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リサイクル・流通

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リサイクル・流通
リサイクル・流通
循環型社会の形成に向け、自動車リサイクルをさらに推進
2000年度は、国内においては循環型社会の形成をめざす新たな法律が制定され、
欧州では使用済み自動車のリサイクルを促進するためのEU指令が発効するなど、
大きな動きがありました。こうした中で、
トヨタは自動車リサイクルの推進に積極的に
取り組み、リサイクル分野では、自動車リサイクル研究所の設立による研究体制の強
化、新型「セルシオ」の製品開発におけるリサイクル性向上などの大きな成果があり
ました。
また、
流通分野では、トヨタ自動車販売店協会が示した環境ガイドラインに則して、
'00年度までに車両、部品、L&F(ロジスティクス&フォークリフト)
、ホーム、レンタ
リースの全販売店が取り組みを開始しました。
副社長・リサイクル委員会委員長
リサイクル
'00年度はこうした蓄積をベースに、
リサイクル技術をさらに高めるため、
新たに豊田メタル(株)内に「自動車
リサイクル研究所の設立による
リサイクル研究体制の強化
国内最新鋭の田原工場、NUMMI
も手がける。'96年から生産環境委員会
委員長、'99年6月、副社長就任ととも
にリサイクル委員会委員長を務める。
開設に取り組みました。
研究所では、各部門間にまたがる
1960年入社以来、生産技術に従事し、
(米国/GMとの共同)の立ち上げなど
リサイクル研究所」
(愛知県半田市)の
トヨタ は 、' 0 0 年 4 月に 公 表した
課題である「解体しやすい車両構造
「新・トヨタ地球環境憲章」と第3次
の研究」
、
「適切で効率的な解体技術
トヨタ環境取組プランに「循環型社会
の研究」などを推進します。また、研
づくりへの積極的な参画」
「その実現に
究成果を社内の設計部署にフィードバ
向けたリサイクル技術の開発とシステ
ックするとともに、解体事業者などに
ムの整備」を掲げています。同時に自
も解体情報を開示し、リサイクルの促
動車業界が目標とする『'15年のリサ
進に貢献していきます。
イクル実効率95%への寄与』を取り
組み方針で明示しました。
研究所は、'15年に自動車のリサイ
クル率を85%から95%に引き上げる
トヨタでは、これまで使用済み自動
という国の目標値の早期達成をめざ
車のリサイクル性向上をめざし、再利
し、'01年4月に稼働を開始しました。
用を繰り返しても劣化しにくい熱可塑
性樹脂 TSOPの開発や 豊田メタル
*
*
(株)と共同で世界初の ASRリサイク
*
ルプラントを稼働させるなどの実績
*TSOP
(Toyota Super Olefin Polymer )
:
トヨタが開発したリサイクル性にすぐれた樹脂。
*豊田メタル
(株)
:
を重ねてきました。
シュレッダー・金属回収を行うトヨタの関連会社。
*ASR
(Automobile Shredder Residue)
:
使用済み自動車の破砕物から金属類を除いた残留物。
主組成は高分子材料。
※ASRリサイクルプラントについては、'99年・'00年
環境報告書「リサイクル」または、ホームページを
ご覧ください。
(http://www.toyota.co.jp/envrep99/pdf/p56_58.pdf)
(http://www.toyota.co.jp/envrep00/pdf/p61_62.pdf)
46
リサイクル・流通
Environmental Report 2001
外装部品取り外し性の検討
自動車リサイクル研究所(愛知県半田市)
■ 自動車リサイクル研究所の位置付け
● リサイクルしやすい自動車の開発・設計
● 自動車リサイクル技術の開発と展開
トヨタ自動車(株)
● リサイクルしやすい部品・材料の開発
● 部品・材料リサイクル技術の開発と展開
部品・材料
メーカー等
リサイクルしやすい
車両設計の提案
液体類抜き取り性の検討
自動車
リサイクル研究所
● 解体しやすい車両構造の研究
● 適切で効率的な解体技術の研究等
解体技術等の情報開示
工具・機器
メーカー等
解体・シュレッダー
業界等
● 効率的な工具・機器の開発・商品化
エンジン足廻り部品取り外し性の検討
■ トヨタ自動車との連携
自動車
リサイクル研究所
リサイクル性
評価分析
●
●
●
●
液体やフロンガスの抜き取り
エアバッグ処理方法
環境負荷物質の取り外し
部品リサイクルの研究
● 解体性の研究など
車両設計部署
リサイクルしやすい車両の開発・設計
技術開発部署
使用済み車両のリサイクル技術開発
トヨタ自動車(株)
47
新型「セルシオ」の
型「セルシオ」のリサイクルに
リサイクル性を大幅に向上
慮した材料の採用
TSOP(Toyota Super Olefin
Polymer)使用部位
■新型「セルシオ」のリサイクルに
配慮した材料の採用
TPU(Thermo Plastic Urethan)
使用部位
TPO(Thermo Plastic Olefin)使用部位
RSPP(Recycled Sound-Proofing
Products)使用部位
リサイクルPP(Polypropylene)使用部位
ケナフ使用部位
(1)最上級車への積極的な
リサイクル材の展開
開発。旧型車より軽量で吸音性にすぐ
(2)天然素材(ケナフ)を
内装部品に採用
れたドアトリムを採用しています。
ケナフは成長が早く二毛作が可能
なため、一般の植物よりも2∼5倍の
自動車メーカーにとって最上級車
従来、
ドアトリムやパッケージトレイ
は、製品に対する考え方や技術レベル
の基材は、木材チップを主原料に化学
CO 2 を吸収するといわれています。
を象徴する特別な存在です。トヨタは
物質を混ぜて製造していました。これ
従って森林資源保護とCO 2の固定に
2000年8月に発売した新型「セルシ
を非木材のケナフ
(アオイ科の一年草)
も貢献しています。
オ」
に、リサイクル技術を積極的に活用
に置き換え、使用済みバンパーを再資
しました。
源化したポリプロピレン繊維と混合・
旧型車で使用していたウレタン材
成形することにより、軽く吸音性のよ
に比べてリサイクル性に優れている新
い基材とする手法をアラコ(株)と共同
TSOP材を前後バンパーやサイドモー
ル・ロッカーモールなど大物部品に採
用し、部品重量も約10%軽減しまし
(3)鉛の使用量を大幅に低減
環境負荷物質の低減では、ラジエー
■ ドアトリムの製造工程
タ、
ヒータコア、
ワイヤーハーネス被覆、
[旧型車]
●
木材
●
[新型車]
●
ケナフ(一年草植物)●
燃料タンクなどから鉛をなくし、鉛
た。また、防音アンダーコート、ボディ
使用量を「'05年末までに1/3以下
シーラー、内装表皮材などで、塩化ビ
('96年比)に低減する」という自動車
業界の自主目標を大幅に上回る1/6
ニルに比べてリサイクル性に優れた
●
材料を開発し、塩化ビニルの使用量を
木質チップ
●
●
ケナフ 靭皮●
以下に低減しました。また、メーターの
バックライトで蛍 光 管 の 使 用を廃 止
旧型車の1/3まで低減しました。
さらに、ラゲージトリムなどには使
●
木質ファイバー
●
●
ケナフファイバー
●
し、水銀の使用量を低減しました。
用済みバンパーからのリサイクル素材
を、ダッシュサイレンサーにはシュレッ
ダーダストからリサイクルした RSPP
*
を採用しました。
接着剤
●
マット化
混合
●
■ 新型「セルシオ」での鉛使用量の低減
使用済み
バンパーから
再資源化した
PP繊維
●
マット化
混合
(g)
2,000
鉛削減対象部品
●
ラジエータ、
ヒータコア、
バッテリーケーブル端子、
ワイヤーハーネスの
被覆等
1,500
1,000
● トリム基材 ●
*RSPP
(Recycled Sound-Proofing Products)
:
使用済み自動車のシュレッダーダストからウレタン
や繊維類を分別してリサイクルした車両用防音材。
48
● トリム基材 ●
500
0
1996年業界平均
セルシオ
リサイクル・流通
Environmental Report 2001
各段階での取り組み成果
1 開発・設計段階
(1)
リサイクル分野の
事前評価システムの推進
'00年度に発売した新型・フルモ
■ リサイクルPETボトルによる
エンジンカバー製造
2 生産段階
使用済み
PETボトル
端材リサイクルの着実な推進
新しいリサイクル技術の開発・
PETボトル再生
PETリベレット材
活用により、'00年度は生産工程で
発生する端材のリサイクルを下記の
デルチェンジの乗用車全7車種の
うち6車種に対して事前評価シス
テムを適用しました。
ように着実に推進しました。
コンパウンディング
PETコンパウンド材
ウェザーストリップゴムは285t
※なお、未適用の1車種「プロナード」は海外生産
('99年度)から114tへ減少し、
車のため、国内生産車を対象とする事前評価
エアバッグ基布は415t
('99年度)
システムには該当していません。
から524tへ、3層表皮インストル
射出成形
メントパネルは46t
('99年度)
から
(2)
リサイクルに配慮した
材料選定と資源の有効活用
60tへ、それぞれ増加しました。
エンジンカバー
※ウェザーストリップゴムのリサイクル技術は
(3)
環境負荷物質の使用低減 '99年環境報告書52ページ
または、
ホームページ
新TSOPを'99年度の
「クラウン」
(http://www.toyota.co.jp/envrep99/pdf/p52.pdf)の
に続いて新型「セルシオ」等に採用
「新型車の鉛使用量を'00年末ま
拡大するとともに、車両用防音材
でに'96年比で1/2以下に低減」
RSPPを'00年度は新たに
「RAV4」
および「'05年末までに'96年比の
「セルシオ」の2車種に展開、累計
1/3以下に低減」
という自動車業
1 4 車 種 2 0 部 位 に 採 用 拡 大しま
界の自主目標を'00年度に投入し
した。
た全7車種で達成しました。
図「廃ゴムの新リサイクル技術」
をご覧ください。
※3層表皮インストルメントパネルのリサイクル技
術は'00年環境報告書58ページ
または、ホームページ
(http://www.toyota.co.jp/envrep00/pdf/p58.pdf)の
図「多層プラスチック表皮の選別システム」
を
ご覧ください。
また、豊田合成(株)と共同で使
用済みPETボトルを射出成形材料
にリサイクルする技術を開発。従
■ トヨタにおける鉛削減状況(鉛使用量は2 Lクラスの乗用車の例)
(g/台)
2,000
来のナイロン製と同等以上の耐熱
対応済部品
性・耐衝撃性を備えたエンジンカ
バーとして製品化し、
「アベンシス」
・バッテリーケーブル端子
・銅製ラジエータ ・銅製ヒータコア
・アンダーコート ・パワーステアリング圧力ホース
・サイドプロテクションモール
・ハーネス類 ・シートベルトGセンサー
・燃料ホース
1,500
「オーパ」
「クルーガーV」に採用し
ました。
鉛
使 1,000
用
量
1,850
50%
展開中
815
500
0
'96
'97
(業界平均)
725
725
'98
'99
705
技術開発中
・燃料タンク ・その他のエンジン部品
・ガラスセラミックプリント ・その他 車体部品
・メータ指針バランサ ・電子基板など
・等速ジョイントグリース
・ホイールバランサ
・電着塗料
'00(年)
49
(3)リビルトパーツの供給
3 流通段階
(1)ニッケル水素バッテリー リサイクルシステムでの回収
トヨタではリサイクル推進や製品
の長寿命化などの観点から、関連
4 廃棄段階
(1)ASRリサイクルプラントに
おけるリサイクル実績
メーカーと協力し、リビルトパーツ
トヨタでは「プリウス」に搭載して
いるニッケル水素バッテリーの回収
を供給しました。
'00年度には、豊田メタル(株)と
具体的には、オートマチックトラン
の共同事業であるASRリサイクル
リサイクルシステムを国内で1998年、
スミッション約2万3,400個、ター
プラントにおいて、使用済み自動車か
北米では'00年7月、欧州ではほと
ボチャージャー約300個、パワース
ら発生するシュレッダーダストから
んどの国で同年11月に構築・稼働
テアリング約1万5,800個、
トルク
RSPPの原料2,620t、銅210t、
しています。
コンバーター約3,800個でした。
ガラス71tを再資源化するとともに
なお、'00年5月「プリウス」のマ
分別・回収した樹脂・ゴム類を灯油の
イナーチェンジにより新しくなった
バッテリーについても、同じリサイ
代替燃料として5,100t活用しました。
(4)中古パーツ販売の展開
クルシステムで回収できる体制が整
っています。
自動車部品のリユース促進のた
め、'00年2月からトヨタ部品愛知共
販(株)で、共販ブランド中古パーツ
(2)廃バンパーの回収・リサイクル
「エコロパーツ」の取り扱いを開始
■ RSPP原材料(ウレタン・繊維類)の
使用量推移
(t)
3,000
2,800
※2,620
2,600
2,480
2,400
2,200
し、'00年度はトヨタ車の外装部品を
販売店で修理・交換した廃バンパー
中心に販売を展開しました。
の回収・リサイクル量は、'00年度で
さらに、幅広い市場ニーズに対応
約54万6,000本(全販売店発生量
するため、eコマース(電子商取引)
の59%)
でした。
1,000
800
400
200
'01年2月より愛知共販によるトライ
(万本/年)
をスタートさせました。
eコマースについては今後、全国
60
54.6
114
135
'97
'98
0
による中古パーツ販売についても
■ 廃バンパー回収・リサイクルの実績
680
600
'98
'99
'00(年度)
※約11万台/月の新車の防音材として適用
■ 銅・ガラスのリサイクル実績の推移
(t/年)
300
共販店で取り組む予定です。
61
50
234
44.7
71
210
200
40
36.1
38.4
30
100
62
20
37
14
'97
71
24
0
10
'98
'99
'00(年度)
■:銅=車両用アルミ鋳物の強化材としてリサイクル。
0
'97
50
61
'98
'99
'00(年度)
■:ガラス=景観用舗装用骨材などにリサイクル。
リサイクル・流通
Environmental Report 2001
(2)
リサイクル実効率向上活動
トヨタはすでに'99年において、
'02年の政府目標であるリサイクル
5 自動車業界での連携・協力
(1)代替フロン回収・
破壊システムの構築
サイクルプラントで達成しました。
また、'00年度の自主目標として
「実効率90%の実用化システム技術
自動車業界では、'99年10月から
「エアバッグインフレータ回収・処理
実効率85%を上回る88%を豊田
メタル(株)との共同事業のASRリ
(2)エアバッグインフレータ
回収・処理システムの試行
カーエアコンの冷媒に使われてい
システム」を試行運用し、継続して関
る代替フロンHFC134aは、'97年
係事業者への説明会等の理解促進
末に温室効果ガスとして削減対象と
および普及に取り組んでいます。
なりました。
トヨタでは、このような業界取り組
の開発」をテーマに掲げ、生技部会
トヨタは、
( 社)日本自動車工業会
みに積極的に参画、協力しています。
を中心に取り組んだ結果、実用化シ
(自工会)
・
(社)
日本自動車部品工業
この結果、同システム利用登録事
ステム技術の目処付けを完了させま
会(部工会)の検討チームに参画し、
業 者 は、当 初 8 0 0 程 度 でした が、
した。
HFC134a回収・破壊システムを構
'00年度末には、計約1,300社に拡
築し、'01年5月から稼動しています。
充されています。
今後は、'15年のEUおよび日本政
府の目標である実効率95%の実用
これは、既に'98年10月から稼動
自動車業界では、同システムの評
化システム技術の開発をめざし、自
している
「CFC12(オゾン層破壊物
価を遂次行い、より良いシステムと
動車リサイクル研究所、技術部会、
質の一つ)回収・破壊システム」をベ
なるよう検討・改善を加えていく予
生技部会などが中心となって、低コ
ー ス に 、今 後 増 加 が 見 込 ま れ る
定です。
ストで用途先の裏付けのあるリサイ
HFC134aについても回収・破壊で
クルシステム技術の開発に積極的に
きるようにシステムを再構築し、充実
取り組んでいきます。
させたものです。
(3)マニフェスト制度の運用
これにより、使用済み自動車から
'00年6月の廃棄物処理法改正に
回収された2種類のフロンガスを破
より、排出事業者責任が大幅に強化
壊できるインフラが構築されたこと
され、'01年4月施行されました。
になります。
自動車業界では、同システムに多
マニフェストの運用が変更された
ことを受けて、自動車業界としては、
くの関係事業者に参加してもらう
使用済み自動車専用のマニフェスト
よう、'01年2月の都道府県単位での
の見直し・改訂を行い、同年4月から
説明会をはじめ種々の理解促進・普
運用を開始しました。
及活動を行っています。トヨタはその
トヨタは(財)自動車リサイクル促
推進メンバーとして積極的に活動し
進センターに協力して、マニュアル作
ています。
成のほか、'01年2月の関係事業者
説明会に講師として参加し、適正な
運用に向けた理解促進活動を行い
ました。
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