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Cisco Unified Communications システム リリース

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Cisco Unified Communications システム リリース
CH A P T E R
23
シスコの音声メッセージング
この章では、Cisco Unified Communications システムで利用可能な音声メッセージング ソリューショ
ンについて説明します。この章では、シスコの音声メッセージング製品である Cisco Unity、Cisco
Unity Connection、および Cisco Unity Express を取り上げ、これらの製品を Cisco Unified
Communications Manager(Unified CM)と共に配置するための設計ガイドラインとベスト プラク
ティスを説明します。また、この章では、業界標準プロトコルを使用した、サードパーティ製ボイス
メール システムとの統合についても説明します。
このガイドでは、Unified CM に関するメッセージング配置のシナリオが中心ですが、特に、集中型
Unified CM 配置の Survivable Remote Site Telephony(SRST)フォールバック サポートで使用される
場合には、適宜、Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)についても説明し
ます。
この章では、次のトピックについて取り上げます。
• 「音声メッセージング ポートフォリオ」(P.23-2)
• 「メッセージング配置モデル」(P.23-5)
• 「メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ」(P.23-7)
• 「ボイスメール ネットワーキング」(P.23-28)
• 「ボイス メッセージングのベスト プラクティス」(P.23-32)
• 「サードパーティ製ボイスメールの設計」(P.23-43)
この章ではまず、Cisco メッセージング ソリューションのポートフォリオの各製品について簡単に説明
した後、企業向け Unified Communications ソリューションにおける各製品の位置付けに関する簡単な
概要を示します。次に、メッセージング配置モデルを基盤として、ボイスメール統合を説明します。こ
こではまず、さまざまなメッセージング配置モデルを定義した後、さまざまな Unified CM コール処理
配置モデルにおける各メッセージング配置モデルの位置付けを説明します。さらに、さまざまな冗長性
オプションの設計、および Survivable Remote Site Voicemail について説明します。この項では、Cisco
Unity と Unity Connection を一緒に説明します。Cisco Unity Express については、別に専用の項を設
けて、それがサポートする配置モデルを説明します。シスコの音声メッセージング製品ポートフォリオ
内で利用可能な相互運用のための主要な設計ガイドラインについて説明します。新しい概念であるバー
チャライゼーション、および仮想システム設計時に考慮する必要がある重要な設計上の要素について説
明します。この項では、トランスコーディングや Cisco Unified Communications Manager とのさまざ
まな統合を含む、多くのシステムレベルの設計上の考慮事項およびベスト プラクティスについて説明
します。さらに、この章では、サポートされている業界標準プロトコルを使用したサードパーティ製ボ
イスメール統合の詳細について説明します。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
OL-21733-02-J
23-1
第 23 章
シスコの音声メッセージング
この章の新規情報
この章では、ハイレベルな設計に関する説明を行います。また、Unified CM を使用して Unified
Communications システムに音声メッセージング製品をどのように組み込むかに重点を置いて説明しま
す。各製品の詳細な設計ガイドラインおよびサードパーティ製のメッセージングとテレフォニー シス
テムの相互運用性に関する情報については、次に示す製品別の設計ガイドを参照してください。
• Cisco Unity Connection 設計ガイド
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/products_implementation_design_guides_list.html
• Cisco Unity 設計ガイド
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/products_implementation_design_guide
s_list.html
この章の新規情報
表 23-1 に、この章に新しく追加されたトピック、またはこのマニュアルの以前のリリースから大幅に
改訂されたトピックの一覧を示します。
表 23-1
新規情報、またはこのマニュアルの以前のリリースからの変更情報
新規トピックまたは改訂されたトピック
Cisco Unity と Unity Connection の冗長性
説明箇所
「メッセージングの冗長性」(P.23-17)
改訂日
2010 年 4 月 2 日
Enhanced Message Waiting Indicator(eMWI; 拡 「Enhanced Message Waiting Indicator(eMWI; 拡 2010 年 4 月 2 日
張メッセージ待機インジケータ)
張メッセージ待機インジケータ)」(P.23-37)
Survivable Remote Site Voicemail (SRSV)
「Survivable Remote Site Voicemail」(P.23-9)
2010 年 4 月 2 日
バーチャライゼーション
「Cisco Unity と Unity Connection のバーチャライ 2010 年 4 月 2 日
ゼーション」(P.23-31)
ボイスメールの相互運用性
「ボイスメールの相互運用性」(P.23-29)
2010 年 4 月 2 日
音声メッセージング ポートフォリオ
Cisco Unified Communications のメッセージング ポートフォリオは、Cisco Unity、Cisco Unity
Connection、および Cisco Unity Express の 3 つの主なメッセージング製品で構成されます。それぞれ
の製品が対応する要件は異なりますが、互いに他の製品と重なり合う機能とスケーラビリティを備えて
います。Voice Mail Networking を使用することで連携して動作することもできます。また、Cisco
Unified Messaging Gateway を利用して、非常にスケーラブルな形でこれを実現することも可能です。
これについては、この章で後ほど説明します。
これらの製品を検討する場合、それらに搭載されたメッセージング オプションを理解し、特定の配置
要件に適したオプションを判断するためには、製品が該当するメッセージング タイプを考慮すること
が役立ちます。このようなメッセージング タイプは、次の定義を参考に決定してください。
• ボイスメール専用とは、いずれのメッセージング クライアント経由でもボイスメールにアクセス
できないテレフォニー ボイスメール統合を指します。
• ユニファイド メッセージングとは、テレフォニー アクセス、およびメッセージ クライアントを介
したボイスメールへのアクセスを備えたボイスメールを指します。
• ユニファイド メッセージングとは、テレフォニー アクセス、およびメッセージング クライアント
を介したボイスメール、電子メール、FAX へのアクセスを備えたボイスメールを指します。
表 23-2 は、これらのタイプのメッセージングをサポートするシスコ製品を示します。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-2
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
音声メッセージング ポートフォリオ
表 23-2
各製品でサポートされるメッセージング環境
メッセージング タイプ
Cisco Unity
Cisco Unity
Connection
Cisco Unity Express
ボイスメール専用
あり
あり
あり
ユニファイド メッセー
ジング
あり
あり
あり
ユニファイド メッセー
ジング
あり
なし
なし
上のメッセージング タイプと定義に基づき、次の 3 つのメッセージング製品のオプションが用意され
ています。
• Cisco Unity
このソリューション オプションは、大企業組織のニーズにも対応可能な拡張性を持っており、
Microsoft Exchange(Exchange 2007 を含む)に統合可能な強力な音声メッセージング、ユニファ
イド メッセージング、ユニファイド メッセージングのオプションを提供します。
• Cisco Unity Connection
このオプションは、20,000 ユーザ以下の中規模企業用に、ユニファイド メッセージング、音声認
識、およびコール転送ルールを 1 つのシステムに組み合せて管理しやすくしたものです。また、デ
ジタル ネットワーク システムに最大 10 のノードをネットワーク接続できます (10 を超えるノー
ドが必要な企業では、必要に応じて 2 つのデジタル ネットワークを結合して、最大で 20 のノード
をサポートできます)。Cisco Unity Connection は、1 つのデジタル ネットワークで最大 100,000
のユーザまたは連絡先がサポートされます。500 ユーザ以下の組織では、Cisco Unity Connection
をシングル サーバ ソリューションとして、Cisco Unified Communications Manager Business
Edition で使用することができます。Cisco Unified Communications Manager Business Edition の
詳細については、「コール処理の設計上の考慮事項」(P.8-29)を参照してください。
• Cisco Unity Express
このオプションは、中小規模企業および 250 ユーザ以下の支店用に、特定の Cisco サービス統合型
ルータで、コスト効率の高い音声メッセージングおよびユニファイド メッセージング、自動応答、
および IVR(interactive voice response; 音声自動応答装置)の各機能を提供します。
製品機能の完全な比較については、
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/products_data_sheets_list.html で入手可能
な『Cisco Messaging Products: Feature Comparison』を参照してください。
表 23-3 に、スケーラビリティについての簡単な製品間の比較を示します。
表 23-3
音声メッセージング ソリューションのスケーラビリティ
ソリューション
単一のサーバ(またはフェール
オーバー配置やクラスタ配置)
でサポートされるユーザ
デジタル ネットワーキング ソ
リューションでサポートされる
最大ユーザ数1
250
500
15,000 20,000 100,000
250,000
Cisco Unity Express
○
×
×
×
×
×
Cisco Unified CMBE
○
○
×
×
×
×
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-3
第 23 章
シスコの音声メッセージング
音声メッセージング ポートフォリオ
表 23-3
音声メッセージング ソリューションのスケーラビリティ (続き)
単一のサーバ(またはフェール
オーバー配置やクラスタ配置)
でサポートされるユーザ
デジタル ネットワーキング ソ
リューションでサポートされる
最大ユーザ数1
○
○
○
○
○
×
Cisco Unity(ユニファイド メッ ○
セージングおよび音声メッセー
ジング)
○
○
×
○
○
ソリューション
Cisco Unity Connection(ユニ
ファイド メッセージング)
1. Cisco Unified Messaging Gateway を使用してさまざまな製品をネットワーク接続すると、サポートされるユーザ
数が大幅に増加します。サポートされるユーザ数は、ネットワーク接続されたノード数および Unified Messaging
Gateway でサポートされる最大ユーザ数に直接関連します。Cisco Unified Messaging Gateway のスケーラビリ
ティの詳細については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps8605/products_data_sheets_list.html で入手可能
な『Cisco Unified Messaging Gateway data sheet』を参照してください。
(注)
Voice Profile for Internet Mail(VPIM)プロトコルおよびデジタル ネットワーキングのいずれを使用
してもサポートされる最大ユーザ数が大幅に増加しますが、デジタル ネットワーキングでは、追加の
サーバ検出機能およびディレクトリ同期化機能が提供されます。
スケーラビリティの詳細については、「Cisco Unified Messaging Gateway によるボイスメール ネット
ワーキング」(P.23-4)を参照してください。
Cisco Unified Messaging Gateway によるボイスメール ネットワーキング
Cisco Unified Messaging Gateway(UMG)は、インテリジェント ボイス メッセージング ルーティン
グ、システム ディレクトリの管理、メッセージング形式、およびスケーラブルなボイス メッセージン
グ フレームワークを提供することによって、エンドツーエンドのネットワーク接続されたボイス メッ
セージング ソリューションを可能にします。Cisco UMG は、Cisco Unity、Cisco Unity Express、
Cisco Unity Connection、および Avaya Interchange をサポートします。
この章では、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、および Cisco Unity Express と
Cisco Unified CallManager の統合について、設計上の側面を中心に説明します。Cisco Unified CM には、
Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)トランクの機能が搭載されているため、
SIP プロキシ サーバを配置することなく、直接 Cisco Unity および Unity Connection と統合できます。
以前のリリースの Cisco Unity、Unity Connection、Unity Express、および Unified CM または
Unified CM Express の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な資料を参照してください。
上で説明したように、この章で扱う設計に関するトピックは、ボイスメールのみの設定、ユニファイド
メッセージング設定、およびユニファイド メッセージング設定に適用されます。さらに、この章では、
Microsoft Exchange(2003 または 2007)および Microsoft Windows(2003)とともに Cisco Unity を
配置する場合の設計について説明します。Microsoft Exchange 2010 は、Cisco Unity 5.x 以降のリリー
スでサポートされています。また、Microsoft Active Directory(AD) 2008 のサポートも Cisco
Unity 7.x 以降のリリースで追加されました。この章では、Microsoft NT 4.0 や Exchange 5.5 による配
置、および Microsoft NT 4.0 や Exchange 5.5 からのアップグレードにおける設計については説明しま
せん。Cisco Unity Connection および Unity Express は外部メッセージ ストアに依存しません。Cisco
Unity Connection 8.x は、Exchange 統合をサポートしますが、Cisco Unity と異なり、Exchange 統合
に依存しません。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージング配置モデル
(注)
Microsoft Exchange 2010 および Active Directory 2008 R2 をサポートする Cisco Unity の正確なバー
ジョンについては、Cisco Unity のリリース ノート
(http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/prod_release_notes_list.html)を参照して
ください。
シスコ以外のメッセージング システムとの統合など、Cisco Unity または Cisco Unity Connection に関
するその他の設計情報については、http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco
Unity』または『Design Guide for Cisco Unity Connection』をそれぞれ参照してください。
Cisco Unity Express に関するその他の設計情報については、http://www.cisco.com で入手可能な製品
マニュアルを参照してください。
シスコ以外のメッセージング システムとの統合など、Cisco Unified Messaging Gateway に関するその
他の設計情報については、http://www.cisco.com で入手可能な Cisco Unified Messaging Gateway の製
品マニュアルを参照してください。
メッセージング配置モデル
この章では、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、および Cisco Unity Express について、さまざま
なメッセージング配置モデルの概要を示します。Cisco Unity、Unity Connection、およびさまざまな
メッセージング コンポーネントに固有の配置モデルや設計上の考慮事項の詳細については、
http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco Unity』または『Design Guide for Cisco
Unity Connection』をそれぞれ参照してください。Cisco Unity Express については、
http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照してください。
Cisco Unity と Unity Connection は、次の 3 つの主なメッセージング配置モデルをサポートしています。
• 単一サイト メッセージング
• 集中型メッセージングを使用するマルチサイト配置
• 分散型メッセージングを使用するマルチサイト配置
Cisco Unity Express もまた、次の 3 つの主なメッセージング配置モデルをサポートしています。
• 単一サイト メッセージング
• 分散型メッセージングを使用するマルチサイト配置
• Cisco Unified CME により分散型メッセージングを使用するマルチサイト配置
(注)
Cisco Unity Express は、最大 10 の Unified CME を持つ集中型音声メッセージングをサポートします。
詳細については、http://www.cisco.com で Cisco Unified Communications Manager Express の資料を
参照してください。
Cisco Unified CM と Unified CME のコール処理配置モデルは、Cisco Unity、Unity Connection、およ
び Unity Express のメッセージング配置モデルに依存しませんが、互いに対して考慮が必要な暗黙的要
件があります。
3 つのメッセージング配置モデルに加えて、Cisco Unity はメッセージング冗長性もサポートしていま
す (「メッセージングの冗長性」(P.23-17)を参照)。アクティブ / アクティブ設定では、Cisco Unity
Connection のメッセージング冗長性も利用できます。詳細については、http://www.cisco.com で入手
できる『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
すべてのメッセージング配置モデルが、ボイスメール、ユニファイド メッセージング、およびユニ
ファイド メッセージングのインストールをサポートしています。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージング配置モデル
単一サイト メッセージング
このモデルでは、メッセージング システムとメッセージング インフラストラクチャ コンポーネントが
すべて、同じサイトのアベイラビリティの高い同じ LAN 上に置かれます。サイトは、単一サイトであ
る場合も、高速 Metropolitan Area Network(MAN; メトロポリタン エリア ネットワーク)を介して相
互接続されたキャンパス サイトである場合もあります。メッセージング システムのクライアントもす
べて、単一(またはキャンパス)サイトに置かれます。このモデルの際立った特徴は、リモート クラ
イアントが存在しないことです。
集中型メッセージング
このモデルでは、単一サイト モデルと同様に、メッセージング システムとメッセージング インフラス
トラクチャ コンポーネントがすべて、同じサイトに置かれます。サイトは、1 つの物理的なサイトであ
る場合も、高速 MAN を介して相互接続されたキャンパス サイトである場合もあります。ただし、単
一サイト モデルとは異なり、メッセージング クライアントをローカルとリモートの両方に置くことが
できます。
メッセージング クライアントはメッセージング システムのローカルで使用されることもリモートで使
用されることもあるため、ViewMail for Outlook(VMO)を使用する場合、および Telephone Record
and Playback(TRaP; 電話での録音および再生)機能とメッセージ ストリーミング機能を Cisco Unity
で使用する場合は、これらの Graphical User Interface(GUI; グラフィカル ユーザ インターフェイス)
クライアントには設計上特別に考慮する必要がある事項があります。リモート クライアントは、TRaP
を使用すべきではありません。また、リモート クライアントは、再生前にメッセージをダウンロード
するように設定する必要があります。ローカル クライアントとリモート クライアントで機能や操作が
異なるとユーザが混乱するおそれがあるため、音声ポートで TRaP を無効にし、クライアントがローカ
ルであるかリモートであるかに関係なく、メッセージをダウンロードするように設定し、TRaP を使用
しないように GUI クライアントを設定する必要があります。このことは、Cisco Unity IMAP クライア
ントの ViewMail for Outlook(VMO)に対して当てはまります。これらの設計上の考慮事項は、Cisco
Unity に固有の事項です。
Cisco Unity Telephone User Interface(TUI; 電話ユーザ インターフェイス)は、ローカル クライアン
トとリモート クライアントの両方に対して同様に動作します。
分散型メッセージング
分散型メッセージング モデルは、共通のメッセージング バックボーンを持つ複数の単一サイト メッ
セージング システムで構成されます。複数のロケーションを持つことができ、各ロケーションに独自
のメッセージング システムとメッセージング インフラストラクチャ コンポーネントが置かれます。す
べてのクライアント アクセスが各メッセージング システムに対してローカルであり、メッセージング
システムは、すべてのロケーションにまたがるメッセージング バックボーンを共有します。分散型
メッセージング システムからのメッセージ送信は、フルメッシュタイプまたはハブアンドスポーク タ
イプのメッセージ ルーティング インフラストラクチャによって、メッセージング バックボーンを介し
て行われます。WAN によって、メッセージング インフラストラクチャ コンポーネントを、サービス
提供先のメッセージング システムから切り離すことはできません。
分散型メッセージングは、基本的に、共通のメッセージング バックボーンを持つ複数の単一サイト
メッセージング モデルです。このルールの例外は、PBX-IP Media Gateway(PIMG)統合と T1-IP
Media Gateway(TIMG)統合です。PIMG 統合と TIMG 統合は、設計に関するこのドキュメントでは
説明しません。PIMG または TIMG の詳細については、http://www.cisco.com で入手できる Cisco
Unity の統合ガイドを参照してください。
分散型メッセージング モデルは、ローカルおよびリモートの GUI クライアント、TRaP、およびメッ
セージのダウンロードに関して、集中型メッセージングと同じ設計基準を持っています。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
ここでは、さまざまなメッセージング配置モデルを Unified CM コール処理配置モデルに統合する場合
の設計上の考慮事項について説明します。表 23-4 では、Cisco Unity、Unity Connection、および
Unity Express によってサポートされるメッセージング配置モデルとコール処理配置モデルのさまざま
な組み合せを示します。
表 23-4
サポートされているメッセージングと Unified CM コール処理配置モデルの組み合せ
モデル タイプ
Cisco
Unity
Cisco Unity Cisco
Connectio Unity
n
Express
単一サイト メッセージングと単一サイト コール処理
あり
あり
あり
集中型メッセージングと集中型コール処理
あり
あり
なし1
分散型メッセージングと集中型コール処理
あり
あり
あり
集中型メッセージングと分散型コール処理
あり
あり
なし 1
分散型メッセージングと分散型コール処理
あり
あり
あり
集中型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
あり
あり
なし
分散型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
あり
あり
あり
1. Unified CME による集中型ボイスメール メッセージングが Cisco Unity Express 3.2 以降サポートされていますが、
これは Unified CM コール処理配置モデルには適用されません。
この項では、次のトピックについて取り上げます。
• Cisco Unity と Unity Connection メッセージングおよび Unified CM の 配置モデル
• Cisco Unity Express の配置モデル
各トピックではメッセージングと Unified CM の配置モデルの組み合せを定義した後、そのモデルに適
用可能なシスコのボイスメール メッセージング製品と、そのモデルの組み合せに関する設計上の考慮
事項について説明します。ここでは、各製品のすべての組み合せを取り上げるわけではありません。い
くつかの例を示し、各製品のベスト プラクティスと設計上の考慮事項を説明します。ここでの説明は、
基本となるメッセージング配置モデルと Unified CM とのインタラクションの理解を促すためのもので
あり、すべての可能性を詳細に説明することは意図していません。
サイト分類の詳細、およびメッセージング配置モデルとコール処理配置モデルのサポートされている組
み合せの詳細な分析については、http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco Unity』
および『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
Cisco Unity と Unity Connection メッセージングおよび Unified CM の
配置モデル
ここでは、Cisco Unity と Unity Connection によってサポートされるメッセージング配置モデルとコー
ル処理配置モデルのさまざまな組み合せを示します。
集中型メッセージングと集中型コール処理
集中型メッセージングでは、ボイス メッセージング サーバを Unified CM クラスタと同じサイトに置
くことができます。集中型コール処理では、サブスクライバがクラスタおよびメッセージング サーバ
に対して、リモートとローカルのどちらにも存在できます (図 23-1 を参照)。リモートユーザが中央
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
のサイトのリソース(音声ポート、IP Phone、Tail-End Hop-Off(TEHO; テールエンドホップオフ)
の場合の公衆網ゲートウェイなど)にアクセスする場合、そのコールはゲートキーパー コール アド
ミッション制御にとって透過的になります。したがって、Unified CM でリージョンとロケーションを
設定して、コール アドミッション制御を提供する必要があります (「帯域幅の管理」(P.23-32)を参
照)。IP Phone または MGCP ゲートウェイにリージョン間コールを発信する場合、IP 電話は設定済み
のリージョン間コーデックを自動的に選択します。Cisco Unity メッセージング配置では、WAN を通
過する(リージョン間)コールのために、音声ポートが Unified CM トランスコーディング リソースを
使用するように、ネイティブ トランスコーディングを無効にする必要があります。Cisco Unity でこの
機能を無効にする方法の詳細については、「ネイティブ トランスコーディング動作」(P.23-33)を参照
してください。
図 23-1
集中型メッセージングと集中型コール処理
ɶ‫ځ‬ǵǤȈ
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠬࠗ࠶࠴
101
IP
IP
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
G.711
G.729
M
߹ߚߪ
Unity
100
PC
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
C
M
Unity
Connection
M
M
V
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
M
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2 ߆ࠄ㓸ਛဳ Unity ߳ߩ
㖸ჿࡐ࡯࠻ ࠦ࡯࡞ߩ RTP ࠬ࠻࡝࡯ࡓ
IP WAN PSTN
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࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
SRST ߹ߚߪ
SRST ߣߒߡߩ Unified CME
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
201
ࠬࠗ࠶࠴
200
IP
IP
153378
PC
図 23-1 では、リージョン 1 と 2 が、リージョン内コールに G.711 を使用し、リージョン間コールに
G.729 を使用するように設定されています。Cisco Unity サーバ上でネイティブ トランスコーディング
は無効になっています。
図 23-1 で示しているように、内線番号 200 からリージョン 1 のボイスメール ポートにコールが発信さ
れると、エンドポイントではリージョン間の G.729 コーデックが使用されますが、RTP ストリームが
トランスコードされ、音声ポート上では G.711 が使用されます。この例では、Cisco Unity サーバ上の
ネイティブ トランスコーディングが無効になっています。Unified CM トランスコーディング リソース
は、ボイスメール システムと同じサイトに置く必要があります。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
AAR によってルーティングされるボイスメール コールで RDNIS が送信されないことによる影響
集中メッセージング環境では、WAN がオーバーサブスクリプションの状態になった場合に、
Unified CM の機能である Automated Alternate Routing(AAR; 自動代替ルーティング)が、公衆網を
介してコールを中央サイトのメッセージング ストアにルーティングできます。ただし、公衆網を介し
てコールが再ルーティングされる場合、Redirected Dialed Number Information Service(RDNIS)が
損なわれることがあります。Cisco Unity または Unity Connection がメッセージング クライアントに対
してリモートである場合は、正しくない RDNIS 情報によって、AAR が外線を介して再ルーティング
するボイスメール コールに影響が及ぼされることがあります。RDNIS 情報が正しくない場合、コール
はダイヤル先のユーザのボイスメール ボックスに到達せず、自動アテンダント プロンプトを受信しま
す。発信者は、到達を試みているユーザの内線番号を再入力するように要求されることがあります。こ
の動作は、主に、電話通信事業者がネットワークを介した RDNIS を保証できない場合の問題です。通
信事業者が RDNIS の正常な送信を保証できない理由は数多くあります。通信事業者に問い合せて、回
線のエンドツーエンドで RDNIS の送信を保証しているかどうかを確認してください。オーバーサブス
クリプションの状態になった WAN に対して AAR を使用する代わりの方法は、単に、オーバーサブス
クリプションの状況で発信者にリオーダー トーンが聞こえるようにすることです。
Survivable Remote Site Voicemail
Survivable Remote Site Voicemail(SRSV)では、集中型メッセージングと集中型コール処理配置にお
いて、バックアップ ボイスメール サービスが提供されます。SRSV では、サイト間の接続が利用でき
ない場合に、支店ロケーションにある Cisco Unity Express を利用して、本社にある Cisco Unity
Connection に代わるバックアップ ボイスメール サービスを提供します (図 23-2 を参照)。通常の動作
において、本社の Cisco Unified Messaging Gateway は設定(SRST 電話機、ユーザ、メールボックス
の情報など)を Cisco Unified CM および Cisco Unity Connection から取得し、設定されたスケジュー
ルに基づいて Cisco Unity Express SRSV のメールボックスをプロビジョニングおよび更新します。
Cisco Unity Express SRSV は、SRST がアクティブである場合にだけアクティブとなり、それ以外の場
合にはアイドルとなります。サイト間のネットワーク接続が復元されると、Cisco Unity Express SRSV
から Cisco Unity Connection にすべてのメッセージ(新規メッセージ、保存されたメッセージ、削除さ
れたメッセージなど)がアップロードされます。
図 23-2
一般的な Survivable Remote Site Voicemail 配置
Cisco Unified
CM ࠢ࡜ࠬ࠲
Cisco Unity
Connection
πᘌዡ
V
IP
IP
ஜᅈ
IP
WAN
SRST
Cisco Unity
Express SRSV
IP
IP
IP
253868
Cisco Unified
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠥ࡯࠻࠙ࠚࠗ
SRSV
ૅࡃ
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-9
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
(注)
Survivable Remote Site Telephony(SRST)および Cisco Unity Express SRSV は 1 つの論理ユニット
であり、SRST ルータに Cisco Unity Express SRSV がインストールされます。
SRSV では、次のアクティビティを行う場合に WAN リンクの帯域幅が使用されます。
• Unified CM および Cisco Unity Connection から Cisco Unity Express SRSV への設定のアップロード
• WAN リンクが復元された場合の Cisco Unity Express SRSV から Cisco Unity Connection への音
声メッセージのアップロード
既存の音声ネットワークへの SRSV トラフィックの影響を最小限に抑えるために、SRSV トラフィック
(設定および音声メッセージのアップロード)をベストエフォートとして分類します。SRSV ソフトウェ
アでは、どのネットワーク パケットもマーキングされません。音声トラフィックやその他の優先順位の
高いトラフィックを優先するために、ネットワーク エッジ ルータで SRSV トラフィックを IP
Precedence 0(DSCP 0 または PHB BE)とマークすることをお勧めします。さらに影響を少なくする
ために、設定のアップロードはピーク時以外の時間(夜間や週末など)にスケジュールすることをお勧
めします。スケジュールは、Unified Messaging Gateway SRSV Web インターフェイスで設定できます。
SRSV を配置する場合、次のルールが適用されます。
• Unified Messaging Gateway SRSV では、最大で 1,000 の Cisco Unity Express SRSV ノードがサ
ポートされます。
• SRSV では、Cisco Unified CM Business Edition はサポートされません。
• Cisco Unity Express SRSV は、SRST ルータ、または SRST モードで実行されている
Unified CME にインストールします。
• 支店内に複数の SRST ルータを配置することはできますが、各ルータに独自の Cisco Unity
Express SRSV が必要です。また、各ルータには 1 つの Cisco Unity Express SRSV だけを設定で
きます。
• 音声メッセージのアップロードで高可用性を確保するには、冗長な Unified Messaging Gateway
SRSV を配置します。Unified Messaging Gateway SRSV では、設定のアップロードにおける高可
用性はサポートされていません。
• Unified Messaging Gateway SRSV と Cisco Unity Express SRSV との間の接続でセキュリティを
確保するには、Secure Socket Layer(SSL)プロトコルを使用します。
• SRSV では、Cisco Unity はサポートされていません。
SRSV の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能なマニュアルを参照してください。
分散型メッセージングと集中型コール処理
分散型メッセージングは、テレフォニー環境内に複数のメッセージング システムが分散されており、
各メッセージング システムがローカル メッセージング クライアントだけにサービスを提供することを
意味します。このモデルは集中型メッセージングとは異なります。集中型メッセージングでは、メッ
セージング システムに対してローカルなクライアントとリモートのクライアントの両方が存在します。
図 23-3 では、集中型コール処理を使用する分散型メッセージング モデルを示しています。他のマルチ
サイト コール処理モデルと同様に、WAN 帯域幅を管理するためにリージョンとロケーションを使用す
る必要があります。このモデルでは、Cisco Unity でネイティブ トランスコーディングを無効にする必
要もあります。
SRST モードの Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)は、IP 電話および
Cisco Unity または Unity Connection ボイスメール ポートの両方のコール処理バックアップに使用され
ます。このフォールバック サポートは、リモート サイト(たとえば、図 23-3 のリージョン 2)に配置
され、WAN 障害などのために電話機と Unified CM との接続が失われた場合に、バックアップのコー
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-10
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
ル処理を提供します。またリモート サイトのユーザに対し、WAN 障害時に、ローカルの Cisco Unity
または Unity Connection サーバへのアクセスと MWI のサポートを提供します。SRST モードの
Unified CME の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な Unified CME の製品マニュアル
を参照してください。
図 23-3
分散型メッセージングと集中型コール処理
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201
200
IP
IP
271546
PC
図 23-3 の構成では、トランスコーダ リソースが各 Cisco Unity メッセージ システム サイトに対して
ローカルである必要があります。リージョン 1 と 2 は、リージョン内コールに G.711 を使用し、リー
ジョン間コールに G.729 を使用するように設定されています。Cisco Unity サーバ上でネイティブ トラ
ンスコーディングは無効になっています。
Unified CM サーバに設定されているコーリング サーチ スペースとデバイス プールによって、両方の
Cisco Unity または Unity Connection サーバの音声メッセージング ポートに、適切なリージョンとロ
ケーションが割り当てられる必要があります。さらに、テレフォニー ユーザをボイスメール ポートの
特定のグループに関連付けるために、Unified CM ボイスメール プロファイルを設定する必要がありま
す。コーリング サーチ スペース、デバイス プール、およびボイスメール プロファイルを設定する方法
の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な、該当するバージョンの『Cisco Unified
Communications Manager Administration Guide』を参照してください。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
OL-21733-02-J
23-11
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
メッセージング システムは相互に「ネットワーク接続」され、内部ユーザと外部ユーザの両方に単一
のメッセージング システムを提供します。分散 Unity サーバ向けの Cisco Unity ネットワーク機能につ
いては、次の Web サイトで入手可能な『Networking in Cisco Unity Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/products_feature_guides_list.html
Cisco Unity Connection では、デジタル ネットワーキングがサポートされており、複数の Cisco Unity
Connection システムを相互にネットワーク接続できます。デジタル ネットワーク システムでは、最大
で 10 のノード(単一ノードまたはアクティブ / アクティブ ペア)を接続できます。また、必要に応じ
て 2 つのデジタル ネットワークを結合して、最大で 20 のノードをサポートできます。デジタル ネット
ワークでは、ディレクトリの最大 100,000 のエンティティがサポートされます。Cisco Unity
Connection は、Microsoft Active Directory などの企業ディレクトリに統合して、ユーザを同期化し、
デジタル ネットワーキングを同時に使用することができます。この設定では、各 Cisco Unity
Connection サーバまたはサーバ ペアが、企業ディレクトリから最大 20,000 ユーザを同期化できます。
Cisco Unity Connection でのデジタル ネットワーキングまたはディレクトリ統合の詳細については、
http://www.cisco.com で入手できる『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
Cisco Unity と Unity Connection および SRST モードの Unified CME
SRST モードの Unified CME を使用すると、Cisco Unity サーバと Unity Connection サーバの両方を
リモート サイトに置き、中央サイトの Unified CM に登録して、リモート ロケーションにある
Unified CME にフォールバックすることができます。WAN リンクがダウンし、電話機が SRST モード
の Unified CME にフェールオーバーすると、Cisco Unity と Unity Connection のボイスメール ポート
も SRST モードの Unified CME にフェールオーバーします。これにより、リモートサイトのユーザが、
WAN の障害時に、MWI 機能も含めてボイスメールにアクセスできるようになります。
このシナリオには、次の各項目が必要です。
• Cisco Unified CME 4.0 以降
• Cisco Unity 4.0(5)以降と TSP バージョン 8.1(3)以降
• Cisco Unity Connection 2.x 以降
(注)
Unified CM から SRST モードの Unified CME へ、またはその逆方向にフェールオーバーが発生した
場合、Cisco Unity または Unity Connection サーバから MWI を再同期する必要があります。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-12
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
メッセージング配置モデルの組み合せ
複数のメッセージング モデルを同じ配置で組み合せることができます。ただし、その配置は、上記の
項で示したすべてのガイドラインに従う必要があります。図 23-4 では、集中型メッセージングと分散
型メッセージングの両方が同時に採用されるユーザ環境を示しています。
図 23-4
結合された配置モデル
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Cisco Unity
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IP
IP
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Cisco Unity
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Unified CME
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200
IP
IP
271547
PC
図 23-4 では、2 つのメッセージング モデルの組み合せを示しています。リージョン 1 と 3 は集中型
メッセージングと集中型コール処理を使用し、リージョン 2 は分散型メッセージングと集中型コール処
理を使用しています。すべてのリージョンが、リージョン内コールに G.711 を使用し、リージョン間
コールに G.729 を使用するように設定されています。
図 23-4 では、中央サイトとサイト 3 の間で、集中型メッセージングと集中型コール シグナリングが使
用されています。中央サイトのメッセージング システムは、中央サイトとサイト 3 の両方のクライア
ントにメッセージング サービスを提供します。サイト 2 は、集中型コール処理を使用する分散型メッ
セージング モデルを使用しています。サイト 2 に置かれているメッセージング システム(Unity2)は、
サイト 2 の中にいるユーザだけにメッセージング サービスを提供します。この配置では、両方のモデ
ルが、この章に記載されているそれぞれの設計上のガイドラインに従っています。トランスコーディン
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-13
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
グ リソースは各メッセージング システム サイトに対してローカルに置かれ、サイト 2 のユーザが中央
サイトのユーザにメッセージを残す場合のように、(メッセージング システムに対して)リモートのサ
イトからメッセージング サービスにアクセスするクライアントをサポートします。
また、SRST モードの Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)は、IP 電話
および Cisco Unity または Unity Connection ボイスメール ポートの両方のコール処理バックアップに
使用されます。このフォールバック サポートは、リモート サイト(たとえば、図 23-4 のリージョン
2)に配置され、WAN 障害などのために電話機と Unified CM との接続が失われた場合に、バックアッ
プのコール処理を提供します。またリモート サイトのユーザに対し、WAN 障害時に、ローカルの
Cisco Unity または Unity Connection サーバへのアクセスと MWI のサポートを提供します。SRST
モードの Unified CME の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照
してください。
集中型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
ここでは、集中型メッセージングと、ローカル フェールオーバー機能を持つ WAN を介した
Unified CM クラスタ化を一緒に配置する場合の Cisco Unity の設計上の問題について説明します。こ
のモデルで WAN に障害が発生した場合は、WAN が復元されるまで、すべてのリモート メッセージン
グ サイトがボイスメール機能を失います (図 23-5 を参照)。
WAN を介したクラスタ化は、ローカル フェールオーバーをサポートしています。ローカル フェール
オーバーでは、各サイトが、物理的にそのサイトに置かれているバックアップ サブスクライバ サーバ
を持ちます。ここでは、Cisco Unity 集中型メッセージングと、WAN を介したクラスタ化のローカル
フェールオーバーを一緒に配置する方法を中心に説明します。
詳細については、「IP WAN を介したクラスタ化」(P.5-39)の項を参照してください。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-14
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
図 23-5
Cisco Unity 集中型メッセージングと、ローカル フェールオーバー機能を持つ WAN を介したク
ラスタ化
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201
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200
IP
IP
153379
PC
クラスタ化されたサーバ間の最小帯域幅の要求については、「ローカル フェールオーバー配置モデル」
(P.5-44)の項を参照してください。
Unified CM による WAN 経由のクラスタ化では、Cisco Unity と同様、最大 8 サイトがサポートされま
す。ボイスメール ポートは、Cisco Unity メッセージング システムが置かれているサイトだけに設定さ
れます(図 23-5 を参照)。ボイスメール ポートは、WAN を介してリモート サイトに登録されません。
他のサイトのメッセージング クライアントは、プライマリ サイトのすべてのボイスメール リソースに
アクセスします。WAN に障害が発生すると、リモート サイトは集中型メッセージング システムにア
クセスできなくなるため、WAN を介してリモート サイトに音声ポートを設定してもメリットがありま
せん。ユニファイドメッセージングの場合、帯域幅を考慮して、ボイスメールポートで TRaP を無効に
し、すべてのメッセージングクライアントがそのローカル PC にボイスメールメッセージをダウンロー
ドするようにする必要があります。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
OL-21733-02-J
23-15
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
分散型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
Cisco Unity メッセージング サーバも配置されたローカル フェールオーバー サイトでは、集中型メッ
セージング モデルと同様に、音声ポートがローカル Unified CM サブスクライバ サーバに登録されま
す。音声ポートの設定については、「Unified CM クラスタとの音声ポート統合」(P.23-38)および
「専用 Unified CM バックアップ サーバを使用する音声ポート統合」(P.23-40)を参照してください。
図 23-6
Cisco Unity 分散型メッセージングと、ローカル フェールオーバー機能を持つ WAN を介したク
ラスタ化
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IP
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IP WAN PSTN
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Unity
PC
201
IP
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200
IP
92381
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
WAN を介したクラスタ化を含む単純分散型メッセージング実装では、クラスタ内の各サイトに、独自
の Cisco Unity メッセージング サーバとメッセージング インフラストラクチャ コンポーネントが置か
れます。すべてのサイトにローカル Cisco Unity メッセージング システムが置かれるわけではなく、一
部のサイトで、ローカル メッセージング クライアントがリモート メッセージング サーバを使用する場
合、その配置は分散型メッセージングと集中型メッセージングの組み合せモデルとなります (「メッ
セージング配置モデルの組み合せ」(P.23-13)を参照)。このモデルで WAN に障害が発生した場合は、
WAN が復元されるまで、集中型メッセージングを使用するすべてのリモート サイトがボイスメール機
能を失います。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
ローカル メッセージング サーバを持たない各サイトは、そのすべてのメッセージング クライアントに
対して単一のメッセージング サーバを使用する必要がありますが、そのようなサイトのすべてが同じ
メッセージング サーバを使用する必要はありません。たとえば、サイト 1 とサイト 2 のそれぞれが
ローカル メッセージング サーバを持っているとします。その場合、サイト 3 のすべてのクライアント
がサイト 2 のメッセージング サーバを使用し(そのメッセージング サーバに登録し)、サイト 4 のすべ
てのクライアントがサイト 1 のメッセージング サーバを使用するようにすることができます。ローカ
ル Cisco Unity メッセージング サーバを持つサイトには、トランスコーダ リソースが必要です。
他の分散型コール処理配置と同様に、これらのサイト間のコールはゲートキーパー コール アドミッ
ション制御にとって透過的です。したがって、Unified CM でリージョンとロケーションを設定して
コール アドミッション制御を提供する必要があります (「帯域幅の管理」(P.23-32)を参照)。
分散 配置された Cisco Unity サーバは、デジタルでネットワーク接続することもできます。このトピッ
クの詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な『Cisco Unity Networking Guide』を参照し
てください。配置される特定のメッセージング ストアに固有の Networking Guide が用意されていま
す。
メッセージングの冗長性
ここでは、Cisco Unity と Cisco Unity Connection に関するメッセージングの冗長性について説明しま
す。Cisco Unity Express は、メッセージングの冗長性をサポートしていません。
Cisco Unity
Cisco Unity は、2 種類の冗長性をサポートしています。1 つ目は単純に Unity フェールオーバー(ロー
カル メッセージング フェールオーバー)と呼ばれ、システム障害のフェールオーバーが提供されます。
2 つ目は、スタンバイ冗長性と呼ばれ、地理的な複数の場所にわたるディザスタ リカバリ機能を提供し
ます。Cisco Unity フェールオーバーとスタンバイ冗長性の比較については、『Cisco Unity Design
Guide』を参照してください。
Cisco Unity フェールオーバーは、プライマリとセカンダリの 2 つのサーバがアクティブ / パッシブ冗
長ペアとして設定されます。プライマリ サーバはアクティブの状態でコールを受け付け、セカンダリ
は非アクティブでコールを受け付けません。プライマリ サーバでサブスクライバや設定に関するデー
タを変更されると、その変更内容がセカンダリ サーバに自動的に複製されます。何らかの理由でプラ
イマリ サーバが機能しなくなった場合、セカンダリ サーバが自動的にアクティブ サーバになりコール
の受け付けを開始します。その間、プライマリ サーバは一時的に非アクティブになります。
図 23-7 に示しているように、ローカル メッセージング フェールオーバーを実装できます。ローカル
フェールオーバーでは、プライマリ Cisco Unity サーバとセカンダリ Cisco Unity サーバの両方が、ア
ベイラビリティの高い同じ LAN 上の同じサイトに置かれます。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-17
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
図 23-7
Cisco Unity メッセージングのローカル フェールオーバー
Unity
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Cisco Unity Standby Redundancy はまた、地理的な複数の場所にわたるディザスタ リカバリ機能も提
供します。この場合もプライマリとセカンダリの 2 つのサーバを使用しますが、それらは通常、別の都
市にある異なるデータ センターにインストールされます。プライマリ サーバがインストールされた
データ センターが自然災害やその他の大規模災害に遭遇した場合、ディザスタ リカバリ設備にいる
(またはリモートでアクセスできる)誰かが、セカンダリ サーバを手動でアクティブ化すると、セカン
ダリ サーバがコールの受付を開始します。スタンバイ冗長性またはフェールオーバー(ローカル メッ
セージング フェールオーバー)の要件に関する詳細については、http://www.cisco.com で入手できる
適切なバージョンの『System Requirements for Cisco Unity 』を参照してください。
Cisco Unity Connection
Cisco Unity Connection は、プライマリとセカンダリの 2 つのサーバをアクティブ / アクティブのサー
バ ペアに設定したアクティブ / アクティブ冗長モデルで、メッセージング冗長性とロード バランシン
グをサポートします。アクティブ / アクティブ冗長モデルでは、プライマリとセカンダリの両方のサー
バが、コールおよび HTTP 要求と IMAP 要求をアクティブに受け付けます。詳細については、
http://www.cisco.com で入手できる『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
図 23-8 は、Cisco Unity Connection のアクティブ / アクティブ メッセージング冗長性を示します。
図 23-8
Cisco Unity Connection メッセージングの冗長性
Unity
Connection
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Unity
Connection
ࠕࠢ࠹ࠖࡉ
271573
ࠬࠗ࠶࠴
Cisco Unity と Cisco Unity Connection の SIP トランクの実装には、いずれもメッセージング冗長機能の
ためのコール分岐(転送)が必要です。現在、Unified CM が SIP トランクのコールの分岐(転送)をサ
ポートしていないため、Unified CM で SIP トランクが使用されている場合、Cisco Unity フェールオー
バーは利用できません。ただし、アクティブ / アクティブ冗長性の Cisco Unity Connection サーバ ペア
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-18
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
で SIP トランクを使用している場合は、2 つの異なる SIP トランクをサーバ ペアの各サーバに 1 つずつ
設定し、それらを同じルート リストに関連付けられた同じルート グループに追加することをお勧めしま
す。この設定では、Unified CM から 2 つのサーバに対するロードバランシング コールが可能です。
Cisco Unity フェールオーバーと WAN を介したクラスタ化
Cisco Unity ローカル フェールオーバーと WAN を介したクラスタ化を配置する場合は、「集中型メッ
(P.23-14)および 「分散型メッセージングと WAN を介した
セージングと WAN を介したクラスタ化」
クラスタ化」(P.23-16)で説明している設計プラクティスを適用します。正常な動作時、プライマリ
Cisco Unity サーバからの音声ポートは WAN を通過しません。
図 23-9 では、Cisco Unity ローカル フェールオーバーを示しています。プライマリ Cisco Unity サーバ
とセカンダリ Cisco Unity サーバの両方が物理的に同じサイトに置かれていることに注意してくださ
い。Cisco Unity フェールオーバーは、Unified CM の WAN を介したクラスタ化で使用可能な最大数ま
でリモート サイトをサポートします。
図 23-9
Cisco Unity ローカル フェールオーバーと WAN を介したクラスタ化
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IP
IP
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Cisco Unity
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V
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
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IP WAN PSTN
ࠨࡉ 2
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M
M
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IP
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 2
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IP
92382
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Cisco Unity フェールオーバーの設定については、http://www.cisco.com で入手できる『Cisco Unity
Failover Configuration and Administration Guide 』を参照してください。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
OL-21733-02-J
23-19
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
離れたデータ センターに配置された Cisco Unity のフェールオーバー
すでに述べたように、WAN 経由のハイ アベイラビリティを運用するために Cisco Unity フェールオー
バーを設定することができますが、この配置にはいくつかの要件があります。たとえば、地理的に離れ
た複数のデータ センターでの完全な冗長性が重要な場合、この設定でインストール操作を成功させる
ために、満たすべき特定の要件があります。図 23-10 に、地理的に離れたデータ センターにおける
Cisco Unity のフェールオーバーを示します。
図 23-10
地理的に離れたデータ センターにおける Cisco Unity のフェールオーバー
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Cisco Unity
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Unified CM
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Cisco Unity
࠮ࠞࡦ࠳࡝
> ࠡࠟࡆ࠶࠻㧔< ࡜࠙ࡦ࠼࠻࡝࠶ࡊ
ᤨ㑆 [RTT] 10 ms㧕
V
IP
IP
IP
IP
IP
IP
MPLS/MAN
ȇȸǿ ǻȳǿȸ 2
ȇȸǿ ǻȳǿȸ 1
V
IP
Microsoft
Active
Directory
IP
IP
ૅࡃ A
V
IP
IP
IP
253869
Microsoft
Active
Directory
V
ૅࡃ B
図 23-10 に示す設定には、次の要件が適用されます。
• プライマリとセカンダリの Cisco Unity サーバ間の最大 Round Trip Time(RTT; ラウンドトリップ
時間)は 10 ms
• 最低 1 ギガビットの帯域幅
• Cisco Unity サーバおよび各メッセージング サーバとの間の最大 RTT は 10 ms
• Cisco Unity サーバおよびドメイン コントローラまたはグローバル カタログ サーバは同じ場所に設置
すべての要件の詳細については、次の Web サイトで入手可能な『System Requirements for Cisco
Unity』の最新バージョンを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/prod_installation_guides_list.html
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-20
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
WAN 経由での Cisco Unity Connection の冗長性とクラスタ化
Cisco Unity Connection では、アクティブ / アクティブ型のクラスタ化を使用した冗長性がサポートさ
れており、WAN 経由で配置できます。アクティブ / アクティブ設定、つまり「高可用性」設定では、
高可用性と冗長性の両方が提供されます。アクティブ / アクティブ ペアの両方のサーバでは Cisco
Unity Connection アプリケーションが実行され、コールおよびクライアントからの HTTP 要求や
IMAP 要求を受け付けます。クラスタの各サーバは、WAN 経由で異なるサイトに配置できます。その
場合、以降に示す設計上の考慮事項に従う必要があります。図 23-11 に、地理的に離れたデータ セン
ターにおける Cisco Unity Connection のアクティブ / アクティブ配置を示します。
図 23-11
2 つのサイト間で高可用性が確保された Cisco Unity Connection
㔚ሶࡔ࡯࡞ ࡔ࠶࠮࡯ࠫ ࠬ࠻ࠕ
㧔⹥ᒰߔࠆ႐ว㧕
Unified CM
ࠢ࡜ࠬ࠲
㔚ሶࡔ࡯࡞ ࡔ࠶࠮࡯ࠫ ࠬ࠻ࠕ
㧔⹥ᒰߔࠆ႐ว㧕
Cisco Unity
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
Cisco Unity
࠮ࠞࡦ࠳࡝
Unified CM
ࠢ࡜ࠬ࠲
50 ࡐ࡯࠻ߏߣߦ 7 Mbps
V
IP
IP
V
IP
IP
IP
IP
MPLS/MAN
ȇȸǿ ǻȳǿȸ 2
ȇȸǿ ǻȳǿȸ 1
V
IP
Microsoft
Active
Directory
IP
ૅࡃ A
IP
V
IP
IP
IP
253870
Microsoft
Active
Directory
㧔࡜࠙ࡦ࠼࠻࡝࠶ࡊᤨ㑆 [RTT] 150 ms㧕
ૅࡃ B
異なるサイトに Cisco Unity Connection サーバを配置した場合には、次の要件が適用されます。
• 異なるサイトにあるアクティブ / アクティブ ペア間の最大 RTT は 150 ms
• 50 ポートごとに最低 7 Mbps の帯域幅が必要 (たとえば、250 ポートでは 35 Mbps が必要)
(注)
帯域幅および遅延の要件は、Cisco Unity Connection のバージョンによって異なることがあります。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
OL-21733-02-J
23-21
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
すべての要件の詳細については、次の Web サイトで入手可能な『System Requirements for Cisco Unity
Connection』の最新バージョンを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/prod_installation_guides_list.html
(注)
Cisco Unity Connection クラスタ機能は、Cisco Unified Communications Manager Business Edition と
ともに使用することはできません。
集中型メッセージングと分散型 Unified CM クラスタ
Cisco Unity および Unity Connection は、複数の Unified CM クラスタによる集中型メッセージング設
定に配置することもできます(図 23-12 を参照)。複数統合および 複数の Unified CM クラスタに伴う
MWI の考慮事項の詳細については、「テレフォニー統合」(P.23-36)の項を参照してください。
図 23-12
Cisco Unity または Unity Connection と複数の Unified CM クラスタの統合
Xcode
V
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
M
M
M
߹ߚߪ
M
M
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲
C
Unity
Unity
Connection
IP WAN/
PSTN
Xcode
V
M
M
M
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝ ࡏࠗࠬࡔ࡯࡞ ࡐ࡯࠻
࠮ࠞࡦ࠳࡝ ࡏࠗࠬࡔ࡯࡞ ࡐ࡯࠻
153158
M
M
図 23-12 の設定では、クラスタ 1 とクラスタ 2 の両方のサイトのメッセージング クライアントが、物
理的にクラスタ 1 に置かれている Cisco Unity または Unity Connection メッセージング インフラスト
ラクチャを使用します。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-22
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
Cisco Unity Express の配置モデル
ここではまず、Cisco Unity Express を概観し、製品に関する情報を提供します。次に、配置モデルに
ついての項では、集中型と分散型の両方のコール処理における分散型音声メッセージングを中心に、
Cisco Unity Express に関してサポートされている 3 つの配置モデルを紹介し、次いで配置の特徴と設
計ガイドラインを示します。最後に、Cisco Unity Express と Unified CM、さらには Cisco Unity
Express と Unified SRST または SRST モードの Unified CME の間で使用されるシグナリング コール
フローとさまざまなプロトコルについて説明します。
Cisco Unity Express の概要
Cisco Unity Express は、Cisco Integrated Services Router(ISR; サービス統合型ルータ)の Cisco ネッ
トワーク モジュール上で実行される Linux ベースのソフトウェアです。Cisco Unity Express は、Cisco
Unified Communications Manager(Unified CM)、Cisco Unified SRST、または Cisco Unified
Communications Manager Express(Unified CME)とともに配置できる、エントリレベルの
Auto-Attendant(AA; 自動応答)およびボイスメール ソリューションです。以前のリリースでは、
Cisco Unity Express は Unified CME または Survivable Remote Site Telephony(SRST)ルータとの共
存配置に限定されていました。ただし、Cisco IOS Release 12.3(11)T で H.323-to-SIP コール ルーティ
ング機能が導入されたため、Unified CM または Unified CME とともに配置する場合に、Cisco Unity
Express と SRST または Unified CME を 2 つの異なるルータに配置できるようになりました。Cisco
Unity Express は、SIP を使用して Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)
と通信し、JTAPI を使用して Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)に接続します。
Cisco Unity Express のサポートされているハードウェア プラットフォームおよび容量の詳細について
は、http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps5520/prod_release_notes_list.html で入手可
能な製品リリース ノートを参照してください。
「Unified CM と Unified CM Express の
Unified CM と Unified CME の相互運用性の詳細については、
相互運用性」(P.8-48)を参照してください。
Unified CME でサポートされている配置モデルの詳細については、http://www.cisco.com で入手可能
な Cisco Unified Communications Manager Express の設計に関する資料を参照してください。
配置モデル
Cisco Unity Express は、単一のサイトとして配置することも、Cisco Unified Communications
Manager(Unified CM)または Unified Communications Manager Express(Unified CME)の分散型
ボイスメールおよび自動応答(AA)ソリューションとして配置することもできます。ただし、Cisco
Unity Express は、次のようなすべての Cisco Unified CM 配置モデルでサポートされます。
• 単一サイト配置
• 集中型コール処理を使用するマルチサイト配置
• 分散型コール処理を使用するマルチサイト配置
図 23-13 は、Cisco Unity Express を統合した集中型コール処理配置を、図 23-14 は、分散型コール処
理配置を示しています。
Unified CME によって制御される Cisco Unity Express サイト、および Unified CM によって制御され
るその他のサイトは、H.323 または SIP トランキング プロトコルを使用して相互接続することができ
ます。Cisco Unity Express は Unified CM または Unified CME のいずれかと統合できますが、両方と
同時に統合はできません。
(注)
Cisco Unity Express は、最大 10 の Unified CME を持つ集中型配置モデルをサポートします。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-23
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
図 23-13
集中型コール処理配置における Cisco Unity Express
Cisco Unity ExpressŴSRSTŴ
LJƨƸ SRST ƱƠƯƷ Unified CME
㓸ਛဳ
Unity ࠨ࡯ࡃ
Cisco
Unified CM
M
M
IP
IP
IP
M
M
VoIP
WAN
M
V
PSTN
IP
IP
IP
IP
IP
IP
114707
V
Cisco Unity ExpressŴSRSTŴ
LJƨƸ SRST ƱƠƯƷ Unified CME
図 23-14
分散型コール処理配置における Cisco Unity Express
Cisco
Unified CM
㓸ਛဳ
Unity ࠨ࡯ࡃ
Cisco
Unified CM
㓸ਛဳ
Unity ࠨ࡯ࡃ
M
M
M
M
M
M
M
M
V
IP
M
V
V
IP
M
IP
V
IP
VoIP
WAN
IP
IP
IP
IP
IP
Cisco Unity ExpressŴUnified CME
IP
IP
IP
114708
PSTN
Cisco Unity ExpressŴSRSTŴ
LJƨƸ SRST ƱƠƯƷ Unified CME
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-24
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
Cisco Unity Express を使用した最も一般的な配置モデルは、集中型コール処理を使用したマルチサイ
ト WAN モデルです。このモデルでは、Cisco Unity Express が、小規模なリモート オフィスでボイス
メール機能を提供し、中央の Cisco Unity システムが本社および大規模なリモート サイトにボイスメー
ル機能を提供します。
Unified CM ネットワーク配置に次の条件のいずれかが該当する場合は、分散型ボイスメール ソリュー
ションとして Cisco Unity Express を使用してください。
• WAN の可用性にかかわらず、ボイスメールと AA アクセスのサバイバビリティを確保する必要が
ある。
• 利用可能な WAN の帯域幅が不十分なために、WAN を介して中央のボイスメール サーバにアクセ
スするボイスメール コールがサポートできない。
• ローカル コミュニティに対して割り当てられている AA または 支店サイトの公衆網の電話番号の
カバレッジが地域的に制限されているため、市外通話料金を支払わずにこれらの番号をダイヤルし
て中央の AA サーバに接続できない。
• 公衆網を使用して支店にかけた場合、コールが支店の AA から同じ支店内の内線番号に転送される
可能性が高い。
• 経営理念上、リモート オフィスが、独自のボイスメールや AA テクノロジーを選択することを許
可されている。
集中型または分散型の Unified CM 配置では、Cisco Unity Express に対して次の特徴とガイドラインが
適用されます。
• 単一の Cisco Unity Express は、単一の Unified CM クラスタに統合できます。
• Cisco Unity Express は、JTAPI アプリケーションと コンピュータ / テレフォニー インテグレー
ション(CTI)Quick Buffer Encoding(QBE)プロトコルを使用して、Unified CM に統合できま
す。CTI ポートと CTI ルート ポイントは、Cisco Unity Express ボイスメールと自動応答(AA)
アプリケーションを制御します。
• Cisco Unity Express は、Skinny Client Control Protocol(SCCP)を実行する Cisco Unified IP
Phone に、ボイスメール機能を提供します。Cisco Unity Express 2.3 以降のリリースは、
Unified CM を使用した Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)の IP 電話も
サポートします。
• Cisco Unity Express 対応の Unified CM には、次の CTI ポートが定義されています。
– 自動応答機能エントリ ポイント(Cisco Unity Express は、最大 5 つの異なる AA を設定でき
るので、ルート ポイントも最大 5 つまで必要になることがあります)
– ボイスメールのパイロット番号
– グリーティング管理システム(GMS)パイロット番号(オプション。GMS を使用しない場合
は、このルート ポイントを定義する必要はありません)
• Unified CM 上で Cisco Unity Express にサポートされる CTI ポートとメールボックスの数は、
ハードウェア プラットフォームによって異なります。詳細については、次の URL から入手できる
Cisco Unity Express のデータ シートを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps5520/products_data_sheets_list.html
• サポートされている最大数より多くのメールボックスが必要な Cisco Unity Express 配置では、
Cisco Unity またはその他のボイスメール ソリューションを使用することを検討してください。
• 各 Cisco Unity Express メールボックスは、必要に応じて最大 2 つの異なる内線に関連付けること
ができます。
• Cisco Unity Express と共に配置されたオフィスでは、自動応答機能をそのオフィスに置くことも
(Cisco Unity Express の AA アプリケーションを使用)、中央サイトに置くことも(ボイスメール
のみに Cisco Unity Express を使用)できます。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
OL-21733-02-J
23-25
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
• Cisco Unity Express は、Voice Profile for Internet Mail (VPIM) version 2 経由で、他の Cisco Unity
Expresses または Cisco Unity とネットワーク接続できます。これにより、Cisco Unity Express サ
ブスクライバは、別のリモート Cisco Unity Express または Cisco Unity サブスクライバとの間で、
メッセージの送受信や転送を行うことができます。
• Cisco Unity Express では、フェールオーバー用の Unified CM を最大 3 つまで指定できます。3 つ
の Unified CM のいずれにも IP 接続できなくなった場合、Cisco Unity Express は、Survivable
Remote Site Telephony(SRST)コール シグナリングに切り替えて、AA 応答サービス、IP 電話へ
のメールボックス アクセス、および支店に着信する公衆網コールを提供します。
• Cisco Unity Express の自動応答機能は、内線によるダイヤルと名前によるダイヤルの機能をサ
ポートしています。内線によるダイヤルの操作では、発信側が、ネットワーク内の任意のユーザ
エンドポイントにコールを転送できます。名前によるダイヤル操作では、Cisco Unity Express 内
部のディレクトリ データベースを使用し、外部の LDAP や Active Directory データベースとのイ
ンタラクションを行いません。
• Unified CM を使用した集中型 Cisco Unity Express はサポートされていません。
• Cisco Unity Express は、SIP 電話を制御する Cisco Unified CM や Unified CME がない純粋な SIP
ネットワークではサポートされません。
• Cisco Unity Express は、Unified CME または SRST ルータ、あるいは公衆網ゲートウェイと別の
ルータ上に配置できます。
• Unified CME または SRST 以外のルータ上に Cisco Unity Express を配置する場合、コマンド、
allow-connections h323 to sip を使用して H.323 から SIP へのルーティングを行います。
図 23-15 は、Unified CM と Cisco Unity Express の間のコール フローに関係するプロトコルを示しま
す。
図 23-15
Cisco Unity Express と Unified CM の間で使用されるプロトコル
Cisco
Unified CM
Cisco Unity
Express
M
M
M
M
JTAPI
㧔CTI-QBE㧕
TDM
M
VoIP
WAN
PSTN
V
H.323 ߹ߚߪ MGCP
IP
IP
114709
RTP
SCCP ߹ߚߪ SIP
図 23-15 は、次のシグナリングとメディア フローを示しています。
• 電話機は、Unified CM から SCCP または SIP を介して制御されます。
• Cisco Unity Express は、Unified CM から JTAPI(CTI-QBE)を介して制御されます。
• 電話機の Message Waiting indicator(MWI; メッセージ待機インジケータ)は、メールボックスの
内容の変化を CTI-QBE 経由で Unified CM に伝達する Cisco Unity Express と、それに対してラン
プの状態変更の MWI メッセージを電話機に送信する Unified CM によって制御されます。
• 音声ゲートウェイは、H.323、SIP、または MGCP 経由で Unified CM と通信します。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-26
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合せ
• Real-Time Transport Protocol (RTP)ストリーム フローは、エンドポイント間の音声トラフィッ
クを搬送します。
図 23-16 は、WAN リンクがダウンした場合に、SRST または SRST モードの Unified CME のルータ
と Cisco Unity Express の間のコール フローに関係するプロトコルを示しています。
図 23-16
Cisco Unity Express と SRST または SRST モードの Unified CME のルータの間で使用され
るプロトコル
Cisco
Unified CM
Cisco Unity
Express
M
M
M
M
M
SIP
TDM
SRST
RTP
VoIP
WAN
V
SCCP ߹ߚߪ SIP
IP
IP
114710
PSTN
図 23-16 は、次のシグナリングとメディア フローを示しています。
• 電話機は、SRST または SRST モードの Unified CME のルータから SCCP または SIP 経由で制御
されます。
• Cisco Unity Express は、内部 SIP インターフェイス経由で SRST ルータと通信します。
• 以前のリリースの Cisco Unity Express では、SRST モードでの MWI の変更はサポートされていま
せんが、通常動作で音声メッセージを送信および検索することができます。しかし、Unified CM
に電話機を再登録するまで、電話機の MWI ランプはそのままです。その時点で、すべての MWI
ランプの状態が、ユーザの Cisco Unity Express ボイスメール ボックスの現在の状態に自動的に再
同期されます。Cisco Unity Express 3.0 以降のリリースでは、SRST モードで MWI がサポートさ
れています。
• Cisco Unity Express では、SIP Subscriber/Notify および Unsolicited Notify がサポートされてお
り、MWI 通知を Unified CME モードと SRST モードの両方で生成できます。
• RTP ストリーム フローは、エンドポイント間の音声トラフィックを搬送します。
• SRST は、MWI 通知を受信するように登録された 各 ephone-dns の MWI について、Cisco Unity
Express にサブスクライブします。
(注)
Unified CM MWI(JTAPI)は、SIP MWI 方式に依存しません。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-27
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイスメール ネットワーキング
ボイスメール ネットワーキング
ここでは、Cisco Unity Express のボイスメール ネットワーキングに関する具体的な考慮事項を取り上
げます。また、Cisco Unified Messaging Gateway を使用したボイスメール ネットワーキングのハイレ
ベルな概要についても説明します。Cisco Unity または Cisco Unity Connection のボイスメール ネット
ワーキングに固有の情報については、http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco
Unity』または『Design Guide for Cisco Unity Connection』をそれぞれ参照してください。
ボイスメール ネットワーキングでは、Cisco Unity 、Cisco Unity Connection、Cisco Unity Express な
どのシステム間で、組み込みの Simple Mail Transfer Protocol(SMTP; 簡易メール転送プロトコル)
サーバおよび Voice Profile for Internet Mail(VPIM)バージョン 2 プロトコルのサブセットを使用し
て、ボイスメール メッセージの送受信、返信、転送を行えます。3 つのボイスメール メッセージング
製品はすべて、VPIM メッセージングにより、製品間の相互運用性をサポートしています。
Cisco Unity Express のボイスメール ネットワーキング
Cisco Unity Express は、メッセージのルーティングでは VPIM を、メッセージ配信では SMTP を使用
して、Cisco Unity および Cisco Unity Connection と通信します。Cisco Unity Express ボイスメール
ネットワーキングは、次の機能を提供します。
• サブスクライバは、発信側のシステム上でロケーション設定されたリモート Cisco Unity Express
または Cisco Unity サブスクライバとの間で、メッセージの送受信や転送を行うことができます。
• サブスクライバはまた、リモート システムから受信したメッセージに対して返信できます。
• サブスクライバは、配布リストの受信者にも、Cisco Unity から発信される個別のメッセージの受
信者にもなることができます。
特定の製品におけるボイスメール ネットワーキングの詳細については、http://www.cisco.com で入手
可能な該当するボイスメール製品のマニュアルを参照してください。
Cisco Unified Messaging Gateway によるボイスメール ネットワーキング
Cisco Unified Messaging Gateway は、Cisco Integrated Services Router(ISR; サービス統合型ルータ)
の Cisco ネットワーク モジュール上で実行される Linux ベースのソフトウェアです。Unified
Messaging Gateway は、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、Cisco Unity Express のハブとして動
作して、VPIM v2 ボイスメール システムをハブアンドスポーク構造または階層構造でネットワーク化
することができます。このアプローチにより、ボイスメール システム間の VPIM 接続を劇的に削減し、
各システムでの設定作業を簡素化できます。各ボイスメール システム(Cisco Unity、Cisco Unity
Connection、Cisco Unity Express、または Avaya Interchange と Message Networking サーバ)は、そ
れ自体と Cisco Unified Messaging Gateway との接続を設定するだけで十分です。これにより、
Unified Messaging Gateway がシステム間のメッセージのルーティングと配信を処理します。中規模か
ら大規模の分散した拠点を持つ企業が、Cisco Unified Communications ソリューションに移行するた
めには、このエンドツーエンドのメッセージ ネットワーキング機能が必要です。
Cisco Unified Messaging Gateway には、次の利点があります。
• VPIM を使用した複数の自律的ボイスメール ネットワークで、インテリジェント ルーティングを
可能にします。
• スケーラブルなボイスメール ネットワークを提供し、VPIM ネットワークを介してサードパー
ティ製のボイスメール システム(Avaya Interchange など)との相互運用性を確保します。
• ボイスメール VPIM ネットワークの追加や拡張が容易になります。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイスメール ネットワーキング
Cisco ネットワーク モジュール上で実行される Cisco Unified Messaging Gateway では、最大で 1000
のノードおよび 50,000 のサブスクライバをサポートできます。サブスクライバの数は、Unified
Messaging Gateway に登録された 1 つの Cisco Unity Express が 50 人のサブスクライバをサポートす
ると想定して計算されています。Unified Messaging Gateway の容量は、サポートされる最大ノード数
と、サポートされる最大サブスクライバ数の両方が関係しており、片方が増加すると、他方が減少しま
す。たとえば、ネットワーク上に多数のサブスクライバを持つ Cisco Unity や Avaya のエンドポイント
がある場合、Unified Messaging Gateway に登録できるノードの数は非常に少なくなります。
Cisco Unified Messaging Gateway を配置する場合は、次のガイドラインに従ってください。
• ネットワーク モジュールをより容量の大きいネットワーク モジュールにアップグレードすること
はできないため、1 つのネットワーク モジュールの最大容量を超える可能性がある配置を行う場合
には、ネットワークのアップグレードを事前に計画します。
• Cisco Unity Express 3.1 以降のリリースは、Cisco Unified Messaging Gateway に自動的に登録し、
ディレクトリの情報を交換しますが、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、Avaya Interchange
または Message Networking サーバは、Unified Messaging Gateway 上で手動でプロビジョニング
する必要があります。
• 冗長性のために 2 つの Unified Messaging Gateway(プライマリとバックアップ)を配置します。
• 最大 10,000 ノードの大規模な配置の場合、最大 20 の Messaging Gateway(10 のプライマリと 10
のバックアップ)を配置します。
(注)
Cisco Unified Messaging Gateway を使用したボイスメール ネットワーキングは、小規模企業向け
Cisco Unified Communications 500 シリーズには該当しません。これは、Cisco Unified
Communications 500 シリーズが、分散型環境でわずか 5 つのサイトしかサポートしないからです。
小規模企業向け Cisco Unified Communications 500 シリーズの配置に関する詳細については、
http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照してください。
分散型メッセージング ソリューションとしての VPIM の詳細、および Cisco Unified Messaging
Gateway の設計上のガイドラインについては、http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを
参照してください。
ボイスメールの相互運用性
Cisco Unity および Cisco Unity Connection の両方において、優れたスケーラビリティ オプションと相
互運用性サポートが提供されます。Cisco Unity(スタンドアロンまたはクラスタ)を使用した配置の
多くは、次の機能を備えるように拡張または移行できます。
• Cisco Unity と Cisco Unity Connection との相互運用性
• Cisco Unity Connection と Cisco Unity Connection との相互運用性
これらの相互運用性オプションの詳細については、次の Web サイトで入手可能な『Networking Guide
for Cisco Unity Connection』の最新バージョンを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/prod_maintenance_guides_list.html
上記の両方のタイプの相互運用性において、次のガイドラインが適用されます。
• Cisco Unity Connection スタンドアロン サーバ、クラスタ、またはデジタル ネットワークは、
Cisco Unity サーバまたはデジタル ネットワークと相互運用できます。
• 1 つの Cisco Unity Connection デジタル ネットワークは、1 つの Cisco Unity または Unity
Connection デジタル ネットワークとだけ結合できます。
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23-29
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイスメール ネットワーキング
• いずれの相互運用システムにおいても、最大ユーザ数または連絡先数は 100,000 です。この数に達
した後は、削除および変更だけが可能です。
• Cisco Unified Communications Manager Business Edition はサポートされていません。
• 2 つの Cisco Unity Connection および Cisco Unity デジタル ネットワークからそれぞれ 1 つのサー
バをブリッジヘッドまたはサイト ゲートウェイとして指定します。
• サイト ゲートウェイとして指定された Cisco Unity Connection サーバのバージョンは 8.0 以上であ
る必要があります。
• Cisco Unity にデジタル的にネットワーク接続されるすべての Cisco Unity Connection サーバの
バージョンは 8.0 以上である必要があります。
• サイト ゲートウェイとして指定された Cisco Unity サーバのバージョンは 8.0 以上である必要があ
ります。
Cisco Unity と Cisco Unity Connection の相互運用性
Cisco Unity と Cisco Unity Connection(デジタル ネットワーク)をデジタル的に結合して相互運用す
ると、ユーザはディレクトリを共有したり、簡単に管理を行ったり、その他の機能を使用したりできま
す。Cisco Unity と Cisco Unity Connection のネットワークを設計する場合には、次の考慮事項が適用
されます。
• Cisco Unity Connection ネットワークのすべてのノードのバージョンは 8.0 以上である必要があり
ます。
• バージョン 5.0 以上では、Cisco Unity デジタル ネットワークにサイト ゲートウェイ以外のサーバ
を配置できます。
• Microsoft Exchange Server には、Interoperability Gateway for Microsoft Exchange をインストー
ルする必要があります。
• Microsoft Exchange Server は、2007 SP1(64 ビット、ハブ トランスポートの役割を使用)または
2003(32 ビット)であり、Microsoft .NET Framework 2.0 SP2 以降がインストールされている必
要があります。
• IBM Domino はサポートされていません。
• Cisco Unity Connection ネットワークには、最大で 10 のノードを配置できます。Cisco Unity
Connection クラスタでは、パブリッシャ サーバだけがネットワークに参加するため、各サイトに
おける 10 ノードの制限をカウントする場合、クラスタは 1 ノードとしてカウントされます。
Cisco Unity Connection と Cisco Unity Connection の相互運用性
Cisco Unity Connection(デジタル ネットワーク、スタンドアロン サーバ、またはクラスタ)は、他の
Cisco Unity Connection(デジタル ネットワーク)と相互運用できます。これにより、ユーザは、ディ
レクトリを共有したり、簡単に管理を行ったり、その他の機能を使用したりできます。また、ノード
(クラスタまたはスタンドアロン サーバ)の合計数を最大 20 まで拡張できます。Cisco Unity
Connection を他の Cisco Unity Connection ネットワークと相互運用するように配置する場合には、次
の点を考慮します。
• デジタル ネットワーク システム内のいずれかの Cisco Unity Connection ノードで Cisco Unity
Connection 7.0 が実行されている場合、サポートされる最大ユーザ数は 50,000 です。
• IBM Domino はサポートされていません。
• 各 Cisco Unity Connection デジタル ネットワークでは、最大で 10 のサーバをサポートできます。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-30
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイスメール ネットワーキング
Cisco Unity と Unity Connection のバーチャライゼーション
近年、シスコはバーチャライゼーションの分野をリードしてきました。バーチャライゼーションには、
運用効率、ディザスタ リカバリ、総所有コストなどの点で利点があります。Cisco Unified Computing
System(UCS)は、Total Cost of Ownership(TCO; 総所有コスト)を削減してビジネスの機動性を向
上させることを目的として設計された統合システムに、コンピューティング、ネットワーキング、スト
レージ アクセス、およびバーチャライゼーションを一体化した、次世代のデータ センター プラット
フォームです。Cisco Unity と Cisco Unity Connection の両方において、Cisco Unified Computing
System で VMware を使用したバーチャライゼーションがサポートされています。詳細については、次
の Web サイトで入手可能な『Design Guide for Cisco Unity Virtualization』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/products_implementation_design_guide
s_list.html
(注)
Cisco Unity および Cisco Unity Connection の両方において、スケーラビリティに関する数値は、物理
サーバにおけるインストールによって異なることがあります。
Cisco Unity または Cisco Unity Connection のバーチャライゼーションには、次の基本的な設計上の考
慮事項が適用されます。
• 各仮想マシンには、仮想マシン専用の物理的な CPU コアが必要です。
• 各仮想マシンのメモリ予約には、仮想マシンに割り当てられたメモリ量の全体を設定する必要があ
ります。
• Cisco Unity 仮想マシンを配置する場合は、Cisco Unity のフェールオーバー機能を使用して冗長性
を管理することをお勧めします。
Cisco Unity Connection のバーチャライゼーションには、次の主な設計上の考慮事項が適用されます。
• 最大で 10,000 ユーザ、および 150 ポートがサポートされます。
• 1 つのデジタル ネットワークで最大 20 ノードがサポートされます(それぞれが 10 ノードで構成さ
れる 2 つのデジタル ネットワークを使用)。
• NIC チーミングはサポートされていません。
• バーチャライゼーションでは、Cisco Unified Computing System(UCS)プラットフォームだけが
サポートされます。
• バーチャライゼーションには、VMware が必要です。
• アクティブ / アクティブ クラスタのサーバは異なるブレードに配置する必要があります。可能であ
れば異なるシャーシに配置します。
仮想システムにおける Cisco Unity および Cisco Unity Connection の配置の詳細については、「仮想
サーバでの Unified Communications の配置」(P.5-51)を参照してください。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
OL-21733-02-J
23-31
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
ここでは、これまでに言及されていないが、ソリューションの中で、製品の重要な側面として考慮すべ
き一般的なベスト プラクティスとガイドラインを説明します。これらのベスト プラクティスとガイド
ラインは、Cisco Unity および Cisco Unity Connection のグループと、Cisco Unity Express のグループ
に分けて説明します。
Unified CM を使用した Cisco Unity と Cisco Unity Connection のベス
トプラクティス
この項の説明は、Cisco Unity と Unity Connection に適用されます。Cisco Unity Express については、
「Cisco Unity Express の配置に関するベスト プラクティス」(P.23-41)を参照してください。
帯域幅の管理
Unified CM は、帯域幅を管理するためのさまざまな機能を備えています。リージョン、ロケーショ
ン、およびゲートキーパーさえも使用して、Unified CM は、WAN リンクを介して伝送される音声
コールの数によって既存の帯域幅がオーバーサブスクリプションの状態になることがなく、音声品質が
低下しないことを保証できます。Cisco Unity および Unity Connection は、帯域幅の管理とコールの
ルーティングを Unified CM に依存しています。コール(音声ポート)が WAN リンクを通過すること
のある環境に Cisco Unity または Unity Connection を配置する場合、このようなコールはゲートキー
パーベースのコール アドミッション制御にとって透過的になります。このような状況は、Cisco Unity
または Unity Connection サーバが分散クライアントにサービスを提供している場合(分散型メッセー
ジングまたは分散型コール処理)、または Unified CM がリモートに置かれている場合(分散型メッ
セージングまたは集中型コール処理)、いつでも発生します。Unified CM は、コール アドミッション
制御用のリージョンとロケーションを提供します。
図 23-17 では、集中型メッセージングと集中型コール処理を使用する小規模なサイトで、リージョン
とロケーションを連携させて使用可能な帯域幅を管理する方法を示しています。リージョンとロケー
ションの詳細については、「コール アドミッション制御」(P.11-1)の章を参照してください。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-32
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
図 23-17
ロケーションとリージョン
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PC
IP
IP
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Unity
M
C
Unity
Connection
M
M
M
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G.729 ࠦ࡯࠺࠶ࠢ߇ 24 kbs ࠍ૶↪ߒ߹ߔ
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IP WAN PSTN
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SRST
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201
ࠬࠗ࠶࠴
200
IP
IP
153375
PC
図 23-17 では、リージョン 1 と 2 が、リージョン内コールに G.711 を使用し、リージョン間コールに
G.729 を使用するように設定されています。ロケーション 1 と 2 は、両方 24 kbps に設定されていま
す。ロケーションの帯域幅は、ロケーション間コールの場合にだけ配分されます。
リージョン内(G.711)コールは、ロケーションの使用可能な帯域幅に対して配分されません。たとえ
ば、内線番号 100 が内線番号 101 をコールする場合、このコールはロケーション 1 の使用可能帯域幅
24 kbps に対して配分されません。ただし、G.729 を使用するリージョン間コールは、ロケーション 1
とロケーション 2 の両方の帯域幅割り当て 24 kbps に対して配分されます。たとえば、内線番号 100 が
内線番号 200 をコールすると、このコールは接続されますが、追加の(同時)リージョン間コールで
は、リオーダー(ビジー)トーンが聞こえます。
ネイティブ トランスコーディング動作
Cisco Unity と Unity Connection では、IP エンドポイントと Cisco Unity または Unity Connection サー
バとの間でコールがネゴシエートされたコーデックと、録音または再生のコーデック形式が異なる場
合、ネイティブ トランスコーディングが行われます。コールが G.729 でネゴシエートされ、システム
全体の録音形式が G.711 で行われる場合、サーバはそのコールをネイティブにトランスコードする必要
があります。Cisco Unity と Unity Connection のネイティブ トランスコーディングは、外部ハードウェ
ア トランスコーダを使用せず、サーバのメイン CPU を使用します。ネイティブ トランスコーディング
という名称はここから来ています。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-33
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity の動作
デフォルトで、Cisco Unity サーバは、Skinny Client Control Protocol(SCCP)や SIP 経由のテレフォ
ニー統合で、G.711 と G.729 をサポートします。Cisco Unity ではまた、デフォルトのシステム全体の
メッセージング録音 形式が G.711 に設定されています。ネイティブ トランスコーディングを無効にす
るには、システムの録音形式と SCCP または SIP 統合コーデックのアドバタイズメントを同一に設定
することをお勧めします。たとえば、Unified CM の SCCP ポートまたは SIP トランクを使用して
Cisco Unity を実装する場合、アドバタイズされるコーデックから G.729 を削除して、ポートまたはト
ランクが G.711 のみをアドバタイズするように設定できます。またデフォルトのシステム全体の録音形
式を G.711 のままにすることにより、このシステムとネゴシエートされたすべてのコールが G.711 にな
り、録音もその形式で行われるため、メッセージング サーバ上でネイティブにトランスコードする必
要がなくなります。
Cisco Unity でのネイティブ トランスコーディングの無効化
Cisco Unity での SCCP 統合の場合に限り、Unified CM がハードウェア トランスコーダを音声ポート
コールに割り当てるようにするには、レジストリ設定によって、Cisco Unity サーバ上でネイティブ ト
ランスコーディングを無効(オフ)にする必要があります。このレジストリ設定は Audio - Enable
G.729a codec support と呼ばれます。これを設定するためのツールは、
http://www.CiscoUnityTools.com で入手可能な Advanced Settings Tool です (SIP で統合するときに
Cisco Unity のネイティブ トランスコーディングを無効にする方法の詳細については、
http://www.cisco.com で入手可能な特定の Cisco Unity リリースの『Cisco Unified Communications
Manager SIP Trunk Integration Guide for Cisco Unity 』を参照してください。
デフォルトでは、コーデック レジストリ キーが存在しないため、ネイティブ トランスコーディングは
有効(オン)です。Advanced Settings Tool により、使用可能な 2 つのコーデックのうちのどちらか 1
つを選択できる新しいレジストリ キーが追加されます。その後、Cisco Unity は、1 つのコーデックだ
けをサポートすることを Unified CM に「アドバタイズ」します。音声ポートを終端または起点とする
コールが、Cisco Unity サーバに設定されているタイプと異なるコーデックを使用している場合、
Unified CM はそのコールに外部トランスコーディング リソースを割り当てます。Unified CM 上でト
ランスコーディング リソースを設定する方法の詳細については、「メディア リソース」(P.17-1)の章
を参照してください。
(注)
現在、Unified CM 対応の Cisco Unity TAPI Service Provider(TSP)は、Skinny Client Control
Protocol(SCCP)音声ポートに対して G.729 と G.711 mu-law だけをサポートしています(a-law はサ
ポートされていません)。mu-law から a-law への変換には、Unified CM 自体やサービス統合型ルータ
(ISR)など、ソフトウェアのメディア ターミネーション ポイント(MTP)が必要です。
Advanced Settings Tool を使用して 1 つのコーデックだけをアドバタイズする場合は、Cisco Unity
サーバのシステム プロンプトが、使用されるコーデックと同じである必要があります。デフォルトで
は、システム プロンプトは G.711 です。コーデックが G.711 に設定されている場合、システム プロン
プトは正常に機能します。ただし、G.729 が選択されている場合は、システム プロンプトを変更する必
要があります。システム プロンプトを変更する方法の詳細については、http://www.cisco.com で入手
可能な『Cisco Unity System Administration Guide』を参照してください。システム プロンプトが、レ
ジストリで選択されているコーデックと同じでない場合は、エンド ユーザに、理解不能なシステム プ
ロンプトが聞こえます。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-34
OL-21733-02-J
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity Connection の動作
Cisco Unity Connection は、Cisco Unity と異なる方法でトランスコーディング操作を処理します。
Cisco Unity Connection では、Cisco Unity Connection SCCP または SIP シグナリングによってサポー
トされているすべてのコーデック形式(G.711 mu-law、G.711 a-law、G.729、iLBC、および G.722)
のコールは、常にリニア PCM にトランスコードされます。リニア PCM の録音は、General
Configuration の設定でシステムワイドに指定されたシステム レベルの録音形式(リニア PCM、G.711
mu-law/a-law、G.729a、または G.726)にエンコードされます(G.711 mu-law がデフォルト)。した
がって、Cisco Unity Connection では、トランスコーディングの全体的な影響が、Cisco Unity の場合
と大きく異なります。この章ではこれ以降、発信側デバイスと Unity Connection の間でネゴシエート
されるコーデックを「ライン コーデック」、システムレベルの録音形式として設定されたコーデックを
「録音コーデック」と呼びます。
トランスコーディングは、本来すべての接続で発生するので、ライン コーデックと録音コーデックが
違っても、システムへの影響にほとんど違いはありません。ただし、iLBC または G.722 を使用する場
合は例外です。G.722 と iLBC は、トランスコードに要する処理能力が大きいので、システムに対する
影響も大きくなります。G.722 と iLBC は、G.711 mu-law の約 2 倍のリソースを必要とします。そのた
め、G.722 または iLBC 接続の場合、システムは G.711 mu-law 接続の半分しかサポートできません。
原則として、デフォルトのコーデックは G.711 のままにしておくことをお勧めします。設定がディスク
容量に制約される場合は、G.729a や G.726 などの低ビット レート コーデックを録音形式として設定で
きますが、オーディオ品質は G.711 オーディオの忠実度とは異なることに留意してください。また、
G.722 がライン上のデバイスで使用されている場合は、リニア Pulse Code Modulation(PCM; パルス
符号変調)が、録音のオーディオ品質を高めるオプションです。ただし、この場合はディスク使用量が
増加し、ディスク容量に影響を及ぼします。
また録音コーデックを変更したり、特定のライン コーデックのみをアドバタイズしたりする理由がい
くつかあります。SCCP 統合または SIP 統合の際に、システムレベルの録音形式やアドバタイズされる
コーデックについて決定する場合は、次の要因を検討してください。
• 大部分のエンドポイントと Cisco Unity Connection の間で、どのコーデックがネゴシエートされる
か。これは、Cisco Unity Connection によるアドバタイズメントが必要なコーデックとそうでない
コーデックの判断に役立ちます。次に、たとえば多くのクライアントを G.722 や iLBC によって
Cisco Unity Connection に接続する必要がある場合など、大きな処理能力を必要とする Cisco
Unity Connection のネイティブ トランスコーディングの代わりに、Unified CM が、ハードウェア
トランスコーディング リソースを提供する必要がある場合を決定することができます。
• どのタイプの GUI クライアント(Web ブラウザ、電子メール クライアント、メディア プレーヤー
など)で録音を取得するか、またその GUI クライアントはどのコーデックをサポートするか。
• 選択したコーデックは、どの程度の品質のサウンドを生成するか。コーデックの中には、他のコー
デックより高品質なものがあります。たとえば、G.711 は G.729a より品質が高く、高い音質が求
められる場合に適切です。
• 1 秒間の録音にどの程度のディスク容量が必要か。
表 23-5 では、Cisco Unity Connection がサポートするコーデック形式の特徴を概観します。
表 23-5
コーデックの特徴
録音形式(コーデック) オーディオ品質
サポート状況
ディスク容量(帯域幅)
リニア PCM
高品質
広範なサポート
16 kbps
G.711 mu-law および
a-law
中程度の品質
広範なサポート
8 kbps
G.729a
低品質
限定的なサポート
1 kbps
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-35
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
表 23-5
コーデックの特徴 (続き)
録音形式(コーデック) オーディオ品質
サポート状況
ディスク容量(帯域幅)
G.726
中程度の品質
中程度のサポート
3 kbps
GSM 6.10
中程度の品質
中程度のサポート
1.6 kbps
Cisco Unity Connection が SIP または SCCP ポートでサポートするコーデックをアドバタイズする方法
を変更するには、Cisco Unity とは異なる設定を行います。Cisco Unity Connection がコーデックをア
ドバタイズする方法の変更の詳細については、『System Administration Guide for Cisco Unity
Connection』を参照してください。アドバタイズするコーデックとして選択できるのは、G.711
mu-law、G.711 a-law、G.729、iLBC、および G.722 です。また優先順位の高い順にコーデックを記載
したリストもあります。SCCP 統合では、コーデックがアドバタイズされ、ネゴシエートされるコール
のポートとデバイスのロケーションに基づいて Unified CM がコーデックをネゴシエートするので、
コーデックの順序は意味を持ちません。しかし SIP 統合では、順位のリストが意味を持ちます。コー
デックに優先順位を設定すると、Cisco Unity Connection は両方のプロトコルをサポートするものの、
指定された一方のみの使用が適していることをアドバタイズします。
Cisco Unity Connection Administration でシステムレベルの録音形式を変更する方法の詳細について
は、『System Administration Guide for Cisco Unity Connection』をそれぞれ参照してください。
Unified CM との統合
Cisco Unified CM は、Cisco Unity と Unity Connection のどちらにも SCCP または SIP で統合できま
す。ここでは、電話機、SIP トランク、および音声ポートに関して、その統合の詳細を説明します。
テレフォニー統合
Cisco Unity は、複数の異なるテレフォニー統合をサポートするので、ユーザを特定のテレフォニー統
合に関連付けることができます。メッセージ待機インジケータ(MWI)ポートも特定の統合に関連付
けられるので、その特定の統合に関連付けられたポートを通じて MWI 要求が行われます。
Cisco Unity Connection でも、この機能はほぼ同じです。ユーザは、1 つ以上のポート グループを含む
電話機システムに関連付けられます。ポート グループは、MWI ポートに関連付けられているので、
MWI 要求は、その特定のポート グループに関連付けられたポートを通じて行われます。
Cisco Unity テレフォニー統合は、Cisco Unity Telephony Integration Manager(UTIM)によって設定
し、Cisco Unity Connection の電話システムとポート グループは、System Administrator によって設定
します。
Cisco Unity と Unity Connection がサポートできるテレフォニー統合の数が無制限になり、システムあ
たりのポート数によってのみ制限されるようになりました。この機能は、SCCP 統合と SIP 統合のいず
れでも同じ方法で動作します。詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な該当する Cisco
Unity または Cisco Unity Connection のアドミニストレーション ガイドを参照してください。
複数クラスタを接続するオプションとして、クラスタごとに Cisco Unity に統合を追加するという方法
と別に、Unified CM は Annex M.1(Message Tunneling for QSIG のメッセージ トンネリング)をサ
ポートしています。これにより、管理者は、Unified CM クラスタの間にあるクラスタ間トランク
(ICT)で QSIG を有効にすることができます。ICT で QSIG を有効にすると、複数のクラスタがサ
ポートされている場合でも、Cisco Unity は 1 つの Unified CM クラスタのみに統合され、この 1 つの
クラスタでのみ、MWI をオン / オフするポートを指定する必要があります。Unified CM の Annex M.1
機能によって、MWI 要求をそれらの ICT 経由で伝搬し、適切な Unified CM クラスタとそのクラスタ
内の電話機に伝達できます。他のクラスタから発信されたすべてのコールは、その 1 つのクラスタに統
合された Cisco Unity サーバに転送できます。ICT で Annex M.1 が有効になっていれば、他のクラスタ
で MWI ポートを指定する必要はありません。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
23-36
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Annex M.1 の詳細については、次の Web サイトで入手可能な『Cisco Unified Communications
Manager System Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/prod_maintenance_guides_list.html
Enhanced Message Waiting Indicator(eMWI; 拡張メッセージ待機インジケータ)
Enhanced Message Waiting Indicator(eMWI; 拡張メッセージ待機インジケータ)は、従来の MWI を
拡張したものであり、音声メッセージの数が視覚的に表示されます。従来の MWI は、新しい音声メッ
セージが到着したときに電話機のメッセージ ランプをオンにし、ユーザのボイスメール ボックスから
新しい音声メッセージが削除されたときにオフにするという 2 値形式の表示です。eMWI は、Cisco
Unity と Cisco Unity Connection の両方で動作し、Cisco Unified IP Phone 8900 および 9900 シリーズ
SIP 電話機でサポートされています。
eMWI では、ユーザのボイスメール ボックス内の未再生メッセージが視覚的に表示され、メッセージ
のステータスが色付きで表示されます。未再生のメッセージは、電話機の画面で赤く表示されます。
eMWI は、Unified CM において、Cisco Unity と Cisco Unity Connection の両方の SIP および SCCP
統合でサポートされています。eMWI は、システムが SRST または SRSV モードで実行されている場
合には機能しません。Cisco Unity Connection との統合においては、Cisco Unity Connection サーバ上
に保管されているメッセージだけが eMWI で通知され、外部の IMAP サーバに保管されているメッ
セージについては通知されません。
eMWI は、Unified CM を使用した分散型コール処理環境で動作します。1 つのクラスタがクラスタ間
トランク(H.323 または SIP)経由で音声メッセージング サーバへの接続を提供する、分散型コール処
理と集中型音声メッセージング統合のシステムでは、クラスタ間トランク経由での eMWI 更新がサ
ポートされており、エンド デバイスに表示されます (図 23-18 を参照)。
eMWI は、クラスタ間トランク(H.323 または SIP)経由の、集中型メッセージングと分散型コール処
(注)
理の環境でも動作します。
Enhanced Message Waiting Indicator(eMWI; 拡張メッセージ待機インジケータ)
SIP
SIP ࠻࡜ࡦࠢ߹ߚߪ
QSIG ࠢ࡜ࠬ࠲㑆࠻࡜ࡦࠢ
IP
SIP ࠻࡜ࡦࠢ߹ߚߪ
SCCP ធ⛯
㔚⹤ᯏ
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 1
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 2
253871
図 23-18
Cisco Unity ߹ߚߪ
Unity Connection
図 23-19 に、クラスタ間トランク(H.323 または SIP)経由の、分散型コール処理と集中型音声メッ
セージングの環境における eMWI を示します。
図 23-19
分散型コール処理と集中型音声メッセージングの eMWI
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253872
SIP
IP
㔚⹤ᯏ
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 2
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 1
Cisco Unity ߹ߚߪ
Unity Connection
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23-37
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
図 23-19 に示すように、クラスタ 2 およびその音声メッセージング ソリューションでは eMWI がサ
ポートされますが、クラスタ 1 ではサポートされません。音声メッセージ数が含まれた eMWI 更新が
音声メッセージ ソリューションからクラスタ 2 の電話機に送信された場合、クラスタ 1 では、音声
メッセージ数なしの標準 MWI だけがクラスタ 2 に転送されます。
eMWI には、次のガイドラインが適用されます。
• すべてのクラスタで eMWI がサポートされている必要があります。中間クラスタで eMWI がサ
ポートされていない場合、終端のクラスタでは、音声メッセージ数なしの標準 MWI だけが受信さ
れます。
• 標準の MWI では、ランプ状態の変更(オンまたはオフ)だけが送信されるため、多くのトラ
フィックは生成されません。ただし、eMWI を有効にすると、メッセージング システムからメッ
セージ数も送信されるため、トラフィック量が増える可能性があります。トラフィック量は、メッ
セージ数と変更通知数に依存します。
Unified CM クラスタとの音声ポート統合
単一サイト メッセージング環境に Cisco Unity を配置する場合、Unified CM クラスタとの統合は
SCCP 音声ポートまたは SIP トランクを介して行われます。Unified CM サブスクライバに障害が発生
した場合でも(Unified CM フェールオーバー)、ユーザおよび外部コールが引き続き音声メッセージ
ングにアクセスできるように、設計上の考慮事項には、Cisco Unified CM サブスクライバ間の音声
ポートの適切な配置についても考慮する必要があります(図 23-20 を参照)。
図 23-20
Unified CM クラスタと統合された Cisco Unity サーバ(専用バックアップ サーバなし)
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Unity
Connection
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Unity
153376
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図 23-20 の Unified CM クラスタは、1 対 1 のサーバ冗長性および 50/50 のロード バランシングを採用
しています。正常な動作時には、各サブスクライバ サーバがアクティブで、サーバの全コール処理負
荷の最大 50% を処理します。1 台のサブスクライバ サーバに障害が発生すると、残りのサブスクライ
バ サーバが、障害の発生したサーバの負荷を担います。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
この設定では、ボイスメール ポートのグループが 2 つ使用され、各グループに、ライセンスのある音
声ポートの合計数の半分が含まれています。1 つのグループは、プライマリ サーバが Sub1 で、セカン
ダリ(バックアップ)サーバが Sub2 になるように設定されています。もう 1 つのグループは、Sub2
がプライマリ サーバで、Sub1 がバックアップになるように設定されています。
MWI 専用ポートや他の特殊なポートが、2 つのグループ間で等しく分散されていることを確認してく
ださい。音声ポートの設定中は、命名規則に特に注意してください。Cisco Unity Telephony
Integration Manager(UTIM)ユーティリティでポートの 2 つのグループを設定する場合は、必ずデバ
イス名プレフィックスがグループごとに固有となるようにし、Unified CM Administration でボイス
メール ポートを設定するときと同じデバイス名を使用します。この例では、デバイス名プレフィック
スがポートのグループごとに固有になっています。グループ Sub1 ではデバイス名プレフィックスとし
て CiscoUM1 が使用され、Sub2 では CiscoUM2 が使用されています。
着信ボイスメール ポートと発信ボイスメール ポート(MWI、メッセージ通知、および TRaP 用)の比
率に関する設計上の詳細情報については、http://www.cisco.com で入手可能な『Cisco Unity System
Administration Guide』を参照してください。
(注)
デバイス名プレフィックスは、ポートのグループごとに固有で、Unified CM Administration に設定さ
れているボイスメール ポートの命名規則と一致する必要があります。
Unified CM Administration では、この例のポートの半分が固有なデバイス名プレフィックス
CiscoUM1 を使用して登録されるように設定され、残りの半分が一意のデバイス プレフィックス
(CiscoUM2)を使用して登録されるように設定されています (表 23-6 を参照)。表 23-6 に示すよう
に、ポートが Unified CM に登録される場合、半分がサブスクライバ Sub1 に登録され、残りの半分が
Sub2 に登録されます。
表 23-6
Unified CM Administration でのボイスメール ポート設定
デバイス名
説明
デバイス プール
SCCP セキュリティ プ
ロファイル
ステータス
CiscoUM1-VI1
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
IP アドレス
1.1.2.9
CiscoUM1-VI2
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
1.1.2.9
CiscoUM1-VI3
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
1.1.2.9
CiscoUM1-VI4
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI1
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI2
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI3
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI4
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
(注)
Unified CM Administration でボイスメール ポートに使用される命名規則は、Cisco UTIM で使用され
るデバイス名プレフィックスと一致する必要があります。一致しないと、ポートの登録に失敗します。
Cisco Unified Communications システム 8.x SRND
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23-39
第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
専用 Unified CM バックアップ サーバを使用する音声ポート統合
この Unified CM クラスタ構成では、各サブスクライバ サーバが 50% を超えるコール処理負荷で動作
できます。各プライマリ サブスクライバ サーバは、専用バックアップ サーバまたは共有バックアップ
サーバを持ちます (図 23-21 を参照)。正常な動作時、バックアップ サーバはコールを処理しません
が、サブスクライバ サーバの障害時またはメンテナンス時に、バックアップ サーバはそのサブスクラ
イバ サーバのすべての負荷を担います。
図 23-21
単一の Unified CM クラスタと統合された Cisco Unity サーバ(バックアップ サブスクライバ
サーバを使用)
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ҥɟǵǤȈ
σஊȐȃǯǢȃȗ ǵȸȐ
ҥɟǵǤȈ
ࡄࡉ࡝࠶ࠪࡖ/TFTP
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この場合のボイスメール ポートの設定は、50/50 のロードバランシング クラスタに似ています。ただ
し、もう 1 台のサブスクライバ サーバをセカンダリ サーバとして使用するように音声ポートを設定せ
ず、個別の共有バックアップ サーバまたは専用バックアップ サーバを使用します。共有バックアップ
サーバと共にクラスタ化された Unified CM では、両方のサブスクライバ サーバのセカンダリ ポート
が、単一のバックアップ サーバを使用するように設定されます。
音声ポート名(デバイス名プレフィックス)は、Cisco UTIM グループごとに固有で、Unified CM
サーバ上で使用されるデバイス名と同じである必要があります。
Cisco Unity でボイスメール ポートを設定するには UTIM ツールを使用します。Cisco Unity
Connection では、Unity Connection Administration コンソールの Telephony Integration セクションを
使用します。詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な Cisco Unity または Cisco Unity
Connection のアドミニストレーション ガイドを参照してください。
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity Express の配置に関するベスト プラクティス
Cisco Unity Express を配置する場合は、次のガイドラインとベスト プラクティスを使用してください。
• ボイスメールの宛先として Cisco Unity Express を持つ IP 電話が、Cisco Unity Express をホスト
するルータと同じ LAN セグメントに置かれていることを確認します。
• Cisco Unity Express を使用して配置するサイトで無中断の自動応答機能(AA)と電子メール アク
セスが必要な場合は、Cisco Unity Express、SRST、および公衆網の音声ゲートウェイがすべて同
じ物理サイトに置かれていることを確認します。Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホットスタ
ンバイ ルータ プロトコル)やその他の冗長性ルータ設定は、現在、Cisco Unity Express ではサ
ポートされていません。
• 各メールボックスは、プライマリ内線番号とプライマリ E.164 番号に関連付けることができます。
通常、この番号は、公衆網の発信者が使用する direct-inward-dial(DID)番号です。プライマリ
E.164 番号が他の番号に設定されている場合、SRST モード時に正しいメールボックスに到達する
ように、Cisco IOS 変換パターンを使用して、プライマリ内線番号かプライマリ E.164 番号に一致
させます。
Unified CM とのボイスメール統合
• 各 Cisco Unity Express サイトは、ボイスメール用と AA 用(ライセンスされ、購入している場合)
に CTI ルート ポイントを 1 つずつ関連付ける必要があります。またライセンスされた Cisco Unity
Express ポートと同じ数の CTI ポートを設定する必要があります。Cisco Unity Express の数が、
「コール処理」(P.8-1)の章に示すスケーラビリティ ガイドラインを超えないことを確認します。
• Cisco Unity Express は、Unified CM 上の JTAPI ユーザに関連付けられます。単一の JTAPI ユー
ザをシステム内の Cisco Unity Express の複数のインスタンスに関連付けることは可能ですが、
Unified CM 内の専用の JTAPI ユーザをそれぞれ単一の Cisco Unity Express に関連付けることを
お勧めします。
• Unified CM を以前のバージョンからアップグレードした場合、JTAPI ユーザのパスワードは、
Unified CM で自動的にリセットされます。したがって、管理者は、アップグレードの後、JTAPI
パスワードが Cisco Unity Express と Unified CM の間で同期化され、Cisco Unity Express を
Unified CM に登録できることを確認する必要があります。
• CTI ポートと CTI ルート ポイントは、特定の場所で定義することができます。Unified CM と
Cisco Unity Express の間で、ロケーションベースのコール アドミッション制御を使用することを
お勧めします。RSVP を使用することもできます。
• Cisco Unity Express と Unified CM の間を通過する WAN のシグナリング トラフィックのための、
適切な Quality of Service(QoS)と帯域幅を確保します。各 Cisco Unity Express サイトの
CTI-QBE シグナリングのために、20kbps の帯域幅をプロビジョニングします。詳細については、
「ネットワーク インフラストラクチャ」(P.3-1)の章を参照してください。
• Unified CM から Cisco Unity Express への CTI-QBE シグナリング パケットは、AF31(0x68)と
いう DSCP 値でマーキングされています。Unified CM は、CTI-QBE シグナリングに TCP ポート
2748 を使用します。
• Unified CM JTAPI ライブラリは、すべての発信 QBE シグナリング パケットに、適正な IP
Precedence ビットを設定します。その結果、Cisco Unity Express と Unified CM の間のすべての
シグナリングに、適正な QoS ビットが設定されます。
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity Express コーデックと DTMF のサポート
Cisco Unity Express へのコールは、G.711 のみを使用します。ローカルのトランスコーダを使用して、
WAN を通過する G.729 コールを G.711 コールに変換することをお勧めします。Unified CM リージョ
ンは、リージョン内コールに G.711 音声コーデックを、リージョン間コールに G.729 音声コーデックを
使用するように設定できます。
Cisco Unity Express サイトにトランスコーディング機能がない場合、必要な数の G.711 ボイスメール
に対応する十分な帯域幅を WAN 上にプロビジョニングします。IP 電話と Cisco Unity Express デバイ
ス(CTI ポートと CTI ルート ポイント)の間のコールに G.711 音声コーデックを使用するように、
Unified CM リージョンを設定します。
Cisco Unity Express は、DTMF リレーのみをサポートし、インバンド DTMF トーンはサポートしてい
ません。Cisco Unity Express では、DTMF は、SIP または JTAPI のいずれかの呼制御チャネルを介し
てアウトオブバンドで搬送されます。Cisco Unity Express 2.3 は、RFC 2833 を使用した、Cisco Unity
Express への G.711 SIP コールをサポートします。
JTAPI、SIP トランクおよび SIP 電話機のサポート
Cisco Unified CM は SIP トランク プロトコルをサポートしますが、Cisco Unity Express は Unified
CM との通信に JTAPI を使用します。Cisco Unity Express は、SCCP 電話機と SIP 電話機の両方をサ
ポートします。
• SRST を使用できるように SIP トランクを設定し、(JTAPI によって)SIP 電話機をサポートする
ように Unified CM を設定します。
• Cisco Unity Express は、トランスコーダ経由で G.729 SIP コールをサポートします。また
Cisco IOS Release 12.3(11)XW で RFC 2833 がトランスコーダをパススルーする能力が追加され
ています。
• Cisco Unity Express は、Unified CM からのスロースタート コールの場合、コール設定のための
ディレイド メディア(delayed media、INVITE メッセージ内に SDP なし)をサポートします。
• Cisco Unity Express は、ブラインド転送と打診転送の両方をサポートしますが、デフォルトの転
送モードは、SIP コールで REFER を使用した打診転送(半自動)です。転送モードを、REFER
を使用する打診転送または BYE/ALSO を使用するブラインド転送に明示的に変更するには、
Cisco Unity Express コマンド ライン インターフェイスを使用します。リモート エンドで REFER
がサポートされていない場合は、BYE/ALSO が使用されます。
• Cisco Unity Express は、音声メッセージ通知のためのアウトコールをサポートしています。また、
打診転送もサポートしています。これらのいずれのコール設定時でも、Cisco Unity Express は
INVITE に対する 3xx 応答を受信できます。Cisco Unity Express は、INVITE に対する 301
(Moved Permanently)と 302(Moved Temporarily)応答のみを処理します。これには、3xx 応答
の Contact ヘッダーに含まれ、新しい INVITE の送信に使用する URL が必要です。305(Use
Proxy)応答は、サポートされていません。
(注)
Cisco Unified CM と Cisco Unity Express との間の互換性については、
http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/unity_exp/compatibility/cuecomp.htm で入手可能な
『Cisco Unity Express Compatibility Matrix』を参照してください。
Cisco Unity Express の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照し
てください。
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
サードパーティ製ボイスメールの設計
サードパーティ製ボイスメールの設計
この項では、サードパーティ製ボイスメール システムを Cisco Unified Communications とともに配置す
る場合のさまざまなオプションについて説明します。統合とメッセージングの両方について説明します。
(注)
この項では、ポートやストレージに関するサードパーティ製ボイスメール システムのサイジング方法
については説明しません。この情報については、ボイスメール ベンダーに連絡してください。ボイス
メール ベンダーは、具体的なトラフィック パターンに基づいて、各ベンダーのシステムにおける個別
の要件をより適切に判断できます。
統合
統合は、ボイスメール システムとその関連する PBX またはコール処理エージェントとの間の物理的な
接続として定義されます。統合によって、これらの間に機能セットも提供されます。
ボイスメール ベンダーは数多くあり、Cisco Unified CM を配置する場合に既存のボイスメール システ
ムを引き続き使用することも一般的です。この要件に留意し、シスコでは、Simplified Message Desk
Interface(SMDI)という業界標準のボイスメール プロトコルをサポートしています。SMDI は、ボイ
スメール システムが適切にコールに応答するために必要なすべてのコール情報を提供するシリアル プ
ロトコルであり、さまざまなベンダーの異なるシステム間でのボイスメール統合において配置される最
も一般的な方式です。
(注)
シスコでは、サードパーティ製ボイスメール システムのテストや認証は行っていません。通常、この
業界では、さまざまな PBX システムに対して自社の製品をテストまたは認証することはボイスメール
ベンダーの責任であるとされています。シスコでは、そのような機器とのシスコのインターフェイスを
テストし、どのようなサードパーティ製ボイスメール システムが接続されるかにかかわらずこれらの
インターフェイスをサポートします。
ボイスメール統合における SMDI の代替選択肢として、QSIG があります。QSIG を使用しても、
Primary Rate Interface(PRI; 一次群速度インターフェイス)T1/E1 トランク経由でサードパーティ製
PBX から Unified CM に接続できます。各方式にはそれぞれの利点と欠点があり、使用する方式はボ
イスメール システムと現在の PBX との統合方法に大きく依存します。
ボイスメール システムと Unified CM を接続する他の方式(PRI ISDN トランクと SMDI を組み合せる
方式など)もありますが、それらは一般的ではありません。
現在、ボイスメール統合に使用できる他の方法には、H.323 や SIP があります。ただし、ベンダーにお
けるさまざまな実装方式、サポートされる機能、およびその他の要因によって、これらのサードパー
ティ製ボイスメール統合は、お客様が評価する必要があります。これらのオプションの詳細について
は、シスコのアカウント チームまたはシスコ代理店に連絡してください。
メッセージング
メッセージングは、ボイスメール システム間でのメッセージの交換として定義されます。メッセージ
ングの目的で使用できるいくつかのオープンな標準があります。
異なるシステム間でのメッセージングを可能にするために配置される最も一般的なプロトコルは、
Voice Profile for Internet Mail(VPIM)です。VPIM の仕様は何度か更新されており、最新ではない
バージョン 2 が現在でも最も広く採用されているようです。VPIM よりも前から存在するメッセージン
グ プロトコルに Audio Messaging Interchange Specification - Analog(AMIS-A)がありますが、ユー
ザ インターフェイスが使いにくく、アナログ テクノロジーが使用されており、機能も少ないことから、
ほとんど使用されていません。
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第 23 章
シスコの音声メッセージング
サードパーティ製ボイスメールの設計
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