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von Hippel
Kobe University Repository : Kernel Title von Hippel-Lindau病患者の遺伝子異常と表現型(Genetic analysis and phenotype in von Hippel-Lindau disease) Author(s) 高橋, 健太郎 / 飯田, 啓二 Citation 神戸大学医学部紀要=Medical journal of Kobe University,65(1/2/3/4):35-42 Issue date 2005-03 Resource Type Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 Resource Version publisher DOI URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/00422386 Create Date: 2017-03-30 3 5 v o nH i p p e l L i n d a u病患者の遺伝子異常と表現型 高橋鍵太蕗,飯田魯二 神戸大学大学院医学系研究科志用分子医学講座 内分泌代謁・神経・互E 液謹凄内科学 連絡先:高橋健太郎 神戸大学大学院医学系研究科 ,t0舟分子医学講座 内分泌代謝・神経・互E 液瞳虜内科 干6 5 0 0 0 1 7 神戸市中央亙橋町 7-5-2 電話:0 78-382-5885 FAX:078-382-5899 (平成立年 1月2 0日受付) 要 約 様々な遺伝子変異が同定されてはきているが,遺伝子 型と表現主とむ棺関について;まいまだ十分には暁らか v o nH i p p e 1 L i n d a u( V H L )病は車管芽麗,腎透明 でない。今@],私たちは当科 i こて解析し遺{云子変異が VHL家系についてその遺伝子型と表現型 結胞癌,褐色細胞腫,捧謹蕩,精巣上体嚢胞腫,など 同定された の腫壌が多発する常染色体費性遺伝の家族性腫凄症侯 の関連を調べた a VHL遺伝子がそり原菌遺伝子とされてい VHL窮が疑われる 4 家系 2 2名の患者 i こ対し遺{云子解析を行なった。 VHL 遺伝子の β s h e e t領域のナンセンス変異む症例では褐 の表現型を示し, 色結胞撞を伴わない VHL病タイフ。 1 αdomainのミスセンス変異の家系では褐色紹胞腫 を伴う VHLタイプ 2であり,現報む所見を確認でき 兄に大揚癌がある。長男が十二指揚撞蕩にて他院を受 た。また,新規変異を同定した家系 1では,褐色細胞 診した轄に腹部 CTにて偶然に右副腎彊大を指擁され 腫l こ加えて肝血管彊の合併を晃出した。最近 VHL遺 た。高血正が島り精査の結果,褐色細起腫と診断され 缶子のノックアウトマウスで高率に軒血管腫を発症す 副腎摘出訴を抱行された。父親である当患者も高血圧 VHL痛で肝血管 を指摘された既往があったため家族性揚色縮胞腫の可 群であり, 症 る。今回我々は,当科において ることが報告された。今までヒト 0) VHL遺伝子変異の種類と肝血管彊合併の関 症到は 6 6 義男性。主訴は頭重感。 5 6 歳顎,検診で高 血圧を指描されたが放置していた。家族墜では 3人の 7 歳頃より頭重惑が出現し, 副膏重大を指捕された。 5 70/100mmHgと高値を指摘されたため α1ブ、ロッ 血圧 1 連について注意深く観察し分析することは病態のメカ カーの舟張加療が開始され,約 lケ丹後精査芭的にて ニズム解明に重要であると恵、われる。 当読紹介入龍となった。 一冨 緒 【家系 1】 能性に対して近医で腹部 CTを施行されたところ南側 1 日が呈出されたこ 彊合併の報告は之しいが,今田合併{7 とより, 夢 日 6 6 c m。 体 重 5 7 k g。 血 正 1 4 4 / 入読時現症は,身長 1 92mm 五g(捧圧煎内服下〉。脈拾8 4 / 分,整。体温 3 6 . 0 O C。眼球結膜限強結膜異常な Lo頚部異常なし。肺音 VHL痛は縄膜串管芽塵,小脳や脊髄など中枢神経 清。や吾靖。腹部平控軟弱。肝担稗触知せず。表在 系の血管芽腫,腎透明組組癌,掲色結抱腫,醇腫凄, 精巣上体嚢胞腫などの腫蕩が多発する常染色体優性遺 1 ) ンパ鮪触知せず。皮膚は湿潤しやや発汗過多傾向を 伝の家族性腫凄症候群である(1)。家族性腫虜症候群に 示す。四肢,神経学的所見異常なし。血中および尿中 おいて近年次第にその原l1SI遺缶子が明らかにされてき カテコラミン笹はアドレナリンにくらべノノレアドレナ VHL梼についてもその諜国遺伝子 ( V 豆L リン憂位であった〈表 1)。腹部 CTで辻右麗腎が径 遺伝子)が同定され遺伝子診断が可能になってきた〈 2 L 約 2cm ,左副腎が径約 4cmに腫大(函 1)肝臓には ているが, o nH i p p e 1 L i n d a u病,家族 註撞蕩,遺{云子解析,肝血管患褐色縮抱腫 【キーワード] v J (35) 3 6 肝血管麗を認めた(菌 2)0 l3lI-MIBG( m e t a i o d o b e n z y 1 9 u a n i d i n e ) シンチグラフィーにて右副腎に一致した 集積を認めた(国 3)。 図1. [症関1]の褐色細抱霊 腹 部 CTにて右自腎は径 2cm 左副腎辻窪 4cmに彊大 している。 図3 . [症例 1 】の郎I-MIBG シンチグラフィー 右副腎に一致して集積を認める。 時血糖 219mg/dl,食後 2時間血糖 347mg/d1と高値 12.9%で、糖尿病をみとめた。空腹時 を示し, HbA1c I R I( 4 . 0 9 . 2 ) 5.1μU/ml,空腹時血清 CPR 0.2- .【症例1]の肝血管彊 図2 2 . 0 ) 2.0ng/ml,抗 GAD抗体(一)でるった。眼底 腹部 CTにて径1.5 c 泊及び、窪4cmの肝血管腫を認める。 検査では網膜の畠苦彊をみとめた。(菌 4) 腹部 CT上,多発性の葬嚢抱(函 5) 及び左腎の腎 E 家系 2] 撞虜〈図 6)を認めたむ 症例は 3 0 義男性。主訴は左上肢しびれ惑。家族壁で は父が糖累病と目出血管芽腫で VHL病と診断されてい 9 9 5 年肺炎 i こて近医受診の際に辞職と腎識に謹癌 る 。 1 を指描され,その時,糖尿病も指捕された c 麗癌詰精 査を受けるも悪性で i まないとのことで経過観察となっ 9 9 9 年 3月,惑冒謙症状にて近藍受診した際, ていた。 1 再度糧尿病指描されインスリン導入自的にて近医入混 。 体 重 60kgo となった。入院時現症辻,身長 170cm 血圧 110j80mmHg 8 / 分,整。神経学的所見で, o 脈拍 8 左上肢深部礎反駐低下,左アキレス縫反射完進,左 Babinski反射陽性,左 C4--C8 韻域の知覚障害,南下 肢深部知覚の抵下を認めた。握力は右 30kg,左 13kg と左復位の垂下を認めたが下肢筋力低下辻認めなかっ 図4 .【霊例 2 】の嬬膜血管腫 た 。 Romberg徴侯や f a s c i c u l a t i o nも認めなかった。 尿検査で辻京糖を認め,血液生化学検査では,空襲 (36) 3 7 高島圧及び左の副腎腫大を指摘a 眼震検査で網膜血 管彊も指摘された。褐色細胞麗として左爵腎摘出をお こなった O 症関 ( 3 5 ) は49歳女性。症関 (3-1)と (3-訟 の妹。他院にて葬麗蕩を指摘されていた。兄たちが V五L病と診断されていたため当読にてむ遺伝子診断 を希望し来院。 E 草彊虜については描出誌がおこなわれ n e u r o e n d o c r i n etumorと診断された (3)。 【家系 4】 2 議女性。既往歴に右眼未熟児縄摸症がある。 症例誌4 図5 .【症例 2 ] の拝嚢腹(造影 CT) 家捺霊として親族に褐色細路建蕩と脳撞壌が多発して VHL病といわれているとのことで遺伝栢談目的で来 28/82mmHg, 探 説。特に巨覚症状はなし 1。血圧も 1 拾7 2 / 分と正常。身体所見所見上も異常なし。家族歴 があること及び本人の希望により遺伝子検索を行った。 その結果変異が発見されたため,スクリーニング検査 をおこなった。腹部エコーで辻再腎に腎嚢胞をみとめ るが爵腎の腫大等は詣摘されず。 RI上,小脳虫部背劉から上部頚髄背側に 頭頚部 M 9X10x17mm, 第 3頚椎レベルの脊髄に 1 0x6x1 5 m m大の T1強語画像で{墨書号, T2強調彊像で高岳 号を呈する嚢胞性清変を認め小脳及び脊髄の血管謹 図6 . [症例 2 】の腎縮担寝〈造影 C T) ( 図 7,8 ) と診断された。現在,魁神経外科にて経過 麗察中である。 【家系 3] (3-1 )t ま5 4 議男性。家族歴は父が心筋梗塞, 7 援に肺結核, 3 7 歳に左副 母が総胆管癌。現往霊は, 1 症例 腎腫蕩描出街を諸行したが撞壌の種類や性状など詳細 は不明。定期鍵震診新持の X隷写真で偶然右横揺膜下 の石炭化を指摘された。援部 CTで石炭化を持う右副 こて入院となった。内分泌 腎腫蕩が認めちれ精査自的 i 学的異常詰認めなかったため経過観察となっている C 症 例 。2 ) 詰2 0 議女性で症例。-1)の長女。高 血圧を近医で詣摘されたことからさき院受診。内分泌学 的検査にてノルアドレリン優位のカテコラミン上昇を こでも南側の副腎麗大を みとめ〈表 1)また接部 CT! みとめ褐色細胞腫と診断され南側副腎描出術をおこなっ 7 こ 。 ( 3 3 ) は5 1議男性で症例 (3-1)の弟。 検診にて腹腔内石炭北を指捕され腹部 CTで左副腎 症例 腫壌を認めた。内分泌学的検査でやはりカテコラミン 1 3 1 I _ M I B Gシンチグラフィー では胸腔内集撞をみとめ MRI上心臓背面に腫虜を認 上昇をみとめた。しかし, 密7 . 【症例 4 ] の小脳血管芽謹 めた c 左副腎と麹部撞凄の描出を行いそれぞれ褐色細 胞腫とパラカ、、ングリオーマと診断された。 症 例 。4) は2 0 歳男性で症例 ( 3ーのの次男。 (37) 3 8 なった。家系の遺缶子解析には PCR-RFLP法を用い f 。 こ 結 果 【家系 11 1 5 4 番目のコドンの塩基が CCAが TCAとなり,コー ドされるアミノ酸がプロリンかちセリンに変化するヘ テロ接合体のミスセンス変異を同定した。 【家系 2] 1 1 3 番目のコドンの塩基が CGAが TGAとなり,コー ドされるアミノ酸がアルギニンからストップコドンに 変化するヘテロ接合体のナンセンス変異を同定した。 家族の遺伝子解析については,同意が得たられず本人 以外の検索は行えなかった。 法 方 【家系 3] 1 6 1番自のコドンむ塩基が CCAが TCAとなり,コー ドされるアミノ酸がプロリンかちセリンに変化するヘ 遺伝子解析 テロ接合体のミスセンス変異を再定した。 患者本人及びその家族に文書によるインフォームド・ コンセントを得て, VHL遺伝子の解析を行なった。 【家系 4] 解析については神戸大学大学院医学系研究科医学論理 1 6 7 番目のコドンの塩基が CGGが TGGとなり,コー 委員会の承認を得た。方法試,末構血白皇球よちゲノム ドされるアミノ酸がアルギニンからトリプトファンに DNAを揺出し ( W i z a r d Genomic D主A P u r i f i c a t i o n K i t,Promega,#A1120) VHL遺伝子を構成する 3 変化するヘテロ接合体のミスセンス変異を同定した。 つのエクソンそれぞれについて,エクソン/イントロ こついて表 2にまとめた。変異が同 遺伝子型と表現型 i ン境界部を含むように PCR法で増幅,精製後直接シー こ霞示した。 定されたアミノ酸の位置を図 9I ABIPRISM3 1 0 クヱンス法で塩基記列を決定した。 ( G e n e t i cAnalyzer,A p p l i e dB i o s y s t e m s ) 考 察 直接シークエンス法で変異の認められた配列につい RFLP C r e s t r i c t i o n て,さらに制限欝素を用いた PCRfragment 1 e n g t h polymorphism) 法で確認をおこ VHL遺{云子詰, 1 9 9 3 年L a t i fちによって v o nH i p p e l L i n ( お u痛の東西遺{云子として染色体第 3番の短腕の 表 1 褐色綿胞謹を認めた症例のカテコラミン僅 単位 n g / m l n g / m l ド -/~ ミン n g / m l μg/day 尿中アドレナリン ノルアドレナ 1 )ン μ g/day ド -/~ ミン μg/day mg/day メタネフリン ノルメタネフ 1 )ン m g/day mg/day VMA 車中アドレナリン ノルアドレナリン 基準{直 > 0 .1 7 0.15-0.57 く0 .03 1 2 3 29-120 1 0 0 1 0 0 0 0.05-0.20 8 O .1 0 02 1 .3 4 .9 ‘ 症例 1 0.18 4 . 2↑ 0.03 1 6 . 5 4 5 2i 6 6 0 0.12 0 . 7 1i 7 . 0↑ (38) 症 例3 2 症O1 J 3 3 症 例3 -4 0.04 3 . 6i く0 .02 3.4 9 0 5i 7 5 0 0 . 0 3 2 . 1i く む. 0 2 9 . 6 4 8 8↑ 5 0 0 O .1 1 0 . 9↑ 4 . 3 0 . 1 5 7 . 2↑ く0 .02 98.8 3040i 1 1 0 0i 0.62 1 4i 4 0 . 1i 1 9 . 5i 3 9 β ドメイン α ドメイン 1 コドン 114 1 副司 エクソン 1 155 エクソン 2 I 213 岡田 エクソン 3 j↑ 人 R113X 匿9 .変異とその位置 中心的転写因子である h ypoxiai n d u c e df a c t o r1 α ) 0 VHL蛋自の異常詰 (HIF-1α) が同定されているく 7 込 じ 低滋素下 、~ ~ HIF-1 1J~分解 されず過剰に なる VEGF E . 1 . V 血管新生 )ガーゼ活性を低下させる,あるいは五I F ユビキチン 1 同 1 α との結合を抵下させることにより, HIF-1蛋白の 分解を担害し,このことが VHL病の血管増殖を伴う 謹蕩発生機序の一部になっている可能性が考えられ るくへそれによると βsheet講造に富む N 末端側の 番 )βdomainと呼ばれる部 アミノ酸残基 (63-154 155-192番)から 分と αhelixに富むアミノ酸残基 ( プロテアソーム分解 図 10.VHL蛋自の機能 なる αdomainと呼ばれる部分があり, VHL蛋白は αdomainの大部分と βdomainの 一 部 を 介 し て e l o n g i n Cと結合する。一方, HIF等 の 基 質 と は β p 2 5 . 3に存在する事が明らかにされた ( 2 ) 0 VHL遺伝子 domainを介して結合する〔図 1 0 ) 0 VHL病 は , 褐 色 3 9塩基対 の翻訳領域は計 3舘むエクソンよりなり, 6 縮抱聾む有無により,伴うものをタイプム伴わない 2 1 3アミノ酸残基からなる成熟蛋由貿をコードしてい ものをタイプ Iと分類している (9)。興味深いことに, る 。 VHL遺伝子は癌抑制遺伝子として掻くと考えら これまでの報告ではナンセンス変異やフレームシフト 2 ) VHL遺伝子異営による撞震発生の機序 れており ( を引き起こすような,すなわち VHL蛋自の大部分が i t theoryで説明され はいわゆる Knudsonの twoh 欠損するような変異では, VHLタイプ 1の表現型を ている。すなわち,生殖細担変異として VHL遺伝子 きたすことが多く,一方 αdomainにおける点変異 に異常があってもそれだけでは発症せず,さらに体細 の場合;こ,褐色纏胞腫を含む VHLタイプ 2の表現型 脂変異が重なることにより V五L遺伝子の癌抑制遺伝 をきたすことが多いことが報告されているが,詳細な 子としての機能が失われ謹蕩が発生すると考えられて 機序についてはいまだ不明の部分が多い (9ー!l)。今回私 いる〈九私たちが解析した症到においても,同定した たちが報告した症例においても,家系1, 生撞紹胞変異はすべてヘテロ接合体変異であった。 すように, 3, 4~こ示 αdomainにおける点変異を有する家系 VHL蛋白の機能については近年急速に解析が進ん ではいずれも褐色細胞腫を発症し,そ C うち家系 lで l o n g i nC と e l o n g i nB と できている。 VHL蛋白は e 需定された変異は新規変異であった。対照的に家系 2 u l l i n 2蛋白, Rbx1と結合 複合体を形成しさらに c に示すように βsheet鎮 域 に お け る ナ ン セ ン ス 変 異 )ガーゼとして働くこと この複合体がユピキチン 1 の鍔で詰腎細胞癌や血管腫を多発しているもりの褐色 し , によりユピキチンプロテアソーム系む蛋白分解系を動 細抱撞は認められなかった。ただし,嬬摸血管腫や小 かすと考えられているく 5. 6 ) 0 VHL蛋自は基霊認識サ E 歯車管芽彊は βsheet領域むナンセンス変異でも α プユニットとして簡き,その基費として低酸素応答の domainの点変異でも認められていることから, VHL (39) 40 表 2 遺伝子変異と表現型 2 3 4 P1S4S Rl13X R161Q R167W →TCA CCA CGA →TGA τCG→ 丁τG CGG→TGG 褐色組鹿麗 褐色紐抱握 家系 遺伝子変異 表現型 掲色細胞腫 捧嚢胞 5 華嚢抱 網膜血管麗 網膜血管腫 小魁血管芽腫 小脳血管芽腫 脊髄血管芽腫 脊髄血管芽麗 警細臆癌 肝血管麗 〈略号 傍神経節題蕩 P : P r o l i n e, S : S e r i n e, R : A r g i n i n e, Q:Glutamin, W:τryptophan, X:STOP) ムによることが今西の私たちの症例から示唆される。 i こVHL痛と診断されている症掲の中に軒血管腫が見 落とされている可能性もあると思われる。 VHL病の また, VHL病における掲色締結撞は,通常の褐色細 こ注意を払い,遺{云子変異との なかで肝血管腫の存在 i j レアドレナリン優位にカテコラミン 胞腫と異なち,ノ ル 関連が明らかになれば v onH i p p e l L i n d a u病の表現 2 が上昇することが報告されているが(Jロベ 型と VHL遺伝子各部位との関連,さらにその表現型 おいても詞様の{額項向を示した(表 2 λ ) 。すなわち, ノ を示す分子機構の解明につながる可能性もある G 病における由管麗と褐色縮抱腫の発生は到のメカニズ ルアドレナリン擾泣のカテコラミン増加の患者に遭遇 謝 した場合, VHL病を念頭において他の臓器の病変換 辞 索をすることが必要と患われた。 こ対する動物モデルとしてノッ 一方最近, VHL病 i 本研究に当たり,御指導賜ちました神戸大学大学院 クアウトマウスの作成が行われているが VHL遺伝子 塁学系研究科応用分子医学講産内分泌代認・神経・血 3 )0 C r e l o x Pシス のホモ接合体は踏生致死であった(1 披腫凄内科学の千原和夫教授に深謝いたします。当研 テムを用いた VHL遺長子のヘテロ接合体モデルマウ 究室の研究助手,緒方智夏さん,井村香代さん,竹内 スでは,興味深いことにヒトとは異なり網膜畠管撞, 加奈さんに深謝致します。また症鰐む梅紹介をいただ 中枢神経系の車管芽撞,腎細胞癌は発生せず,マウス きました,市立小野市民病説内接誠三先生,神戸逓信 モデルではヒトむ VHL病ではまれな肝血管彊が発生 申し上げます。 病院猪俣純枝先生に御率 L したことが報告されている (1生ヘ肝血管麗自体は通常 文 疾患として開題となることは少ない一方,いわゆる提 献 常人おいてもしばしば散晃されることよりその病的意 義が乏しいためであると考えられる。しかしながちノッ クアウトマウスの表現聖を見てみると肝血管麓も VHL痛に関係する蔚変である可能性は十分に考えら れる。今田,症例 1の家系において VHL病の新規変 異をみつけたがその症関においては肝血管腫蕩をみと めた。調べ鐸る範屈ではこれまで肝由管麗と VHL遺 伝子の変異の相関 i こついてはほとんど報告がなく,私 たちも一割!のみ 5報告なので今後の症例の集積が必要 であるが,無症候であることなどのために,いままで 1) Linehan, W, Mけ工Arman, M., . 1 Z bar, B . : I d e n t i f i c a t i o no ft h evonH i p p e l L i n d a u(VHL) g e n e .I ts r o l ei nr e n a lc a n c e r . JA 1 ¥ 在A 2 7 3 : 5 6 4 5 7 0,1 9 9 5 . 2) L a t i f,F .,Tory,K . , G narra,J .,Yao,1 ¥ 正 , Duh, F.M.,O r c u t t,M.L.,S t a c k h o u s e,T .,Kuzmin, , . 1 Modi,W.,G e i l,L .,Schmidt,L .,Zhou,F ., L i,H .,Wei,H .,Chen,F .,Glenn,G .,Choyke, P .,Walther,M.M.,C r o s s e y,P .A . , F e r g u s o n - (40) 4 1 Smith, 羽 . A . ,P a s i l e r,D .1 . , Chumakov, , . 1 Cohen, Maher,E . R . , R i c h a r d s,F .五I I .,C rossey,P . A ., D .,C h i n a u 1 t,A . C .,Maher,E . R . ,L i n e h a n, 百T . M ., Webster,A.R . , A ffara,N.A.,Ferguson-Smith, Zbar,B . , Lerman,M.1 . :I d e n t i f i c a t i o no ft h e M.A . , Brauch, H., G 1avac, D ., Neumann, von H i p p e l L i n d a ud i s e a s e tumor s u p p r e s s o r H . P .,Tisherman,s .,Mulvihill,J.J.,Gross, g e n e .S c i e n c e2 6 0 :1 3 1 71 3 2 0,1 9 9 3 . D . J ., Shuin, T .,Whaley,J .,S e i z i n g e r .B . , Kley,N .,Olschwang,S .,B o i s s o n,c .,Richarえ ida,K . , Okimura,Y .,Takahashi,K . , Inomata, 3) I S .,I g u c h i,G .,K a j i,H .,Chihara,瓦.:A v a r i e t y o fphenotypewithR161 免 germlinemutation S ., L i p s,C.H.M., Linehan, W M 五 在 . :G er 了 宅Y 官 I 立 m 古 註 1 五 i n 工em utationsi nt h e Von Hi 中 ppe 吐1 - o ft h e von H i p p e l L i n d a u tumor s u p p r e s s o r L i 出 ndaud i s e a s e( V l 巨 王υ L . J )g ene 出n 臼 f a悶 i 出 1 五 1 e 凶sf rom g e n ei nJ a p a n e s e kindreιInt J Mol Med North America, Europe, and Japan, Hum h 在u t a t8 : 3 4 83 5 7,1 9 9 6 . 1 3 : 4 0 1 4 0 4,2 0 0 4 . 目 4) Knudson,A.G .,J r .,Strong,L . C . :Mutationand 1 2 )E i s e n h o f e r,G .,Walther,M.M.,Huynh,T . T ., c a n c e r :n e u r o b 1 a s t o m a and p h e o c h r o m o c y t o m a . L i, S . T ., B o r n s t e i n, S .R . , Vortmeyer, A ., A mJHumGenet2 4 : 5 1 4 5 3 2,1 9 7 2 . M a n n e l l i,M.,G o 1 d s t e i n,D. 8 . , Linehan,W.M., 5) I w a i,K .,Yamanaka,K . , Kamura,T .,Minato, L e n d e r s,J . W .,Pacak,K . :P heochromocytomas N .,Conaway,R.C .,Conaway,J .百 人 , K lausner, i nvonH i p p e l L i n d a usyndromeandm u 1 t i p l e R .D ., Pause,A . :I d e n t i f i c a t i o no ft h e von e n d o c r i n en e o p l a s i at y p e 2d i s p l a yd i s t i n c t H i p p e 1 l i n d a u t u m o r s u p p r e s s o r p r o t e i n a s b i o c h e m i c a 1 and c l i n i c a 1p h e n o t y p e s .JC l i n p a r to fana c t i v eE3u b i q u o t i nl i g a s ec o m p l e x . ¥ 在e t a b8 6 : 1 9 9 9 2 0 0 8,2 0 01 . E n d o c r i n o lJ ProcN a t lAcadS c iUSA9 6 : 1 2 4 3 6 1 2 4 4 1,1 9 9 9 . 1 3 ) Gnarra, J .R . , War え J.M., P o r t e r, F . D ., 6) Kamura, T ., Koepp, D.M., Conrad, M.N., Wagner, J .R . , Devor, D .E . , G rinberg, A ., Skowyra,D .,More1and,R.J .,I li o p o u 1 o s,0 ., Emmert-Buck,M.R . , Westphal,H.,K lausner, Lane,W.S.,K a e l i n,W.G.,J r .,E l l e d g e,S . J ., R .D ., Linehan, W.瓦I I . : D e f e c t i v e p l a c e n t a l Conaway, R.C ., Harper, J.W., Conaway, v a s c u l o g e n e s i sc a u s e s embryonic 1 e t h a 1 i t yi n J . W . : Rbxl,acomponento ft h eVHLtumor V H L d e f i c i e n tm i c e .ProcNatlAcadS c iUSA s u p p r e s s o rcomplexandSCFu b i q u i 七i nl i g a s e . 9 9 7 . 9 4 : 9 1 0 2 9 1 0 7,1 1 4 ) Haase,V.H.,Glickman,J . N .,S o c o l o v s k y,M., S c i e n c e2 8 4 : 6 5 7 6 6 1,1 9 9 9 . J a e n i s c h,R . :V ascu1artumorsi nl i v e r s with 7) Maxwell,P . H .,Wiesener,M.S.,Chang,G.W., C l i f f o r d,S . C .,Vaux,E .C .,Cockman,M.E . , t a r g e t e d i n a c t i v a t i o n o f t h e von H i p p e 1 - Wykoff, C . C ., Pugh, C.W., Maher, E .R . , Lindau tumor s u p p r e s s or . Proc N atl Acad R a t c l i f f e,P . J . :Thetumours u p p r e s s o rp r o t e i n S c iUSA9 8 : 1 5 8 3 1 5 8 8,2 0 01 . VHL 七a r g e t sh y p o x i a i n d u c i b l ef a c t o r sf o r 1 5 ) Ma,W.,T e s s a r o l l o,1 . , Hong, S .B . , Baba, oxygen-dependentp r o t e o 1 y s i s .Nature3 9 9 : 2 7 1 - M.,Southon,E . , Back,T . C .,S p e n c e,S .,Lobe, 2 7 5,1 9 9 9 . C . G .,Sharma,N.,Maher,G.W.,Pack,S ., 8) S t e b b i n s,C .E . , K a e l i n,W.G.,J r .,P a v l e 七i c h, Vortmeyer,A.O .,Guo,C .,Zbar,B . , Schmidt, N . P . :S t r u c t u r eo ft h eV豆L E l o n g i n C -E 1 0 n g i n B L . S . :H e p a t i cv a s c u l a rtumors,a n g i e c t a s i si n c o m p 1 e x :i m p 1 i c a t i o n sf o rVHLtumors u p p r e s s o r m u l t i p l eorgans, andi m p a i r e ds p e r m a t o g e n e s i s f u n c t i o n .S c i e n c e2 8 4 : 4 5 5 4 6 1,1 9 9 9 . i n mice with c o n d i t i o n a 1i n a c t i v a t i o no ft h e VHLg e n e . CancerRes6 3 : 5 3 2 0 5 3 2 8,2 0 0 3 . 9) 執印太郎,蓮田真吾,矢尾正裕,菅野洋:【遺伝 性腫蕩症】 責任遺伝子,発症機構,臨床痛理学 的特徴 VonH i p p e 1 L i n d a u病. 日本臨床 5 8 : 1 4 5 4, 2 0 0 0 . 1 0 ) Germlinemutationsi nt h evonH i p p e 1 L i n d a u d i s e a s e (VHL) g e n e i n Japanese VH1 . C l i n i c a lR e s e a r c h Group f o r VHL i nJ a p a n . HumMolGenet4 : 2 2 3 3 2 2 3 7,1 9 9 5 . 1 1 ) Zbar,B .,K i s h i d a,T .,Chen,F .,Schmidt,L ., (41) 4 2 G e n e t i ca n a l y s i sandphenotypei nvonH i p p e l -Lindaud i s e a s e e i j iI ida KentaroTakahashi,K D i v i s i o no fE n d o c r i n o l o g y J M e t a b o l i s m,N e u r o l o g y,a n dH e m a t o l o g y J O n c o l o g y,D e p a r t m e n t n i v e r s i t yG r a d u a t es c h o o lo fM e d i c i n e o fC l i n i c a lM o l e c u l a rM e d i c i n e,KobeU ABSTRACT もe df a m i l i a lc a n c e r syndrome, Von H i p p e l L i n d a u (VHL) d i s e a s ei s a dominantly i n h e r i c h a r a c t e r i z e d by r e t i n a l, s p i n a l, and c e r e b e l l a r haemangioblastomas, c l e a r c e l l r e n a l a n c r e a t i c tumors,and endolymphatic s a c tumor t h a ti s carcinomas,phaeochromocytomas,p a s s o c i a t e dwithagerml i n emutationo ft h eVHLg e n e . We performed g e n e t i ca n a l y s i si np a t i e n t s with VHL d i s e a s e and t h e i rf a m i l y members, andi d e n t i f i e d4d i f f e r e n tmutationso ft h eVHLg e n e . a t i e n t s with nonsense mutation a tt h er e g i o ne n c o d i n gt h eβ As d e s c r i b e dp r e v i o u s l y,p s h e e t showed t y p e 1 VHL d i s e a s e without pheochromocytoma (PHE) whereas t h o s e with . m i s s e n s emutationa tt h er e g i o ne n c o d i n gt h e αdomainshowedt y p e2phenotypewit hPHE I na d d i t i o n,wei d e n t i f i e dan o v e lm i s s e n s emutation( P 1 5 4 S )i nf a m i l y1 .I ti so fi n t e r e s tt h a t sw e l la sPHE .AlthoughHH oneo ft h ef a m i l ymembersshowedh e p a t i chemangiomas(耳目)a e t e r o z y g o u sv h lgened i s r u p t e dmice i snotr e p o r t e da saphenotypeo fVHLd i s e a s es of a r,h u g g e s t i n gt h a t HH may b e one t h e phenotype o f VHL ( v h l + / m i c e ) demonstrated HH,s d i s e a s ee v e ni nhuman. Codon 1 5 4i sl o c a t e da tt h eboundarybetween αand βdomain o f h ef i n d i n gi nourp a t i e n t ss u g g e s t st h a tHHmayb eoneo f t h eVHLp r o t e i n .I nsummary,t t h e phenotype o f human VHL d i s e a s e and may p r o v i d e n o v e l i n f o r m a t i o n about genotype-phenotypec o r r e l a t i o ni ntermso fh e p a t i chemangiomai nhumanVHLd i s e a s e . (42)