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住宅の屋根借り太陽光発電

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住宅の屋根借り太陽光発電
埼玉エコタウンプロジェクト 3 年間の軌跡
住宅の屋根借り太陽光発電
東日本大震災後、 エネルギー供給への不安が大きくなり太陽光パネル整備需要が高まりました。 埼玉エコタウンプロジェクトに
おいても太陽光による創エネは地産地消モデルの中心的な取組であり、 一人でも多くの方に設置を呼びかけ普及を進めてきま
した。 しかし、 太陽光パネルは非常に高価です。 買電料の節減、 余剰電力の買取によって 10 年程度で元がとれるというこ
とは理解できても、 初期投資はやはりネックになります。 購入だけでは普及に限界がある。 初期投資なしで太陽光パネルを設
置することはできないのか?― それに対する回答のひとつが 「屋根借り太陽光」 です。 事業者が住宅の屋根を 「借り」 太陽
光パネルを設置する。 発電された電気は全量を売電し、その収益で投資回収を図る。 売電益の一部を利用料として支払い、
事業終了後には太陽光パネルを無償で譲渡する。 初期費用なしに太陽光発電設備を取得でき、 太陽光発電を一気に普
及拡大させることができる。 この新しい普及施策の可能性を実証事業としてプロジェクトの中で探っていきました。
公募により事業者を選出、 本庄市 ・ 東松山市の重点実施街区で屋根を 「貸して」 いただける住宅を募りました。 平成 25
年 7 月に募集を開始、 県から住民への間接補助(事業者が賃料の一定額を契約時に前払いすることに対して補助)事業
も行い、 事業者とともに広く呼びかけを行いましたが、 最終的な応募は3戸にとどまりました。(このほか街区外ですが幼稚園
で屋根を借りて太陽光パネルを設置することになりました。)
自己資金での導入が困難な場合でも太陽光発電設備が設置することができるこの事業の実施は、 いろいろなニーズに応える
意味では成果があったと考えます。 また民間主導による太陽光発電設備の新たな普及拡大の施策の一つの事例として事業
者の提案が実を結んだとも言えます。 しかし、 残念ながら参加者は当初想定した件数ほど伸びませんでした。 屋根借り太陽
光発電に関心がありながら断念した世帯の方からは、 その理由として 「賃貸期間 18 年が長い」 「賃借期間が長い割に賃料
が少ない」 「屋根の改修が必要」 という声があげられました。 東日本大震災後のエネルギーへの危機感が無くなってきたことに
よる住民意識の変化や太陽光発電の売電単価が下がったことなど、 必要性は感じるが屋根を貸してまで参加しなければなら
ない状況ではない、 と多くの方が判断されたのでしょう。 今回取組としての一定の意義はありましたが、 大きな成果にはなりま
せんでした。 太陽光発電の普及拡大には様々な課題を克服しつつ、 「屋根借り」 とは別の形での工夫もしながら努力していく
ことが必要です。
設置 ・ メンテナンス
●参加対象住宅●
売電利益から事業者が負
担する管理費を差し引い
太陽光発電設備の
た額の 5 ~ 7%
所有権は事業者
・ 1-6 年目 5%
・ 7-12 年目 6%
・ 13-18 年目
事業者
利用料
7%
スマートエナジー
売電益の一部
サービス(提案
●契約期間●
公募により決定)
平成 26 年
4 月 1 日から
賃料前払い
18 年間
10 万円/件
・ 重点実施街区内にあ
る住宅
・ 持家
・ 地区年数制限なし
・ アパートも可
全量
売電
東京電力
●参加者●
①東松山市加美町 5.6kW
②東松山市加美町 4.8kW
③本庄市四季の里 3.2kW
36
●利用料●
売電益
補助
10 万円/件
埼玉県
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