネクション研究会
第 32 回 NRO ユーザーズミ
ーティング
天文・天体物理若手夏の学
校 2014
第 47 回 月・惑星シンポジウム
先駆的科学計算に関するフ
ォーラム 2014 ~数値シミ
ュレーションと並列化技
術~
名古屋大学若手女性研究者
サイエンスフォーラム
EXCEED チームミーティング
平成 26 年度 IUGONET 中間
報告会および
太陽-地球大気の地上多点
観測データ総合解析ワー
クショップ
育志賞研究発表会
Open-It FPGA トレーニング
コース 2014
EXCEED チームミーティング
第 32 回レーザセンシングシ
ンポジウム
GEMSIS ワークショップ:第
3 期に向けての研究戦略
宇宙地球惑星科学若手会夏
の学校 2014
9 月 9-10 日
休暇村伊良湖:愛
知県田原市
9 月 11-13 日
77
10
教員 研究員 学生
3.研究成果の発表
研 究 集 会 名
開 催 場 所
第 8 回 MU レーダー・赤道大
気レーダーシンポジウム
中間圏・熱圏・電離圏 (MTI)
研究会・ISS-IMAP に関す
る研究集会
サブストーム研究会
太陽多波長データ解析研究
会 2014
惑星から大質量星・球状星団
まで:天体形成を俯瞰する
第 1 回 STE (太陽地球環境)
現象報告会
第 4 回極端宇宙天気研究会
シンポジウム「スペース太
陽物理学の将来展望」
京都大学宇治キ
ャンパス
情報通信機構
9 月 16-17 日
9 月 29-30 日
名古屋大学
国立天文台野辺山
太陽電波観測所
名古屋大学
第 1 回「京」を中核とする
HPCI システム利用研究課
題成果報告会
STE 研大型共同研究プロジ
ェクト会議
地球磁気圏 X 線可視化に関
する研究会
中緯度短波レーダー研究会
第 3 回観測的宇宙論ワーク
ショップ
エアロゾル先端計測研究会
第 3 回会合
第 5 回極域科学シンポジウム
波動分科会小研究集会「プラ
ズマ波動理論の新展開」
第 28 回 大気圏シンポジウム
第11 回 宇宙環境シンポジウム
共同利用研究成果発表研究会
宇宙史特講研究会
STE シミュレーション研究会
地球型惑星圏環境に関する
研究集会
TA-LHCf 研究会
第 3 回宇宙・電磁環境研究
センター研究集会
宇宙科学シンポジウム
開 催 期 日
発 表 数
世話人
1
0
0
計
1
1
6
1
7
14
9 月 29-30 日
9 月 29 日-10 月 3
日
10 月 1-3 日
3
1
4
0
0
0
1
1
5
1
1
0
0
1
情報通信研究機
構
国立極地研究所
宇宙航空研究開
発機構宇宙科学
研究所
コクヨホール:東
京都港区
10 月 3 日
1
1
0
1
2
10 月 9-10 日
10 月 20-21 日
3
2
2
2
0
0
1
1
3
3
10 月 31 日
1
0
0
1
キャンパスプラ
ザ京都
首都大学東京
11 月 18 日
1
0
0
1
11 月 15 日
1
2
1
0
3
名古屋大学
名古屋大学
11 月 17 日
11 月 26-28 日
1
1
1
0
0
3
0
4
1
名古屋大学
11 月 27 日
1
0
0
0
0
国立極地研究所
京都大学生存圏
研究所
宇宙航空研究開
発機構宇宙科学
研究所
大阪府立大学
東京大学宇宙線
研究所
名古屋大学
海洋研究開発機構
12 月 2-5 日
12 月 5 日
2
1
1
0
0
0
3
1
12 月 8-9 日
1
0
3
4
12 月 10-11 日
12 月 12-13 日
1
2
0
0
0
0
1
2
12 月 15-16 日
12 月 22-24 日
0
5
0
0
2
0
2
5
立教大学
12 月 25-26 日
2
1
2
5
東京大学宇宙線
研究所
電気通信大学
12 月 26 日
2
0
0
2
12 月 26 日
1
0
0
1
2015 年
宇宙航空研究開 1 月 6-7 日
発機構宇宙科学
研究所
6
0
1
7
78
1
教員 研究員 学生
3.研究成果の発表
開 催 場 所
電離圏・磁気圏モデリング
とデータ同化
シンポジウム「太陽地球圏
環境予測」~我々が生きる
宇宙の理解とその変動に
備える社会のために
日本における地球大気化学
の将来検討会
火星科学研究会
「自然科学における階層と
全体」シンポジウム
脈動オーロラ研究集会
有機エアロゾルに関するワ
ークショップ:大気におけ
るその動態・性状・役割
太陽地球系宇宙プラズマに
おける重イオンの輸送・
加熱・加速過程
新学術領域
「冥王代生命学の創
成」第一回生命惑星研究会
2014 年度宇宙科学情報解析
シンポジウム
統計数理研究所
1月9日
1
1
0
0
計
1
名古屋大学
1 月 13 日
3
4
0
0
4
熱海 KKR ホテ
ル
神戸大学
桑山ビル:愛知
県名古屋市
名古屋大学
名古屋大学東京
オフィス
1 月 16-17 日
1
0
0
1
2 月 18 日
1 月 19-20 日
1
0
0
1
1
0
0
1
太陽ガンマ線ミニ研究会
太陽研連シンポジウム「サイ
クル 24 極大期の太陽活動
と太陽研究の将来展望」
太陽地球環境データ解析に
基づく超高層大気の空
間・時 変動の解明
新学術領域研究「重力波天
体の多様な観測による宇
宙物理学の新展開」第 3
回領域シンポジウム
平成 26 年度 京都大学防災
研究所研究発表講演会
電磁気圏観測に向けた将来
探査衛星計画に関する研
究集会
地球惑星圏科学分野における
「博士課程進学者・博士号取
得者による合同セミナー」
ハドロン散乱ゼロ度測定勉
強会
第 5 回 月と火星の縦孔・地
下空洞探査研究
平成 26 年度 系外惑星大研
究会
電磁圏物理学シンポジウム
開 催 期 日
発 表 数
研 究 集 会 名
世話人
教員 研究員 学生
1 月 19-20 日
1 月 23 日
1
3
1
1
0
0
0
4
1
名古屋大学
1 月 28-29 日
3
5
2
1
8
熱川ハイツ:静
岡県賀茂郡
宇宙航空研究開
発機構宇宙科学
研究所
名古屋大学
名古屋大学
2 月 8-10 日
1
0
0
1
2 月 13 日
1
0
0
1
3
9
0
0
0
5
3
14
2 月 16 日
2 月 16-18 日
2
4
京都大学
2 月 19-20 日
5
0
0
5
広島大学
2 月 19-21 日
2
0
0
2
京都大学防災研
究所
名古屋大学
2 月 23 日
1
0
0
1
2 月 23-24 日
1
1
0
2
名古屋大学
2 月 24 日
1
0
0
1
1
名古屋大学
3月2日
2
2
0
0
2
宇宙航空研究開
発機構
東京大学
3 月 2-3 日
0
1
0
1
3 月 2-3 日
1
0
0
1
ザ・ルイガンズ:
福岡県福岡市
3 月 2-3 日
1
0
0
1
79
3.研究成果の発表
研 究 集 会 名
開 催 場 所
開 催 期 日
地域ネットワークによる宇
宙天気の観測・教育活動
に関する研究集会
「IRIS」
・
「ひので」衛星デー
タ解析ワークショップ
第 23 回 生研フォーラム「宇宙
からの地球環境・災害のモニ
タリングとリスク評価」
「太陽圏シンポジウム」お
よび「太陽地球環境と宇
宙線モジュレーション」
波動粒子相互作用による粒
子加速・輸送及び乱流
ELPH 研究会 C010「素粒子・
原子核実験における全吸
収型カロリメーターの実
例と応用」
磁気リコネクション研究の
最前線-太陽・惑星・実験
室第 6 回 ERG サイエンス会議
新学術領域研究
「冥王代生命学
の創成」
第 2 回シンポジウム
内部磁気圏研究会
モンテカルロシミュレーシ
ョン研究会
山岳大気部門第 4 回成果報
告会
WDS 国内シンポジウム 第
5 回)
緯度間結合の大気科学研究
集会
ザ・ルイガンズ:
福岡県福岡市
3 月 2-3 日
国立天文台
3 月 2-4 日
東京大学生産技
術研究所
3 月 3-4 日
名古屋大学
3 月 4-6 日
名古屋大学
3 月 5-6 日
東北大学
発 表 数
世話人
1
0
0
計
1
0
0
0
0
0
1
1
2
2
3
0
1
4
1
1
1
0
2
3 月 9-10 日
1
0
2
3
東京大学
3 月 10-11 日
2
0
0
2
名古屋大学
八方文化会館:長
野県北安曇郡
名古屋大学
東京大学宇宙線
研究所
東京理科大学
3 月 13 日
3 月 13-15 日
1
1
1
0
0
0
0
1
1
3 月 18-19 日
3 月 19 日
1
1
0
0
0
0
2
0
2
0
0
0
1
1
東京理科大学
3 月 26 日
0
0
0
0
国立極地研究所
3 月 26 日
3
0
1
4
EISCAT 研究集会 (STEL)
国立極地研究所
3 月 26 日
2
0
3
5
EISCAT 研究集会 (NIPR)
国立極地研究所
3 月 27 日
1
0
0
1
54 101
12
1
3 月 21 日
合 計 (研究会等)
80
2
1
教員 研究員 学生
43 159
2.組織・職員
職員名簿
▲ 2014 年 4 月 2 日-2015 年 4 月 1 日
○ 2014 年 4 月 2 日-2015 年 4 月 1 日
所
長
転出・退職
転入・採用
松見
豊▲
町田
忍○
草野 完也
副所長
研究部門
第 1 部門 大気圏環境
教 授
松見
教 授
准教授
第 2 部門
教
教
教
豊
助
教
中山
智喜
水野
亮
長濵 智生
助
教
中島
拓
准教授
准教授
助 教
野澤
大塚
大山
悟德
雄一
伸一郎
准教授
助 教
助 教
松原
﨏
奥村
豊
隆志
曉
准教授
助 教
助 教
増田
家田
今田
智
章正
晋亮
電磁気圏環境
授
藤井 良一○
授
塩川 和夫
授
平原 聖文
第 3 部門 太陽圏環境
教 授
伊藤
教 授
田島
教 授
德丸
准教授
増田
好孝
宏康
宗利
公明
第 4 部門 総合解析
教 授
草野 完也
教 授
町田
忍
准教授
関 華奈子
ジオスペース研究センター
センター長
教 授 (兼)
准教授
准教授
准教授
母子里観測所
所 長
富士観測所
所 長
教 授 (兼)
教 授 (兼)
平原 聖文
阿部 文雄
西谷
望
三好 由純
松見
德丸
助 教
助 教
梅田 隆行
藤木 謙一
教 授 (兼)
水野
亮
鹿児島観測所
所 長
教 授 (兼)
塩川
和夫
陸別観測所
所 長
豊
宗利
81
2.組織・職員
研究所事務部
事務部長
総務課長
経理課長
長尾 義則
坪井 直志
鈴木
均▲
坂口 敏弘○
総務課
研究支援室
室長 (専門員)
総務第一係長
専門職員
総務第二係長
人事係長
研究支援係長
小野
河合
高阪
濵島
森野
浅野
藤木
伊八郎▲
徹○
直樹
聡▲(太陽地球環境研究所:庶務 担当)
小百合○
正次
直樹
経理課
経理係長
用度係長
管理係長
鎌田 英樹
堀之内 優子
中川 眞一
全学技術センター/教育・研究技術支援室 計測・制御技術系 (太陽地球環境研究所)
課長
児島 康介
第 1 技術班
技術班長
技術専門職員
瀨川 朋紀
山﨑 高幸
技術専門職員
技術職員
丸山 益史
藤森 隆彰
第 2 技術班
技術班長
技術専門職員
川端 哲也
濱口 佳之
技術専門職員
技術職員
山本 優佳
足立
匠
82
4.組織・職員
招聘客員研究員
氏 名
Balan, N.
所 属・役 職
シェフィールド大学・教授・上級研
究員 (イギリス)
在 任 期 間
2014 年 3 月 1 日-2014 年 8 月 31 日
Amm, O.
フィンランド気象研究所・上級研究
員 (フィンランド)
サスカチュワン大学宇宙大気研究
所・専門研究員 (カナダ)
2014 年 3 月 15 日-2014 年 6 月 14 日
Ponomarenko, P.
2014 年 9 月 15 日- 2014 年 12 月 14 日
招聘教員
氏 名
井上 元
笠原 克昌
川崎 昌博
黒田 能克
小寺 邦彦
柴崎 清登
渡邉 堯
海老原 祐輔
小川 泰信
川原 琢也
篠原 育
所 属・役 職
元・国立環境研究所
早稲田大学・招聘研究員
京都大学・名誉教授
三菱重工株式会社・主席技師
元・気象研究所
国立天文台・教授
茨城大学・名誉教授
京都大学・准教授
国立極地研究所・准教授
信州大学・准教授
宇宙航空研究開発機構・准教授
在 任 期 間
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
成澤
泰貴
三菱重工株式会社・主任技師
2014 年 4 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
笠原
禎也
金沢大学・教授
2014 年 5 月 1 日- 2015 年 3 月 31 日
特任准教授
氏 名
堀
智昭
谷田貝 亜紀代
着 任 日
2013 年 9 月 1 日
2013 年 11 月 1 日 (2015 年 3 月 31 日まで)
特任助教
氏
鈴木
下山
宮下
塩田
桂華
小路
三宅
名
臣
学
幸長
大幸
邦裕
真史
芙沙
着 任 日
2010 年 8 月 1 日 (2015 年 3 月 31 日まで)
2011 年 11 月 1 日 (2015 年 2 月 28 日まで)
2013 年 4 月 1 日
2013 年 4 月 1 日
2013 年 7 月 1 日
2013 年 9 月 1 日
2014 年 4 月 1 日
研究機関研究員
氏
秀森
疋島
名
丈寛
充
着 任 日
2013 年 4 月 1 日 (2015 年 3 月 31 日まで)
2014 年 4 月 1 日 (2015 年 3 月 31 日まで)
83
(高等研究院所属)
(高等研究院所属)
4.組織・職員
研究員
氏 名
上田 紗也子
着 任 日
2013 年 4 月 1 日 (2014 年 5 月 31 日まで)
大山 博史
弓場 彬江
井上 諭
2014 年 4 月 1 日 (2014 年 4 月 30 日まで)
2015 年 1 月 1 日
2013 年 7 月 1 日
協力研究員
氏 名
原 拓也
着 任 日
2014 年 4 月 1 日 (2014 年 4 月 23 日まで)
原田
裕己
2014 年 4 月 1 日 (2014 年 4 月 23 日まで)
関谷 洋之
堀 久美子
2014 年 4 月 1 日 (2015 年 3 月 31 日まで)
2014 年 4 月 1 日
日本学術振興会特別研究員
氏
名
着
北村 成寿
高橋 透
栗田 怜
益永 圭
宿谷 大志
任 日
2012 年 4 月 1 日 (2015 年 3 月 31 日まで)
2013 年 4 月 1 日 (2015 年 3 月 31 日まで)
2014 年 4 月 1 日
2014 年 4 月 1 日
2014 年 4 月 1 日
外国人共同研究員
氏
名
着
Oinats, A. (ロシア)
任 日
2014 年 9 月 1 日 ( 2014 年 12 月 31 日まで)
技術補佐員 (研究支援推進員)
大気圏環境部門
太陽圏環境部門
電磁気圏環境部門
鳥山 哲司
丸山 一夫
加藤 泰男
ジオスペース研究センター
共通
塚本 隆啓
淺野かよ子
技術補佐員・事務補佐員
(2015 年 4 月 1 日現在)
所
属
人数
研究部門
ジオスペース研究センター
母子里観測所
16
3
2
84
所
鹿児島観測所
事務部
属
人数
2
6
5.運営
5. 運 営
全国共同利用の研究所として円滑な運営を行うため、本研究所には、所長の諮問機関と
して運営協議会が置かれている。この他、研究所内の各種所内委員会とともに、全国の関
連研究機関の研究者を構成員として、共同利用/共同研究体制等について議論する共同利
用・共同研究委員会および共同利用・共同研究専門委員会が設けられている。
共同利用所内委員会
運営機構図
教育委員会
予算委員会
整備委員会
所
長
教
授
会
副所長
安全衛生委員会
技術部運営委員会
出版編集委員会
計算機委員会
運営協議会
図書運営委員会
交通委員会
広報委員会
計画・評価委員会
男女共同参画推進委員会
その他所内各種委員会
大気圏専門委員会
共同利用・
共同研究委員会
電磁気圏専門委員会
太陽圏専門委員会
総合解析専門委員会
ジオスペース研究センター運営委員会
総合観測委員会
85
5.運営
運営協議会
研究所の共同利用計画および共同利用に関する運営の大綱について、研究所長の諮問に
応じて審議する。運営協議会は、
(1) 本学以外の学識経験者若干名
(2) 大学院理学研究科・大学院工学研究科・大学院環境学研究科の教授各 1 名
(3) 本研究所の教授若干名
(4) その他本学教員で研究所長が必要と認めた者
をもって組織する。(2010 年 4 月改正)
運 営 協 議 員 (2014 年 度 )
石井
今村
小原
梶田
櫻井
津田
中村
中村
羽田
星野
大野
柴田
杉山
松見
水野
塩川
伊藤
草野
平原
守
隆史
隆博
隆章
隆
敏隆
卓司
正人
亨
真弘
哲靖
隆
直
豊
亮
和夫
好孝
完也
聖文
情報通信研究機構電磁波計測研究所宇宙環境インフォマティクス研究室長
国立環境研究所環境計測研究センター長
東北大学大学院理学研究科附属惑星プラズマ・大気研究センター長
東京大学宇宙線研究所長
自然科学研究機構国立天文台太陽観測所教授
京都大学生存圏研究所長
情報・システム研究機構国立極地研究所教授
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授
九州大学総合理工学研究院教授
東京大学大学院理学系研究科教授
名古屋大学大学院工学研究科教授
名古屋大学大学院環境学研究科教授
名古屋大学大学院理学研究科教授
名古屋大学太陽地球環境研究所教授
名古屋大学太陽地球環境研究所教授
名古屋大学太陽地球環境研究所教授
名古屋大学太陽地球環境研究所教授
名古屋大学太陽地球環境研究所教授
名古屋大学太陽地球環境研究所教授
86
5.運営
共 同 利 用 ・共 同 研 究 委 員 会
本委員会は、共同利用の実施に関する事項について審議する。構成は、研究所内外の研
究者約 20 名をもって組織 (共同利用・共同研究委員会内規) し、
(1) 所内委員のうち 8 名は、研究所の 4 研究部門から各 2 名を研究所が選出、その他の所
内委員若干名は、委員の構成を考慮して、研究所が選出する。
(2) 所外委員のうち 4 名は、4 つの専門委員会 (共同利用・共同研究委員会専門委員会細
則) の委員長を兼ね、その他の所外委員若干名については、委員の構成を考慮して、
改選前の共同利用・共同研究委員会が選出する。委員長は研究所長が委員の中から命
ずる。また、共同利用・共同研究委員会に、所内委員の中から選出される幹事を置く。
共 同 利 用 ・共 同 研 究 委 員 会 委 員 (2014 年 度 )
所外委員
海老原 祐輔
北 和之
斉藤 昭則
坂野井 健
篠原 育
柴田 祥一
橋口 浩之
所内委員
花岡 庸一郎
原 弘久
細川 敬祐
前澤 裕之
宗像 一起
村田 功
平原
野澤
水野
長濵
塩川
德丸
松原
聖文◎
悟徳○
亮
智生
和夫
宗利
豊
草野 完也
関 華奈子
阿部 文雄
西谷 望
◎委員長
○幹事
共 同 利 用 ・共 同 研 究 専 門 委 員 会
本委員会は、共同利用の実施に関する専門的事項について調査/審議を行う。
(1) 共同利用・共同研究専門委員会は、大気圏専門委員会・電磁気圏専門委員会・太陽圏
専門委員会・総合解析専門委員会の 4 専門委員会で構成される。その他に、ジオスペ
ース研究センターの円滑な運営を図るため、ジオスペース研究センター運営委員会を
置く。
(2) 各専門委員会は、研究所内外の研究者約 10 名により組織される。
(3) 所内委員は、研究所が選出する。
(4) 所外委員の選出方法は、各専門委員会にて決める。
(5) 各専門委員会委員長は、委員の互選により所外専門委員の中から選出し、共同利用・
共同研究委員会の所外委員も務める。
(6) 各専門委員会に幹事を置く。幹事は所内委員より選出される。
87
5.運営
共 同 利 用 ・共 同 研 究 専 門 委 員 会 委 員 (2014 年 度 )
専門委員会名
大気圏専門委員会
電磁気圏専門委員会
太陽圏専門委員会
総合解析専門委員会
所外委員
北
和之◎
杉田
所内委員
考史
長濵 智生○
笠井
康子
高橋 けんし
松見 豊
梶井
克純
村田
功
水野
亮
細川
敬祐
大塚
雄一○ 野澤
山本
真行
平原
聖文
塩川
和夫
坂野井
健◎
小川
泰信
斉藤
昭則
花岡 庸一郎◎ 中川
朋子
德丸
宗利○
大山
真満
羽田
亨
伊藤
好孝
柴田
祥一
宗像
一起
松原
豊
海老原 祐輔◎
寺田
直樹
関
浅井
歩
能勢
正仁
草野
完也
勝川
行雄
吉川
顕正
町田
忍
篠原
育
増田
智
悟徳
大山 伸一郎
華奈子○ 三好
由純
◎委員長
○幹事
ジオスペース研 究 センター運 営 委 員 会
本委員会は、研究プロジェクトの企画及び推進などセンターの運営に関する事項につい
て審議する。運営委員会は、
(1) センター長
(2) センターの大学教員若干名
(3) 太陽地球環境研究所の大学教員若干名
(4) 本学以外の学識経験者若干名
(5) その他センター長が必要と認めた者
をもって構成する。委員長は、センター長をもって充て、幹事は研究所の運営委員の中か
ら委員長が指名する。
88
5.運営
ジオスペース研 究 センター運 営 委 員 会 委 員 (2014 年 度 )
所外委員
篠原
末松
中村
前澤
育
芳法
俊夫
裕之
村山
山岸
所内委員
泰啓
久雄
平原 聖文◎
阿部 文雄○
松見 豊
塩川 和夫
増田 公明
德丸 宗利
関 華奈子
西谷 望
◎委員長
○ 幹事
総合観測委員会
本委員会は、ジオスペース研究センターのプロジェクトと連携して総合観測事業の計画
及び実施に関する企画・調査及び審議を行う。委員会は、
(1) センターの大学教員若干名
(2) 太陽地球環境研究所の大学教員若干名
(3) 本学の大学教員若干名
(4) 本学以外の学識経験者若干名
(5) その他委員会が必要と認めた者
からなる委員 10 名程度をもって組織し、委員長と幹事を置く。委員長は委員のうちから
互選し、幹事はセンター委員のうちから委員長が指名する。
総 合 観 測 委 員 会 委 員 (2014 年 度 )
所外委員
宗像
田口
橋口
藤原
一起◎
真
浩之
均
所内委員
前澤 裕之
山岸 久雄
吉川 顕正
西谷 望○
長濵 智生
塩川 和夫
平原 聖文
◎委員長
○幹事
89
德丸 宗利
増田 公明
関 華奈子
6.共同利用
6. 共同利用
共同研究
大学その他の研究機関に所属する研究者と当研究所の研究者とが協力して、共同研究を
行っている。「共同研究」の提案は毎年公募し、共同利用・共同研究専門委員会および共
同利用・共同研究委員会の審査により採否を決定する。
採択された地上ネットワーク観測大型共同研究 (重点研究) (2014 年度)
*研究機関名・職名は申請時のとおり
代 表 者
宗像 一起
研究機関・職*
信州大学理学部・教授
研 究 課 題
拡張された GMDN 比例計数管ミューオン計に
よる宇宙嵐前兆現象の精密観測
採択された地上ネットワーク観測大型共同研究一覧 (2014 年度)
*研究機関名・職名は申請時のとおり
代
表 者
研究機関・職*
研 究 課 題
和田
龍一
帝京科学大学生命環境学部・講師
NO2 レーザー分光法のフラックス計測への応用
大矢
浩代
千葉大学工学研究科・助手
東南アジア VLF 帯電磁波観測ネットワーク
(AVON) を用いた中低緯度帯下部電離圏の太
陽活動変動
藤原
均
成蹊大学理工学部・教授
北極域総合観測と大気圏・電離圏統合モデル・
シミュレーションによる極域熱圏・電離圏変動
の研究
尾花
由紀
大阪電気通信大学工学部・講師
衛星-地上同時観測による昼夜境界領域の
ULF 脈動構造の研究
橋本 久美子
吉備国際大学地域創成農学部・
教授
グローバル観測と磁気圏電離圏複合系シミュレ
ーションによるサブストーム・地磁気脈動の研究
吉川
顕正
九州大学国際宇宙天気科学・教
育センター・講師
超多点地上ネットワークデータ解析による電離
圏極域−磁気赤道域電磁結合メカニズムの解明
櫻井
敬久
山形大学企画部・教授 (プロジェ
クト教員)
第 24 太陽活動期における世界多地点での大気
中宇宙線生成核種の濃度変動およびエアロゾ
ル粒径の観測研究
新堀
淳樹
京都大学生存圏研究所・特定研
究員
地磁気擾乱時における熱圏風変動と地磁気変
動との関係
笠羽
康正
東北大学理学研究科・教授
ハワイ展開する小口径望遠鏡群と電波望遠鏡
群・軌道上望遠鏡群との結合による木星磁気圏
-電離圏-熱圏結合の研究
90
6.共同利用
永田
伸一
京都大学理学研究科附属天文
台・助教
飛騨天文台 SMART 望遠鏡と SDO/Hinode 衛星
の相補的光球磁場観測に基づくコロナ磁場モ
デリングスキームの開発
細川
敬祐
電気通信大学情報理工学研究
科・准教授
全天大気光観測による極冠域電離圏のイメー
ジング
小島
浩司
愛知工業大学工学部・客員教授
日印両国に設置した超大型ミューオン望遠鏡
による宇宙線強度の空間変動と惑星間空間に
おける CME の素過程の研究
三浦
和彦
東京理科大学理学部・准教授
宇宙線のイオン誘発核エアロゾル生成への
影響
齊藤
昭則
京都大学理学研究科・准教授
国際宇宙ステーション搭載 ISS-IMAP と地上光
学ネットワークによる同時観測
川原
琢也
信州大学工学部・准教授
トロムソのナトリウムライダーを用いた超高
時間分解能観測
齋藤
享
電子航法研究所航法システム領
域・主幹研究員
衛星航法の航空利用に対するプラズマバブル
の影響評価とその軽減策に関する研究
茨城大学理学部・教授
オーロラの高時間分解能モニタリング
坂野井 健
東北大学理学研究科・准教授
地上観測ネットワークのための、対流圏オゾン
リモートセンシングおよびエアロゾルの研究
土屋
史紀
東北大学理学研究科・助教
衛星航法の航空利用に対するプラズマバブル
の影響評価とその軽減策に関する研究
浅井
歩
京都大学宇宙総合学研究ユニッ
ト・特定助教
サブオーロラ帯における高エネルギー電子降
下領域の時空間発展
柴田
一成
京都大学理学研究科附属天文
台・教授
超多点地上ネットワークデータ解析による電離
圏極域-磁気赤道域電磁結合メカニズムの解明
中根
英昭
高知工科大学環境理工学群・教
授
インドおよび日本の都市大気エアロゾルの化
学的特徴および光学特性
北
和之
採択された共同研究一覧 (2014 年度)
*研究機関名・職名は申請時のとおり
代
表 者
研究機関・職*
研 究 課 題
大気圏関係
京都大学工学研究科・助教
太陽紫外線が植生からのメタン放出に与える
影響の解明
児玉 直美
農業環境技術研究所大気環境研
究領域・任期付研究員
先進的炭素安定同位体比測定法による生態系
炭素循環の素過程の解明
松本
淳
早稲田大学人間科学学術院・准教
授
日本北部における地上観測データによる
GOSAT プロダクトの高度な検証
竹谷
文一
海洋研究開発機構地球環境変動
領域・主任研究員
長距離輸送された粒子状汚染物質の動態解析
藤谷
雄二
国立環境研究所環境リスク研究
センター・研究員
自動車排ガス起源 SOA の物理化学特性の測定
薮下
彰啓
91
6.共同利用
水谷
耕平
情報通信研究機構電磁波計測研
究所・総括主任研究員
フーリエ変換型分光計による対流圏微量成分
高度分布の導出
加藤
俊吾
首都大学東京都市環境学部・准教
授
リモート地点でのオキシダント及び関連物質
の挙動に関する研究
柴田
隆
名古屋大学環境学研究科・教授
大気微量成分のオゾン錯体の可視光誘起反応
村田
功
東北大学環境科学研究科・准教授
CRDS との比較による MAX-DOAS エアロゾ
ル導出アルゴリズムの評価
廣川
淳
北海道大学地球環境科学研究
院・准教授
GOSAT 検証のための母子里観測所における
エアロゾル・雲のライダー観測
入江
仁士
千葉大学環境リモートセンシン
グ研究センター・特任准教授
レーザー分光法を利用した人為・自然起源粒
子のリアルタイム計測による動態解明
高橋 けんし
京都大学生存圏研究所・准教授
揮発性有機化合物のオゾンによる酸化反応の
研究
宮崎
洸治
理化学研究所光量子工学研究領
域・特別研究員
ポテンシャルオゾン一括測定による VOC の
オゾン生成能評価の試み
皆巳 幸也
石川県立大学生物資源環境学
部・准教授
ライダーによる大気中二酸化炭素計測技術の
研究
西田
岐阜大学工学部・助教
波長可変中赤外レーザーを用いた自動車排気
ガス複数成分同時計測手法の開発
持田 陸宏
名古屋大学環境学研究科・准教授
富士山での標高差を利用した自由対流圏大気
の洗浄に関する研究
渋谷 一彦
東京農工大学生物システム応用
科学府・客員教授
オゾン–アルケン反応を OH ラジカル源に用
いた二次有機エアロゾル生成に関する研究
今村
国立環境研究所環境計測研究セ
ンター・センター長
壁での表面反応を考慮したCFD シミュレーション
九州大学理学研究院・准教授
成層圏突然昇温による中低緯度夜間の中間圏
熱圏変動の研究
哲
隆史
電磁気圏関係
Liu, H.
鈴木
臣
名古屋大学高等研究院・特任助教
大気光カメラネットワークを利用した超高層
大気波動の多地点同時観測
大矢
浩代
千葉大学工学研究科・助手
磁気嵐期間におけるトウィーク反射高度変動
の統計解析
中田
裕之
千葉大学工学研究科・助教
地震に伴う電離圏変動の高度変化に関する研究
巻田
和男
拓殖大学工学部・教授
地球磁場減少に伴う、超高層大気変動の研究
尾花
由紀
大阪電気通信大学工学部・講師
地磁気と北海道-陸別 HF レーダーを含む
SuperDARN データを用いた 1/4 波長モード波
の観測
寺本 万里子
宇宙航空研究開発機構宇宙科学
研究所・宇宙航空プロジェクト研
究員
SuperDARN 北海道-陸別レーダー、地上磁場
観測、衛星観測を用いた地上-電離圏-磁気
圏-地磁気脈動の比較研究
細川
電気通信大学情報理工学研究
科・准教授
光と電波を組み合わせた極冠域電離圏の 3
次元観測
敬祐
92
6.共同利用
川原 琢也
信州大学工学部・准教授
トロムソ Na ライダーの 3 次元観測への発展
津田
卓雄
国立極地研究所研究教育系・日本
学術振興会特別研究員
熱圏ナトリウム層の研究
小川
泰信
国立極地研究所研究教育系・准教
授
EISCAT レーダーを中心とした中間圏-熱圏
-電離圏-磁気圏結合の研究
行松
彰
国立極地研究所研究教育系・准教
授
SuperDARN 北海道-陸別レーダー干渉計によ
る超高層大気高精度観測
コロラド大学ボルダー校環境科
学研究所・博士研究員
地磁気擾乱に伴う電離圏熱圏擾乱が中緯度・
サブオーロラ帯電離圏対流へ及ぼす影響
小島 正宜
名古屋大学・名誉教授
IPS 観測による太陽風研究
村木
名古屋大学・名誉教授
太陽活動の地球気候への影響の研究
鷲見 治一
アラバマ大学ハンツビル校宇宙
プラズマ及び大気研究所・研究員
太陽圏構造とダイナミックスの研究
宗像 一起
信州大学理学部・教授
宇宙線強度のグローバル・ネットワーク観測
による宇宙線モジュレーションの研究
野澤 恵
茨城大学理学部・准教授
人工衛星画像の speckle 検出による CME との
統計的解析の研究
櫻井
敬久
山形大学企画部・教授
2 台の低バックグラウンドベータ線計数装置を用
いた遠隔地間のバックグランド時間変動の比較
寺澤
敏夫
東京大学宇宙線研究所・教授
太陽大気ガンマ線の衛星観測による太陽磁場
構造変動の研究
三澤 浩昭
東北大学理学研究科・准教授
木星内部磁気圏変動要因の観測研究
大嶋
中部大学工学部・講師
太陽圏における銀河宇宙線伝播の研究
丸山 奈緒美
太陽圏関係
綏
晃敏
総合解析関係
中川
広務
東北大学理学研究科・助教
火星探査衛星 MAVEN を用いた火星大気上下
結合の解明
中井
仁
小淵沢総合研究施設・代表
磁気圏尾部大規模プラズマ対流の研究 III
飯田
佑輔
宇宙航空研究開発機構宇宙科学
研究所・プロジェクト研究員
自動認識アルゴリズム開発を通した太陽表面
磁場構造の研究
成行
泰裕
富山大学人間発達科学部・准教授
内部太陽圏における非平衡プラズマダイナミ
クスの研究
田所
裕康
東京工科大学コンピュータサイ
エンス学部・助教
地上・衛星データ解析による内部磁気圏電子
降下現象の研究
江副 祐一郎
首都大学東京理工学研究科・准教
授
X 線を用いた地球・木星磁気圏からの X 線の
研究と将来計画の検討
菊池
名古屋大学・名誉教授
伝送線モデルを応用した磁気圏電離圏結合の
研究
九州大学情報基盤研究開発セン
ター・助教
エクサフロップス計算に対応した磁気圏
MHD シミュレーションコード
崇
深沢 圭一郎
93
6.共同利用
黒田
剛史
東北大学理学研究科・助教
火星大気上下結合・物質循環のシミュレーション
森岡
昭
東北大学・名誉教授
磁気圏エネルギー解放とサブストーム
中溝 葵
情報通信研究機構電磁波計測研
究所・主任研究員
電離層ポテンシャルソルバーによる極-赤道
電流クロージャーの数値解析
加藤 雄人
東北大学理学研究科・准教授
地球内部磁気圏グローバルモデルと波動粒子
相互作用素過程シミュレーションとによるコ
ーラス放射励起領域の研究
岩井
一正
国立天文台野辺山太陽電波観測
所・研究員
太陽コロナにおける非熱的粒子のエネルギー
階層間結合
西山 尚典
国立極地研究所研究教育系・特任
研究員
脈動オーロラと ULF 帯波動の時間変動:全自
動解析手法の開発と統計的特性の導出
天野
孝伸
東京大学理学系研究科・助教
自己無撞着な環電流の数値シミュレーション
モデル開発
木村
智樹
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研
究所・日本学術振興会特別研究員
多波長遠隔観測による木星磁気圏の相対論的
オーロラ加速過程の解明
川手
朋子
京都大学理学研究科附属天文
台・教務補佐員
太陽フレアにおけるフレアループ内の乱流と
電子加速メカニズム
笠羽
康正
東北大学理学研究科・教授
地球電離圏-磁気圏結合系における低軌道衛
星による電離圏電場のデータ解析研究
松本
洋介
千葉大学理学研究科・特任助教
火星電離圏表層における KH 不安定の発展に
ついての研究
原 拓也
名古屋大学 STE 研・博士後期課
程3年
衛星観測に基づく火星からの電離圏イオン流
出のダイナミクスに関する研究
渡邉 恭子
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研
究所・日本学術振興会特別研究員
太陽フレア現象における粒子加速機構の観測
的統計研究
Lee, K.-S.
宇宙航空研究開発機構宇宙科学
研究所・プロジェクト研究員 (ひ
ので)
極域コロナホールジェットにおける組成比に
ついての研究
高田
拓
高知工業高等専門学校電気情報
工学科・准教授
れいめい衛星によるオーロラ電子加速領域の
時間発展に関する研究
寺田
直樹
東北大学理学研究科・准教授
多流体シミュレーションを用いた火星電離圏
-大気圏結合の研究
採択された計算機利用共同研究一覧 (2014 年度)
*研究機関名・職名は申請時のとおり
代
表 者
研究機関・職*
研 究 課 題
鷲見 治一
アラバマ大学ハンツビル校宇宙プ
ラズマ及び大気研究所・研究員
太陽圏構造の計算機解析
渡邉
智彦
核融合科学研究所ヘリカル研究
部・教授
オーロラ・アーク成長に関する磁気圏-電離圏
結合モデル
山崎
了
青山学院大学理工学部・准教授
衝撃波静止系シミュレーションコードを用い
た無衝突衝撃波の研究
94
6.共同利用
梅田
隆行
名古屋大学 STE 研・助教
ブラソフシミュレーションによるジオスペー
スの研究
田中
高史
九州大学国際宇宙天気科学教育
センター・学術研究者・名誉教授
次世代 M-I 結合シミュレーション
深沢 圭一郎
九州大学情報基盤研究開発セン
ター・助教
エクサフロップス計算に向けた MHD コード
の様々な CPU アーキテクチャへの最適化
品川 裕之
情報通信研究機構電磁波計測研
究所・主任研究員
磁気圏-電離圏-熱圏-大気圏結合モデルの
開発
荻野
竜樹
名古屋大学・名誉教授
太陽風磁気圏電離圏相互作用のシミュレーション
町田
忍
名古屋大学 STE 研・教授
磁気圏における大規模プラズマ不安定とそれ
に伴う粒子加速の研究
篠原
育
宇宙航空研究開発機構宇宙科学
研究所・准教授
磁気圏尾部リコネクション領域の朝夕方向の
構造発展の研究
啓志
スタンフォード大学ハンセン実
験物理学研究所・研究員
実測データに最適化した経験関数による 4 太
陽周期の太陽圏モデル
加藤 雄人
東北大学理学研究科・准教授
ホイッスラーモード・コーラス放射による地
球放射線帯での相対論的電子加速過程につい
ての計算機実験
草野
名古屋大学 STE 研・教授
データ駆動型連結階層シミュレーションによ
る宇宙天気モデリング
横山 竜宏
情報通信研究機構電磁波計測研
究所・有期研究員
中・低緯度域における中性-電離大気結
合過程の研究
藤本
桂三
国立天文台理論研究部・特任助教
マルチスケール運動論シミュレーションによ
る磁気リコネクションダイナミクスの解明
塩田
大幸
名古屋大学 STE 研・特任助教
データ同化連結階層太陽コロナシミュレータ
の開発
樋田 美栄子
名古屋大学理学研究科・助教
磁気音波衝撃波による粒子加速とそれに伴う
不安定性
齊藤 慎司
名古屋大学理学研究科・特任准教授
太陽風運動論的スケール乱流の非線形発展
井上 諭
慶煕大学校宇宙探査学科・国際奨
学研究員
太陽コロナにおける Flux Tube のダイナミク
スに関する電磁流体シミュレーション
近藤
光志
愛媛大学宇宙進化研究センタ
ー・助教
磁気圏サブストームの計算機シミュレーション
寺田
直樹
東北大学理学研究科・准教授
高次精度中心スキームの開発
林
完也
採択されたデータベース作成共同研究一覧 (2014 年度)
*研究機関名・職名は申請時のとおり
代
表 者
研究機関・職*
研 究 課 題
飯田
佑輔
宇宙航空研究開発機構宇宙科学
研究所・プロジェクト研究員
ひので衛星可視光望遠鏡観測のメタデータ
作成
徳本
哲男
気象庁地磁気観測所・調査課長
アナログ時代に遡る高時間分解能地磁気デ
ジタルデータベース
95
6.共同利用
一本 潔
京都大学理学研究科附属天文
台・教授
太陽フレアの高空間・時間分解撮像観測デー
タの蓄積と解析環境の整備
阿部 修司
九州大学国際宇宙天気科学・教育
センター・特任助教
MAGDAS/CPMN データのデータベース化
三好 由純
名古屋大学 STE 研・准教授
STEL-VLF 観測データベースの作成
塩川
和夫
名古屋大学 STE 研・教授
超高層大気イメージングシステムデータベ
ースのアーカイブ
塩川
和夫
名古屋大学 STE 研・教授
STEL 地磁気データベースのアーカイブ
増田 智
名古屋大学 STE 研・准教授
太陽フレア・太陽コロナ磁場データベース
関
名古屋大学 STE 研・准教授
国際ジオスペース探査に向けた地上観測・モ
デリング統合データベース構築
華奈子
伊藤
好孝
名古屋大学 STE 研・教授
IUGONET 型福島原発事故放射線測定メタデ
ータベースの開発
西谷
望
名古屋大学 STE 研・准教授
HF レーダーデータベース
渡邉
堯
名古屋大学 STE 研・客員教授
宇宙線 WDC データベース
山岡 和貴
名古屋大学 STE 研・特任准教授
すざく衛星搭載広帯域検出器ガンマ線デー
タの太陽フレアデータベースへの付加
谷田貝亜紀代
名古屋大学 STE 研・特任准教授
太陽活動の気候影響評価のための局地気温
データベース作成
谷田貝亜紀代
名古屋大学 STE 研・特任准教授
STEL 所轄アナログ・共同研究データのメタ
情報の IUGONET への登録
野澤
名古屋大学 STE 研・准教授
STEL 北欧超高層大気データベース
悟徳
96
6.共同利用
研究集会
「研究集会」は毎年公募し、共同利用・共同研究専門委員会および共同利用・共同研究委員会
の審査を経て、採否が決定される。
共同研究集会一覧 (2014年度)
研究集会名
代
表 者
開 催 日
2014 年
4月3日
第 4 回 「太陽活動と気候変動の
関係」に関する名古屋ワークシ
ョップ (宇宙気候学に関する
研究会)
GEMSIS ワークショップ:第 3 期
に向けての研究戦略
シンポジウム - 太陽地球環境研
究の現状と将来
中間圏・熱圏・電離圏研究会
宇宙空間からの超高層大気撮像観
測と地上観測、モデリングとの
結合に関する研究集会
太陽多波長データ解析研究会 2014
松見
豊
名古屋大学
9 月 9-10 日
名古屋大学
9 月 11-13 日
田原市「休暇村伊良湖」
津川 卓也
齊藤 昭則
9 月 22-23 日
9 月 23-24 日
情報通信研究機構
情報通信研究機構
岩井 一正
国立天文台・野辺山
太陽電波観測所
名古屋大学
情報通信研究機構
情報通信研究機構
府中市「府中グリーン
プラザ」
伊勢志摩ロイヤルホ
テル
名古屋大学
名古屋大学
関
華奈子
村田
功
サブストーム研究会
STE 研究連絡会・現象報告会及び
現象解析ワークショップ
第 4 回極端宇宙天気研究会
大気化学討論会
宮下 幸長
亘 慎一
9 月 29 日-10 月
3日
9 月 29 日
10 月 3 日
亘 慎一
今村 隆史
10 月 9-10 日
10 月 27-29 日
第 12 回国際サブストーム会議
町田
忍
11 月 10-14 日
中緯度短波レーダー研究会
有機エアロゾルに関するワークシ
ョップ:大気におけるその動
態・性状・役割
ミリ-テラヘルツ波受信機技術に
関するワークショップ
STE シミュレーション研究会~計
算手法から結果公開まで~
地球型惑星圏環境に関する研究集会
西谷
持田
望
陸宏
11 月 17 日
11 月 27 日
前澤
裕之
12 月 15-17 日
杉山
徹
12 月 22-24 日
田口
真
谷本
浩志
12 月 25-26 日
2015 年
1 月 16-17 日
日本における地球大気化学の将来
検討会~不均一反応研究の現状
と今後~
脈動オーロラ研究集会
電磁気圏観測に向けた将来探査衛
星計画に関する研究集会
細川 敬祐
齊藤 義文
97
1 月 19-20 日
1 月 23-24 日
開催場所
ホテル近鉄 アクア
ヴィラ伊勢志摩
海洋研究開発機構
東京事務所
立教大学
熱海市「KKR ホテル」
名古屋大学
名古屋大学
6.共同利用
太陽地球系宇宙プラズマにおける
重イオンの輸送・加熱・加速過程
太陽研連シンポジウム「サイク
ル 24 極大期の太陽活動と太陽
研究の将来展望」
第 16 回惑星圏シンポジウム
太陽地球環境データ解析に基づ
く超高層大気の空間・時間変動
の解明
第 19 回大気ライダー研究会
太陽地球惑星系分野における「博
士課程進学者・博士号取得者に
よる合同セミナー」
電磁圏物理学シンポジウム
地域ネットワークによる宇宙天気の
観測・教育活動に関する研究集会
国際連合・日本合同宇宙天気ワー
クショップ 2015
STE 研究連絡会・現象報告会及び
現象解析ワークショップ
太陽地球環境と宇宙線モジュレー
ション
実験室・宇宙プラズマ研究会「波
動粒子相互作用による粒子加
速・輸送及び乱流」
超高層大気・電磁気圏研究の成果
公表のための論文執筆ワーク
ショップ
ERG ミッションによる内部磁気圏
波動粒子相互作用の観測戦略検
討会 (ERG サイエンス会議)
内部磁気圏研究集会
DWC 国内シンポジウム (第 5 回)
科学情報学研究会
EISCAT 研究集会
緯度間結合の大気科学研究会
桂華
邦裕
1 月 28-29 日
名古屋大学
一本 潔
2 月 16-18 日
名古屋大学
小原 隆博
新堀 淳樹
2 月 16-18 日
2 月 19-20 日
東北大学
京都大学
阿保 真
寺田 直樹
2 月 23 日
2 月 24 日
首都大学東京
名古屋大学
河野
英昭
3 月 2-3 日
篠原
学
3 月 2-3 日
吉川
顕正
3 月 2-6 日
宗像 一起
3 月 4-6 日
福岡市「ルイガンズ
ホテル」
福岡市「ルイガンズ
ホテル」
福岡市「ルイガンズ
ホテル」
福岡市「ルイガンズ
ホテル」
名古屋大学
永岡
賢一
3 月 5-6 日
名古屋大学
塩川
和夫
3 月 9-11 日
田原市「伊良湖シー
パーク&スパ」
加藤
雄人
3 月 13 日
名古屋大学
笠原
渡邉
村山
小川
鈴木
慧
堯
泰啓
泰信
臣
3 月 18-19 日
3 月 25 日
3 月 25 日
3 月 26 日
3 月 26 日
名古屋大学
東京理科大学
東京理科大学
国立極地研究所
国立極地研究所
亘
慎一
3月4日
98
6.共同利用
共同利用機器等
観 測 機 器/データ処理装置
大気組成分可視分光器 (母子里、陸別)
大気組成赤外干渉分光計 (母子里、陸別)
大気中不均一反応解析システム (名古屋)
二酸化炭素安定同位体レーザー分光計 (名古屋)
大気中二酸化窒素・オゾン濃度測定装置 (名古屋)
超高層大気イメージングシステム (豊川)
ナトリウム温度ライダー (トロムソ)
太陽中性子望遠鏡 (東大宇宙線研 乗鞍観測所内)
低バックグラウンドベータ線計数装置
多地点 IPS 太陽風観測システム (豊川、富士、木曽)
多方向宇宙線ミューオン望遠鏡 (名古屋)
3 次元画像処理 (VR) 装置 (名古屋)
SuperDARN 北海道-陸別短波レーダー (陸別)
ソフトウェア/データベース
大気組成赤外観測データ (母子里、陸別)
二酸化窒素オゾン観測データ (母子里、陸別)
210°地磁気観測データ (母子里、陸別、鹿児島、海外観測点)
オーロラ全天カメラデータ (カナダ、アラスカ、シベリア)
超高層大気イメージングシステムデータ
VHF レーダー/GPS シンチレーション (インドネシア)
EISCAT レーダーデータベース (ロングイアビン、トロムソ、キルナ、
ソダンキレ)
ELF/VLF 電磁波観測データ (母子里、鹿児島)
惑星間空間シンチレーションデータ
太陽風速度データ
宇宙線強度データベース
電離層等価電流計マッピング
S-RAMP データベース
CAWSES 宇宙天気国際協同研究データベース
太陽フレアデータベース
磁気圏総合解析データベース (FAST 衛星他)
MOA データベース
SuperDARN 北海道-陸別短波レーダーデータ
運動論プラズマシミュレーションコード
長濵
長濵
松見
松見
松見
塩川
野澤
松原
増田
徳丸
阿部
梅田
西谷
担当教員名
智生
智生
豊
豊
豊
和夫
悟徳
豊
公明
宗利
文雄
隆行
望
長濵
長濵
塩川
塩川
塩川
大塚
野澤
担当教員名
智生
智生
和夫
和夫
和夫
雄一
悟徳/大山伸一郎
塩川 和夫
徳丸 宗利
徳丸 宗利
阿部 文雄
家田 章正
阿部 文雄
阿部 文雄
増田
智
関 華奈子
阿部 文雄
西谷
望
梅田 隆行
共同利用に供する施設等
太陽地球環境情報処理システム (分散処理型ワークステーションシステム)
母子里観測所
陸別観測所
木曽観測施設
富士観測所
鹿児島観測所
阿部
松見
水野
徳丸
徳丸
塩川
担当教員名
文雄/梅田 隆行
豊
亮
宗利
宗利
和夫
国際共同利用に供する施設等
GEDAS (太陽地球環境データ解析システム)
機器較正用イオン・電子ビームライン
飛翔体搭載機開発用クリーンルーム環境
増田
平原
平原
担当教員名
智
聖文
聖文
99
6.共同利用
共 同 利 用 に関 する出 版
研究集会報告書等出版
標
題
発行年月日
第 20 回大気化学討論会講演集録
2014 年 10 月
第 19 回大気ライダー観測研究会講演集録
2015 年 2 月
STE研 究 連 絡 会
本連絡会は、太陽-地球間で発生した最新の現象を重点的に設定して、人工衛星や地上から
観測される太陽、太陽風、宇宙線、地磁気、電離層、電波放射などのデータを紹介し、シミュ
レーション・モデリングの結果と比較検討している。主として独立行政法人情報通信研究機構
および九州大学と協力して開催されている。
2009 年度より、現象報告会に加えて現象解析ワークショップを年 1 回開催し、より詳細な
解析結果の報告会を行っている。2014 年度は前年度に引き続いて極端宇宙天気研究会を京都
大学生存圏研究所との共催で開催し、2012 年 7 月の CME 事象他、様々な極端な宇宙天気事象
に関する研究発表並びに議論を行った。
また第 2 回の現象報告会は同じ会場で行われていた UN/Japan Workshop on Space Weather 2015 お
よび Asia Oceania Space Weather Alliance との共催という形式をとり、初めて英語を使用言語とする
国際会議として実施した。この時の参加者数は史上最高の 118 名 (内外国人は 85 名)であった。
研 究 集 会 名
STE 現象報告会 (STE 研究連絡会)
第 4 回極端宇宙天気研究会
STE 現象報告会 (STE 研究連絡会)
開 催 日
2014 年 10 月 3 日
2014 年 10 月 9-10 日
2015 年 3 月 4 日
開 催 場 所
情報通信研究機構
国立極地研究所
ルイガンズホテル (福岡)
CAWSES 宇宙天気国際協同研究データベース
国際学術連合会議-太陽地球系物理学・科学委員会 (ICSU-SCOSTEP) は、S-RAMP 国際協
同研究 (1998-2002 年) の成果を受けて、21 世紀最初の国際協同研究計画として太陽地球シ
ステムの宇宙天気と宇宙気候を調べる Climate And Weather of the Sun-Earth System (CAWSES)
国際協同研究 (2004-2008 年) を実施し、更に引き続いて太陽活動極小期から極大期に向かう
時期に CAWSES-II 国際協同研究 (2009-2013 年)を実施した。CAWSES-II 国際協同研究の短期
変動 (宇宙天気) に対して、我が国が積極的に参加するための全国共同研究の共通基盤となる
日本発の「CAWSES-II 宇宙天気国際協同研究データベース」を作成した。CAWSES-II 国際共
同 研 究 の 終 了 に 伴 い デ ー タ の 更 新 は 終 了 し た が 、 本 デ ー タ ベ ー ス は URL:
http://center.stelab.nagoya-u.ac.jp/cawses/cw2/index.html で引き続き公開されている。
100
7.国際交流
7. 国際交流
本研究所の目的とする研究分野の性質上、国際交流の充実を図ることは必須の要素であ
る。国際協力事業による国際共同観測をはじめ、研究者レベルでの共同研究、外国人研究
者との人的交流にも重点を置いている。
7.1 学 術 交 流 協 定
機 関 名
国
インドネシア国立航空宇宙研究所
名
協定締結日
インドネシア
1988 年 5 月 31 日
ニュージーランド
1989 年 7 月 26 日
アメリカ
1990 年 7 月 16 日
ノルウェー
1990 年11 月23 日
ボリビア
1992 年 2 月 20 日
ニュージーランド
1992 年 12 月 7 日
アメリカ
1992 年12 月15 日
アメリカ
1993 年 1 月 5 日
スウェーデン
2005 年 9 月 1 日
Indonesian National Institute of Aeronautics and Space
ニュージーランド国立水圏大気圏研究所
National Institute of Water and Atmospheric Research
アラスカ大学地球物理研究所
Geophysical Institute, University of Alaska Fairbanks
オスロ大学物理学教室
Department of Physics, University of Oslo
ラパス・サンアンドレス大学理学部附属チャカルタヤ宇
宙線研究所
Chacaltaya Cosmic Ray Observatory, Faculty of Sciences,
Universidad Mayor de San Andres, La Paz
オークランド大学地球物理研究センター
Centre for Geophysical Research, University of Auckland
米国海洋大気局宇宙空間環境研究所
Space Environment Center, National Oceanic and
Atmospheric Administration
米国海洋大気局地球物理データセンター
National Geophysical Data Center, National Oceanic and
Atmospheric Administration
スウェーデン宇宙物理研究所
Swedish Institute of Space Physics
(1993年3月25日)
トロムソ大学理学部
ノルウェー
2003 年4 月2 日
(1993 年10 月8 日)
Faculty of Science, University of Tromsø
フィンランド気象研究所地球物理部門
フィンランド
Department of Geophysics, Finnish Meteorological Institute
101
1994 年10 月21 日
7.国際交流
マサチューセッツ工科大学ヘイスタック研究所
アメリカ
1994 年10 月24 日
アルメニア
1996 年10 月18 日
ブラジル
1997 年 3 月 5 日
アメリカ
1997 年12 月22 日
ニュージーランド
1998 年 7 月 30 日
中国
2001 年 2 月 20 日
中国
2005 年11 月11 日
ロシア
2007 年 4 月 14 日
ロシア
2008 年10 月28 日
ロシア
2012 年11 月28 日
韓国
2012 年12 月24 日
アメリカ
2013 年 1 月 23 日
Haystack Observatory, Massachusetts Institute of Technology
エレバン物理研究所
Yerevan Physics Institute
ブラジル国立宇宙科学研究所
National Institute of Space Research
カリフォルニア大学サン・ディエゴ校天体物理及び宇宙
科学研究センター
Center for Astrophysics and Space Sciences, University of
California at San Diego
カンタベリー大学理学部
Faculty of Science, University of Canterbury
中国科学院高能物理研究所
Institute of High Energy Physics, Chinese Academy of
Sciences
中国極地研究所
Polar Research Institute of China
ロシア科学アカデミー極東支部宇宙物理学および電波
伝搬研究所
Institute of Cosmophysical Research and Radio Wave
Propagation (IKIR), Far Eastern Branch, Russian
Academy of Sciences
ロシア科学アカデミーシベリア支部・太陽地球系物理学
研究所
Institute of Solar-Terrestrial Physics (ISTP), Siberian
Branch, Russian Academy of Sciences
ロシア科学アカデミーシベリア支部・宇宙物理学及び超
高層大気物理学研究所
Yu.G. Shafer Institute of Cosmophysical Research and
Aeronomy (IKFIA), Siberian Branch, Russian Academy of
Sciences
韓国宇宙天気センター
Korean Space Weather Center
バージニア工科大学宇宙空間科学工学研究センター
Center for Space Science and Engineering Research
(Space@VT), Virginia Polytechnic Institute and State
University
102
7.国際交流
7.2 国 際 共 同 研 究
本研究所が参加している国際共同研究 (2014 年度)
国際協力事業
研 究 課 題
相 手 側 の 国 (機 関 ) 等
VarSITI (Variability of the Sun and Its Terrestrial
Impacts)
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オー
ストラリア、カナダ、イタリア、インド、中国
など (SCOSTEP)
南米における大気環境リスク管理システムの
開発
アルゼンチン (レーザー応用研究センター)、チ
リ (マゼラン大学)
短波レーダーによる極域・中緯度域電磁気圏
の研究
アメリカ(JHU/APL, バージニア工科大学)、イギ
リ ス ( レ ス タ ー 大 学 ) 、 フ ラ ン ス (LPCE/
CNRS)、南アフリカ (ナタル大学)、オーストラ
リア (ラトローブ大学)、カナダ (サスカチュワ
ン大学)、イタリア (IFSI)、ロシア (ISTP)
国際共同研究
研 究 課 題
相 手 側 の 国 (機 関 ) 等
南極域におけるオゾンホールの研究および南
北両半球の大気環境の比較研究
ニュージーランド (NIWA)
代替フロン化合物の大気中の反応に関する研究
アメリカ (フォード中央研究所)
大気素反応過程に関する研究
イギリス (ブリストル大学)
キャビティリングダウン法の大気計測への応用
アメリカ (アラスカ大学地球物理研究所)
高層大気における化学反応過程の解明
アメリカ (ハーバード・スミソニアン天体物
理学センター)
太陽地球環境における高エネルギー粒子の生
成と役割:気候変動への影響を探る
アメリカ (CU ボルダー校、UCLA, アリゾナ
大学)、ノルウェー (トロムソ大学)、ノルウェ
ー、イギリス、スウェーデン、フィンランド、
ドイツ、中国 (EISCAT 科学協会)
中緯度熱圏大気波動の南北共役点観測
オーストラリア (IPS Radio and Space Service)
赤道大気エネルギーによる熱圏変動の研究
インドネシア (LAPAN)
カナダ北極域におけるオーロラ・超高層大気の
高感度光学観測
アメリカ (カリフォルニア大学)、カナダ (カ
ルガリー大学)
中間圏界面温度のグローバル観測
ブラジル (INPE)
電離圏および超高層大気の観測・監視および研究
タイ (チェンマイ大学)
ロシア極東域におけるオーロラ・超高層大気の高
感度光学観測
ロシア (ロシア科学アカデミー極東支部宇宙
物理学および電波伝搬研究所)
103
7.国際交流
東南アジア・西アフリカ赤道域における電離圏総
合観測
ナイジェリア (国立宇宙科学開発機関、ナイジ
ェリア工科大学)、コートジボワール (フェリッ
クス・ハウファー・ボグニー大学)、インドネ
シア (LAPAN)、タイ (チェンマイ大学)
ジオスペース探査衛星「ERG」搭載用低エネル
ギー電子分析器の研究・開発
台湾 (台湾国立成功大学)
水星磁気圏探査衛星計画「MMO」におけるプ
ラズマ粒子分析器の研究・開発
フランス (CESR-CNRS、CETP-IPSL)、スウェ
ーデン (スウェーデン王立宇宙物理学研究
所)、イギリス (ラザフォード・アップルトン
研究所)、アメリカ (ボストン大学)、スイス
(ベルン大学) ほか
EISCAT レーダーを主に用いた北極域超高層大
気の研究
ノルウェー (トロムソ大学)、ノルウェー、イギ
リス、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、
中国 (EISCAT 科学協会)
AMISR と光学観測装置を用いた脈動オーロラ
研究
アメリカ (アラスカ大学フェアバンクス校、
SRI International, メリーランド大学カレッジ
パーク校)
惑星間空間シンチレーション・ネットワークに
よる惑星間空間擾乱の研究
イギリス (LOFAR グループ)、インド (タタ基礎
科学研究所)、メキシコ (メキシコ国立自治大学)
太陽圏トモグラフィー法を用いた太陽風 3 次
元構造とダイナミックスの研究
アメリカ (UCSD/CASS)
惑星間空間シンチレーション観測の宇宙天気
韓国宇宙天気センター (韓国)
予報への応用に関する研究
惑星間空間シンチレーション観測を利用した
太陽圏外圏域の研究
アメリカ (アラバマ大学ハインツビル校)
マイクロレンズ効果を利用した新天体の探索
ニュージーランド (オークランド大学、カン
タベリー大学、ビクトリア大学、マッセー大
学)、アメリカ (ノートルダム大学)
太陽中性子の研究
ボリビア (サンアンドレス大学)、アルメニア
(エレバン物理研究所)、中国 (中国科学院高能
物理研究所)、スイス (ベルン大学)、アメリカ
(ハワイ大学/国立天文台)、メキシコ (UNAM)
LHC 加速器を用いた高エネルギー宇宙線相互
作用の研究
イタリア (フィレンツェ大学、カタニア大学)、フ
ランス (理工科学校)、スイス (CERN)、スペイン
(バレンシア大学)、アメリカ (ローレンス・バーク
レー国立研究所)
巨大水チェレンコフ検出器を用いた宇宙ニュ
アメリカ (ボストン大学、ブルックヘブン国立
ートリノの研究
研究所、UCI, デューク大学、ジョージ・メイソ
ン大学、ハワイ大学、インディアナ大学、ロス
アラモス国立研究所、ニューヨーク州立大学、
メリーランド大学、ワシントン大学)、韓国 (全
南大学校、ソウル大学、成均館大学校)、中国 (テ
ィンハ大学)、ポーランド (ワルシャワ大学)
104
7.国際交流
液体キセノン検出器を用いた暗黒物質・太陽ニ
韓国 (ソウルナショナル大学、セジョン大学、
ュートリノの研究
韓国標準科学研究院)
CTA (チェレンコフ望遠鏡群) を用いた宇宙線
加速源の研究
ドイツ (ドイツ電子シンクロトロン研究所、マッ
クス・プランク研究所、ハイデルベルグ大学)、
フランス (サクレー原子力研究所、理工科学校、
パリ大学)、イタリア (イタリア国立核物理研究
所、IFSI)、スペイン (バルセロナ大学、マドリー
ド・コンプルテンセ大学)、スイス (チューリッ
ヒ)、イギリス (ダラム大学、レスター大学)、ア
メリカ (リード大学、SLAC 国立加速器研究所、
アルゴンヌ国立研究所、ワシントン大学、アイオ
ワ州立大学、UCLA, UCSC, シカゴ大学、スミソ
ニアン天文台) ほかポーランド、ブラジル、ア
ルゼンチン、アルメニア、オーストリア、ブルガ
リア、クロアチア、チェコ、フィンランド、ギリ
シャ、インド、アイルランド、スロベニア、南ア
フリカ、スウェーデンなど
フェルミ衛星を用いた宇宙線加速源の研究
アメリカ (スタンフォード大学、SLAC 国立
加速器研究所、NASA/GSFC, 海軍研究所、
UCSC,ソノマ州立大学、ワシントン大学、パ
デュー大学、オハイオ州立大学、デンバー大
学)、フランス (サクレー研究所、CNRS, 理
工科学校)、イタリア (イタリア国立核物理研
究所、イタリア宇宙機関、IFSI)、スウェーデ
ン (スウェーデン王立工科大学、ストックホ
ルム大学)
ASTRO-H 衛星軟ガンマ線検出器を用いた宇宙
線加速源の研究
アメリカ (スタンフォード大学)、フランス
(サクレー原子力研究所)
硬 X 線撮像分光観測による太陽フレアの研究
アメリカ (UCB, NASA/MSFC, 空軍研究所)
次世代大型水チェレンコフ検出器の開発研究
アメリカ (ボストン大学、ブルックヘブン国
立研究所、UCI, デューク大学、ジョージ・メ
イソン大学、インディアナ大学、ハワイ大学、
ロスアラモス国立研究所、メリーランド大学、
ニューヨーク州立大学、ワシントン大学)、韓
国 (チョンナム大学、ソウル大学、スンキュ
ンカン大学、)、イタリア (INFN バリ、INFN
ナポリ、INFN パドバ、INFN ローマ)、イギリ
ス (インペリアル・カレッジ・ロンドン、ラ
ンカスター大学、オックスフォード大学、ロ
ンドン大学クィーン・メアリー校、シェフィ
ールド大学、ラザフォード・アップルトン研
究所)、スペイン (マドリッド大学)、ポーラン
ド (ワルシャワ大学)、フランス (サクレー研
究所、理工科学校)、スイス (ベルン大学、チ
105
7.国際交流
ューリッヒ工科大学)、ブラジル (サンパウロ
大学)、ほかカナダ、ロシア、ポルトガルなど
ガンマ線撮像分光偏光観測による太陽フレア
の研究
アメリカ (UCB, ローレンス・バークレー国立
研究所、NASA/GSFC)
FOXSI ロケット実験による太陽粒子加速の研
究
ア メ リ カ (UCB, ス タ ン フ ォ ー ド 大 学 、
NASA/MSFC)
数値実験に基づく水星磁気圏の研究
フランス (CNRS/LATMOS, CNRS/ LPP)
米国 NASA/RBSP 衛星計画
アメリカ (NASA, APL/JHU)
内部磁気圏のモデリング研究
アメリカ (LANL)
MAVEN, MEX, MGS 観測データを用いた火星
からの大気散逸に関する研究
アメリカ (NASA, ロスアラモス国立研究所
/CU, SSL/UCB)、スウェーデン (スウェーデン
宇宙物理研究所)
地球磁気圏内のスケール間結合
ア メ リ カ (UCLA/IGPP, ア イ オ ワ 大 学 、
NASA/GSFC)
宇宙プラズマ中の非線形波動
アメリカ (メリーランド大学)
106
7.国際交流
7.3 研 究 者 の交 流
国外からの来訪者 (2014 年 4 月以降)
来訪者
氏 名
所
属
国 名
Nitta, N. V.
Lockheed Martin Solar and Astrophysics Laboratory
アメリカ
Facundo, O.
CEILAP
アルゼンチン
Venables, D.
University College Cork
アイルランド
Jackson, B. V.
UCSD
アメリカ
Kim, S.-J.
Solar and Space Weather Research Group, Korea
Astronomy and Space Science Institute
Solar and Space Weather Research Group, Korea
Astronomy and Space Science Institute
韓国
Oka, M.
UCB
アメリカ
Zamorano, F.
University of Magallanes
チリ
Manoharan, P. K.
Tata Institute of Fundamental Research
インド
Cho, K.-S.
外 国 人 来 訪 者 による講 演
講
演 者
韓国
*招聘客員研究員
所
属
国 名
開 催 期 日
Facundo, O.
Finnish Meteorological Institute, Department of フィンランド
Geophysics
アルゼンチン
CEILAP
Balan, N. *
University of Sheffield
イギリス
5 月 30 日
Venables, D.
University College Cork
アイルランド
7月1日
Oinats, A.
Siberian Branch, Russian Academy of ロシア
Sciences
University of Saskatchewan
カナダ
9月5日
12 月 9 日
Zamorano, F.
Solar and Space Weather Research Group, 韓国
Korea Astronomy and Space Science Institute
チリ
University of Magallanes
Manoharan, P. K.
Tata Institute of Fundamental Research
Amm, O. *
Ponomarenko, P.
Cho, K.-S.
インド
2014 年 5 月 7 日
5 月 29 日
9 月 19 日
2015 年 2 月 26 日
3 月 10 日
*招聘客員研究員による英語でのセミナー、講義・・・・2014 年度中に合計 2 回実施
教 員 の海 外 派 遣 (2014 年 度 )
外国出張者
延べ
103 名
107
7.国際交流
<略称>
APL:
CASS:
CEILAP:
CERN:
CESR:
CETP:
CNRS:
CU:
EISCAT:
GSFC:
IFSI:
IGPP:
INPE:
INFN:
IPS:
IPSL:
ISTP:
JHU:
LAPAN:
LASP:
LATMOS:
LPCE:
LOFAR:
LPP:
MSFC:
NASA:
NIWA:
SCOSTEP:
SSL:
UCB:
UCI:
UCLA:
UCSC:
UCSD:
UNAM:
Applied Physics Laboratory
Center for Astrophysics & Space Sciences
Centro de Investigaciones de Láseres y Aplicaciones
Organisation Européenne pour la Recherche Nucléaire
Centre d’Etude Spatiale des Rayonnements
Centre d’étude des Environnements Terrestre et Planétaires
Centre National de la Recherche Scientifique
University of Colorado
European Incoherent Scatter Radar
Goddard Space Flight Center
Istituto di Fisica dello Spazio Interplanetario
Institute of Geophysics and Planetary Physics
Instituto Nacional de Pesquisas Espaciais
Instituto Nazionale di Fisica Nucleare
Ionospheric Prediction Service
Institut Pierre Simon Laplace
Institute of Solar-Terrestrial Physics
Johns Hopkins University
Lembaga Panerbangan Dan Antariska Nasional
Laboratory for Atmospheric and Space Physics
Laboratoire Atmosphères, Milieux, Observations Spatiales
Laboratoire de Physique et Chimie de l’Environnement
Low Frequency Array
Laboratoire de Physique des Plasmas
Marshall Space Flight Center
National Aeronautics and Space Administration
National Institute of Water and Atmosphere
Scientific Committee on Solar Terrestrial Physics
Space Sciences Laboratory
University of California, Berkeley
University of California, Irvine
University of California, Los Angeles
University of California, Santa Cruz
University of California, San Diego
Universidad Nacional Autonoma de Mexico
108
8.教育活動
8. 教育活動
本研究所では、大学院・学部教育により、将来の太陽地球系科学を担う若手研究者の
育成を行っている。
大学院教育
極めて学際性の高い本研究所の立場から、理学研究科および工学研究科の 2 つの研究科で
大学院教育を実施している。理学研究科では、素粒子宇宙物理学専攻 (宇宙地球物理系) を担
当し、工学研究科では、電子情報システム専攻 (電気工学分野) の大学院学生の一部を受け入
れている。
なお、大学院において、太陽地球環境の勉学を志す入学志望者に対し、大学院担当教
員の現在の研究テーマとその内容をまとめた小冊子「大学院案内」により大学院教育・
研究の内容の周知を図っている。
太 陽 地 球 環 境 研 究 所 で指 導 を受 けている学 生 の数
* 2015 年 4 月 1 日現在
2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度
理学研究科
博士前期課程 1
19
15
15
14
23
17
博士前期課程 2
15
20
15
17
16
24
博士後期課程 1
3
8
3
7
8
1
博士後期課程 2
5
3
8
3
7
8
博士後期課程 3
8
10
5
10
7
9
50
56
46
51
61
59
博士前期課程 1
6
5
6
5
5
10
博士前期課程 2
4
6
6
6
9
5
博士後期課程 1
0
0
1
0
1
0
博士後期課程 2
0
0
0
1
0
0
博士後期課程 3
0
0
0
0
1
1
10
11
13
12
16
16
計
工学研究科
2014 年度 2015 年度
計
理学部 4 年生
6
3
6
6
6
6
工学部 4 年生
7
9
12
10
13
10
外国人研究生
0
0
0
0
0
0
13
12
18
16
19
16
73
79
77
79
96
91
学位 (課程博士) 取得者数
2
5
4
2
8
-
上記年度入学者に係る学位 (後期課
程3年内修了) 課程博士の取得率 (%)
0
28
25
-
-
学部ほか
計
学生総数
109
-
8.教育活動
理 学 研 究 科 素 粒 子 宇 宙 物 理 学 専 攻 宇 宙 地 球 物 理 系 (2014 年 度 )
研究分野/教員名
研 究 分 野
太陽地球系物理学
太陽地球相関理学
太陽地球系環境学
教 授
伊藤 好孝
田島 宏康
德丸 宗利
草野 完也
平原 聖文
塩川 和夫
松見
水野
豊
亮
准 教 授
阿部 文雄
増田 公明
松原
豊
大塚 雄一
関 華奈子
野澤 悟徳
増田
智
長濱 智生
助 教
奥村
曉
﨏
隆志
藤木 謙一
家田 章正
大山 伸一郎
中山
智喜
工 学 研 究 科 電 子 情 報 システム専 攻 (2014 年 度 )
研究分野/教員名
研 究 分 野
宇宙電磁環境工学
教 授
町田
忍
塩川 和夫
准 教 授
西谷
望
三好 由純
助 教
今田 晋亮
梅田 隆行
中島
拓
学 部 教 育 への協 力
本研究所教員は、次のように、名古屋大学の 4 年一貫教育に協力し、全学共通科目を担
当する他、理工系学部からの要請により、講義・演習・実験・ゼミナールを担当している。
また、
理学部 4 年生、
工学部 4 年生の卒業研究受け入れや研究生の教育指導も行っている。
担 当 科 目 (2014 年 度 )
学 部
全学共通
理学部
工学部
科
目
宇宙科学 (理系教養科目)/電磁気学Ⅰ・Ⅱ(理系基礎科目)
物理学実験/物理実験学/物理学実験Ⅰ・Ⅱ/物理学概論Ⅰ・Ⅱ/物理学特別実験/
宇宙物理学Ⅲ/太陽地球系科学
電気回路論及び演習/電磁波工学/数学Ⅰ及び演習 A・B/確率論数値解析及び演習
環境学研究科での教育
地球学Ⅰ、地球学Ⅱ
その他 の大 学 での教 育
大同大学、愛知県立芸術大学
110
8.教育活動
国 際 共 同 研 究 への学 生 参 加 数
*論文は 2014 年 4 月 1 日から 2015 年 3 月 31 日までに出版されたもの (査読付)
研 究 課 題
相 手 側 の 国 (機 関 ) 等
参加
学生数
学生を含
む論文数
VarSITI (Variability of the Sun and
Its Terrestrial Impacts)
アメリカ、イギリス、フランス、南アフ
リカ、オーストラリア、カナダ、イタリ
ア、ロシア、中国 (SCOSTEP)
5
0
短波レーダーによる極域・中緯
度域電磁気圏の研究
ア メ リ カ (JHU/APL, バ ー ジ ニ ア 工 科 大
学)、イギリス (レスター大学)、フランス
(LPCE/CNRS)、南アフリカ (ナタル大学)、
オーストラリア (ラトローブ大学)、カナダ
(サスカチュワン大学)、イタリア(IFSI)、ロ
シア (ISTP)
4
0
南米における大気環境リスク管
理システムの開発
アルゼンチン (レーザー応用技術研究セン
ター)、チリ (マゼラン大学)
1
2
太陽地球環境における高エネルギ
ー粒子の生成と役割:気候変動
への影響を探る
アメリカ (コロラド大学ボルダー校、UCLA,
アリゾナ大学)、ノルウェー (トロムソ大学)、
EISCAT 科学協会
0
1
中緯度熱圏大気波動の南北共役
点観測
オーストラリア (IPS Radio and Space Service)
1
0
赤道大気エネルギーによる熱圏
変動の研究
インドネシア (LAPAN)
2
0
カナダ北極域におけるオーロラ・
超高層大気の高感度光学観測
アメリカ (カリフォルニア大学)、カナダ (カ
ルガリー大学)
4
4
中間圏界面温度のグローバル観測
ブラジル (INPE)
1
0
電離圏および超高層大気の観測・
監視および研究
タイ (チェンマイ大学)
1
1
ロシア極東域におけるオーロラ・
超高層大気の高感度光学観測
ロシア (ロシア科学アカデミー極東支部宇宙
物理学及び電波伝搬研究所)
2
1
東南アジア・西アフリカ赤道域に
おける電離圏総合観測
ナイジェリア (国立宇宙科学開発機関、ナ
イジェリア工科大学)、コートジボアール
(フェリックス・ハウファー・ボグニー大
学)、インドネシア (LAPAN)、タイ (チェ
ンマイ大学)
8
1
EISCAT レーダーを主に用いた北
極域超高層大気の研究
ノルウェー (トロムソ大学)、EISCAT 科学
協会
2
2
AMISR と光学観測装置を用いた
アメリカ (アラスカ大学フェアバンクス
0
1
4
0
脈動オーロラ研究
校、SRI International, メリーランド大学カ
レッジパーク校)
太陽圏トモグラフィー法を用い
た太陽風 3 次元構造とダイナ
ミックスの研究
アメリカ (UCSD/ CASS)
111
8.教育活動
惑星間空間シンチレーション観
測の宇宙天気予報への応用に
関する研究
韓国 (韓国宇宙天気センター)
4
0
惑星間空間シンチレーション観測
を利用した太陽圏外圏域の研究
アメリカ (アラバマ大学ハンツビル校)
4
0
マイクロレンズ効果を利用した
新天体の探索
ニュージーランド (オークランド大学、カンタベ
リー大学、ビクトリア大学、マッセー大学)、アメ
リカ (ノートルダム大学)
2
8
液体キセノン検出器を用いた暗黒
物質・太陽ニュートリノの研究
韓国 (ソウルナショナル大学、セジョン大
学、韓国標準科学研究院)
3
2
太陽中性子の研究
ボリビア (サンアンドレス大学)、アルメニア
(エレバン物理研究所)、中国 (中国科学院高能
物理研究所)、スイス (ベルン大学)、アメリカ
(ハワイ大学/国立天文台)、メキシコ (メキシ
コ国立自治大学)
3
2
LHC 加速器を用いた高エネルギ
ー宇宙線相互作用の研究
イタリア (フィレンツェ大学、カタニア大学)、フ
ランス (理工科学校)、スイス (欧州合同原子核研
究機関)、スペイン (バレンシア大学)、アメリカ
(ローレンスバークレー国立研究所)
5
1
巨大水チェレンコフ検出器を用
いた宇宙ニュートリノの研究
アメリカ (ボストン大学、ブルックヘブン国立研
究所、UCI、デューク大学、ジョージ・メイソン
大学、ハワイ大学、インディアナ大学、ロスアラ
モス研究所、ニューヨーク州立大学、メリーラン
ド大学、ワシントン大学)、韓国 (チョンナム大
学、ソウル大学、スンキュンカン大学)、中国 (テ
ィンハ大学)、ポーランド (ワルシャワ大学)
2
9
フェルミ衛星を用いた宇宙線加速
源の研究
アメリカ (スタンフォード大学、SLAC 国
立加速器研究所、NASA/GSFC, 海軍研究
所、UCSC, ソノマ州立大学、ワシントン大
学、パデュー大学、オハイオ州立大学、デ
ンバー大学)、フランス (サクレー原子力研
究所、CNRC, 理工科学校)、イタリア (イ
タリア国立核物理研究所、イタリア宇宙機
関、IFSI)、スウェーデン (スウェーデン王
立工科大学、ストックホルム大学)
1
0
CTA (チェレンコフ望遠鏡群) を用
いた宇宙線加速源の研究
ドイツ (ドイツ電子シンクロトロン研究所、
マックス・プランク研究所、ハイデルベルグ
大学)、フランス (サクレー原子力研究所、理
工科学校、パリ大学)、イタリア (イタリア国
立核物理研究所、IFSI)、スペイン (バルセロ
ナ大学、マドリード・コンプルテンセ大学)、
スイス (チューリヒ大学)、イギリス (ダラム
大学、レスター大学)、アメリカ (リード大学、
SLAC 国立加速器研究所、アルゴンヌ国立研
究所、ワシントン大学、アイオワ州立大学、
UCLA, UCSC, シカゴ大学、スミソニアン天文
台)、ほか
2
0
112
8.教育活動
ASTRO-H 衛星軟ガンマ線検出器
を用いた宇宙線加速源の研究
アメリカ (スタンフォード大学)、フランス
(サクレー原子力研究所)
1
0
米国 NASA/RBSP 衛星計画
アメリカ (NASA, APL/JHU)
3
1
MAVEN, MEX, MGS 観測データ
を用いた火星からの大気散逸
に関する研究
アメリカ (NASA, LASP/CU, SSL/UCB) ,
スウェーデン (IRF)
2
1
67
37
合計 (延べ数)
学会・研究会等への学生参加状況
海外で開催された研究集会への参加
研 究 集 会 名
開 催 国
開 催 期 日
参 加
支援した
学生数
学生数
2014 年
Calor 2014
ドイツ
4 月 6-11 日
1
1
MST14/iMST1 workshop
ブラジル
5 月 25-30 日
1
1
TIPP'14
オランダ
6 月 2-6 日
1
1
ISVHECRI 2014
スイス
8 月 18-22 日
1
1
International Aerosol Conference (IAC 2014)
韓国
8 月 28 日-9 月 2 日
2
2
AGU Chapman Conference on Low-Frequency
Waves in Space Plasmas
韓国
8 月31 日-9 月5 日
1
1
Geospace revisited: a Cluster/MAARBLE/Van
Allen Probes Conference
ギリシャ
9 月 15-20 日
1
1
SCOSTEP 13th Solar-Terrestrial
Symposium (STP13)
中国
10 月 13-18 日
1
1
アメリカ
12 月 15-19 日
9
9
1
1
1
1
1
1
2
2
23
23
Physics
2014 AGU Fall Meeting, Moscone Center (USA)
2015 年
19th
International
Conference
on
Microlensing
LHCC2015
LPSC2015 The 46th Lunar and Planetary
Science Conference
Inner Magnetosphere Coupling III
合
アメリカ
1 月 19-22 日
スイス
3月4日
アメリカ
3 月 16-20 日
アメリカ
3 月 23-27 日
計
国内で開催された学会への参加
研 究 集 会 名
開 催 場 所
開 催 期 日
参 加
学生数
支援した
学生数
2014 年
日本地球惑星科学連合 2014 年大会
パシフィコ横浜会議セ
ンター
4 月 28-5 月 2 日
日本天文学会 2014 年秋季年会
山形大学
9 月 11-13 日
113
18
17
4
4
8.教育活動
日本物理学会 2014 年秋季大会
佐賀大学
9 月 18-21 日
5
5
第 20 回大気化学討論会
府中グリーンプラザ
10 月 27-29 日
3
3
第 136 回地球電磁気・地球惑星圏
学会総会および講演会
キッセイ文化ホール
(長野県松本文化会館)
10 月31 日-11 月3 日 18
18
2015 年
日本天文学会 2015 年春季年会
大阪大学
3 月 18-21 日
7
7
日本物理学会春季大会
早稲田大学
3 月 21-24 日
10
10
65
64
合
計
国 内 で開 催 された研 究 会 等 への参 加
研 究 集 会 名
開 催 場 所
開 催 期 日
参 加
学生数
支援した
学生数
2014 年
Workshop on Space Climate
名古屋大学
4月3日
1
0
Hadron Physics Symposium
名古屋大学
4 月 17-19 日
1
0
学際大規模情報基盤共同利用・共
同研究拠点第 6 回シンポジウム
THE GRAND HALL: 東
京都港区
7 月 10-11 日
1
1
第 7 回 CRC タウンミーティング
名古屋大学
7 月 10-11 日
1
0
第32 回 NRO ユーザーズミーティング
国立天文台野辺山
7 月 12-13 日
1
1
天文・天体物理若手夏の学校 2014
ホテル圓山荘 (長野県
千曲市)
7 月 23-24 日
3
3
AOGS2014 (11th Annual Meeting of the
Asia Oceania Geosciences Socienty)
札幌
7 月 28 日-8 月 1 日 13
10
宇宙磁気流体・プラズマシミュレ
ーションサマースクール
千葉大学統合情報セン
ター:千葉市稲毛区
8 月 4-8 日
3
3
名古屋大学若手女性研究者サイエ
ンスフォーラム
名古屋大学
8月6日
1
0
Open-It FPGA トレーニングコース
2014
名古屋大学
8 月 21-22 日
1
0
宇宙地球惑星科学若手会夏の学校
2014
休暇村 伊良湖:愛知県田
原市
9 月 11-13 日
5
0
中間圏・熱圏・電離圏 (MTI) 研究
会・ISS-IMAP に関する研究集会
情報通信研究機構
9 月 22-24 日
6
6
太陽多波長データ解析研究会 2014
国立天文台野辺山
9 月29 日-10 月3 日
1
1
第 1 回 STE (太陽地球環境) 現象報
告会
情報通信研究機構 :東京
都小金井市
10 月 3 日
1
0
第 4 回極端宇宙天気研究会
国立極地研究所
10 月 9-10日
1
1
Fifth Fermi Symposium
名古屋大学
10 月 20 日
2
0
シンポジウム「スペース太陽物理
学の将来展望」
宇宙航空研究開発機構宇
宙科学研究所
10月20-21日
1
0
中緯度短波レーダー研究会
名古屋大学
11 月 7 日
3
3
The 12th International Conference on
Substorms (ICS-12)
三重県志摩市
11 月 10-14 日
8
7
114
8.教育活動
第 28 回 大気圏シンポジウム
宇宙航空研究開発機構宇
宙科学研究所
12 月 8-9 日
3
3
宇宙史特講研究会
名古屋大学
12 月 15-16 日
2
0
地球型惑星圏環境に関する研究集会
立教大学
12 月 25-26 日
2
2
TA-LHCf 研究会
東京大学大宇宙線研究所
12 月 26 日
1
0
2015 年
宇宙科学シンポジウム
宇宙航空研究開発機構宇
宙科学研究所
1 月 6-7 日
1
0
シンポジウム「太陽地球圏環境予
測」~我々が生きる宇宙の理解と
その変動に備える社会のために
名古屋大学
1 月 13 日
1
0
第 8 回 CRC 将来計画タウンミーティ
ング
東京大学宇宙線研究所
1 月 23 日
4
0
太陽地球系宇宙プラズマにおける重
イオンの輸送・加熱・加速過程
名古屋大学
1 月 28-29 日
1
0
太陽ガンマ線ミニ研究会
名古屋大学
2 月 16 日
3
0
Symposium on Planetary Science
2015 in Sendai
東北大学
2 月 16-18 日
1
1
太陽研連シンポジウム「サイクル
24 極大期の太陽活動と太陽研究
の将来展望」
名古屋大学
2 月 16-18 日
11
0
あるまワークショップ「ミリ波サブ
ミリ波による太陽研究の創成」
名古屋大学東山キャンパ
ス
2 月 19 日
4
0
「IRIS」・「ひので」衛星データ解
析ワークショップ
国立天文台
3 月 2-4 日
1
0
第 23 回 生研フォーラム「宇宙か
らの地球環境・災害のモニタリ
ングとリスク評価」
東京大学
3 月 3-4 日
1
1
「太陽圏シンポジウム」および「太
陽地球環境と宇宙線モジュレー
ション」
名古屋大学
3 月 4-6 日
4
0
ELPH 研究会 C010「素粒子・原子
核実験における全吸収型カロリ
メーターの実例と応用」
東北大学電子光理学研究
センター
3 月 9-10 日
2
0
磁気リコネクション研究の最前線
-太陽・惑星・実験室-
東京大学
3 月 10-11 日
1
0
内部磁気圏研究会
名古屋大学
3 月 18-19 日
2
0
モンテカルロシミュレーション研
究会
東大宇宙線研
3 月 19 日
1
0
山岳大気部門 第 4 回成果報告会
東京理科大学
3 月 21 日
1
1
緯度間結合の大気科学
国立極地研究所
3 月 26 日
1
1
EISCAT 研究集会 (STEL)
国立極地研究所
3 月 26 日
1
3
103
48
合
計
115
8.教育活動
フィールドワーク大学院生参加状況
国
県 名
場 所
実 施期日
(出発日で集計)
内
参
加
学
生
数
2014 年 8 月
県
名
北海道
足寄郡陸別町
1 岐阜県
2014 年 11 月
1
宮城県
仙台市
2014 年 11 月
1 岐阜県
茨城県
つくば市
2014 年 5 月
場
実 施期日
(出発日で集計)
所
参
加
学
生
数
高山市
2014 年 8 月
2014 年 9 月
1
飛騨市
2014 年 4 月
6
2
2014 年 5 月
3
2014 年 6 月
2
2014 年 6 月
2
2014 年 11 月
1
2014 年 7 月
3
2014 年 12 月
2015 年 1 月
2
1
2014 年 8 月
2014 年 9 月
5
8
守谷市
2014 年 12 月
2
2014 年 10 月
6
千葉県
千葉市
2014 年 10 月
3
2014 年 11 月
2
東京都
三鷹市
2014 年 11 月
2
2014 年 12 月
2
2014 年 12 月
2
2015 年 1 月
2
神奈川県
相模原市
2014 年 5 月
1
2015 年 2 月
4
2014 年 10 月
1
2015 年 3 月
3
2014 年 11 月
1 滋賀県
甲賀市
2014 年 4 月
3
2014 年 12 月
1 和歌山県
有田郡有田川町
2014 年 7 月
3
2
愛知県
豊川市
2014 年 5 月
2
2014 年 8 月
2
岐阜県
高山市
2014 年 6 月
1
2014 年 9 月
2
2014 年 7 月
1
2014 年 7 月
1
国 内参加 学生 合計人 数 (延 べ 人 数 )
88 名
国
国 名
場 所
実 施期日
(出発日で集計)
外
参
加
学
生
数
国 名
アメリカ
フェアバンクス
2014 年 4 月
1 スイス
メキシコ
プエブラ州
2014 年 10 月
ニュージーランド レイク・テカポ
タイ
チェンマイ
場
所
参
加
学
生
数
2014 年 8 月
2
2
2014 年 9 月
2
2014 年 6 月
2
2015 年 2 月
1
2014 年 10 月
1 イタリア
2014 年 12 月
1
セストフィォ 2014 年 8 月
レンティーノ
1
2014 年 6 月
1 ノルウェー
トロムソ
2
国 外参加 学生 合計人 数 ( 延 べ 人 数 )
ジュネーブ
実 施期日
(出発日で集計)
2014 年 12 月
16 名
116
9.研究関連活動
9. 研究関連活動
計 算 機 ・通 信 ネットワーク
2010 年 12 月に導入した総演算性能 20 TFlops のスーパーコンピュタ (CPU サーバ) と
合計 290 TB の専用ストレージ、合計 360 TB の RAID ディスクで構成されるファイルサー
バ、最新の Sun ワークステーションおよび高速ネットワークシステムは、観測データ解析
やシミュレーション、論文作成、データベース作成、ホームページ作成などの他、日常的
なメールなどあらゆる研究活動に利用されている。
2000 年度から 2003 年度までの 3 年計画で遂行したギガネットプロジェクト「ジオスペ
ース環境情報の高度化ネットワーク利用に関する研究」の発展として、情報通信研究機構
(NICT) の JGNII プロジェクトに継続的に参加し、2004 年度から 2007 年度までの 4 年計
画で「高速ネットワーク利用によるジオスペース環境情報の共有化と相互利用」を名古屋
大学、京都大学、愛媛大学、九州大学、NICT の 5 機関が連携した共同研究として遂行し
た。その JGNII の高速回線は共同教育研究施設 1 号館まで 2006 年に延長接続され、2008
年度からは NICT の JGN2plus プロジェクトに「高速ネットワーク利用によるジオスペース
環境情報と多種大量データの共有化と相互利用」の研究課題で参加、2010 年度は広域ファ
イルシステムを導入し、研究所までの回線速度を 10 Gbps に高速化した。2011 年度に NICT
の新規 JGN-X プロジェクトに「大規模分散ストレージを活用したジオスペース環境の情
報処理」の研究課題で参加、広域分散ファイルスステム (Gfarm2) の新バージョンを導入
して、2012 年度は NICT の OneSpaceNet スペースサイエンスクラウドを継続的に利用した。
情報基盤センター
(サーバ等)
共同教育研究施設
計算機群
宇宙線ドーム等
計算機群
本研究所の分散型計算機システムとネットワークの構成。
117
9.研究関連活動
会 議 ・研 究 会 等 の開 催
本研究所は、さまざまな国内外の会議や研究会を企画し、その主催あるいは共催を務め
ている。以下のものは、それらの内の主なものである。このほかにも、各種の会議におい
て、組織委員やプログラム委員の委託を受けている。
第 4 回「太陽活動と気候変動の関係」に関する名古屋ワークショップ (宇宙気候学に関する研究会)
今回で 4 回目となる「太陽活動と気候変動の関係」に関する名古屋ワークショップは「宇宙気
候学」という主題で開催した。参加者は総計 62 名であり、10 件の口頭講演がなされた。最初に、
デンマーク宇宙科学研究所のヘンリク・スベンスマルク博士に”THE MILKY WAY AND EARTHS
CLIMATE”という題名で 60 分の基調講演を行っていただいた。その後、9 件の講演がなされた。
スベンスマルク先生の講演では、太陽活動の微小な変動が地球の気候に影響を与えている可能性
があり、太陽活動により変動する宇宙線が雲生成に関与していると考えられること、さらに、太
陽系の天の川銀河における位置の変化から銀河宇宙線の変動により、地質年代スケールで地球の
気候に影響を与えている可能性があることを述べられた。天の川銀河のスパイラルアームが太陽
系を通過する時期と氷河期との関連が 5 億年のタイムスケールで検討されていること、また、超
新星爆発と地球気候との関連などが述べられた。他の講演では、中部日本の夏季降水量の 400 年
間の変動と太陽活動との関連、樹木年輪に見られる突発的宇宙線急増の痕跡、大気反応チャンバ
ーを用いた宇宙線雲凝結核生成の検証実験、星雲の冬仮説、などが発表され、活発な議論がなさ
れた。非常に長い時間スケールや銀河系などの大きな空間スケールまで含めて、地球の気候の変
動要因について議論した。
主催
開催日
開催場所
名古屋大学太陽地球環境研究所
2014 年 4 月 3 日
名古屋大学研究所共同館 3 階講義室
宇宙空間からの超高層大気撮像観測と地上観測、モデリングとの結合に関する研究集会
本研究集会は、2012 年 10 月より定常観測が開始された国際宇宙ステーションからの地球
超高層撮像観測ミッション ISS-IMAP の初期的な成果についての報告および議論と、今後の
研究の展開のための地上観測及びモデリングとの結合についての議論を行う場とした。地
球超高層大気の研究は、衛星観測と地上観測の両方によって発展してきた。日本のコミュ
ニティは、特に、地上観測に優れた実績をあげており、電波観測、光学観測ともに活発な
研究を展開しているが、衛星からの観測は限られたものであった。ISS-IMAP は、国際宇宙
ステーション日本実験棟「きぼう」船外プラットフォームからの超高層大気の撮像観測で
あり、日本の超高層大気研究コミュニティによる本格的な宇宙空間からの撮像観測である。
等研究集会は、関連が深い中間圏・熱圏・電離圏 (MTI) 集会と連続して開催され、約 50
名の参加者があった。ISS-IMAP を用いた科学的成果として、中間圏大気光データを用いた
同心円状構造に関する研究成果が紹介され、対流圏活動との関係、伝搬特性、電離圏構造
との関係などについての議論が行われた。また、中間圏大気光の大規模構造の観測結果が
示され、その生成原因として大気潮汐波が関与していることが指摘された。また、地上観
測との同時観測と ISS からの宇宙飛行士による撮影との同時観測の結果も報告された。
主催
開催日
開催場所
名古屋大学太陽地球環境研究所
2014 年 9 月 23-24 日
情報通信研究機構 小金井本部
118
9.研究関連活動
第 12 回国際サブストーム会議(The 12th International Conference on Substorms: ICS-12)
国際サブストーム会議 (ICS) は、サブストームの物理機構を中心に議論を行う会合と
して、1992 年以来、スウェーデン、アメリカ、フランス、日本、ロシア、アメリカ、フ
ィンランド、カナダ、オーストリア、アメリカ、ドイツの順番で 2 年おきに開催されて
きた。日本では 1998 年に浜名湖で開催された第 4 回の会議以来の開催となる。
2014 年は、赤祖父博士がオーロラサブストームを発見してから 50 年が経過した節目
の年であり、本会議では、赤祖父俊一博士、さらに、サブストームの探査を主目的とす
る THEMIS 衛星の責任者である UCLA の Vassilis Angelopoulos 教授、および、内部磁気
圏を探査するために打ち上げられた RBSP 衛星の担当者であるコロラド大学の Dan
Baker 教授ら 3 名の著名研究者による基調講演をはじめとして、海外からの 68 名を含む
合計 125 名の参加者が、サブストームに関連して、特に近年研究が進んでいる磁気圏尾
部と内部磁気圏との結合過程を中心に活発な議論を行った。また、2 日目の晩には、赤
祖父博士から 1800 年代からのオーロラの発見とその研究の歴史が、数多くの写真や資
料を交えて紹介された。本会議で発表された論文の一部は、査読付き論文として、Earth,
Planets and Space 誌の特集号として来年度に刊行される予定である。
主催
開催日
開催場所
名古屋大学太陽地球環境研究所、情報通信研究機構、宇宙航空開発研
究機構、日本学術振興会「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外
派遣プログラム」、国立極地研究所、京都大学生存圏研究所
2014 年 11 月 10-14 日
伊勢志摩ロイヤルホテル (三重県)
STE シミュレーション研究会
- 計算手法から結果公開まで
本研究集会は、太陽地球系科学・プラズマ科学に関するシミュレーション全般、領域
間/スケール間結合モデル、宇宙天気シミュレーションなどの最新の研究成果を発表す
る場、かつ、地球電磁気・地球惑星圏学会 太陽地球惑星系科学シミュレーション分科
会の主たる活動の場を提供することを目的とし、また太陽地球環境研究所の計算機共同
利用研究の報告会を兼ねて毎年度開催されている。2015 年度は特に、観測・シミュレー
ションで得られた結果を発信するために必要な可視化手法についての招待講演を設け
た。また海洋研との共催により、宇宙プラズマ外の分野で用いられている粒子法の招待
講演を設け、宇宙プラズマとは異なり粒子間の接触による相互作用を取り扱う計算手法
について活発な議論が行われた。招待講演 4 件を含む計 31 件の発表があり、17 機関か
ら 34 名の参加があった。
主催
開催日
開催場所
名古屋大学太陽地球環境研究所、海洋研究開発機構地球情報基盤センター
2014 年 12 月 22-24 日
海洋研究開発機構・東京事務所
太陽地球環境と宇宙線モジュレーション
本研究集会は、太陽・粒子加速・惑星間空間・高エネルギー天文学など様々な分野
から研究者を集め、ジオスペース研究センター・プロジェクトを幅広い視点から検討
することを目指して開催された。本研究集会は、各分野における研究成果のレビュー
講演と最新の研究成果に関する一般講演から構成される。レビュー講演は、この分野
に関心を持つ大学院生等に勉強の機会を提供する効果もある。本研究集会は太陽圏シ
ンポジウムと共同開催している。太陽圏シンポジウムでは、太陽風と非磁化天体との
相互作用に焦点をあてレビュー講演や最近の研究成果が報告された。2 つの研究集会
119
9.研究関連活動
を通じて参加者は 52 名、発表件数は 33 件であった。本研究集会において、普段は交
流のない分野の研究者たちが一堂に会し、太陽圏の研究について活発に議論したこと
は大変有意義であった。
主催
開催日
開催場所
名古屋大学太陽地球環境研究所
2015 年 3 月 4-6 日
名古屋大学研究所共同館 3 階講義室
出版
Newsletter No. 68
Newsletter No. 69
Newsletter No. 70
2014 年 7 月
2014 年 10 月
2015 年 2 月
(Web にて公開。http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/doc/news_book_j.html)
120
10.委員会
10. 委員会
学内委員会
本研究所の教員は、名古屋大学内で次の学内委員会の委員として、それぞれの委員会の扱う重
要事項の審議/討論に参加している。
委 員 会 等 の 名 称
基礎理論研究センター理論計算物理室管理委員会
現象解析研究センター運営委員会
現象解析研究センター実験観測機器開発室管理委
員会
現象解析研究センタータウレプトンデータ解析室
管理委員会
博物館運営委員会
地球水循環研究センター協議員会
NICE・ネットワーク連絡会連絡員
全学計画・評価担当者会議
社会連携委員会
研究助成委員会
国際交流委員会
情報連携統括本部会議
情報連携統括本部会議全国共同利用システム専門
委員会
シンクロトロン光研究センター運営委員会
工学研究科附属計算科学連携教育研究センター
運営委員会
ホームカミングディ実行委員会
ハラスメント防止対策委員会
理学研究科教育委員会
物理学教室教育委員会
部局長会
教育研究評議会
計画・評価委員会
センター協議会
男女共同参画推進委員会
全学技術センター運営委員会
全学技術支援委員会
防災推進本部会議
防災推進本部会議災害対策専門委員会
エコトピア科学研究所運営協議会
原子力委員会
附属図書館商議員会
安全保障委員会
総合保健体育科学センター運営委員会
大学文書資料室運営委員会
全学技術センター運営委員会運営専門委員会
全学技術センター運営専門委員会技術支援室委
員会
全学技術センター運営専門委員会技術系連絡会
全学技術センター運営委員会人事委員会
地球生命圏研究機構運営委員会
素粒子宇宙起源研究機構運営委員会
基礎理論研究センター運営委員会
121
10.委員会
学外委員会活動
本研究所の教員が委員等の委嘱を受けている学外委員会 (2014 年度)
機関・組織名
委員会・役職等の名称
宇宙航空研究開発機構
宇宙理学委員会委員
情報・システム研究機構/国立極地
研究所
非干渉散乱レーダ委員会委員/南極観測審議委員会宙空圏専門部会
委員/非干渉散乱レーダ委員会特別実験審査部会委員
情報通信研究機構
研究活動等に関する外部評価委員会電磁波センシング基盤技術領
域外部評価委員会委員
自然科学研究機構/国立天文台
運営会議委員/太陽・天体プラズマ専門委員会委員/太陽天体プ
ラズマ専門委員会電波ヘリオグラフ科学運用小委員会委員/電波
専門委員会電波天文周波数小委員会委員
高エネルギー加速器研究機構
素粒子原子核研究所運営会議委員/B ファクトリー実験専門評価
委員会委員
日本原子力研究開発機構
平成 26 年度炉心プラズマ共同企画委員会理論シミュレーション
専門部会専門委員
京都大学生存圏研究所
運営委員会委員/専門委員会員/MU レーダー全国国際共同利用
専門委員会委員/赤道大気レーダー(EAR)全国国際共同利用専
門委員会委員/電波科学計算機実験 (KDK) 全国・国際共同利用
専門委員会委員/附属生存圏学際萌芽研究センター運営会議委員
/生存圏フォーラム運営委員
東京大学宇宙線研究所
運営委員会委員/共同利用研究運営委員会委員/共同利用研究課
題採択委員会委員
北海道大学低温科学研究所
共同利用・共同研究拠点運営委員会委員
地球電磁気・地球惑星圏学会
運営委員
日本物理学会
代議員
日本エアロゾル学会
日本エアロゾル学会編集委員
生存圏フォーラム
運営委員
Scientific Committee on SolarTerrestrial Physics
Co-Chair of the SCOSTEP VarSITI (2014-2018) /VarSITI SSE 国内委
員/VarSITI SPeCIMEN 国内委員/VarSITI ROSMIC 国内委員
一般社団法人 HPCI (革新的ハイパフ
ォーマンス・コンピューティング・
インフラ) コンソーシアム
会員 (ユーザーコミュニティ代表機関)
サイエンティフィック・システム研究会
ポストペタアプリ性能 WG 推進委員会
日本学術振興会
専門委員及び審査員
122
10.委員会
機関・組織名
委員会・役職等の名称
日本学術会議
会員/地球惑星科学委員会副委員長/地球惑星科学委員会地球惑
星科学国際連携分科会 SCOSTEP 小委員会委員/地球惑星科学委
員会地球惑星科学国際連携分科会 STPP 小委員会委員/環境学委
員会・地球惑星科学委員会合同 IGBP・WCRP・DIVERSITAS 合同
分科会 iLEAPS 小委員会委員/環境学委員会・地球惑星科学委員
会合同 IGBP・WCRP・DIVERSITAS 合同分科会 IGAC 小委員会委
員/地球惑星科学委員会 IUGG 分科会 IAGA 小委員会委員/総合
工学委員会原子力事故対応分科会原発事故による環境汚染調査に
関する検討小委員会委員/地域研究委員会地域学分科会大学地域
学課題検討小委員会委員/電気電子工学委員会 URSI 分科会プラ
ズマ波動小委員会委員/電気電子工学委員会 URSI 分科会電離圏
電波伝搬小委員会委員/情報学委員会国際サイエンス分科会
WDS 小委員会委員
第 30 回宇宙技術および科学の国際
シンポジウム
プログラム小委員会委員
Earth, Planets and Space (EPS) 誌
編集委員/Guest Editor for the special issue of the International
CAWSES-II Symposium/Guest Editor for the special issue of the 12th
International Conference on Substorms/Guest Editor for the special
issue of Coupling of the High and Mid Latitude Ionosphere and Its
Relation to Geospace Dynamics
Committee on Space Research
Chair of the COSPAR subcommission C1 (The Earth’s Upper
Atmosphere and Ionosphere)/Vice Chair of Panel on Radiation Belt
Environment Modeling
EISCAT Scientific Association
Council Member
Super Dual Auroral Radar Network
Executive Council
The Scientific World Journal
Editorial Board
AGU: Journal of Geophysical
Research Space Physics
Associate Editor/Guest editor for special issue of “Pulsating Aurora and
related magnetospheric phenomena
この他に国内外の各種研究提案書のレフェリー、
各種専門誌のレフェリーの委託を受けている。
123
11.社会との連携
11. 社会との連携
本研究所の発足以来、公開講座、研究所の一般公開・公開講演などを通して社会との連
携を図っている。
研究所一般公開
当研究所の研究所公開を、名大祭期間中の 2014 年 6 月 7 日 (土) に行った。また同日、
一般講演会を研究所共同館 3 階講義室にて開催した。このほか名大祭企画のラボツアー、
豊田講堂シンポジオンの合同展示会 (6 月 7 日-6 月 8 日) にも参加した。
研究室公開では、教員や大学院生らが、パネルや実験装置などを使って最新の研究内容
を分かりやすく説明した。また、コンピュータを使ったシミュレーション実験など体験・
参加型の展示も用意し、参加者が楽しく学べるように工夫した。
一般講演会のうち、「オーロラの科学」と題した塩川和夫教授による講演では、極地の空に光る
オーロラの形や特徴などを説明しながら、どうして光るか、なぜ研究しているのなどを最新の成果
を紹介しながら解説した。また「屋久杉が語る過去の太陽活動」と題した三宅芙沙高等研究院特任
助教による講演では、樹木の年輪などの成分を分析することにより、過去の太陽の歴史が分かるこ
とや、平安時代に巨大な太陽フレアがあったことなどについて解説した。参加者らはスクリーンの
図や写真を見ながら熱心に説明に耳を傾けていた。また講演会後にはたくさんの質問が出て、関心
の高さがうかがわれた。
講演会の様子。
124
11.社会との連携
一般講演会
13:00-14:00
「オーロラの科学」
塩川 和夫 (電磁気圏環境部門・教授)
14:00-15:00 「屋久杉が語る過去の太陽活動」
三宅 芙沙 (高等研究院・特任助教)
観 測 所 の一 般 公 開
木曽観測施設
毎年 8 月には、木曽観測施設の太陽風観測装置 (電波望遠鏡) の特別公開を、東京大学
大学院理学系研究科の木曽観測所 (光学望遠鏡) と共催している。2014 年度は 8 月 9 日
(土)、に開催した。(8 月 10 日の公開は台風接近のため中止した。)
一 般 向 け講 演
2014 年度は下表のとおり、一般向け講演を通して社会に向けて研究成果や最新の情報
を提供している。
開催日
講演会名
講演タイトル
開催場所
対象
2014.4.26
宇宙科学の最前線:天体 太陽観測衛星「ひので」と 栄中日文化センター 一般
観測衛星がひらく未知の Solar-C 計画が明らかにする (名古屋市)
宇宙
太陽の素顔
2014.5.10
愛知県あま市教育部生涯 オーロラの科学
学習課市民大学講座
2014.6.4
岡崎ロータリークラブ創 屋久杉に記録された奈良、平 岡崎出雲殿
立 63 周年記念例会
安時代の放射線バースト
一般
2014.6.7
研究所一般公開・一般講 オーロラの科学/屋久杉が語 名古屋大学
演会
る過去の太陽活動
一般
2014.6.21
宇宙科学の最前線:天体観 フェルミ衛星と Astro-H 計画 栄中日文化センター 一般
測衛星がひらく未知の宇宙 で迫る高エネルギー天体の謎 (名古屋市)
2014.7.11
理科講演会
2014.7.16
名古屋大学提携講座 (平成 宇宙から眺めた太陽系・地球 NHK 名古屋放送セ 一般
26 年度) 「眺めのいい宇宙」
ンタービル
2014.8.8
鯱光会 8 月月例会
宇宙の暗黒を探る~ダークマ 名古屋国際ホテル
ターの探索
学校関
係者
2014.8.9
サイエンスセミナー
屋久杉をもちいた過去の宇 愛知県図書館
宙線観測
一般
あま市美和公民館
一般
屋久杉が語る過去の宇宙線 南山高等学校・中 生徒・学
急増イベント
学校(女子部)
校関係
者
125
11.社会との連携
2014.8.19
第 23 回公開セミナー「天 屋久杉に刻まれた謎の放射 名古屋市科学館・ 高校生以
文学の最前線」-宇宙の 線バースト
プラネタリウム
上一般
大中小-
身近な宇宙:惑星をとりまく
宇宙環境と生命居住可能性
2014.8.23
国立天文台野辺山特別公 地球に影響を与える太陽活 国立天文台野辺山 一般
開 2014
動現象
太陽電波観測所
2014.10.1
名古屋大学提携講座 (平成 太陽の眺め
26 年度) 「眺めのいい宇宙」
2014.10.7
サロン・ド・Arimoto
2014.10.9
平成 26 年度名古屋大学公 宇宙と地球大気との境界を 名古屋大学
開講座‐おもしろいこと 探る:オーロラと宇宙の嵐
は「境界」で起こる-
2014.10.12
羽島郡立志塾
2014.10.18
名古屋大学ホームカミン 太陽高エネルギー粒子の研究 名古屋大学
グデー
宇宙からオーロラを見るとなぜ
ドーナツ状になっているのか?
2014.10.25
平成 26 年度第 4 回サイエ 惑星をとりまく宇宙環境と 半田市福祉文化会館 高校生
ンスコミュニケーション 生命居住の可能性
2014.11.14
出前授業
NHK 名古屋放送セ 一般
ンタービル
樹木年輪から探る過去の宇 うなぎ有本 (名古 一般
宙線変動
屋市)
超小型衛星で夢を拓く
波の伸縮
18 歳以
上一般
乗鞍青少年交流の 小 ・ 中
家 (岐阜県高山市) 学生
一般
陸別町立陸別小学校 小学生
陸別町立陸別中学校 中学生
2014.11.14
2014.11.22
2014.12.6
2014.12.27
2015.1.10
特別講演会「りくべつの
地域資源 (しばれと星)
が生んだ成果事例」
特別講座「オーロラの不
思議としくみ」
平成 26 年度第 5 回サイエ
ンスコミュニケーション
特別講座「オーロラの不
思議としくみ」
日本有数の宇宙観測施設
りくべつ宇宙地球 十勝地方
科学館
商工会員
オーロラの科学と観測
栄中日文化センター 一般
(名古屋市)
放射能除染に活かされる宇 半田市福祉文化会館 高校生
宙観測技術
オーロラと宇宙天気予報
栄中日文化センター 一般
(名古屋市)
中学生
名古屋大学オープンカレ 磁場が織りなす宇宙と未来 名古屋大学
ッジ「自由奔放!サイエン -星形成・オーロラ・核融合
以上一
ス」知識・博学への挑戦 エネルギー-
般
視聴覚教育センター40 周 電波天文ってなに?動き出 豊橋市視聴覚教育 一般
年記念サイエンス講座
したアルマ望遠鏡
センター・プラネ
タリウム
宇宙関連新産業セミナー ChubuSat-1 (金シャチ 1 号) キャッスルプラザ 一般
2015.3.2
の打ち上げと今後の展望
(名古屋市)
2015.3.16- Lecturer at the International Lectures on the ionosphere
National Institute of 一般
2015.3.20 School on Equatorial and
Public Administration
Low-Latitude Ionosphere
Bandung, Indonesia
2015.2.15
126
11.社会との連携
報道等
2014 年度は下表のとおり、本研究所の研究成果等が報道機関他によって紹介された。
掲載 (放送) 日
掲載新聞(放送局名・番組名)
掲載 (放映) タイトル、内容等
2014 年 5 月 30 日
2014 年 5 月 31 日
2014 年 6 月 2 日
2014 年 6 月 10 日
2014 年 6 月 11 日
財経新聞
時事ドットコム
日本経済新聞
中日新聞
毎日新聞
環境新聞ほか
中国で深刻な大気汚染を引き起こしている日本
に飛来する大気中の微小粒子状物質中の有害な
重金属などの化学成分をリアルタイムに測定・分
析するための装置を開発した。
2014 年 6 月 6 日
中日新聞
東海テレビ放送 (6/18)
NHK 名古屋放送局 (6/19)
学内の学生と若手研究者向けに論文の正しい書
き方を指導する公開講義を十八日に開く。論文執
筆について体系的な講義を行うのは全国でも珍
しい。先月出版した研究者向けの教材を使い、論
文執筆のノウハウだけでなく、盗用や捏造が社会
に与える影響などを教える。
2014 年 7 月 4 日
中日新聞
読売新聞 Web 版
京都新聞 Web 版
「3000 光年先 地球似の惑星 名大研、生物は
望み薄」
「もう一つの地球!?名大などの国政チ
ーム発見」地球から 3000 光年かなたで二つの惑
星がペアになって互いに回り合っている「連星
系」に、地球と重さや太陽に当たる主星との位
置関係が酷似した惑星があることを発見した。
2014 年 9 月 12 日
朝日新聞
STAP 細胞論文の問題など相次ぐ研究不正に
揺らぐ科学界。
「このままでは世界の笑いもの
になる」と心配する名古屋大名誉教授の上出
洋介さんが大学を巡り、学生らに論文の書き
方を指導し始めた。国際科学雑誌の編集長を
11 年務めた経験を踏まえて伝えたいという。
2014 年 11 月 4 日
2014 年 11 月 5 日
毎日新聞
TBS ひるおび!
「オーロラ:「ばらばら」とらえた 名古屋大な
ど「全天カメラ」で-」空一面に広がったオー
ロラがかけらのようにばらばらになる様子を名
古屋大や国立極地研究所などの国際チームが初
めてとらえ、米地球物理学会誌に発表した。
2014 年 11 月 7 日
2014 年 11 月 8 日
日本経済新聞
読売新聞
毎日新聞
中日新聞
時事通信
「金シャチ1号宇宙へ 名大、大同大開発 衛星
打ち上げ成功」ロシアから 6 日に打ち上げられた
超小型人工衛星が軌道に乗って、日本上空を通過
したことを確認する信号の受信に成功したと発表
した。人工衛星は名古屋大、大同大と愛知、岐阜
両 県 で つ くる グ ル ー プが 産 学 協 力で 開 発 。
「ChubuSat-1」(通称・金シャチ 1 号) と名付けた。
127
11.社会との連携
2014 年 11 月 16 日
2014 年 11 月 18 日
北海道新聞
十勝毎日新聞
「短波レーダー運用開始 プラズマの動き監視
陸別 2 期目 ロシア・シベリア圏観測」陸別町で
超高層大気を観測する 2 基目の短波ドップラー
レーダーが完成、運用が始まった。航空機の通信
障害の予測精度向上などが期待されている。
2014 年 11 月 18 日
2014 年 12 月 12 日
十勝毎日新聞
北海道新聞
「楽しく実験 自然科学理解 陸別小・中で
出前授業」陸別小学校と陸別中学校で 14 日、
名古屋大、国立環境研究所、北大のスタッフ
が講師となった出前授業がそれぞれ行われ、
児童生徒が自然科学への関心を深めた。
2014 年 12 月 20 日
日本経済新聞
理化学研究所の STAP 細胞の検証結果を受けて、
長年、国際的科学誌の編集長を務めた上出洋介名
古屋大名誉教授は「明らかに悪意ある行為。理研
は今後、不正の動機やプロセスを明らかにし、防
止策として生かしていくことが必要だ」と指摘。
2014 年 12 月 31 日
読売新聞
読売新聞 Web 版
「金シャチ 2 号 来年度宇宙へ」小型人工衛星
「ChubuSat (中部サット)-1 (愛称・金シャチ 1 号 )
の打ち上げに成功した名古屋大や大同代、愛知、
岐阜県の中小企業などが、来年度中に後継機の打
ち上げを予定していることがわかった。後継機は
「Chubusat-2」
(愛称:
「金シャチ 2 号」
。機体は 1
号機 (1 辺 50cm の立方体、重さ 50 キロ) をベー
スにしている。
2015 年 1 月 4 日
しんぶん赤旗日曜版
「オーロラ 夜空彩るカーテン、太陽と地球
のふしぎな関係、どうして光る?宇宙から見
ると?日本で見られる?」極地の夜空に舞う
光のカーテン-オーロラがどのような仕組み
で発生し、なぜ南極や北極などでしか見るこ
とができないのかなど、Q&A 方式で解説。
2015 年 1 月 12 日
2015 年 1 月 17 日
信濃毎日新聞
読売新聞
国立天文台野辺山太陽電波観測所にある太陽
電波望遠鏡「電波ヘリオグラフ」が、来年度
から、名古屋大太陽地球環境研究所を中心と
する国際共同運用に移行する。
2015 年 3 月 1 日
読売新聞
学ぶ育むわかるサイエンス/探訪ラボ・離島
での微小粒子状物質 (PM2.5) 中の重金属成
分の測定や、気球による CO2 の高度分布の測
定について紹介。
2015 年 3 月 19 日
北海道新聞
陸別観測所は、夜空に赤く輝く低緯度オーロ
ラの撮影に町内で成功した。陸別での観測は
2004 年 11 月以来で約 10 年ぶりとなる。
128
11.社会との連携
研 究 所 (研 究 室 ) 見 学
団体名
日付
人数
愛知教育大学付属中学校
2014 年 8 月 4 日
1名
名古屋大学教育学部附属中学校・高等学校
2014 年 11 月 13 日
6名
東京理科大学
2015 年 2 月 12 日
1名
立教新座中学高等学校
2015 年 3 月 30 日
1名
広報活動
当研究所の広報事業では、研究所の施設が置かれている自治体の協力を得ながら、研究
成果を地域や社会に還元する努力をしてきた。2014 年度は以下の活動を行った。
陸別町での出前授業
陸別町と当研究所は 2003 年 3 月、両者による社会連携連絡協議会を発足させ、さらに
2012 年には陸別町・名古屋大学・北海道大学・北見工業大学・国立環境研究所・国立極
地研究所の 6 機関による陸別町社会連携協議会を発足させた。当研究所はその幹事機関と
して、定期的に地域貢献の計画と運営に関する会議を開催し、広範なテーマで出前授業や
イベントの開催を行った。本年度の出前授業は、2014 年 11 月 14 日に陸別小学校と陸別
中学校で開催された。今回は、当研究所による波の伸び縮みを体験する実験、国立環境研
究所の町田敏暢博士による大気中の二酸化炭素と海洋・植物の働きについてのお話と実験、
北海道大学大学院生によるガリレオ式望遠鏡を作る実験、の 3 つの授業が行われた。水面
の波の間隔や音の高さの変化を見たり聞いたりすることによりドップラー効果を体験し
たり、二酸化炭素が増える原因が人間活動によることを学び、海洋や森林等が二酸化炭素
を吸っていることを実際の海水を使った実験で確かめたり、厚紙で望遠鏡を作成して外の
風景を観察して、望遠鏡の仕組みを学んだ。それぞれの講師が、子供達の興味を引き出す
分かりやすいお話と実験によって、子供たちの理科に対する関心を深めることができた。
陸別町銀河の森天文台でのイベント開催
当研究所、北海道大学大学院理学研究院、りくべつ宇宙地球科学館 (銀河の森天文台) の
共催で、2014 年 11 月 15 日に「驚き!おもしろ科学実験」を銀河の森天文台で開催した。
子供にも参加しやすい実験を見せる、というテーマで、以下の実験ブースが銀河の森天文
台 1 階展示室で行われた。
・宇宙線を見てみよう-霧箱実験
・液体窒素でいろいろなものを凍らせてみよう
・波が伸びたり縮んだりする様子を見たり聞いたりしてみよう
・ガリレオ式望遠鏡を作る
・アルミ缶つぶしの実験
・ペットボトルトルネードの実験
・電気ぼんの実験
129
11.社会との連携
・竜巻や虹を作る実験
・プラネタリウムコーナー
・望遠鏡による観望会
当日の来館者は 111 名であり、多くの人が熱心に実験内容の説明に聞き入ったり、実際
に目の前で繰り広げられる科学実験に驚きの声があがったりした。
鹿児島県垂水市の「青少年のための科学の祭典」に参加
2014 年 12 月 6 日に当研究所の鹿児島観測所がある鹿児島県垂水市のキララドームたる
みずで開催された「青少年のための科学の祭典」に参加し、「地磁気をはかろう」という
ブース展示と、手作りモーターの製作実験を行った。また、当研究所が作成している鹿児
島観測所のパンフレット、50 のなぜシリーズ、マンガシリーズも配布した。このイベン
トでは各展示ブースにおいて、主に小中学生を中心とした参加者が自ら手を動かす形でさ
まざまな実験が行われている。当日は全体で約 760 名の参加者があり、楽しい科学実験に
あちこちで子供達の歓声があがっていた。
一般向け冊子の制作・配布
太陽地球科学の分野を題材に「50 のなぜ」シリーズやマンガシリーズなどの小冊子を
制作し、研究所公開や講演会、ポスター展示などに合わせて一般に配布している。最先端
の研究を分かりやすい言葉で解説し、広く社会に紹介することで、研究成果を国民へ還元
している。冊子は、りくべつ宇宙地球科学館、豊川市ジオスペース館、名古屋大学の広報
プラザにも常時置かれている。研究所のホームページでも公開しており、年間 200 万件以
上のアクセスがある。
以下の学会・講演会において、既刊の一般向け冊子の配布を行った。
日本地球惑星科学連合 2014 年大会 (2014 年 4 月 28-5 月 2 日、パシフィコ横浜)
研究所一般公開/名大祭 (2014 年 6 月 7 日-6 月 8 日、名古屋大学)
名古屋大学ホームカミングデイ (2014 年 10 月 18 日、名古屋大学)
驚き!おもしろ科学実験 (2014 年 11 月 15 日、北海道陸別観測所)
青少年のための科学の祭典 in 垂水 (2014 年 12 月 6 日、鹿児島県垂水市)
これらは当研究所の研究内容の社会への発信、自然科学一般への関心の喚起という点で
大きな貢献があった。
ホームページの運用
当研究所のホームページ (http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/index.php.ja) を制作・公開して
いる。同ページに「最新の話題」と「今月の 1 枚」のコーナーを設定し、研究所の活動と
研究成果の最前線を一般市民に即座に伝える活動を行っている。
130
12.資料
12. 資 料
沿 革
1985 (昭和 60) 年 10 月
学術会議 STP 専門委員会 STP センター作業委員会で、名古屋大学空電
研究所の STP 全国共同利用研究所への改組の要請がとりまとめられた。
1987 (昭和 62) 年 3 月
STP 専門委員会で、空電研究所改組案が検討された。
1987 (昭和 62) 年 4 月
学術会議地球電磁気研究連絡委員会で、改組案が検討された。
1987 (昭和 62) 年 6 月
名古屋大学評議会は、空電研究所の太陽地球系科学に関する共同利
用型研究所への改組に向けて、同大学学長を委員長とする「空電研
究所改組検討委員会」の設置を承認した。
1988 (昭和 63) 年 1 月
共同利用型研究所構想への、理学部附属宇宙線望遠鏡研究施設の参
加が改組検討委員会で決定された。
1988 (昭和 63) 年 7 月
第 3 部門および太陽電波世界資料解析センターが国立天文台へ移管
された。
1989 (平成元) 年 6 月
名古屋大学評議会は、空電研究所を改組して太陽地球環境研究所を
設置することで、平成 2 年度概算要求を行う決定をした。
1990 (平成 2) 年 6 月
空電研究所と理学部附属宇宙線望遠鏡研究施設とを廃止・統合し
て、名古屋大学太陽地球環境研究所 (全国共同利用) が発足。
1995 (平成 7) 年 4 月
共同観測情報センターが発足。
1997 (平成 9) 年 10 月
陸別総合観測室が発足。
2001 (平成 13) 年 4 月
名古屋大学大学院環境学研究科設立のため大気圏環境部門の一部
を割愛。
2003 (平成 15) 年 4 月
陸別総合観測室が陸別観測所に昇格。
2004 (平成 16) 年 4 月
国立大学法人名古屋大学が発足。
共同観測情報センターを改組してジオスペース研究センターを設置。
2006 (平成 18) 年 3 月
太陽地球環境研究所が、東山キャンパスに統合移転。一部の部門を
除いて、共同教育研究施設 1 号館 (旧核融合研跡地) へ移転。豊川
地区は分室となる。
2006 (平成 18) 年 4 月
佐久島観測所を廃止。
2006 (平成 18) 年 10 月
太陽地球環境研究所、環境医学研究所、エコトピア科学研究所の事
務組織を統合した研究所事務部が発足。
2009 (平成 21) 年 6 月
文部科学省から、共同利用・共同研究拠点に認定された。
2013 (平成 25) 年 3 月
太陽地球環境研究所が、研究所共同館に移転。
2013 (平成 25) 年 4 月
地球水循環研究センターに係る事務組織を研究所事務部に移管。
131
12.資料
蔵 書
太陽地球環境研究所の蔵書数は次表の通りである。これらの蔵書は太陽地球環境研究所
図書室にあり、国内・国外の研究機関からの寄贈書も含まれる。各蔵書には整理番号が付
けられ、共同利用者等による検索が容易にできるシステムとなっている。
太陽地球環境研究所の図書・雑誌 (2015 年 3 月現在)
図
書
13,997 冊 (洋書 11,171 冊、和書 2,826 冊)
雑
誌
134 種 (洋雑誌 131 種、和雑誌 3 種)
土 地 ・建 物
(
地区・名称
2
土地 (m )
2
建物 (m )
) 内は借入分
所在地・電話
東山地区
-
4,578
名古屋市千種区不老町
(研究所共同館内)
(052) 747-6306
-
1,444
名古屋市千種区不老町
(052) 789-4330
187,817
(36.8)
7,639
愛知県豊川市穂ノ原 3-13
(0533) 89-5206
110,534
325
北海道雨竜郡幌加内町
字母子里 10815
(0165) 38-2345
-
(81)
北海道足寄郡陸別町宇遠別 345
(0156) 27-8103
(30,258)
50
北海道足寄郡陸別町字ポント
マム58-1, 78-1, 78-5, 129-1, 129-4
(0156) 27-4011
2,468
(85)
10,954
(124)
(37)
267
鹿児島県垂水市本城
字下本城 3860 の 1
鹿児島県垂水市大字浜平字山角
(0994) 32-0730
19,926
(16,426)
174
山梨県南都留郡富士河口湖町
富士ケ嶺 1347 の 2
(3,300)
(33)
長野県小県郡真田町菅平
(0268) 74-2496
大字長字菅平 1223
電気通信大学菅平宇宙電波観測所内
豊川地区
分室
北海道地区
母子里観測所
陸別観測所
鹿児島地区
鹿児島観測所
(アンテナ)
佐多岬観測点
山梨地区
富士観測所
長野地区
菅平観測施設
20
鹿児島県肝属郡南大隅町
佐多馬籠 3491 林班
132
(0555) 89-2148
12.資料
木曽観測施設
(6,240)
66
長野県木曽郡上松町
大字小川字才児山
(0264) 52-4294
滋賀地区
信楽観測点
-
-
滋賀県甲賀市信楽町神山
京都大学生存圏研究所
信楽 MU 観測所内
(0748) 82-3211
岐阜地区
乗鞍観測点
-
-
岐阜県高山市
(090) 7408-6224
丹生川町岩井谷乗鞍岳
東京大学宇宙線研究所附属乗鞍観測所内
計
388,205.8
(56470.8)
14,677
(114)
科 学 研 究 費 補 助 金 応 募 および採 択 状 況
2013 年度応募件数
(採択は 2014 年度)
新規
継 続
研究種目の区分
審査区分
2013 年度採択件数
(2012 年度申請)
教
員
P
D
R
A
学
振
研
究
員
教
員
P
D
R
A
学
振
研
究
員
教
員
P
D
R
A
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
-
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
-
-
0
0
0
-
0
0
0
0
0
0
-
-
-
-
-
-
-
0
0
0
0
0
0
4
0
6
1
0
0
2
0
2
3
1
0
0
-
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
0 0
1 0
0 0
0 0
0 0
- -
-
0
0
0
-
0
0
0
0
0
0
-
-
-
-
-
-
-
2
0
0
0
1
0
5
0
10
2
2
0
4
0
2
4
1
0
0
-
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
-
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
-
-
-
-
-
挑戦的萌芽研究
若手研究 (S)
若手研究 (A)
若手研究 (B)
研究活動スタート支援 (該当年度 5 月申請)
特別研究促進費
研究成果公開促進費 (データベース)
特別研究員奨励費
1
0
0
8
3
3
0
8
5
3
0
5
0
1
1
0
0
0
-
小計
38
1
0
0
19
2
31
1
0
3
特別推進研究
特定領域研究
新学術領域研究
基盤研究 (S)
基盤研究 (A)
基盤研究 (B)
基盤研究 (C)
公募研究
研究課題提案型
研究領域提案型
一般
海外学術調査
一般
海外学術調査
一般
海外学術調査
合計
61
※
133
1
0
学
振
研
究
員
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
3
35
転入者・研究代表者変更に伴う受入分を含む。
12.資料
科研費補助金の応募資格を有する研究者数 (2014 年 10 月 1 日現在)
職
人
名
数
教
授
11
准教授
10
講
師
0
助
教
43 名
特任教員
客員教員
PD
RA
7
3
3
0
9
合 計
43
研究費
本研究所で行われている研究・観測に対し、2013 年度は以下の特別経費と科学研究費
補助金および公的機関・企業・財団からの財政的支援を受けた。
特別経費
研 究 題 目
交付金額 (円)
太陽極大期における宇宙嵐と大気変動に関する調査研究
73,568,000
超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究
8,218,000
科学研究費補助金
科学研究費
種
目
研
究 題 目
交付金額 (円)
新学術領域研究
(研究領域提案型)
広視野望遠鏡を利用した重力波天体の光学観測
基盤研究(A)(一般)
大面積・半導体チェレンコフ・カメラの開発研究とその実
証
12,740,000
特異な太陽ダイナモ活動に伴う太陽圏全体構造の変動の解
明
2,990,000
人工衛星-地上ネットワーク観測に基づく内部磁気圏の粒
子変動メカニズムの研究
6,370,000
LHC13TeV 陽子衝突での超前方粒子生成とファイマンスケ
ーリングの研究
10,790,000
地上オーロラ観測と衛星直接観測を連携させて挑む新しい
サブストーム像の構築
13,520,000
基盤研究(A)(一般)
基盤研究(A)(一般)
基盤研究(A)(一般)
基盤研究(A)(一般)
910,000
基盤研究(B)(一般)
レーザー分光同位体計測計を用いた大気環境の動態解明
5,070,000
基盤研究(B)(一般)
新しい環電流モデルを用いた ULF 波動が放射線帯粒子加速
に果たす役割の実証的研究
2,210,000
LHC 軽原子核衝突超前方測定にむけたシリコンピクセルカ
ロリーメータの開発
7,540,000
基盤研究(B)(一般)
北極域拠点観測による大気上下結合の研究
4,550,000
基盤研究(B)(一般)
ハイブリッド粒子コードを用いた無衝突衝撃波における宇
宙線陽子の生成過程の研究
3,770,000
基盤研究(B)(一般)
過去三千年の宇宙線異常増加とその地球環境への影響
9,100,000
基盤研究(B)(一般)
太陽フレア・トリガ機構の解明とその発生予測
3,770,000
基盤研究(B)(一般)
134
12.資料
基盤研究(B)(一般)
マイクロレンズ追尾観測網による太陽系外惑星の探索
3,640,000
基盤研究(B)(一般)
太陽極大期の高エネルギー粒子の降込みが極域中間圏大気
に及ぼす影響の観測的研究
2,470,000
放射線帯マルチスケールシミュレーションによる相対論的
電子の輸送加速過程の研究
2,080,000
北米域での高時間分解能オーロラ観測と電波観測を軸とし
た脈動オーロラ変調機構の研究
3,380,000
人工衛星-地上ネットワークによるオーロラと電磁波動の
高時間分解能観測
3,120,000
基盤研究(B)(一般)
基盤研究(B)(海外)
基盤研究(B)(海外)
基盤研究(C)(一般)
衛星直接観測と地磁気逆計算法によるオーロラ電流系の解明
780,000
基盤研究(C)(一般)
脈動オーロラが起こす熱圏風速変動の解明
780,000
若手研究(A)
自動車排ガス起源の二次有機エアロゾルの光学特性の解明
4,550,000
若手研究(A)
大気チェレンコフ光の収集効率改善による次世代ガンマ線
望遠鏡 CTA の高感度化
3,510,000
若手研究(B)
電磁流体・電離非平衡計算コードの開発
1,170,000
若手研究(B)
流体波動論による地磁気永年変動の解明
1,170,000
若手研究(B)
データ同化連結階層太陽コロナシミュレータの開発
2,600,000
若手研究(B)
電磁イオンサイクロトロン波動放射過程における非線形イ
オンダイナミクスの研究
1,040,000
内部磁気圏編隊衛星データを用いたリングカレントイオン
加速と消失に関する研究
1,430,000
若手研究(B)
挑戦的萌芽研究
世界最高の角度分解能を持つ光学望遠鏡の実現
挑戦的萌芽研究
光読み出し型球形一相式液体キセノンドリフトカロリメー
ターの開発
1,560,000
挑戦的萌芽研究
6 次元プラズマシミュレーション
1,430,000
挑戦的萌芽研究
超高層大気における音波のイメージング観測
1,430,000
研究活動スタート 宇宙線生成核種を用いた過去 2500 年の巨大 SPE 調査
支援
910,000
1,950,000
電離圏からのイオン流出過程と地球起源イオンのリングカ
レントへの寄与に関する研究
1,560,000
特別研究員奨励費
金星電離大気流出成分及び流出量の太陽風変動依存性の解明
1,560,000
特別研究員奨励費
地上-衛星観測に基づくホイッスラー波動による放射線帯
電子消失過程の解明
1,560,000
特別研究員奨励費
科学研究費補助金分担金受領
種 目
研
(研究代表機関)
基盤研究(C)
(理化学研究所)
究 題 目
交付金額 (円)
生命惑星
650,000
135
12.資料
基盤研究(B)
(東京大学)
高エネルギー電子生成機構解明のための高ガイド磁場リ
コネクション室内実験の構築
基盤研究(B)
(信州大学)
ナトリウムライダーの新規観測モード:3 次元観測への拡張
基盤研究(B)
(甲南大学)
電波望遠鏡による最高エネルギー宇宙線検出
基盤研究(B)
(武蔵野美術大学)
過去 4 万年間の宇宙線強度変動・太陽圏構造と地球環境変
動
650,000
基盤研究(B)
(近畿大学)
CTA 大口径望遠鏡アクティブ・ミラー制御 (AMC) システ
ムの開発
39,000
基盤研究(B)
(京都大学)
深内部磁気圏における高エネルギーイオン生成・輸送機構
とそのイオン種依存性の解明
325,000
基盤研究(B)
(京都大学)
深内部磁気圏における高エネルギーイオン生成・輸送機構
とそのイオン種依存性の解明
390,000
基盤研究(B)
(京都大学)
深内部磁気圏における高エネルギーイオン生成・輸送機構
とそのイオン種依存性の解明
975,000
基盤研究(B)
(京都大学)
異なる地域の対流圏活動が起こす中間圏変動の地上と宇
宙からの同時観測
650,000
基盤研究(B)
(京都大学)
ロケット・地上連携観測による中緯度電離圏波動の生成機
構の解明
65,000
基盤研究(B)
(京都大学)
赤道大気レーダーと広域観測網による赤道スプレッド F 現
象と電離圏構造の関連の解明
195,000
基盤研究(B)
(京都大学)
非線形プラズマ波動粒子相互作用による地球放射線帯の
形成・消失過程の研究
910,000
基盤研究(B)
(気象研究所)
太陽活動の北極振動への影響とメカニズムの解明
基盤研究(C)
(吉備国際大学)
磁気圏-電離圏複合系の電磁エネルギー伝送路としての低
緯度電離圏の役割の定量的研究
468,000
基盤研究(C)
(京都大学)
地磁気擾乱時における電離圏電場分布の変動と電離圏擾
乱ダイナモとの関係
260,000
挑戦的萌芽研究
(東京大学)
超広視野・超高精度オーロラ 3 次元ステレオ計測
286,000
260,000
130,000
2,330,000
260,000
受託研究
研究依頼者
受託研究事項
国立大学法人東京大 衛星データ等複合利用による東アジアの二酸化炭素、メタ
学
ン高濃度発生源の特性解析
独立行政法人宇宙航 革新的超広角高感度ガンマ線可視化装置の開発
空研究開発機構
独立行政法人科学技 南米における大気環境リスク管理システムの開発
術振興機構
136
受託収入金 (円)
10,600,000
3,705,000
23,649,600
12.資料
独立行政法人国際協 南米における大気環境リスク管理システムの開発プロジ
力機構
ェクト
独立行政法人科学技 CO2 大気カラム濃度自動計測装置の活用・普及促進
術振興機構
46,201,234
1,560,000
受託事業
研究委託者
日本学術振興会
研
究 題 目
東南アジア・西アフリカ赤道域における電離圏総合観測
独立行政法人情報通 第 12 回国際サブストーム会議
信研究機構
研究経費 (円)
7,821,000
3,300,000
補助金
研究委託者
日本学術振興会
研
究 題 目
太陽地球環境における高エネルギー粒子の生成と役割:気候
変動への影響を探る
研究経費 (円)
28,590,000
奨学寄付金
寄附名称
寄附の目的
公益財団法人豊秋奨 「宇宙線生成核種による過去数万年の宇宙線大変動探索
学会平成 26 年度豊秋 計画」に対する研究助成
奨学会研究費助成
公益財団法人大幸財団 SuperDARN 大型短波レーダーネットワーク 2014 年国際会
平成26 年度海外学術交 議 (開催地:ノルウェー) 参加への海外学術交流研究助成
流研究助成
寄付金額 (円)
1,000,000
200,000
他研究機関・民間等との共同研究
相手方
研
究 題 目
独立行政法人宇宙航 「大学共同利用連携拠点の設置・運営に係る協定」に基づ
空研究開発機構
く共同研究
契約金額
¥18,000,000
独立行政法人情報通 野辺山電波ヘリオグラフデータによる宇宙天気予報及び
信研究機構
高エネルギー粒子生成・輸送過程の研究
¥500,000
パナソニック株式会社
¥300,000
大気中微粒子検知機構に関する共同研究
National Astronomical 大学共同利用連携拠点の設置・運営に係る協定」に基づく
Observatories, Chinese 共同研究
Academy of Sciences
300,000RMB
Korea Astronomy and 大学共同利用連携拠点の設置・運営に係る協定」に基づく
Space Science Institute
共同研究
10,000US$
137
① 母子里観測所
② 陸別観測所
③ 菅平観測施設
①
④ 木曽観測施設
②②
⑤ 富士観測所
⑥ 鹿児島観測所
研究所本部(名古屋)
③
④
④ ⑤
豊川分室(豊川)
⑥
2015年9月発行
編集発行
名古屋大学太陽地球環境研究所
〒464-8601 名古屋市千種区不老町F3-3
TEL (052)747-6303(代表)
FAX (052)747-6313
http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/
豊川分室
〒442-8507 豊川市穂ノ原3-13
TEL (0533)89-5206
FAX (0533)86-0811
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