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ISO 45001開発に関わるFAQ(PDF)

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ISO 45001開発に関わるFAQ(PDF)
ISO 45001 開発に関わる FAQ
規格開発動向説明会等で多く質問のあった事項について、現時点での回答をまとめました。
今後、状況の変化に応じて適宜変更して更新いたしますので予めご承知おきください。
FAQ<2016 年 6 月 1 日現在>
Q1:現在規格開発はどの段階か?
A1:国際規格原案(DIS)の投票が 5 月 12 日に行われ、6 月 6 日からトロント会議でコメント検討
が行われる予定です。
DIS 投票結果は次の通り。
P メンバー
賛成:40 (P メンバー投票参加:56
40/56 = 71% (判定基準>= 66.66%))
反対:16
棄権:5
全メンバー
賛成:42
反対:16
棄権:9
(全投票参加:58
16/58 = 28% (判定基準<= 25%))
投票結果としては、賛成の割合は 71%と判定基準をクリアしましたが、
反対が 28%で、判定基準の 25%より多いため「不承認」となりました。
【活動予定と実績】
年
ISO/PC283
月
当初計画
20.13.6
実績
国内審議委員会
当該の規格開発を決定
第1回ロンドン総会
第1回ロンドン総会
国内審議委員会設置
第1回委員会開催
エキスパート派遣
2013.12
2014.1
2014.3
2014.4
2014.5
2014.6
2014.7
2014.9
2014.10
WD 回付
WD 回付
WD へのコメント検討
第2回カサブランカ総会
CD 開発開始
国内審議委員会開催
エキスパート派遣
2014.11
2015.1
第3回総会、DIS 開発開始
2013.10
第2回カサブランカ総会
CD 開発開始
国内審議委員会開催
CD 投票開始
CD 可決、コメント対応開始
第1次 CD 回付
CD へのコメント検討
CD は否決
第3回トリニダート総会
2015.3
2015.5
第2次 CD2回付
CD2 へのコメント検討
2015.6
DIS 投票開始
CD2 は PC 内で可決
2015.9 第4回ジュネーブ総会、
コメントへの対応を協
議
2016.2.12 DIS 投票開始
2015.8
DIS 投票期限
2016.5.12 DIS 投票期限
国内審議委員会開催
日本は CD に反対投票
ポジションペーパー送付
国内審議委員会開催
エキスパート派遣
国内審議委員会開催
国内審議委員会開催
日本は CD2 に賛成投票
ポジションペーパー送付
国内審議委員会開催日本
はコメント付賛成投票
年
月
ISO/PC283
当初計画
2015.11
第4回総会、FDIS 準備開始
2016.7
2016.9
FDIS 投票開始
IS 発行
WD:作業原案
CD:委員会原案
DIS:国際規格原案
FDIS:最終国際規格原案
IS:国際規格
実績
2016.6 トロント会議で DIS コ
メントへの対応を協議
国内審議委員会
WG:作業部会
Q2:ISO 45001 の発行時期はいつごろか?
A2:2016 年 9 月の発行を目指していましたが、ISO/PC283 第3回ルワンダ総会の中止、委員会原案
(CD)見直し、規格原案(DIS)見直しの必要等の影響で 9 ケ月程度の遅れが出ています。
2016 年 5 月 12 日締め切りの DIS 投票の結果、否決されたため、2017 年 3 月以降に発行とな
る可能性が高くなりました。
Q3:ISO 45001 が発行された場合に、ILO ガイドライン及び OHSAS18001 にはどのような影響が出る
か?
A3:まだ決まっていません。ILO はこの規格開発にオブザーバーとして参加していますが、この規
格をどのように扱うかについては決定していません。一方、OHSAS18001 の規格の維持運営を
行 う OHSAS プ ロ ジ ェ クト グ ル ー プ も こ の 規 格 開 発 に オ ブ ザ ー バ ー 参 加 し て い ま す 。
OHSAS18001 のまえがきには“この OHSAS 規格は、その内容が国際規格として、又は国際規格
に含まれて発行された時には、廃止される”と謳っておりますが、いまのところ OHSAS プロ
ジェクトグループは正式には何も表明していません。なお、厚生労働省も労働安全衛生 MS ガ
イドラインへの反映の仕方については何も決定していない模様です。
Q4:JISHA 方式適格認定を取得又は OHSAS18001 認証を取得している企業への影響は考えられるか?
A4:現時点では明確な回答をすることができません。当委員会は「労働安全衛生マネジメントシス
テムのあり方」について、既存の法規制及び既存の制度と矛盾しない、さらに労働者の安全
確保のさらなる進展のための要求事項とするよう ISO/PC283 に対して働きかけることを目的
として検討を行っております。認証取得企業の皆様への影響についてコメントする立場には
ありませんので、それぞれの認証機関にお問い合わせいただくのがよいと思います。
Q5:現在、OHSAS18001 又は JISHA 方式適格認定の取得を考えているが、ISO45001 が発行された場
合にこの認証は無駄にならないか?
A5:現時点では明確な回答をすることができません。当委員会は「労働安全衛生マネジメントシス
テムのあり方」について、既存の法規制及び既存の制度と矛盾しない、さらに労働者の安全
確保のさらなる進展のための要求事項とするよう ISO/PC283 に対して働きかけることを目的
として検討を行っております。認証取得企業の皆様への影響についてコメントする立場には
ありませんので、それぞれの認証機関にお問い合わせいただくのがよいと思います。
一般論としては、ISO45001 は現行の法規制及び既存の種々の認証制度と矛盾のない、大きな
変更のない要求事項となることが期待されています。現行の認証制度を利用されることは労
働者の安全確保のために役たつと考えられます。また、認証基準が ISO45001 に変わったとし
ても、技術の進歩、社会通念の変化などは取り入れられる可能性がありますが移行の手順や
期間は別途、認定・認証制度の中で合理的に定められると予想されます。
Q6:OHSAS18001 との差異は何か?
A6:規格の章・節構成などの構造、用語及び定義並びに要求事項の内容に違いがあります。
ISO のマネジメントシステム規格の共通テキストを採用しているため、章構成には大きな違
いがあります。これに伴い、要求事項として、組織の状況の理解などが追加されます。
用語及び定義は、ILO-OSH ガイドラインを取り込んだことで、同じ用語でも定義が異なるこ
とを踏まえ注意が必要です。
worker, workplace, contractor, representative, legal requirement, OH&S
management system, OH&S policy, OH&S objective, hazard, OH&S risk, procedure, OH&S
performance, incident,
要求事項は上記の共通テキストの採用並びに用語及び定義の追加・変更による差異が生まれ
るかもしれません。特に、リスクと機会はマネジメントシステムに関するものと労働安全衛
生に関するものを区別して規定することが検討されています。また、組織は、利害関係者を
特定し、そのニーズや期待を特定しなければならないことなどに注意が必要です。
これらの詳細については DIS 段階で検討しているところです。
Q7:法的要求事項に関わるハザードについては必ずリスク評価しなければならないか?
A7:一般的に、任意の認証では法的要求事項だけでなく組織が必要と認める場合は自主的にリスク
評価すべきです。この点で、認証取得は自ら法順守以外の取り組みが必要な場合があります。
なお、一般論ですが、認定・認証制度では認証の一時停止や取り消しのリスクがあることも
予め理解いただくことが肝要です。
Q8:OH&S 機会がわかりにくいのですが?
A8:職場安全への取り組みで、改善効果が期待できる時期、状況のことを指しています。例えば、
より安全な職場にしようという従業員の意識を高めるため、年頭に社長があいさつで安全へ
の取り組みの意気込みを示すこと。これは、年頭のあいさつという時期、状況を OHS 機会と
して活用する例と考えられます。
Q9:改正労働安全衛生法と規格の要求事項の対比表はあるか?
A9:まだ検討に着手していませんが、いずれにしてもこの規格は法順守が前提です。今後その必要
性も含めて検討します。
Q10:ファミリー規格の開発の予定はあるか?
A10:ファミリー規格の候補については、 Key Performance Factor の規格の必要性の提案があり、
今後検討される予定です。
関連する規格として、CASCO JWG48 にて次の規格を開発中です。
ISO/IEC TS 17021-10 の開発
適合性評価-マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項-第 10 部:労働
安全衛生マネジメントシステムの審査及び認証に関する力量要求事項
また、この規格開発に関連して国際認定フォーラム(IAF)では認定機関の手順文書として
OHSAS18001 認証から ISO45001 認証への移行(immigration)の手順を開発中です。
Q11:この規格開発活動の市場での認知度を上げる工夫をしているか?
A11:次のような対応をしているところです。
・国内審議委員会活動を通じて中央労働災害防止協会殿、建設業労働災害防止協会殿、日本
労働組合総連合会殿、一般社団法人日本経済団体連合会殿、認証機関協議会殿、認定機関
等が会員等の関係者に逐次状況をお伝えしています。
・JSA の機関誌通じて逐次状況をお伝えする。
・JSA のホームページで逐次状況をお伝えする。
今後必要に応じて、認定・認証制度の専門誌又は一般紙・マスコミを通じて、お知らせする
予定です。
Q12:安全衛生優良企業公開制度との関係は?
A12:現時点では明確な回答をすることができません。安全衛生優良企業公表制度ではその「安全
衛生優良企業公表制度認定基準解説書」において、項目ごとに対応する JISHA 方式適格認定
基準に言及しています。JISHA 方式適格認定を取得している場合は評価点が加算されますが、
この規格に基づく認証については中央労働災害防止協会にお問合せ下さい。
Q13:OH&S リスクの定義について、事象の発生の可能性と健康被害の重大性の組み合わせとしてい
るが、健康被害の可能性について言及されていないのはなぜか?
A13:
“労働関連の有害事象又は暴露の確からしさ”に含まれていると考えられます。
Q14:今後の OHSAS18001 又は ISO45001 の認証の普及の予測とその要因について教えてほしい。
A14:これまで OHSAS18001 認証登録は緩やかな伸びを継続していましたが、OHSAS18001 の ISO 化の
動きを受けて親会社や海外顧客からの要請を受けたり、仕事量増加に伴って災害が起きて行
政指導を受けた企業の関心が増えてきたり、認証登録を考える企業が増えているようです。
Q15:健康障害について改正労働安全衛生法ではメンタルヘルスへの取り組みを規定しているが、
個人情報保護法の観点からはこの情報を審査に提供できないのではないか?
A15:プライバシーにかかわる情報でなくとも、例えば統計データで傾向を審査できると考えます。
Q16:JIS 化についての計画はあるか?
A16:中央労働災害防止協会(JISHA)では平成 28 年度の JIS 公募制度を利用して、この規格の JIS
開発のための委員会を設置し検討を進めています。詳細については中央労働災害防止協会に
お問い合わせください。
Q17:力量規格が発行された場合、審査員評価登録についての活動はどうなるのか?
A17:当委員会は「労働安全衛生マネジメントシステム規格」の仕様についての議論をしておりま
す。 審査員評価登録については、関係機関にお問い合わせください。
Q18:マネジメントシステム規格の共通テキストを採用しているので、ISO 45001 認証でも OH&S マ
ニュアルが要求されていないと考えてよいか?
A18:ISO 9001 又は ISO 14001 の要求事項の規格の 2015 年改訂と同様に、OH&S マニュアルなどは
要求事項には明記されていません。
しかしながら、認証制度において、効率的な審査のために認証機関が自らの責任において
「OH&S マニュアル」を要求することはあり得ます。各認証機関にご確認ください。
なお、このようなマニュアルがあれば組織の新人教育、力量評価、顧客への説明にも便利で
ある利点にも留意してはいかがでしょうか?
以上
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