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土 の 透 水

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土 の 透 水
土
の 透 水
1.はじめに
土の間隙に含まれる水は、自由水、毛管水、吸着水に分けられるが、そのうち自由水、毛管水
は土の間隙をとおって移動する。地下水の移動のしやすさは土の種類やその状態によって異なり、
移動のしやすさは土の透水性で表される。土の透水性は、井戸の揚水量や土でつくったダムの堤
体、地盤中を浸透する水量などを考える上で大切である。
2.土の透水性
2.1
土の構造
粒状体において間隙が変化するのは、土粒子の形状、土粒子の配列の状態によるものと考えら
れているが、その間隙の変化の様子を模型的に考えるひとつの方法として、等しい直径をもった
球の規則的な配列模型をあげる。
今、図 2.1.1 に球の代表的な配列状態を示す。図 2.1.1(a)は最もゆるい詰り方で立方面体集合
と称し、この状態の間隙比はe=0.9099、間隙率はn=47.64%であり、その間隙の形は(c)のよ
うになる。(b)は最も密な詰り方で斜方面体集合と称し、
この状態の間隙比はe=0.3504、間隙率はn=25.95%であり、
その間隙の形は(d)のようになる。
実際の土では、いかに粒径が均等であっても、球の場合の
ように間隙の量が粒径に無関係というわけにはいかないが、
均等な砂では粒径が小さいほど間隙量は増大する。また、各
種の粒径が混ったいわゆる粒度分布のよいものほど最大間隙
比emax も最小間隙比emin も小さくなる。
実在の砂では細粒子がすることの効果は、粒径が角ばって
いるという形状的な要素によって相殺され、その結果、最大
間隙比emax≒1.0、最大間隙率nmax≒50%、最小間隙比emin
≒0.43、最小間隙率nmin≒30%である。
図 2.1.1 等球の集合モデル
2.2
土中の水の流れ
土中に水位差があれば、水は土の間隙をぬって流れる。いま、図 2.2.1(a)に示した水位下にあ
る長さLの土試料を考える。図(a)の場合、水位差がないので水に流が生じない。この試料に(b)
のように水位差hを与えると、水に流れが生じる。図(b)の点aから点bへの矢印は一つの水の
流れの経路を示しており、この経路を表す線を流線という。γw・hの水圧は点bに対する点の
過剰水圧という。
図(b)において、点aの静水圧は点bよりγw・hだけ大きい。このγw・hは水の浸透する力
で、その分だけ土粒子は圧力を受けるので、浸透水圧ともいう。この水圧γw・hが大きいほど
水が流れようとするエネルギーが大きいことを表し、流線の長さLが長いほどその勢いは押えら
れる。この水圧γw・hと流線の長さLの比を圧力勾配ipという。
ip=γw・h/L
・・・・・・・・・・・・・・・(2.2.1)
この圧力勾配ipをγw で割って無次元化したものを動水勾配という。
i=h/L
・・・・・・・・・・・・・・・(2.2.2)
1
図 2.2.1 土中の水の流れ
2.3
ダルシーの法則
ある流路を層流状態で流れる水の流量Qは、流れの断面積をA、流速をvとすれば、
Q=A・v
・・・・・・・・・・・・・・・(2.3.1)
で与えられる。これから流速vは式(2.3.1)を書き換えて
Q
v=
・・・・・・・・・・・・・・・(2.3.2)
A
で求められる。
土中の浸透流についても、この考え方が成り立つ。ダルシーは砂を用いて土中の浸透流に関す
る実験を行い、浸透流Qは水頭勾配iおよび浸透断面積Aに比例する」こと
Q=k・i・A
・・・・・・・・・・・(2.3.3)
さらに、
「浸透速度vは浸透路中の任意の2点間の水頭差hに比例し、対応する浸透路長Lに反
比例する」ことを明らかにした。
h
v=k・
L
・・・・・・・・・・・(2.3.3)
参
考
層流とは、流体が規則正しく流線上を運動している流れをいう。また、乱流はうずが生じて流体
が不規則に運動している流れのことをいう。水理学でのうずとはエネルギー損失の代名詞のよう
なもので、うずが生じると言われればとりあえずエネルギー損失が起こっているのかと考えても
よい。
3.土の透水係数
3.1
テルツアーギの式
テルツアーギは透水係数kについて次の式を提唱した。
・・・・・・・・・・・(3.1.1)
ここで係数Ct は滑らかな円味のある砂の場合Ct=10.84、著しく角ばった川砂の場合
Ct=2.6 としている。
2
3.2
セルハイムの式
セルハイムはほぼ均等な砂粒子群の平均粒径をDm(cm)、係数をcとして次式を提唱した。
・・・・・・・・・・・・・・・(3.1.2)
ここで、cとDm の関係はセルハイムやハーゲン、クレーベルなどが測定したが、cの平均値
39.4 に対し、Dm の平均値は 0.064(cm)である。
また、セルハイムは清浄な石英砂において、水温が 10℃のとき
・・・・・・・・・・・・・・・(3.1.3)
であるとした。ここでDは砂粒子を均等な球形粒子とみなしたときの直径であり、
(cm)で与え
る。
3.3
ハーゼンの式
ハーゼンは粒径加積曲線における有効径(10%通過径)と水温tならびに透水係数kの関係を
次式で与えた。
・・・・・・・・・・・・・・・(3.1.4)
ここでCh の値は表 3.2.1 に示す。
表 3.2.1 Ch の値
なお、この(3.1.4)式は均等係数Uc≦5
の場合に適合性がよい。
3.4
その他、土粒子の粒径で推定する方法
土粒子の粒形や粒径から透水係数を推定する方法、
実施の土について透水係数を実測する方法があるが、
それらの概略値を表 3.2.2、表 3.2.3、表 3.2.4 に示す。
表 3.2.2 透水係数の概略値
表 3.2.3 粒径と透水係数の概略値
3
表 3.2.4 クレガーによるD20 と透水係数
4.定常流状態の井戸公式
4.1
被圧井戸
図 4.1.1 被圧状態の定常流井戸
定常揚水量
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4.1.1)
水位低下量
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4.1.2)
4.2
不圧井戸
図 4.2.1 不圧状態の定常流井戸
定常揚水量
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4.2.1)
水位低下量
・・・・・・・・・・・・・・(4.2.2)
4
4.3
部分貫入の被圧井戸
図 4.3.1 部分貫入の被圧井戸
定常揚水量
・・・・・・・・・・・・・・(4.3.1)
・・・・・・・・・・・・・・(4.3.2)
4.4
部分貫入の不圧井戸
図 4.4.1 部分貫入の不圧井戸
定常揚水量
・・・・・・(4.4.1)
5
4.5
その他の井戸公式
図 4.5.1
4.5.1
4.5.2
4.5.3
4.6
影響圏半径
影響圏半径は、地下水位を低下させた影響がおよばない半径Rである。この値は、地下水位低
下量、揚水量、揚水時間、透水係数等に比例する値である。
表 4.6.1 に経験式や理論式を示す。実用的な流量算定の際の影響圏半径は、表 4.6.2 に示すよ
うに透水性の良い地盤ほど大きく、透水性の悪いほど小さい。また、影響圏半径は、不圧滞水層
よりも被圧帯水層の方が大きい。
表 4.6.2 土質と影響範囲
表 4.6.1 影響圏半径を求める実験式
①schoklitch による影響圏半径
微粒砂
R=5~10m
中砂
R=50m
6
粗砂
R=50~100m
礫
R=500m
②Weber の提案式
H:不透水層からの地下水位(m)、n:土の間隙率(%)
t:揚水時間(sec)
、k:透水係数(m/sec)
③Kozeny の提案式
t:揚水時間(sec)
、n:土の間隙率(%)、
Q:揚水量(m3/s)
、k:透水係数(m/sec)
5.根切り掘削に伴う排水計画
5.1
掘削面の周囲から排水する場合
図 5.1.1
図 5.1.2
被圧地下水地盤の掘
不圧地下水地盤の掘
図 5.1.1、図 5.1.2 に示す被圧、不圧帯水層の条件での掘削面への流出流量、あるいは地下水
位低下量を求める式を表 5.1.1 に示す。定常浸透流の際の影響圏Lの値は軸対象解析の影響圏半
径Rと異なり、排水流量や水位低下量に直接、強く影響するために、取り扱いに注意する必要が
る。表 5.1.1 の流量qは単位奥息行き当りの流量であるので、図 5.1.3 に示すようにBなる区間
を掘削する際には、総流出流量は掘削の両側より排出するために次式により求める。
Q=2qB
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5.1.1)
表 5.1.1 断面二次元浸透における排水量と水位低下量
7
5.2
単列矢板の下を回る浸透流
図 5.2.1 のように、山留め壁を設けて掘削した状態
での、掘削面への単位奥行き当りの流出流量はqは、
Muskat(マスカット)の式により求められる。
q=kB⊿h
・・・・・・・・・・・(5.2.1)
ここで、Bの値は矢板の貫入率等の条件から図 5.2.2
より定められる。この Muskat の解法は掘削面幅が無限
である場合の流出流量の値である。
図 5.2.1
矢板のしたを回り込む浸透
図 5.2.2 Muskat による浸透流量計算グラフ
5.3
二重矢板締切りの下を回る浸透流(1)
Harr(ハー)は、図 5.2.3 のように無限に深
い帯水層に幅 2b で矢板を締め切った状態で掘削
面での水位を⊿hだけ低下させたことによる流出
流量を計算するための理論解を導き、図 5.2.4(a)、
(b)に示す計算図表を示している。
図 5.2.3 二重矢板の下を回り込む浸透流
8
図 5.2.4 二重矢板の下を回る浸透流量計算図
5.4
二重矢板締切りの下を回る浸透流(2)
Msukat の解法は掘削幅が無限の場合で、Harr の
解法は帯水層の厚さが無限の場合である。
しかし、実際には図 5.2.5 のような帯水層厚が有限
で、掘削断面も有限である。このような条件の理論的
な解を得ることは困難であるので、数値解析により種々
の条件での掘削面への単位奥行き当りの片側からの流出
流量を検討した。
その結果を図 5.2.6(a)~(f)に示す。
図 5.2.5 矢板の下を回り込む浸透流(有限掘削幅)
9
図 5.2.6 有限掘削幅での流出流量
10
5.5
軸対象モデルによる浸透流
根切りは一般に有限である。特に建築
の場合は図 5.2.7 のようにく形断面であっ
ても軸対象な円筒形締切りと近似であき
る。そのときの仮想井戸半径は、等価面
積か、等価周長によって決定できる。
本来三次元的な挙動を二次元軸対象問
題によって近似し、その半径は次式より
求める。
図 5.2.7 三次元浸透流の軸対象浸透流への近似
矢板の根入れが、帯水層の半分以上である場合には等価面積半径を軸対象の解析に用いた方が
厳密な三次元解析によく一致し、矢板の根入れが浅い場合は等価周長半径で計算する方がよい。
有限の帯水層に有限の区間の掘削となるような条件での理論解析を導くことは困難であるの
で、数値解析により、種々の条件での掘削面への流出流量を検討し、その結果を図 5.2.8(a)~(f)
に示す。
図 5.2.8 円筒形締切りでの流出流量(1)
11
図 5.2.8 円筒形締切りでの流出流量(2)
5.6
構造物の下を回り込む浸透流
【演習問題1】
下図のように深さ 12m まで縦 10m、横 20m のく形断面で掘削をする。そのときの地下水位
は地表より-5m であった。山留め壁の長さは 15m である。不透水層は地表面から-23m であ
ることが確認されている。揚水試験の結果から帯水層の透水係数はk=2.5×10-3cm/s と求めら
れた。掘削側に流入する浸透流量を、以下に示す4種類の方法で求めよ。
① マスカットによる方法
② ハーによる方法
③ 帯水層を有限とする方法
④ 軸対象モデルによる方法
12
6.地下水処理
6.1
地下水処理工法の種類と選定
地下水処理工法を表 6.1.1 に、また排水工法の適用範囲を図 6.1.1 に示す。
表 6.1.1 地下水処理工法の分類
図 6.1.1 排水工法の適用範囲
(1)釜場排水工法
掘削部へ浸透してきた表層の地下水を少し掘り込んだ場所に
集めて、水中ポンプで排水する工法で、最も簡便である。
この工法は、地下水位低下というよりも掘削底面でのドライワ
ークを目的としており簡便ではあるが、土砂が釜場の中に沈殿し
てポンプを埋め殺す危険があることや、表流水が直接流れ込むの
で濁水処理が必要である。また、掘削の進行に伴ってたびたび掘
り下げる必要があるなど欠点がある。
図 6.1.1 釜場排水工法
(2)ウエルポイント工法
この工法は真空を利用して強制排水するもので、多用される工法のひとつである。
図 6.1.2 に示すように、ライザパイプの先端に円筒状のフイルターを有するウエルポイントと
称する集水装置を設置し、これを地表のヘッダパイプに連結し、真空ポンプとヒューガルポンプ
を組み合わせて排水する。
揚水はサクションによるので、揚水高さは理論的には大気圧に相当する約 10m であるが、実
際は各種ロスにより 5~6m が限度である。
13
図 6.1.3 ウエルポイント
図 6.1.2 ウエルポイント工法
ウエルポイント工法の特徴は次のとおりである。
① 設置が簡単
② 地盤の透水性に対して適用範囲が広い
③ 真空排水するため地盤の含水比が低下し、掘削作業が容易
④ 揚水した水は清水に近く、投棄する場合処理が不要
⑤ 確実で工費も安い
※強制排水に伴い、地盤沈下が著しいので注意が必要。
(3)デイープウエル工法
この工法は、地盤の透水性が大きく所要水位低下高が大きい
場合に径 500~1000mm の深井戸を設置し、ポンプで揚水する
工法である。
デイープウエル工法の特徴は次のとおりである。
① 深い位置からの排水が可能
② 透水係数が大きく施工範囲が広くて揚水量が多い
場合は経済的
デイープウエルの計画は次のとおりである。
掘削域への流入量Qを計算してDW(デイープウエル)1本
当りの揚水量qで除し、DW本数を決定する。
なお、DW1本当りの揚水量qは Sichardt が求めた次式
により求められる。
m3/sec
ただし、rw は井戸半径(m)、h’はフイルター長(m)、
図 6.1.4 デイープウエル工法
kは透水係数(m/sec)である。
DWの間隔は最大でも 15~20m 以内とすることが望ましい。
14
6.2
デイープウエル工法による排水計画
①ステップ1
:
掘削域全体としての排水量を計算する。
掘削域全体をひとつの井戸と仮定して、井戸理論により全排水量を計算する。
②ステップ2
:
デイープウエル1本の揚水量を計算する。
デイープウエルも径、深さ、フイルター長を仮定し、デイープウエル1本当りの揚水量を計算
する。
図 6.2.1 水位低下状況模式図
③ステップ3
:
デイープウエル本数を決定する
デイープウエルの本数nを次式で求める。
15
④ステップ4
:
任意点の水位低下量をチエックする。
デイープウエル必要本数を平面配置し、掘削域内で最も水位低下が不利な点において、必要な
水位低下が可能であるか確認する。
(図 6.2.2)
図 6.2.2 被圧地下水における群井
16
⑤ステップ5
:
デイープウエル仕様の決定
・ フイルター長は、初期排水を能率よく行うために余裕のある長さとする。
・ 排水ポンプの選定では、初期排水量を考慮して計算した排水量の 2~3 倍見込んでおく。
ディープウエル水中ポンプ 200V3相
品番
機械名
揚程(m)
水量(m3/分)
重量(㎏) 寸法L*W*H(㎜)
1-301 2” ディープウエル水中P 5.5KW
45
0.3
80
240*750
300φ管
1-302 3” (GHZ)ディープウエル水中P 11KW
65
0.5
160
270*1030
GHZ311W
1-303 4” (GHZ)ディープウエル水中P 11KW
35
1
140
330*810
GZH350
1-304 4” 水中ポンプ 22KW
60
1
310
420*420*1230
1-305 6” 水中ポンプ 15KW
25
2
200
380*380*1063
1-306 6” 水中ポンプ 19KW
30
2
275
420*420*1190
1-307 6” 水中ポンプ 22KW
35
2
310
420*420*1230
1-308 6” 水中ポンプ 37KW
60
2
495
530*530*1286
参考資料
現場監督者のための土木施工5
根切り工事と地下水
土と水の諸問題
調査・設計から施工まで
絵とき 土質力学(改訂2版)
仮設構造物の計画と施工
オーム社
土木学会
17
鹿島出版会
土質工学会
備考
【解答】
①マスカットの方法による流量計算
H=18m
d1=10m
d2=3m
⊿h=7m
k=2.5×10-3cm/s=2.5×10-5m/s
10-3
d1-d2
= 0.7
d1
10
d1/H = 10/18 = 0.56
=
図より、B=0.55
全周(L=60m)から流入すると仮定すると、
(5.2.1)式より流入量Qは次のとおりとなる。
Q=kB⊿h×L
=2.5×10-5×0.55×7×60
=5.9×10-3 m3/s
②ハーによる方法
s=3m
d=7m
⊿h=7m
(1)長辺 20m からの流入量
b=5m
s/b = 3/5 = 0.6
d/b = 7/5 = 1.4
図(a)よりB=1.1 となる。
(2)短辺 10m からの流入量
b=10m
s/b = 3/10 = 0.3
d/b = 7/10 = 0.7
図(a)よりB=1.4 となる。
全流入量Qは
Q=kBL⊿h
=2.5×10-5×(1.1×20+1.4×10)×7
=6.3×10-3 m3/s
18
③帯水層を有限とする方法
H=18m
d1=10m
d2=3m
⊿h=7m
k=2.5×10-3cm/s=2.5×10-5m/s
10-3
d1-d2
= 0.7
d1
10
d1/H = 10/18 = 0.56
=
(1)長辺 20m からの流入量
b=5m
b/H = 5/18 = 0.28
図(a)よりB0.25=0.5、図(b)よりB0.5=0.6 であるので、比例配分してb/H=0.28 の時の
Bを求めると、B0.28=0.51 となる。
(2)短辺 10m からの流入量
b=10m
b/H = 10/18 = 0.56
図(b)よりB0.5=0.6、図(c)よりB0.75=0.6 であるので、
B0.56=0.6 となる。
全流入量Qは
Q=kBL⊿h=2.5×10-5×(0.51×40+0.6×20)×7
=5.7×10-3 m3/s
19
④軸対象モデルによる方法
帯水層の厚さ
H=18m
山留めの帯水層中への貫入深さ
d=10m
半 径 :d/H=10/18=0.56 であり、山留めの帯水層中への貫入深さが、帯水層の厚さの半
分以上であるので、等価面積半径とする。
r=[(a×b)/π]1/2=[(10×20)/3.14]1/2=7.98m
H=18m
d1=10m
d2=3m
⊿h=7m
k=2.5×10-3cm/s=2.5×10-5m/s
10-3
d1-d2
= 0.7
d1
10
d1/H = 10/18 = 0.56
=
r=7.98m
r/H = 7.98/18 = 0.44
図(a)よりB0.25=3.5、図(b)よりB0.5=4.0 であるので、比例配分してr/H=0.44 の時の
Bを求めると、B0.44=3.88 となる。
全流入量Qは
Q=kBr⊿h=2.5×10-5×3.88×7.98×7
=5.4×10-3 m3/s
以上4種類の方法による計算結果をまとめると次のとおである。
計
算
方 法
流入量(m3/s)
マスカットによる方法
5.9×10-3
ハーによる方法
6.3×10-3
帯水層を有限とする方法
5.7×10-3
軸対象モデルによる方法
5.4×10-3
20
【参考】
(1)完全貫入の不圧井戸として流入量を計算する。
式(4.2.1)より流入量は次のとおりとなる。
h0=18m
hw=11m
k=2.5×10-3cm/s=2.5×10-5m/s
rw=[(a×b)/π]1/2=[(10×20)/3.14]1/2=7.98m
R=3000・s・
(k)1/2=3000×(18-11)×(2.5×10-5)1/2=105m
3.14×2.5×10-5×(18×18-11×11)
π・k・(h02-hw2)
Q=
=
ln(R/rw)
ln(105/7.98)
=6.2×10-3 m3/s
(2)部分貫入の不圧井戸として流入量を計算する。
式(4.4.1)より流入量は次のとおりとなる。
h0=18m
S=8m
t=3m
k=2.5×10-3cm/s=2.5×10-5m/s
rw=[(a×b)/π]1/2=[(10×20)/3.14]1/2=7.98m
R=3000・s・
(k)1/2=3000×(18-11)×(2.5×10-5)1/2=105m
3.14×2.5×10-5×[(18-3)2-(3)2]
Q=
×[1+(0.30+
ln(105/7.98)
=7.0×10-3 m3/s
21
10×7.98
1.8×8
)sin(
)]
18
18
Fly UP