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スポーツ集団のMorale について
(MS スポーツ集団のMorale について iv '; 昭 (体 育学教室) 緒 言 「スポ-ツ集団」とは、スポーツ活動を目的とした個人の集まりで、集団としての共通な目標 や活動をもち、その目標達成のために成員が強く結びつき、成員に対面的な相互作用が存在して いる比較的永続的な機能的集団を指す。 この意味のスポ-ツ集団の典型的なものは、各種の運動クラブやチームである。そこでの活動 は一定の目標をもった活動であり、単に個人が集まって平行的にスポーツ活動を行なっているも のではない。多くの場合、スポーツ集団の目標は試合に勝つこと、またはスポーツの技能を高め ることにおかれているが、それは1人で実現できるものでなく、相互依存的な活動によってなさ れるものである。 一方、モラール(Morale)の概念は、一定ではなくそれが個人的なレベルの概念であるか、集 しい 団的な概念であるかといった、概念構成のレベルに対しても確答が与えられていない。 たとえば、従来はグループ・ダイナミックスや産業心理学の立場からの研究が多いが、研究者 しご、 間の意見は必ずしも一致しているようには思われない。正田は「個人の特性を強調する立場と、 集団の特性を強調する立場があるが、どちらが正しいというわけにはいかない。なぜなら、モラ ールとはこの両者が転換しあう集合的測度として考えるところにその特色があると思われるから しJ l である」と述べ、両者の幅榛に特色を認め、心理学事典では、個人的概念と集団的概念をあげ、 集団的概念として用いた場合、集団のモラールとは「明確に設定された集団目標があり、集団成 員が、その目標に積極的に意義を感じ、その達成の可能性を信じて、集団活動が協力的、効果的 に進められるような(集団の)状態あるいは特徴」であると定義している。すなわち、目標達成 への集団活動に対する満足、その活動の意義の自覚、仲間との連帯意識、集団の凝集性(集団の 団結力)などによって表わされるような、目標達成-の成員の動機づけの水準が、集団のモラー ルと呼ばれている。 ・い また、正戸は「人間集団の融合的な結合感情を基礎として、ある目的にまい進する意欲的、積 極的な行動遂行を特徴としており、それは ① 集団概念であること0 ⑧ 集団の各成員にじゅ うぶんに共通した目的が存在すること。 ③ その共通した目的を各成員が容認し、その集団目的 を遂行し、追求するた馴こ、個々人の目的をその共通目的に従属せしめる成員の共通意欲および 決心が存在すること。 ④ その共通意欲が持久的で、首尾一貫していること。 ⑤ モラールとは 直接的にはこのような条件をもつ個人またはグループのspirit or moodである」と定義づけて いる。 このように個人、集団、両者の宿榛のそれぞれを強調する立場があるが、ここでは集団的概念 を強調する立場をとり、スポーツ集団のモラールを、成員が集団の目標に積極的な意義を感じ、 強く結束して、集団の規則を遵守し、風紀に従いながら、その目標達成のために、集団の活動を 高めるような集団的機能の特性であるとした。 スポーツ集団のMoraleについて(竹村) ism このようにスポーツ集団のモラールを規定したならば、スポーツ集団のモラールが、集団にお いてどのような状態にあるかを知ることは、スポーツ集団の運営、指導にあたって極めて重要な ことである。そして、そのためにはスポーツ集団がこのような特性を、どの程度もっているかを 測定して、これを検討する工夫が必要になる。ここにモラ-ル調査が取り上げられる理由がある。 近年、産業界ではモラールの問題は生産性との関係において重要視され、人事管理の面から、 あるいはモラール阻害の要因を知り労務管理上の問題点をみいだすことなどのため数多く行なわ し51 れているが、スポーツ界では、この方面の研究はまだなされていない現状である。 そこで、この研究はスポーツ集団のMoraleに関する一連の研究の第1として、スポーツ集団 のモラール調査を作成し、尺度を構成することを目的とした。 モラール調査によって、スポーツ集団のモラールの状態から、集団成員の活動意欲、協力精神 を知り、同時に集団全体の雰囲気を知ることはもち諭のこと、スポーツ集団のモラールを高め、 あるいは低めている各要因の実態を見出し、評価することによってスポーツ集団の機能の検討を 行なうことが可能となる.このようなフィードバックの過程の検討を通して、スポーツ集団の運 営がより一層スムーズに行なわれるであろうし、そのさい、モラール調査がはたす役割も大きい と考えられる。 方 法 本研究の対象は、京都・大阪・奈良各府県下の5大学と兵庫・奈良両県下の8高等学校の男女 運動部員378名であり、その内訳は第1表の通りである。 第1表 調査対象 性 上記の対象について、 1966年6月から7月にかけて、関係文献および体育学・運動部関係の専 門家の意見と数回にわたる予備調査の結果、質問紙法による20の項目(各質問項目の反応カテゴ リーは5件法による評定尺度)を選んでモラール調査票を作成し、実施したOそして、調査の結 (6)0) 果をリッカート法の手続で処理し、最終尺度を作成してモラール調査とした。 結果および考察 1.対象について リッカート法は、手軽に尺度を作成することができる長所があるが、個人の値をそのときの被 調査者群の結果にもとずいてきめるやり方で、いわゆる特定の群における相対的な位置を示すも のである。また、それぞれの項目は独立に評価きれるので、その間の関係が明らかでなく、ある ・)I 意見が他の意見の力を抹殺し、あるいは敦損したりすることが生じる欠点がある。このようなリ ッカート法の欠点を、調査対象である程度おぎなおうとした。 スポ-ツ集団のMoraleについて(村竹) 115 すなわち、調査の対象は年令(発達段階)では高校生から大学生を、試合における戦績では非 常に強い運動部から普通以下のレベルまでの運動部を、また、地域的には近畿の4府県下にわた るようにした(第1表参照)0 2.モラール調査項目の作成について モラールを規定する要因については、従釆多くの研究が報告されている。内外のモラール研究 (9XIOXll; から、その主なものを概括してみると、第2表のようになる。 第2表 各研究者のモラール規定要因 研 究 者 Katz, D. Leighton, A. H. Blum, L. M. 要 因 職務満足、作業グループについての誇り、会社との一体感、 給与や昇進の機会についての満足 集団目的に対する信頼感、指導者に対する信頼感、桑田成員 に対する信頼感、組織の能率性、集団成員個々人の精神的・ 肉体的健康 グループの連帯感情、集団目標への一致、目標に向っての目 に見える進歩、目標に到達するに必要な仕事への個々人の参 加 尾 高 邦 却㍉謂蒜完満足、仕事の意義の自覚、集団への帰属意識、集団 - ・・ ∴:・l∴ L: J・・",;--!!..V.','! .i.蝣;-*;∴ 岸 戸 護 日 本労務研究会 (態度調査委員会) 西 村 洲衛男 人間関係、仕事関係、経営管理の条件、歴史的・伝統的条 件、社会関係の条件 職務と作業条件、経済的報償、人間関係、能率管理、個人的 rfibi 上役に対する肯定的態度、仕事に対する肯定的態度、同僚と の親密関係、会社-の帰属意識、上役に対する否定的態度、 精神的・身体的疲労感 このように、モラールを規定する要因は、各研究者の使用するモラールの定義によって必ずし も一定ではなく、また、研究者の視点によっても異なっている。したがって、スポーツ集団を対 象としたモラール調査では、スポ-ツ集団特有のものがあっても当然であろう。 本研究では、第2表にあげたモラールの規定要因を参考にしながら検討し、第3表のようなモ ラール調査の基準と項目を決定した。 第3表 モラール調査の基準と項目 基 準 m 日 部員と部との関係 1.役割意識 部内の人間関係 2.部内の協力 3.上級生と下級生との関係 4.キャプテン・マネージャと部員との関係 5.監督・コーチ等と部員との関係 6.部内の親和 1 7.運営に対する信頼 8.部の管理運営 部の集団機能1 9.指導者の指導能力 10.部の練習能率 11.意志の疎通 12.承認の満足感 13.運動部との一体感 個人的満足感 14.運動部と個人との目標の一致度 15.個人的要求の満足感 16.試合∼ち出る機会_ モラール調査票を第4表にあげることとする。なお、まえに述べたようにモラールを集団的な 概念でとらえようとしたが、操作的には築団のレベルの質問に加えて、個人的レベルの質問を通 さなければならないいくつかの質問が含まれている。 第4表 モラール調査票 これからの問いは、 5・4・3・2・1の5段階に分かれています。言葉による説明は、程度を判断するのに便利なように、 3か所だ け大体の基準を示したものです。それぞれの質問は、各部員によって違うために判断のしにくいものがあると思いますが、あなたの所 属している運動部全体をながめて、 5・4・3・2・1の中から自分の考えに最も近い程度を一つ選んでその番号を○印で囲んで下 さい。 モラー'[/(morale)または志気という言葉の意味は、一般に「明らかな集団目標があり、集団成員がその目標に積極的な意義を感じて、 集団活動が協力的で効果的に進められるような集団の状態である」と考えられています。 2 あなた自身は、部の目標達成のためにどの程度に頑張っていますかO 5 4 3 2 1 l 非常に頑張っている 普通程度 l 普通程度 s 5 5 あなたは、キャプテン・マネーiyヤと部員の気持が、どの程度にあって いると思いますか。 7 あなたは、郡全体として考えたとき、部員同志がどの程度に親しいと思 いますか。 8 あなたは.部員全体として、どの程度まとまっていると思いますか。 5 4 3 全然協力していない 2 1 ( ぴった言放している 1 着品度 5 4 3 、全然あっていない e^^^^^^^^^Mi l [ 普通程度 ぴったり一致している 1 R即L.BUU3S 2 1 3 F 1 普通程度 ぴったり一致している 5 4 3 全然あっていない 2 1 l l 非常に親しい I 5 4 l 詫1垂r;:隻 3 l 非常にまとまっている 9 あなたは,現在の部の運営のしかたを、部員がどの程度支持していると 思いますか。 2 1 普通f・サi r> i 6 あなたは、部長・監督・コーチと部員の気持が、との程度にあっている と思いますか。 全然頑張っていない I 、非常に協力している 4 あなたは、部内の上級生と下級生の気特が、どの程度にあっていると思 いますか。 2 1 5 4 3 非常に頑張っている 3 あなたは、部の目標達成のために,どの曜度,協力していますか。 全然頑張っていない 5 4 いくつかのグループに わかれているが、普通 程度にまとまっている 3 坐?a;親しくない 2 1 l 全然まとまってい ない 2 1 L 全面的に支持している 普通程度 意見がわかれている 全然支持していか- 如鵠-ノ㌧沸gjゥMorale(∩-o^X(Vt苛) 1部鄭こよって違うと思いますが、部全体としてみた場合、部の目標達成 のために部員がどの程度に頑張っているとあなたは考えますか0 5 4 3 2 1 10 あなたは、部員の不平苦情がどの程度、うまく取りあげられていると思 いますか。 t l l † 非常にうまく取り上げ られている 慧imtaaH 5 -I 11あなたは、部生活や練習で各部貝の取り扱いが、どの程度公平におこな オっれていると思いますか0 非常に公平である 12 あなたは、部における技術の指導が、どの程度うまくなされていると思 いますか。 非常にうまくなさ れている うまく塀り上げ ・* !'.'蝣蝣< 3 2 I I S9S巴BBK .ォ, ;句C "i 5 4 3 2 l うまくなされて isas 、Iir, ArV"i 5 4 3 2 I 1 l 非常によく出し合っ MB-' 全HiHi L合ってし、 si 5 4 l 1 矧I二郎 I r. i 16 あなたの部が、部の目標に近づくことを、どの程度に嬉しいと思います か。 l rf'-崩しin'. い ・ l ‥II 5 4 3 2 15 あなたは、部におけるあなたの認められかたについて、どの程度満足し ていますか。 l x鵠1.㌧淋国CD Morale}﹂-O(,id(耳苛) l 13 あなたは、部の練習が、どの程度能率的におこなわれていると思います か。 14 あなたは、部内でお互いの意見を、どの程度に出しあっていると思いま すか。 l ] l 】 I s-.申r;'皇 3 2 l 非常に嬉しい I I 1 I 全無嬉しくない A..由tvt 5 4 非常に不満 3 2 1 17 あなたは、現在の部に所属していることを,どの程度誇りに思っていま 邑EB 18 郡のEj標とあなたの個人的な目標(要求)が、どの程度に一致しています 誇りに思う 少し得意に感じる 別に何も感じない 少し'jLがひける はずかしく思う 5 4 3 2 1 I か 全く-ikIしている I s I 19 部生活にたいするあなたの要求は、どの程度満足していますか t 全く違う 2 1 l 非常;こ満足 J 20 あなたが試合に出る可能性は、現在または将来どの程度あると思います か やや一致している 5 4 1 非常lこ多い 普通程度 3 非常に不満 1 l 巳即Efffi j-K-'-い 117 スポーツ集団のMoraleについて(竹村) 118 3.モラール調査の最終尺度の作成 (1)シグマ値法による換算点の算出 各人のモラール総得点を求めるために、それぞれの質問について、各人の反応カテゴリ-を点 数に換算し、個人別に総得点を算出した。ここでは換算点の算出方法として、シグマ値法を用い た。第5表はシグマ値算出の1例を示したものである。 第5表 シグマ値算出の1例 以上の手境によって求めた各項目の反応カテゴリーのシグマ値、および換算点は第6表に示す 通りである。 第6表 各項目の反応カテゴリー別のシグマ値と換算点 5 4 , 3 こ2 1 W o tD S CO 16 28 I - .89 18 -1.90 -2.64 .04 27 .89 18 -1.90 -2.64 .11 28 .91 17 -2.00 -2.64 .18 21 .37 19 -1.41 -2.27 . 62 33 .47 22 -1.54 11 -2.64 .16 28 .22 18 -1.14 -2.05 W w H in O N - .91 17 -1.90 -2.64 . 57 32 - .62 20 -1.70 -2.64 .67 31 - .33 21 -1.35 11 -2.44 1.06 28 .0 18 - .93 -1.76 26 - .41 16 -1.29 -2.05 25 - .56 15 -1.36 -2.05 30 - .34 19 -1.41 -2.27 29 - .17 19 -1.19 -2.05 31 - .26 20 -1.37 -2.27 20 -1.36 13 -2.09 -2.64 25 -1.04 16 -2.09 -2.64 28 .51 18 ! -1.43 -2.27 96 31 ・19 20 -1.29 -2.16 37 21 .31 15 -1.01 -1.76 OO OO QO iO H T* 一一 Tji T - " ^ - H ^ ^ ^ ^ H ^ ^ H ^ ^ J M IO IO IO H tD O w s N ai io oi N .16 28 N N N H W m ^ ^ oo oo O i ^ ^ H ^ ^ ^ ^ ^ H lfl s o OJ ^ ^ i ^ H H IO H O w oi w oi M ^ in N N IO co h w N ^^H ^i ^^* ^^J ^-H r I ^^ ^^^ ^^H ^^J ^^i ^^"^^ ^^^ ^^* ^-H PO t-i H O O in iO S ifl o N oO O CO ffi CO IO O O tD H OO tO tO O OD W N lfl M ^ M m-^ ^-^ ^-^-^ co fO M ^ CO't CO CO cO 壁ア値遜駈lと空値換算点しグ璃換算点しグマ値換算点 シグマ値換算点 スポーツ集団のMoraleについて(竹村) 119 (2)モラール得点の算出 上の結果、各個人ごとの各項目への反応が点数に換算され、それを合計した総得点をその人の モラール得点とする. (3)項目分析 項目の等質性は、項目・項目間相関、項目・尺度間相関から求める方法などがあるが、ここで は項目・尺度得点間の相関から求める方法を用いている。上述の手続で得た個人のモラール得点 によって、上位27%、下位27%を選び、各項目ごとに上位群と下位群とのそれぞれについて、換 算点の平均値を算出し、平均値の差の検定を行なった(第7表) 。 第7表 上位群と下位群の各項目別平均値と分散および有意差検定 1i33.2050.45 32.5951・07 332.8551.18 1 23,5361.01 34.8848.81 27.6158.65 33.6740.84 34.1640.83 32.9647.13 10'24.3754.49 :自書:霊:23:Z: 21.01 89.24 20.67 89.87 20.54 97.27 14.25 59.82 *** 18.24 65.74 *** 12.15 77.16 32! 19.37 62.72 IE 18.67 71.73 *** 16.71 60.27 *** 9.69 58.57 *** 13.43 75.01 *** 13.72 73.71 SIE 15.75 74.95 * * * * * * *** 13!29.5460.44 imxi 13.74 77.76 1426.7063.56 詛*詛 16.44 83.85 27.87 +** 21.53 81.17 28.6676.82 22.01 79.63 *** 1731.9637.92 43.28 '3E5ES 17.08 92.21 ;82 14.00 67.18 92 12.70 69.35 。!2i;9053 7660 JCl-X2 687。:7:i 注1.分散の同質な二つの平均値間の有意差検定は′ 分散の異質な二つの平均値問の有意差検定はCochran-Coxの法によっ Ilご l て行なった。 2.信頼水準は***--0.1%を示す。 この結果、 20項目とも上位群と下位群の平均点に有意な差が認められた。したがって、モラー ル調査で用いた20の質問の中には削除する項目はみいだせなかった。 (4)内的整合性信頼係数の算出 検査の信頼性は、 ①内的整合性信頼性(internaトconsistency reliability), ⑧平行系列信頼 性(alternate-form reliability), ⑧再検査信頼性(test-retest reliability)の3つのものが 考えられている。ここでは、質問の等質性を検証するため内的整合性信頼係数を求めた。 内的整合性信頼性係数は、項目分析に使用しなかった他の対象群のデータ-から求めるのが正 しい方法であるが、ここでは対象数の都合上、全対象群のデータ-から総得点の分散、および各 スポーツ集団のMoraleについて(竹村) 120 質問項日ごとの得点の分散を算出し(第8表) 、つぎの公式に代入して、内的整合性信頼性係数 (13) rxxを求めたO 7z '.r.r = n- 1 (十掌) ここに、 rxx '.信頼性係数 n :項目の数 cri 各項目ごとの得点の分散 0-.r - 1モ ー,1・定蝣!.ttv">分散 この結果、内的整合性信頼性係数は.88であった。 rxxが0.7以上あれば、その検査は信頼性が 3iI掛E あると考えてよいとされている。したがって,本調査は内的整合性信頼性がかなり高いと考えら れる。 第8表 全対象の各項目および全項目のモラール得点の平均値と分散 項目 10 11 26.67 26.65 26.36 19.25 26.72 20.27 26.65 25.93 24.37 17.79 20.47 3.09 86.20 90.77 49.48 93.61 92.92 84.70 88.60 89.01 88.75 90.34 12 13 14 15 16 17 18 19 20 全項目 20.48 22.75 20.57 22.48 26.67 26.47 23.21 21.62 17.58 478.16 91.63 88.94 90.75 86.90 61.58 74.12 88.02 83.93 85.61 10526.76 なお、今後、他の方法による信頼性の検討を進めることが必要であろう。 要 約 スポーツ集団のモラールに関する一連の研究の第-として、本報告では、スポーツ集団のモラ ール調査の作成を試みたO このため、京都、大阪、奈良各府県下の5大学の男女運動部員251名と兵庫、奈良両県下の8 高等学校の運動部員127名の合計378名を対象とし、 1966年6月から7月にかけて、関係文献およ び体育学・運動クラブ関係者の意見と予備調査の結果、質問紙法による20の項目を選んでスポー ツ集団のモラール調査票を作成し実施した。調査の結果をリッカート法を用いて処理し、最終尺 度を作成してモラール調査とした。その内容を要約すると、およそ次のようである。 (1)リッカート法を検討し、その方法上の欠点を補うために、被調査者を年令、運動部の 試合での強さ、地域などから考慮して抽出した。 (2)モラール調査に用いた20の質問項目は、項目分析の結果、削除するものはみいだされ なかった。 ( 3)モラール調査の内的整合性信頼性係数は0.88であり、 20の質問の等質性はかなり高いと 考えられる。 本研究に御指導・御協力くださった奈良女子大学、丹羽劫昭先生、ならびに調査に御協力いた だいた運動部の監督・選手の皆様に厚く感謝します。 スポーツ集団のMoraleについて(竹村) 文 献 (1)心理学実験指導研究全編1961モラール調査。 「実験とテスト」 、 p.151. (2)正田 亘1966 モラールをめぐる諸問題o 「産業集団心理学」 、朝倉書店、p.280. (3)梅津他編1959 心理学事典。平凡社、 p.242. (4)正戸 茂1953 労働意欲とモラール。 「心理学講座」 、中山書店、pp.23-24. (5)梅津他編1959 前掲書。 p.243. (6) jO理学実験指導研究全編1961 ')ッカート法。 「実験とテスト」 、pp.137-140. (7)村田、日高、松井、石毛1955 社会調査の技術、誠信書房、pp.154-165. (8) ,」n理学実験指導研究全編1961前掲書 p.140. (9)正田 亘1966 前掲書 p.272. (10)兼子 宙1963 経営心理学入門。ダイヤモンド社、pp.202-203. (ll)尾高邦雄1958 現代の社会学。岩波書店、 pp.303-306. (12)岩原信九郎1966 新訂版 教育と心理のための推計学O 日本文化科学社、 pp.180-184. <13) ,j>理学実験指導研究会縮1961前掲書 pp.139-140. (14)大西佐- 1958 jJV理学的測定法。理想社、 pp-88-95. (昭和42年9月1日受理) 121 122 A STUDY ON THE MORALE OF SPORTS Akira Department In order exact state of Physical to manage sports of morale we can evaluate Our present sports group and high basis scale the study morale school group sports morale is findings effectively, group. keenly represents Likert the is most Nara, Japan important some method to grasp or other by the which needed. to construct technique. members through of Education, it Thus, an attempt the club Takemura Nara University were administered was constructed The in Kinki to them Likert area. in June a survery subjects The and to evaluate were 378 university 20 items July, selected 1966. on the The final technique. were as follows'. (1) Item (2) Internal-consistency reliability in the through athletic of pre-tests Main Education, GROUP analysis of the revealed that reliability survey. none of the proved 20 items was inadequate. to be rXx~.88, thus showing the high