Comments
Description
Transcript
プレスリリース - ARATANIURANO
アラタニウラノ・山本現代 合同展覧会 ARATANIURANO YAMAMOTO_GENDAI Joint Exhibition Press Release Art/Domestic: Temperature of the Future after Takashi Azumaya 5th October ‒ 2nd Nobember 2013 未来の体温 after AZUMAYA Art/Domestic: Temperature of the Future after Takashi Azumaya October 5 sat, 2013 - November 2 sat, 2013 拝啓 初秋の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこことお慶び申し上げます。 この度、白金アートコンプレックス 2F ARATANIURANO と 3F 山本現代におきまして、10 月 5 日(土)から 11 月 2 日(土)まで、合同グ ループ展「未来の体温 after AZUMAYA」を開催する運びとなりました。本展は、昨年鬼籍に入られたキュレーター東谷隆司氏を偲び、 かねてから親交の深かった美術批評家の椹木野衣氏にキュレーションを依頼し、5 名のアーティストを選出、構成した展覧会です。 東谷隆司氏は 1999 年に世田谷美術館にて「時代の体温」という日本の美術史に残る展覧会を企画しました。そして、横浜トリエンナー レ、東京オペラシティアートギャラリー、森美術館といった首都圏の現代美術の中心となる施設の立ち上げに関わった後に独立。「ガ ンダム 来たるべき未来のために」(サントリーミュージアム天保山ほか巡回、2005-2007 年)などを手がけました。複数のキュレータ ーのうちの一人として参加した「釜山ビエンナーレ 2008」では実力を認められ、2010 年の同ビエンナーレでは総合コミッショナーを務 めるなど国内外での活躍を期待されておりました。 また、キュレーターとしてだけでなく、執筆家・音楽家・アーティスト・パフォーマーでもあり、多彩な才能を持つ希有な存在でした。 東谷氏の見据えた未来を思い、今を生きている私たちはどのような未来を作っていくのか。時代の体温を感じながら表現を続けるアー ティストたちを通じて、そのことを考えるきっかけとなりましたら幸いです。 つきましては、是非本展をご高覧頂きますよう、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。 敬具 ARATANIURANO 山本現代 会期 2013 年 10 月 5 日(土)— 11 月 2 日(土) 開廊時間 午前 11 時 — 午後 7 時(日・月・祝休廊) キュレーター 椹木野衣 出品作家 赤城修司・竹内公太・高橋大輔・吉村大星・東谷隆司 パフォーマンス 2013 年 10 月 16 日(水) 白金アートコンプレックス 3F 山本現代にて 山川冬樹による、東谷隆司の遺作「DIE IN」を用いた死者との「合奏/饗宴/共演」 午後 7 時開場・7 時 30 分開演、 入場料: 1000 円(1 ドリンク付き) 協力 HARMAS GALLERY, SNOW Contemporary 本展についてのお問い合わせ ARATANIURANO : 清水、古市 Tel:03-5422-8320 Fax:03-3444-1224 Mail:[email protected] 108-0072 東京都港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス2階 山本現代 : 李 Tel:03-6383-0626 Fax:03-6383-0626 Mail:[email protected] 108-0072 東京都港区白金3-1-15 白金アートコンプレックス3階 1 アラタニウラノ・山本現代 合同展覧会 ARATANIURANO YAMAMOTO_GENDAI Joint Exhibition Press Release Art/Domestic: Temperature of the Future after Takashi Azumaya 5th October ‒ 2nd Nobember 2013 |本展によせて| 椹木 野衣 Noi SAWARAGI 何年、何十年、何百年先になるかわからないけど、原発が撤廃された時代の人々に知ってもらいたいこと。「原発がある時代にも、そ れに反対する人々は数多くいました」。少ない文字数ですが、このメッセージを書いている人間、転送している人々は、その意思を表 明していた人たちです。 東谷隆司 @AxZxMxYx on twitter 2011年4月11日 本展は、昨年の 10 月 16 日、はからずも自死に至ったインディペンデント・キュレーター、東谷隆司(以下、東谷と敬称略)に捧げ る企画である。私と故人との最初の出会いは、東谷が東京芸大在学中に学内で開かれた特別講義終了後、熱っぽい表情で挑むように質 問にやってきたことに始まる。私が最初の著作『シミュレーショニズム』を出す前であったから、まだ 1990 年のことだ。以来、東谷と のつきあいは紆余曲折を経ながら 20 年以上にわたった。私がかつて大森に所在したレントゲン藝術研究所で日本の美術界に向けた具体 的な活動を始めたとき、彼の顔はすでにそこにあった。1999 年という世紀の節目を控えた年に、水戸芸術館で「日本ゼロ年」展を開い たときも、設置の段階からたびたび彼は会場を訪れていた。その後、当時、大阪のアートの拠点であったキリンプラザ大阪では、大竹 伸朗「ダブ景」展を初め、いくつもの展覧会を共同で開催した。2003 年 3 月にイラク戦争が始まったときに始めた反戦デモ・ユニット 「殺す・な」には、毎回黒い一弦ギターと革ジャンで豪雨のなかでも参集してくれた。狭いカラオケボックスで、何度朝まで飲み、歌 い明かしたことだろう。僕にとって東谷は友であり同志であり、そして弟のような存在でもあった。 そんな東谷は、もうこの世界のどこにもいない。草の根を分けて探しても、二度とその姿を見ることはない。しかしだからこそ、こ の展覧会のキュレーションを受けてみようと強く思った。 * 本展は、東谷が生前に交流の篤かった作家を集めたものでも、彼の考えを斟酌し、できるだけ忠実に展覧会として再構成したもので もない。そんなことは不可能だ。そうではなく、東谷があの震災と原発事故の直後に「未来」の人たちに向けてツイッターに残した短 い一文をひとつの導入として、私自身がまったく新たに作家の人選をし、立ち上げたものだ。その際、故人が最初にキュレーションを 手掛けた展覧会「時代の体温」(世田谷美術館、1999 年)にならって(=after①)、本展を「未来の体温」と名付けた。東谷のいなくな った世界(=after②)から、私たちが未来へと向かう「時代の体温」をもういちど計ってみようと考えたからだ。また「未来」の一語 には、東谷の仕事を代表するもうひとつの展覧会「GUNDAM ―来たるべき未来のために―」 (サントリーミュージアムほか、2005 年)も 掛けている。 東谷は自身のことをインディペンデント・キュレーターと名乗ることを好んだ。日本では馴染みの薄い響きだが、東谷にとって、語 の力点は「キュレーター」ではなく「インディペンデント」であることに置かれていたはずだ。インディペンデントとは、 「自らを頼る」 野良の精神に通じている。実際、東谷は「野良のキュレーター」だった。組織に殉ずることをせず、分け隔てすることなく人と接し、 ブルースメンのように時と場所を移動し、その果てに姿を消した。 その東谷を、もう一度私たちの「未来」に向けて胚胎させてみよう。私たちひとりひとりの脳髄のなかで、もう一度まっさらな胎児 となり、いつかふたたび血まみれで再誕してくるのを待とう。その最初の兆しを捉えるのが、本展のねらいである。 (2013 年 8 月 23 日・記) 2 アラタニウラノ・山本現代 合同展覧会 ARATANIURANO YAMAMOTO_GENDAI Joint Exhibition 0&11&+&"1& 02.,&12)$&,/&0"230&.'2(&3230&"'2&0"*"1()83,"7" 2($2.#&09-%.#&,#&0 |作家概要| C ȤěÞċ".:0/1(-/ ľǝķǕDŽt~EľǪƪġīȈȎıȼīǺƫNJ¾ÿƙE ľɉľưğĀ÷ɂēeǹȎŲĽfYd©¹¸iƭȲE ľǝķƨăŸǾiǿç®ƸNJG¢¬¬ǿçźȖHȰȩE ǃĚDǝķǕkɘǩīƔǹȎŲēûwhQ{Dz|āǍÉűōkǝķ ĻkƜĨkŰŊǵT}E CɘƟġȪ(/8:1+#(1(.(8./ ľĝǂǕDŽt~EľƑÌȯňġīǴNJǠÿƙEÅhßĴɠ ľGǴkǴkǴ kǴH!"!&ƑÌDÅh¹¾ªĴɠľG)54854(4)+8H#"#&3/*95<4 ɜƑÌɝ JNOB>C<P: H:(65,,: .)+.-$"-4"15..%/"-&+:.302&17.'! Cǧíéģ59(#(1+:)./ ľëŁǕDŽt~E ľƑÌȈȎġīæǦȈȎȐǃǠÿƙEȬľk ĴȓÕiG¾³¹ ©ūƗ[}ŔãHɜ 798./>5*(D ľɝD ľ ƅiƽȟȷY_GťĺYÚƙēHkŽãĴǙÚĒfY _GéƻkǡįHɜ" %549+3657(7>D ľɝhgEǃĚǝķǕL RĻđȫid±¡fȖŘkȿÜÅɐiDžƙȴDžǩąƎYdL}E =?D@EALG:(65 ,,:.)+.-$"-4"1 .302&17.' .-2&,/.0"07 3 アラタニウラノ・山本現代 合同展覧会 ARATANIURANO YAMAMOTO_GENDAI Joint Exhibition Press Release Art/Domestic: Temperature of the Future after Takashi Azumaya 5th October ‒ 2nd Nobember 2013 ◎吉村大星 Taisei Yoshimura 1992 年生まれ。山口市美術展覧会大賞受賞。野良猫をモチーフに、主に 色鉛筆を用いて制作する。主な展示に「それが由来するイメージの起源」 (画廊Door、岩国、2012 年)など。 静謐な一時、2012 年、h.1020 x w.1455 mm、colored pencil on paper ◎東谷隆司 Takashi Azumaya 1968 年生まれ。現代美術キュレーター。世田谷美術館、森美術館等を経てインディペンデント・キュレーターとして活躍。主な展覧会 に「時代の体温 ART/ DOMESTIC」(99)、「オプ・トランス!」(01、椹木野衣との共同キュレーション)「GUNDAM 来たるべき未来のた めに」(05-07)、「釜山ビエンナーレ 2010 Living in Evolution」など、話題性の高い展覧会のキュレーションを担当。また、執筆家・ 音楽家・アーティスト・パフォーマーとして、多彩な才能を発揮。 4