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経営革新承認企業訪問
経営革新承認 株式会社 シマブン 企業訪問 No.12 グレーチングを開発し続ける シマブンは排水関連製品メーカー。グレーチングと呼ばれる金属製の排水溝のふたに 特に強みを持つ。デザインや仕様はさまざまで 500 種類ほどある。ユニットバスの普及 で住宅向け需要は減ったが、施設向け需要は健在。シャワールームやベランダ、調理場、 高級住宅などで使われている。その中で「当社の製品は高齢者施設や病院の採用が多く、 2割ほどのシェアがある」 (島社長)という。 シマブンは、現在の島信英社長の先祖が江戸時代に始めた、かわら製造業が発祥。最 盛期には韓国や台湾への輸出も行った。創業とする 1932 年には建築資材の販売を開始。 67 年には洗面化粧台やマントルピースの製造に乗り出す。 同社は、かわらと同じく焼成で作るタイルを販売していたため、流し台にタイルが使 われていた時代から排水にかかわると言える。排水関連製品メーカーの性格が強まった のは 83 年。開発した排水ユニット「小川くん」の発売がきっかけ。溝とふた、悪臭が 上がるのを防ぐトラップを一体化して施工やメンテナンスを簡単にしたことが受けた。 排水能力を追求 排水溝やグレーチングに求められる最大の機 能は水はけ。シマブンは、いかに速く流れるか を最初に考えて設計する。排水から悪臭が上が りにくいことも求められる。ただ設計は使用条 件を考慮しなければならない。例えば同じ設計 の浴室でも階が異なれば排水能力が異なること がある。 最近は特に、滑りにくい、子供が指や手を挟 グレーチング まないなど安全面も重要だ。バリアフリー設計 で脱衣場と浴場に段差がない場合が増えている。 その場合は大量の水が流れてきても、脱衣場に 水が流れ出ないよう排水しなければならない。 12 BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2014.7 浴室に使われるグレーチング 全従業員が参加 シマブンは経営革新計画の承認を2度受けた。 進に関する法律」の意義から説明。計画の重要性 最初は 09 年3月。08 年のリーマンショックで売り を説き、会社の全部門が参加して計画を策定した。 上げが前年同月比で 15%減り、09 年も減少が予 島社長は目標を明確にすることも意識した。その結 想された。島社長は 「このままでは会社が持たない」 果、従業員に責任感が生まれ、計画への参加意識 と危機感を持ち、新商品による売り上げ拡大を目 が強まった。島社長は「一体感を持って計画を実 指す。承認計画「新商品『滑らない樹脂製屋外用 行することができた」と振り返る。 グレーチング』の開発」で取り組みをスタートする。 計画は島社長と開発担当者だけでなく、経理、 営業を含む全従業員に理解を求めた上で進めた。 危機を乗り切るには会社一丸となる必要があると 考えたからだ。 「中小企業の新たな事業活動の促 会社外観 「滑らない」を屋外展開 開発では、樹脂の形状を工夫することで滑らな いようにした。屋外で使うため紫外線による劣化防 止を図り、たばこの火が触れることを想定、歩道 用だったが車が乗り上げる場合も考えている。樹 脂は材料メーカーに専用品を開発してもらった。汚 れにくく、掃除がしやすいようにする。げたやハイ ヒールでも転びにくい設計とした。 11 年からの承認計画「新商品『滑らないグレー チング』の開発」は現在進行中。島社長は「すべ ての製品がユニバーサルデザインであるべきだ」 革新計画で開発したグレーチング と力を込める。 企業概要 代表取締役 島 信英 お問い合わせ 企 業 名 代 表 者 所 在 地 T E L F A X E メール U R L 社 員 数 事業内容 株式会社 シマブン 代表取締役 島 信英 佐賀県三養基郡みやき町江口 2488 の 5 0942- 89- 5235 0942- 89- 5306 [email protected] http://www.shimabun.jp 33 人 建築用材料の製造、販売 経営革新センター TEL:092-622-5432 BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2014.7 13