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Title トータルチューニングによるNC工作機械の性能向上に関 する研究

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Title トータルチューニングによるNC工作機械の性能向上に関 する研究
Title
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トータルチューニングによるNC工作機械の性能向上に関
する研究( Dissertation_全文 )
中川, 秀夫
Kyoto University (京都大学)
1997-03-24
https://doi.org/10.11501/3123596
Right
Type
Textversion
Thesis or Dissertation
author
Kyoto University
r
方
トータルチューニングによる
N C工 作 機 械 の 性 能 向 上 に 関 す る 研 究
1 996
中 川 秀 夫
目次
第 l草 緒
第 21
;
I
2.3
・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
トータルチュー ニングの理論的基礎
2. 1 緒
2.2
言
論
・・・・・・・・・・・・ ・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・
トータルチ
A
5
ーエングの定義
対象とする送り駆動系とそのモデル化
2.3.1 工 作 機 械 の 送 り 駆 動 系 の 基 本 構 造
・・ ・・・・・・ ・
・
・・
・
・
・・
・
・
・
・ ・・・・・・・・
8
2.3.2 N Cサ ー ボ 部 の モ デ ル 化
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
0
送り駆動機構のモデル化
・ ・・
・
・ ・・
・
・ ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1
2.3.3
2.3.4 サ ー ボ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン お よ び サ ー ボ シ ミ ュ レ ー タ
2.4
1軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ
・・・・・・・・・・・・・
1
5
・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・
1
7
2.4.1
1軸 の 運 動 誤 差 の 分 類 と そ の 低 減 方 法
2.4.2
チューニングの評価関数
2 .4 .3
フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン K fの 設 定
2
2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2
メカニカルパラメータの種類
2.5.2
チューエングマップと修正ベクトル
多軸サーボパラメータチューニング
2.6.2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・・
・
・
・
2
3
・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・・
・
・
・ ・ ・・・・・・・・
2
4
・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・...............
.
2
5
・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
6
・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
9
2.6.3 過 渡 応 答 時 の 輪 郭 誤 差 の 低 減 方 法
2.8 結 論
2
5
・
・
・・・・ ・
・
・
・ ・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・
定常状態の輪郭誤差の低減方法
2.7 欠 陥 発 見 法 の 基 本 的 な 考 え 方
2
0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ ・ ・
・
・・
・
・
・
・
メカニカルパラメータチューニング
2.6.1 輪 郭 誤 差 の 分 額
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.5.1
2.6
1
7
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・ 1
8
2.4.4 加 減 速 方 式 と 加 減 速 時 定 数
2.5
・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・・
・
・
・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・...........................
. 3
1
目次 1・
第 3~
3. 1 緒
3.2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2
4.6.1
セ ミ ク ロ ー ズ ド ル ー プ 制 御 機 (FT L専 用 機 ) の 場 合
6
8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2
4.6.2
クローズドループ制御機(マシニングセンタ)の場合
7
0
サーボ特性とサーボパラメータチューニング
論
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
3
サーボパラメータと安定性の解析
3.2.1
ハンチング現象とサーボ系の安定限界条件
3.2.2 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ 聞 の 関 係
・
・
・
・・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
6
フィードフォワードゲインと加減速時定数の影響
3.3
1軸 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の ア ル ゴ リ ズ ム
3.4
ケーススタディ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・・
・
・ 4
0
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
1
サーボパラメータチューニングの実施
3.4 .2
サーボ剛性の向上の確認実験
3.4 .3
パルス溜まりの 測定によるサーボ剛性向上の確認実験
・
・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・・
・
・
・
・
・
・
・
・ 4
4
3.4.4 動 的 な 外 力 に 対 す る サ ー ボ 剛 性 向 上 の 確 認 実 験
結
論
・
・
・
・
・
・
・ 3
7
・・・・・・・・・・・・・ ・・ 3
9
3.4.1
3.5
論 .
.....................................................
.7
2
結
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
3
3.2.3 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ が 位 置 ル ー プ の 安 定 性 に 与 え る 影 響
3.2.4
4.7
第 5章
5.1
緒
論
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
4
5.2 多 軸 メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ
5.2.1 固 有 振 動 数 の 操 作 変 数
5.2.2 加 減 速 時 の 加 速 度 と 最 大 負 荷 質 量 の 関 係
5.2.3
チューニング手I
1
慎
4. 1 長
* 命
;
・
・
・
・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
6
5.3 多 軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
7
5.3.1 定 常 状 態 で の 輪 郭 誤 差 の 低 減 方 法 の 検 討
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
7
・
・
・
・
・
・
・
・
・ ・・
・
・
・・
・ 4
7
5.3.2 過 渡 応 答 時 の 輪 郭 誤 差 の 低 減 方 法 の 検 討
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
8
5.3.3 チ ュ ー ニ ン ク ア ル ゴ リ ズ ム
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ 7
9
・
・
・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
9
・
・
・
・
・ ・・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・ 4
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
0
メ カ ニ カ ル パ ラ メータの 同 定 法
4.3.1 送 り 駆 動 機 構 伝 達 特 性 の 実 損J
I ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・・
・
・
・
・・
・ ・・・・・・・・・・・・・・ 5
0
論
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
6
第 6章
送り駆動機構の組立調整時の欠陥発見法
6
.1 緒
論
・・
・
・・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・ 8
8
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・..... 8
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
1
6.2.1 送 り 駆 動 部 の 静 特 性
・
・
・・
・
・
・
・
・ ・・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・
・
・
・
・・
・
・ 5
2
6.2.2 送 り 駆 動 部 の 勤 特 性
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
0
カーブフイッテイングによるパラメータ同定法
4.3.3
パラメータ同定のケーススタデ ィ
サーボ系の安定性に対するメカニカルパラメータの影響
・
・
・
・
・
・・
・
・・
・
・
・ 5
5
6.3
DAC測 定 法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・
・ ・・
・
・
・
・
・
・
・・
・
・・
・
・ 9
1
4.4.1 速 度 ル ー プ の 安 定 性 に 与 え る 影 響
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 5
5
6.3.1 静 剛 性 の DAC測 定 法
4.4.2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 5
9
6.3.2 勤 特 性 の DAC法 に よ る 測 定
4.5
位置ループの安定性に与える影響
J Kマ
γ
プを用いたメカニカルパラメータチューニング
4.5.1 評 価 関 数
4.5.2
4.5.3 修 正 ベ ク ト ル の 具 体 策
4.5.4
4. 6
・
・
・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 6
2
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ ・ 6
2
J Kマ ッフと修正ベク トル
・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ ・
・
・ 88
6.2 静 ・
動特性値の理論的考察
4.3.2
4.4
5
.5 結
・
・
・
・
・・
・・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 8
0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・ 4
9
4.2 現 用 の 送 り 駆 動 機 構 の 設 計手 順 と 問 題 点
4.3
・
・
・・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
6
・・・・・・・・・・・ 46
・
・
・
・
・
・
・・
・・
・
・
・
・・
・ ・・・・・・・・・・・・・・..........................
. 48
送 り 駆動 機 惜 の メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・・
・
・・
・・
・
・
・
・
・
・
・
・ 7
5
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・
・
・
・
・ 7
5
5.4 多 軸 チ ュ ー ニ ン グ の 効 果 の 確 認 実 験
第 4宿
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ H
同時多軸制御におけるチューニング
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・・
・
・
・
・・
・
・
・・
・ 6
3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・
・
・
・・
・
・・
・
・
・
・
・
・
・ 6
5
6.4
欠陥発見法の原理と方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・
・・
・
・
・ 9
1
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・ ・・・・・・・・・・・・ ・・
・
・
・
・
・
・
・ 9
3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・
・ ・9
4
6.4.1
静・動特性を低下させる原因の分類
6.4.2
欠陥発見法のアルゴリズム
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
4
・・・・・・・・・・・・・・ ・
・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・
・
・ ・・・
・
・
・ 9
6
6.5 ケ ー ス ス タ テ'ィ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・
・
・・
・
・
・
・
・
・
・ ・・ 1
0
0
メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ の 手 J国 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ 6
7
6.5.1 機 械 C (中型の立型マシニングセンタ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
0
0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・ ・・・
・
・
・
・・
・
・・
・
・
・ 6
8
6.5.2 機 械 D (大型の横形マシニングセンタ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
0
4
ケーススタディ
目次 2・
ー 目次 3・
本 研 究 論 文 で 使 用 さ れ て い る 記 号 , 単 位 ー覧 表
6.5.3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 109
論 .
....................................................
. 111
6. 6 結
第?な
機 械 E (中 型 の 横 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ )
ケーススタディ
7.1
緒言
7.2
F T L機 の 場 合
・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・ 113
・・・・・・・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 113
・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・
・
・
・・
・
・
・ ・・ ・・・・・・・・ ・
・
・ 113
7 .2.1
メカニカルパラメータチューニングの実施
7 2. 2
サーボパラメータチューニングの実施
・・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・ 114
117
7.2.3 輪 郭 誤 差 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 効 果 の 確 認
7.3
汎用マシニングセンタの場合
7.3.1
・・・・・・・・ ・・・・・・・・ 1
17
・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119
メカニカルパラメータチューニングの実施
・
・
・
・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ 119
7.3.2 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 実 施
ハイリードマシニングセンタの場合
ハイリードマシンの特性
7.4.2
メカニカルパラメータチューニングの実施
7.4.3
サーボパラメータチューニングの実施
7.4.4
輪郭誤差のシミュレーションによる効果の確認
粘論
第 8:
0 結
言
・・・・・・・・・・・・・・・・ 123
・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ 124
7.4 .1
7.5
意味
a
定数
A1
急停止時の被駆動体の振動加速度測定値
A2
急停止時の軸受ブラケットの振動加速度測定値
b
定数
C
被駆動体摺動面の粘性減衰係数
N.s/m
Comp
コンブライアンス
m/N
Ca
ボールねじナットの基本動定格荷遺
N
d
ポールねじの外径
打1
dc
ポールねじの谷径
ロ1
db
ポールねじナットの鋼球径
D
Cを ボ ー ル ね じ 軸 回 り に 換 算 し た 値 (=R .C)
N .m's
ep
位置ループに基づく追従誤差
ロ1
e(
s
)
輪郭形状誤差
m
et
追従誤差の全体置
謝
録
m
縦 弾 性 係 数 ( 鋼 の 時 E=2.1x 10"(
N/m ) )
fc
速度ループの位相交差周波数
fn
.
D A C測 定 法 で 測 定 さ れ た 固 有 振 動 数
N/m'
Hz
1
1z
130
fn
O
固有振動数回線価
Hz
・・・・・・・ ・・・・・・・・・ 130
fn
1
静 剛 性 の 設 計 値 K2を 用 い て 計 算 し た 国 有 振 動 数
Hz
fn
2
性の実視IJ値 K ・ を 用 い て 計 算 し た 固 有 振 動 数
静岡f
Hz
F
送り速度
m/ s
FaO
ボールねじ支持軸受予圧量
N
Fmax
送り駆動軸の段大の送り速度
m/min
Ft
被駆動体に対する外乱入力
N
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 126
・・・・・・・・・・・ ・
・
・・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・
・・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・ 131
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・ 133
Z
(GX(
s
)ー GY(s)} / s2の 逆 ラ プ ラ ス 変 換 値
G
横 弾 性 係 数 ( 鋼 の と き G=8.3x10.0(N/m2) )
G(s)
サーボ系の全体の伝達関数
G1(jω)
モ デ ル Aの 周 波 数 応 答 関 数 (Tから xtまで)
G2(jω)
モ デ ル Bの 周 波 数 応 答 関 数 (Tから xtまで〉
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 136
Gp(
s
)
位置ループの伝達関数
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
..
.
.
. 139
Gf(
s
)
フィードフォワード制御の伝達関数
Gm(
s
)
送り駆動機構の伝述関数
GX(
s
)
X軸 の 伝 達 関 数 ( 指 令 よ り 被 駆 動 部 ま で の 運 動 )
GY(
s
)
Y軸 の 伝 達 関 数 ( 指 令 よ り 被 駆 動 部 ま で の 運 動 )
Gv(
S
)
広義の速度ループの伝達関数
Gω(s)
電流→角速度聞の伝達関数
・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・ ・ ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 135
付録 i
従来の送り駆動系の設計法
付録 2
シミュレーションに使用したソフトウェア
付録 3
ロストモーションの生成機 f~
・・
・
・
・・
・
・
・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 135
n ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・ ・ ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・
参 A考文 献
m
2
E
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・
・
・ ・・・・・・・・・・ 124
g(t)
付
143
・・・・・・・・・・・ ・
・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 144
目次 4 -
m/ sI
m/ sI
122
7.3.3 輪 郭 誤 差 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 効 果 の 確 認
7.4
単位
記号
N/m'
Gω2(s)
Gω(s)に お い て K =∞ の 時 の 伝 達 関 数
サーボモータの電機子電流値
A
H
チューユングの評価関数であるサーボ剛性
N /m
Hdes
チューニング時のサーボ剛性に関する田原値
N /m
J
回 転 体 イ ナ ー シ ャ (=Jb+ Jm)
N .m/ A
r
半径
π
1
R
回 転 か ら 直 線 運 動 へ の 変 換 定 数 (- p/ 2π 〉
m/ rad
Rm
サーボモータの電機子抵抗
Q
tdes
チューニング時の立上がり時間に関する目保値
s
tr
サーボモータの立上がり時間
s
T
サーボモータの発生トルク
N'm
2
Tmax
サーボモータの最大トルク
N'm
2
Tmin
実現可能な最小加減速時定数
s
Tp
JO
メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ で の Jの 設 計 初 期 値
N 'm's
Ja
サ ー ボ モ ー タ の 負 荷 イ ナ ー シ ャ (=J+J' )
J'
直線移動を回転系紬勘算した等価イナーシャ
N'm's
N.m.s2
位 置 制 御 ル ー プ 時 定 数 (= 1
/ Kp)
s
Jb
ポールねじの回転イナーシャ
N'm's
2
Ts
加減速時定数
s
カップリングのイナーシャ
N.m.s2
Tv
定数
サーボモータのロータイナーシャ
N.m's2
Vg
速度比例ゲイン
2
Jc
Jm
A's/ rad
Jm
a
x
Tdesを 満 足 す る た め の Jの 上 限 値
N.m's
Vi
位相遅れを停止する周波数を決定するゲイン
K
送り方向剛性
N/m
xt
被駆動体の変位
π
1
KO
メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ で の Kの 設 計 初 期 値
N/m
xb
ボールねじのナット部の変位
送 り 方 向 の 静 剛 性 ( ナ ッ ト 剛 性 が 無 限 大 の と き)
N/m
x(s)
m
Kx
X軸 の 軸 の 被 駆 動 体 の 位 置
町1
Ky
K.
送 り 方 向 静 岡f
性(ブラケット支持剛性が無限大)
N/m
y(s)
Y軸 の 軸 の 被 駆 動 体 の 位 置
m
静 特 性 D A C法 に よ る 静 岡f
性の実測値
N/m
ポールねじナットの鋼球数
Kb
ポールねじ支持軸受の送り方向剛性
N /m
Z
ムr
円弧補間運動の半径減少量
π
1
Ke
サーボモータの誘起電圧定数
V's/rad
su
円弧楠閣の際の象限切換時のロストモーション置
π
1
Kf
フィードフォワードゲイン
sX
送り駆動機構の弾性変形
】
ロ
Kg
ボールねじのねじり剛性
N 'm/ rad
α
全 静 J:
1
7
'7
イ7
'
/ス の う ち ボ ー ル ね じ 伸 縮 の 占 め る 割 合
Kg'
Kgを ボ ー ル ね じ の 送 り 方 向 に 換 算 値 し た 値
N/m
β
ボールねじの鋼球と溝との筏触角
deg
Ki(
s
)
電流ループの伝達関数
申
b
I受 ブ ラ ケ ッ ト お よ び そ の 支 持 部 の 送 り 方 向 剛 性
δaO
Kh
N/m
FaOに よ る 送 り 方 向 の 弾 性 変 形 町
π】
Kn
ボールねじのナット部の送り方向剛性
N/m
ど
広義の速度ループの減京比
位置アンプゲイン
S- 1
8b
Kp
ボールねじの回転角度
rad
θm
ボールねじの送り方向の剛性
N/m
サーボモータの回転角度
Ks
rad
サーボモータのトルク定数
N.m/A
E
ボー ルねじの精度,内部構造による係数
Kt
Kv(
s
)
述度制御器の伝達関数
π
円 周 率 (=3.1415926)
L
ポールねじの長さ
ρ
ポールねじ材料の密度
k g/ m
τ
ボールねじのリード角
deg
w
送り機構の送り方向の固有角振動数
rad/ s
色)
v
広義の速度ループの固有角振動数
rad/ s
π
1
H
Lm
サーボモータの電機子インダクタンス
m
ポールねじの支持形式により決定する係数
M
被駆動部質量
kg
M'
回転体のイナーシャ jを送り方向に換算した等価質量
kg
Ms
ボールねじの質量
kg
N
サーボモータの回転速度
ロ1in-1
p
ボールねじのリード
ロ1
Pa
送り }
j戸]の荷量
N
Q
ボ ー ル ね じ ナ ッ ト の 鋼 球 l個 あ た り の 荷 讃
N
・
第 1早
ニ三己
緒
18世紀後半の蒸気機関の発明により欧州における度業革命が促進され, 工作機械はそ
れまでの工芸的機器から加工費や加工時間を大幅に縮小させる新しい経済基盤を作る設備
機 器 へ と 生 ま れ 変 わ っ た け . この産業の基礎を成す工作機械は, 近 年 の 製 造 業 界 に お い て
も 高 騰 す る 人 件 費 抑 制 や 納 期 短 縮 化 を 目 的 と し た 工 場 設 備 の 臼 動 化 に 貢 献 し て い る . 自動
化 の 最 も 進 ん だ 工 作 機 械 の 形 態 は マ シ ニ ン グ セ ン タ や N C旋 盤 を 代 表 と す る 数 値 制 御 工 作
機 械 ( 以 下 N C工作機械) である. 手 動 の フ ラ イ ス 盤 や 旋 盤 な ど も 含 め た 工 作 機 械 全 体 の
総 出 荷 額 に 対 す る N C工 作 機 械 の 割 合 (NC化率)は現在既に 72-73%といった高水
準であり. 今後さらに増加することが予想される. こ う し た 産 業 界 の 自 動 化 に は 常 に 高 い
生産性が必要で,
コストノマフォーマンス, すなわち 一 定コスト下における加工速度, 精 度
の優れた工作機械が求められる. このような高能率を迫求する産業の要求を受けて N C工
作機械は発展を続け, 今日の優れた高速高精度マシンを誕生させた. しかし, r
f
f業界から
の要求は腕しく常に時代の段先端技術を必要とするので,
これからの更なる要求に対して
は 特 に 主 軸 系 や 送 り 系 に つ い て の 今 一 歩 踏 み 込 ん だ 性 能 向 上 が 必 要 で あ る . 本研究は,
,、
」
のうち基本的機構でありながら制御系との複合により, 不 明 瞭 な 要 業 が 多 分 に 存 在 す る 送
り駆動系に者目した. 中 で も 基 本 的 な 性 能 で あ る 送 り 運 動 性 能 の 向 上 を 目 指 す こ と に す る .
N C工作機械の送り駆動系はサーボ制御系と送り駆動機情系に大別できるが,
メーカの
専門分業化からそれぞれ独立した状態, 換 言 す れ ば お 互 い に ブ ラ ッ ク ボ ッ ク ス 視 し た 状 態
で発達してきたのが実状である. サーボ制御系側の立場では, 多 種 多 様 な 工 作 機 械 を 対 象
としているために従来より制御系の安定性を重視して安全サイドに立ったいわゆるソフト
サーボ a) が採用されてきた. ところが, 最 近 で は 軽 量 化 を ね ら っ た ア ル ミ 製 品 や 小 ロ ッ ト
化によるアルミ合金製金型の増加, あ る い は 金 型 の 磨 き 作 業 低 減 の た め の ピ ッ ク の 細 分 化
などに応えるため高速切削加工が普及し始めたが,
コーナ部でのだれ, 円 弧 補 問 時 の 半 径
減少といった前述のソフトサーボ, す な わ ち 位 置 ル ー プ ゲ イ ン が 小 さ い こ と が 原 因 す る 追
従 誤 差 が 増 大 す る と い う 問 題 が 生 じ て い る . この問題の解決法として, 誤 差 置 を 前 も っ て
推 測 し 指 令 値 に 対 し て 補 正 を か け る フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド 制 御 が 提 案 さ れ て い る . しかしこ
の方式は. 線形性を前提条件にした固定ゲインであるので, 繰 り 返 し 性 の あ る 運 動 に 対 し
1力 の 変 動 や
ては有効であるが, 高速送りでの機械送り系の大幅な特性変化, たとえば切開)
送り案内系の摩擦特性変化あるいは経時的変化に対してはその改善効果に限界があると考
-EA
えられる.) そのため島近では,サーボ制御の原点に帰っていわゆるハードサーボの採用,
ボチューニングのアルゴリズムの構築を行う.またサーボ系と機権系の伺互影響を検討し
すなわちハイゲイン化の必要性が高まってきた‘¥
て全体としての性能向上を凶占なければならない.前述のように送り駆動系の性能を限度
他方,送り駆動機構側でも,高い位置決め籾度や輪郭精度を得るため,高速で加減速の
まで引き出せるかはこの作業がキーとなる.
できる高剛性の送り機構か製品の差別化をねらう先進メーカで採用されている . たとえば
また同時に解決しなければならないのは,送り駆動系の特に送り駆動機情要素のハイゲ
ポールネジのダブルアンカ支持方式,さらにプリテンションの付加,またサーボモータと
イン化検証法,換言すれば機構の欠陥発見法の確立である .求める輪郭精度に対してどの
ボールねじの l
直 結 化 に よ る ロ ス ト モ ー シ ョ ン の 低 減 , ボ ー ル ネ ジ 径 ・ガ イ ド 幅 ・モ ータ 容
程 度 の 剛 性 が 必 要 か , そ の た め の 機 情 対 策 で ど の 程 度 の 効 果 が で る か , また効果が薄いと
量の増大による高剛性化というような高精度,高能率生産を図った各種の設計の工夫に よ
すればどこが悪いのかといった実用的な送り機構の検証ツールがあまりないという事実は,
り,従来の送り駆動機摘に比べて数段の送り剛性の向上を図ってきた.
送り駆動系の未知の部分がいかに多いかを意味している.最後に,
しかし,
こ う し た 制 御 側 , 機 権 側 か ら の ア プ ロ ー チ も そ れ ぞ れ 相 互 に 関 連 し合 うので,
トータルチューニング
を実際に行ってその有効性を実証することら必援である .
送 り 駆 動 系 全 体 で み る な ら ば 10 0 %の 性 能 を 出 し て い な い と い え る . た と え ば , 近 年開
そ こ で , 以 上 の よ う な 観 点 か ら 本 研 究 は . N C工 作 機 械 の 送 り 駆 動 系 の 性 能 向 上 を 目 的
発 さ れ た デ ジ タ ル サ ー ボ 制 御 系 に も ま だ 送 り 駆 動 機 情 に 関 連 す る 不 明 確 な パ ラ メー タ が 多
として,サーボ制御系及び送り駆動機ほの両側面からアプローチしてをいの関連性を探索
い し , 反 対 に 機 措 側 の 欠 点 の カ バ ー を 制 御 系 に 補 正 と い う 形 で 委 ね る と こ ろ もある . 従っ
し,それぞれに含まれるパラメータを如何に設定すれば与えられた仕儀範凶内での最高の
て,与えられた仕様に対して送り駆動系の限界までの性能を引き出すには ,単なるサーボ
性能を発揮する送り駆動系とすることかできるかについて検討する.本研究の各章の栂成
制 御 系 だ け で な く 送 り 駆 動 機 構 系 と の 相 互 影 響 を 考 慮 し て サ ー ボ パ ラ メ ー タ を決 定 し な け
と概要は次の通りである.
れ ば な ら な い . さ ら に , 工 作 機 械 , 特 に マ シ ニ ン グ セ ン タ な ど で は 工 具 と ワ ー ク の 3次 元
まず第
2
nでは,
トータルチューニングという新しい概念について定義し.その括本的
NCサ ー ボ 部 や 送 り 駆 動 機 慌 の モ デ ル 化 , 運 動
的 な 相 対 運 動 に よ り 加 工 を 行 う の で , そ の 評 価 は 3軸 の バ ラ ン ス を 考 慮 し た 総 合 的 な サ ー
な考え方を理論的な考察を踏まえて示す.
ボパラメータ決定手法(多軸チューニング)に誌づくべきである .
誤差の分類と低減方法の検討などチューニングに必援な法礎的羽目を~JlJ1し,
そこで本研究では,送り駆動系のサーボ制御及び送り駆動機構の両側面からの相互影響
を問論的 , 実 験 的 に 解 明 す る と 共 に , 適 正 な パ ラ メ ー タ 決 定 手 法 を 提 案 し , 送 り 駆 動 系 の
送 り 駆 動 機 情 系 に 適 し た N Cサ ー ボ 制 御 系 の マ ッ チ ン グ や 設 計 法 の 必 要 性 に つ い て は 古
5)
また多くの研究報告 5) • 7)もある . しかし現在で は,高 出力
サーボモータや高速加工に対応できる
スとしてサーボパラメータチューニング,メカニカルパラメータチューニング(織情部の
チューニング)へと展開し,多軸チ
A
ーニング t
去についての λ
L本 的 な 考 え ゐ を 導 く .
第 3章 で は 1軸 に お け る サ ー ボ 制 御 系 の チ ュ ー ニ ン グ に つ い て 詳 細 に 検 Jする.まず,
トータ Jレ的な性能向上を目的とすることとした.
くより指摘されており
これをベー
AC
NCサーボ装置が開発されており, こ れ ら の 特 性 を
考 慮 し た 検 討 が 必 要 で あ る . こ の 送 り 駆 動 系 ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ 手 法 の 確 立 の た め には,
送 り 駆 動 系 の サ ー ボ 応 答 性 や 静 ・ 勤 特 性 の 諸 問 題 に つ い て 次 の よ う な ス テ ッ プ を踏 ん で 解
ハンチング現象や制御系内パラメータ聞の関連性などサーボ系の安定限界条件について考
察 し , 第 2な で 検 討 し た 運 動 誤 差 の 低 減 方 法 を ベ ー ス と し て サ ー ボ パ ラ メ ー タ の チ ュ ー ニ
ン グ ア ル ゴ リ ス ム を 構 築 す る . そ し て 何 種 類 か の 確 認 実 験 を 行 う こ と に よ り , このサーボ
パラメータチューニング法の有効性について検証する.
第 4章 で は l軸 に お け る 送 り 駆 動 系 の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ に 関 し て の 詳
ハイゲイン化に伴うハンチング(制御しき れ
細な検討を行う.最初に機情部特性値がどの程度であるか実機から同定する.そしてその
ない激しい伝動を伴う不安定領域に落ち込む現象)回避の問題である . 位置フィードパッ
機構部特性値を増減したときのサーボ制御部性能の上限に影響する度合いをシミュレーシ
クゲインを増大するにつれて,
ヨンにより確認、し,機構部特性値の調整によってサーボ特性をより高くすることができる
決 し て 行 か な け れ ば な ら な い . ま す 第 1に
システムの応答性は高くなる反面,ハンチングが発生し や
す く な る た め , こ の 発 生 原 因 の 解 明 と 境 界 点 の 予 測 手 段 の 確 立 が 不 可 欠 で あ る. このため
可能性を探る.チューニングのためにチューニングマ
に制御部や椛造部のモデル化を行い,
シ ュ ミ レ ー シ ョ ン に よ っ て ハ ン チ ン グ の 発 生 機摘を
に視覚的に設計変数の修正方法の選択を支侵するメカニカルパラメータチューニング法を
解明して安定限界を確実に求める必要がある.そして姶郭精度の向上という目的からサー
開発する. ま た こ の 章 の ケ ー ス ス タ デ ィ に お い て は , メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ
1
プと呼ふツールを促案し,設計者
の
‘dv
n
,
,
.
第2
章 トータルチューニングの理論的基礎
を行うことによって,より高いサーボ特性値を得ることができることを検証する.
第 5章 で は , 同 時 多 軸 制 御 に お け る チ ュ ー ニ ン グ の 詳 細 な 検 討 を 行 う . 第 3章 , 第 4章
での 1軸 に お け る サ ー ボ , お よ び メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 検 討 結 果 を 踏 ま え
2. 1
緒論
て,より実機に近い同時多軸制御時の送り運動性能向上を目指す.同時多軸制御,すなわ
ち平面あるいは空間での運動性能の評価関数として輪郭精度を取り上げ,その拘束条件か
ら多軸チューニングアルゴリズムを導く.そしてこのアルゴリズムに従ってチューニング
送 り 駆 動 系 は 送 り 駆 動 機 構 と N Cサ ー ボ 系 で 構 成 さ れ て い る . 送 り 駆 動 系 の 特 性 と 運 動
精 度 は N C工 作 機 械 の 加 工 性 能 に 非 常 に 大 き な 影 響 を 与 え る の で , 高 速 ・ 高 精 度 の N C工
作機械を実現するためには,応答性,運動精度の高い送り駆動系が必要である.そのため,
したパラメータを用いて輪郭誤差をシミュレーションし,その結果をチューニングしてい
N Cサ ー ボ 系 の チ ュ ー ニ ン グ と 送 り 駆 動 機 憎 の 特 性 の チ ュ ー ニ ン グ を 合 わ せ て 送 り 駆 動 系
ないものと比較してその有効性を明らかにする.
第
6
nで は 送 り 駆 動 機 構 の 組 立 段 階 で の チ ュ ー ニ ン グ で あ る 欠 陥 発 見 法 に つ い て 詳 し く
全体をチューニングする必要がある.
本章では,
このトータノレチ
A
ーニングの理論的背景を検討することとする.本章は次の
検討する.設計時に計画した静的あるいは動的な性能が,目標仕械通りに発揮できるかど
ような構成になっている.
うかの診断法を開発し,
もし目標性能を下回るようであれば,どこに障害があるかについ
2.2節 に お い て , ま ず こ の ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ の 手 法 を 定 義 し . そ の 概 略 手 順 に つ い
て調べる診断方法を開発する.
て考察する.
第 7章 は ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ の ケ ー ス ス タ デ ィ を 示 す . 固 有 振 動 数 に 関 し て 異 な る 3
2.3節 で は 本 研 究 に お い て 対 象 と す る 一 般的な送り駆動系について述べ,
そのモデル化について検討する.従来から送り駆動機構の構成要素に基づいたそデルが数
つのタイプの工作機械についてトータルチューニングを実施し,輪郭誤差のシミュレーシ
多く提案されている
8) • V)
が
,
詳細に表現したものから極めて単純に近似したものまでさ
ョンによりチューニングを行わない場合と比較してその効果を検証する.
第
8nは 以 上 を ま と め た 本 論 文 の 結 言 で あ る .
まざまであり,
トータルチューニング用としてどのようなモデルが適切なものであるか,
取 り 扱 い の 簡 便 性 と モ デ ル 化 精 度 の 点 か ら 検 討 す る . 2.4節では.トータルチューニング
の 基 本 で あ る N Cサ ー ボ 部 の パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ に つ い て 検 討 す る . ま ず , 送 り 駆 動
系 に お け る 運 動 誤 差 を 分 類 し , そ れ ぞ れ の 誤 差 低 減 方 法 か ら l軸 の サ ー ボ チ ュ ー ニ ン グ 手
順を決定し,チューニング評価関数について論じる.
また 2.5節 で は 送 り 駆 動 機 摘 の メ
カニカルパラメータのチューニングにチューニングマップを用いる方法を提案する.さら
に. 2. 6節 で は 輪 郭 誤 差 を 低 減 す る た め の 拘 束 条 件 か ら 同 時 多 軸 制 御 時 の チ ュ ー ニ ン グ 法
について検討する. 2. 7節 で は 組 立 時 の チ ュ ー ニ ン グ で あ る 欠 陥 発 見 法 の 基 本 的 な 考 え 方
に つ い て 考 察 す る . 最 後 の 2.8節 は , 以 上 を ま と め た 本 章 の 結 論 で あ る .
2.2
トータルチューニングの定義
制御装置は不特定多数の送り駆動機構と組合わされるので,機構に関するサーボパラメ
ータの取り得る範囲は非常に広く,さらに樟々のパラメータの組合わせとなると無数にあ
る.従って,それぞれの機械または送り機構に品適のパラメータの組合わせを捜すこと,
すなわちサーボパラメータチューニングが重要となる. このチューニングにより,与えら
E
J
V
- 4-
れた諸元での最高の性能を発揮できるので,最近の高速高精度の要求に応える手段として
非常に有効である.
このサーボパラメータテューエングは,機府部とサーボ制御部とのマッチングを機構部
の特性にサーボ部を合わせる方向で行うものであるが,逆に機構部の特性をサーボ部に合
わせる方向も考えられる.すなわち,サーボ特性に影響を与える因子(たとえば被駆動部
質量や送り方向の剛性値など)を機情のパラメータ(=メカニカルパラメータ)として可
変とし,任意の組合わせにおけるサーボ特性(たとえばシステムゲイン,安定性など)を
h
調 べ, そ の 中 で 段 高 の 性 能 を 得 る よ う な メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ の 組 合 わ せ を 決 定 す る 方 法
,
,
,
¥
である.メカニカルパラメータチューニングは機構パラメータを自由に変化させられるの
で,当然これは設計段階で行うことになる.
パ
、
時
e
しかし,設計段階でいくら厳密にチューニングしでも,実際の機械の組立段階では種々
の誤差要因の累積によって期待通りの特性が出ないのが常である.要因 l
こは , 部 品 の 材 料
N
強度や加工制度,組立精度など無数に存在するが,現実問題として特性値を劣化させてい
、
字
ドJ
裡
~
+
刷
ー
a
忘
唱
る要因を特定して修正し,設計通りの特性を発持するようにしなければ,サーボパラメー
タチューニングやメカニカルパラメータチューニングは机上の空論に終わってしまうこと
になりかねない.そこで最終的に組立段階での調整が必要であり,
N
これもチューニングの
ーっと見ることができる.
本研究では以上のような一連のチューニング手法を総称して“トータルチューニング"
と称する.
ータルチ
A
そしてこれらの性能向上のための手段を実行するために図 2
1に示すようなト
ーニングの方法を提案する.
い
h
テーブル積載質量などの設計仕様を定める.そして送り駆動機構を設計してその諸元を定
NCサ ー ボ 系 の パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . チ ュ ー ニ ン グ し た 送 り 駆 動 系 の サ ー ボ 剛
Y
実機でのサーボ
パラメータチューニング
性をシミュレーションによって求めて目慌値と比較し,目標値に達していない場合には送
り駆動機備の再設計を行い,これを練り返すことで,結果的に目保値に達した設計諸元に
よって送り駆動機情を製作する. 製作された実機について D A C測定 I0) を 行 い , 静 ・動
特 性 の 実 測 値 を U限 値 と 比 較 す る . 目 保 備 に 達 し て い な い 場 合 に は 送 り 駆 動 機 構 の 製 作 上
I儲 か ら 送 り 駆 動 機 構 の パ ラ メ ー
の 問 題 点 を チ ェ ッ ク し , 目 標 値 に 達 し て い る 場 合 に は 実 祖J
タ を 同 定 す る . 同 定 し た 送 り 駆 動 機 構 に つ い て N Cサ ー ボ 系 の チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . 、
"
、
.
図ト 1 トータルチューニング法の
全体的な流れ
-7-
ev 担 割 例 理
ては従来の設計法に基づいてもかまわない.設計した送り駆動機情について次節で述べる
ペリホ
N
め,各部の剛性,ボールねじのイナーシャなどを計算する.このチューニング初期値とし
入 川l
まず要求される工作機械の機種,性能に基づいて送り駆動系の送り速度,ストローク,
だし,後段の電流制御器は電流指令と実
ナットプラケット
ポルねじ
際の電流の偏差からモータに与えるべき
電圧を算出する.位置のフィートパ
y
ク
値として,被駆動体と固定の索内面との
間の変位を用いる制御は, 一 般 に ク ロ ー
サーボモ
タ
ズドループ制御と呼ばれ,位置検出器と
ナット
してはリニアスケールが用いられる. 一
図2
2 NCサーボ部の概略構成図
方,位置のフィードパック悩としてボー
図2
3 N C工作機械の送り駆動系の
機械構造部〈例〉
ルねじの回転角度を用いる制御は, 一 般
で
,
N Cサ ー ボ 系 の チ
A
ー ニ ン グ と は . 送 り 駆 動 機 構 と N Cサ ー ボ 系 を 結 合 し た 全 送 り 駆
にセミクローズドループ制御と呼ばれ,
動系の安定性を確保しながら,送り駆動系の評価関数であるサーボ剛性を最大にするよう
位置検出器としてはロータリーエンコーダが問いられることが多い.位置決め制度は位置
に N Cサ ー ボ 系 の 位 置 ア ン プ ゲ イ ン , 速 度 ア ン プ ゲ イ ン な ど の サ ー ボ パ ラ メ ー タ を 決 定 す
検出器の分解能によるところが大きいが,サーボシステム全体としてこれに相応する分解
ることである.
Jの 速 度 制 御 系 の )
能が必要で,サーボループl
t
.
'
J波 数 応 答 と 密 伎 な 関 連 が あ る S
幻.
図2
3は.一般的な N C工 作 機 械 送 り 駆 動 系 の 送 り 駆 動 織 情 の 一 例 で あ る . サ ー ボ モ ー タ
のロータシャフトとボールねじは剛性の高いカ
1
ブリングによって結合され,モータで発
生したトルクがボールねじに伝わり,ポールナットを介して被駆動部への出動推力となっ
2.3 対 象 と す る 送 り 駆 動 系 と そ の モ デ ル 化
て,被駆動部は案内に沿った凶線運動を行う.このボールナットはパ
2.3.1
T_作権械の送り駆動系の基本構造
前述したように送り駆動系は大きく分けて,
ら楕成され,
ためプリロードがかけられたタブルナ
NC制 御 部 と 送 り 駆 動 機 構 の 2つ の 部 分 か
N C制 御 部 は さ ら に N C部 と サ ー ボ 部 に 分 け る こ と が で き る . N C部とは,
入力された相対運動に対して各種の補正や平滑化を行った後,各制御軸へ運動を分配し,
1
n
トがJ1 、られる
I')
J
クラ
y
シュを除く
そして,袋持変化が生じに
くい対称形のワイドガイドとして高い運動制度を確保している.なお,案内ん式としては
滑り案内,転がり案内および帥正案内(及びこれらの組合わ性であるハイブリッド案内)
が あ る が , 本 研 究 で は 一 般 的 に 普 及 し て い る 滑 り 案 内 お よ び t吃 が り 案 内 を 対 象 と す る .
各軸邸位に位置指令を作る部分であり,サーボ部とは位置指令と位置,速度,電流のフィ
ードパック値からモータに加えるべき電流値を計算し,モータに電流を加えてトルクを発
生 さ せ る 部 分 で あ る . ま た , 送 り 駆 動 機 構 と は N Cサ ー ボ 部 か ら ト ル ク を 受 け , ポ ー ル ね
フィード
「コ湿の逮賓ループ
<
<
,
N Cサ ー ボ 部 に は , 図 2
2の よ う に 送 り 駆 動 機 構 の 一 部 で あ る 被 駆 動 部 の 位 置 ・ 速 度 な ど
の物思量が,フィードパック信号として用いられる
1け .
この中で位位指令器とは,
NC
プログラムにより与えられた運動経路に加減速,フィードフォワード制御,各種補正,各
岱lI l~ ー プ
'自への運動分配等の処理を行い,各軸単位での位置指令を作成する部分である . また位置
制御器とは,位置指令とセンサから得られる実際の位置との偏差を入力とし,速度指令を
出力する部分である.速度制御器はその速度指令と実際の速度の偏差から電流指令を生み
Awd
-8-
図2-4 NCサーボ部の詳細を表すブロック線図
﹁SIMil---J
じなどを介して直線運動や回転運動を発生させる部分を言う.
2.3.2
N Cサ ー ボ 部 の モ デ ル 化
に基づく遅れを取り除くのがフィードフォワード制御である.
N Cサ ー ボ 部 の 基 本 構 成 を プ ロ ッ ク 線 図 で 表 し た ら の を 図 2-4に示す. 一般に位置制御│
2.3. 3 送 り 駆 動 機 構 の モ デ ル 化
器 で は 単 な る 比 例 要 素 が 用 い ら れ , そ の 比 例 ゲ イ ン を 以 後 Kpと 呼 ぶ こ と と す る .
速度制
御 器 で は 位 相 遅 れ 要 素 が 用 い ら れ る こ と が 多 く , こ れ は P 1要 素 の 分 母 を 積 分 で は な く 1
次 遅 れ に し た も の で あ る . 1次 遅 れ を 用 い る の は , 送 り 駆 動 機 構 に 含 ま れ る 非 線 形 要 素 に
起 因 す る リ ミ ッ ト サ イ ク ル を 避 け る た め で あ る . 電 流 制 御 器 で は 単 純 な P 1要 素 が 用 い ら
トータルチューニングに必要な送り駆動機惜のモデルとしては
(1) 送 り 駆 動 系 の 安 定 判 別 に 重 要 な 第 i次 固 有 振 動 数 付 近 ま で の モ デ ル 化 誤 差 が 小 さ い
こと.
れている. ま た 各 制 御 器 に は 演 算 時 間 や フ ィ ー ド パ ッ ク 値 の サ ン プ リ ン グ に 基 づ く 無 駄 時
(2) モ デ ル に 含 ま れ る パ ラ メ ー タ の 数 が 少 な い こ と .
聞が存在する.
(3) パ ラ メ ー タ の 物 内 的 意 味 が 明 ら か で あ る こ と .
このブロ
1
ク 線 図 に お け る 各 記 号 は 次 の 怠 味 で あ る . Gf(s): フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド 制 御│
部. Kp: 位 置 ア ン プ ゲ イ ン (S-I),R:回 転 運 動 か ら 直 線 運 動 へ の 変 換 定 数 ( =p/ 2π)
(m/rad), p : ボ ー ル ね じ の リ ー ド (
m
), Kv(s):速度制御器の伝達関数,
御器の伝達関数,
Lm: モ ー タ の 電 機 子 イ ン ダ ク タ ン ス (
H
),
Ki(
s
) :電流制
Rm:モータの電機子抵抗;
(Q), Kt: サ ー ボ モ ー タ の ト ル ク 定 数 (N'm/A), Ke: モ ー タ の 誘 起 電 圧 定 数 (V's/rad),
の 3点 が 必 要 で あ る . ま ず 上 述 の (3) を 考 慮 し , 送 り 駆 動 機 仰 の 構 成 要 素 に 基 づ い た 力
学 モ デ ル を 構 築 す る . このために次の仮定をおく.
(1) 厳 密 に 言 え ば 送 り 駆 動 機 構 は 述 続 体 で あ り , 生 じ る 振 動 ら 述 続 体 の 振 動 と 考 え な け
ればならないが,被駆動部は剛体と見なせるため,集中T!1i1として級う.
(2 ) 被 駆 動 体 の 自 由 度 と し て は
x(送り方向),
Y , Z方 向 の ¥
1
1
!進 運 動 と A, B, C方 向
J : 回 転 体 イ ナ ー シ ャ (竺 ボ ー ル ね じ イ ナ ー シ ャ + サ ー ボ モ ー タ の ロ ー タ イ ナ ー シ ャ 〉
の 回 転 運 動 に 関 す る 6 つの自由度が存在するが,
(N'm/A), K :送 り 方 向 剛 性 (N/m). M :被駆動体質量 (
k
g
), C : 被 駆 動 体 摺 動 面 の 粘 性 減
運動は案内によってほとんど拘束されているので,
衰 係 数 (N's/m), T : サ ー ボ モ ー タ の ト ル ク (N'm), Om: サ ー ボ モ ー タ の 回 転 角 度 (rad),
Ft: 被 駆 動 体 に 対 す る 外 乱 入 力 (
N
),
xt:被 駆 動 体 の 変 位 (
m
), Vg:速 度 比 例 ゲ イ ン
(A's/rad), Vi: 位相遅れを停止する周波数を決定するゲイン,
フィードフォワード制御の伝述│児数 Gf(
s
)は
,
a,b,Tv:定数.
Kfを フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン と す れ
ば次式で表せる .
(2-1)
図2
・4
に お い て . 速 度 ル ー プ 伝 達 特 性 が lと 見 な せ る な ら ば , 位 置 ル ー プ の 伝 達 特 性 Gp(s)
自由度は X方 向 の み と す る .
(3) ボ ー ル ね じ は 両 端 を 回 転 可 能 に 固 定 さ れ た 単 純 な 丸 持 と し て 扱 い , 縦 振 動 と ね じ り
振 動 の l次 モ ー ド の み を 考 慮 す る .
(4) ボ ー ル ね じ の ボ ー ル の 剛 性 は ナ ッ ト 剛 性 に 含 ま れ る .
(5) ボ ー ル ね じ 軸 受 の 支 持 部 剛 性 ( 軸 受 ブ ラ ケ ッ ト の 剛 性 , 軸 受 ブ ラ ケ ッ ト の 支 持 部 の 剛
↑生,軸受ブラケットと軸受ブラケ
Gf(s)- Kf.S/ Kp+ 1
Y, Z方 向 や A , B, C回 転 方 向 の
'
Y
トの支持部の問の接触剛性を含む)は無限大とす
る.
(6) ナ ッ ト ブ ラ ケ ッ ト の 剛 性 ( ナ ッ ト と
xb
ナットブラケット,およびナ〆トプラ
は次式のように近似できる.
Gp(s)
(
2
2
)
S/ Kp+ 1
む)は無限大とする.
Gp(s)は 1次 遅 れ で あ り , 指 令 に 対 し て 応 答 の 遅 れ が あ る . し か し フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ
インを Kf- 1に す る と , 位 置 ル ー プ と フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド 制 御 を 組 合 わ せ た 伝 達 関 数 は
(
2
3
)
Gp(
s
)・Gf(s)=l
となり,遅れも進みも存在しないようになる.
答が迫従しないので,
ケットと被駆動体の附]の接触剛性を含
実 際 に は Kf= 1に す る と 速 度 ル ー プ の 応
Kfは 1に 俺 め て 近 い 値 に 調 整 さ れ る .
ー
1
0-
このようにして位置ループ
(7) サ ー ボ モ ー タ と ボ ー ル ね じ の 問 の カ
ップリングのねじり剛性は無限大とす
る.
以上の (1)-(7) の仮定を行ったモ
デ ル を 機 構 モ デ ル A として図 2・5に示す.
図2
5 送り駆動機構の力学モデル〈モデル A)
1
1-
こ こ で 図 2・4で説明した以外の記号としては,
xb: ボ ー ル ね じ の ナ
1
ト部の変位 (m), 8b
: ボ ー ル ね じ の 凶 転 角 度 (rad), Ms: ボ ー ル ね じ の 縦 振 動 モ ー ド の ナ ッ ト 部 分 で の 等 価 質
量 (kg), Jm: サ ー ボ モ ー タ の ロ ー タ イ ナ ー シ ャ (N'm's3), Jb:ボ ー ル ね じ の ね じ り 振 動1
モードのナ
1
ト 部 分 で の 等 価 イ ナ ー シ ャ (N'm's3), Kx:ボ ー ル ね じ の 縦 振 動 の ナ ッ ト 部
分 で の 等 価 剛 性 (N/m).Kg: ポ ー ル ね じ の ね じ り 振 動 の ナ ッ ト 部 分 で の 等 価 剛 性 (N'm/rad),
Kn: ボ ー ル ね じ の ナ
1
卜部の剛性 (N/m), C:被 駆 動 体 摺 動 面 の 粘 性 減 表 係 数 (
N
's/m), τ
: ポ ー ル ね じ の リ ー ド 角 (rad), L : 支 持 軸 受 と ナ ッ ト と の 距 離 (m)である.
ここで , ・は時間微分を表す.また,
[~A ]=
[
xl xb Db DmP
[
M
0
0
0
o
MbO
01
[
阻A
]一
o 0 Jb
o0
0
0 Jm
-Kn
Kn+Kl
・ (~/ぷ) )である.
最近の工作機械に用いられているボールねじのi
丘径を考えると,ねじり振動の共娠周波
lOO(Hz)程 度 で あ る か ら , ボ ー ル ね じ の ね じ り 剛 性 Kgは非常に大きいと言え,
日l
とから,
8b~ 8mと
これを無視することができる.
こ の よ う な 仮 定 を 加 え る と , 式 (2
-4)の運動方程式は次のように簡単化される.
[阻日][%B]+[CB][%B]+[
I
[B][%B]= [urB]
(
2
9)
ここで
[
1
1
'8
]=[0 T]T
n
u
lll
,
ノ
[CB
]=
nU
r
t
i
-
aEad
E7+E
了
一
、
・
nHU
、
1
Mo
[
}
'
tB]-[xtθm]T
Kg
、
R2 Kn+Kg -Kg
'EEEh
VA
1
一K
1
1
また 一 般 に , ボ ー ル ね じ の 質 mMslま被駆動部の質量 M に 比 較 し て 数 十 分 の l と 小 さ い こ
0
0
-Kg
ここで .G は凶弾性係数 (=8.3X10
tl、
LJ
-RKn R Kn
-RKn
R Kn
(
2
8
)
3
2L
阻
[K
。 。
-Kn
[I
[A
)=
[CA]=
πdr‘
G
Kg
おける.
[
000TP
[
u
rA
]ー
れる.
サーボ部の周波数応答の実測によると,安定性を判断する i
探に問題となる周波数は通常は
(
24)
[u
rA]
に比べて十分高いとして無視すると,次式のようにボールねじ臼身のねじり剛性でうえら
数 は 縦 娠 動 に 比 較 し て 非 常 に 高 く , 数 百 Hzとなると批制J
Iで き る . 共 振 系 を 合 ま な い NC
このモデルをfTJいた場合,送り駆動機構の運動方程式は次のようになる.
[
阻A)[XA]+[CA][%A]+[
I
[A][ ~A]
送 り 駆 動 機 情 の 全 体 の ね じ り 剛 性 Kgは . カ ッ プ リ ン グ の ね じ り 剛 性 が ボ ー ル ね じ の そ れ
[
朴
〔i
k
R
C
K
)
ただし , 送 り 駆 動 機 構 の 送 り 五 日j剛 性 K, 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ Jは , 次 の よ う に 点 せ る .
ボールねじの送り }
j向 の 剛 性 Ksは , 支 持 }
j式 が ダ ブ ル ア ン カ の 場 合 次 式 で 求 め られる .
K
s=
π Edc2
(
2
5
)
4L
ま た ボ ー ル ね じ 支 持 軸 受 の 剛 性 Kbは . 予 圧 畳 を FaO(
N
), そ れ に よ る 送 り 方 向 の 弾 性変
形 量 を δaO(m)とすると次式で近似できる'川.
Kn=
.
日
ここで,
-
3FaO
(
2寸 )
ル Bとなる.
また図 2
7は モ デ ル Bをブロッ
モ デ ル A と モ デ ル Bを 比 較 す る た め に , 現
用されているマシニングセンタの送り駆動機
I1)
構の設計白書元を用いて
2
2Pa "'
s
i
n
β
2
.4(Q2/db)1
)を 力 学 モ デ ル で 表 す と 図 2
6の モ デ
式(ト 9
ク線図で点したものである.
ー
一
一
一
一
一
oaO
ナ ッ ト 部 の 剛 性 Knは 次 式 で 表 さ れ る
(
2
1
0
)
(
2
1
1
)
J = Jm+ Jb
ここで. dcは ボ ー ル ね じ の 谷 径 (m), Eは 縦 弾 性 係 数 (
=2.1X1011 (N/m2) ) である .
Kb=
一一
一ー=一一
一一+一一一
一
K
Kx
Kn
トルク T か ら 被 駆 動
(
2
7
)
a・5
体 の 変 位 xlま で の 伝 達 関 数 G1(jω), G2
Pa: 送りえf
向 の 荷 重 (N).β:ね じ 溝 と ボ ー ル の 接 触 角 (deg.), db:鏑 球 径 (
m
),
2
4
)と式(2
9
)より求めた.計算に
(jω)を 式 (
Q:鋼 球 l個 あ た り の 荷 量 (
N
), f :制度や内部構造による係数.
ー
1
2
ー
喧
1
3-
6 簡略化した機構の力学モデル
図2
〈モデル B)
用いた各送り駆動機構の概略
仕織を,&2
1に 示 す . タ イ プ l
-3は そ れ ぞ れ 大 型
I
ー
1
・
q
J型 お
よひ'小型の送り駆動機摘であ
る.ただし,いずれのタイプ
でも被駆動体摺動面の粘性減
図2
7 モデル Bのブロック線図表示
・
蛮 係 数 を C=1
.0XI0 (
N
'
s
/
m
)
としている.
・8に モ デ ル Aの 周 波 数
図2
1 モデルの比較計算に用いた送り駆動機構の仕様
表2
応 答 関 数 G1(jω)を実線で,
ま た モ デ ル Bの 周 波 数 応 答 関
数 G2(jω)を破線で示す.
本 図 か ら わ か る よ う に Gl
-ーーーーーーーー(
k
g
)
2
0
0
0
(
m
)
ポールねじ長さ
{
m
}
ポールねじリード {
m
}
O
.0
5
0
1
.6
0
0
O
.0
1
0
被駆動部質量
ポールねじ外径
1
(
,
'
タイプ 1 タイプ 2 タイプ 3
5
0
0
O
.0
45
1
.0
0
0
O
.0
1
0
2
3
5
0
.
0
3
6
0
.
8
1
0
0
.
.1
1>0"1
O
.0
0
8
"
'
1
>
0
"1
(jω)は 周 波 数 1
000(Hz)まで
図ト9 M A T L A 8でのブロック線図表紀例
に 2つ の 振 動 モ ー ド が 存 在 す
jの 振 動 モ ー ド は ボ
る. こ の う ち 低 い }
デ ル 化 誤 差 は 大 き く な ら ず , モ デ ル 8 は モ デ ル A に比較してパラメータも少ないので,
5
0
ー ル ね じ の 送 り 方 向 剛 性 Ks.軸 受 剛 性
タイプ 1
タイプ 2
タイプ 3
Kb, ナ ッ ト 剛 性 Knを 合 成 し た 送 り 方
ト
ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ に 用 い る 送 り 駆 動 機 摘 モ テ ル と し て 適 切 で あ り , 以 後 こ の モ デ ル Bを
使用することにする.
向 剛 性 K,こ起因するモードであり,高
い方の振動モードは,ボールねじのね
2.3.4 サ ー ボ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン お よ び サ ー ボ シ ミ
じり剛性 Kgに 起 凶 す る モ ー ド で あ る .
。
各々の送り駆動機怖の仕様が違うに
もかかわらず,
実際の
タイプ 2
G1(jω)と G2(jω)は
送り方向の振動モード付近までは良い
一致を示している. これは送り方向の
振 動 モ ー ド に 対 し で ね じ り振動 モード
はト分陥れており,ねじり剛性と送り
唱
2
0
0
g
4
0
0
NC工 作 機 械 で , 送 り 駆 動 系 を 不 安 定 な 状 態 に す る こ と は , 送 り 駆 動 機 情 に 過 大
するのは避けた方が良い.そこで本研究では,前述のモデルをflJいるシミュレーションに
I
I
I
I
噌令ー
レータ
な振動を与えることとなり好ましくなく,~機を用いて送り駆動系の安定性の限界を試験
0>
曲
a
よりサーボパラメータチューニングを行うこととした.
タイプ 1
シミュレータの基本ソフトウェアには,制御系のシミュレーションに関して定評のある,
6
0
0
1
0
方向閥J
I性 の 連 成 が 小 さ い こ と を 示 し て
JO
1
0l
1
0
0
周波数
Hz
いる.
会 話 型 数 値 解 析 用 ソ フ ト ウ ェ ア f M A T L A s / S I M U L 八 8J (The MathWork I
n
c
.
社 製 ) を 用 い る . こ の ソ フ ト ウ ェ ア の 詳 細 に つ い て は 付 録 2 に示す.
なお,本研究ではシミュレーションにより制御系のステ
以 上 よ り モ デ ル A を モ デ ル 8で 近 似
図2
8 モデル A. Bの周波数応答
〈シミュレーション〉
しでも第 l次 固 有 振 動 数 付 近 ま で の そ
-1
4-
余裕・位相余裕を求めているが,
これらはブロ
J
-1
5-
y
プ応答,周波数応答,ゲイン
ク線図で点記した制御系を状態方程式に
タイミングが異なっただけで問題ではない.実械での応答に若干の振動が見られる程度で
表2
2 NC装置 Aの主な仕横
シミュレーション
ほ ほ 同 等 の 応 答 波 形 と 言 え る . そ の 他 の Y, Z軸 に 関 し で も 実 測 波 形 と シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
〈
マシニングセンタ
用途
波 形 で ほ ぼ 同 様 の 応 答 が 得 ら れ , い ず れ も 安 定 で あ っ た . このことより,
NC旋盤,ロポット
CPU
最大制御軸
同時制御軸
最小設定単
ンに用いたモデルが妥当であることが検証できた.
32ピット
6軸
6軸
1μm/O.lμm
I
f
6
メモリ容量 最大 512kB
2.4
〈
組
三
変換して算出している.このブロック線図の
2.4.1
2
i
'
。
このシミュレーション
うに設定した.
(1) ス テ ッ プ 応 答 を 求 め る 際 に は , 時 間 刻
1軸 の 運 動 誤 差 の 分 類 と そ の 低 諒 方 法
0
0
.
0
2
工作機械に要求される高速・高精度を実現する際に,送り駆動系に関して問題となるの
O
.
ω
時
によりこれらを算出するときの条件は次のよ
0.
06
間
0
.
0
8
1
0.
s
図2
1
0 シミュレーションと実機の時間応答
比較〈機械 Aの×軸,ランプ入力時の
モータ電流〉
は運動誤差である.高速化は加工時の送り速度を高めることによって実現できるが,送り
速度に比例して運動誤差も大きくなる. しかし逆に言えば,この運動誤差を小さくするこ
とによって許容誤差内で送り速度を高くすることができ,
高速・高精度が実現できるとい
うことになる.よってここでは送り速度を低下することなく運動誤差を減少させる方法に
みを 0.5(ms)とする .
(2) 周 波 数 応 答 を 求 め る 際 に は , 低 い 周 波 数 の 刻 み を 重 視 し て 1(
H
z
)から 1000(
H
z
)の 悶
ついて検討する.
N C工 作 機 械 送 り 駆 動 系 の l軸 の み に 基 づ く 運 動 誤 差 と そ の 低 減 法 を 以 下 に 示 す . 但 し ,
を 対 数 領 域 で 1000等 分 し て 求 め る .
(3) ゲ イ ン 余 裕 ・
位 相 余 裕 は 周 波 数 応 答 を 基 に 算 出 す る . 1(
H
z
)から 1000(Hz)の 閣 を 対 数
領 域 で 2000等 分 し て 周 波 数 応 答 を 求 め , 分 割 し た 聞 を 1次 近 似 し た 上 で ゲ イン 余裕・
姿勢変化,案内面の形状誤差(直角度誤差,真直皮誤差など) ,ボールねじのパックラッ
シュ等はサーボパラメータチューニ・ングでは低減できないことは明かであるので,検討の
対象としない.
位相余裕を求める.
図 2-4に 含 ま れ る 各 パ ラ メ ー タ は , 実 際 に 測 定 し た 周 波 数 応 答 を 基 に 同 定 し た . 対 象 と
する N C装 置 A の 主 な 仕 織 を 表 2-2に示す. N C装 置 A は
, N C工 作 機 械 に 用 い ら れ る 一 般
的な N C装 置 で あ る . 現 在 N C装 置 は 多 数 存 在 す る が , 基 本 構 造 は ほ と ん ど 同 じ で あ り ,
各 パ ラ メ ー タ も 大 差 な い . よ っ て 本 研 究 で は 一 般 に よ く 用 い ら れ て い る 代 表 的 な N C装 置
(1) フ ィ ー ド パ ッ ク 制 御 系 に 起 因 す る 追 従 誤 差
・フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド 制 御 に よ り 低 減 で き る .
・フィードパックゲインを大にすることにより低減できる.
(2) 外 力 に よ る 誤 差
(2.1) 既 知 外 力 に よ る 誤 差
Aを 用 い て 検 討 を 進 め る .
ここで,
1事由サーボパラメータチューニング
d
(
P
L
C
/
AP
L
C
)
一例を図2
・9
に示す.
シミュレーショ
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ っ て 実 機 と 問 機 の 応 答 が 得 ら れ る か ど う か 確 認 し て おく.
確認に用いる応答としてサーボモータの電流波形を調べることにする.ただしこのとき ,
加 減 速 時 定 数 Ts, お よ び フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfは ゼ ロ と し て い る .
実 機 に お い て 送 り 駆 動 系 に ラ ン プ 入 力 ( 指 令 送 り 速 度 は F =1000(mm/min)) を 与 え , そ
のときのサーボモータ電機子電流を測定した.そして同時に,これと同様のサーボパラ メ
ータを設定したシミュレータにおいても時間応答を求めた .
x軸 に つ い て の 実 機 お よ び シ
ミ ュ レ ー シ ョ ン の 電 流 波 形 を 図 2-10に示す. こ の 両 波 形 は 時 間 軸 に ず れ が あ る が , 測 定 の
-1
6
-指 令 値 の 補 正 を 行 う こ と に よ り 低 減 で き る た と え ば 摺 動 抵 抗 の よ う に 再 現 性 の あ
る外乱はその大きさを推定し,運動方向反転時にこの大きさのトルクをモータに加え
る こ と に よ り , そ の 影 響 を 打 ち 消 す こ と が で き る . このため N C工 作 機 械 の N C装 置
にはロストモーション補正,
スティックモーション補正などの機能が備わっている.
.フ ィ ー ド パ ッ ク ゲ イ ン を 大 に す る こ と に よ り 低 減 で き る .
(2.2) 未 知 外 力 に よ る 誤 差
・外 力 の 補 償 を 行 う 切 削 時 に 送 り 駆 動 系 の 摺 動 体 に 加 わ る 切 削 反 力 は 種 々 の 加 工 条
-1
7・
骨
となる. 故 に
,
件 に よ って 変 化 し , そ の 値 を 推
H = Kp・a.
Yg' (
l+b .Yi) .Kt
/ R2
定することが難しい.外乱をオ
が チ ュ ー ニ ン グ の 評 価 関 数 と な り,こ の サ ー ボ 剛 性 日 が 最 大 に な る よ う に サ ー ボ パ ラ メ ー
ブザーパ等を用いて推定しサー
タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 え ば よいこ と になる.
ボモータのトルク補償を行う方
策 1・】があるが,
(2-16)
制御系が複雑
図ト 1
1 速度制御器 Kv(
s
)の構成
2.4. 3
になってしまうという欠点をも
つ
フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ドゲイン Kfの 設 定
位 置 ル ー プ に 基 づ く 追 従 誤差 と フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfの 問 の 関 係 を 求 め る . そ
-フィードパックゲインを大にすることにより低減できる.
の た め 2.3.2節 で 述 べ た フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド 制 御 に 関 係 す る 部 分 を 取 り 出 し た 間 略 モ デ
以上の誤差低減法から考えて,サーボパラメータの設定にあたっては,まずフィードパ
ッ ク ゲ イ ン を で き る だ け 大 に し て ( ハ イ ゲ イ ン 化 し て ) 外 乱 応 答 特 性 を 低 感 度 と し ,そ の
ル を 図 2-12に示す.
こ の と き 位 置 ル ー プ に 基 づ く 追 従 誤 差 eP(
m
)は.送り速度 F (
m/s
)のランプ入力に対して,
上でフィードフォワードゲインにより指令値に対する追従誤差を低減するという手順で進
ep= (1
めることとする.
2.4.2
Kp'Yg'Kt. (1 + Kf.5/ Kp)
ー
N)
外 力 に よ る 誤 差 を 表 わ す 数 値 と し て , 送 り 駆 動 系 の 静 コ ン ブ ラ イ ア ン ス ( 大 き さ 1(
のステップ状の外力に対する,被駆動体の定常状態での変位)を考える. コンブライア ン
ス Compは 次 式 で 表 わ さ れ る .
となる.ただし,
s2
J s 2+ (D+Yg'Kt) s +Kp'Yg'Kt
J 5 2+ (D+ Vg.Kt- Yg.Kt'Kf
)
・ s
J 52+ (D+ Vg
'Kt
) 5 + Kp'Vg'Kt
チューニングの評価関数
F
吻
F
sz
Dは 案 内 面 の 減 衰 係 数 Cを ボ ー ル ね じ 軸 回 り に 換 算 し た も の で ,
D = R 2.C
(
2-1
8
)
である.定常状態では
・クローズドループ制御の場合
(2-12)
Comp= R 2
/ (Kp• Kv.Kt)
ep =
1+ D/ (Vg'Kt) - Kf
Kp
F
(
2-1
9
)
となる.よって追従誤差をゼロにするためには,以下のようにフィードフォワードゲイン
・セ ミ ク ロ ー ズ ド ル ー プ 制 御 の 場 合
(2-13)
Comp= 1/ K + R2/ (Kp.Kv.Kt)
こ れ ら の 共 通 項 で あ る (Kp'Kv.Kt) / R 2は一 般 に サ ー ボ 剛 性 と 呼 ば れ て お り , 外 力
に よ る 誤 差 を 減 少 さ せ る に は , こ の サ ー ボ 剛 性 を 大 き く ( コ ン ブ ラ イ ア ン ス を小 さ く ) す
Kfを 設 定 す れ ば 良 い .
Kf= 1+ D/ (Vg.Kt)
(
22
0
)
也
Kfを 大 き く す る と 一 般 に 被 駆 動 体 に 振 動 が 発 生 す る . こ れ は 不 安 定 に な っ て 振 動 す る
ることを目標にサーボパラメータチューニングを行えば良いことになる.
実 機 の N C装 置 A で は , 位 置 制 御 器 は 単 な る 比 例 ゲ イ ン Kpで あ る . ま た 速 度 制 御 器 Kv
l+s.Kf/Kp
(
s
)は , 図 2-11の よ う な 構 成 で あ り , こ れ を 等 価 変 換 す る と ,
Kv(s)= a'Yg' (1 +
(
2-1
7
)
Vi'b
‘
Tv'5 +1
(2-14)
さ ら に , 定 常 状 態 を 考 え て s→ Oとすると,
(2-15)
Kv= a.Vg・(1+b .Vi)
ー
1
8-
函ト 1
2 フィードフォワード制御の簡略モデル
-1
9-
侮令速度 F
指令速度 F
問
加速終了
糟
2D
速度の追従鼠差
/
/
¥E?OFX
明
回
指令速度
間
間
/ f kf220
.
1
5
l
!
I
週
間
ト l
部
1!
招
P
割
(a)直線加減速方式
/
岬
閉
性
ぎ
制
﹁
制
回
1;
l
i
c、 I,
(b)指数関数型加減速方式
言0.5~:①/"一一一­
(c) ペル型加減速方式
加速開始
時
間
m
図2
1
3 加減速方式による速度パターンの比較
川/
。
図2-14 速度のオーバーシュート
。
のではなく, 指 令 が 急 激 に 変 化 た め に 発 生 す る 振 動 で あ る . こ の 振 動 は 加 減 速 に よ る 指 令
の平滑化で低減できるが,
る値よりも小さくし,
次に述べる加減速方式によっては,
Kfを 式 (2-20)で 求 め ら れ
ある程度の追従誤差を作っておかないと振動を完全に取り除くこと
ができない. そ こ で 加 減 速 に よ り 振 動 や 位 置 の オ ー パ ー シ ュ ー ト を 取 り 除 く こ と が で き る
範 囲 で Kfを設定し, 生 じ る 振 動 や 位 置 の オ ー パ ー シ ュ ー ト は 加 減 速 時 定数
Tsを 適 当 に 投
Kf=O.7
Kf= 1.0
0
.
0
5
0
.
1
時
フォワード制御により生じる振動が生じる
の は , 図 2-14の 様 に 実 際 の 速 度 が オ ー パ ー
間
0
1
.
5
s
0
.
2
図2
1
5 速度の追従誤差の時間変化
シュートし, 負 の 速 度 に な る た め で あ る .
これを積分し実際の位置にすると,
自掠位置の付近で一旦後戻りすることになる. また振
動 が 大 き い と 位 置 の オ ー パ ー シ ュ ー ト も 引 き 起 こ す の で , 寸法制度, 切 削 抵 抗 変 化 か ら 考
定することにより取り除くこととする.
えて, 速 度 の オ ー パ ー シ 」 ー ト は 防 止 し な け れ ば な ら な い .
直 線 加 減 速 時 に お け る 速 度 の 追 従 誤 庄 は 加 速 時 に は 図 2-15の よ う な 時 間 変 化 を す る . 時
2.4.4 加 減 速 方 式 と 加 減 速 時 定 数
実1
1
0で加速が開始されるが, 開始u:r後には制御系に含まれる無駄目寺聞のため速度の追従誤
現 在 の N Cサ ー ボ 系 で 一 般 的 に 用 い ら れ て い る 加 減 速 方 式 と し て 次 の 3つがある.
差 は 単 調 に 増 加 す る . その後制御系が応答し始め, 迫 従 誤 左 慣 が 飽 和 し て い く . フ ィ ー ド
)
(I) 指 数 関 数 J
{
'
l
1
m減 速 ( 図 2-13(b)安照, 図 は 時 定 数 Ts-T1
フォワード制御では指令以上の加速が行われるため, 初 期 に 生 じ た 追 従 誤 差 は 次 第 に 減 少
s=Tl)
(2) 庇 線 加 減 速 ( 図 2-13(a)参照, 凶 は 時 定 数 T
していく. 指 令 以 上 の 加 速 か ら 指 令 加 述 へ の 収 束 が 振 動 的 で あ る た め , - 8追 従 誤 庄 が 減
(3) 2 次1:!:.れ型〈ベル型)加減速(図 2-13(c)~ 照)
少した後, 増 加 し つ つ 収 束 し て い く .
初 期 の N Cで は 制 御 の 簡 単 な 指 数 関 数 型 加 減 速 が 用 い ら れ た が, 補 間 後 加 減 速 に よ る 半
し
,
こ の 収 束 値 は フ ィ ー ト フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfに 依 存
Kfが 大 き い ほ ど 収 束 値 が 小 さ く な る .
径減少の低減や立上がり時間の低減のため直線加減速が開発された. 直線加減速では加減
加速終了時にも, 符 号 は 逆 で あ る が 起 動 的 と 同 じ 過 渡 応 答 に な る . 図 2-15の 加 速 終 了 時
フィルタを重畳させ
において①で示したピークが行過ぎ毘となり, 加 速 終 了 直 前 の 速 度 追 従 誤 差 が こ の 行 過 ぎ
こは直線加減
て 速 度 指 令 を 2次 曲 線 と し た 2次 遅 れ 型 加 減 速 も 開 発 さ れ て い る が , 基 本 的 l
盤以下の場合に速度のオーバーシュートが生じる. よって速度のオーバーシュートを生じ
速に属する.
させないためには, 追 従 誤 差 収 束 値 を ① の ピ ー ク 値 以 上 に す る 必 要 が あ る . こ の 収 束 値 は
速開始, 終 了 の 際 の 機 械 的 シ ョ ッ ク が 大 き く な る と い う 欠 点 が あ り ,
一般に追従誤差がゼロになるようなフィードフォワード制御を行うと, 振動や位置のオ
ーパーシュートが生じるが, これらは加減速による指令の平滑化で低減できる . フ ィ ー ド
フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfによって決まるが, 無 限 時 間 後 の 収 束 値 で あ る .
全率を見込み,
収束値の0
.
9倍 が ① の ピ ー ク 値 以
-2
1- 20 -
そこで安
tに な る よ う に フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ
情の投計を行う必要がある.すなわち,送り駆動機怖の詳細設計後にパラメータチューニ
ンKfを 決 定 す る こ と に す る .
以 上 の よ う に フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfを 決 定 す る と . 加 減 速 時 定 数 = 加 速 終 了 時 刻
であるから加減速時定数は追従誤差慣が初めて①のピーク値を越える時刻に相当する .
し か し 速 度 の 追 従 誤 差 が ゼ ロ の 場 合 , 直 線 加 減 速 で は 時 定 数 を 大 き く 設 定 し で も , この
速度のオーパーシュートを完全に取り去ることができない.なぜなら直線加減速の場合,
ングを行い,チューニングの結果得られる運動精度が目保怖を達成していなければ,送り
駆動機怖の設計を変更するといったプロセスが必要である. このようなプロセスを本研究
ではチューニングの一種としてとらえ,
7の送り駆動機構のモデルには,
図2
iメ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ j と称す る.
送 り 方 向 剛 性 K, 被 駆 動 部 質 量 M , 案 内 面 の 減 衰
加減速の終了が急激に行われるのに対し,制御ループには必ず応答の遅れが存在するため,
係 数 C, 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ J, 回 転 運 動 か ら 直 線 運 動 へ の 変 換 定 数 R (ボールねじのリ
実際の加減速終了が遅れてしまう.それ故,加減速時の速度の追従誤差(図ト1
5参 照 ) が
ード pを 含 む ) の 5個 の メ カ ユ カ ル パ ラ メ ー タ が 含 ま れ て い る . 従 っ て , こ れ ら の パ ラ メ
少なすぎると加速(または減速)し過ぎるため速度のオーパーシュートが生じる . この現
ータが決定されれば,
象は,瞬間的な加加速・減加速という,段階的で不連続な加減速を行う限り生じる .対 策
決定されることになる.
2
.4節 で 述 べ た 方 法 で サ ー ボ パ ラ メ ー タ が 決 定 で き , サ ー ボ 特 性 も
と し て フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfを 低 く し . 位 置 ル ー プ に 基 づ く 追 従 誤 差 を 作 っ て や る
か , あ る い は (3) の 2次 遅 れ 型 加 減 速 J
j式 の よ う な フ ィ ル タ を 用 い て オ ー バ ー シ ュ ー ト
を 小 さ く す る こ と が 必 要 で あ る . た だ し , 立 上 が り 時 間 は 直 線 加 減 速 方 式 で は 時 定 数 Ts
2.5.2
チューニングマップと修正ベクトル
設計段階においてサーボ特性が目標値に達していなければ,メカニカルパラメータを修
と 等 し い が, 2次 遅 れ 型 で は フ ィ ル タ 時 定 数 T2分だけ長くなる.
正する必要がある. このパラメータの修正には試行錯誤的に円限値と比較し,評価関数が
一方,指数関数加減速は加減速の終了が滑らかに行われるのでこのような問題はなく ,
収 束 す る ま で 繰 り 返 す 方 法 17)らあるが,局所解 18)こ
,1
1
白り易く全体の傾向が不l
リjである.
フィードフ片ワードゲインを高めることができるので追従誤差はゼロにできる. しかし指
また目標、他が述成されるまで繰り返し評価値を計算すると非常に時間がかかり能率が強い.
数関数加減速は立上がり時間が長く,能率を重視する産業機械にとっては致命的な問題。が
あ る . す な わ ち 指 数 関 数 加 減 速 の 立 上 が り 時 間 は Tsの 10&. (送り速度 F X Ts/最 小 設 定
単 位 ) 倍 と な る . 例 え ば 送 り 速 度 が 5(m/min), Ts=O.02(s), 最 小 設 定 単 位 O
.1(μm)の 場
合では,約9f告にらなる .
また実際にメカニカルパラメータテューニングを行うときに以下の課題が生じる.
(1) メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ を 独 立 か っ 述 続 に 設 定 で き な い た と え ば , サ ー ボ パ ラ メ
ー タ チ ュ ー ニ ン グ に お い て は 位 置 ア ン プ ゲ イ ン Kp, 速 度 ア ン プ ゲ イ ン Vg写 は 独 立 に
設定できるが,メカニカルパラメータチューニングにおいては,送り方向附札 Kを変
以上のことを ~l澄し,サーボパラメータチューニングにおける加減速方式は ,
能率重視
の 時 は 直 線 加 減 速 ま た は 2遅 れ 型 加 減 速 方 式 を , 精 度 重 視 の 時 は 指 数 関 数 加 減 速 方 式 を 選
択 す る こ と と す る 〈 特 に こ と わ り 無 け れ ば一 般 的 な 直 線 加 減 速 方 式 で あ る と す る ) .
更 し よ う と し て ボ ー ル ね じ 径 dを 変 化 さ せ る と イ ナ ー シ ャ J ら変化してしまう.また,
ボールねじ径は標準化されているため離散的な値しかとれない.
(2) メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ は 他 の 設 計 制 約 と の 関 係 か 大 き い た と え ば , サ ー ボ 剛 性
Kを向上させようとしてボールねじ径を大きくすると,イナーシャ Jも大きくなりサ
2.5 メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ 品 ー ニ ン グ
ーボモータの出力トルク不足が生じ,応答性が必くなるといったトレードオフが生じ
2.5.1
メカニカルパラメータの結額
る.
これら (1). (2) は , す べ て の 投 計 目 標 と 変 数 の 関 係 を 定 式 化 し . 最 適 化 の 手 法 を 用
送り駆動系の運動精度にはサーボパラメータに左右されるものも多く,また,フィード
パックループ内のサーボパラメータ の実現可能な領域は送り駆動機構の特性の影響を受け
る . そ の 結 果 , 送 り 駆 動 機 構 と N Cサ ー ボ 部 〈 サ ー ボ パ ラ メ ー タ を 含 む ) を 合 わ せ た 送 り
駆動系金体から決定される運動精度が存在する.よって,サーボパラメータチューニング
いてメカニカルパラメータを算出するアルゴリズムを作ることが難しいことを怠味してい
る.そこで,本研究では段終的なメカニカル バラメータの決定は設計者に任せ, こ れ を 支
援 す る た め に , 設 計 者 に と ってわかりにくいメカニカルパラ メ ー タ と サ ー ボ 特 性 の 関 係 及
び設計変数の感度を示すツールを提案することとした.実用上は入手可能なポールねじ径
を 行 っ た 後 の 運 動 初 度 ( 送 り 駆 動 系 全 体 か ら 決 定 さ れ る 運 動 制 度 ) を 考 慮 し た 送 り 駆 動l機
-2
2-
-2
3-
とサーボモータについて予めデータベースに
入れておき,
2.6.1
サーボ剛性
H4
コンピュータを使って対話式に
H3
H2
H=HI
輪 郭 誤 差 を 分 類 す れ ば , 次 の 2 つに大別できる.
設計変更後の評価値をグラフィック描画で示
(1) 運 動 開 始 か ら 十 分 時 間 が 経 過 し た 定 常 状 態 で の 輪 郭 誤 差
~
す支援システムとするのが便利であるが,簡
便的にはグラフを作成し,それを基に設計修
①制御軸問での追従誤差の相違による輪郭誤差
"
'
主
出
正対策を選定する方法でもよい.
②直線補間運動コーナ一部のだれ(厳密には定常状態での誤差ではないが,定常状態
での追従誤差が原因となって生じるのでここで扱う)
図2
1
6は こ の ツ ー ル の 概 念 図 で あ る . 本 図
査
¥
ではメカニカルパラメータのうち設計変更し
とし,安定条件下で得られる最大サーボ剛性
Hを等高線で結んでいる.より高いサーボ剛
③円弧補間運動時の半径方向の誤差
(2) 加 減 速 等 の 指 令 変 化 に 伴 う 過 渡 応 答 時 の 輪 郭 誤 差 .
、
や す い イ ナ ー シ ャ Jお よ び 剛 性 K を 縦 ・ 横 軸
性 値 H へ到達しようとすれば,
輪郭誤差の分類
イナーシャ
J
一
-
図2
1
6 チューニングマップの概念図
J, K を 変 化
さ せ る 必 要 が あ る . J, Kを変化させるには,
こ の う ち (1) に つ い て は 簡 単 な モ デ ル や 制 御 理 論 で 説 明 で き る た め , そ の 低 減 方 法 に つ
いても古くから提唱されてきた
Ig)
しかし近年では CAOの 普 及 に 伴 い , 輪 郭 精 度 の 必
要な部品加工が多く,その形状も栂雑で加減速が頻繁に発生するものであるので,本研究
で は よ り 厳 密 な 意 味 で の 輪 郭 誤 差 の 低 減 を 目 的 と し て (1) の 定 常 状 態 で の 輪 郭 誤 差 に 加
え て (2) の 過 渡 応 答 時 の 輪 郭 誤 差 も 低 減 す る た め の 対 策 を 検 討 す る こ と と し た .
例えばボールねじの設計諸元を変えることが考えられる .たとえば,図中のベクトル①は
支 持 軸 受 け 間 距 離 を 伸 縮 さ せ た 場 合 で あ り , 短 く す れ ば K は 増 加 す る が Jは 減 少 す る 方 向
2.6. 2
定常状態の輪郭誤差の低減方法
に , 逆 に 長 く す る と K は減少し Jが 増 え る 方 向 に シ フ ト す る . ベ ク ト ル ② は ボ ー ル ね じ 径
を太くした場合であり,
J • K共 に 増 加 す る 方 向 と な る . 最 後 の ベ ク ト ル ③ は 支 持 ブ ラ ケ
ッ ト や ナ ッ ト の 剛 性 の 強 化 に よ り K の み が 増 加 す る 方 向 で あ る . あ る い は , これらのベク
位 置 ル ー プ に 基 づ く 追 従 誤 差 ep に,加減速に基づく追従誤差を加えた.is従誤差の全体量
etは 次 式 で 表 せ る .
et= {
トルを組合わせる方向も可能である.
1
6は, 現 在 の 設 計 の 目 標 達 成 度 を 知 り , 今 後 ど ち ら へ 進 め ば よ い か を 設 計 者 に 知 ら
図2
l+ 0/ (Vg.Kt) - Kf
+Ts} .F
Kp
同時多紬制御の場合,
(
2
2
1
)
NC装 置 は 送 り 方 向 の 傾 き の 比 率 で 送 り 速 度 F(mm/min)を 各 軸 に
せるという点で地図の機能をもっていることからチューエングマップと呼ぶことにする .
分配する.従って軸問での追従誤差の比を送り方向の傾きと 一致 さ せ る に は , 各 軸 の
また , ベ ク ト ル ①
③ は , 現 実 的 に 設 計 者 が と れ る 対 策 と そ の 感 度 を 表 し て お り , これ
I+D/ (Vg.Kt) -Kf
らを修正ベクトルと呼ぶことにする.チューニングマップは,例えばボールねじ径のよう
な最終的な設計変数でなく,いくつかの設計変数の組合わせで得られるメカニカノレパラメ
ー タ 〈 本 研 究 で は J :重たい/軽い,
K :岡f
い / 軟 ら か い ) を 用 い て 2次 元 で 評 価 関 数 を
視党化する.これは,設計者により多くの対策や制約をイメージさせ,効 果 的 な 対 策 を 直
Kp
+Ts
(
2
2
2
)
を等しくすればよいことになる.すなわち,定常状態の輪郭誤差を無くすには,各軸問で
Kp, Ts,
次に,
{
l+D/(Vg.Kt) - Kf}の 3つ の 値 を 等 し く す る こ と で あ る .
コーナーでのだれの低減方法を検討する. コーナーでのだれは直線補間運動時の
感的に理解させる効果をもっており,過剰品質のチェックによるコストダウンの手段とし
位 置 ル ー プ に 基 づ く 追 従 誤 差 epのために発生する.
ても利用できる.
ングの際に述べたように,
こ の 各 軸 の 追 従 誤 差 は l軸 チ ュ ー ニ
フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfを 適 切 に 設 定 す る こ と で 低 減 で
きるので,各軸単位で追従誤差を低減しておけば結果的にコーナーでのだれは低減できる
→
2.6 多 軸 サ ー ボ の チ ュ ー ニ ン グ
ことになる.すなわち直線補問時の追従誤差をゼロにするためには,式 (
2 1)よりフィー
-2
4-
-2
5
辱
X(s) GX(s).p'cose
S2
(2-26)
Y(
s
) GY(
s
) ・ド・ sin8
s2
(2-27)
ドフォワードゲイン Kfを
,
Kf= 1十 D
(Vg.Kt)
(2-23)
輪 郭 形 状 誤 差 e (s)は図のように幾何学的に求まり,
と設定すればよいことがわかる.
e(
s
) X(
s
)・sinO- Y(s)・cos0
円弧楠関連動の定常状態の誤差としては半径減少がある.このうち加減速回路に基づく
ものは補間前加減速方式を採用することにより理論上ゼロにでき.また位置ループに基づ
と表すことができる. これに式 (
2
2
6
), (
2サ 7
)を代入すると,
e(s) F'sin8・cos0 ・ (GX(s) GY(s)) . s2
くものはフィードフォワード制御により大幅に改善できる.フィードフォワード制御を行
った場合,半径 r(m)の 円 弧 補 間 運 動 の 半 径 減 少 量 ム r(
m
)は 次 式 で 与 え ら れ る
ここで,
(
2
2
4
)
Kfの値は ep-0とするか s r= 0と す る か で 異 な る た め , 直 線 補 問 時 の
追従誤差と円弧 ~Ifi I
llJ時の半径減少を同時にゼロとすることはできない . しか し
, 一般に
F 'sinO ・c
o
sD ・ g (
t
)
g(
t
)は {GX(s)
(
2 30)
世
GY(S)} / s2を 逆 ラ プ ラ ス 変 換 し た も の で あ る .
定 数 を 大 き く す る こ と で 過 渡 応 答 時 の Fを 小 さ く す る 消 極 的 な 方 法 も あ る が , 本 研 究 で は
積 極 的 な チ ュ ー ニ ン グ の 立 場 か ら , 適 切 な サ ー ボ パ ラ メ ー タ を 選 定 す る こ と に よ り g(
t
)を
小 さ く す る }j法を検討する.
(
2
2
5
)
D<<Vg.Kt
であり,
国
式(
2-30)より Fおよび g (
t
)を 低 減 す れ ば 愉 邦 誤 差 を 低 減 で き る こ と が わ か る . 加 減 速 時
従って, 6 rか ゼ ロ と な る の は Kf 1の場合である.
以上のように,
(
22
9
)
となる.よって時間領域では,輪郭誤差は次式で表される.
20)
e(t)
ム r= F2・ (1 Kf2) / (2 ・r.Kp2
)
(
2
2
8
)
Kfを 式 (2-21)で求めた場合でも.半径減少量 6 rは 非 常 に 小 さ く 無 視 で き る 範 囲
g(
t
)を 低 減 す る に は , 各 紬 の 伝 達 関 数 の 差
(GX(s) GY(S)) を 最 小 と す れ ば よ い こ
にある . 例 え ば , 版 部 的 な 設 定 で あ る Kp=33(s 1
), D/ (Vg'Kt) =0.001の と き , 送
s
)や GY(
s
)には O投 ひ Fは 含 ま れ な い の で , サ ー ボ パ ラ メ ー タ
とは明白である . この GX(
卓皮 F= 5
.0(m/min), 半 径 r O
.Ol(m)の 条 件 で も ム r=6.0XI0・7 (
m
)である.
りi
を漸次変化させて最小となる組合せを求めることもできるか,組合せの数が膨大となるの
よって,
Kfを 1+ ひ / (Vg.Kt) 以 下 で で き る だ け 大 き く す る こ と に よ り , コ ー ナ ー
で こ こ で は GX(
s
)=
.GY(
s
) にI
操作することで e(
s
)の低減を凶る β 法を探る.
前節の検討により,定常払!~では各制御軸聞で Kp ,
でのだれと半径減少を同時に低減することができる.
Ts, {
[
)
(Vg.Kt) f
・1
Kf
}
t
)を Oに す る こ と か で き る こ と が 分 か っ た . す な わ ち 定 常 状
の 3つ を 等 し く す る こ と で g(
2.6. 3
過渡応符1
1
.
1の輪 郭 誤 去 の 低 減
態において輸!l
S誤 差 を 生 じ な い た め に は 符 軸 の 位 世 ア ン プ ゲ イ ン Kpが 等 し い こ と が 必 要 条
I
Y
被数軸を同期制御するときの過渡時の輪郭
~;去を解析する 2 けため,
指令軌蹄
件であるから,
,/
伝 達 関 数 GX(s), GY(s)は速度ループ以降の m
i
l
r
tル ー プ , お よ び 送 り 駆 動
機構について身麿すればよい.そこで凶 2
1
8の ブ ロ ノ ク 線 凶 の よ う に , 送 り 駆 動 系 の モ デ
まず最も巾純な X
ルから送り駆動機構を含む広義の速度ループを取り出し等価変換した制御ブロックを考え
Y平 面 に お け る 岡 崎 2軸の直線愉│由連動を考
る. ここで,
Gω(s)は電流→角速度聞の伝込│期数である.また,
える.図 2
-17の よ う に X軸 と 角 度 Oをなす直
線運動において,送り速度を
F, X軸 の 伝 達
1
e= X '
s
i
n
8-Y '
c
o
s6
関数(指令から被駆動部の運動までの問)を
GX(s), Y軸の伝述│刻数を GY(
s
)とすると,
1
..
X
各軸の被駆動体の位世 X(
s
)
.Y (
s
)は次式で
図2
1
7 過渡応答時の輪郭誤差 (XY平面〉
号えられる.
図ト 1
8 広義の速度ループのブロック線図
-2
6-
2
7-
Gm(
s
)は 送 り 駆 動 機 構 の
2.7 欠 陥 発 見 放 の 基 本 的 な 考 え )j
伝達関数で,次式で表される.
Gm(
s
)=
R.K
2
(M.s +C.s+K) .s
優れた送り駆動機情においては,モデルに基づいて煙論的に計算された値と,測定され
た値は,かなりよく 一 致 す る は ず で , 逆 に 一 致 し な い 場 合 に は 何 ら か の 欠 陥 が 存 在 す る こ
R.ω2
(s2+(C/M)・s+ω2) ・s
ただし, ω = (K/M) 1/2. 送 り 機 構 の 送 り 方 向 固 有 角 振 動 数 (rad/s)で
,
(
2
3
1)
Kv(
s
)以 外 は
送り駆動機構の違いにより各軸で異なっているのが普通である.
1
8よりわかるように,速度ループ内のサーボノ守ラメータの操作のみでは Gω (s)
さて図 2
の 補 正 が 限 界 で , 送 り 駆 動 機 構 Gm(
s
)の 差 異 ま で は 補 正 で き な い の は 明 か で あ る.よって,
各軸の全伝達関数を揃えるには,まずサーボ調整の前段階である機械の設計段階において,
とであり,
この欠陥を見つけて改善する必要がある.欠陥発見法は図 2
1
9に 示 す よ う に 主
に 4つ の ス テ ッ プ か ら な る . す な わ ち 静 特 性 に 対 す る 設 計 上 の 問 題 点 , 静 特 性 に 対 す る 製
造上の問題点,動特性に対する設計上の問題点および勤特性に対する製造上の問題点をJr闘
を追って同定する.設計上の問題点は,静・動特性の目掠値と設計値を比較し,
設計値が
I値
目 標 値 に 達 し て い る か ど う か に よ っ て 判 定 す る . 製作上の問題点は,静・勤特性の実視J
と設計値を比較し,実測値が設計値に達しているかどうかによって判定する.
Gm(
s
)を 各 軸 で 等 し く し て お か な け れ ば な ら な い . た だ し 現 実 的 に は 完 全 に 一 致 さ せ る こ
静剛性と固有振動数は,工作機械の加工精度,加工能率を決定する最も基本的な因子で
と は 不 可 能 で あ る か ら , で き る だ け 各 軸 の Gm(
s
)が 近 い 値 と な る よ う な 設 計 と し な け れ ば
ある.特に固有振動数は,サーボ系の性能を決める重要なパラメータである位置アンプゲ
ならない.具体的には,式 (
2
3
1
)に含まれる各係数 (R, ω, C) を 各 軸 で 同 じ 値 と し て
イン Kpに大きな影響を与える. 従 っ て , そ れ ら の 設 計 目 標 値 は , 要 求 さ れ る 工 作 機 械 の
おくことが必要となる.
加工精度,加工能率による送りサーボ系の性能(応答性,送り精度及び外 8
Lを抑える能力) ,
この内 R はリード p に 比 例 す る 係 数 で 各 軸 同 じ で あ る の が 一 般
的であり,仮に異なっていても比例項であるからサーボ制御系側で補正が可能な変数であ
運動精度に基づいて決められるべきである. しかし,このような目標値の決定は非常に困
る の で 敢 え て 揃 え る 必 要 も な い . そして粘性減衰比 C は 案 内 面 の 方 式 に よ っ て 大 略 値 が ほ
難なので,一般的には工作機械の用途に求められる切削送り述皮,
ぼ決定するので各軸聞の差は少なく,また積極的 l
こコントロールできる設計変数ではない.
s
)を 一 致 さ せ る と い う こ と は , 各 軸 の 固 有 角 振 動 数 ω を 揃 え る こ と に 帰 省rす
従って. Gm(
る.
その上で Gm(
s
)の 前 段 に あ る サ ー ボ 系 の 伝 達 関 数 Kv(
s
)・Ki(
s
)・Gω(s)の 値 を 調 整 す る .
こ の う ち 電 流 ル ー プ Ki(
s
)は 送 り 駆 動 機 構 伝 達 特 性 の 影 響 に よ り 軸 閣 で 異 な る も の の 速 度
2
) 従って K1v
(
s
)
ループに比べ帯域が広く,軸閉での違いも小さいので省略が可能である 2
.Gω(s)を各軸で等しくすることになる.
結局 , 輪 郭 誤 差 を 最 も 低 減 す る た め に は , 次 の (1) (2) の 順 に チ ュ ー ニ ン グ を 行 う
べきである.
(1) ま ず 各 軸 の 固 有 振 動 数 が 可 能 な 限 り 近 い 値 と な る よ う に す る . 具 体 的 に は ,サ ーボ
剛性値を確保しつつ機構特性値を増減させることのできるメカニカルパラメータチュ
ーニングを各軸について行うことにより,固有振動数を操作する.
(2)次に Kv(
s
)・Gω(s)が 軸 聞 で 等 し く な る よ う サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ユ ン グ を 行 う .
なお,以上では簡単な直線補聞について検討したが,円弧補間運動においても微小時間
内では直線連動で近似できるので,問機に扱えることは明かである.
ー
2
8-
1
9 送り駆動機構の欠陥発見法の概略流れ
図2
-2
9-
テーブル積載重量,各
軸のストロークなどの設計仕械,同時の機械に関する情報(従来機,産業動向)などを怠
照して定めている.また現在まで静・動特性の目標値に関しての実際的な研究はほとんど
行われていない.それゆえ,本研究での目標値は,従来と同織に経験によって得られた数
値を与えることとした.
・
・
2a)
重切削用
静剛性の設計備は,
ボールねじの寸法,軸受,支持方式などの詳細な設計データから計算し,各要素の送り方
向 の 剛 性 お よ び 送 り 駆 動 機 構 の 全 体 の 送 り 方 向 の 剛 性 Kを 知 る こ と が で き る . 静 剛 性 の 設
計値が目限値より低い場合.設計上の問題があることになり,
さらに,ボールねじの支持方
式,支持部の剛性およびボールねじ部の剛性をそれぞれチェックして,静剛性を低下させ
ている原因を判定する.例えば,支持部剛性が低いことがわかれば,続いて軸受のブラケ
γ
トの剛性, 取 り 付 け 部 の 剛 性 及 び プ ラ ケ ッ ト を 固 定 し た ボ ル ト の 剛 性 を チ ェ ッ ク す る .
こ の よ う に し て 投 計 上 の 問 題 箇 所 を 特 定 す る . 製 作 上 の 問 題 点 を 見 つ け る た め に は , 送り
駆動機惜の静剛性を測定する .測定された静剛性が設計値より低ければ,製作上の問題が
あ る こ と が わ か る . さ ら に , 軸 受 ブ ラ ケ ッ ト や ナ ッ ト ブ ラ ケ ッ ト の 剛 性 の チ ェ ッ ク , ポー
ルねじの予張力のチェックなどを行えば,剛性を低下させている詳細な原因を判定するこ
とができる.
の仕械, 構造などから経験に基づいて決定されることが多い.固有振動数の設計値は送り
駆 動 機 構 の 静 問)
1性 と 被 駆 動 体 の 質 置 か ら 計 算 で き る . 設 計 値 が 目 偲 値 よ り 低 い 場 合 に は 設
計上の問題があり,送り駆動機構の設計剛性値と被駆動体の質量を再検討する必要がある
ことになる.次に送り駆動機惜の固有振動数を測定し,測定値が設計値より低い場合には
製 作 上 の 問 題 が あ り , 測 定 点 を 増 加 し て 送 り 駆 動 機 構 の 影 響 を 調 べ た り , 結 合 部 を チ ニι ッ
クするなどにより問題点を発見することができる.
こうした欠陥発見手順は一定の流れ作業で行うことができる.そこでパターン化された
1
トータルチ
A
ーニング法の全体像をほ不し,その中の個々のステップ
に つ い て の 基 本 的 な 考 え 方 を 理 論 的 に 検 討 し た . ま ず N C T作 機 械 送 り 駆 動 系 の 送 り 駆 動
1軸 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 う 方 法 に つ い て 検 討 し た . ま た N Cサ ー ボ 部 の
特性に影響を与える送り駆動機慌のメカニカルパラメータをチューニングする新しい送り
駆動系の設計法を提案した.そして同時多軸制御での輪郭誤差を低減するための制約条件
より,多軸チューニング法に発展させた.さらに実機において期待通りの送り ~H生が出な
いときの欠陥箇所の特定手法も検討した.本章で得られた主な結果は次の通りである.
(1) 送 り 駆 動 機 構 を モ デ ル 化 し , そ れ の 近 似 モ デ ル と M
J波数特性を比較したところ,
1
次の固有振動数付近までほぼ同等であるので,送り駆動系の安定判別には近似モデル
で十分である.
(2) サ ー ボ の チ ュ ー ニ ン グ は サ ー ボ 問)
1性 H を 評 価 関 数 と し , 位 置 ル ー プ 及 び 述 度 ル ー プ
内 の パ ラ メ ー タ (Kp, Vg, Vi) について H が 肢 大 と な る よ う に 設 定 す る . さ ら に 追
従 誤 差 の 低 減 と 振 動 除 去 の た め に 加 減 速 時 定 数 Ts及 び フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kf
も設定する.
(3) フ ィ ー ド パ ッ ク ル ー プ の 安 定 性 に 影 響 を 与 え る 送 り 駆 動 機 構 の チ ュ ー ニ ン グ パ ラ メ
動 特 性 に つ い て も , 固 有 振 動 数 の 目 標 値 は , 要 求 さ れ る 加 工 能 率, 加 工 精 度 , 工 作 機 械
闘を , 送 り 駆 動 機 怖 の 組 立 段 階 で の チ
手l
本章においては,
機構の伝達特性をモデル化し,そのモデルを用いたサーボ応答のシミュレーションにより
静 剛 性 の 目 保 備 は , 軽 切 削 用 N C工 作 機 械 に お い て は 3-4x10 (N/m)程度,
0 (N/m)程 度 と 設 定 す る の が 適 当 で あ る と 考 え ら れ る
では 4-5x 1
2.8 結 論
A
ー ニ ン グ と し て ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ の l ステ
ー タ は , 被 駆 動 体 質 母 M,
m動 面 の 粘 性 減 衰 係 数 C, [弓位体のイナーシャ J, ポ ー ル
ね じ 送 り 方 向 方 向 の 剛 性 Kで あ り , こ れ ら の チ ュ ー ニ ン グ の ツ ー ル と し て チ ュ ー ニ ン
グマップ法を開発した.
(4)定常状態での輪郭誤差を低減させるため,
Kf, Tsを
各軸間で一致させる必要がある.
(5) 過 渡 応 答 時 の 輪 郭 誤 差 を 低 減 す る に は , 速 度 フ ィ ー ト パ ノ ク ル ー プ 内 の 伝 達 特 性 :
Kv(
s
)・Gω (
s
)を 全 軸 で 等 し く し な け れ ば な ら な い .
(6) 実 機 の 送 り 特 性 が 期 待 通 り に 先 陣 で き な い 時 に は , 送 り 駆 動 機 惜 の 静 剛 性 お よ び 固
有振動数を測定し,それを理論的な計算{直と比較すれば欠陥箇所を特定できる.
プに組込むこととする.
-3
0-
Kp, 1+D/ (Vg.Kt)
3
1-
ニ ン グ 法 に つ い て 検 討 す る . 第 2章 で
¥E
帥
第3
章
サーボ特性とサーボ巧メータチューニング
述べたように,サーボパラメータチュ
ーニングには設計段階で行うチューニ
回
摺
足 -50
3.1 結 論
。
ングと,実機が存在する場合のチュー
ニングの必要性を恕論的に論じたが,本章ではサーボ特性の安定性の観点からサーボ特性
メータとして設計値か実測値を用いる
レーションを用いて検討し,具体的なチューニングアルゴリズムにつ
か が 異 な る の み で あ る の で . ここでは
をより詳細にシミ
A
から得られる経験的な{直を用いざるを
7)にもかかわらず,一般的な工作機械メーカー
えない.製造後の実機における特性は
ても多くの方法が従案されている
25) ,25).2
で は N Cメ ー カ ー か 決 定 し た 推 奨 値 を そ の ま ま 設 定 し , 振 動 や 異 常 音 な ど サ ー ボ の 不 安 定
内ノ﹄
が 向 上 す る こ と は こ れ ま で の 研 究 に よ り 既 に 知 ら れ て い る Z川 . ま た そ の 自 動 決 定 法 に つ い
2
.
0
1
.
0
時間
FD
機構の特性値としては設計値や同種機
hM
さて,各ループ内の比例ゲインを高めること,すなわちハイゲイン化により,運動精度
〈b) Kp=l 5 3 s-'
n
u
なお,設計段階でサーボパラメータ
チューニングを行う際には,送り駆動
ここではマイナーループの特性について検討する.
nHM
で行うので,
実機が存在する場合を考える.
﹀∞
"
j
2
.
0
s
。
FD
含まれるマイナーループの特性と,送り駆動機構の特性があげられるが,後者の検討,~t 次
問削異
M
いて検討する.なお各ループの安定性を左右する要因として,フィードパックループ内に
1
.
0
時間
帥
ニングがあるが,送り駆動機惜のパラ
¥
ε
第 2r;tではトータルチューニングの中の lつ の ス テ ッ プ と し て の サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ
。
(a)Kp=33s.
'
s
(c) Kp= 1 5 3 s-'
1
0
0
設計値と異なることは言うまでもない.
周波数
さを示す現象が発生した時にはじめて該当するサーボパラメータを調整しているのが現状
しかし,第 6~ で提案する手法を使え
である. こ れ は . 送 り 駆 動 機 構 の 伝 述 特 性 の 把 慢 が 不 十 分 で , サ ー ボ 系 が ハ ン チ ン グ す る
ば実機での特性値を設計値に近づける
危険性があるため,かなり安全サイドにゲインを設定していることによる.このようにチ
ことができるので,本章では設計通り
ューニングの難しさは,マイナーループのサーボパラメータが外側のループの安定性に影
に製造できるとし,製造の際に生じる誤差は無視することとする.
Hz
200
図3
1 ハンチング現象
留をうえるため,各サーボパラメータについてのフィードパックループの安定性を確認し
本 章 の 概 要 は 以 下 の 通 り で あ る . ま ず 3, 2節 で は . ど の よ う な 条 件 下 で ハ ン チ ン グ が 生
な け れ ば な ら な い 点 に あ る . さ ら に . P 1補 償 な ど の よ う に 1つ の ル ー プ 内 に 複 数 の パ ラ
じるのか,その発生機構を解明し,速度ループおよび位置ループのサーボ特性を把揮して
メータが存在する場合には,各バラメータ聞に密度な関係が存在するためにより複雑とな
そ の 相 互 影 響 に つ い て 調 べ る . 3.3節 で は そ の 結 果 に 基 づ い て . 1軸 お よ び 多 軸 の サ ー ボ
る.従って.サーボパラメータチューニングを検討するには,各パラメータ閣の関係を十
パラメータチューニングのアルゴリズムを開発する.
分正舵に把握することが重要である.
リズムに従って現有するマシュングセンタに対してチューニングを試み.
そこで本章では,まずフィードパ
γ
クループの安定性からまず各パラメータの関係を求
め る こ と か ら 始 め る . な お , 一 般 に N C工 作 機 械 送 り 駆 動 系 で は . 3重 の フ ィ ー ド パ ッ ク
.4 節 で は 開 発 し た ア ル ゴ
続いて 3
f
!
}ら れ た パ ラ メ
ータ値を設定した実機のサーボ剛性についていろいろな方法で測定し,チューニングの効
果 を 確 か め る . 3, 5節は以上をまとめた本fJ.の結論である.
ループを用いた制御情造(カスケード構造)が用いられているが,最も内側にあってルー
プ 内 の 制 御 対 象 が サ ー ボ モ ー タ の み で あ る 電 流 ル ー プ に つ い て は , 既 に N Cメ ー カ ー に お
3.2 サ ー ボ パ ラ メ ー タ と 安 定 性 の 解 析
いてチューニングが完了し,モータに応じた推奨設定値が決定されているので,チューニ
3.2.1
ングは位置及び速度ループのパラメータ
次にこうした関係をベースとしてサーボパラメータチューニングのアルゴリズムを構築
するが,
ハンチング現象とサーボ系の安定限界条件
(
K
p
.V
g
.V
i
. K,
f T
s) を 対 象 と す る .
こ れ は ス テ ッ プ を 踏 ん で 与 え , ま ず 1紬 の み を 考 え た サ ー ボ パ ラ メ ー タ の チ
3
2-
A
ー
ハ イ ゲ イ ン 化 を 進 め て い く と , 図3
ー1
のようなハンチングと呼ばれる被駆動体の振動を伴
うサーボ系の不安定現象が生じる.このハンチングは被駆動体の運動を乱し,加工面の形
-3
3-
なる.すなわち,
~
γ
ωv
s2+2.
tωv+ωv2
式(
3
1
)の よ う に 広 設 の
2
速 度 ル ー プ を 2次 系 で 表 現 し た と き の 速 度
~ 5~(
フィードパックループの 匝有角娠動数と同
寸
じである.確認のため,後述の機械 Aの Y
図3
2 広義の速度ループを 2次系で近似した
位置ループのブロック線図
;-50i V 9 4 1 5 A S / r a d ¥
、 -100'-..
t
,
..
11111
軸(クローズドループ制御)の条件で速度
I
llJ..
. 1 1 111
ー
一一
一
0..----フィード パ ッ ク ル ー プ の 閉 ル ー プ 周 波 数 応
l
ト'"
00
I
サ
答をシミュレーションしてみると.図3
22-初O~
"""!
るので,ゲイン設定はその幾分手前とする必要がある.そこで,位置フィードパックルー
のようになる. 2次 系 の ボ ー ド 線 図 に お い
坦 3
プがハンチング状態に陥ることなく,安定性を保つ条件について検討する .
0
(
') 遅 れ る 周 波 数 が 固 有 角
ては,位相;が 9
'c -
状精度を劣化させるばかりでなく,最悪の場合には送り駆動機情に重大なダメージを与え
寸 中 で 破 線 で 囲 っ た 部 分 の 伝 達 特 性 を 次 式 の よ う に 2次 系 で 近 似 す
単純化のため,図2
∞
1
・ ..
1
…
II
周波数
0
(
H
z
)である .
振動数を表すので,この場合3
、
1
0
0
Hz
・ ・・
・
・
・
川
1
0
1
∞
1o
図3
3 速度フィードパックループの
閉ループ周波数応答〈機械 Aの Y軸〉
る.この部分は , 速度閉ループと送り駆動機構を併せたものであり,以後広義の速度ルー
これは図 3
1 で示す実機でのハンチング周
プと呼ぶこととする.出力端が異なるため,クローズドループ制御とセミクローズドルー
波数と一致し,ハンチングは速度フィードパックループの共振現象であることが舵かめら
プ制御では広義の速度ループが異なるが,ここではクローズドループ制御について考える.
れた.
Gv(s)
また位自フィードパックループの閉ループ周波数応答をシミュレーションにより求めた.
)
V2
色
(
3づ)
5'+2(.ωV.5+ωv'
ここで, ωv:広義 の 速度ループの固有角娠動数,
( :広義の速度ループの減衰比とする.
3
1) の 近 似 に よ り 位 置 ル ー プ は 図 3・2の よ う に 簡 略 化 で き
式(
このとき位置ループの特
図3
・4
に 示 す よ う に , 位 相 曲 線 が180(') を示す周波数におけるゲイン余裕は,
Kpの ぬ 準
設 定 値 33(sl
)のと き 1
4
(
d
B
), 順 次 Kpを 増 加 し て 求 め た 安 定 限 界 値 168(s ')のとき 0
(
d
B
)で , ゲ イ ン 余 裕 が 無 く な っ た た め 制 御 が 不 安 定 と な っ た こ と が わ か る .
性方程式は次式のようになる.
また,位置フィ ー ド パ ッ ク ル ープ の 閉 ル ー プ 応 答 に つ い て も シ ミ ュ レ ー シ ョ ン し て み る
・
s + 2 (・ωv.S 2+ω v2S +ωv'.Kp= O
(
32
)
と,図 3・5に 示 す よ う に Kp-3
3(s ')のときにはハンチング周波数 30(Hz)に ピ ー ク は 存 在
Routh-Hurwitzの 安 定 判 別 法 か ら , 位 置 フ ィ ー ド パ ッ ク ル ー プ が 安 定 性 を 保 つ 位 置 ア ン プ ゲ
しないが,
イン Kpの 範 囲 は 次 式 で 表 せ る .
ハンチング周波数より低い領域においては小さくなり,高いところでは大きく遅れる.さ
Kp<2 (.ωv
(3-3
)
∞ 50
ノ
一
5
0
r
一一一一
一=
て3
可3
、
、
ぺ
k
ループの帯域を仏くとる必要がある.
∞
nU
ど Kpは 大 き く で き る こ と が わ か る . す な わ ち , ハ イ ゲ イ ン 化 す る に は 速 度 フ ィ ー ド パ ッ ク
ら に 安 定 限 界 値 を 越 え る Kp=1
6
9
(
s ')のとき,ハンチング周波数において位十日か反転し,
一
こ れ よ り , 速 度 フ ィ ー ド パ ッ ク ル ー プ の 伝 達 関 数 Gv(
5
)の 固 有 角 振 動 数 ωvが 大 き く な る ほ
Kp=1
0
0, 168(s・ 1)と高めていくに従ってピークが鋭くなる . 位 相 の 遅 れ は ,
ミ
ー 50
次にハンチング状態について調べる.位置フィードパックループの安定限界値は,
Kp 2(.ωv
.
. 0
Kp=33.168s'
唱
で あ り , ハ ン チ ン グ は Kpが 安 定 限 界 値 に 述 し た と き 発 生 す る か ら , 式 (
3
4
)を 式 (
3
2
)の位
s一土
j .ωv
式(
3
5
)は 臨 舛 減 点 掘 動 を 表 し て お り , こ の 振 動 の 周 期 で あ る ハ ン チ ン グ 周 波 数 は ωvと
-3
4-
1
0
0
o
嬰ー初
g
5 について解くと次式のようになる.
(
3-5)
7二
ド
司、
1
6
9s'
Kp=33s ,
:
ト
ー1
0
0
(
3
4
)
置フィードパックループの特性方程式に代入し,
。
1
0
周波数
3
0
0
1
0
0
1
0
周波数
Hz
Hz
∞
1
0
図3
5 位置フィードパックループの
閉ループ周波数応答(機械 Aの Y軸〉
図ト4 位置フィードパックループの
閉ループ周波数応答〈機械 Aの Y軸〉
ー
∞
1
3
5-
深
々
日
凶
20
℃
10 ~
=1
5
0
V1
=
1
3
6
4
ミ0[ 川
晶
a
自
・
量・
ー
.
0>
¥
ユ
/
Vg=
1
5
0.Vi
=
1
36
4
,
/
'
"
1
0
周波数
1
0
0
Hz
1
0
0
0
Vi
=2
0
0
1
0
Vi=1
4
0
0
思50
割
ー
│
∞
Vi
1
0
周波数
図3
7 Vg, Viの実現可能な領域の模式図
図3
6 簡略化した速度閉ループの周波数応答
~
n
u
>
回世司
2
00
トー 1
0
J
Vi
=6
8
2
入
。
印∞
s
1""'>.&
moq 思 掴
Q)
、
喝
EE
ー
l ' 1111
Vg=
15
0
.Vi
=6
82
Vg=3
00
.Vi
=6
8
2
口
、
ー1
5
0
I
Vi=14
0
0
、
y
、
「
I
1
て3
入
。
、
、
n
u
∞
品
ミ旧
510
下ミ
V1
=
6
8
2
ト ー1
0
a
Vg:300.Vi=
f
"
"
:
.
.
.
.
.
.'
,¥
1
0
0
1
0
周波数
Hz
(a)セミクローズド制御の場合
1
0
0
Hz
(b)クロ ーズド制御の 1
1合
が変化したときの広義の速度ループ周波数応答
図3
8 Vi
系の応答が不安定になっていることがわかる . このことはセミクローズドループにおいて
も同織に確認された.
3.2.3 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ が 位 置 ル ー プ の 安 定 性 に 与 え る 影 響
3.2.2 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ 聞 の 関 係
速度ループは位置ループの内側にあるため,速度ループの特性が位置ループの安定性に
図 3-2の 送 り 駆 動 系 全 体 の 構 造 に 示 す よ う に . チ ュ ー ニ ン グ 対 象 の 制 御 ル ー プ の う ち 最 も
内 側 の 速 度 ル ー プ に お け る サ ー ボ パ ラ メ ー タ に は , 比 例 ゲ イ ン Vgと積分ゲイン Viがある.
パラメータ と しては任意の怖が設定可能であるが,
V'
I
.
と Viは 相 互 に 影 響 し 合 う の で , 速
度 ル ー プ 内 の 制 御 を 安 定 に 保 つ た め に は , こ の 2つ の パ ラ メ ー タ 聞 に は 実 現 可 能 な 範 阻 が
にどのような影響を与えるかを調べること
シ ョ ン に よ り 速 度 ル ー プ の パ ラ メ ー タ が ωv, r
とする.
Vgが 大 き す ぎ る と ゲ
イン余裕, 位 相 余 裕 と も に 小 さ く な っ て 制 御 が 不 安 定 と な り , ま た 小 さ す ぎ て も 交 差 周 波
Viを変化させ
r
ている. 2次 系 の 場 合 , 位 相 が 9
0 )を切
る周波数が ω Vを表す.
クロ ーズド制御の渇合
またその周波数付
∞
5
∞
1
0
Vi
1
5
0
0
∞
o
2
近での位相曲線の傾きとゲイン曲線の盛り
数が低下して位相遅れの範囲に入るので,位相余裕の減少で不安定となる.
逆に Vgを一 定 と し て Viを 大 き く す る と , 位 相 が 遅 れ 始 め る 周 波 数 は 高 く な る 反 面, 位
相の遅れも大きくなるので位相交差周波数が低くなり,結果としてゲイン余裕が低くなる .
さらに Viを大きくすると,位相遅れが激しくなり位相余裕が小さくなるので,
値 1
5
0
(
A
'
s!
ra
d
)に固定し,
3
0
0・
一一一一一一一一一一
n
u
Viを一定 と し て Vgを変化させた場合,
Vgを標準設定
∞o
・6
に示すような速度開ループ周波数応答を計算した.
り駆動機構を単なる回転体とし,図3
度閉ループ周波数応答で,
制
その実現可能領域を検討するに当たって,簡略化のため電流ループの伝達関数をし送
値 以上 にできない. 従 って
,
Cが大きいほど位置フィードパックループの安定余硲は大きくなる.そこで, シミュレー
図 3-8は機械 A の X軸 に お け る 広 義 の 速
存在するものと推測される.
この周波数応答において,
3-5
)から,広義の速度ループを 2次系と見なした場合, ωv及 び
大きく影響を与える.式 (
Viは一 定
Viの 上 限 値 は 速 度 ル ー プ の 位 相 余 裕 に よ っ て 決 ま る と い え
上 が り が Cを表し,傾きや盛り 上 がり が急
Q.
~
なほど
Cは 小 さ い . 図 を 見 る と , ク ロ ー ズ
∞ セミクローズド制御の場合
2
。
。
ド ル ー プ 制 御 , セ ミ ク ロ ー ズ ド ル ー プ制御
に関わらず,
4
0
0
500
o
│∞
1
5
0
0
お0
0
Vi
Viが大きくなるにつれ, 位
0
(
')を切る 周 波数が小さくな り,位
相がー 9
る.
以上 か ら , 安 定 条 件 を 満 た す Vg, Viの 領 域 を 模 式 的 に 示 す と 図 3-7の織になる.
-3
6-
相 曲 線 の 傾 き 及 び ゲ イ ン 曲 線 の 盛 り上がり
図3
-9 Vi
が変化したときの Kpの安定限界値
3
7-
∞
℃
入
傾向は,
∞
1
0
1
0
。
コ
可
。
入
、
ヤ
トー 1
0
。
、
γ
Vg=10
0A
'
s
/
r
a
d
Vg=150 A
'
s
/
r
a
d
J
3
Viの 値 や 他 の 送
り 駆 動 機 構 で も 同 線 の 傾 向 で あ り , 一 般 的 で あ る と 言 える.
:トー 1
0
。
・
、
に
¥
‘
・
、
0>
Kpの 安 定 限 界 値 が 減 少 に 転 じ る 際 の Vg値がそれそれ異なるが,
3.2.4
山
:
、
下
、
,
.
電
0
・
c
-
第 2章 で 検 討 し た よ う に 位 置 ル ー プ に 基 づ く 追 従 誤 差 低 減 の た め に は
Vg=100 A
卑 50 V9=1
5
0 A'
s
/r
a
d.
/'
)
小
心
、
Vg=200 A's/rad/ "
"
,
'
¥
¥
1
0
0
1
0
Hz
周波数
5
0 Vg=100 A's/rad/ ~守、
ゆ+
Vg=150 A's/rad'/ ~"",'、
坦
Y
?で(oypL-s/ra4( ー
で
¥
パ
ゴ
ぷ
ー1
0
0
1
0
1
周波数
Hz
I
I
I
I
ー ド 制 御 を 行 う の が 有 効 で あ る . 一般に,
s
∞
∞
1
と振動が激しくなるので,
フィードフォワ
フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfを 大 き く し て い く
そ れ に 応 じ て 加 減 速 時 定 数 を 大 き く す る 必 要 が あ る . ここで,
加減速時定数を大きくすると立上がり時間が
(b) クローズド制御の場合
(a)セミクローズド制御の場合
フィードフォワードゲインと加減速時定数の影響
長くなり能率が低下する懸念があるので, 種
u
.
々 の フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfとそのゲイ
図3
1
0 Vgが変化したときの広義の速度ループ周波数応答
ンに対して振動が起きない最小の加減速時定
は念、になってくる. すなわち,
Viが 大 き く な る ほ ど ωv及 び Cは小さくなり, 式 (3-3)か ら
ここで Vgを 150(A's/rad)に固定し,
分かるように位置ループの安定余裕は小さくなる.
数の組合わせについての立上がり時間をシミ
ュレーションにより確認した. 立上がり時間
実際の速度変化
の 目 安 と し て A/ F (Aは 図 3-12に 示 す 斜 線
Viと Kpの 安 定 限 界 値 と の 閣 の 関 係 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 求 め て み る と 図 3-9の よ う に
部の面積,
なり,
Viが 大 き く な る ほ ど Kpの 安 定 限 界 値 が 小 さ く な る こ と が 分 か っ た .
Fは 送 り 速 度 ) を求めたところ,
時
ms
)以 下 で ほ と ん ど 変 化 が な い こ と
変 化 霊 は 1(
次 に 今 度 は Viの 方 を 標 準 設 定 値 682に固定し,
Vgを 変 化 さ せ た 場 合 に つ い て 求 め た 広 義
が 分 か っ た . すなわち,
の 速 度 閉 ル ー プ 周 波 数 応 答 を 図 3-10に示す. 同図より,
ーズドループ制御ともに,
と同時に,
クローズドループ制御,
フィードフォワード
間
図3
1
2 速度の追従遅れ
セミクロ
度を切る周波数が高くなる
Vgが大きくなるにつれ, 位 相 が 寸 0
位相曲線の傾き及びゲイン曲線の盛り上がりが急になってくるのがわかる. す
ゲ イ ン Kfを 高 め る こ と で 位 置 ル ー プ で の 立 上
がり時間が短縮されるため, 総 合 的 な 立 上 が り 時 間 は ほ と ん ど 変 化 し な い . ま た 加 減 速 に
よる追従誤差については, 補間前加減速を用いることにより無視できるので, 能 率 お よ び
ωvが高くなるが,
どは小さくなる.
まx)
m
なわち,
式(ト4)から分かるように位置ループの安定
一 方 , 加 減 速 時 定 数 Tsは
, サーボモータの発生トルクには上限があり被駆動体には実現
間
性 は ωv'(に比例するから,
精 度 の 両 面 よ り . フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfは で き る だ け 大 き く す る 方 が よ い と 言 える.
Vgを 次 第 に 大
。
。
可 能 な 最 大 加 速 度 が 存 在 す る た め , 最 大 加 速 度 の 制 限 を 受 け る . すなわち,
クローズド制御の場合
きくした場合の位置ループ安定性は,
上昇率と
ωvの
Cの 減 少 率 の 比 率 に よ っ て 左 右 さ れ
1
0
0
Vg
∞
2
300
サーボモータ
の最大トルクとサーボモータにかかる負荷から設定可能な最大の加減速時定数が決定され
る. 最 大 の 送 り 速 度 を Fmaxとすると, 直線加減速, 指 数 加 減 速 の い ず れ に お い て も 指 令
6
0
0
る. こ の 傾 向 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り み て
値 682に固定のとき,
の最大加速度は次式で表される.
34
∞
みると, 図 3-11に 示 す よ う に Viを 標 準 設 定
∞
2
Vgが 小 さ い 範 囲 で は
0
0
Vgと Kpの 安 定 限 界 値 は 比 例 関係にあるが,
∞
2
0
0
1
あるいは,
ー
Vg
図3
1
1 Vgが変化したときの Kpの安定限界値
3
8-
再
サ ー ボ モ ー タ の 最 大 ト ル ク を Tmax. モ ー タ の 負 荷 イ ナ ー シ ャ を Jaとすると,
主
)
(
)
しかし Vgが あ る 程 度 大 き く な る と 逆 に Vgの
増 加 で Kp安 定 限 界 値 は 減 少 し て い る . この
(
36
)
最 大 加 速 度 = Fmax/Ts
セミクローズド制御の場合
実現可能な最大加速度は次式で表せる.
最 大 加 速 度 = R.
Tmax/Ja
(3-7)
-3
9-
よって,式(ト 6
), (
3
7
)よ り 実 現 可 能 な 最 小 加 減 速 時 定 数 Tsは
(1) で 求 め た 領 域 内 に あ る
(
3
8
)
Ts= R .Fmax・Ja/ Tmax
と表すことができる .
Vg, Viについて,
r
ゲ イ ン 余 裕 が 10(dB)以 上 , 位 相 余
裕 が 40(')以上」という制約を満たす最大の位置アンプゲイン Kpを求める.
いほどチューニングの評価関数であるサーボ剛性 M は高くなるが
3
8
)から得られる Tsを比較し , 大 き い 方 を 加
振動が生じない最小の加減速時定数と式 (
Kpが大き
位置ループの安定性
,
が 低 下 す る た め , 制 約 を 満 た す 最 大 値 を Kpの 設 定 値 と す る . 従 っ て Kpは
Vg, V
jが
決まれば自動的に決まる関数であり, Hも V
g, Viの関数と 言 える.
減速時定数とする.
位 置 ル ー プ の ゲ イ ン 余 裕 も 被 駆 動 部 質 量 M の増大によって減少するので,
3 . 3 1軸 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の ア ル ゴ リ ズ ム
チ ュ ー ニ ン グ の 評 価 関 数 で あ る サ ー ボ 剛 性 H を大きくするには,
ここでも被
駆動部質量として最大積載質量を加えたものを用いる.
Kp, Vg, Viの 値 を
(3) 評 価 関 数 に よ り , 最 適 な パ ラ メ ー タ の 組 合 せ を 選 択 す る .
速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ の 実 現 可 能 領 域 内 で の 評 価 関 数 で あ る サ ー ボ 剛 性 Hの値の内,
大きくすれば良いが,前節で述べたように各フィ ードパックループが安定でなければなら
i及 び Kpの組合わせを選択する . V
iが増大すると Kpの上限値は小さく
最大の Vg, V
ない . さらに出力が実際の運動となって現われる最も外側のループである位置ループは,
な り , ま た Vgに対して Kpはピーク値を持つので,
安定であるだけでなく振動のない応答をする必要がある.一般に追値制御において,安定
で し か も 振 動 の 少 な い 応 答 を 得 る に は , 経 験 的 に ゲ イ ン 余 絡 は 10(dB)以 上 , 位 相 余 裕 は 40
(
')上必要であるとされている
2•
Hが ど こ で 最 大 値 と な る か は , 実
際 に 値 を 求 め て み な い と わ か ら な い . ただ V
gが 小 さ い 範 囲 で は Vgと Kp上 限 は 比 例 す
る の で , 最 適 値 は 比 較 的 Vgの大きい範 囲に存在すると予想される.
)また速度ループに関しては直接的に応答が出力となっ
(4) フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kf,加減速時定数 Tsを設定する.
て現われないので位置ループに比べ安定度は低くてよいが,モデル化誤差や同定誤差があ
加減速方式により設定法が異なる.まず指数関数加減速の場合,追従誤差をゼロにで
る可能性があって安定限界近くでは問題が生じる可能性がある.そこで速度ループに関し
きるため,
て は , 位 置 ル ー プ に 比 較 し て 若 干 制 約 を 緩 和 し , ゲ イ ン 余 裕 は 5(dB)以上,
Kf= 1+D/(Vg'Kt) より Kfを 設 定 す る . そ し て Tsを Oか ら 徐 々 に 増
位 相 余 裕 は 40
加して行きながら送り駆動系のステップ応答を求め,速度のオーパーシュートが起きな
(')以上とする.以下にチューニングの手順を示す.
い最小の Tsを求める.
また直線加減速の場合,直線加減速により速度のオーパーシュ
(1) マ イ ナ ー ル ー プ で あ る 速 度 ル ー プ の パ ラ メ ー タ 実 現 可 能 領 域 を 調 べ る .
速 度 ル ー プ に お け る 安 定 条 件 か ら , 実 現 可 能 な Vg, V
iの 領 域 が 決 定 さ れ る . ここで
ー ト が 除 去 で き る 範 囲 内 で 最 大 の Kf, 速 度 の オ ー パ ー シ ュ ー ト が 起 き な い 最 小 の Tsを
設定する.
い ず れ の 加 減 速 の 場 合 も , 得 ら れ た 加 減 速 時 定 数 と 式 (3-8)よ り 求 め ら れ る
用 い る 被 駆 動 部 質 量 M は , テ ー ブ ル 上 に ワ ー ク が 積 載 さ れ る こ と を 前 提 に , 最 大 積 載質
最小加減速時定数を比較し,値の大きい方を用いる.
量を加えた{直とする.速度ループのゲイン余裕は,被駆動部質量 M の 増 加 に よ っ て 減 少
するので,安全サイドに立って速度ループパラメータの実現可能領域を調べる .
3.4
ケーススタディ
なお,速度開ループ周波数応答の位相曲線において,送り駆動機構の共振や反共振の
影 響 に よ る 盛 り 上 が り に よ っ て , そ の 分 だ け 位 相 余 裕 が 増 加 す る こ と が あ る . しかし ,
この周波数の範囲は狭く,積載質量の有無で周波数が変化することや,
N Cサーボ部,
3.4.1 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 実施
チ ュ ー ニ ン グ の 対 象 と し た の は 立 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ 機 械 A (表 3・1
) の X, Y, Z軸
送り駆動機構部の特性値の同定誤差を考えると,確実に位相余絡が確保されているとは
・2
である. 後述する D A C法 で 実 測 し て 得 ら れ た 送 り 駆 動 機 構 の パ ラ メ ー タ 同 定 値 を 表 3
言いがたいので,
このような位相の盛上がり部は除去して考えることにする.すなわち
送 り 方 向 剛 性 Kを 敢 え て 大 き く 設 定 し て , ゲ イ ン 交 差 周 波 数 が 位 相 の 盛 上 が り 部 と 十 分
離して共振の影響を除去する.
に示す (X, Y軸 の 被 駆 動 部 質 量 に は 最 大 積 載 質 量 300(kg)を含む) .また.用いられてい
る N C装 置 は 前 述 の N C装 置 A (表 2
1
) ,サーボモータはそータ A (表 3ーのである.
ま ず 最 初 に , 各 軸 に つ い て 1軸 の チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . 速 度 ル ー プ の パ ラ メ ー タ に つ い
(2) 位 置 ア ン プ ゲ イ ン Kpを設定する .
て Vgを 5(A's!rad)刻み. V
iを 100(ー)刻みに変化させ,
ー
40 -
-4
1-
r
速 度 ル ー プ の ゲ イ ン 余 裕 が 5(dB)
表 ト 1 機織 A (立形マシニングセンタ〉の主な仕機
×軸
Y軸
Z軸
ポールねじ径
(
m
m
)
36
36
36
ポールねじ谷径
(
m
m
)
32. 3
32. 3
32. 3
ポールねじりード
(
m
m
)
8
8
6
877. 5
690. 5
703
560
4 10
4 10
ポールねじ支持軸受間距離 {
m
m
}
(
m
m
)
ストローク
(
Kg
)
被駆動体質量
235
425
500
案内形式
(
m
/
mi
n
)
切削送り速度
(
m
m
/
m
i
n
)
×
査
.
,
.
終
12
0
〉
、
字
0
0
16(X.Y)/12(Z)
∞
5
旧∞
1"'5000
制御方式
クローズドループ方式
位置検出器
光学式リニアスケール
1
5
0
0
Vi
α
2刃
。
。 s∞
∞
25
I
)
j 恒n-
aD
l
∞ 20∞
1
5
VI
2&x)
8
0
(b) Y軸
ε
(b) Y軸
¥
z 60
O. 000 1
(
m
m
)
i
主軸回転速度
F60
:
t
l40
すべり案内
位置決め速度
(a) X軸
¥
シングルアンカ方式
ボールねじ支持方式
最小設定単位
ε
(a) X軸
Z﹄¥?︿
自
項
8
0
250
130"'6000
×
4
0
:
t
l
1
0
0
.
表3
2 機械 A. X. Y
. Z軸の送り駆動機構パラメータ同定値
卜¥
送り方向剛性 被駆動部質量
(
k
g
)
x1
0
'(
N
/
m
)
1
.5
1
Y軸
O
.8
9
1
.7
2
Z軸
回転体イナーシャ
(
N
.m
'SZ
)
5
9
1
1
3
3
1
.0
4
0
.
0
0
5
1
1
.5
5
4
8
5
1
.8
6
0
.
0
0
4
8
0
.
0
0
4
4
1 20
50
。
。
500
字
、
1
0
0
0
∞ 2000
1
5
Vi
250
1
.0
2
.0
3
.5
2
0
0
0
1
.0
4
8
1
3
.4
最高回転数
(
mi
n
-
2
0
0
0
2
0
0
0
トルク定数
最大トルク
(
N
'
m
/
A
)
O
.9
1
1
.0
0
4
2
.0
I
)
{
N
'm
}
ロータイナーシャ {
N
'm
'♂)
(
N
'
m
'S2)
お'17
・
I
}
/
ゲ{tーシャ
2
5
.5
O
.0
0
2
6
.
1
x
l
0
-6
O
.0
0
7
1
5
.
3
x
l
0
-6
O
.0
1
3
1
1
5
.3
X
l0
・6
0
(
')以上 Jを満足する Vg, Viの 実 現 可 能 領 域 を 求 め た と こ ろ .
以上, 位 相 余 裕 が 4
図3
1
3に示すようになった. この官民域について,
「速度ループのゲイン余裕が 10(dB)以上,
位相余裕が 4
0
(
')以上」を満たす最大の Kpを求め,
-4
2-
その Kpを 用 い て 評 価 関 数 で あ る サ ー
2(0)
2
ま幻
8
0
(c) Z軸
(c) Z軸
内
正
モー タC
25
﹃
モータ B
∞
加∞
Ruaa
(
kW
)
モータ A
1
5
0
0
nununu
公称出力
自
1
0
【
氾
VI
表3
・3 モータ A
.8
. Cの主な仕様
項
。
。500
お0
0
g¥ZL-× 認 証 終lhv
×軸
案内面減衰係数
x1
05 (
N
.s
/
m
)
a
支
持
〉
500
1
0
0
0
江沼
1
5
0
0 2
2
日ね
。
。 ∞ αl
5
刃
∞
1
5
VI
Vi
図3
1
3 機 械 A各軸の速度ループパラメータ
実現可能領境
図3
-1
4 VIを変化させたときの評価関数 H
(機械 A)
ボ剛性 H を計算したところ, 図 3
1
4に示すようになった. ここで. 実 線 は そ れ ぞ れ の Viに
対し Vgの上限値を選んだ場合, 破線はそれよりも 5(A's/r
a
d
)低くした場合,
線 は 10(A'
s/rad)だ け 低 く し た 場 合 の サ ー ボ 剛 性 1
1の値であり,
-4
3-
そして一点鎖
Vgの 上 限 値 を 選 ん だ 場 合
在民
+11l
'
表3
4 Kp. Vg,Viのチューニング結果
N
Kp (
SI)
Vi {
ー
)
Vg(
A
'
s
/
r
a
d
)
50
185
1700
Y
車
自
45
170
1800
Z
事
由
60
180
1400
33
150
682
棟準設定値(参考〉
に ﹄ ・ ' O {×
一×一
一
一
一
ー
車
自
1業~パラメ ー タ設定
.
1
5
。
。 。
.
1
0
。。
リ ・
ボ パラメー タ
チス ーニング;
主体:役
坦 0
.
5
表3
5 各軸のフィードフォワードゲインと加減速時定数
制
×軸
Y軸
Z軸
O
.0
2
5
1
.0
0
0
7
O
.0
2
6
1
.0
0
1
1
O
.0
2
7
1
.0
0
0
8
0
.
0
1
4
J{ード J~ ワードゲイン
O
.0
1
4
O
.7
0
O
.6
7
O
.0
1
2
O
.6
1
加減速時定数
O
.0
4
7
0
.
0
5
3
O
.0
3
7
(
s
)
最小加減速時定数
Tmin
指数関数加減速時
J{ード J~ ワードゲイ ï
加減速時定数
直線加減速時
Kf (
ー
)
(
s
)
Ts
Kf (
ー
)
(
s
)
Ts
•
。•
。
テーブル
図3
1
5 サーボ剛性向上確認のための
測定システム
∞
負
3000
2000
1
0
N
i
o
J
図3
1
6 機 械 Aの Z軸におけるサーボ剛性の
実測結果
が全ての軸について 1
1が 大 に な っ た . 結局. 評 価 関 数 で あ る サ ー ボ 剛 性 H が 最 大 と な る の
NCメ ー カ ー が 推 奨 し て い
直移動軸であり, 送 り 方 向 に 負 荷 を 加 え 易 い た め に 選 定 し た . ツ ー ル ホ ル ダ に 取 り 付 け ら
150(A's/rad), Vi=682(ー)であるから , チ ュ ー ニ
る 標 準 設 定 値 は . Kp=33{s-I), Vg=
れ た ボ ル ト を 回 転 さ せ , Z軸 の 被 駆 動 部 で あ る 主 軸 顕 に 送 り }
j向 の 負 荷 を 加 え る . 負 荷 の
.1倍
,
ン グ に よ っ て サ ー ボ 剛 性 H が , X軸 で 約 4.6倍 .Y軸 で 約 4
大 き さ は ボ ル ト と テ ー ブ ル の 問 に 設 置 8れ た ロ ー ド セ ル に よ っ て 測 定 さ れ る . 本 慨 は ク ロ
は Kp, Vg, Viを 点 3
-4の よ う に 設 定 し た と き で あ る .
なお,
Z軸 で は 約 4.5
f
告に大きく
・5
のよう
続 い て フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kf及 び 加 減 速 時 定 数 Tsを 求 め た と こ ろ 表 3
こ Tsを 1(
ms
)刻 み で 徐 々 に
2
1
8
)より Kfを求め, 次 l
になった. 指数│珂数加減速の場合は式 (
変化させ,
NCサ ー ボ 部 に フ ィ ー ド パ
ーズドループ制御方式であるから, サーボ剛性は加えた負荷と
なったことになる.
オ ー パ ー シ ュ ー ト が 起 き な い 段 小 の Tsを求めたが,
し か し い ず れ の 軸 も 式 (3-
ックされる位置偏差の閣の関係とみることができるので, 位 置 フ ィ ー ド パ ッ ク ル ー プ の リ
ニア ス ケ ー ル か ら
NCサ ー ボ 部 に フ ィ ー ド パ ッ ク E
される偏 A1I'lを被駆動部の変位とした.
実験は次のような手順で行う.
まず表 3
-4に 示 す よ う な サ ー ボ パ ラ メ ー タ の チ ュ ー ユ ン
3
)よ り 計 算 し た 実 現 可 能 な 最 小 加 減 速 時 定 数 Tminを下回ったため, 最 小 加 減 速 時 定 数 の 方
グ 値 あ る い は 標 準 設 定 値 を 設 定 し , 無 負 荷 時 の 被 駆 動 体 変 位 を 測 定 す る . そして,
.9倍 に な る Kf
;
を求
を 採 用 し た . また凶線加減速の場合, 追 従 誤 差 の ピ ー ク 値 が 収 束 値 の O
を回転させて鉛直上向きの負荷を被駆動体に徐々に加え,
め
,
オーバーシュートが起きない最小の加減速時定数を求めた. 各軸とも実現可能な 最小
加減速時定数以上であるので,
この時定数を用いる .
ポルト
n
)程 度
ホ ル ト の 回 転 停 止 後 1(mi
経ってからロードセルの負荷と被駆動体の変位を測定する. これは送り駆動機摘の情成部
品 聞 の 油 膜 や 接 触 面 の 弾 性 に よ っ て 測 定 値 が 時 間 と と も に 変 化 す る ため, 安 定 価 に 遣 す る
のを待つためである. 負 荷 が一定 値
(本実験では約 3000(N)) 以 上 と な っ た
3.4.2 サーボ剛性の向上の lì{[~忠実験
とき , 今 度 は ボ ル ト を 逆 回 転 さ せ て 臼
チューニングはモデルを用いたシミュレーションを用いて行ったが, 実 機 に お い て も シ
ミュレーションと 同 等 の サ ー ボ 剛 性 向 上 が 実 現 さ れ て い る か を 確 認 し て おく必要がある.
確認実験に問いたシステムを図3
・1
5に示 す . こ の 機 械 八 の Z軸 を 対 象 と す る . Z軸 は 霊
-4
4-
荷を徐々に減少させ, 除 荷 時 の 被 駆 動
体の変位を測定する.
表3
・6
サーボ剛性値の理論値と実測値
ー
-
理捨値 O
l
l
m
)
標準的設定値
チューニング恒
比率
図3
-16に 負 荷 と 被 駆 動 体 変 位 の 測 定
4
5-
測定値 (
N
/
圃
)
Q
1.53xl0
1.76xl0.
Q
8.24xl0.
6.78xl0
4.43
4.68
i
c
J[詔か ら最小二 乗法により求めたサーボ剛性値と, 比 較 の た め の サ ー ボ 剛
そして r
留まりとは, 手 動 パ ル ス 発 生 器 か ら 入 力 さ れ た パ ル ス 指 令 数 が 少 な い と 被 駆 動
パルスの i
'
I
Jく初動抵抗のために被駆動部が動かず,
部に (
ある一定以上のパルス指令 数に達してはじ
めて動き始める現象であり, 動 き 始 め る の に 必 要 な パ ル ス 数 を パ ル ス 溜 ま り 量 と 呼 ぶ . 被
;
‘
♂
5
。
d
y
v
u
u
v
i
U
1
1
:
語
〉ー
。
1
0
探準パラメータの場合
サーボパラメータチューニング
を実施した 1
1合
時
5
2
ι
--\/~Ij:~ 日:::::!!:::!iq;;; ぃ;
・7U
3
1
0
=ミー 5
.角川 r
~~)~~.~~~~
2
間
を実施した 1
1合
ー1
5
1
5 -10
4
FhJV
この測
T
標準パラメータの J
I合 、
を 越 え た と き は じ め て 被 駆 動 部 が 動 き 始 め る . 摺動抵抗の大きさが一定ならば, サ ー ボ 剛
1が 大 き い 方 が ト ル ク 指 令 値 が 大 き く , 従 っ て パ ル ス 溜 ま り 量 は 小 さ い は ず で ,
性1
サーボパラメータチューニング
、
制
(b)600mln
,
・(
1
0H
z
)
nu
駆動部が運動し始めるとき, 入 力 指 令 に サ ー ボ 剛 性 Hを 乗 じ た ト ル ク 指 令 値 が 摺 動 抵 抗 値
1
5
p
5
nUP3pbnupbhUPD
3.1 .3 パ ル ス 溜 ま り の 測 定 に よ る サ ー ボ 剛 性 向 上 の 確 認 実 験
、,‘
ベ
、
'
Eh'OF ×
:
命f
直通りに向上していることが確認された.
。
5
n
以上より, 実 機 で も サ ー ボ 剛 性 が 理
.
5倍 程 度 サ ー ボ 剛 性 が 向 上 し て い る .
ニングにより 4
(a) 1
2
0 圃i
pバ (lHz)代
a
ともにテュー
I
J値と理論計算{直はほぼ一 致しており,
実視.
。10
戸
× 制h l
﹂三ε70F × 酬h14三
E
t
a計 算 値 を 表 3
6に示す.
性のF
5
ε 1
‘
a
,
結果を,
。
×軸ドループ量
s
5
1
0
1
5
x 10- 1 m
図3
1
9 チューニング有無による
ドループ量の変化
図3-18 ポーリング加工時のドループ量の
測定結果
定によってサーボ剛性の向上を実機で簡単に砿認できる.
実 験 は ク ロ ー ズ ド ル ー プ 制 御 の 機 械 A の X 軸で行い, 制 御 装 置 は NC装 置 Aである. 本
4
1
:
こ示
lパ ル ス が O
.1(μm)に 相 当 す る . まず, 表 3
織の1
1
1小 設 定 単 位 は O.1(jlm)であり,
すチ
A
ーニング{直あるいは標準設定憾にサ
2
.
5
とI
d
lU
.
1,
こ
, 被 駆 動 部 の 変 位 を ク ロ ー ズ ド Jレ
ープ制御に用いているりニアスケールから
~ 2
β
読み取る.
咽福山帆昨
1
7に示す.
変位) の 測 定 結 果 を 図 3
溜まり畳は,
ノ守
J
レス
テューニン
0
.4(μm)) で.チュ
グ 値 で は 肢 大 4パルス (
ー ニ ン グ に よ り パ ル ス 溜 ま り 霊 が 1 /3
に減
している.
3.4.4 動 的 な 外 力 に 対 す る サ ー ボ 剛 性 向 上 の 舵 認 実 験
.
1
5
以上の実験は,
あった. しかし, 実 際 の 機 械 の 運 転 時 に は 周 波 数 の も う 少 し 高 い 領 域 の 外 乱 が 現 れ る . そ
0
.
5
Iに よ る 切 削 負 荷
の典型的な伊!としては, 正 面 フ ラ イ ス や エ ン ド ミ ル 加 工 な ど で の 断 続 切 開J
。
。
- -ー』
f
旨令 量
μm
.
5
サーボ岡1性 は チ ュ ー ニ ン グ に よ り 約 4
{告になり,
それによってパルス溜まり斑も
-4
6-
サーボパラメータチューニングによって静的な外力〈外乱)に対して指
令位置を維持しようとするサーボの保持力〈サーボ間性)か強くなったことの確認実験で
.
0
1 3
.
5
0.
5 .
1
0 .
1
5 2
.
0 2
.
5 3
少していることがわかる.
チューニン
グした場合は O
.1(μm)以 下 に な っ て い る . こ の 減 少 比 率 は サ ー ボ 剛 性 の 向 上 比 と ほ ぼ 一 致
一-0-ーサーボチュー
ニングパラ
メータ
.
1
0
保準設定値が最大1
2パルス
(1
.2(μm)) であるのに対し,
4
・ー 傑準パラメータ
e世Mm
パルスの入力に対する出力(被駆動部の
いずれにしても定
また, 指 令 位 置 と の 偏 差 が 掠 準 設 定 価 の 場 合 は O
.5(μm)程度あるのに対し,
一・ーー 理想的な応答
動 系 に パ ル ス 指 令 を lパ ル ス づ っ 入 力 す る
デジタル制御における量子化誤差が発生しているからと考えられるが,
留まり置も減少することが確認できた.
性的にはサーボ剛性を高めることによりパルス j
3
.
0
ーポバラメータを設定する . そして送り駆
1/4
.5になるはずであるが, 1/3程 度 に し か 改 善 さ れ て い な い . これは指令値が小さすぎ,
図3
1
7 パルス溜まりの測定結果
変動がある. 中でも比較的径の大きいボーリングによる荒加工では, 低 域 の 周 期 的 負 荷 変
動の幅が大きく, 送 り 駆 動 軸 の 高 い サ ー ボ 剛 性 か 必 要 と さ れ る . そこで , ボ ー リ ン グ 加 工
を行って動的な外乱をサーボ系に与えたときのサ ーボ剛性を調べた .
図 3・1
8は
, 被 削 材 (S 4 3 C鋼 ) に あ け た ゆ 4
5
(
m
m
)の下穴を,
-4
7-
φ52(mm)に 広 げ る ポ ー リ
第4章 送り駆動機構のメカニカルチューニング
ング加 工 を 行 っ た と き の X軸 の ド ル ー プ 量 を 測 定 し た 結 果 で あ る (a) の 主 軸 回 転 数 は
120(min・ 1)であるので周波数は 2(Hz). (b) は
600(min-1)
で 10(Hz)で あ る ( 送 り は い ず れ
も0.07(mm/rev)とした) . 図 か ら 低 い 周 波 数 ほ ど チ ュ ー ニ ン グ に よ る サ ー ボ 剛 性 の 向 上 の
4.1
緒
論
効果が発揮され,周波数が高くなるにつれてチューニングの有無の差が小さくなるのが わ
か る . こ こ で (a) の 条 件 で 同 時 に 測 定 し た Y 軸 の ド ル ー プ 重 の デ ー タ と 合 わ せ て リ サ ー
前 述 の よ う に N C工 作 機 械 送 り 駆 動 系 は 大 き く 分 け て N Cサ ー ボ 部 と 送 り 駆 動 機 構 部 の
ジ ュ 波 形 と す る と 図 3-19の よ う に な る . こ の 描 か れ た ド ル ー プ 量 の 面 積 の 大 き さ は 穴 の 加
2つ の 部 分 に 分 け ら れ る . 送 り 駆 動 機 構 の 一 部 で あ る 被 駆 動 部 の 位 置 ・速 度 な ど の 物 理 量
工誤差に比例するから,加工精度ち向上することが明かである .
が , フ ィ ー ド パ ッ ク 信 号 と し て N Cサ ー ボ 部 で 用 い ら れ て い る . す な わ ち フ ィ ー ド パ ッ ク
ループ内に送り駆動機構の伝達特性が含まれるため,送り駆動系のサーボ特性はサーボパ
ラメータの影響ばかりでなく,機構部の特性によって大きく影響される.よって,フィー
3.5 結 論
ドパックループの安定性を考慮したサーボパラメータチューニングを行う場合,まず送り
前 車 で 示 し た N C工 作 機 械 送 り 駆 動 系 の モ デ ル に よ る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 用 い て , 1軸
のサーボパラメータチューニングのアルゴリズムを構築した . またそのアルゴリズム を実
在 す る 立 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ の X , Y , Z軸 に つ い て 適 用 し , サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ
ングを行い,それを実機のパラメータに設定して各種の測定を行い,チューニング効果を
確認した . その結果得られた本章の主な結論は次の通りである.
ックループの共振現象である.
機構部の最適化を行うことが重要である.東本は,応答性を送り方向固有娠動数で評価し,
ボ ー ル ね じ 径 の 最 適 化 を 試 み て い る 2 引が,
段終的な送り駆動系の評価値との関係やサー
応答性から見た送り駆動機構の最適チューニングを支援する方法を提案する.
本章は,送り駆動系の送り駆動機構のメカニカルパラメータのチューニング手法を構築
速 皮 ル ー プ 比 例 ゲ イ ン Vgと 速 度 ル ー プ 積 分 ゲ
イン Viの 聞 に は , 実 現 可 能 領 域 が 存 在 す る .
(3)位置ループの安定性は,
従ってより高い送り駆動性能を求めるためには,サーボパラメータの品適化のみならず,
ボパラメータとの関係を論じるに至っていない.そこで本研究においては,サーボ剛性と
(1) ハ イ ゲ イ ン 化 を 限 害 す る ハ ン チ ン グ は , 送 り 駆 動 機 構 を 含 む 広 義 の 速 度 フ ィ ー ド パ
(2) 速 度 ル ー プ の 安 定 性 を 考 慮 す る と ,
駆動機構の伝達特性を把握することが不可欠である.
Viを大きくすると低下する.また,
すること目的とし,次のような構成となっている
法とその課題について述べ,
Vgを 上 げ て い く と ,
当初は安定性が向上するが,一定値以上になると今度は低下する.
(4 ) サ ー ボ 剛 性 H を 評 価 関 数 と す る l軸 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の ア ル ゴ リ ズ
ムを構築した.
4.2節 で 現 状 の 送 り 駆 動 機 構 の 設 計
4. 3節 で は 構 造 体 力 学 置 の パ ラ メ ー タ 同 定 法 を 紹 介 し . こ れ
を現有の立型マシニングセンタの送り駆動機構部に適用し,メカニカルパラメータを同定
する . 4.4節 に お い て は , 各 々 の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ が 速 度 ル ー プ , お よ び 位 置 ル ー
プの安定性に与える影響について検討する
4.5節 で は , チ ュ ー ニ ン グ マ ッ プ の lつ で
ある JKマ ッ プ を 利 用 し た ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ 手 法 を 構 築 し ,
(5) パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 結 果 , 各 軸 の サ ー ボ 剛 性 を 標 準 設 定 値 に 比 べ 4倍 以 上 に
向上させることができた .
4.6節 に お い て ク ロ ー
ズドループ制御とセミクローズドループ制御の機械の設 ~-I に適川した設計例を示す.そし
て
,
4. 7節 は 以 上 を ま と め た 本 章 の 結 論 で あ る .
(6) 実 機 で 外 力 と 被 駆 動 部 の 変 位 や パ ル ス 送 り 時 の パ ル ス 溜 ま り を 測 定 す る こ と に よ り ,
実 機 に お い て も モ デ ル と 同 等 の サ ー ボ 剛 性 向 上 が 実 現 さ れ て い る こ と が 確 か め ら れ た.
4.2 現 用 の 送 り 駆 動 機 械 の 設 計 手 順 と 問 題 点
(7) ボ ー リ ン グ 加 工 に お け る チ ュ ー ニ ン グ 有 無 の 比 較 に よ っ て , 動 的 な 外 力 に 対 す るサ
現 在 , 高 精 度 が 要 求 さ れ る N C工 作 機 械 の 送 り 駆 動 系 の 送 り 駆 動 機 構 の 設 計 の 際 に は ,
ーボ剛性の向上が確認できた.
まず運動精度の目標値が決められる.そしてその運動精度の目標値を実現できるように,
各部の詳細設計が行われている.ただし,この目標値は送り駆動機構部単体のみを対象と
-4
8-
-4
9-
して決定されており,
N Cサ ー ボ 部 ま で 含 め た 送 り 駆 動 系 全 体 を 考 慮 し て 決 定 さ れ て い る
Tが モ ー タ の 電 機 子 電 流 iに 比 例 す る こ と を 利 用 し て
わけではない.
NC工 作 機 械 送 り 駆 動 系 の 設 計 ・製 造 に お い て は , ま ず 設 計 段 階 で 主 に 機 械 の 静
従来,
剛 性 が 満 足 さ れ る よ う に 送 り 駆 動 機 構 の 設 計 が 行 わ れ て き た ( 付 録 1 :従来 の 送 り 駆 動 機
構の設計法を参照のこと) . 次 に製造段階で製作された送り駆動機構に
NCサ ー ボ 装 置 を
接 続 し た 後, 機 準 的 に 推 奨 さ れ て い る サ ー ボ パ ラ メー タを 与 え て 試 運 転 し , 問 題 が あ れ ば
サ ー ボ パ ラ メ ー タ を 試 行 錯 誤 的 に 調 整 す る の が 一 般 的 で あ っ た . しかし,
この方法では設
計段階で送り駆動系全体としてどの程度の性能が達成できるのかは過去の実績から推測す
るしかなく,
サーボモータのトルクを実際に測定するのは困難であるが
もし問タイプの参考機がなければ推測も成り立たない.また目標仕様を満足
す る た め に 機 構 部 を 作 り 直 し た り , 過 剰 品 質 な 設 計 に な っ た り す る 可 能 性 が 高 い . さ:らに
重 要 な 点 は ,吉 村 が 機 械 構 造 の 最 適 化 設 計 法 の 研 究 の 中 で 指 摘 し て い る
比 例 定 数 Ktは一般にトルク定数と呼ばれ,
サーボモータの発生トルク
これを求めることができる.この
計算に当たってはサーボモータの仕械書に記
載されて いる数値を用いた.また測定の簡便化のため,被駆動部の変位の代用として加速
度を測定する.
以 上 の 測 定 は 図 2-4に示したように,
えたモデルに対しての周波数応答であるから,
トルク定数と 2回 微 分 要 素 を 付 け 加
パ ラ メ ー タ 同 定 ら 図 2-4の モ デ ル を 対 象 と
しT
こ.
なお,一般的に送り駆動系のフィードパック信号は,被駆動部と案内面の聞の相対値で
あ る か ら , サ ド ル , ベ ッ ト な ど の 下 部 構 造 体 に 対 す る 被 駆 動 部 の 相 対 振 動 は 2つ の 加 速 度
ピックアップを用いてその差信号を測定している.
a0) よ う に あ ら ゆ る
可能性の中から選択した最良の方法ではなく ,局所的な解となって いることが問題である.
4.3.2
カーブフイッティングによるパラメータ同定法
位相の 周波数応答は,用いる測定器が持つ無駄時間の影響を受けやすいので, パラメー
4.3
メカ ニカ ルパ ラメー タの 同 定 法
4.3.1
タ同 定 に は 周 波 数 応 答 の ゲ イ ン 曲 線 の み を カ ー ブ フ ィ ッ ト の 対 象 と す る .
同定対象のパラメータを総合して,
送 り 駆 動 機 構 伝 達 特 性 の 実 副.
I
J
P = (K, J, M , C) と 表 記 す る . ま た , 周 波 数
f= (fl,f2,"'fn) tにおける実視)
1ゲイン Y = (
yl,y2,.
.
.
, yn) ¥ 図 2-4に 示 し た モ デ ル
第 2~ (図 2
6
) で 示 し た モ デ ル の 送 り 駆 動 機 構 の 伝 達 関 数 に は ,被駆動部質量M[,送
り 駆 動 機 椛 の 送 り 方 向 の 静 剛 性 K, 案 内 面 の 減 衰 係 数 C, 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ ( サ ー ボ モ
ー タ の ロ ー タ イ ナ ー シ ャ と ボ ー Jレねじの イ ナ ー シ ャ の 和 ) Jの 4 つ の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー
タが 含 ま れ て い る . 設 計 段 階 で の サ ー ボ ノ
マ
ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 う 場 合 に は , これら
P
)= (xl(P),x2(P),"'
xn(P)) Tとすると , モ デ ル に は パ ラ メ
か ら 計 算 さ れ るゲインを X(
ー タ ベ ク ト ル Pが含まれるため,
n
S (P)=L [yi-xi(P)J
Xは Pの関数となる. このとき,
(
4-1)
2
の ア ラ メ ー タ の 値 と し て 設 計 値 や 同種の 機 械 か ら 推 定 さ れ る 経 験 値 を 用 い る こ と が で き る .
が 最 小 に な る よ うな P
実機が存在する場合は,経年変化や製造段階での誤差によりこれらのメカニカルパラメー
果である.
タが設計値・経験値と異なっている可能性があるので,実測された周波数応答を基にした
る修正 M
a
r
qu
ar
d
t法 32)を用いる . 修 正 M
a
r
q
u
a
r
d
t法 は 次 の よ う な 手 順 で 同 定 を 行 う .
パ ラ メ ー タ 同 定 値 を 使 用 し た 方 が よ り 正 確 で あ る . Mや K は 比 較 的 実 測 も 簡 単 で あ る が,
Jや C の 測 定 方 法 8 1) は 複 雑 で , 各 パ ラ メ ー タ ご と に 測 定 し な け れ ば な ら な い . そ こ で こ
こで は 送 り 駆 動 機 怖 の 伝 達 特 性 を 実 j
j
{
J
Iして全てを l度に 同 定 で き る カ ー ブ フ ィ ッ テ ィ ン グ
法 を 用 い る . ここで 言 う 送 り 駆 動 機 構 の 伝 達 特 性 と は , 送 り 駆 動 機 情 に お い て
部からのトルクが入力となって被駆動部が移動することから,
NCサ ー ボ
トルク ー被 駆 動 部 変 位 聞 の
伝 達 特 性 を 指 す . こ の 測 定 に は 第 6な で 詳 し く 述 べ る 勤 特 性 の D A C測 定 法 を応用 す る.
すなわち,送り駆動機構にインパルス状のトルクを加え,加えたトルクと被駆動部の加速
君
Pminを求めるのがカーブフィッテイングで,
X(
P
)は P に 関 し て 非 線 形 な 関 数 で あ る の で , 同 定 に は 非 線 形 掻 小 二 乗 法 で あ
(1) モ デ ル に 基 づ き ヤ コ ビ ア ン 行 列
A(
P
)= ト マ
a1(P),ーマ a2 (P)・
・
・ 由マ aパP
)]
を計 算 す る.
(2) 初 期 値 P = Plを適当に設定する.
(3) elP= (A.A t+ λ 1 ) -1・A. (Y-X) を P について計算する.
(1 :単 位行列,
A : 0または正の数)
(4) P=Pl+elPに変更する.
度を測定し,それらの時間波形をフーリエ変換して周波数応答を求める測定法である .
-5
0-
この Pminが 同 定 結
5
1-
。
表4
1 加速度ピックアップの主な仕犠
主軸頭
感度
分解能
(
m
V
/
G
) 11
.6 1
(
G
) 0.01
(
k
H
z
)
横方向感度
{
お
)
出力バイアス値
(
V
)
aD
Z軸 の 測 定 点
77
2
.1
-200
0
。
叶寸
周波数
(5) (3) - (4) を 繰 り 返 し . 収 束 し た
50
1
0
0
Hz
1
5
0
図4
3 1サンプリング周期の遅れを加えた
場合の位相曲線
50
サドル
,
、一
渡れ有リ
周波数
∞∞。
9.8
250
包枠組
(
'F
)
2
1
∞
me 司
共振周波数
使用最高温度
ζ O
1
0
0
Hz
1
5
0
図4
2 機 械 Aの×軸の送り駆動部の周波数応答
pを 求 め る 同 定 仰 と す る .
(1) X軸
".3.3
図4
1 機械 Aの外観
パ ラ メ ー タ 同 定 の ケ ース スタディ
実測によ って得られた周波数応答と同定し
た メ カ ニ カ ル パラ メータを 用 い て 計 算 し た 周
ケ ー ス ス タ デ ィ の 対 象 と す る NC工 作 機 械
波 数 応 答 を 図 4・2に示す.
送 り 駆 動 系 の 送 り 駆 動 機構は, 立 型 マ シ ニ ン グ セ ン タ 機 械 A の X , Y, Z 軸 で , 各 軸 と も
曲。
実測とモデルの周
波数応答は.130(I
lz
)付 近 ま で よ く 一 致 し て い
サ ー ボ モ ー タはモ ータ Aが 使 用 さ れ て い る . 機 械 A,モータ Aの 主 な 仕 様 は 既 に そ れ ぞ れ
0>
¥
ー
、,・』‘--司,句、¥
aD
特
g
¥、
ー
ー
ー
oz
m
H
数
被 駆 動 部 質 量 は 設計 値 よ り 約 3
0完大きく同
る.図 4
1に 機 械 A の 外 観 と 加 速 度 ピ ッ ク ア ッ プ を 取 付 け た 位 置 を 示 す .
波
印周
4
内
-1,表 3
3に 示 し た . ま た 測 定 に 用 い た 加 速 皮 ピ ッ ク ア ッ プ は 表 4-1の よ う な 仕 械 で あ
点3
nu
n
u
n
u
る.
絶対値
1
0
0
1
5
0
定されている.これは被駆動 部以外の下部情
加 速 度 波 形 及 び 電 流 波 形 は F F Tア ナ ラ イ ザ を 用 い て 測 定 す る . 測 定 の サ ン プ リ ン グ 周
造体も振動したため, 見 か け 上 大 き な 質 盟 と
/1280(I
lz
)であり.1
0
2
4点のサンプリングを行う.これは周波数領域にすると1.2
5(
l
Iz
)
期は 1
図4
4 相対加速度と絶対加速度による
送り駆動部の伝達特性
見なされた結果と考えられる.すなわち,本
間 隔 と な る . た だ し , 感 度 は 用 い た 2つ の ピ
1
クア
1
プについてのキャリプレーション 値
機 の よ う な 立型マシニングセンタでは,
Y軸
である .
の 被 駆 動 部 で あ る サ ド ル の 上 に X軸 の 送 り 駆 動 部 が 載 る 構 造 と な っ て い る た め 下 部 構 造 体
X, Y, Z軸 の 名 パ ラ メ ー タ の 投 計 値 お よ び 同 定 値 を 表 4・2に示す.
の剛性の影響を受けたものと考えられる.
2 機械 Aのメカニカルパラメータの設計値と 同定値
表4
~
×
Y
Z
送り方向剛性
・
K (x1
0N
/
m
)
被駆動部質量 案内面減衰係数
M
(
k
g
)
回転休イナーシャ
6
(
N• m• S2
)
C (x1
0 N's
/
m
) J
設計値
1.96
235
不明
同定値
1.57
297
段E
十値
2
. 12
同定値
設計値
L国主値
案 内 面 の 減 衰 係 数 に つ い て は , 設 計 時 に は 明 砿 な 数 値 は 不 明 で あ る . しかし図 42で示さ
れるように,実 測と同定のゲイン曲線がほぼ一致していることから,同定結果はほぼ妥当
な 値 で あ る と 判 断 で き る. 同 図 の 位 相 曲 線 に お い て , 実 測 悼 の 方 の 位 相 遅 れ が 若 干 小 さい
1
.04
0.0042
0.0051
が,これは送り駆動系伝達特性への入力信号である電流波形の測定結果に,無駄時間が含
423
不明
0.0049
まれて い る た め に 生 じ た 現 象 で あ り , 測 定 対 象 の 問 題 で は な い . す な わ ち , 加 速 度 信 号 は
0.89
433
1.55
0.0048
ア ナ ロ グ 値 を 車 接 測 定 器 (FF T ア ナ ラ イ ザ ) に 入 力 し て い る の に 対 し
2.49
1.72
500
485
不明
0.0039
0.0044
A/ D変 換 し た 後 さ ら に D/ A変 換 し て か ら 測 定 器 に 入 力 し て い る の で , 電 流 波 形 信 号 は
-5
2-
1
.86
-5
3-
.m流 波 形 は - 8
。
5
∞
r/
'
~ 2
ャ
1
,-----同定値
ト l
入、ト
d
海 .
4
I
f 3れ
"
ト
:
巴"
ご
『
巴2
En
令ヤ
∞
S-I
。 20
ー200
・
‘
、、
、
・
.、
、
.
_
4
0
周波数
6
0
8
0
O
o
一ー ー 一、
同定値
2
0
0
O
L
Hz
2
0
4
0
6
0
周波数
5 機 械 A の Y軸送り駆動部の周波数応答
図4
1
0
0
:
'80
_6
0
、
、
.
、
、‘
-、
、、
、
組
1
0
0
8
0
Hz
∞
│
み
ヰ
=
嬰ー 1
0
0
520
0
0
割ー 1
5
0
an
、
旬、
‘
1
2
0
加速度波形信号よりも若干の無駄時間が生じ,位相遅れとして現れたものである.試しに
ハ
8
0
(
s
)
) ずらせてみたが.位相曲線
電流波形測定信サの人ノ〕を lサ ン プ リ ン グ 周 期 分 (1 2
このオフセットは
M=IOOOkg
、
r
:
'-50
4
I
f40
1
2
3
4
彼駆動部質量 M x1
03 k9
q
。
ー初
5
fir/
Jh
~
M2000kg
.,/
M1000kg
M=300kg
1
0
0
周波数
図4
1 被駆動部質量 Mと速度ループの
安定性の関係
図4
6 機織 Aの Z軸送り駆動部の周波数応答
が 図 4・3の よ う に オ フ セ ッ ト し , こ れ か ら も こ の こ と が 確 か め ら れ る .
0
.
・
3
0
M=2000kg
旧初
γ-20ト/
。
τ
コ
1
0
0
0
Hz
図4
8 被駆動部質量 Mによる速度閉ループ
周波数応答の変化〈シミュレーション〉
Z軸 の 案 内 面 減 衰 係 数 は 他 の 2軸に比較して大きい. これは,
z軸が垂直移動軸であり,
ギ ブ に よ っ て 締 め 付 け ら れ る 拘 束 面 が 水 平 移 動 軸 の 2面 に 対 し 3面 と 多 い た め と 考 え ら れ
る.
・5
,図 4
6に 示 す Y , Z 軸にも見られる.
後述の凶4
参 与 ま で に , 機 械 A の X軸 に つ い て 出 力 と し て 相 対 振 動 加 速 度 を 用 い た 場 合 と 絶 対 振 動
加速度を用いた場合の伝達特性(モータ電流→被駆動体加速度)比較を図4
-4に示 す . 相
対振動加速度を用いた場合には 5
0
(
H
z
)付近のピークが無くなっており,
4.4
サ ー ボ 系 の 安 定 性 に 対 す る メ カ ニ カ ルパ ラ メ ー タ の 影 特
4.4. 1
速度ループの安定性に与える影智
この振動が機械構
造全体の振動であることが分かる.フィードパック信号は相対値であるため,
このような
振動はフィードパック信号には介入しないので考慮する必要はない.
第 2章 で 構 築 し た 送 り 駆 動 機 構 の モ デ ル に は ,
M , K , C , Jの 4 つ の メ カ ニ カ ル パ ラ
メータが含まれる.本節では各パラメータと速度ループの安定性 の関係についてシミ
A
レ
ー シ ョ ン で 考 察 す る . な お 対 象 と す る 送 り 駆 動 機 構 は 前 出 の 峨 械 A の X軸 で , サ ー ボ パ ラ
(2) Y中1
実割'J によって f!~ られた周波数応答と同定したメカニカルパラメータを用いて計算した周
波数応答を図4
5に示す.実加!とモデルの周波数応答は 1
0
0
{
H
z
)付 近 ま で よ く 一 致 し て い る.
送りえi
I
む
j剛 性 が 設 計 値 に 比 べ か な り 小 E
き く な っ て い る が , 後 述 の よ う に D A C測 定 法 で
送り方向日剛性を単独で求めると1.0
1x1
0
'(
N
/
m
)で あ っ た こ と か ら , こ の 結 果 は 妥 当 と 考
えられる.なお,設計値を求める際には結合部の剛性は無限大としており ,軸受支持プラ
ケットと}.J礎椛造体と の 結 合 部 の 剛 性 が 低 い こ と が 影 響 し た と 考 え ら れ る .
メ ー タ と し て は N Cメーカーの推奨するもま準設定値 (Kp=33{s 1
), Vg=1
5
0
{
A
'
s
/
r
a
d
),
Vi=682{ー))が設定されている.
(1) 被 駆 動 部 質 量 M
被駆動部質盟 Mと速度ループのゲイン余硲・位相余硲の聞の関係をシミュレーションに
より求めた結果を図 4
-7に示す . ゲ イ ン 余 裕 は M=3
0
0(
k
g
)を 境 に 大 き く 低 下 し , 位 相 余 裕
はほとんど変化しない. この現象をシミュレーションによる阿波数応答で解析する.
被 駆 動 部 質 量 M が 変 化 し た と き の 速 度 ル ー プ の 閉 ル ー プ 周 波 数 応 答 を 図 4・8に示す .
(3) Z軸
'
.に よ っ て 得 ら れ た 周 波 数 応 答 と 同 定 し た 力 学 パ ラ メ ー タ を 用 い て 計 算 し た 周 波 数 応
実鼠J
答を図4
・6
に示す.実測とモデルの周波数応答は 1
2
0
(
H
Z
)付 近 ま で よ く 一 致 し て い る .
速度開ループ周波数応答のゲイン曲線には,送り駆動機構部に基づく共振のピークと反
共振の谷が近接して存在する. ピーク及び谷の前後を比較するとピークの存在する周波数
JW
u
v
-
F
•
、
、
,
5
4-
1
0
淀 W枚入﹄、ト
∞
8
τ
3
6
、
r
,
,
,
¥
4
解析する.
。
送 り 方 向 剛 性 Kが 変 化 し た と き の 速 度 ル ー プ の 開 ル ー プ 周 波 数 応 答 を 凶 4
-10に示す.
去、ー 1
0
減衰比は減衰係数・(賀町・問1性 ) ・1/ 2
ご -50
4
0
。
。
fc
に近づき,
K
=
O
.7
5xl
O
I'
N/副
草加
2
4
送り方向日~J 性 K
8
6
x1
0 N/m
・
1
0
0
周波数
I
C
X
X
l
fc付 近 で の ゲ イ ン も そ れ に 引 き ず ら れ て 増 大 す る た め に 生 じ る .
③ の ゲ イ ン 余 裕 減 少 は 谷 部 が fcか ら 遠 ざ か っ て 行 く た め に 生 じ る .
①
, ③のゲイン余硲の減少は②でのゲイン増加に比べて小さい.
(3) 案 内 面 の 減 衰 係 数
図4
-8を見ると, M が増大すると, 共振,反共振周波数が低下し, 共 振 ピ ー ク 及 び 反 共 振
の 谷 の 大 き さ が 大 き く な っ て い る . これは, 共 振 系 の 固 有 振 動 数 は ( 剛 性 /質 量) リ /2に
間の関係を求めた. その結果を悶4
1
1に示す. 図から,
C の増大とともに, ゲイン余裕・
位 相 余 裕 と も に 大 き く な る こ と が わ か る . この現象を,
Cが 変 化 し た と き の 速 度 ル ー プ の
・
2
) を用いて身察する.
開ループ周波数応答(図41
比 例 し , 減衰比は減衰係数・(質量・剛性)バ /2/2で 与 え ら れ る こ と か ら 明 か で あ る .
ゲイン余硲の基準となる位相交差周波数が,
ピークや谷の周波数よりも高いか低いかま
C
シミュレーションにより, 案 内 面 の 減 夜 係 数 C と速度ループのゲイン余硲・位tIl余裕の
よりも高い周波数では, 谷 の 存 在 す る 周 波 数 よ り 低 い 周 波 数 に 比 較 し て ゲ イ ン 曲 線 が + 方
向にオフセットしている.
ピークと谷の前後で
のゲイン余硲のオフセットのために生じる.
Hz
図4
1
0 送り方向剛性 Kによる速度閉ループ
周波数応答の変化〈シミュレーション〉
性 Kと速度ループの
図4
9 送り方向陣j
安定性の関係
Kの 増 大 と と も に ピ ー ク が
②のゲイン余裕増大は, 共振・反共振周波数が fcを通過する際に,
2
0
0
1
0
1
0
2 となるからである.
① の ゲ イ ン 余 硲 減 少 は fcが固有振動数以下であるときに,
・
K
=1
.Ox1
0N
/
m
海 6
0
a
n
K が増大すると, 共振, 反共振周波数が高くなり, 共 振 ピ ー ク 及 び 反
共振の谷が鋭くなっている. こ
オlは
, 共 振 系 の 悶 背 振 動 数 は ( 剛 性/ 質 毘 ) 叶 / 2に比例し.
。
~
図4
-10を見ると,
K
=
O
.7
5X 1
0'
N
/
帽
-12を見ると,
図4
Cの 地 大 と 共 に 送 り 駆 動 機 惜 の 共 振 ピ ー ク 及 ひ 反 共 娠 の 谷 の 人 き さ が
小さくなり, 固 有 振 動 数 よ り 低 い J
a
j波 数 制 域 で の 位 相 遅 れ が 小 さ く な る . Cが 明 大 す る と
た は ピ ー ク や 谷 の 周 波 数 と 一 致 す る か に よ っ て ゲ イ ン 余 裕 は 変 化 す る . すなわち, 位 相 交
ゲイン余裕は大きくなる.
固 有 娠 動 数 が fcよりも低い場合には, 固 有 振 動 数 が fcよ り も 高 い 場 合 に 比 べ て ゲ イ ン 余
この場合 , fc弓 1
20(Hz)であり, 送 り 駆 動 機 慌 の 固 有 振 動 数 は M=~ 3
0
0
-LV
裕は小さくなる.
。
5
海山判入﹂、
差 周 波 数 を fcとすると, 固 有 振 動 数 が fcより十分高ければ,
4
凶
コ
可
3
、
-5
C
=1
.0Xl0・
N
'
s
/
m
:
上
、
ー1
0
C"O.5xl0 H
.S
/幅
入
2
(
k
g
)の 場 合 に 1
15(Hz)となる . よって M = 3
0
0(kg)を 境 に ゲ イ ン 余 裕 は 低 下 す る こ と が わ か
0
1
0
0
る.
(2)送りえJ
向剛性
~
K
送 り 方 向 剛 性 K とi
生皮ループのゲイン余硲・位相余裕の問の関係を,
シミュレーション
により求めた結果を図 4
9に示す. 図より , K の 増 大 と と も に ゲ イ ン 余 裕 は
-50
8
0
i
忽 60
4
I
f 40
IDJ
5
2
0
0
o
①始めはわずかではあるが減少する .
:
!
31
5
0
0
.
5
1
.
1
5
案内面の減衰係数 C
②次にー転して増大していく .増大の仕方は①の減少に比べ急である.
2
25 3
Xl06N's/m
-200
位相余裕はほとんど変化しない. 次に周波数応答をシミュレーションで求め,
幽
5
6
但
1
0
周波数
図4
1
1 案内面の減衰係数 Cと速度ループ
安定性の関係
③最後はわずかに減少していく.
・
1
0
0
Hz
1
0
0
0
図4
1
2 安内面の減衰係数 Cによる速度
閉ループの周波数応答の変化
〈シミュレーション)
この現象 を
ー
5
7-
2
0
1
0
。
入 叶O
、
ヤ
5
ト ー2
0
1
0
0
∞
コ
司
入ー 1
0
4
G>
、
r
。
。
2
トー2
0
3
4
1
2
3
0 k9
被駆動部質量 M X 1
8
0
巴..
5
0>
60
イ
ヤ
.
.
『喝~
:
4
1
:
)
;
:
。
1
0
、
、
、
、
0
8
tu
℃
1
0
海側入 vkv
EW枚入﹄、ト
∞
1
5
J
=
O
.00 3N' IlI~
1
0
司自
図4
1
5 被駆動部質量 Mと位置ループの
安定性との関係
命ヤ
1
0
5
2
0
1
5
2
5
3
回転体のイナーシャ J Xl0-
ー2
0
0
3
0
1
0
2
周波数
Nms
∞
l
Hz
S
ー1
0
0
I
C
X
犯
図4
1
4 回転体のイナーシャ Jによあ速度
開ループの周波数応答の変化
(シミュレーション〉
図4
1
3 回転体のイナーシャ Jと速度ループの
安定性の関係
思5
0
A
4
* 40
an
2
0
坦
1
0
加し, 位 相 余 硲 は 減 少 し て い る . Jの増加に
周波数
∞
o
l
図4
1
6 被駆動部質量 Mによる広義の速度
ループの周波数応答の変化
〈シミュレーション〉
よって速度ループのゲイン余裕が増大するの
は
, 同時に
∞
l
H2
Jaも増大し, 前 述 の Gω2(
s
)のゲ
ピ ー ク が 小 さ く な り ピ ー ク 周 辺 で の ゲ イ ン も 下 が る た め , ゲ イ ン 余 裕 は 大 き く な る . また
インが減少するためである.
位 相 の 遅 れ が 小 さ く な る た め , 位相余裕は増大する.
すると Gω2(
s
)の時定数が大きくなるので, 位 相 遅 れ が 周 波 数 の 低 い 範 囲 に 及 ぶ よ う に な
ピ ー ク や 谷 が 小 さ く な る の は , 共 振 系 の 減 衰 比 が Cに 比 例 す る か ら で あ る . 低 成 で の 位
J
R2
.M)
唱
﹂﹁
シャの手口,
~
速度ループのゲイン余裕に対して
R 2 ・Ms+
K
Ms3+Cs+K
① 固 有 振 動 数 を fc
以上にする
R 2.C
② 減 衰 係 数 Cを 大 き く す る
Kt
(J
ここで,
k
(4 ) のシミュレーション結果から,
ることが分かった. そして速度ループの安定性を高めるには.
Kt
Ms2+Cs+K
以上の
は J, 位 柑 余 裕 に 対 し て は C と Jが
, 最も大きな影響を与えるメカニカルパラメータであ
Gω(s)は l次 遅 れ の 形 に 近 似 す る と 次 式 の よ う に Gω2(
s
)となる .
J s+
り
, 位 相 余 裕 が 減 少 す る た め と 考 え ら れ る . 参 考 ま で に Jが 変 化 し た と き の 述 度 閉 ル ー プ
,
、aA
,
、
t
速 度 ル ー プ 内 の 送 り 駆 動 機 棺 伝 達 特 性 と し て , 電 流 → 角 速 度 問 の 伝 達 関 数 Gω(s)を 考 え
Gω(s)
Jが 増 大
周波数応答を図4
・1
4に示す .
相遅れが小さくなるのは次のように説明できる.
る. この
また,
S寸
R2. C
ー
ー
kt
Ja
.s+D
s
)
一 Gω2(
(
4
2
)
Ja=J+R2.M:ボ ー ル ね じ 軸 匝 り に 換 算 し た 負 荷 イ ナ ー シ ャ と 回 転 体 イ ナ ー
Gω2(s)は G
ω (s)において Kが 無 限 大 に な っ た 場 合 で あ る . Gω2(
s
)は 速 度
③ 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ Jを大きくすると同時に, 位 相 余 裕 低 下 を 防 ぐ た め 減 車 係 数 も
大きくする
という 3つ の 方 法 が 特 に 有 効 で あ る と こ と が わ か る .
ループ内で速度制御器と直列につながる.
ω 2(s)における時定数が小さ.くな
Cに 比 例 し て D ら増加し , そ れ に よ っ て l次 遅 れ 系 G
って, 低 l~ での位相の遅れが減少する. よって, 速 度 開 ル ー プ 周 波 数 応 答 に お け る 位 相 の
遅れも小さくなることになる.
(4 ) 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ
4.4.2
つぎに, 位 置 ル ー プ の 安 定 性 に 対 す る M, K, C, Jの 影 響 に つ い て 考 察 す る . た だ し
ここでは,
J
位置ループの安定性に与える影響
フィードパックループ内に送り駆動機構部を含むクローズドループ制御を対象
としている .
回 転 体 の イ ナ ー シ ャ Jと 速 度 ル ー プ の ゲ イ ン 余 裕 ・ 位 相 余 裕 の 閉 の 関 係 を シ ミ ュ レ ー シ
ョンにより求めた結果を図 4
1
3に示 す. 同図において,
-5
8-
(1) 被 駆 動 部 質 量
M
ゲ イ ン 余 裕 は Jに ほ ぼ 比 例 し て 増
-5
9
骨
1
0
∞
入
入 ー1
0
v
、
去 5
。
。
トー2
0
2
4
。
・
め た 結 果 を 図 4・1
5に示す . 図より M の増加に
図4
2
1 回転体のイナーシャ Jと位置ループ
の安定性との関係
kv
波 数 応 答 に お い て , Mの 変 化 と と ら に 送 り 駆
動機情の共娠によるピークが移動するためで
I
O
C
X
)
l
Hz
ほとんど変化しないため,
2
3
2
25
0
.
5
1
.
1
5
06N・s/m
案内面の減衰係数 C x1
9 案内面の減嚢係数 Cと位置ループの
図← 1
安定性との関係
∞
1
0
・
・
は
,
Cは 大 き く な っ て い く た め と 考 え ら れ る . Cの 増 加 で Cが 増 加 す る の
l次 遅 れ + 積 分 要 素 で 構 成 さ れ る 速 度 ル ー プ の s
f
lル ー プ 伝 達 関 数 の 閉 ル ー プ 伝 達 関 数
は 2次系であり,
I次 遅 れ 要 素 Gω2(
s
) (式 (
42
)参照) の 時 定 数 が 減 衰 能 に 反 比 例 し て 減
-20に 示 す 広 義 の 速 度 ル ー プ 周 波 数 応 答 線 開 に お い て も 見 る こ と が で き
少するためで, 図4
め た 結 果 を 図 4・2
1に示す. Jが増加すると位置ループのゲイン余裕は小さくなるが,
。
送 り 方 向 剛 性 K と位置ループのゲイン余裕
J
回 転 体 の イ ナ ーシャ Jと位 置 ル ー プ の ゲ イ ン 余 裕 と の 関 係 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 求
1
0 C=0.5xl0 N
.s
l問
ヤ
C
=
1
.
0
x
l
0
N
.
s
/悶
:
t
、
四20
C
=
2
.ox1
06N
.
s
/嗣
は図 4
-221
こ示す Jに対する広義の速度ループ周波数Ii:..答と式 (
45
)からわかるように,
.
.
。
司
これ
]こ
,
反 比 例 し て ωvは 減 少 す る の に 対 し て Cは ほ と ん ど 変 化 し な い た め で あ る .
0>
C
=1
.0x1
06N
.s
/
I
A
・
思ー 5
0
C=2.0xl0 N.
s
l繭
割
8に示す Kに 対 す る 広 義 の 速
がわかる . 図 4・1
K が増加する
とM の 増 大 の 時 と は 逆 に 送 り 駆 動 機 椛 の 国 有
振 動 数 お よ び ωvが高くなることから,
1
0
Hz
2
2 回転体のイナーシャ Jによる広義の
図4
速度ループの周波数応答の変化
(シミュレーション〉
(3) 案 内 面 の 減 衰 係 数 C
(4) 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ
て3
入
伴い位置ループのゲイン余裕も大きくなるの
∞
1
0
0
1
0
周波数
る.
と ωvも小さくなる . 一 方 , ど は ほ と ん ど 変 化
K の増加に
式(
4-2
)より位置
ループの安定性が高くなると考えられる.
化しないのに対して
o
に「ドい送り駆動機械の固有振動数が低下する
た 結 果 を 図 4・1
7に示す. 図より,
∞
加 に つ れ て ゲ イ ン 余 裕 も 大 き く な る 傾 向 に あ る . これは式 (
4サ)において ωvが ほ と ん ど 変
0
特性がl
立列につながっているので, M の 増 加
r
mの 関 係 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 求 め
~
余 裕 と の 聞 の 関 係 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 求 め た と こ ろ 図 4-19の よ う に な っ た . Cの 増
ある. 広 義 の 速 度 ル ー プ に は 送 り 駆 動 機構 の
K
思50
ーl
∞
1
0
周波数
必 H司
湾紙入、
6に 示 す 広 義 の 速 度 閉 ル ー プ 周
これは, 凶 4・1
度ループ周波数応答によれば,
"
"
・
案 内 面 の 減 衰 係 数 C と位置ループのゲイン
伴いゲイン余硲が減少していくのがわかる.
との
0
1
5 20 25 3
3
0- Nm s'
回転休のイナーシャ J X1
1
8 送り方向剛性 Kによる広義の速度
図4
ループの周波数応答の変化
(シミュレーション)
シミュレーションにより求
は低下すると考えられる.
.
・
00510
nu
F﹃ ︾
被駆動部質iTtM と 位 置 ル ー プ の ゲ イ ン 余 硲
4-5
)よ り 位 置 ル ー プ の 安 定 性
しないので, 式 (
・ ペ、
J
=0
.
0
0
3
H
. .S'/
J
=O
.
O
O
S
N・
圃
・s
'
'
'
'
'
'
'
-¥
J=
O
.
O
I
N. s
.
.
.
.
.
.
.
.¥
0
1
0
0
(2) 送 り 方 向 剛 性
2
。
『巴,
間枠組
図4
1
7 送り方向悶l
性 Kと位置ループの
安定性の関係
との問の関係を,
4
明白噌
送り方向 ~J 性 K
8
6
1
0
x1
0 N/m
司3
6
1
0
内J
、
。
∞
8
nunu
a
'
・
・
て3
1
0
入ヤト
表10
津町枚入﹄、 kr
1
5
rま
,
6
0-
ー1
0
0
1
0
周波数
∞
l
問
。
Hz
図4
2
0 案内面の減衰係数 Cによる広義の
速度ループの周波数応答の変化
(シミュレーション〉
ωvの 低 下 は 以 下 の よ う に 説 明 す る こ と か で き る . すなわち Jの 増 加 に 伴 い ]aも大きく
なる. すると,
Gω2(
s
)に と っ て は 速 度 ル ー プ の ル ー プ一巡の ゲインが低下し,
いのと等価となり,
一方
,
Vgが小さ
3.2.3節 で 論 じ た よ う に ωvは小さくなることになる.
Cに つ い て は Vgを小さくした場合には地大していた. しかし , Vgが 減 少 す る の
ではなく Jaが増大する場合は.一 次 遅 れ Gω2(
s
)の時定数が大きくなり,
これはどが減少
す る 要 因 と な る . これらの相互作用により Cは ほ と ん ど 変 化 し な い と 考 え ら れ る .
6
1-
(1)-(4) の 各 特 性 値 に 関 す る 4
・察の結果,クローズドループ制御において位置ル ー
なったときには愚大トルク T
m
a
xの よ り 大 き い サ ー ボ モ ー タ に 変 更 す る 必 要 が あ る .
なお実設計では,
プの安定性を高くするためには,
o
j剛性 K を 高 く す る か , 被 駆 動 部 質 量 M を小さくすることによって送り!駆動
①送り方 l
D N値 ( 詰 ボ ー ル ね じ の 直 径 D と回転数 N の 積 〉 を 最 大 ね じ 径 の 判 断
基準として用い,ボールねじの温度上昇などからその上限値を決めているが,ボールねじ
の潤滑や冷却法が日々進歩していることもあり,その制限をはずし,本研究では巧・慮しな
機構の間有振動数を大きくする.
いことにする.
② 案 内 面 の 減 衰 係 数 C を大きくする .
③ 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ Jを小さくする.
J Kマ ッ プ と 修 正 ベ ク ト ル
4.5.2
という方法が行効であることがわかる.
チ ュ ー ニ ン グ マ ッ プ の 縦 軸 と 横 軸 の 候 補 と し て は M, C, J, K, Rがある . このうち
4.5
JK マ ッ プ を 用 い た メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タチュ ー ニ ン グ
4.5.1
被駆動部質毘 M は最大積載質量や力学的バランスを考えてできる限り軽量になるように形
状 が 設 計 さ れ , ほ ぼ そ の 備 が 固 定 さ れ る . ま た 案 内 面 の 減 点 係 数 C も案内の荷額(すべり
評価関数
・ボールガイド・ローラガイドなど)により大略が決まり su, 移 動 速 度 , 潤 滑 油 植 , 温 度
具 体 的 な チ ュ ー ニ ン グ マ ッ プ を 作 成 す る に は ,ま ず チ ュ ー ユ ン グ の 評 価 関 数 を 設 定 す る
必要がある. メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ に お け る 評 価 関 数 は , 前 立 ま で の 考 察 か ら サ ー ボ パ
ラメータチューニングと共通のサーボ剛性 1
1とする の が 妥 当 で あ る . す な わ ち , 送り 駆 動
1
系に存在する間々の運動誤差の内,追従誤差等のその他の誤差は補正やフィードフォワー
ド制御等によって理論的にはゼロにする事ができるのに対し.外力による誤差が最も低減
が困難であるからである.またサーボ剛性はクローズドループ制御時の外力に対する変位
の逆数であるから,実際の設計者に対しでも感覚的に受け入れられ易い.
などで少し変動するのみである・り . 付 加 ダ ン パ に よ る 動 特 性 改 善 方 法 も 提 案 さ れ て い る
• S1が , 十 分 な 制 御 は で き て い な い .
性が低下してしまう.適当なフィードフォワードゲインの設定により応答性を補うことも
ある程度可能であるが,サーボモータ容量の制限から目標の応答性を得られない場合もあ
る.従ってチューニングの評価関数として,この応答性も加えることとした.
仕織の送り速度とサーボモータの最高回転数によって決定される.従って評価関数のサー
ボ 剛 性 や 立 上 が り 時 間 を 積 極 的 に コ ン ト ロ ー ル で き る JとKを チ ュ ー ニ ン グ マ ッ プ の 縦 軸
と 横 軸 と す る の が 適 当 で あ る . そ こ で , こ の チ ュ ー ニ ン グ マ ップを以後 J Kマ ッ プ と 呼 ぶ
ことにする.
ここでは,ボールねじの径・長さとその支持方法の変史による棋地的な修正ベクトルの計
算法を提示する.
S3)は.式 (
2-11)を よ り 具 体 的 に し た 次 式 で 去 さ れ る .
回 転 体 の イ ナ ー シ ャ J(N.m・
・
J= π ρ d c L
送り駆動系の応答性を表す実質的な評価値としてサーボモータの立上がり時間を採用し,
rは次
サ ー ボ モ ー タ の パ ワ ー が 十 分 で あ る か ど う か の 判 断 基 準 と す る . こ の 立 上 が り 時 間 tJ
3
2
ただし,
Jm + Jc
(4-4)
ρ : ボ ー ル ね じ 材 料 の 密 度 (kg/m'), Jm: サ ー ボ モ ー タ の ロ ー タ イ ナ ー シ ャ
(N'm'sZ), Jc: カップリングのイナーシャ (N'm'sZ).
式で定義される.
=
これは要求
修正ベクトルには,個々の設計現場のノウハウも含めれば,いろいろなものがあるが.
ところが,サーボ剛性を向上させる機情的な対策としてイナーシャを大きくすると応答
tr
また Rはポールねじのリードで決まり,
2πJ .N
(
4寸)
6
0・T
m
a
x
送 り 方 向 剛 性 K (N/m)は
,
シングルアンカ方式の場合のボールねじの送り方向伸縮による
2・5
)を 変 形 し た 次 式 で 写 え ら れ
静 コ ン ブ ラ イ ア ン ス が 全 体 に 占 め る 割 合 を αとすると,式 (
ここで、 N: モ ー タ の 鼠 高 回 転 速 度 (
m
i
n-'
)
,T
max:サ ー ボ モ ー タ の 最 大 ト ル ク (N'm
).
最近の N C工 作 機 械 に 使 用 さ れ て い る サ ー ボ モ ー タ の 最 高 回 転 数 は 2
0
0
0
(
m
i
n
-'
)
が一般的
0
0
0
(
m
i
n
-'
)に 速 す る の に 必 要 な 時 間 を 立
であり,早送り時はこの回転数となる.よって, 2
4-3
)で 明 ら か な よ う に , 立 上 が り 時 間 が 目 標 値 よ り も 大 き く
上がり時間として用いる.式 (
-6
2-
る(
α の 値 は 通 常 α句 0.6-0.7).
K π E
.dcZ
=α - m - L
ここで,
(
4-5)
mは ボ ー ル ね じ の 支 持 形 式 に よ り 決 定 す る 係 数 ( シ ン グ ル ア ン カ の と き m
-6
3-
主
1,
ダ ブ ル ア ン カ の と き m = 4) である.
(JO, KO) を 起 点 と す る 修 正 ベ ク ト ル ( J l-JO, K1- KO) は , 次 の よ う に 求 め ら
れる.
4.5.3 修 正 ベ ク ト ル の 具 体 策
以上の検討によりメカニカルパラメータを変更すれば,結果としてサーボ特性の向上が
①ボールねじの支持形式をシングルアンカからダブルアンカに変更した場合
図 ら れ , 優 れ た 送 り 駆 動 機 構 を 得 る こ と が で き る こ と が 分 か っ た . ところで,
αを 用 い て ボ ー ル ね じ の 伸 縮 に よ る コ ン ブ ラ イ ア ン ス と そ の 他 の 成 分 を 分 割 す る と ,
~
l_
KO
=
_a_
KO
-α L
1- α
+ 1
一一 = 一一一一一+ -_
KO
m π E d•
KO
(4-6)
シ ン グ ル ア ン カ か ら ダ ブ ル ア ン カ に 変 更 す る と 右 辺 第 1項 の mが 4倍 と な る か ら "
メカニカル
パラメータを変更するにはとのような具体的な対策があるかを何例かについて考えておく
必要がある.とくにイナーシャの軽減については,元々できるだけ低くするのが良い設計
であるから,それ以上の軽減は一般に困難である.そこで上述の①
④の対策以外のイナ
ーシャ軽減法を検討しておく .
このときの問J
I↑
生 K 1は
,
サ ー ボ モ ー タ が 受 け る 負 荷 イ ナ ー シ ャ を 低 減 す る 方 法 は , か つ て の ギ ヤ 減 速 が一 般 的 な
(
4-7)
背 景 に , 高 速 , 高 ト ル ク の A Cサ ー ボ モ ー タ の 出 現 を 機 と し て , 現 在 で は サ ー ボ モ ー タ と
いま , α =0.67(=2/3) と仮定すると ,
(
4
8
)
K1= 2.0 ・KO
この場合,
Jに つ い て は 変 化 が な い の で J1= J0 のままである.
ボールねじをカップリング等で直結するのが常識となっている.従ってこのような近年の
送 り 駆 動 系 で の イ ナ ー シ ャ 低 減 法 と し て は 次 の 5つの対策が考えられる.ただし,
(3)
- (5) の 対 策 で は イ ナ ー シ ャ 単 独 の 減 少 に 留 ま ら ず サ ー ボ 系 へ の フ ィ イ ド パ ッ ク ル ー プ
② ボ ー ル ね じ 径 を lランク太くした場合
ボ ー ル ね じ 径 の 径 列 に は 標 準 数 が 採 用 さ れ て お り , 一 般的にその公比は,
2
0
n
了 弓 1.12
に影響するので,
(
4
9
)
d
n
+
l/ dn=
で あ る . よ っ て , 修 正 ベ ク ト ル の 終 点 (Jl, Kl) は次式で計算できる.
(4-10)
Kl= (d1
/ d0
)
(4-11)
KO= (1. 1 2)
人
JO=.1.3JO
JK マヅプも描き直しする必要がある.
(1) ボ ー ル ね じ 径 の 減 少
一般にボールねじ径を設計値より細くすることはないが,
J1= (d1
/ d0
) •. J0= (1. 1 2) ぺ J
O
!
:
:
:
; 1.6 JO
2.
時代では減速比を落とすことであった . しかし,パックラッシ除去や高速送りの必要性を
しかしボールねじ径を細くす
モータプラケット
③ボールねじを長くした場合
テープル
ボ ー ル ね じ 長 さ ( 取 り 付 け 支 持 部 間 距 離 ) を 仮 に 1 0% 長 くしたとすると,
J1= (L1/ LO) ・JO=1.1JO
(4-12)
K1= (LO/ L1) .KO= 0.9 KO
(4-13)
支}寺ベアリング
サーボモ ー タ
④ボールねじを短くした場合
ボ ー ル ね じ 長 さ を 仮 に 10%短くしたとすると,
J1= (LO/ L1) ・JO= 0.9JO
(4-14
.
)
K1= (L1/ LO) .KO= 1.1 KO
,
)
(4-15
式 (4-6)"
'
"(4-15)に よ り , ボ ー ル ね じ 径 ・長 ・支 持 形 式 を 変 更 し た と き の 修 正 ベ ク ト ル
(flJJ, flll) = (J1- JO, K1- KO)
図4
2
3 送り駆動機権部に使用されている
カップリング〈例〉
が計算できる. これを JK マ ッ プ 上 に 現 在 値 (J, K) を 基 に ベ ク ト ル と し て 表 示 す る .
6
4-
-6
5-
最近の送り速度の高速化に伴うサーボモータへの要望からモータロータイナーシャが小
ることでモータへの負荷イナーシャが低
さく,
減し,結果的にロータイナーシャの小さ
ボールねじ
しかも高性能の永久磁石の採用でコンパクトで高トルクのサーボモータ(低慣性 A
Cサ ー ボ モ ー タ ) が 開 発 さ れ て お り , 数 多 く の 極 類 の 中 か ら 選 択 で き る .
な小型モータに変更できて全体の負荷イ
ナーシャをさらに低減できる場合がある.
4.5.4
もちろん伝達トルクから求められる最小
軸径以上でなければならない.
(2)カ'"プリングの変更または省略
カップリングは
2.3節 で 述 べ た よ う
検出器/
送 り 駆 動 部 の 設 計 の 際 に は 使 用 す る N C装 置 は 既 に 決 定 さ れ て い る の が 一 般 的 で あ る か
図4
2
4 ピルトインタイプのサーボモータ
(計画図〉
ら , 用 い ら れ る N Cサ ー ボ 部 に つ い て は 既 に 決 定 済 み で , 使 用 す る サ ー ボ モ ー タ の 候 補 が
数 種 類 あ る の み と す る . また前述
2
3の よ う な 板 パ ネ を 介 し
に,一般に図4
のように,送り駆動部のメカニカ
たフレキシプルカップリングを用いることが多い.これはボールねじ軸とサーボモータの
ロータシャフトの聞の偏芯や偏角を吸収し,
しかもラジアル方向のパックラッシュがほと
ん ど な い と い う 特 色 を 持 つ が , しかしその反面,
トルク伝達の点からある程度の直径を必
要とし,イナーシャらやや大きめである.従って,修正ベクトルの観点からみれば,注意
深い組立を行うという条件を付加する必要が生じるが,直径のずっと小さなリジ
'
Y
ドタイ
プのカップリングに変更して,イナーシャの低減を図ることも可能と言える. さらに電機
メーカの協力が得られるならば,図4
2
4に 示 す よ う な ボ ー ル ね じ 軸 端 に ピ ル ト イ ン タ イ プ
のサーボモータを組込み,カップリングを省略することも可能である.
(3) 被 駆 動 部 質 量 の 減 少
ル パ ラ メ ー タ の 内 M は,積載重量,
主軸重量,構造体の肉厚等によっ
て決まり,
Cは 案 内 面 形 状 , 案 内
面の材質,潤滑油によって決定さ
れるので,
M お よ び Cは , 送 り 機
構設計の段階では既に決定されて
いるものとして扱う.そして残る
N
J, K に つ い て 求 め る .
トータルチューニングの一つの
先に述べたように質量自体の物理的な減少には限度があるが,サドルタイプの立型マシ
ニングセンタで例をあげれば,
メカニカルチューニングの手順
x軸 あ る い は Y軸 の よ う な ワ ー ク 側 を 移 動 さ せ る 軸 で は 被
制限
駆 動 部 質 量 は テ ー ブ ル 上 の 最 大 積 載 質 量 を 含 ん で 計 算 し て い る か ら , こ の 仕 様 を 若 干1
す る こ と で 見 か け の 質 量 を 減 少 さ せ る こ と が で き る . また Z軸 で は た と え ば カ ウ ン タ ウ ェ
イト式のパランス機構を油圧式パランスに変更する , あるいは省略する(サーボモータの
保持トルクでバランスさせる)ことにより ,移動質量を半分にできる .
(4) ボ ー ル ね じ リ ー ド の 減 少
JKマ ッ プ を 用 い た
ボールねじの諸元及びサーボモー
タ の 選 定 判 断 の 手I
}
蹟を図 4
・2
5に示
す. こ の 方 法 は 設 計 者 が 適 宜 判 断
を加えつつ,次のように実施する.
(1) ボ ー ル ね じ 及 び サ ー ボ モ ー
タを仮に選定し初期値とする
ボールねじのリードを小さくできれば,モータへの負荷イナーシャは質量を低減したの
と同等の効果がある.近年高い送り速度を得るためにボールねじのハイリード化の傾向が
あるが,小さいリードのままでもサーボモータの回転速度の高いものを採用することによ
り送り速度を高める方法もあるので,ボールねじの許容回転数内で選択が可能である〈一
般的なサーボモータの仕様では,
方法として,
Y
2
0
0
0
m
i
n
-1 と3
0
0
0
m
i
n
-1 とがある ) .
(従来の設計法で可) •
(2) 上 記 の 設 計 諸 元 か ら 求 め た
J0お よ び KOを中心として,
J, K を 変 化 さ せ , 各 々 の J,
K に対して
図4
2
5 JKマップによるメカニカル
チューニングの流れ
2.1節 で 述 べ た
(5) サ ー ボ モ ー タ の 変 更
-6
6-
-6
7-
サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ 行 う . 得 ら れ た 最 大 サ ー ボ 剛 性 H から J K マ ッ プ を 作
またサーボモータは,前出の
成する.また,目僚の立上がり時間を式 (
4寸)から計算し,
表 ト 3に 示 す A. 日の 2種 煩 に
JK マ ッ プ に 描 く .
(3) 自 操 の サ ー ボ 剛 性 値 H に 達 し て い な い 場 合 , あ る い は 目 擦 を オ ー パ し て い る 場合は,
ボ ー ル ね じ 径 d, 長 Lを 変 更 , あ る い は 支 持 形 式 を 変 更 し た と き の J1
, Klを 計 算 し
て 修 正 ベ ク ト ル (JI-JO, KI-KO) を作成し,
JK マ ッ プ 上 に 描 く . 対策の選択,
ついて検討する.
まず表 4
-3の設計諸元から,
(4) 設 計 者 は 各 修 正 ベ ク ト ル ま た は 合 成 ベ ク ト ル の 目 標 ま で の 距 離 ・ 方 向 か ら 対 策 の 選
択する.自保条件に達しない場合にはさらに修正ベクトルを広げてみる.
次に手)1憤(2) に 従 っ て .
で あ れ ば . 最 大 ト ル ク が lラ ン ク 上 の サ ー ボ モ ー タ に 変 更 し , 手 順 (2) か ら や り
む 領 域 の JKマ ッ プ を 作 成 し
直す.
た.描かれたサーボ剛性の等
高線が,
被駆動部質量
1
3
0
0
4
5
0
9
2
0
(
m
/
r
a
in
)
2
4
2
4
2
4
ポール
支持形式
ねじ
ねじ直径
(
m
m
)
仕横
支持長さ
(
m
m
)
3
6
8
7
5
(
m
m
)
1
6
リード
・
しかも設計時に参考にできる類似機が少
ないので,
トライ・アンド・エラー式に改善を進めることが困難であり,本チューニングの
手法を適用するのが有効な分野であるためである.
表4
-3は , あ る ラ イ ン 向 け 専 用 N C機 機 械 Bの 送 り 駆 動 系 に 要 求 さ れ て い る 仕 様 で あ る .
機 械 は テ ー プ ル 固 定 型 の 横 型 機 で あ り , 軸 構 成 は 下 か ら X, Z, Y 軸 の l
r
闘で,各軸の被駆
陥を
動 部 質 量 は そ の 上 部 の 軸 の 質 量 を 含 ん で い る . こ こ で , 被 駆 動 部 質 量 が 最 も 大 き い Xi
取り上げ,
表4
-3の 仕 械 を 初 期 値 と し て 前 述 の 手 順 に 従 っ て メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ を 試
みる.設計の自掠条件は次のように与えられたとする.
D T 1 :サーボ 剛 性 : H >目 標 値 : 1
1d
e
s= 1
.0x1
0I0 (
N/m
)
D T 2 : 立 上 が り 時 間 : tr
<目 保 値 : tdes=0.1(s)
た だ し , ボ ー ル ね じ の 呼 ぴ 径 dは , 以 下 の よ う な ボ ー ル ね じ メ ー カ 製 品 系 列 か ら 選 択 す
1
6
・
,
(
;
:
)1
":>~ 〆
,
,
-
3 ①
,
,"
',
,"
,
.
,
/
J' ""
〆
~~
噴A
τ
.ィf ,r
:
.
rて
F
,
,yF '
t,
サ ー ボ 剛 性 に 関 す る 目 標 条 件 DTl を 満 た し
:
.
:
ていないことがわかる.そこで修正ベクトル
目
主
JK マ ッ プ 上 に 錨 き 加 え た . こ の
電
量
図の中の①
3
6
8
7
5
/
/
FhM
この種の設計はコスト優先性が強く,
L
ぺ
J
ε¥Z
んだのは,
3
6
1
0
0
1
6
一
一
,
本 図 上 で J0, KOをプロットしてみると,
を計算し,
カ
ン
シ
ン
グ
品7
宅~
x2
.
5
4.6.1 セ ミ ク ロ ー ズ ド 制 御 駿 (FT L専 用 機 ) の 場 合
セミクローズドループ制御の送り駆動系の設計例として専用機を選択した. 専 用 機 を 選
シ
ン
ク
'
ル7
カ
ン
c:>
差周波数に相当するためである.
ケ ー ススタディ
すべり
サーボ剛性 Hs(x1
0N
/
m
)
一
4r
.
r(K/M) /2π で
すべり
シ
ン
グ
ル7
カ
ン
一一
表される送り駆動機構の回有振動数が位相交
1.6
すべり
モータ A モータ A モータ A
サーポモータ
K =1
.5
xl0 (
N
/
m
)の と こ ろ で 大 き
く変化しているのは,
決定する.
5
0
0
(
k
g
)
JO=3.15xl0・I(N.m's およ
図4
2
6の よ う な J0, KOを 含
こうした手順に従って得られたボールねじ諸元,サーボモータを最終的な設計値として
(
m
m
)
案内面形式
か っ Jも 減 少 で き な い よ う
(5) サ ー ボ 剛 性 H と 立 上 が り 時 間 trが目標値を満足せず,
軸移動量
早送り速度
・
Z
5
0
0
Y
4
0
0
初 期 値 J0, KOを計算すると,
び KO=1
.5
6x10 (
N
/
m
)となる.
×
目
項
2
)
組合せは目保までの距離・方向から設計者が判断する.
表4
・3 機械 Bの送り駆動機構に関する主な仕隙
④の数字は,それぞれ
1
1 1
1
1
,
'
1
33
・
、
一
寸
、
ー
、、、、
J ・
'
/
.
,
'
"
・ごニー~シ
ー 』
イナ一二ノャ
"
:
ご二
,,
、 司
"
I
ケー?三二三旨
,
' 1、 , qcr
f f
、 ¥
,¥
"
0
.
5
345 6
①:ボールねじ支持形式を変更の場合(シ
f
'
r
;,ffff 吠
ム
tr
i
『
示
¥
9 1
0 1
1 1
2
x1
0-3 Nm s1
7 8
J
ングルアンカ方式をダブルアンカ方式に
図4
2
6 FT L専用機の段針初期値における
JKマップ
変更)
②:ボールねじ呼び径(外径)を変更した
6(
m
m
)から 4
0(
m
m
)に変更)
場 合 ( こ こ で は d-3
③:ボールねじ長を長くした場合 (
875(mm)から 963(mm)に 変 更 :+10%)
④:ボールねじ長を短くした場合 (
875(mm)から 7
8
8(
m
m
)に変民: 10%)
の修正ベクトルである.
修正ベクトルを描くことにより,設計者は次のような判断ができる.ボールねじの支持
方 式 を シ ン グ ル ア ン カ か ら ダ ブ ル ア ン カ に 変 更 す る 手 段 に よ っ て 機 慌 の 剛 性 Kは 大 き く で
る'・)
d= 2
5
. 2
8
. 3
2
. 3
6
. 4
0
.4
5
.5
0
. 5
5
.6
3 (
m
m
)
-6
8-
,
、、│
き る が , サ ー ボ 剛 性 H が 逆 に 低 下 す る の で , 総 合 間J
I性 と し て は 相 殺 さ れ る . 部 品 点 数 の 増
-6
9-
、
11.
}‘、‘、
、
、 1ソ ¥ 、
、
、
i
¥、
¥
/
結局,サーボモータと支持形式はそのままで,ボールねじ呼び径を 2ランク太く,長さ
を 10%増 大 さ せ る 結 果 と な っ た が , こ れ は 従 来 の ト ル ク の 大 小 計 算 に よ る 設 計 で は 考 慮 さ
れることがなかったサーボ系とのマッチングを重視した結果である.
示した(①
④) .
図より次のようなことが読み取れる.サーボ剛性の等高線が右下がりの傾斜であること
か ら , ボ ー ル ね じ の 長 さ の 変 更 や Jまたは K を 単 独 に 増 強 す る よ り も , ボ ー ル ね じ の 径 を
増やすのが巌も修正効果が大きい.
クローズドループ制御機(マシニングセンタ)の場合
・
0x
10 (
N
/
m
)程 度 で , 目
しかし,サーボ剛性改善慣は 2
標 条 件 D T 1に は 少 し 不 足 で あ る . こ れ を 達 成 す る に は ⑤ の よ う に さ ら に も う 1 ラ ン ク の
呼ぴ径アップとすることが考えられるが,これはイナーシャの増加を伴い今度は目標条件
金型加工用マシニングセンタの場合, 目標精度が高く,クローズドループ制御とするこ
D T 2が 満 足 で き な く な る . そ こ で 手 順 (4) で 述 べ た よ う な ベ ク ト ル 加 算 を 検 討 す る .
1に 示 す 機 械 A の 設 計 を 考 え る . こ の 中 で 被 駆 動
とが多い . こ こ で は そ の 1例 と し て 表 3
すなわち,制約領域内の目標サーボ剛性が得られる方向に修正ベ クトルが向くようにベク
部 質 量 M が 大 き い Y軸 を メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ の 対 象 と し て 選 ぴ , 機 械 に 対 す る 高 速 高
精度の要求から以下の設計百僚を設定した.
DT 1 : サ ー ボ 剛 性 : 日 >目標値
oT 2 :立 上 が り 時 間
:Hdes=1
.0x1
010 (
N
/
m
)
: tr
<目標値 : tdes=O
.0
6(
s
)
ここで使用するサーボモータおよびボールねじ径は,前のケーススタディと閉じものの
中から選択する.
⑥ ボ ー ル ね じ 径 を 太 く す る と 同時にボ ー ル ね じ 長 を 短 く し て Jを下げる.
⑦ ボ ー ル ね じ 長 さ を 長 く し て Jを 大 き く す る と 共 に , ボ ー ル ね じ の 支 持 剛 性 の ア ッ プ や
ボ ー ル ナ ッ ト の 有 効 巻 数 の 増 加により 機 構 剛 性 K をさ らに地大させ る.
oT 1と D T 2を同時 に満足 す る こ と が で き る . 本 例 の 場 合 , ポ ー ル
(
m
m
)の ポ ー ル ね じ の 選 定 に 加 え
ね じ 長 さ を 変 更 す る 余 裕 が 少 な か ったの で , 結 局 ね じ 径 45
手1
)
国 (1) , (2) に 従 っ て 求 め た JKマ ッ プ を 図 4
-27に示す. ク ロ ー ズ ド ル ー プ 制 御
の場合,
ト ル を 組 合 わ せ る . た と え ば , 図 4・2
7に ⑥ , ⑦ で 追 記 し て 示 し た よ う に
,
こうした方法により
フィードパックループ内に機構部が含まれているため,図 4
-26の よ う な 湾 曲 部 は
現 れ な い . 図 に 示 し た (JO, KO) の 位 置 に よ り , 設 計 の 初 期 値 は 条 件 D T 1を 満 し て い
-7
0-
RU
-m
﹂
3
23
- Fサ
、民
O
﹃﹂
¥、、、一君
s
、 ﹃L
.
.d
a
E
'
、、¥¥
e
,
‘、、、/-二
l 川
、、、介、二
│×
‘
,
、
、h k
2一〆
、、-
1(
IdF/¥
、
叱
/1II
州
×
5
図4
2
8 サーボモータをモータ Bとした場合の
JKマップ〈機械 Aの Y軸,クロース
ドループ制御〉
ないことがわかる.そこでこの初期値を起点とする修正ベクトルを作成し,図中に追記表
を終了した.
4.6.2
ut
0.041(s)で , 条 件 D T 2 も 満 た し て い る の で ,ここ で メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ の プ ロ セ ス
ヤ
図4
2
7 機械 Aの Y軸の現状仕様における
J Kマップ〈クローズドループ制御,
サーボモータはモータ B)
ニシ
またこのときの立上がり時間は式 (
1
)より tr
=
は D T 1の条件を満足できるようになり,
J
ヘ 一8
これらの合成ベクトル⑤
﹂7 一
・
N
/
m
)
) し , 同 時 に ボ ー ル ね じ を 長 く し た . その結果,
2.43xl0 (
J1
イナーシャ
-
2 3
Kl=
一ナ
0(
m
m
)から 4
5(
m
m
)に 変 更 (J1=4.97xl0-'(N.m.s勺
,
ボールねじの呼ぴ径をさらに 4
3
1-
ばよい. し か し こ れ ら の 合 成 ベ ク ト ル の 大 き さ で は 目 標 条 件 D T 1に到達できないので,
¥
6 1 ) il
4
lli--νtいわ
、 ③﹂
G 1111
釦
9J
I
l
t
H
一T
"¥
.
.
'
、 ¥ 、司、ぐ、、 3
a
定
地一
m
w 一刀
1封
沼、、﹄
¥KL¥
11ml火山¥¥
、K 4﹂ 6
修正ベクトルを向けるには,ボールねじの呼び径の変更と同時にボールねじ長を長くすれ
i
!
J1
.
5
〉
ど
L、1 1 ¥
そこでチューニング手/1聞に従って , ベ ク ト ル 加 算 を 検 討 し た . サ ー ボ 剛 性 の 高 い 方 向 へ
×
、11、 ¥
くならないと予想できる.
I ・
c>
ー
日刊一
x 2.5~ : f
z
3
.
)t1t1¥
とほぼ平行であり,ボールねじ径を太くしたにもかかわらず,サーボ剛性 Hはあまり大き
ε3
.
5
¥
心
ハ
、 04ト
さらに d=45(mm)と す る 修 正 ベ ク ト ル も サ ー ボ 剛 性 の 等 高 線
、\~
,
_
; f
I ,
VT 、
¥
3~
; ~ ,¥~CD ~,
,
_
,I~
¥
二
I I III
回 ¥
2la
(
m
m
)とする修正ベクトルや,
.
'
1
i I ~I
I
'
"v
.
" I I I
II
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E3
.
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睡
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雨
芋
司
叶
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、曲1
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¥
、、
j
1
1
't~
4
1
1
1
.1
サ ー ボ 剛 性 Hの 改 善 手 段 と し て は 意 味 が な い . 同 様 に , ボ ー ル ね じ 径 を d=
36(mm)から 4
0
F
がよい.またポールねじ長の変更による修正ベクトルは目標に対して直角な方向であり,
4
111¥¥
tTsq
内
一
シングルアンカのままとする方
45255
加や支持部の剛性補強によるコスト増を考え合わせれば,
て⑦の対策を施すこととし,チューニングを終了した.
主 て , い ま 要 求 が さ ら に 高 精 度 と な り , 設 計 目標
する.
7
1-
oT 1が 次 の よ う に 変 更 さ れ た と 仮 定
DT l
' :サーボ剛性 :H>目探値 :Hdes=1
.2x1
010 (
N
/
m
)
図4
2
1よ り 目 掠 条 件 DT 1' を 達 成 し よ う と す る と , ボ ー ル ね じ 径 d = 5
0(
m
m
)が 選 定 さ
D T 2を 達 成 で き な く な る . さ ら に 上 述 の ベ ク ト ル 加 算 の 手 法 で も 到 達 で き な い
れるが,
こ と が わ か る . そ こ で 手 順 (5) に 従 い 出 力 が よ り 大 き い モ ー タ B を 用 い る こ と と し た .
図ト2
8にモータ B を 刷 い た 場 合 の JK マップを示す . 等 高 線 の 傾 向 の 図 4
2
1と の 違 い は モ
ータ特性
値
(Lm, R
m
.K
e
. Kt な ど ) の 差 異 に よ る も の で あ る . またモー タ Bで の 初 期
③ 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ Jを小さくする.
(4) チ ュ ー ニ ン グ マ ッ プ を 用 い る こ と に よ り , 現 状 の 設 計 f
!liで得られるサーボ特性と目
標値との距離,対策の効果が図示でき,設計者の理解を支慢することができた.
(5) J K マ ッ プ を 用 い た 具 体 的 な メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ
本チューニング法を適用した結果,自慢{直を満足する具体的な手段が選択できた.
同 様 の 方 法 で 修 正 ベ ク ト ル を 作 図 す る こ と に よ り , モ ー タ Bで は ボ ー ル ね じ 径 が d =:5
0
(
m
m
)のとき DT 1・ と D T 2を 同 時 に 満 足 で き る よ う に な っ た .
結 局 , こ の 設 計 目 標 を 達 成 す る た め に , モ ー タ を モ ー タ 81こ変更し,ねじ径 は d =36→
5
0
(
m
m
)に変更された.
結 論
送 り 駆 動 系 の 機構 部モデルを実機の同定により検証し,
この モ デ ル を 用 い た シ ミ ュ レ ー
シ ョ ン に よ り サ ー ボ 系 に 及 ぼ す メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ の 影 響 に つ い て 考 察 し た. またチ ュ
ーニングマップと修正ベクトルを使ったメカニカルパラメータのチューニング法のアルゴ
リ ズ ム を 構 築 し , 実 際 の 設 計 パ ラ メ ー タ 値 を使 っ て チ ュ ー ニ ン グ を 行 っ た . そ の 結 果 得 ら
れた結論は以下の通りである .
(1) 実 測 に よ っ て 得 ら れ た 周 波 数 応 答 と同定した力学パラ メータ を用 い て 計 算 した周 波
. Y. Z軸と も1
0
0(Hz)付 近 ま でよく一致した.
数応答は X
(2) 速 度 ル ー プ の 安 定 性 向 上 の た め に は , 次の 3 つ の 方 法 が 有 効 で あ る.
① 送 り 駆 動 機 構 の 固 有 振 動 数 を fc以上に す る.
② 減 衰 係 数 Cを 大 き く す る .
③ 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ Jお よ び 減 衰 係 数 Cを 同 時 に 大 き く し て 位 相 余 裕 の 低 下 を 防 ぐ .
(3) ク ロ ー ズ ド ル ー プ 制 御 に お い て 位 置 ル ー プ の 安 定 性 を 高 く す る た め に は
, 次の:3つ
の方法が有効である.
① 送 り 方 向 方 向 剛 性 Kを 高 め る か , 被 駆 動 部 質 賃 M を 低 減 す る こ と に よ っ て 送 り 駆 動 機
構 の 送 り 方 向 の 回 有 角 振 動 数 ωを大きくする.
② 案 内 面 の 減 衰 係 数 Cを大きくする.
ー
1
2
司
ー ニ ン グ の 手f
J
闘を提案し ,
実際にセミクローズドループおよびクローズドループの送り駆動系の設計値を使って
J
Oは , サ ー ボ モ ー タ の ロ ー タ イ ナ ー シ ャ や カ ッ プ リ ン グ の 違 い に よ り 図 42
1と異なる .
4.7
A
-1
3-
表5
・1 機械 Cの固有伝動数の計算結果
第5
章 同時多軸制御におけるチューニング
車
自
M
(
k
g
)
5. 1 結 論
×
Y
Z
こ れ ま で は ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ を 検 討 す る 第 1の ス テ ッ プ と し て 基 礎 的 な 1軸 の 運 動
M'
(
Hz
)
M'/M
(
k
g
)
式(
5
1
)
式(
5
2
)
比率
240 3475 14.0
675 5828
8
.5
1060 5997
5.7
206.2
132.8
105.4
199
.5
125.7
98.2
0.97
0.95
0.93
誤差の発生メカニズムから考え,そしてサーボ剛性を評価関数としたサーボパラメータチ
ューニングの方法について考察し,
さらに JKマ ッ プ を 用 い た メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ
ーニングの方法について提案し,それぞれのチューニング効果につ いて確認してきた.す
な わ ち サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ や メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ に つ い て , 基 礎 的 な 1軸
5.2 多 軸 メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ユ ン グ
5.2.1 固 有 振 動 数 の 操 作 変 数
の 運 動 に つ い て の み 扱 っ て き たが, *1):では実際の加工において多くみられる同時多制l
制
御を用いた必線補間や,円弧補間など複数の制御軸を対象としたチューニング方法に拡張
し,実用的なトータルチューニング手法として完成する.そこでまずこれらの運動の輪郭
送 り 駆 動 系 の 固 有 角 振 動 数 ωは,第 2な で 示 し た 機 惜 の 数 学 モ デ ル ( モ デ ル A) の 連 立
運動方程式の固有値として次のように求められる.
_
ω・-
誤差を小さくする観点から,チューニングアルゴリズムを導くことにする.この輪郭誤差
は. 2. 6.1節 で 示 し た よ う に , 運 動 開 始 か ら 十 分 時 間 が 経 っ た 後 に 残 存 す る 定 常 状 態 で
Ks・ (J/R2+M)
(M+Mb) ・(J/ R2
) +M .Mb
こ こ で 全 負 荷 イ ナ ー シ ャ を Ja{Nm'
s2) とすると,
(
ト 1)
一般に M >>Mbで あ る か ら 固 有 振 動 数 ω
の給郭誤差と,加減速等の指令変化に伴う過渡応答時の輪郭誤差に分けることができる.
しかし,近年の能率重視の工具経路では加減速のためのエアカットは許されず,また微小
線分で柿成された自由曲面のプログラムでは頻繁に加減速が繰り返され,過渡応答時の輪
は
,
ω
=r(Ks/ M' (J/ Ja) )
(
52
)
由
と求められる. さらに実用的な概略計算では,
郭誤差の低減が重要な問題となっているので,本研究では「過渡応答時および定常状態で
の 輪 郭 誤 差 の 低 減 Jを 目 標 に 多 軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 う こ と と し た .
ω
J/ Ja匂 l で あ る と し て ,
=
r(Ks/M)
近似するが,
(
ト 3)
こ れ は リ ー ド pが 比 較 的 小 さ い 場 合 に 限 り 成 立 す る . 最 近 で は 高 速 の 早 送 り
まず.本4Lの 5.2節 で は , 多 軸 メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ に つ い て 検 討 す る . 第 2章 の 考
速度を得るためにハイリード化の傾向にあり,
必 ず し も J句 Jaと 見 な せ な い 場 合 が 多 い .
銭より輪郭誤差の低減のためには機構部の伝達関数を各軸で揃えることが重要で,そのた
式(
5
2)および式 (
5-3
)を 用 い て 算 出 し た 結 果 , お よ び そ れ ら の 比 率 を 表 ト 1に示す.また,
めには各軸の固有振動数を揃える必要があることが分かった.そこでその固有振動数是操
用 い た 被 駆 動 体 の 質 量 M, サ ー ボ モ ー タ の ロ ー タ イ ナ ー シ ャ
Jmと ボ ー ル ね じ の イ ナ ー シ
作するにはどのメカニカルパラメータをどのように操作すれば良いかを検討する.そして
J Kマ ッ プ を 使 っ た 固 有 振 動 数 の 修 正 方 法 を 提 案 し , 多 軸 メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ の ア ル
ャ Jbを 合 わ せ た 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ Jを 送 り 方 向 に 換 算 し た 等 価 質 量 M' , お よ び M ・ /
Mの比率を併せて示す
ゴ リ ス ム を 摘 築 す る . また 5.3節 で は 多 軸 サ ー ボ チ ュ ー ニ ン グ の 検 討 を 行 う .
J/ Ja 1とした式{ト 3
)を用いた 回 有 角 振 動 数 の 計 算 価 と 式
まず定常
(ト 2
)を 用 い た 計 算 結 果 と の 差 は 5 %以下である.また点に示すように,
M'/Mが 大 き い
状態での輪郭誤差の低減方法について検討し,続いて加減速時等の過渡応答時の輪郭誤差
)は式(ト 2
)に近くなる.このことから, 一 般 に 小 型機 の 場 合 に は , ポ ー ル ね
ほど,式(ト 3
の低減方法を検討する.そして以上の一連の検討結果を踏まえて,多軸チューニングアル
ゴリズムを構築する
52
)を用いるべきで,中 ・大 型 工 作 機 械 に
じとサーボモータのイナーシャは小さいので式 (
5.4節 に お い て は , 輪 郭 誤 差 を シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実 機 に お い て
おいては,式(ト 3
)で も か な り 正 確 に 固 有 角 振 動 数 が 算 出 で き る こ と が 分 か る .
.5節 は 以 上 を ま と め た 本 章 の 結 論 で あ る .
測定し,チューニング効果を確認する.最後の 5
)に よ っ て 送 り 駆 動 系 の 固 有 角 振 動 数 を 算 出 す る こ と と し た .
本!lではより一般的な式(ト 2
)か ら わ か る よ う に , 固 有 角 振 動 数 ω をI
操作できるのは,
式(ト 2
ー
7
4-
ただし,
-7
5-
イナーシャ Ja (Jを含
む ) お よ び 送 り 方 向 剛 性 Ksである . す な わ ち , こ れ は メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン
グの際に J K マ ッ プ 上 で 固 有 角 振 動 数 の 変 化 の 様 子 、 同 時 に 検 討 す る こ と が で き る こ と を
意 味 し て い る . そ こ で JK マ ッ プ 上 で 固 有 角 振 動 数 ω が 等 し い 点 を 連 続 的 に つ な い だ 曲 線
を ω曲 線 と 呼 ぶ こ と に す る .ω 曲 線 は 式 (
5
2
)を 変 形 し た 次 式 で 表 さ れ る .
K ω 2・M. (J/ Ja
)
からチューニングを開始する.
(2) 現 在 の 設 計 値 (JO, KO) を中心に
および K を漸増し.
のできる最大サーボ剛性値を等高線で結び,
(3)修正ベクトルを計算して,
(
5
4)
j
その時の条件で得ること
JK マップを作成する.
J K マ J プに追記する.設 ~I・ u 悼 の サ ー ボ 則 性 . 立 上 が
り時間を満足するように修正ベクトルを選択する.この時点では ω曲線を描く必要は
なお,式(ト 2
)に J,K の 数 値 を 与 え て , 目 標 の 固 有 角 振 動 数 ω となる M を 求 め る こ と も
ないが,可能な限り固有振動数が大きくなる方向を選ぶ.式(ト2
)よ り 明 ら か な よ う に
できる.駆動体質量は低減することが非常に困難であるので操作変数としては適切ではな
ωを 向 上 す る に は Ksを増大するか.逆に Jや M を小さくする. ら し 質 量 の 変 更 を 行 っ
いが,地加することは可能であるし ,例えばテ ーブル上最大積載質 量 の 制 限 な ど で 見 か け
た 場 合 に は J K マップを描き直す.
上 低 下 さ せ る こ と も で き る . Jや Kで の 修 正 ベ ク ト ル に 限 界 が 生 じ た と き , 質 量 M の 変 更
(4) 固 有 振 動 数 の 次 に 低 い 軸 の チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . 同 械 に し て 作 成 し た JKマ ッ プ 上
に, 式(ト4
)による ω曲線を描く.
ら固有擬動数を揃える手段として効果的である.
こ の と き サ ー ボ 剛 性 の 日 掠 値 で 定 ま る JKマ ッ プ
上の領域を ω曲線が通過しない場合には,目探偵を見直さなければならない.
5.2.2
(5) チ ュ ー ニ ン グ 目 標 条 件 を 満 足 す る 範 囲 内 で ω 曲 線 に 近 づ く よ う に メ カ ニ カ ル チ ュ ー
加減速時の加速度と品大負荷質量の関係
ニングを行う.サーボ剛性値は,自僚条件を満足する範囲内ならば現状から減少して
,
サーボモータのトルク T は
T
もかまわない.
(
5
5
)
J. ( d ω /d t
)
と し て 点 さ れ る . 従 っ て, サ ー ボ モ ー タ の 鼠 大 ト ル ク Tmax(N'm)は 次 式 で 求 め る こ と が で
(6)
(4) の操作を残りの各軸について行い, 1
!
}ら れ た 各 軸 の 投 計 パ ラ メ ー タ を 肢 終 的
な設計値として決定する.
きる.
x=
2π.Nm
a
x, . • _. ..,
:
'
..
.
'
'
'
U
n
(J+R ・M) =
6
0・tr
2
•.
P2 • Nm
a
x
Y _ _ _• • "
.
.
_
n
3
7
7・tr
(
M' +M )
(ト 6
)
ここで、 Nmax: モ ー タ の 最 高 回 転 速 度 (
m
i
n-'
), tr:加 減 速 時 の 立 上 が り 時 間 (
s
).
従 っ て , こ の サ ー ボ モ ー タ が 駆 動 可 能 な 最 大 負 荷 質 量 Mmaxは
,
Mmax= (M・十 M)m
a
x= 377・Tmax'tr
/pz
.Nmax
ここで,
5.3 多 軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ーニング
5.3.1 定 常 状 態 で の 輪 郭 誤 差 の 低 減 方 法 の 検 討
ま ず 定 常 状 態 で の 輪 郭 誤 差を低減するチュ
(ト 7
)
p'Nmax/ 6 0は テ ー ブ ル 直 線 運 動 の 最 高 送 り 速 度 を 表 す か ら . こ れ を trで割る
と , こ の 項 は テ ー ブ ル 送 り の 立 上 が り 加 速 度 で あ る . 従って,式(ト7
)を 重 力 加 速 度 g に
対 す る 比 率 Gを用いて表すと,
(ト 8
)
通常の機械での加速度は, 0
.3--0.4G, 高 速 高 能 率 加 工 機 で は 0.8-1G以 上 で あ る .
輪郭誤;r
について検討する.複数軸の同時制御におい
て , 追 従 誤 差 の 比 が 送 り方向の傾きと一致し
が生じる.
チューニング手順
くX, Y)
e
Y 紬の追従践差
l
:
lY
図5
1に 示 す よ う な 輪 郭 誤 差
このときの追従誤差の定常Miet
は, 式 (2-19)で 示 し た よ う に 位 置 ル ー フ の 応
答 遅 れ に 基 づ く 追 従 誤 差 の 定 常 値 epに.加減
5.2. 3
指令位置
ー ニ ン グ 方 法 ( こ れ を チ ュ ー ニ ン グ 1 と呼ぶ)
ていない場合,
M"
,
・
.=O.64・1、max/P.G
Y
×
実際の位置
くX, y)
速に基づく追従誤差を加えたらのである.
et= (Ka+Ts) .F
(1) (上峨諸元から式(ト 2
)を 用 い て 各 軸 の 固 有 振 動 数 を 計 算 し , そ の 内 最 も 低 い 値 の 軸
(
2・19
).
ただし,
ー
7
6-
ー
7
7-
図5
1 同時 2軸制御における定常状態での
輪郭誤差
D / (Vg'Kt) + 1- Kf
表5
2
表5
3 1軸チュ一二ングの結果得られたサーボパラメータ
X,Y軸の各パラメータ
Ka =
Kp
V9(
A'
s
/
r
a
d
)
送 り 速 度 Fの 軸 分 配 比 が 送 り 方 向 の 傾 き と な る の で, 各 軸 の 追 従 誤 差 の 比 を 送 り 方 向 の
傾 き と 一 致 さ せ る に は , 各 軸 の Ka を等しくすればよいことになる,
Vgx
Vgy
Kf, Tsの 設 定 は 他
の パ ラ メ ー タ に 依 存 す る の で ,ま ず Kpを一 致 させる.
直線楠聞における定常状態での追従誤差の例として コーナーでのだれ現象がある.これ
Vgx (Tvs + b .Vix+ 1
)
Vgy (Tvs + b .Viy+1
)
Ja
x
' (s + Dx
/ Jx
)
Ja
y・(s+ Dy
/ Jy)
は厳密には定常状態での誤差ではないが,それが原因となって生じるので,フィードフォ
ワードゲインを適度に設定するなどの追従誤差を低減する対策をとればコーナーでのだれ
よ っ て , 次 の 2つ の 式 が 同 時 に 成 立 す る こ と に 等 し い .
(ト 1
1)
Vg
x/ Vg
y= Ja
x/ Ja
y
も低減できる.軸の追従誤差は低減でき,特に直線補間時の追従誤差を無くするためには,
s+ (b'Vi
x+ 1
) / Tv
2.4.3節 の 式 (2-20)で示したように,
s+ (b'Vi
y+ 1
) / Tv
s+Dx/ Jax
(2-20)'
Kf= 1+ D/ (Vg' Kt)
(ト 1
0
)
s+ Dy/ Jay
(ト 1
2
)
一 般 的 に は Dx/ Jax*Dy/ Ja
yであるから,任意の sで式 (5-12)が 成 立 す る に は
に す れ ば よ い . た だ し , 速 度 の オ ー バ ー シ ュ ー ト を 加 減 速 時 定 数 tsの 調 整 で 取 り き れ な い
ときには Kfを小さくする必要がある.
Vix= (Tv'Dx/Jax- 1) /b
(ト 1
3
)
Vi
y= (Tv'Dy/ Ja
y- 1) / b
(ト 1
4)
1軸 の み を 考 え た 場 合 に は , 実 現 可 能 範 囲 内 の 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ に つ い て . 安 定 性
5.3.2 過 渡 応 答 時 の 輪 郭 誤 差 の 低 減 方 法 の 検 討
を満たす 最大の Kpを各 々 求 め , 評 価 関 数 で あ る サ ー ボ 剛 性 Hが段大になる Vg, Vi, Kp
過 渡 応 答 時 の 輪 郭 誤 差 も 考 慮 し た 場 合 の チ ュ ー ニ ン グ ( こ れ を チ ュ ー ニ ン グ 2と呼ぶ)
Kpxを小きくした場合,
には.上記の定常状態での制約に加えて
Vgx, Vi
x以外で Hが最大になる可能性があるため,
もう 一 度 実
現可能領域内の速度ループノ f ラメータ (Kp, Vi) の 組 合 わ せ に つ い て サ ー ボ 剛 性 H を求
fKv(s)・Gω(s)も各軸問で等しく J
しなければならない.そしてその上でサーボ剛性が最大になるように各ループ内のサーボ
パラメータを設定し
を選択する. 2軸 同 時 制 御 の 場 合 に は , 高 い 方 の Kpを他方の軸の Kpの値に変更する.
め
,
Hが 最 大 に な る 組 を 選 択 す る 必 要 が あ る .
Kfを式 (
2・2
0
)により求める.
s
)・Gω(s)を 軸 聞 で 等 し く す る た め の 具 体 的 な 方 策 に つ い て 検 討 す る . 電 流 →
まず Kv(
角 速 度 問 の 伝 達 関 数 Gω(s)は, 式 (
4-2
)で示した 1次 遅 れ 形 の 伝 達 関 数 Gω2(
s
)で 近 似 で
きる .
5.3.3
チューニングアルゴリズム
同 時 多 軸 制 御 に お い て , 定 常 状 態 で の 輪 郭 誤 差 を 低 減 す る に は 第 2章 で 述 べ た よ う に 各
制御軸の間で
(4-2)・
Gω2(s)= Kt/ (Ja'
s+D)
一 方,速 度 制 御 器 Kv(
s
)は前述の図 2-11のようで,
X,Y軸 の 各 パ ラ メ ー タ は 表 5・2のよう
s
)は
,
であるとする.こ のとき , Kv(s)・Gω2(
(2)Ts,
(3)D/ (Vg.Kt)+1- Kf
の 3つの値を等しくしなければならない.この制約条件下で,
1軸 の み の 場 合 と 問 機 に サ
ー ボ 剛 性 が 最 大 限 大 き く な る よ う に 各 ル ー プ 内 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ を 設 定 し , Kfを 1+D
Kv(
s
)・Gω2(s)
/ (Vg.Kt) 以 下 で 最 も 大 き く す る .
a.Vg.Kt・(Tv.s+ b .V1+ 1)
(Ja's+D) ・(Tv's + 1)
となる.式 (5-9)より,
(l) Kp,
(
5
-9
)
Kv(
s
)・Gω2(
s
)を軸聞で等しくする 制 約 条 件 は次のようになる.
1軸 のみを考えた結果よりも,
逆 に 大 き く す る こ と は 安 定 性 や 振 動 の 面 か ら 不可能である .従っ て , 多 軸 問 で Kp, Tsを
等しくするには,
-7
8-
Kp, Kfを小さく, Tsを大きくすることには問題無いが,
Kpを最も小さな軸に揃え,
ー
Tsを 最 も 大 き な 軸 に 合 わ す し か な い . この
7
9-
表 5-5
ような観点に立って構築したサーボパラメータチューニングのアルゴリズムは以下のよう
になる.
~
X, yの 各 軸 に つ い て . ま ず 1軸 の み を 考 え た サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 っ て
得 ら れ た サ ー ボ パ ラ メ ー タ の 値 を 表 5・3の よ う に お く ( た だ し Kpx>Kpyとする) .
同時
フィードフォワードゲインと加減速時定数
指数関数加減速時
直線加減速時
×軸
Y軸
Z軸
Kt (
ー
)
1
.0001
1
.0011
1
.0008
Ts (
s
)
O
.025
O
.026
O
.021
×軸
Z軸
V
f
t
f
l
O
.12
O
.041
O
.61
O
.1
1
O
.053
O
.041
多軸制御における定常誤差,および過渡応答時の輪郭誤差低減のためのチューニングアル
ゴリズムは以下のようになる.
(1)式(ト 13
), (
ト 14)より,
表 5-6
Vix, Viyを決定する.
指数関数加j
戚速を用いた場合のチューニング 1の結果
(2) Vg, Viの 実 現 吋 能 領 域 及 び (1) で 決 定 し た Viより , 各 軸 の Vgの 最 大 値 を 求 め
~
Vg(A's/rad
Vgx/ Vgy は式 (
5・12)の 関 係 を 満 た す 必 要 が あ る の で , ど ち ら か の 値 を 小 さ
×軸
18 5
17 0 0
45
1.0 0 0 7
Y軸
170
1800
45
1.0 0 1 1
Z軸
180
1400
45
1.0008
る
くして調整する.
Kp (
s1
)
Vi (
ー
)
Kt
H
Ts(
s
)
O
.021
O
.021
O
.021
(3) 以 上 の 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ を 用 い て , 安 定 条 件 を 満 た す 最 大 の Kpを 求 め , 各 軸
の Kpの 中 で 小 E
きいものを共通の価として採用する.
(4) 1軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ 法 に よ り , 各 軸 ご と に Kf, Ts を計算する.
)と 小 さ い の で X, Z軸も 45(s・1
)とする. X, Z軸 に 関 し て , 実 現 可 能 領 域 内 の 速 度
(
s・1
(5) Kaを 各 軸 で 一 致 さ せ る .
ループパラメータについて.
Vg, Viを 求 め る . 結 果 と し て H が 最 大 と な る
(5 ー1) 指 数 関 数 加 減 速 の 場 合 : 式 (2-18)において
1+D/ (Vg'Kt) - Kf 0
(5 ー2) 直 線 加 減 速 の 場 合 :一 般に ,
D / (Vg'Kt) は Kf ,こ比較して非常に小さ
Vg, Viは l軸 の み を 考 慮 し た 場 合 と 変 わ
推奨している掠準設定値に比べてチューニング完了後のサーボ剛性は,
(1軸 チ ュ ー ニ ン グ と 比 較 す る と O
.9倍),
既に等しい.
サ ー ボ 剛 性 Hが 鼠 大 に な る
チ ュ ー ニ ン グ lの 完 了 後 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ を 点 5-4に示す. N Cメ ー カ が
らなかった.
と な る よ う に フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kf を 設 定 し て い る た め , 各 軸 の Ka は
y軸 で 約 4
.1倍 ( 向 上 0倍),
x軸 で 約 4.1倍
Z軸 で 約 3
.4倍
(同 O
.75倍 ) に な っ て い る .
続 い て フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kf及 び 加 減 速 時 定 数 Tsを 投 定 す る . 指 数 関 数 加 減 速
い の で , 大 き い 方 の Kfを 小 さ く す る こ と に よ り 一 致 さ せ る .
(6 ) 加 減 速 時 定 数 Tsを 各 軸 で 一 致 さ せ る . Tsを 小 さ く す る こ と は 機 械 振 動 の 点 か ら 問
の場合,
Kp, Vg, Viを表 5-4で示した値に設定し,
ると , 表 5・5の よ う に な っ た
題 が あ る の で , 各 軸 で Tsを 比 較 し . 最 も 大 き い 数 値 に 揃 え る .
なお,
Kp=45(s・1
)に固定した上で,
いる.そこで,
3軸 以 上 の 場 合 も , 同 様 の ア ル ゴ リ ズ ム で チ ュ ー ニ ン グ で き る .
各 軸 に つ い て 個 々 に Kf, Tsを 求 め
Tsは 各 軸 聞 で一 致しておらず,
z軸の Tsが 最 大 と な っ て
X, Y 軸の Tsを Z軸の Tsと 一 致 さ せ た チ ュ ー ニ ン グ 結 果 を 表 5-6に示す.
ま た 直 線 加 減 速 の 場 合 に は , 表 5-5のように Y軸の Kfが最小となった.そして,
5.4 多 軸 チ
A
{
l+D/
ーニングの効果の確認実験
を各軸間で一致させるため,
ケーススタディとして多軸チュ
ーニングを行う.定常状態のみを
考 慮 し た 場 合 ( チ ュ ー ニ ン グ 1)
で は , 各 軸 の Kpを 最 も 低 い 軸 に 合
わ せ る . す な わ ち .Y~I由の Kp が 45
Kf
}
(Vg'Kt)
1
X'
1
1
1
bおよび Z4
.67とする. Tsについては,
1
hの Kfを O
表 5-4 Kp, Vg, Viのチューニング lの結果
~
表 5-7 直線加減速を用いた場合のチューニング 1の結果
Kp(S-I)
Vg(A's/rad)
ー
)
Vi (
×軸
45
18 5
1700
Y軸
~
45
170
1800
×軸
185
Z軸
45
180
1400
Y軸
Z軸
- 80 -
V9(
A.s
lrad
)
KP(
51
)
ー
)
Kf(
T5(
5
)
17 0 0
45
170
1800
45
O
.053
O
.053
180
1400
45
O
. 67
O
. 67
O
. 67
Vi (
ー
)
-8
1-
O
.053
I
X, Z
9
表5
表5
・8 チューニング 2の各軸チューニング過程
一
一
一
一
一
N
'
m
'
Ja (
Yf
!
d
0
.
0
0
5
5
×軸
O
.0
0
5
6
O
.1
6
9
423
S
2
)
(
N'
m'
s
)
D
(
)
VI
A
'
s
/
r
a
d
)
Vg (
(
s
1
)
最大 Kp
O
.2
5
1
648
185
188
70
62
Zf
!
d
Kp,Vg,Viの
チューニング 2の結果
sーも)
卜¥ Kp(
0
.
0
0
4
7
O
.1
7
0
508
×
62
62
62
Y
Z
158
67
表5
・1
1 指数関数加減速を用いた場合のチューニング 2の結果
A
's
/
r
a
d
)
~ Vg(
V
g
(
A
'
s
/
r
a
d
) Vi(
・
)
422
188
185
158
×軸
Y軸
Z軸
6481
5081
Kp(
s'
)
185
170
Vi(
ー
}
422
648
158
508
62
62
62
Kf(
ー
}
1.0029
Ts(
s
)
1.0029
1.0029
O
.0
2
7
O
.0
2
7
O
.0
2
7
表5
1
2 直線加減速を用いた場合のチュー二ング 2の結果
軸 の Tsを 5
3(
m
s
)に 変 更 す る . 以 上 の チ ュ ー ニ ン グ 結 果 を 表 5
7に示す.
次に過渡応答時も )
t
/
)
書 し た チ ュ ー ニ ン グ 2を行う.
ra
d
)
~ Vg(A's!
送り駆動機構のパラメータ同定結
×軸
Y軸
果 よ り 導 か れ た 各 軸 の Ja, D の 値 を 使 っ て , 式 (
5
1
3
), (ト 1
4
)よ り 各 軸 の Viを 決 定 す る
と 表 ト 8の よ う に な っ た .
Z軸
185
170
158
こ こ で 第 3l:Lで示した速度ループパラメータの実現可能領域を
Vi(
ー
)
422
648
'
圃
圃
Kp(s '
)
Kf(
ー
)
62
62
62
O
. 50
O
. 50
O
. 50
508
Ts(
s
)
O
.0
2
7
O
.0
2
7
O
.0
2
7
参 考 と し て Viに 対 す る Vgの上限値を決定すると,
X軸 -220(A's/rad),
Y軸 一 185(A's/rad),
Z軸 = 195(A'
s/rad}
となる.また式 (
31
1)と名軸の Jaよ り , 各 軸 の Vgの比を求めることができ,
値
x軸 の Vgを
lとすると. Y軸 0
.98, Z軸 O
.8
4と な る . よ っ て , こ の 比 と 各 軸 の Vgの 上 限 値 よ り 各 軸 の
Vgが求まる.そして,
大 の Kpを求めると,
Vi, Vgの 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ に 対 し , 安 定 性 の 制 約 を 満 た す 最
Y軸 の Kpが最も小さいので, X
.Z紬 の Kpを Y軸 に 合 わ せ て 62(s-l)
とした.以上のチューニング結果を表5
・9
に示す.
サーボ剛性値は,
これらのパラメータ値から計算される
N Cメ ー カ が 推 突 し て い る 標 準 設 定 価 に 比 べ て ,
チューニングと比較した嶋合O
.3倍) ,Y軸 で 約 2.2倍 ( 同 O
.52倍) ,
ため,
X, Y 軸 の Tsを Z軸 の Tsと一 致 さ せ る . 以 上 の よ う に サ ー ボ パ ラ メ ー タ を チ ュ ー
-12に示す.
ニングした結果を表5
多 軸 チ ュ ー ニ ン グ は 輪 郭 誤 差 の 低 減 を 目 的 に , モ デルを用いたシミュ レーションにより
行われるが,実際の運動精度にどの程度の効果を 与えるかを調べるために実機を用いて輪
郭誤差の測定を行った.
こ の 測 定 の 対 象 と し た の は 機 械 A の X,Y,Z軸 で , 本 機 は 図 5・2
に 示 す よ う に 各 制 御 軸 の ス ケ ー ル フ ィ ー ド パ ック備をモニタすることができる. このリニ
x軸で約1.5倍 (1軸
アスケールの分解能は O
.05(μm), ス ケ ー ル フ ィ ー ド パ ッ ク 仙 の サ ン プ リ ン グ 周 期 は 5(ms)
z軸では約1.5倍 ( 同
である . 測 定 で は 最 も 単 純 な 直 線 術 開 運 動 を
O
.3
3倍 ) に 向 上 し て い る .
そ し て Kf及 び Tsを 設 定 す る . 指 数 関 数 加 減 速 の 場 合 ,
Kp, Vg, Viを 表 5-9の 値 に 設
(m/min)とした.なお,
式は,フィードフォワード制御を行う際には
-11に示す.
で X, Y 軸 の Tsを Z仙 の Tsと 一 致 さ せ る . こ の 場 合 の チ ュ ー ニ ン グ 結 果 を 表 5
無条件で直線加減速となるので,指数関数加
Y軸 の Kfが 最 も 小 さ い
{l+D/ (Vg.Kt) - Kf}を各
Tsを 各 軸 間 で 一 致 さ せ る
-13に示 す サ ー ボ パ ラ メ ー タ の 設 定
まず表 5
を行う.誤差を比較する際には加工時間を等
表5
・1
0 フィードフォワードゲインと加減速時定数
れ
よ
Kf (
ー
)
Ts (
s
)
指数関数加減速時
×軸
Y軸
Z軸
×軸
Y軸
1
.0
0
2
9
1
.0
0
2
9
1
.0
0
2
9
O
.0
2
5
O
.0
2
6
O
.0
2
7
O
.5
2
O
.0
2
5
O
.5
0
O
.0
2
6
_
_
.
.
_
ー
ー
ー
ー
-8
2-
RS232-C
計調1
1
mサンプ
リング CPU
しくしておく必要があるので,加減速時定数
は全てのチューニングで8
0(
m
s
)とした .ま た
直線加減速時
Z軸
O
.5
8
O
.0
2
7
定常状態での誤差をなくすため,紬問で
{
l+D/ (Vg.Kt) - Kf}を完全に一致
リニアスケール
4
x柚と Z軸 の Kfを O.50にした.また,
減速での測定は行わない.
1 1し
またu1線加減速の羽合には,
Z紬が独立
N C装 置 Aの 加 減 速 方
・1
0の よ う に Z軸 の Tsが 最 大 で あ る の
定 し , 各 軸 に つ い て 個 々 に Kf, Tsを 求 め る と , 表 5
軸問でー致させるため,
磁線内の部分は X, Y,
用 い, 指 令 送 り 速 度 は 最 高 切 削 送 り 速 度 の 5
図5
2 機よ計測システム(スケールフ ィード
パック値のモニタ機能〉の概要
-8
3-
・1
3 輪郭誤差の測定時に設定したタイプ別のサーポパラメータ
表5
2S
(
a
)標 準 設 定 値 (Kf. Tsについては標準設定値が存在しないので
ε20
チューニングアルゴリズムに従って Ts=72問 、 Kf=O.74と求めた.)
~
Vg(A's
!
rad)
×軸
150
682
Y軸
Z軸
150
150
(
・
)
VI
Kp(
s'
)
o
O. 74
682
682
33
O. 7 4
×
制
~
V9(
A
's
/
r
a
d
)
×軸
185
1700
45
O. 6 7
Y軸
17 0
1800
45
O. 67
Z軸
180
1400
45
O. 67
V1(-)
Kp(
s→)
Kf(
ー
)
部
料 … ータ
o
I
S
1
0
1
0
制
部
5
~
5
聡
~
j i / チューニング 1の
1
5
×
O. 7 4
(
b
)チューニング 1 〈定常状態での輪郭誤差を考慮〉
/l/
20
。、E
'd
ー
)
Kf(
33
33
25
,/
'
μ
チュ ーニン グ 2の
パラメータ
、
、
、
。
鋸
1
'
¥ラメータ
.、~
一『『ーー一ー一ーー一一
(
c
)チューニング 2 (過渡応答の輪郭誤差も考慮〉
)
Vパ
Kp(SI)
×軸
188
422
62
Y軸
17 0
648
62
O. 50
Z軸
158
508
62
O. 50
させる必要があるが,
チューニング 2のパラメータ
ー
)
Kf(
-5
0
O. 50
時
02
間
03
0
4
.
s
05
0
.
3
02
04
05
s
間
図5
-4 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る X Y平 面
給郭民差の計算結果
N C装 置 A で は Kfの 設 定 が 小 数 点 以 下 2桁 ま で と な っ て い る た め
形 も シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と は 異 な る . この理由
XZ及 び YZの 2軸 同 時 制 御 で 直 線 補 聞 を 行 う . 各 軸 を 問 速 度 で 運 動 さ せ る た め ,
としては, 送 り 駆 動 機 構 パ ラ メ ー タ , 特 に 案
指令送り忘向を各軸と 4
5皮 を な す 方 向 と し た . こ の と き 各 軸 ス ケ ー ル フ ィ ー ド パ ッ ク 値 か
内面の減衰係数の同定誤差が考えられる. す
X(t),Y(t). Z(t)を そ れ ぞ れ 時 刻 tに お け る X.Y.Z各 軸 の 位 置 と す
なわち, 案 内 面 の 減 衰 係 数 は 周 波 数 応 答 の ピ
ら輪郭誤差を得る.
0
.
1
時
図5
3 X Y平 面 で の 輪 郭 誤 差 の 実 測 結 果
〈機械 A)
l
こ
, 軸聞で若干の差が存在することが考えられる.
X Y,
0
.
1
n
u
Vg(A's/rad)
phd
~
20
1
5
E
。
唱
ると,
・1
7に 示 し た 幾 何 学 的 関 係 よ り ,
図2
ーク付近の曲率から求められるので誤差が生
た と え ば X Y平 面 で あ れ ば ,
じやすく,
{X(t}-Y(t}} .sin(π/4)
また本機のようなすべり案内では
1
0
か ら 同 時 2軸 制 御 時 の 輪 郭 誤 差 を 算 出 す る . こ の と き の 輪 郭 誤 差 を 測 定 し た 結 果 を 図 5
・3
に
,
油膜の状態によって左右されやすい.式(
3
1
3
)
・4
また.モデルを用いて実測と同じ条件で輪郭誤差のシミュレーションを行った結果を図5
で 示 し た よ う に タ イ プ 2の チ ュ ー ニ ン グ で は
お
I
!
!
3
.5(μm).チ品
に示す. 輪 郭 誤 差 の 実 測 結 果 を 両 振 幅 で 比 較 す る と , 機 準 設 定 値 の 場 合 は 1
Viを 減 蓑 係 数 に 従 っ て 設 定 し て い る の で . 案
部
1(μm). テ ュ ー ニ ン グ 2の 場 合 に は 7
.1(μm)と な り 多 軸 チ ュ ー ニ ン
ー ニ ン グ lの 場 合 に は 1
内面の減衰係数の同定値に誤差があったため
5
X軸 の 案 内 面 の 減 衰 係 数 が
μ m)を 中 心 に し た 振 動 が 残 っ て い る が , こ の 成
実国IJ結 果 に お い て , 約 0.2{s)以降でト1.5(
ここでいま仮に,
分を無視すると輪郭誤涯は5
.6(μm)で あ る と 見 る こ と が で き る . こ の 成 分 は シ ミ ュ レ ー シ
1
.05XI0 (
N
'
s
/
m
)でなく
ョンでは考慮.していない間勤抵抗による追従遅れや測定器のノイズ等により生じたものと
・
ところで実測結果ではシミュレーションほど誤差低減効果が現れておらず,
- 84
また誤差の
-5
ー1
0
0
0
1
.
時
・
C=1
.3
0xl0H
'
s
/
m
0
.
2
間
0
.
3
0
4
.
0
.
5
s
あったと仮定してシミュレーションを行って
みると,
考えられる.
・
1
.3xI0 {
N
'
s
/
m
}で
想
/
に輪郭誤差の低減効果が減少したと 恩われる .
、
、
、
、
、
J
/
チ ュ ー ニ ン グ 2に よ る 輪 郭 誤 差 低 減 の
.
酔
。、、、、
、
'
,
,
,
,
CQ
グ に よ る 愉 郭 誤 差 の 低 減 効 果 が 確 認 で き た . なお,
寮内面の;成衰係数
C =1
.05x1
0• H• s
/圃
×
・5に 示 す よ う に 実 測 結 果 と 同 線
図5
にマイナス方向の誤差が増加することから,
-8
5-
図5
5 案 内 面 の 減 衰 係 数 を 変 更 時 の X Y平 面
の輪郭銭差のシミュレーション結果
1
0
1
0
6
!
!
1 ,チュ ーニン グ 2のパラメ ー タ
25
ハ
ヤ
/
デ
ユ
ー
ス
ヨ
ゴ
佃作
。20
20
チューニング 2のパラメータ
×
1
5
1
5
時
xz
0
2
0
.
3
間
図5
1 シミュレーションによる
輪郭思差の計算結果
平面での輪郭額差の実測結果
〈機 械 A)
0
.
4
05
s
xz平 面
実際の案内面の減衰係数が同定時から変化した可能性がある .
xz軸 の 同 時 2軸 制 御 で の 輪 郭 誤 差 の 測 定 結 果 を 図 ト 6に . ま た 実 測 と 同 条 件 の モ デ ル を
用いた輪郭誤差のシミュレーションの結果を図5
7に示す.
輪 郭 誤 差 の 実 測結 果 を 両 振 幅
5
0
0
.
1
時
0
2
0
.
3
間
0
.
4
0
.
5
畠
5
0
s
0
1
0
2
時
図5
8 YZ平面での輪郭誤差の実測結果
〈機械 A)
ミ
s
0
.
1
-E
4
0
EU
世
O~
-a
図5
6
間
ω
一
。
=
-
~
-
5
﹃
。
保
一
一
-
s
!
、、
9
寺
0
.
3
チューニング 2の
パラメ ー タ
制
5
チューニング 2のパラメ ー タ
02
j
/
1
1
1
0
時
-2
0
.
1
チューニング 1の
パラメータ
邸
¥¥
.
.
鋸
-4
0
〆標準的パラメータ
、
‘
、
、 、
。
白阜
25
。
、ε
唱
~
部
30
ε
標準的パラメータ
制
。
訴
~
4
2
部
,
"
'
,
O-×
ト/
4
制
ν/
8
/~票 ' $主 t内 パラメータ
﹄
6
εUO- ×
ε ?OFX
8
30
0
.
3
間
0
.
4
0
.
5
s
図5
-9 シミュレーションによる YZ平 面
輪郭誤差の計算結果
およびサーボパラメータのチューニング法を導き,
トータルチューニングアルゴリズムを
構 築 した. さらに この ア ル ゴ リ ズ ム を 実 在 す る 立 形 マ シ ン ニ グ セ ン タ の X, Y, Z軸 に 適
周した. そ の 結 果 得 ら れ た 本 章 の 主 な 結 論 は 以 下 の 通 り で あ る .
で比較すると関節設定値の場合は 9
.2(μm), チ ュ ー ニ ン グ 1の 場 合 に は 5(μm), チ ュ ー ニ
(1) 同 時 多 軸 制 御 に お け る 輪 郭 誤 差 を 段 小 に す る に は , 各中b
Iの 伝 達 関 数 を 等 し く す る こ
ング 2 の 場 合 に は 5
.2(μm)で あ っ た. チ ュ ー ニ ン グ lと 2で 輪 郭 誤 差 畳 は ほ と ん ど 変 わ ら
とが重要である. そ の た め に は ま ず メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ に て 固 有 振 動 数 を 各 軸
ず
,
チ ュ ー ニ ン グ lの 方 が 誤 差 は 小 さ く な っ て い る . こ の 原 因 と し て 先 に 挙 げ た 案 内 面 の
で揃えておき, 続 い て サ ー ボ パ ラ メータチ
A
ーニングを施すのが有効である.
(2) J Kマ ッ プ 上 に 固 有 振 動 数 が一 定の曲線を沼ねて描き, サ ー ボ 剛 性 と 国 有 振 動 数 の
減京係数の誤差が身えられる.
9に
Y Z軸 の 同 時 2軸 制 御 を 行 っ た 場 合 の 輪 郭 誤 差 を 測 定 し た 結 果 を 図 5・8に 示 す . 図 5
は
, モデルを用い実測と同じ条件で輪郭誤差のシミュレーションを行った結果を示す. 輪
郭誤差二定制{!Uの両振幅を比較すると標準設定値の場合は 1
8
.
4
(/
.
lm
),チューニング 1の 場 合
国際値を同時に満足する修正ベクトルを選択することにより,
同時多軸メカニカル
チューニングが行える.
(3) 標 準 的 な サ ー ボ パ ラ メ ー タ の 機 械 に 対 し て ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ を 施 し た 結 果 , シ
こ
には 1
6
.2(μm), チ ュ ー ニ ン グ 2 の 場 合 に は 10(μm)で あ っ た . こ れ に よ り チ ュ ー ニ ン グ i
ミュレーションでは輪郭誤差がほとんと無くなり,
よる給郭誤差の低減効果が確認できた.
が 低 減 し , チューニングの効果が確認てきた. 実測の場合の減少の程度は,
レ ー シ ョ ン ほ ど 大 幅 な 低 減 で は な か ったが,
5.5 結
定誤差に起因する.
論
給 郭 誤 差 を 低 減 す る た め の 制 約 条 件 か ら , 同 時 多 軸 制 御 の 場 合 の メ カ ニ カ ル パ ラ メータ
事
8
6-
‘
8
7-
また実測した場合にも給郭誤差
シミュ
この去異は送り駆動部パラメータの同
ような問題点が存在するかを正確に知ることはできない.従来より,送り駆動機惜の静・
第6
章 送り駆動機構の組立調整時の欠陥発見法
動特性を解析したり評価する方法についての研究は多数行われきたが‘け・‘ 3) .川¥静・動
特性に関する情造上の欠点を効率よく見つける刀法についての研究はほとんどない.静・
6.1 結 論
動特性の欠陥を見つけるのは設計者,研究者の永年の経験に蚤ねられており,投計上か,
トータルチューニングの最終日僚は第 2 J-;tで述べたように , 同 一 仕 様 の 条 件 下 で 最 大 能
製造上の問題であるか決めることができるほど明確な判定基邸がないのが現状である. ト
力を発伺できる NC送 り 駆 動 系 を 実 現 す る こ と で あ る . 換 苫 す れ ば 要 求 仕 械 を 満 足 す る 最
ータルチューニングにより設計段階での送り駆動機慌の性能向上が可能となれば,実機で
l
l
Jることである. このように設計に無駄がなく , 限 界 に 近 い 機 構 で あ
小限の送り駆動系を t
の静 ・動 特 性 を 低 下 さ せ て い る 原 因 を 見 つ け る 手 誌 を 確 立 す る こ と の 必 要 性 が 8らに増大
れ ば , 設 計 時 に 使 用 す る 安 全 率 , す な わ ち 製 造 工 程 に お け る 部 品 素 材, 加 工 , 組 立 時 の 接
する.そこで本立では上述の
触剛性等のバラツキら当然低く抑えなければならない.また仮に,何らかの問題があり,
ら NC工 作 機 械 の 欠 陥 を 特 定 す る 手 法 を 開 発 す る .
設計時の期待遇りの性能が出ないことがあれば,その問題箇所を効率よく特定して改善し,
DAC測 定 法 を 用 い て , 設 計 時 と 実 機 の 静 ・ 動 特 性 の 比 較 か
本 章 の 6.2節では,静剛性と固有振動数の比較基準となる設計偵の理論的検討を行い,
送り系全体としての性能を少しでも設計時の性能に近づける修正作業が不可欠である.こ
6
.3節 で は 欠 摘 発 見 法 で 用 い て い る 静 特 性 お よ び 勤 特 性 DAC制定法について.原理と方
うした作業工程もー屈のチューニング作業であると見なすことができ,
法を述べる.
トータルチューニ
ングの流れの中で彊援な位置を占める.なお,運動性能の低下は,制御系と機械系の原因
が複合して引き起こされるが,
開発されている 17)ので,
D B B装置を使ってこの 2 つ を 分 離 , 特 定 す る 技 術 が 別 途
ここでは機械系の設計,組立.調整に係わる原因を 発 見 す る 技 術
6.4節では NC工 作 機 械 に お け る 送 り 駆 動 機 柿 の 静 ・動特性を低下 さ せ る
原因について分煩し,欠陥発見法のアルゴリズムについて考察する.
.5節 で は
そして 6
ケ ー ス ス タ デ ィ と し て 本 法 を 立 型 , 儲 型 の 計 3台 の 現 用 の マ シ ニ ン グ セ ン タ に 適 用 し , そ
れらに存在する騒々の欠陥の発見を試みる
6.6節 は 以 上 を ま と め た 本 立 の 結 論 で あ る .
に限定する.
さて,
この組立時のチューニング過程では,設計時と実機との性能を比較することが基
6.2
静・勤特性値の理論的考察
I性 や 固 有 振 動 数 な ど が あ る . 静 剛 性 の 測 定
本 で あ る . そ の 詳 価 す べ き 特 性 と し て は . 静 岡J
6.2. 1 送り 駆 動 部 の静特性
法 と し て は . 被 駆 動 体 に 外 力 を与えた場 合 の 力 と 弾 性 変 形 の 関 係 を測定する 方 法 が一 般的
い た イ ン パ ル ス 加 振 法 a1) •
であり,動特性の測定法には,正弦波加振法及びハンマを月1
l
')などがある .
静剛性や正弦j
皮加振による測定には,特別の治具が必要であり,測定の
送り駆動部の静剛性には,送り方向(ボールねじの軸方向)とねじり方向(回転方向)
の剛性の 2つ が あ る が , 第 2.i;tで述べたように1d近の工作機械のボールねじゃカ
I
プリン
準備に多く の費 用 と 時 間 を 要 す る .またイン パルス加掘法は ,加 振 力 が 理 想 的 な デ ル タ 関
グのねじり剛性は非常に高く,送り方向の剛性のみを考慮すればよい.送り駆動機情全体
数形にな らな いことが多く,周波数によ って変化し, 一定とはな ら な い . さ ら に 平 均 化 が
j式)によ
の送り方向剛性はボールねじの支持方式(ダブルアンカ方式とシングルアンカ J
必 ずし も測 定粉 度 を 向 上 さ せ る こ と に は つ な が ら な い な ど の 問 題 が あ る . そ こ で 本 研 究 で
1
って大き く異なる.まずダブルアンカ方式の場合は,送り駆動機構の送り方向剛性を図 6
は,特 別 な 測 定 機 器 や 治 共 を 必 要 と せ ず , セ ッ ト ア ッ プ に 要 す る 労 力 や 時 間 も少なく,さ
のように モ デル化することができる.国においてサフィ
J
Iできる
まざま な 機 障 を 対 集 に 固 H掘動数を実J1t
ィクス 2を反サーボモータ側と定義し,
DAC制 定 法 を 採 用 す る こ と と し た . DA
y
クス iを サ ー ボ モ ー タ 側 , サ フ
Kh1
.Kh2を軸受ブラケ
1
トおよびその支持部の送
C とは静剛性および 回行掘動 数 の i
f
t
l
J定に用いる 3つ の物思量 Qisplacement{変 位,
) ~ccele
.Kb2を軸受の送り方向の剛性 (N/m), Ksl
.Ks2を ポ ー ル ね じ の 送
り方向剛性 (N/m), Kb1
ration(加速度)およびc_
urrent(
電流)の頭文字を組立てたものである
N
/
r
n
}とする. 送り J
j向 剛 性 は , ポ ー ル ね
り方向剛性 (N/m), Knをナットの送り方向剛性 {
40)
実際の NC工 作 機 械 は さ ま ざ ま な 構 造 を し て お り , ま た 送 り 駆 動 機 構 の 静 ・動 特 性 に は
じゃナット部および軸受部とその取り付けプラケット部なとのお剛性が直列に速成された
ボールねじ部, 軸 受 , 支 持 部 な ど の 寸 法 , 被 駆 動 体 の 質 問 , 案 内 面 の 構 造 な ど 多 数 の 要 素
等 価 な ば ね 定 数 で 表 さ れ る . 従 っ て 送 り 駆 動 機 情 全 体 の 送 り ん 向 の 剛 性 K {N/m},ブラケ
が影響しているので,単に全体の静・勤特性を測定するのみでは,機械のどの部分にどの
l, Kh2を 無 限 大 と し た 場 合 の 送 り 駆 動 機 捕 令 体 の 送 り 方 向 の 剛 性 Ky
ットの支持剛性 Kh
-8
8-
-8
9-
ボ ー ル ね じ が 車 結 さ れ , 中 間 に 変 速 傾 掃 を 持 た な い も の と す る . こ の 送 り 駆 動 機 構 は 2.
Kn
3.3節 で 示 し た よ う に 2自由度の振動系で近似できる. そ し て 前 述 の よ う に ね じ り 剛 性
サーボモータ側
Kgが 送 り 方 向 の 剛 性 K よ り 十 分 に 大 き い と す れ ば . 送 り 駆 動 機 惜 の 運 動 方 程 式 か ら 固 有 振
Kn
動 数 fnは , 式 (5-2)よ り 求 め る こ と が で き る . さ ら に . サ ー ボ モ ー タ と ポ ー ル ね じ の イ ナ ー
シャを送り方向{こ換算した質量が被駆動体の質盟より十分大きい場合には,
図6
1 送り駆動機構の送り方向剛性のモデル
〈ダブルアンカ方式の場合〉
2 送り駆動機構の送り方向剛性のモデル
図6
〈シングルアンカ方式の場合〉
式(ト 3
}のよ
う に 近 似 で き る . 式 か ら わ か る よ う に , 固 有 振 動 数 fnは 送 り 駆 動 機 楕 の 送 り 方 向 の 剛 性 K
の1/2乗 に 比 例 し て い る . J/Ja=1 と し て 求 め た 式 (
5・3)より,中・大型機では次のよう
{
N
/
m
}は そ れ ぞ れ 次 の 式 で 与 え ら れ る .
H
z
)を求めることができる.
に 固 有 娠 動 数 fn(
((~ー+ーよー +_1ー)・ 1 + (ー土ー+ー土ー+ー土ー)・ 2ド 1+
Khl
K
Kbl
Ksl '
. Ks2
Kb2
Kh2 .
_
1
_
Kn
(ト 1
)
1
一K
VJ
(
{ー土ー+ーとー}_1+ (_
_1ー +ーとー )-I} -1+ ーよー
Kbl
Ksl'
.Ks2
Kb2 '
Kn
(
6
2
)
こ こ で ボ ー ル ね じ の 送 り 方 向 の 剛 性 Kslと Ks2は , 式 (
2
5
)に お い て サ ー ボ モ ー タ 側 お よ び
m
)を L1
.L2として求めることができる.また,
反サーボモータ側の軸受とナット間の距離 (
fn=(1/2π) (Ks/ M) 1
/2
送 り 方 向 の 剛 性 Kは ダ ブ ル ア ン カ 方 式 の 場 合 は サ ー ボ モ ー タ 側 と 反 サ ー ボ モ ー タ 側 の 支
持軸受の中央にナットが位置するときに,
シングルアンカの場合は反モータ側の軸受の所
に ナ ッ ト が 位 置 す る 時 の ボ ー ル ね じ 剛 性 Ksが I
及小となる.
このときのダブルアンカの闇
有 振 動 数 fn
d, シ ン グ ル ア ン カ の 固 有 振 動 数 fn
sは , ボ ー ル ね じ の 形 状 パ ラ メ ー タ dcと L
を使用してそれぞれ次のように表すことができる.
fnd=A'
ナ ッ ト の 剛 性 Knお よ び 軸 受 の 耐 性 Kbは , そ れ ぞ れ 式 (
2
6)および式 (2-7)に よ っ て 得 ら れ
る.
(
ト7
)
~ー.
(L M)
fn
s-
1/ 3
A
2
dc
(LM) 1
/
2
(
ト8
)
ただし A= (πE) 1/1/2π とする.
ナ ッ ト が 支 持 軸 受 間 距 離 の 中 央 に 位 置 し , か っ 支 持 軸 受 の 剛 性 Kbl= Kb2= Kb, 軸 受 プ
ラ ケ ッ ト の 剛 性 Khl= Kh2= Khの場合,式(ト 1
),式(ト 2
)は 次 の よ う に な る .
1
K
1
1
K2 + 2kh
1
1
1
Ksl+ KS2 + 2kb
τ7
『
6.3
(6-3)
1
+ー玄了
(ト 4
)
シングルアンカの場合は送り駆動機構を図 6
・2
のように単純にモデル化することができる .
このとき,
1
1
1
6.3.1 静 剛 性 の D A C測 定 法
静 剛 性 の D A C測定法は,
r
N C工 作 機 械 に お い て 円 弧 補 問 時 の 象 限 切 換 の 際 に 生 じ る
ロ ス ト モ ー シ ョ ン の 原 因 は , 摺 動 抵 抗 に よ る 送 り 駆 動 機 惜 の 弾 性 変 形 で あ る J という関係
を利用する.すなわち被駆動体の運動方向が反転する際のロストモーション置とサーボモ
K, Kyは 各 々 次 の 式 で 与 え ら れ る .
一一
一一=一一一K
一y
一+一一一
一一
K
Khl
D A C測 定 法
(
6
5
)
ー タ の 電 機 子 電 流 の 関 係 か ら 静 岡f
性を求める. (付綜 3の
F
ロ ス ト モ ー シ ョ ン の 生 成 機権 J
を参照のこと)
1
一一
一一器一一
一一一+一一
一一一+一一一
一一
Ky
Kbl
Ksl
Kn
(
6
6
)
送 り 駆 動 機 構 の 静 岡1
性K{
N
/m}は
,
Paを 送 り 方 向 の 荷 量 {N}, δ を 主 軸 i
こ対する被駆動体
の相対変位 (
m
)と し て 次 式 で 定 義 さ れ る .
K=~
6.2.2 送 り 駆 動 部 の 動 特 性
{
6
9}
δ
対象とする送り駆動機構は,大多数の工作機械が採用しているように,サーボモータと
-9
0
甲
ロストモーション量!1u は , 被 駆 動 体 に 作 用 す る
-9
1-
m動 抵 抗 に よ る 送 り 駆 動 機 構 の 弾 性 変
形 o x (m)が運動方向反転時に反対方向に生しるので,
o u= Ox1+ Ox2=
すなわち,
Fl
' +F2'
K
(6-10)
こ れ ら の 測 定 を 約 0.1
.
.
.
.
.
.
3{
m/min}
の範囲の 1
1種 類 の 送 り 速 度 で , 時 計 四 り方向
と 反 時 計 回 り 方 向 に つ い て 行 い . ロストモー
となる. ここで,
OX1, Ox2は そ れ ぞ れ 反 転 車 前/ 直 後 の 弾 性 変 形 置 の 絶 対 値 (
m
), F1
~叶τコi斗π÷百円。
ション置と電機子電流値との関係のグラフか
図6
4 簡略化した NCサーボ部
F2
' はそれぞれ反転直前/直後の摺動抵抗の絶対値 (
N
)である.
ら,その傾きとして静剛性値を求める.
-}
j
,
サ ー ボ モ ー タ の 電 機 子 電 流 値 i{A}と出力トルク T (
N'
m
)の 間 に は 次 の 関 係 が あ る .
すなわち,
こ の 比 例 定 数 で あ る ト ル ク 定 数 Kt(
N'
m/A)を 用 い て ,
T
6.3.2 動 特 性 の DAC法 に よ る 測 定
(6-11)
Kt. i
動特性の
ま た , 送 り 駆 動 機 情 に 作 用 す る 摺 勤 抵 抗 F' は
,
F' :
2π(T-T1)
(6-12)
P
られる.
2πp(Kt(i1+ i2)-2T1)
(6-13)
Ou
衝竪力は式(ト 1
1),式 (6-12) で 示 し た よ う に サ ー ボ モ ー タ の 電 流 値 に 比 例 す る の で , モ ー
サーボモータは
止時のサーボモータの電機子電流値と被駆動体の振動加速度を検出し,両者の聞の周波数
応答を求めて,送り駆動機構の動特性を測定する.
i1
, i2は そ れ ぞ れ 反 転 車 前/ 直 後
動特性の
のサーボモータの電流値の絶対値 (
A
)である.
DBB袈置
ACサ ー ボ モ ー タ を 使 用 し て
主軸頭
の持続時間は
NCサ ー ボ 部 の 応 答 特 性 に よ っ て 決 ま る . NCサーボ部のブロ・1 ク 線 図 は 2
.
ン Kp(
s1
) よ り 十 分 大 き い の で ( 例 え ば Kp=33(s 1
), Kv(s) 500{S-I}).負 荷 ト ル ク の
m械 子 市 流 を 容 易 に 測 定 す る こ と が で き る .
事
影響を除外して整理すると,図6
4の よ う に 簡 略 化 で き る . よ っ て サ ー ボ 系 の 全 体 の 周 波
ロストモーション聞の測定システムの概要
s
)は 次 式 で 表 さ れ る .
数応答 G(
を図 6・3に 示 す . パ ッ ク ラ ッ シ ュ 補 正 震 を Oに
G(
s
)=
xy平 面 で 半 径 0.150(m)の D s s測 定 を
x軸 の 運 動 )j向 反 転 時 す な わ ち 円 弧 楠
一 1一一
i
1 + Tss
- Tps
1t
(ト 1
4
)
応 答 特 性 は ほ と ん ど 加 減 速 時 定 数 Tsと 位 置 制 御 ル ー プ 時 定 数 Tp (= 1
/ Kp) に よ り 定
聞の象限切換時のロストモーション畳を測定
まる.
する.同時にサーボモータの電機子電流値を
電流波形
波形記録袋詰に記録し,サーボモータのトル
ロストモーション量
測 定 結 果 の 信 頼 性 を 確 保 す る た め に は , イ ン パ ル ス 加 娠 力 の 作 用 時 間 tの 範 囲 を O
.3/tn ~
t?1
/fnにする必要がある‘り.
ク 定 数 を 乗 じ て モ ー タ の 出 力 ト ル ク T に換算
する. ロ ス ト モ ー シ ョ ン 毘 は 送 り 速 度 に よ っ
DAC測 定 法 に お い て は , 加 振 力 に 相 当 す る イ ン パ ル ス 状 の サ ー ボ モ ー タ 電 流
3.2節 で 示したように近似でき7.>.通常, iAl.立制御ループゲイン Kv(s)は 位 置 ア ン プ ゲ イ
いるので,制御ユニットのモニタの端子から,
行い,
NC指 令 で 急 停 止 さ せ る と , サ ー ボ モ ー タ の 電 流 は イ ン パ ル
タ の 電 流 値 を 加 振 力 と 見 な す こ と ができる . 通常 の イ ン パ ル ス 加 娠 法 と 同 じ よ う に , 急 停
K
し
,
している状態から被駆動体を
ス 状 に 変 化 し て 出 力 ト ル ク は 送 り 方 向 の 衝 幣 ノJと な り , 送 り 駆 動 機 権 が 励 振 さ れ る . こ の
として去されるから ,送り方向の静剛性 Kはこれらを式 (
6
9
)に 代 入 し て , 次 の よ う に 求 め
ただし,
DAC法 は 基 本 的 に は イ ン パ ル ス 加 振 法 に 合 ま れ る . す な わ ち 一 定 速 度 で 移 動
図6
3 静開j
性 DAC測定法の測定システム概要
て変化することを利用して,種々のロストモ
ーション日と電機子電流{直との組合わせを測
通 常 , 中 ・大 型 工 作 機 械 の 送 り 駆 動 機 構 の 固 有 振 動 数
fnは数 1
0(
H
z
)
"
"
'
_200{
H
z
}で あ る の で , 通 常 の 送 り 駆 動 機 情 に お い て は サ ー ボ モ ー タ 電 流 に
よ る イ ン パ ル ス 加 振 力 の 加 振 時 間 は t=1
/fnに は な ら な い . そ の た め , 図 2
4に示すブロ
ック線図の位置ループを解除し,速度ループのみによる迎転の下でステップ状の速度指令
を 与 え る . 速 度 制 御 ル ー プ の 1/Kv{s)は 非 常 に 小 さ い の で , そ の と き の 加 振 力 の 持 続 時 間
定 し , そ の 比 例 定 数 を 静 岡f
性値として求める.
-9
2-
9
3-
現用されている
tは 大 幅 に 短 く な る . い ま 加 減 速 時 定 数 Ts
NC工 作 機 減 に は さ ま ざ ま な 情 i
さのものがあり,送り駆動機構の静・動
を Oに投定すると.サーボ系は l次 遅 れ 系 に
特 性 低 下 の 原 因 と し て 非 常 に 多 数 の も の が 考 え ら れ る . しかし,近年送り駆動機情の静・
なり. 1次 遅 れ 系 の 時 定 数 は Tpになる . 一
動特性は従来よりかなり良くなってきたので,ほとんどは考えられるだけで実際には大き
般に,位置アンプゲインは K
p
=
3
0
.
.
.
.
.
.
.
3
3
(
s
l
)
な問題になっていない.従って実用的な観点からはすべてを考慮する必要はなく,重要な
に設定されることが多いので.加減速時定数
もののみを考慮すれば十分である.
送り駆動機惜の欠陥には,
を Ts 0にしても.加振力の作用時間は t =
(1) 静 剛 性 を 低 下 さ せ る 欠 陥
0
.
0
2(
s
)以上になる.
(2) 勤 特 性 を 低 下 さ せ る 欠 陥
動 特 性 D A C測 定 法 の 概 要 を 図 ト 5に示す.
位位制御ループを解除し,速度制御ループ運
に 大 別 で き る . (1) と (2) は さ ら に 設 計 上 の 問 題 と 制 作 上 の 問 題 に 分 類 で き る . 投 計
転に切り挽え ,移動中の被駆動体を急停止さ
上 の 問 題 と は , ボ ー ル ね じ 径 の 過 小 , 被 駆 動 体 の 質 R過大など設計段階における設計ミス,
せる . そ の 時 の サ ー ボ モ ー タ の 電 流 値 を 制 御
構造の不合理によるものである . 製作上の問題とは,製作段階で生じる調整,組立ミスお
よび部品の欠陥などである.そのほかに,使用段階において発生するナット,軸受ブラケ
ユ ニ ッ ト の 電 流 モ ニ タ を 介 し . F F T アナラ
イザに入力する.被駆動体などの測定点に加
速度ピ
J
図6
5 動剛性 DAC測定法の
測定システム概 要
もなどの問題も含まれる.
ットの固定ボルトの緩みによる剛性低下,部品の限i
クアップを取り付け ,急停止時の振
表6
1
送り駆動機構の静・動特性を低下させる原因
動 加 速 度 を 検 出 し , チ ャ ー ジ ア ン プ で 増 幅 し . F FT ア ナ ラ イ ザ に 送 り , 検 出 し た 振 動 加
-ポールねじ径の過小
速 度 と サ ー ボ モ ー タ の 電 流 の 聞 の 周 波 数 応 答 を 求 め る . こ の 周 波 数 応 答 か ら 送 り 駆 動機 構
段
の固有娠動数を惟定する.
-ポールねじ長の過大(ストロークの過大)
2
十 -ナット ・ポールねじ支持軸受の剛性不足
上
ま た , 実 際 の NC工 作 機 械 ( マ シ ニ ン グ セ ン タ ) は さ ま ざ ま な 構 造 を し て い るの で
, 各
静
の
-不適切なナット ・ボールねじ支持軸受の選択
-ナット ・ポールねじ支持軸受のプラケット固定用ボルトの剛性不足
軸 の 送 り 駅 動 機 情 の 動 特 性 を 正 確 に 測 定 す る た め に , 加 速 度 ピ ッ ク ア ッ プ の 設 置 の位 置 を
問J
I 問
-ブラケットの剛性不足
適切に定めることが必要で,本研究では次のように測定点を選んでいる .
'
性 題
の
-ブラケット支持部の剛性不足
{
底
-不適切な接合面の租さ指定
下
-ボルトの締め付けトルクの不足による結合部の剛性不足
(1) 被 駆 動 体 の 回 転 振 動 の 影 響 を 除 去 で き る よ う に , で き る だ け 被 駆 動 部 の 中 央 部 すな
わちナット部の付近に加速度ピックア
'
Y
プを設置する.
-不適切なポールねじ支持方式の選択〈シングルアンカ方式の選択〉
(2) 送 り 駆 動 機 摘 を 内 蔵 し た サ ド ル , コ ラ ム お よ び 送 り 駆 動 機 構 を 支 持 し た ベ ッ ド な ど
製
-部品の表面組さが悪いことによる結合部の剛性不足
作
-ボールねじの予張力懐けによるポールねじのシングルアンカ状態
の情造体の間1性 が 送 り 駆 動 機 構 の 動 特 性 の 測 定 結 果 に 影 響 す る の で , 下 部 構 造 体 の 振
上
-組立部品の欠陥
-ナット ・ポールねじ支持軸受の予庄量の調整ミス
動、調べる必要がある.
(3) 送 り 駆 動 機 惜 の 剛 性 不 足 あ る い は 変 位 の 大 き そ う な と こ ろ を 加 速 度 の 測 定 位 置 と す
る.すなわち軸受のブラケット,ナットのブラケットの端面などである.
設
動
2
十 -被駆動体の重量過大
同j 上
性
の 製
6.4 欠 陥 発 見 法 の 原 理 と 方 法
6.4.1
,
'
(
t
.動 特 性 を 低 下 さ せ る 原 因 の 分 顕
-9
4-
-静町l
性の不足
-部品の形状精度 ・表面姐さの悪さによる懐触悶j
性の低下
(静聞l
性測定の際には剛性の非線形性として現れる〉
底
{ 作
-ポールねじ予張力不足
下 上
-ナット・ポールねじ支持軸受の予荷重の調整ミス
〈加減速時の慣性力が予荷量を超えることによる結合部剛性の低下〉
-9
5-
静剛性を低下させる設計上の問題は,送り方向の剛性を低下 z
させる問題とねじり方向の
剛性を低下させる問題に分けられる. しかし,現用のポールねじは十分大きなねじり方向
の剛性を有しているので,実用上は送り方向の剛性のみを考えれば十分である .送り方向
の剛性を低下させる設計上の問題としては,ポールねじのシングルアンカ支持による片持
ち 状 態 , ナ / 1 - , 軸 受 の 支 持 剛 性 不 足 ( ブ ラ ケ ッ ト 本 体 , ブ ラ ケ ッ ト 固 定 用 の ボ ル ト およ
び取り付け部の剛性不足を含む) ,ナットや軸受選択の不適切,ボールねじ径の過小,被
Khに 関 す る
静岡j性 に 関 す る
設計上の対策
訟計上の対策
Ky
:
<K0
K<K0
:
<Ky
駆動体の移動距離過大などがある.製作上の問題としては,ボルトの締付力不足による結
合 部 の 剛 性 不 足 , 部 品 の 表 面 あ ら さ が 大 き い こ と に よ る 結 合 部 の 剛 性 低 下, ボ ー ル ね じ の
反 サ ー ボ モ ー タ 側 軸 受 の 緩 み に よ る シ ン グ ル ア ン カ 状 態, 支 持 部 構 造 が 複 雑 す ぎ る こ と に
よ る 組 立 不 良 . ナ ッ ト ・軸 受 予 圧 盟 の 調 整 ミ ス , 部 品 の 形 状 誤 差 な ど が あ げ ら れ る .
動 特 性 と し て 重 要 な の は 送 り 駆 動 機 構 の 固 有 振 動 数 と 粘 性 減 衰 特 性 で あ る が, 本 研 究 で
静剛性に関する
製作上の対策
i
!
?
;の i ¥ l i い す べ り 案 内 面 を 用 い た 送 り 駆 動 機 構 を 対 象 と し て い る の で , 固 有 振 動 数 の
は減京1
みを取り上げることとした.この固有振動数を低下させる設計上の問題としては,被駆動
K・ミ Ky
体 の 白 血 過 大 . 送 り 駆 動 機 慌 の 静 岡1
'
性過小などがある.製作上の問題としては,各部の結
.ー・ーーーーーーーー・..-・ ・・・_____1
e
合部の!妄触剛性の低下.ボールねじの予張力や結合部予荷重過小がある.以上をまとめて
・1
に不す.
点6
ように,
固有振動数に関する
なお,立形マシニングセンタのサドル,横形マシニングセンタのコラムの
設計上の対策
もう lつ の 駆 動 軸 を 積 載 し た 被 駆 動 体 に お い て 剛 性 が 不 足 す る 場 合 に , サ ド ル ,
コラムおよびラムサドルはロッキングモードあるいはその他のモードで振動を生じやすい.
こ の 場 合 に は , 測 定 さ れ た 第 l次 の 固 有 振 動 数 が 送 り 駆 動 機 構 の 自 身 の 固 有 振 動 数 よ り か
なり低くなることがある.これは送り駆動機椛自身の勤特性ではないが,実用上は重要で
振 動 数 fn
0の 測 定
1
_
_
_
_
_
_
-ーーー・・・.___
_..J
'
'
o
e
'
<一く
帽
解
る対
すの
関上
こ作
数製
動
援
有
国
あるので注.なを嬰する.
fno<fn2
6.4.2 欠 陥 発 見 法 の ア ル ゴ リ ズ ム
ここでは,関6
6に 示 す よ う な 具 体 的 な 同 定 手 1
I
聞について述べる.なお.ここではダブル
アンカ方式の場合を怨定している.
(1) N C工 作 機 慌 の 仕 様 . 性 能 な ど か ら 経 験 に 怠 づ い て 送 り 駆 動 機 構 の 静 ・ 動 特 性 の 目 標
1
性
値 す な わ ち 静 岡1
KOと 固 有 振 動 数 fn
Oを 決 定 す る .
(2) 送 り 駆 動 機 摘 の 静 岡1
1
性 の 設 計 値 K, 支 持 部 剛 性 K
hを 含 め な い 静 剛 性 の 設 計 値 Kyを
式(ト 1
,
) (ト 2
)に よ り 計 算 す る .
そして,設計値
設計ヒの問題点を検討する.
1
_
_
_
_
_
_
-ーーーー・ _
_
_
.
J
K,Kyを 目 標 値 KOと 比 較 し 剛 性
図6
6 送り駆動系の欠陥発見法のアルゴリズム
9
6
也
-9
7-
(2. 1) K <KO<Kyの 場 合 : 支 持 部 剛 性 Khを 含 ま な い 剛 性 投 計 値 Kyは 目 標 値 KOよ
ータ側軸受のナ
り 大 き い が , 支 持 部 剛 性 Khが過小なので,支持部問。性 Khを 考 慮 す る と 側 性 設 計 値 K
正なダブルアンカ状態になっている .
(2.2) Ky<KOの 場 合 : 支 持 部 剛 性 Khを 含 ま な い 剛 性 設 計 値 Kyは 自 僚 値 K よ り 小
トを除く駆動機摘の剛性設計に問題がある . ボールねじ
の 径 , ボ ー ル ね じ の 支 持 方 式 及 び ナ ッ ト , 軸 受 の 選 定 な ど を 検 討す る必要がある.
(2.3) K 句 K 0の場合 :設 計値はほぼ回線値に達しており.設計上の 問 題 点 は な い .
(3) D A C測 定 法 を 用 い て 送 り 駆 動 機 械 の 静 剛 性 を 測 定 し . 測 定 値 K・と設計値 Kyを 比 べ
て,製作上の問題点を検討する.
ほ か の 方 法 と し て は シ ン グ ル ア ン カ 状 態 に し て , 静 剛 性 を 測 定 し . 測 定 値 Ks.と Kd・
{ダブルアンカ状態の場合の測定値)を比較することによって,ボールねじの支持状態
を判断する.
(3.1.3) 部 品 の 欠 陥 及 び ナ ッ ト , 軸 受 の 予 圧 量 調 整 不 足 な ど 調 整 ミ ス を チ ェ ッ ク
する.
(3.2) K・句 Kyの 場 合
(3.1) K・く Kyの 場 合 :測定値 K・
は 設 計 値 Kyよ り 小 さ い の で , 製 作 上 の 問 題 が あ る
ことを示している.問題点を究明するために次の測定を行う.
. 1)支 持 部 剛 性 を チ ェ ッ ク す る . す な わ ち 急 停 止 時 の 被 駆 動 体 の 振 動 加 速 度
(3.1
Al, 軸 受 の ブ ラ ケ ッ ト 部 の 振 動 加 述 度 A2を測定し,
2箇 所 の 振 動 加 速 度 の 振 幅 を
比較する(加速度とサーボモータ電流値の聞の周波数応答も測定し,被駆動体と軸
受ブラケット部が同じ固有振動数で振動していることを確認する) .
(3.1. 1
. 1) Al~ A2の 場 合 : 支 持 部 の 剛 性 が 低 い の で , 彼 駆 動 部 と 支 持 軸 受
の ブ ラ ケ ッ ト 部 が ほ ぼ 同 じ 振 幅 で 振 動 す る .そこ で , 支 持 部 に つ い て検討する.
(3. 1
.1
.2) Al>A2の場合 :支 持 部 の 剛 性 は 十 分 大 き い の で , 支 持 軸 受 の ブ
ラケット部は被駆動体に比べてほとんど振動しない .従って支持部には問題が
ない.
静 剛 性 の 測 定 値 K・は設計値 Kyとほぼ一致しているので.製
作上の問題はない.
(4) 静 剛 性 の 設 計 値 Kyを 用 い て 固 有 振 動 数 fn
lを 計 算 し , 白 保 健 fn
Oと比較する.
(4 .1) fn
l< fn
Oの 場 合 : 設 計 値 fn
lは目標値 fn
Oより低いので.設計上の問題があ
る.送り駆動機構の静剛性,被駆動体 の質量について設計変更の必要がある .
(4.2) (n
1匂 fn
Oの 場 合 : 設 計 値 は 目 標 値 に 達 し て お り . 設 計 上 の 問 題 点 は な い .
(5) K・匂 Kyの 場 合 :静岡j
性 の 問 題 点 が な い 場 合 に D A C測 定 法 で 送 り 駆 動 機 構 の 固 有
振 動 数 fn.を 測 定 し , 設 計 値 (n
lと比較する .
(5.1) (n・< fn
1の 場 合 : 実 測 値 fn.は設計値 fn
1よ り 低 い の で , 製 作 上 の 問 題 点 が
あ る . 実 測 値 fn・を低下させる o
;
t囚 に つ い て 次 の よ う に 検 バ す る .
(5 .1.1)結合部の接触剛性(組立のミス,結合面のあらさ,形状粉度)をチェック
する.すなわち部品の結合部の点面あらさ,形状制度およひ組立のミスなどを調べ
(3.1
.2) ボ ー ル ね じ の 支 持 方 式 を チ ェ ッ ク す る . す な わ ち 被 駆 動 体 の 位 置 が サ ー
ボ モ ー タ 側 軸 受 に 近 い 所 と , 反 サ ー ボ モ ー タ 側 軸 受 に 近 い 所 に あ る 場 合 に D A Cj
l
J
定 法 に よ っ て 円 弧 補 間 の 際 の 象 限 切 換 時 の ロ ス ト モ ー シ ョ ン 盟 企 u1,企 u2を 測 定
し, d U 1と d U 2
を比較する . 正確に判定するために,
すると岡崎にサーボモータの電流値も制定し,
になることを舵認して,
シングルアンカ状態になっている.
近い場合と,反サーボモータ側軸受に近い場合の剛性とがほぼ閉じであり ,適
性設計を改善する必要がある.
1
トが緩んでおり,
(3. 1
.2.2) ðul~ðu2 の場合:被駆動体の位置がサーボモータ側軸受に
は 目 保 値 KOより小さい. 従 っ て 支 持 部 の 設 計 に 問 題 が あ り , 軸 受 プ ラ ケ ッ ト 部 の 間
さいので,支持部のブラケ
y
ロストモーション 量 を 測 定
2箇 所 の 摺 動 抵 抗 F1
', F2・が同じ
2箇 所 の ロ ス ト モ ー シ ョ ン 量 を 比 較 す る . 2箇 所 の 摺 動 抵
抗 が 異 な る 場 合, 摺 動 抵 抗 と ロ ス ト モ ー シ ョ ン 璽 の 比 Fl
'/Oulと F2'/
企 u2を 比
較する.
る . 支 持 部 の 接 触 剛 性 を (3.1.1) と同椋にチエ
J
クする.
(5. 1.2) ボ ー ル ね じ の 予 張 力 , ボ ル ト 結 合 部 の 締 付 ノJな ど の 予 荷 量 を チ エ
J
クす
る.
(5.1.3) 立 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ の サ ド ル . 横 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ の コ ラ ム お よ び 門
形のラムサドルの振動モードを測定する.すなわち被駆動体の各点に加速度のピッ
ク ア ッ プ を 取 付 け , 勤 特 性 D A C測 定 を 行 う . コ ラ ム な ど の サ ド ル や コ ラ ム が ロ ッ
キングモードあるいはその他のモードで娠動を生じれば,測定された固有振動数は
非常に低くなる.
(3. 1
.2.1) Oul<企 u2の場合 :被 駆 動 体 の 位 置 が 反 サ ー ボ モ ー タ 側 軸 受
に 近 い 場 合 は 送 り 駆 動 機 構 の 剛 性 が 小 8い こ と を 示 し て い る の で , 反 サ ー ボ モ
-9
8-
(5.2) fn.匂 (n
lの 場 合 :実 測 値 と 設 計 値 が ほ ぼ 一 致 し て い る の で . 動 特 性 に つ い て
の製作上の問題点はない.
9
9-
(6) K・< Kの 場 合 : 測 定 値 K・は 設 計 値 K より小さいので, 静 特 性 に 関 し て 製 作 上 の 問
題があるが,
表6
3
さ ら に 動 特 性 に つ い て も 検 討 す る . そのため, 静 剛 性 の 実 測 値 K・を用 い
2を計算し,
て 固 有 振 動 数 fn
事
由
K2
DAC測 定 法 で 測 定 さ れ た 固 有 振 動 数 fn
.と比 較する.
(
N
/
m
)
(6.1) fn
.<fn
2の 場 合 : 実 測 値 fn
.は, 静 剛 性 の 実 視J
I値 K・ か ら 得 ら れ た 計 算 値
fn
2より低いので, 動 特 性 に つ い て も 製 作 上 の 問 題点 が あ り , (5.1) に 示 し た よ
機 械 Cの静岡リ性値の設計値と実測値
K9
Kg'
(
N
'
m
/
r
a
d
)
(
N
/
m
)
8
9
.3x1
0
×
3.77xl0
2.26Xl0'
Y
4
.2
1
3
.9
7
2
.5
9
1
0
2
.3
2
.3
0
9
3.2
8
Z
K9
'/K2
K.
(
N
/
m
)
8
2
3
.7
4
.6
5x1
08
2
4
.3
2
3
.5
3
.9
4
3
.9
0
うな方法で問題点をチェックする.
(6.2) fn
.~ fn
2の 場 合 : 実 測 値 fn
.は
, 静岡1
1
性 の 実 測 値 K・ か ら 得 ら れ た 計 算 値
fn
2とほぼ一致するので, 動 特 性 に つ い て 製 作 上 の 問 題 点 は な く . 静 剛 性 に つ い て 製 作
上の問題点があるので,
(3.1) と 同 様 に 検 討 す る .
すように, 各 軸 の K
g./K2は い ず れ も 2
3倍程度と, ねじり開J
I性 Kgは 送 り 方 向 の 剛 性 K より
十分大きな剛性を有しており,
ボールねじのねじり変形が無視できることが確認できた.
機 械 Cの 各 軸 に つ い て 測 定 さ れ た ロ ス ト モ ー シ ョ ン 量 を 横 軸 に . 運 動 方 向 反 転 時 の モ ー
タ電流値から計算した送り方向荷重を縦軸にとり, 各軸の測定点に最小ニ乗‘法を適用して
6.5 ケ ー ス ス タ デ ィ
得られた直線を 図6
7に示す.
ケ ー ス ス タ デ ィ と し て 以 下 の 3台 の マ シ ニ ン グ セ ン タ 機 械 C, 機 械 D, お よ び 機 械 E に
こ の 直 線 の 傾 き か ら 得 た 静 剛 性 の 測 定 値 K・は表 6・3のよう
になった. 測 定 値 K・を理論計算値 K2と比較すると,
Y軸 お よ び Z軸はかなり近い値で,
X 軸 に つ い て は 計 算 値 よ り や や 大 き い . X,Yお よ び Z軸 の 静 剛 性 の実現J
I値 K・
は
, 支 持剛
ついて診断した.
性 Khを 含 ま な い 設計 値 K2と ほ ぼ 同 ー の 値 を 示 し て お り , 各 軸 共 に 軸 受 の 支 持 剛 性 Khが 十
分大きく, 静岡リ性 l
こ関する設計上および製作上の問題はないことがわかる. 本 機 は 高精 度
6.5.1 機 械 C( 中 型 の 立 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ )
機 械 Cは サ ド ル タ イ プ の 中 型 の マ シ ニ ン グ セ ン タ で , 主 な 仕 様 は 表 6
-2の よ う で あ る . 被
7
駆 動 体 が ス ト ロ ー ク 中 央 に位置している場合の, 静 剛 性 の 理 論 計 算 値 〈 設 計 値 〉 を表 6
3に
示す. また,
主軸頭
6
ボールねじのねじり剛性をボー
J
レねじの送り方向に換算値した値
Kg'
およ
ぴ Kg'/ K2を 併 せ て 示 す . こ の 機 械 Cは 高 精
項
・
値 は KO=4xI0 {
N
/
m
}と 大 き く 設 定 さ れ て い
る. X軸 の 静 剛 性 の 設 計 値 K2は 目 僚 値 を 5 %
程度下回っているが, 各 軸 と も 設 計 値 K2はほ
ぽ目掠{直を満足しているので, 支 持 部 の 剛 性
目
×軸
ストローク
(
m
m
)
6
1
0
被駆動体質量
(
k
g
)
2
4
0
(
m
m
) 40
ポールねじりード (
m
m
) 1
0
m
m
) 9
支持軸受間距離 (
9
8
トルク定数
(
N
'm
/
A
) 1
.0
2
ポールねじ径
ポールねじ支持方式
Y軸
4
1
0
6
7
5
4
0
1
0
8
4
0
1
.0
7
Z軸
4
1
0
1
0
6
0
4
0
1
0
9
3
5
1
.0
7
案内形式
すべり案内
んどない. ボ ー ル ね じ の ね じ り 変 形 を 考 慮 し
早送り速度
(
m
m
/
mi
n
)
切削送り速度 (
m
m
/
mi
n
)
(
m
m
)
最小設定単位
12000
者 は 前 者 よ り 各 軸 と も に わ ず か 2%高 いだけ
で, 両 者 は ほ ぼ 同 一 値 に な っ た .
表 6・3に 示
1
0
0-
制御方式
。
5
Z軸の測定点
4
3
2
-0- X軸
・
y
一
。
-z
1~4000
0.0001
セミクローズド
サドル
軸
軸
ダブルアンカ方式
を除いて静剛性に関する設計上の問題はほと
た 計 算 値 と 無 視 し た 計算値を比較すると, 後
制 偉Eh
何事
度 加 工 用 の 機械として, 各 軸 の 静 剛 性 の 目 標
znOF×
表6
・2 機械 c(立型マシニンゲむのの主な仕様
。
。
2
3
ロストモーション量
A
5
6
xl
0
-.
m
図6
8 機械 Cの振動加速度の測定位置
図6
7 機 械 Cの送り方向荷重と
ロストモーション量の関係
-1
0
1-
情
∞
20
1
0
∞
∞
可コー 3
0
コ
て ー3
0
て3
入
-10
-30
.
'
¥
、
τ ー50
ト
:
マ
、
、
正
。
-200
回
。
1m
喝噌・
g
1
0
0
周波 数
200
0
Hz
図ト9 機械 Cの×軸のテーブルにおける
周波数応答
1
00
周波 数
200
Hz
3
00
0 機織 Cの×軸のサドルにおける
図ト 1
周波数応答
加工用として,軸受ブラケットの剛性が強化
℃
部の剛性も強化されていることから,支持部
,
¥-40
剛性の強化は送り駆動機械の剛性を高める有
、
正
閉 句
ω
恒
z軸 は 主 軸 が コ ラ ム よ り 大 き
1
80
0
1
00
周波数
Hz
1
0
0
悶波数
Hz
∞
2
図6
1
3 機械 Cの Z軸ナットより遣部における
周波数応答
fn
1
fn
2
fn
.
(
Hz
)
(
Hz
)
(
H
z
)
Y
12 5
12 1
79
Z
98
96
82
「
し
図6
-1
1 機 械 Cの Y軸のサドルに おける
周波数応答
x軸 の テ ー ブ ル と サ ド ル で 測 定 さ れ た 周 波 数 応 答 を
図 6-9に見られる 60(I
lz
)と 120(
l
Iz
)の ゲ イ ン 曲 線 の 突 起 は 電 源 に 混
-
図ト 1
4 機械 Cの Y軸サドルにおける
振動モード(79
H
z
)
200
く張り出した構造となっているので,ナット
図 6・9と図 6・1
0に示す.
∞
。
-2
Hz
羽
x軸はテーブル側面とサドル側面, y軸
に 近 い 所 と 速 い 所 の 2カ所とした
200
× 196 217 225
思。
機 械 Cの 振 動 加 述 度 の 測 定 位 置 を 図 ト 8に示
はサドル側面,
1
0
0
周波数
図6
1
2 機 械 Cの Z軸のナット近部における
周波数応答
事
血
-50
1
8
0
送り駆動機構を備えていると言える .
す.
0
の理論値と実測値
の 実 測 値 K・は 4.0XI0 (N/m)程度で大きく,
しかもバランスがとれており,本機は優れた
g
-200
表6
4 機械 Cの固有振動数
V
・
EE
令ヤ
1
6
4
0
∞
ー30
され,またサドルやコラムのブラケット取付
性
力 な 手 段 と 考 え ら れ る . ま た , 各 軸 の 静 岡f
『巴,
組
-200
300
"
"
.
.
mo唱
m副司
g
E
S -100
-70
200
れ , 送 り 方 向 の 第 l次 固 有 振 動 数 と 判 断 し た . な お , こ の 振 動 数 の ゲ イ ン レ ベ ル は 図 6・1
3
の速い位置で測定したデータの方が若干高く,この振動はスウェイモードとロッキングモ
ードの重なった振動モードと考えられる.
以 上 を ま と め て , 固 有 振 動 数 の 測 定 値 fn
.
を表 6-4に示す .
x村 の 固 有 振 動 数 の 投 計 値
fnl,静岡4
性 K2の 代 わ り に 測 定 値 K・を 用 い て 計 算 し た 固 有 振 動 数 fn
2及 び 測 定 さ れ た 実
入 し た ノ イ ズ が 原 因 で あ る . 図 6・9には 225(
l
Iz
)に お い て ゲ イ ン 曲 線 ピ ー ク と 位 相 遅 れ が あ
測 値 fn.の 三 者 は か な り よ く 一 致 し て お り , か っ 200(I
lz
)以 上 の 高 い 周 波 数 な の で . 動 特 性
るが,図 6-10に は 存 在 し な い の で .225(
l
Iz
)を X軸 方 向 の 第 1次 固 有 振 動 数 と 判 断 し た . Y
から見てもかなり優れたものであると三える.
軸 は 図 6-11に 示 す よ う に . サ ド ル で 測 定 さ れ た 周 波 数 応 答 の 79(Hz)に 大 き な ゲ イ ン ピ ー ク
振 動 数 の 計 算 値 fn
2と比較すると,
と 位 相 遅 れ が あ り , こ れ を 送 り 方 向 の 第 i次 固 有 振 動 数 と し た . ま た Z軸 に つ い て は , 主
67%と 低 い . そ こ で 79(Hz)に お け る サ ト ル の 振 動 モ ー ド を 測 定 し た と こ ろ , 図 6-14のよう
軸頭のナットに近い位置で測定した周波数応答を図ト 1
2に , 被 駆 動 体 の ナ ッ ト か ら 速 い 位
になった. こ の 固 有 振 動 数 は 駆 動 機 柄 引 体 の 固 有 振 動 数 で は な い こ と か ら , 構 造 体 で あ る
また,静岡lJt生の実測値 K・か ら 求 め た 固 有
x.z柏 は ほ ぼ 一 致 し た か Y軸 の 測 定 値 fn・は fn2の
置 に お け る 周 波 数 応 答 を 図 6・1
3に示す.両図から 82(Hz)に ゲ イ ン ピ ー ク と 位 相 遅 れ が み ら
ー
102 -
- 103 -
o(横型マシニングセンタ〉
¥
ε
判明
表 ト 5 機械
9
の主な仕様
項
目
×軸
制御方式
¥
E
〆
回
。
2
S
(b) サーボモータ側支侍プラケット
附
~- Y
3
(b) ポールねじナット
手:
。
2
5
2
0
.
0
5
時
0
.
1
間
0
1
.5
¥
ε
12000
叫
2
5
制的
(
m
m
/
mi
n
)
切削送り速度 (
m
m
/
mi
n
)
(
m
m
)
最小設定単位
早送り速度
実
ー2
5
. 2
5
Z軸
a4
すべり案内
6
rD
家内形式
F
ミ
。
困
問
附
7
ダブルアンカ方式
。
¥
ε
1
0
2
0
3
9
1
5
6
3
1
0
1
5
7
5
1
.0
5
(a) テープル
内叫
1
2
7
0
8
5
0
5
5
1
0
2
0
4
8
1
.0
5
回
幽閉陸 在 収 書
ポールねじ支持方式
Z軸
×
Z"。
6
0
0
(
m
m
) 1
(
k
g
) 1
5
0
7
被駆動体質量
3
(
m
m
) 6
ポールねじ径
0
ボールねじりード (
m
m
) 1
m
m
) 2
1
3
5
支持軸受間距離 (
(
N.
m
/
A
) 1
.0
5
トルク定数
ストローク
8
Y軸
2
5
s
。
'~5000
0.001
t
ミ如A
'ドト7
'
。
。
図6
1
6 機 械 Dの×軸における
5
1
0
0 ストモーション量
1
5
2
0
x1
0
-m
・
サドルの剛性に大きく影響されていることがわか
る. 従 っ て Y 軸 の 測 定 値 fn*が小さいのは, サ ド
~
m
握動加速度波形
5 機 械 Dの送り方向荷重と
図ト1
ロストモーション量 の 関 係
ルの曲げ娠動が生じていたためと考えられる.
-R
2
5
0
の 40-64%で
, 製作上かなりの問題点がある
0
.
0
5
時間
ことを示しており, 結合面の表面あらさ, Jf~
0
1
.
s
図ト 1
7 機 械 Dの Y軸における
握動加速度波形
状精度, 組 立 上 の 問 題 お よ び 各 部 の 予 圧 毘 調
整不足などのチェックが必要と判断される .
そ こ で 各 部 の 結 合 剛 性 を 検 討 す る . まず X軸について, 図 6
・1
6の (a)
6.5.2 機 械 o(大型の横形マシニングセンタ)
テー プ ル お よ び ナ ッ ト 部 の 振 動 加 速 度 波 形 に お け る 最 大 振 幅 を 比 較 す る と ,
機 械 Dは 表 6
・5に 示 す よ う に 高 速 ・重切削周の機械であるので, 各 軸 の 静 剛 性 目 標 値 KO
・
,
.0x1
0(
N
/
m
)と 大 き く 設 定 さ れ て い る . X.Yお よ び Z軸 の 静 剛 性 設 計値 K2は
は5
Y軸 l
こ
つ い て は 日 傑 値 を 10%程 度 下 まわっているものの, 設 計 値 K2は ほ ぼ 目 標 値 を 満 足 し て い る .
従って支持部の剛性を除いて, 静 剛 性 に 関 す る 設 計 上 の 問 題 は ほ と ん ど な い . 各 軸 の ロ ス
トモーション置と方向反転時のモータ電流値から求めた送り }
j向荷重との関係、を図 6
1
5に
示す. 図 中 の Z軸 の 測 定 値 が 他 軸 よ り も 大 き い の は ,
Z軸 の サ ー ボ モ ー タ が サ イ ズ が 大 き
き か ら 求 め た 静 剛 性 の 測 定 値 K・と
静 剛 性 の 理 論 計 算 値 K2を 比 較 す る
と
,
3軸 と も 測 定 値 が 計 算 値 よ り
か な り 小 さ く な っ た . そして, 各
軸 の 静 剛 性 の 実 測 値 K・は そ れ ぞ れ
支 持 剛 性 Khを 含 ま な い 設 計 値 K2
動特性優の理論値と実測値の比較
表6
6 機 械 Dの静・
K.
fn
1
K2
H
z
)
x1
0N
/
m
) (
(
x1
0N
/
m
) (
95
3
.51
5.52
×
2.85 114
4.54
Y
64
2.66
6.44
Z
車
由
・
ー
1
0
4-
・
fn
2
f訂.
(
Hz
)
(
Hz
)
76
90
41
42
86
36
剛性が小さいと推定される. また,軸受部
の支持剛性については, 軸 受 支 持 部 に お け
る周波数応答のゲインピーク周波数がテー
ブ ル の そ れ よ り 8(Hz)高 い た め 単 純 に 比 較
也
することはできないが, 同 じ 設 計 仕 械 で ス
手
"2
5
鴫
o
トロークのみが異なる機械において, 軸 受
¥
ε
表6
・6に示すように, 直 線 の 傾
テープルはナ
ット部より 4日程度大きく, 静 剛 性 低 下 の 一 つ の 原 閃 と し て . ナ ッ ト と テ ー ブ ル の 問 の 結 合
制叫
く
, 摩擦トルクや軸受動摩嬢トルクが大きいためである.
(b) に 示 す
プラケット部の加速度の振動振幅がテープ
ル の 振 動 振 幅 の 60%と な っ た 測 定 結 果 が 得
回
切
!
られていることから, 本 機 に お い て も 軸 受
手"
句
支持部剛性の過小が原因である可能性が高
(b) モータ倒軸受プラケット
。
。
2
0
、
2
0
0
1
0
0
時
L
Y 軸 に ついて,
20
間
s
図6
1
8 機 械 Dの Z軸における
ナット部とサーボモータ
ー
掻動加速度波形
1
0
5-
1
8
6
0
01
噛
司巴,
宅3
思
4
ヨ
雪
E
。
1
8
0
組
1
0
0
周波数
。
。
1
8
0
2
0
0
Hz
Y紬 の 測 定 点
0
~
組
1
0
0
周波数
9 機械 Dの×軸のテーブルにおける
図ト 1
周波数応答
主鈎頭
罰由旬
.
.
.
.
明
妻
、
----a'
vb
、
-
hununununununU
入 -4
0
∞
-20
コ
可
1234568
1
0
∞℃入
ー1
0
∞
2
0
u
1
8
0
0
200
1
0
0
周波数
Hz
2
0
0
Hz
図6
2
2 機械 Dの Y軸のナット部における
周波数応答
2
0 機械 Dの×軸のナットにおける
図6
周波数応答
∞-10
2
0
-30
G-40
去
、
申 50
60
1
8
0
u
側および反サーボモータ側の軸受プラケット
・1
7の
部で測定された振動加速度波形を図6
1
0
∞ -20
コ
て
(8) - (C) に 示 す . 後 述 の よ う に こ れ ら
,
¥1
1
0
b
明副司
とからプラケットの剛性が不足していること
6
0
2
0
0
緊
0
が ほ 測 さ れ る . 同 峨 に Z軸についても,
ゲインのピークはどちらもかなり緩やかであ
るのは,近い周波数でのピークが重なり相互
1
8
0
0
組
クと位相遅れが存在する. 75(Hz)と 86(
I
I
z
)の
。
思割
度の股大阪幅を比較すると,両プラケットの
鼠 大 娠 幅 は ナ ッ ト 部 の 約 50%である.このこ
也
v
白山由。
の第 l次 固 有 振 動 数 は 一 致 し て い る の で 加 速
図6
2
5 機械 Dの外観
1
0
0
周波数
1
0
0
図ト 1
8の (a) . (b) に示すナット部とサー
周波数
2
0
0
Hz
2
0
0
Hz
Sに 示 す よ う に 主 軸 顕 が 水
ノド機の外観は凶ト 2
図6
2
3 機械 Dの Y軸モータ側プラケットに
おける周波数応答
ボモータ側の軸受ブラケット部の加速度波形
を比較すると,ブラケット部の最大振幅はナ
に影響を及ぼしあっているためと考えられる.
. 瓜 ' 柑
平J
j!
o
j1
'
:穴き出した締造をしており, 75(Hz)
のゲインピークは主軸頭部のピッチングモー
図6
2
1 機械 Dの Y軸の主軸頭における
周波数応答
1
0
ドと推定される . 8
6
(
I
I
z
)のゲインピーク はナ
∞ 帽加
℃
0%で あ り , ブ ラ ケ ッ ト 部 の 支 持
ット部の約 4
ット部およびブラケ':/ト部周波数応答に共通
剛性が低下していると推定される .
し て 存 在 す る こ と か ら , こ れ を Y軸 の 送 り 方
巨大なコラムを駆動する構造であることが主な原因である.大型の横型マシニングセン タ
では Z軸 の 回 行 振 動 数 の 低 下 は あ る 程 度 や む を 得 な い .
X軸 の テ ー ブ ル と ナ ッ ト 部 で 測 定 さ れ た 周 波 数 応 答 を 図 6・1
9と図 6-20に示す. 42(Hz)に
ゲ イ ン ピ ー ク と 位 相 遅 れ が あ る の で , こ れ を 送 り 方 向 の 第 1次 固 有 振 動 数 と 判 断 し た . Y
軸については,図ト2
1に 示 す 主 軸 頭 で 測 定 し た 周 波 数 応 答 に は 75(Hz),図 622
.図 ト 2
3
.
図 6・2
4の ナ ッ ト お よ び 両 軸 受 ブ ラ ケ ッ ト で 測 定 し た 周 波 数 応 答 に は 86(Hz)に ゲ イ ン の ピ ー
ー
1
0
6-
向の第 1次固有振動数と判断した.
明副司
1=6
4(
H
z
)と 低 い . こ れ は 被 駆 動 部 質 量 が 4000(kg)近 い
固 有 振 動 数 の 設 計 値 は Z 軸 が fn
~
割
z軸につ
いては,図 6・2
6に 示 す ナ ノ ト 部 で 測 定 し た 周
0
∞
。
2
波数応答には 2
6
(
I
I
z
)及 び 3
6(Hz)に,図 6・2
7に
示 す コ ラ ム 上 部 の 周 波 数 応 答 に も 閉 じ 周 波数
1
0
0
周波数
Hz
2
0
0
図ト 2
4 機械 Dの Y軸反モータ側ブラケットに
おける周波数応答
のゲインピークが存在している.ゲイン曲線
lz
)のピー
の ピ ー ク レ ベ ル を 比 較 す る と , 26(I
クではコラム上部周波数応答のピークの方が
-1
0
7-
内
7
司﹁
項
(
k
g
) 1
2
8
0
Hz
図6
2
7 機械 Dの Z軸のコラム上部における
周波数応答
ポールねじ支持方式
1
0
ダブルアンカ方式
案内形式
すべり案内
(
m
m
/
mi
n
)
切削送り速度 (
m
m
/
mi
n
)
(
m
m
)
最小設定単位
16000
早送り速度
J
∞
2
5
崎町
∞
l
制御方式
働
8
5
0
5
0
(
m
m
) 5
0
1
0
1
0
ボールねじリード (
m
m
)
5
7
3
m
m
) 1
51
5 1
支持軸受間距離 (
.0
7 1
.0
7
トルク定数
(
N
'
m
/
A
) 1
周波数
6 機械 Dの Z軸のナット部における
図ト 2
周波数応答
被駆動体質量
6
hh
語
Hz
(
m
m
) 1
0
2
0 8
2
0
酬ぽ症
周波数
-1
8
0
0
2
0
0
ストローク
Z軸
8
2
0
2
8
5
0
5
0
1
0
1
2
8
9
1
.0
5
A
1
0
0
Y軸
z n D F×
0
×軸
目
ボールねじ径
割
2
0
0
8
の主な仕様
。
!
R
!
g
nununununununu
't tqvaH DFO
a
I
向
∞ 刀 入 ヤ ト。
問。唱
。
a
u
表6
7 機械 E (横型マシニングセンタ〉
・
-0ー× 軸
2
1"""'5000
0.00 1
- y軸
Z軸
-()
ー
。
。
t
ミ
ク
ロ
ー
ス
'
ド1
トア
5
1
0
ロストモ ーション 量
1
0
∞ ー20
℃
ー
Y, Z軸については, 固 有 振 動 数 の 測 定 値
fnは
計 算 値 fn
2とほぼ一 致しており , 固有振動数に関
1
5
20
x1
0-m
・
図6
3
0 機械 Eの送り方向荷重とロスト
モー ション畳の関係
する製作上の問題はないと判断できる.
四叫咽
w
!
。
!
R
!
。
6.5.3 機 械 E(中型の横形マシ ニングセンタ)
割
相
1
8
0
0
∞
l
周波数
1
80
2
0
0
0
Hz
図ト2
8 機械 Dの Z軸モータ側ブラケットに
おける周波数応答
1
0
0
周波数
200
Hz
図6
2
9 機械 Dの Z軸の反モータ側プラケット
における周波数応答
・7
に示す . 機 械 Eの各軸について,
機 械 Eの 主 な 仕 様 を 表 6
ロストモーション畳と方向
-30に示す. この直線の傾
反転時のモータ電流値から計算した送り方向荷重との関係を図 6
き か ら 求 め た 静 剛 性 値 K・を理論計算値 K2を比較すると,
3軸 と も 測 定 値 K・が計算{直 K2
よ り50%小 さ く な っ た (表 6・8
) . 測 定 値 K・を用いて式(ト 7
)か ら ブ ラ ケ ッ ト の 支 持 剛 性
Khを計算し , さらにこの Khを用いて式(ト 1
0
)に よ り 求 め た シ ン グ ル ア ン カ 状 態 の 場 合 の
またナット部,
8, 図 6・2
コラム部および図ト 2
9に 示 す 両 軸 受 ブ ラ ケ ッ ト の
周波数応答に共通して存在することから,
ここを第 l次固有振動数と判断した.
.
をまとめると, 表 6
以 上 の 固 有 振 動 数 の 測 定 値 fn
・6
のようになる . 静 剛 性 の 実 測 値 K・
か ら 求 め た 固 有 振 動 数 の 計 算 値 f• aと比較すると,
X軸は 5
5% と低い . X 軸 の 被 駆 動 部 質
量は 1
500(
k
g
)であり D A C測定法での急停止時の慣性力が非常に大きく, 瞬 間 的 に 予 張 力
-
はほぼ等しく,
持方式をシングルアンカ方式に
内
コラムのロッキングモードと思われる . それに対して 3
6(Hz)の ピ ー ク レ ベ ル
-EE--
5(dB)高く,
,
h
u
l
各軸の静岡4
性はそれぞれ1.46,
2X1
08(
N
/
m
)になった.
1
.2
表 ト8
機械 Eの静・特性値の理論値と実現1
)
値の比較
した静剛性の実測値 K・=1
.7
8,
4X 1
08(
N
/
m
)とほぼ等
.5
1
.2
9, 1
K2
由
事
K.
08~Vm)
(x1
0N
/
m
) (x1
8
しく, 支 持 剛 性 Khが非常に小さ
いことがわかる. これは本機の
駆動機構の構造が図 6
-31に示す
×
5.03
4.86
5.56
Y
Z
を上 回 っ た た め 低 い 値 と な っ た こ と が 考 え ら れ る .
1
0
8
これは.ボールねじの支
ー
1
0
9-
2.58
2
. 13
2.29
fn
1
fn
2
fn
・
(
Hz
)
(
Hz
)
(
Hz
)
93
119
70
70
78
45
52
72
30
l
情 造 に な って お り , 大 き な 予 張 力 が か け ら れ
プラケット
プラケット
ると図中に破線で示すような変形が生じやす
X軸 の テ ー ブ ル で 測 定 さ れ た 周 波 数 応 答 を
~
図6
3
2に示す. 5
2(
H
z
)に 大 き な ゲ イ ン ピ ー ク
∞
τ
コ
回世唱
m
w
o司
いためと考えられる.
u
内 nunununununU
戸む﹃fnU
ト楕造が片持ち
?﹄内J a4 FD
∞℃入﹄、ト
γ
島-----内正
ように反モータ側のプラケ
0
割
と位相の遅れがあり,
こ れ を 第 1次 固 有 振 動
申
ては,
1
0
0
Hz
∞
2
z軸 に つ い
ー2
0
0
0
1
0
0
周波数
図 ト3
4 機 械 Eの Z軸コラム下部における
周波数応答
ゲ イ ン ピ ー ク と 位 相 連 れ が あ る の で, ここを
第 1次 固 有 振 動 数 と 判 断 し た .
2
0
0
周波数
朗で測定された周波数応答の 7
2
(
H
z
)に 大 き な
。
P
0
3
3に 示 す よ う に 主 軸
数とした. Y軸 は , 図 6
c
‘
.m
i
ヨ
Hz
初0
図ト 3
5 機 械 Eの Z軸コラム上部における
周波数応答
3
1 機 械 Eの軸受支持部の構造
図6
高応答性の送り駆動系を実現するには,まずこれらの軸の固有振動数を高くすることが必
コラム下部で測定された周波数応答を
図6
3
4に , 上 部 で 制 定 さ れ た 周 波 数 応 答 を
要である. こ れ ら の 軸 の 被 駆 動 部 重 量 は 他 の 軸 よ り ら 大 き く , 構 造 が 被 雑 な の で 必 然 的 に
・3
5に 示 す . そ れ ぞ れ 3
3
(
H
z
)と, 3
6
(
H
z
)に 大 き な ゲ イ ン ピ ー ク と 位 相 遅 れが見られるが,
図6
固 有 娠 動 数 は 低 く な る が , 適 切 な ボ ー ル ね じ 径 の 選 択, サ ド ル や コ ラ ム の 剛 性 の 向 上 な ど
3
6
(
H
z
)の ゲ イ ン レ ベ ル は コ ラ ム 上 部 の デ ー タ の 方 が 1
0
(
d
B
)程 度 高 く , ス ウ ェ イ モ ー ドとロ
の工夫により各軸のバランスを採るようにしなければならない.また.各軸の送り駆動機
ッキングモードの周波数が近接しているためと考えられ,
3
よ っ て 第 1次 固 有 振 動 数 は 3
構の結合部の接触剛性,ブラケットの支持剛性を強化するなどの改善が必要である.
(
I
lz
)で あ る と 判 断 し た . 以 上 を まと め て , 表 6
8に 示 す.
2と比
固 有 娠 動 数 の 測 定 値 fn*を,静剛性の実測値 K・か ら 求 め た 国 有 振 動 数 の 計 算 値 fn
較すると,
Y軸 は ほ ぼ 一 致 し た が, xお よ び Z軸 は 計 算 値 の 75%と低 い . 機 械 全 体 と し て
6.6 結
号
是A
品開
の 位 置 ア ン プ ゲ イ ン Kpは 固 有 振 動 数 の 一 番 低 い 軸 に よ っ て 決 ま る の で , 高 精 度 ・高 剛 性 ・
本立では,送り駆動機構の組立工程において静勤特性怖が設計期待値に至らない原因箇
畠
∞
3
0
所を特定する診断法を開発し,
ー3
0
ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ の lス テ ッ プ で あ る 製 造 段 階 で の チ
ュ ー ニ ン グ に つ い て 検 討 し た . さ ら に 現 用 さ れ て い る 3台の N C工 作 機 械 に こ の 欠 陥 発 見
入﹄、ト
手法を適用して実際に送り駆動機構の診断を行った.本Jlの主な結論は次のようである.
(1) ロ ス ト モ ー シ ョ ン 量 が サ ー ボ モ ー タ 電 流 値 に 比 例 す る こ と を 利 用 し て 静 剛 性 を 推 定
明副司
.
・
す る 静 特 性 D A C測 定 法 と , 速 度 制 御 ル ー プ 運 転 中 に 被 駆 動 部 を 急 停 止 さ せ た 時 の モ
0
崎電,
c
a
0
嬰
g
割
18
0
0
1
0
0
周波数
吋
ーl
2
0
0
Hz
ー タ 電 流 一 被 駆 動 部 加 速 度 の 伝 達 特 性 か ら 岡 千i
娠 動 数 を 推 定 す る 動 特 性 D A C測 定 法
4
0
を併用し,送り駆動機慌の欠陥箇所を特定する欠陥発見アルコリズムを構築した.
1
0
0
周波数
Hz
図6
3
3 機 械 Eの Y軸の主軸頭におけ る
周波数応答
図ト 3
2 機 械 Eの×軸のテーブルにおける
周波数応答
-1
1
0
2
0
0
喧
(2) 実 際 に D A C測 定 法 に よ り 3台 の 中 ・ 大 1
1
4の マ シ ニ ン グ セ ン タ の 送 り 駆 動 機 構 の 静
・勤 特 性 を 測 定 し , 設 計 時 に 期 待 さ れ た 紳 助 特 性 備 が 得 ら れ な い 原 因 を 特 定 し た . そ
の 結 果, 静 ・動 特 性 を 低 下 さ せ る 原 因 を 比 較 的 容 易 に 発 見 で き , 本 方 法 が 実 用 的 で あ
-1
1
1-
ることが分かった.
第 7章
ケーススタディ
(3) 送 り 駆 動 機 構 の 診 断 の 結 果 か ら , 送 り 駆 動 機 構 の 静 剛 性 を 低 下 さ せ て い る主 な 原 因
に 各 部 の 結 合 部 の 接 触 剛 性, 軸 受 プ ラ ケ ッ ト 部 の 支 持 剛 性 の 低 下 が 多 い こ とが分かり,
7 .1
緒言
接 触 剛 性 , プ ラ ケ ッ ト 部 の 支 持 剛 性 を 強 化 す る 対 策 を 施 す べ き で あ る こと が 分 か っ た.
(4) 立 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ の Y軸 や 横 形 マ シ ニ ン グ セ ン タ の Z軸 の X軸 の 固 有 振 動 数 は
こ れ ま で は 第 2章 で 全 体 の 手 順 を 示 し た ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ 手 法 に つ い て , 各 ス テ ッ
他の軸に比較して非常に低い値であった.これらの軸は他の軸より 被 駆 動部重 量 が 大
プ を 踏 ん で 詳 細 に 検 討 し て き た . 1軸 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ や メ カ ニ カ ル パ ラ
き い 上 に 構 造 が 複 雑 な た め支 持 剛 性 が 低 く な り 易 い . 高 応 答 性 の 送 り 駆 動 系 を 実 現 す
メー タ チ ュ ー ニ ン グ , そ し て 同 時 多 軸 制 御 に お け る チ
る た め に は , 設 計 時 に 予 め静 動 特 性 強化 の 工 夫 をし て おく こ と が 必 要 で あ る .
構 築し , そ の 効 果 の 確 認 の た め に そ れ ぞ れ の 立 に お い て ケ ー ス ス タ デ ィ や 確 認 実 験 を 行 っ
A
ーニングについてアルゴリズムを
てきた. また組立段階での欠陥発見法のケーススタディでは , 実際に生産された機械につ
いての測定を行ってきた.本立では,これらの総合プロセスであるトータルチューニング
手法のケーススタディとして,
3台 の 特 徴 的 な , しかも 一 般 的 な 機 械 に つ い て ト ー タ ル チ
ュー ニ ン グ の 実 施 を 試 み る . た だ し , 実 際 に 機 械 を 製 作 す る 訳 で は な い の で, 組 立 時 の 欠
陥発見チューニングは行わない.その代わりとして,効果の砿認のためにテューニングの
最終評価関数である輪郭精度をシミュレーションによって調べ,
トータルチューニングの
効果を確認する.
そ の 特 徴 あ る 第 1のチ ュ ーニング対象機は,
テ ー ブ ル 固 定 タ イ プの専用機で,
FT Lな ど の 構 成 機 と し て 良 く 使 用 さ れ る
こ の 符 の 工 作 機 械 の 形 態 は X, Y, Z の 3軸 が 積 み 重 な
った 権 成 と な っ て い る た め , 各 軸 の 被 駆 動 部 質 Rの 比 率 が 大 き く 固 有 振 動 数 に 大 き な 聞 き
があるのが特徴で, トータルチューニングすることで送り特性が大きく向上することが期
待 で き る . 第 2のチ ュー ニ ン グ 対 象 機 械 は サ ド ル タ イ プ の 汎 川 マ シ ニ ン グ セ ン タ で , 金 型
や部品加工に多用される一般的な
NC工作機械である. l
a
Jクラスの FTL構 成 機 に 比 べ て
各 軸 の イ ナ ー シ ャバ ラ ン スが 良 く , サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 適 用 し や す い . そ し
て最後のケーススタディ対象機として,政近開発された高速加工マシニングセンタを取り
上げる . これは前述の汎用マシニングセンタをベースとして , ハイリードボールねじ(一
般 の マ シ ニ ン グ セ ン タ の リ ー ド p= 8
-12(mm)に 対 し て 2
0(
m
m
)と 大 き い ボ ー ル ね じ ) や 高
出 力 低 慣 性 の ACサ ー ボ モ ー タ の 採 用 に よ り 高 速 ・高 能 率 化 を 図 っ た 最 先 端 の
NC工 作機
械である .
7.2
F T L機 の場 合
FTLで 使 用 さ れ る NC工作機械は, ワーク 1
I
回送の容易容の点から横型のテーブル固定
ー
1
1
2-
- 113 ・
u
n
u
一'Jru,
WIl--Ili--11JJJ
s
s
J
イナーシャ
ノ
:
一
一
4
f
:i
nu
IIi:
/,''
Fhd
ん?
f
'
H
m
93
一/十
14
MBN
2
/
Y、
明日山川
,
、
唱
証
図7
1 機 械 Bの×軸の JKマップ
/〆-
4
,
一
,
1
担
守
〆
X
A
ニ
W ー
1111
〆,ニー
川寸 1 1 1 1 ω
i l - - t J ' JJ
,
ふ8 h
ー
〆
J'JX 可IOU-t'11141
,J
stil---o J 4 I J i l - 47.r
5
1
F
S
MH
/,
..
.
ノ
6
戸/ ,
,/'
〆〆,
7
﹃
8
同
阿 一
d
・
性寸・ 0 7 1・aflイ It--tl I ' J f f 斗6 ×
o
。
9
ボ itest--liLJ
サノ〆
1
0
E ¥ Z.
0-x
〆3
543//j
JU/Z
) ;5A5
附 寸 t i l i a - - t i l t 坦時四﹄
-〆〆国
一〆一
×一〆,/一
Z軸のストロークがほぼ均衡し,
川 T10司611li--111i ﹄SIlt, ノ ﹃
x.Y.
J
t// 〆/一川
イナーシャ
対 象 と す る F T L構 成 機 は . 前 出 の 機 械 Bである. 本機の特色は, 表 4-3の 初 期 設 計 仕 様
に示すように
3 4
ム7 tliti--11﹄1 1 1 1 1 1 / /
ニング法を適用して効果を確かめる .
L5
この 3軸 の 送 り 駆 動 機 構 の 設 計 に 本 チ ュ ー
/ 46 ×
〆 一
の テ ー ブ ル 凶 定 タ イ プ の F T L構成機を選ぴ,
点/f
証
J
い 構 造 で あ る . そこで, 多 軸 の メ カ チ ュ ー ニ ン グ の ケ ー ス ス タ デ ィ の 対 象 と し て あ え て こ
3/
l
t
!
コ
的では固有振動数の検討すら行っていないことも多く, 高 速 高 応 答 の 機 械 と す る の は難 し
在ノ
4
~
AHr
振動数を共通とする観点から言えばバランスの良くない構造で,従来の試行錯誤的な設計
5
仙
て駆動しなければならない. 従って下になるほど被駆動部質量が大きくなり ,各 軸 の 固 有
1h
炉
6
べ
﹁
7
×
向 に 駆 動 す る X軸 で 構 成 さ れ て い る . 必 然 的 に 下 側 の 軸 は そ の 上 側 の 軸 の 駆 動 機 構 を 含 め
8
性
一
る コ ラ ム を 前 後 方 向 に 駆 動 す る Z軸
, そ し て そ の Z軸 を 含 む 構 造 体 で あ る サ ド ル を 左 右 方
9
剛 TION--tiIsi--t ﹄1
Y軸 を 含 む 構 造 体 で あ
ε¥Z
0
構成はたとえば, 上から!噸に, 主 軸 頭 を 上 下 方 向 に 駆 動 す る Y 軸
,
一
一
1
0
の 3軸 方 向 に 相 対 運 動 さ せ る 必要 が あ る た め 各 軸 の 構 造 体 を 重 ね た 構 成 と な っ て い る . 軸
イ一
x.
y.z
サ
タ イ プ ( 工 具 3軸 移 動 タ イ プ ) が 多 い . こ の タ イ プ の N C工作機械は, 工 具 側 を
図7
2 機 械 Bの Z軸 の j Kマップ
ポールねじ径や サーボモータの種
頬 も 閉 じ に し て あ る 一 方 で, 上 述 の よ う に 質 量 差 が 非 常 に 大 き く , 固 有 振 動 数 に か な り の
n
]
ldか あ る こ と が '
1"怨される .
ま ず X軸 に つ い て の J Kマ ッ プ を 作 成 し て み た と こ ろ 図 ト l
の よ う に な っ た . ここで
チ ュ ー ニ ン グ 前 の 状 態 の (J• K) のfE僚を O印で.サーボ剛性 Hd
e
sの 目 標 値 の 下 限,
お よ び イ ナ ー シ ャ Jの 上 限 値 を ハ ッチングで示す. イナーシャ Jの取り得る範囲は, 立
7.2.1
メカ ニカ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 実 施
上 が り 時 間 に 関 す る 目 標 値 Tdesを 満 た す た め の Jの許容範囲であり,
J
,
、
、-Ea
、
‘
,
直
{ Jm
a
x=O
.0
0
9
9(
N.
m
'Sつである. 図 中 の ①
チューニン グの目標値の設定
機 械 B は F T Lを 構 成 す る N C工作機械であり, そ の 用 途 は 部 品 加 工 が 主 体 で あ る の
条 件 l :サ ー ボ 側 性 目 標 値
Hdes
~
・ (N/m)
K
. お よ び Jが 向 上 す る
方向へシフトする .
式(ト 2
) を 用 い て 現 状 の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ で の 各 軸 の 固 有 振動数を計算すると,
Y軸 : 1
7
5 (Hz)•
③ ボ ー ル ね じ の 取 付 長 を 伸 ば す ( 例 え ば 10%) . K は 減少 す る が, Jは 増 加 す る 方
向へシフトする .
Z軸 :1
42 (Hz)
と求め られた . 機 械 A な ど の サ ド ル タ イ プ の 機 械 に 比 べ て も 固 有 振動 数 の 差 は 大 き い と
いえ , チ ュ ー ニ ン グ の 必 要 性 が 十 分 に あ る . 従 っ て メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ
を行う 1
1
国序は,
ダブルアンカに変更し, 軸 方
② ボ ー ル ネ ジ の 呼 ぴ 径 を 1ラ ン ク 上 げ て 太 く す る . 結 果 的 に
(2) チ ュ ー ニ ン グ を 行 う 軸 順 序 の 決 定
X軸 : 1
2
5 (Hz)•
うな手段が考えられる.
向 剛 性 K を 向 上 さ せ る . このとき Jは ほ と ん ど 変 化 し な い .
1
0x1
0
tdes < O
.1
5
0 (s)
条 件 2 :立 上 が り 時 間 目 標 値
④で点した修正ベクトルには例えば次のよ
①ボールねじの支持方式を現在のシングルアンカから,
で, 各 軸 共 通 の チ ュ ー ニ ン グ 条 件 を 次 の よ う に 設 定 し た .
そ の愚 大 値 が 上 限
こ の う ち 最 も 国 有 振 動 数 の 低 い X軸について最初に行い,
@ ボ ー ル ね じ の 取 付 長 を 縮 め る (例えば 10 %) . 仕 織 変 更 あ る い は ポ ー ル ナ ッ ト 長
の 変 更 な ど ) . Jは 減 少 す る が
,
K は増 加 す る 方 向 ヘ シ フ ト す る .
(4) 修 正 ベ ク ト ル の 選 択
,
そ の 後 Z軸
図7
1によれば.現在のメカニカルパラメータの純ですでに, 条 件 lの サ ー ボ 剛 性 に 関
Y軸 の1
1
聞に行うことに決定した.
(3) J Kマ ッ プ の 作 成 と 修 正 ベ ク ト ル の 計 算
す る 目 標 値 お よ び 立 上 が り 時 間 の 自 掠 悩 を 満 足 し て い る. しかし, 全 体 の 固 有 娠 動 数 を
増 大 き せ る た め に ボ ー ル ね じ 支 持形式をシングルアンカからダブルア ンカに変更するこ
働
11
4-
1
1
5-
/。
向
ア'
線-/ ご
nu
、-zs
一
3
﹁
、
一 9m
一//¥、 ¥
11
lN
t
u
-¥K48
み
、-7N
、、¥﹄
J
L
fi t
イナーシャ
--、 ¥ -
ベクトルにより,
ニ
で①の修正のみとした. それでもこの修正
汁川ノj
ボールねじ長さの短縮化が困難であったの
ν
X軸の
J
盃
4
司
る対策も同時に行うべきであるが,
担
ま
-V
るベク ト ル ② の ボ ー ル ね じ の 長 さ を 短 く す
~
一
5
するのがよい. その意味ではサーボ剛性目
保条件を満たしつつ左上方向にシフトでき
6
'
が 小 さ く な る 方 向 ) に修正ベク トルを選択
図7
3 機械 Bの Y軸の JKマップ
X軸 の 固 有 振 動 数 は ω=
H
z
)から 1
6
6
(
H
z
)に高くなった. 以 後 の Z軸 , Y 軸 の チ ュ ー ニ ン グ で は こ の X 軸 の 固
1
2
5(
有振動数が目標となる.
V
i
V
g
m
a
x
Vg
Kp
m
a
x
Kp
Z
0.0048
0.565
1584
105
22
42
42
0.0080
0.678
1153
79
37
93
42
7.2.2 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 実 施
(1) V i
, Vg,Kpの 決 定
メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ に よ り 各 軸 の J, K, M が決定したが,
Dに つ い て
は 送 り 駆 動 機 構 の パ ラ メ ー タ 同 定 に よ り 決 定 し た . そしてそれを式(ト 1
4
), 式 (
5
1
5
)に代
入 し て 各 軸 の Viを 計 算 す る と 表 7
1のようになる. この Viに対する Vgの上限値は, 速 度
Jaを 式 (
5
1
3
)に代入すると, X 軸 の
Vgに対する Y , Z軸 の Vgの 比 率 が 次 の よ う に 決 定 す る .
次 に 固 有 振 動 数 の 低 い Z軸 の チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . まず最初に X軸 と 同 様 に J K マッ
X軸 で 求 め た 固 有 振 動 数 ω=166(Hz)を表す ω曲 線 を 図 7
・2
に示すように J
Kマ ッ プ に 重 ね て 描 い た . こ の と き 立 上 が り 時 閣 の 目 標 値 を 満 足 す る た め の イ ナ ー シ ャ
Jの 上 限 値 は Jm
a
x=O
.0
1
1
3(
N.
m.
S2
)であった. この Z自
車 J K マップにより, 現 時 点 で す
でにサーボ剛性の目標値, および立上がり時間の目標値を満足していることがわかる.
ただし,
D
Y
ループパラメータの実現可能領域のグラフより求め,
(5) 第 2軸 (2軸) の チ ュ ー ニ ン グ
プを描くが,
×
(
N
m
'
s
2
) 0.0069
(
N
m
's
) O
. 565
{
寸
1099
(
A
's
/
r
a
d
)
32
(
A
'
s
/
r
a
d
)
32
(
S-1)
44
(
s・1)
42
事
由
Ja
/岨
×
7
//
左 上 方 向 に シ フ ト す る 方 向 (Kが大きく J
表7
-1 機械 Bのチュー二ング過程
-一¥
限 り 大 き く 取 る た め に は JKマップ上では
-0-
8
)///'
九//,
ε¥Z
9
例して増大するから, 固 有 振 動 数 を 可 能 な
l/f-l¥
1
0
(K/J) 1/ 2に比
一
固 有 振 動 数 ωは
1fli
なお,
r
﹃¥﹄×
6
ーーーレ l t k
↓
付、﹁ too
s
i
l
l
i
5
STIlli--11111111aPIl-- ノ 4
UH -i'性庁 l s t i l l i - -1 11l
j tIF-i
l
l
i
t
d
門
J
J
i
t
日
寸占岨 11111111hl1h川凶 会Flj 〆 一
Z﹁
ホ
斗川川バMEU45 /づ
に3
lll
一 占 ? 1 1 1 1 1 1 1 1 m点/二, L
1
在 /J//f4 2
1111
1 1 1 1 1 1 1 1 !現
J/l
サ
ととし, ① の 位 置 へ シ フ ト さ せ た .
Vgy/Vgx
O
.6
9,
V
g
z/VgX 一 1
6
.1
よって, 各 軸 の Vgは表 7
1のように計算される.
さ ら に 同 表 に 示 し た 速 度 ル ー プ パ ラ メ ー タ Vg, V
iに対し, 位 置 ル ー プ に 関 す る 安 定 性
の制約条件(ゲイン余硲が1
0(db)以上, 位 相 余 硲 が 4
0(・)以上) を 満 た す 最 大 の Kpを求め
た と こ ろ Y軸の Kpが最も低かったので,
X.2軸 の Kpを Y軸 に 合 わ せ て 42(sーっとした.
ω 曲線からかなり離れているため, 修 正 ベ ク ト ル を 追 記 し て 修 正 を 図 る . 固 有
振動数を目標値 l
こ近づけるため,
ボールねじ径を 3
6
(
m
m
)から 4
5(
m
m
)の 2ランク上げ, 固
有 振 動 数 を ω=1
6
4
(
H
z
)とした.
(2) Kf, Ts の 設 定
こ う し て 得 ら れ た Kp, Vg, お よ び V
i の各バラメータを設定した後, 加 減 速 方 式 を 指
(6) 第 3軸 ( y軸 ) の チ ュ ー ニ ン グ
数 関 数 型 加 減 速 と し て 各 軸 に つ い て 個 々 に フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kf, お よ び 加 減 速 時
最後に, 残る Y 軸 に つ い て 問 機 に チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . 図 7
3に 計 算 し た Y軸 の J K マ
ップを示す. こ の 場 合 の サ ー ボ モ ー タ 立 上 が り 時 間 の 目 標 値 を 満 足 す る た め の Jの 上 限
値は Jm
a
x=O
.01
3
0(
N.
m.
s
2
)であった. Y軸 JKマップより初期状態で既にサーボ剛性,
立 上 が り 時 間 に 関 す る 目 標 値 に 到 達 し て い る の が わ か る . また,
定 数 Tsを 求 め た (表 7
-2
) . この中で X軸 の Kfが最も小さくなっているので,
Z軸 の Kfを X軸 に 揃 え る . まf
こ Ts については, 最 も 大 き い Z 軸に X , Y軸を揃えた.
うして得られたサーボノ f ラ メ ー タ の 最 終 チ ュ ー ニ ン グ 結 果 を 表 7
3に示 す.
固有振動数、目様の±
10%の範囲に入っているので過剰品質でもなく, 特 に 対 策 を と る 必 要 は な い と 判 断 で き
7.2.3 輪 郭 誤 差 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 効 果 の 確 認
る.
1
1
6-
Y および
ー
1
1
7-
'
.
、
以上のトータルチューニン
表1
2 各軸の
て
, 最 大 4.5X I0-5 {
m
)に 改 善 さ れ て い る (25%の 低 減 ) . さ ら に 各 軸 の 伝 達 特 性 を 揃 え た
Kt, Ts の計算結果
(3) の チ ュ ー ニ ン グ を 行 っ た も の で は 0.25(s)ま で の 起 動 時 に 最 大 1 .2X10・a(m)の 誤 差
グによ っ て 蛤 郭 誤 差 が と の 程
×
Y
Z
(
ー
)
1
.0336
1.0488
1.034 8
Kt
(
ー
)
1.0336
1.0336
1.0336
Tsm
in
(
s
)
0.029
0.025
0.038
Ts
(
s
)
0.038
0.038
0.038
事
由
度低減されるのかを検討して
おく.図 5-3の X Y平 面 の 同 時
2軸 直 線 補 間 で 輪 郭 誤 差 が 最
Ktmax
が見られるのみでそれ以後はほとんどゼロに近く,
チューニングの効果が十分認められた.
7.3 汎 用 マ シ ニ ン グ セ ン タ の 場 合
(
J =4
5
'の 場
も大きく表れる
トータルチューニングは新規設計の段階から活用できる手法であるが, 既存の機械のチ
合の移動開始した直後の輪郭
ューニングにも有効である. この場合には現状の機械の能力との比較により,
誤差についてシミュレーショ
表7
3 サーボパラメータチューニ ング結果
改良余地があるかが明確にできる.
ンした結果を図7
・4
に示す.
シミュレーション条件:
.1s
立 上 が り 時 間 一O
O
.5s
駆動時間
t
旨令述皮
5m/min
加減述J
j式
×
Y
Z
42
42
42
Vg (
A'
s
lrad
)
185
170
15 8
Vi
(
)
422
648
508
Kt
(
ー
)
1.0336
1.0336
1.0 3 36
Ts
(
s
)
0.038
0.038
0, 038
革
命
(
s-1
)
Kp
より実際にトータルテューニングを行ってみる.
まず, 手 順 通 り に メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ か ら 始 め る . 第 5な で 述 べ た 多 軸 メ カ ニ カ ル
チューエングのアルゴリズムに従って進める.
E
a
-
(1) 現 状 の 機 械 A の 仕 織 に て , 標準的
,
a
)
差 (Kp=33{s
トータルパラメータ
チューニング結果
30
Vg=
が主体であるので,
条 件 l :サーボ 剛 性 目 標 値
〉
5
0x1
08
(
N
/
m
)
td
e
s<O
.100
(2) チュ ー ニ ン グ を 行 う 軸 順 序 の 決 定
差
式 (5-8) を 用 い て 現 状 の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ で の 各 軸 の 固 有 振 動 数 を 計 算 す る と ,
鯛
lll
l ht
(3) 上 述 の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ
-20
ーニングとサーボパラメータテュー
-30
エングの両方を実施した場合の輪郭
-40
誤 差 ( 点 7-2)
0
X軸 :8
9
.0 (Hz),
¥ 人一パ引ータ
チューニング結果
¥ I
標準的パラメータ
01
.
0
.2
0
.
3
0
.
5
d
E
たものが.各軸について個別にサーボパ
,
,
,
・
K) の 座 僚 を O印で,
上 が り 時 聞 に 関 す る 目 標 値 Tdesを 満 た す た め の Jの 持 容 範 囲 で あ り ,
Jmax=
O
.0086(N.
m.S~ )である. 図 中 の ①
申
その最大値が上限
④ で 点 し た 修 正 ベ ク ト ル は , 前 述 の F TL
ーニングを施すことによっ
118
サ ー ボ 剛 性 Hdesの自探値の下限,
お よ び イ ナ ー シ ャ Jの 上 限 値 を ハ ッ チ ン グ で 示 す . イ ナ ー シ ャ Jの 取 り 得 る 範 囲 は , 立
値
ー
Z軸 の I
1
自に行う.
5の よ う に な っ た . こ こ で テ
ま ず Y軸 に つ い て の JKマ ッ プ を 作 成 し て み た と こ ろ 図 7
s
図1
-4 機 械 Bに お け る チ ュ ー ニ ン グ 有無による
輪郭 誤 差 比 較
(Xy平面におけるシミュレーション〉
0- (
m
)の 輪 郭 誤 差 が 生 じ て い
大 6.0x 1
,
そ の 後 X軸
このうち最も
(3) J K マ ッ プ の 作 成 と 修 正 ベ ク ト ル の 計 算
,
,
、
間
0
.
4
Z軸 : 102.9 (H2)
と求められた. 従ってメカニカルパラメータチューニングを行う順序は,
ューニング前の状態の
速時において各軸の応答遅れの差から最
Y軸 :61
.9 (
Hz),
固 有 振 動 数 の 低 い Y軸 に つ い て 最 初 に 行 い
、
ノ
時
力
である. 現 状 の 保 準 パ ラ メ ー タ で は , 日
A
I
1des
条 件 2 :立上が り 時 間 目 標 値
ューニングのみ行った場合の輪郭誤
ラメータチ
各軸共通のチューニング条件を次のように設定した.
20
1
0
その用途は小型の金型切削や部品加工
f
-10F×
(2) 名 軸 に お い て サ ー ボ ノマラメータチ
チューニングの目標値の設定
,
‘
、
,
,nb
,
、
ε
150{A's/rad), Vi=682)
メカニカルパラメータチューニングの実施
機 械 Aは 中 型 の 汎 用 マ シ ニ ン グ セ ン タ で あ り ,
40
なサーボパラメータの場合の輪郭誤
、、,,,
,
、
‘
,
ここで, 比 較 の 設 定 条 件 は
そ こ で 前 出 の 点 3-1に 示 す 仕 様 の 既 存 の 立 型 マ シ ニ ン
グ セ ン タ " 機 械 A.の モ デ ル チ ェ ン ジ を 怨 定 し , 送 り 駆 動 系 に つ い て 上 記 の ア ル ゴ リ ズ ム に
7.3.1
直線加減速
どの程度の
-1
1
9-
・
サーボ剛性 Hs(x1
0H
/
〉
伺
t
ε401'
、
、
、、
0
.
5 、、
時司、;
V
仁三一』
ー
、ー
→『ーー寸
、
2 3
τ
イナーシャ
J
3
2.5~\
2
.
0
X
1
話
ー
ー
1
.
5
目
主
.
1
0
也
証
5 6 7 8 9 1
0
d
J
1
、、¥ , 、
、
>
1
.
. .
、
¥ ¥ ,、、、ン!、、
、、、島 、、、 d 、
、 、 、 、 ノl'、、
1" 、
¥ 、
、 ち
覚
、 プ¥
、
¥、¥、、以I二、、
'
/, .
.
.
.
_
、
、
、
三1
、よご『
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司
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11
3
.
0ト1
phd
¥¥¥¥¥ヨニ¥
l 叫
1
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5
2
45
.×
0
L¥¥¥¥¥外
塁
、¥ ¥ ・ 、 、 、 ノ I.
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l
'
:
:
'
、 、 ¥ ¥ ¥ .ぢ│回 ‘
5
¥ 4
之
E
×
;怯
E
40
OF
!軍
事
1
0
‘、ィ
1/)‘
-
×
0-
nUF3
J
内
4
内
・
h
、
ι20
a
主
-
5
4
.
5
Cコ
‘
:、、、;11 、 1 ¥ ¥ 、ノ、
ミ35ト!
組1.
5
8 1¥¥
y
、 〆h
2
Xl0- Nms'
3
イナーシャ
図7
5 機械 Aの Y軸 の初期の j Kマップ
7 8 9 1
0
3 4
1
0
J
X
1
0
-3
Nm s2
6 機械 Aの Y軸の修正後の j Kマップ
図7
イナーシャ
J
x1
0
-3
1
0
N m s'
8 機械 Aの Z軸における初期の
図7
j Kマップ
図7
9 機械 Aの Z軸 における修正後の
j Kマップ
(5)第 2軸 (X軸 ) の チ ュ ー ニ ン グ
次 に 固 有 振 動 数 の 低 い X 軸 の チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . ま ず 最 初 に Y軸 と 問 機 に JKマッ
機 の場合と同械である.
プを描くが,
(4) 修 正 ベ ク ト ル の 選 択
5
現在のメカニカルパラ
メータの値では立上がり時間の目標値は満
足しているものの, 条 件 1の サ ー ボ 剛 性 に
関 す る 同 様 値 に 述 し て い な い. サーボ岡lJt:生
E
¥ 4
Z
~ 3
.
5
×
a
ーニングの対策としてボールね
じ支持形式をシングルアンカからダブルア
25
X
:
t
l.
1
5
お よ び 立 上 が り 時 間 の 日 掠 値 を 満 足 し て い る . また X 軸 の 固
9.0(Hz)は 目 標 の 84.6(
l
Iz)の 土 10%の範四に入っており, ω曲 線 に も 十 分 近 い
有振動数8
位 置 に あ る こ と が 分 か る . 従 っ て X軸 に 関 し て は 現 状 で 既 に 全 て の 目 標 条 件 を 満 足 し て
おり, 特 に 設 計 変 更 は 必 要 な い こ と が 分 か っ た .
(6) 第 3軸 (Z軸) の チ ュ ー ニ ン グ
最後に, 残る Z軸 に つ い て 問 機 に チ ュ ー ニ ン グ を 行 う .
0
.
5
位世へシフトさせた. この修正ベクトルに
間 有 振 動 数 は ω =61
.9(Hz)
でにサーボ剛性の目標値,
置
ンカに変更することとし , 図7
6の・ 印の
より , Y 軸の
2
Jの上 限 値 は Jm
a
x=O
.008(
N.
m.
S2
)であった. この X軸 J Kマ ッ プ に よ り , 現 時 点 で す
tt
従ってチ
3
Kマ ッ プ に 重 ね て 描 い た . こ の と き 立 上 が り 時 間 の 目 掠 値 を 満 足 す る た め の イ ナ ー シ ャ
!t
ili-
値が日係値を越えるには, 修 正 ベ ク ト ル か
ら 判 断 し て ベ ク ト ル ① が 最 も効果 的である.
4
.
5
--1 1 1 11 1 1 i1-1
図7
・5によれば,
Y軸 で 求 め た 固 有 振 動 数 ω-8
4
.
6(
l
Iz
)を表す ω曲 線 を 図 7-7に 示 す よ う に J
Z軸 の JK
マ ッ プ を 示 す . こ の 場 合 の サ ー ボ モ ー タ 立 上 が り 時 間 の 回 線 値 を 満 足 す る た め の Jの上
2 3
イナーシャ
図7
8に 計 算 し た
9 1
0
J
Nm s'
図7
7 機械 Aの×軸におけ る j Kマップ
a
x= O
.
0090(
N.
m.
S2)であった.
限 値 は Jm
Z柏 J K マ ッ プ よ り 初 期 状 態 で 既 に サ ー ボ 剛
性
, 立 上 が り 時 間 に 関 す る 目 標 値 に 到 達 し て い る の が わ か る . ただし, ω曲 線 か ら か な
り離れているため, 修 正 ベ ク ト ル を 追 記 し て 修 正 を 図 る .
.6(
l
Iz)に 高 く な っ た . 以 後 の X 軸
から 84
,
Z軸 の チ ュ ー ニ ン グ で は こ の Y軸 の 固 有 撮
Z軸 に つ い て は ボ ー ル ね じ の 静 剛 性 値 が ト 分 高 く . ト ル ク 的 に も 余 裕 が あ るので, 修
正ベク ト ル の 中 か ら 次 の 2つを選択した.
動数が白僚となる.
1
2
0-
1
2
1
② ボ ー ル ね し 径 を l ランク下げ,
(
m
r
a)から d
d=3
6
Vgy/ Vgx = O
.95,
Vgz/ VgX =
32(mm)とする.
0.82
よ っ て , 各 軸 の Vgは表ト 4
③ ポ ー ル ね じ 支 持 軸 受 間 距 離 を 703(mm)から
のように計算される.
8S0(mm)に 伸 ば す (1
.21倍) .
の 位 置 ま で シ フ ト し た が ,これら の修正ベ
i
ループパラメータ Vg, V
ク ト ル だ け で は 固 有 振 動 数 を Y軸 の 固 有 振
に対し,位置ループに関す
動 数 の I10%の 範 囲 に 収 め る こ と が で き な
z軸 の 固 有
3 4 5 6 7 8 9 1
0
イナーシャ
J
x1
0
-3
N m s2
図7
-10 機械 Aの Z軸の被駆動部質量 Mを
変更後の jKマップ
(
k
g
)と す れ ば 良 い こ と が わ か る . こ の 機 械
Z
0.0047
O. 16 9
0.25 1
O
. 170
423
648
508
188
185
158
62
67
70
表7
・5 各軸の Kf
.
余 絡 が 40(')以上)を満たす
×
Y
Z
Kt (
ー
)
0.52
0.50
0.58
Ts (
s
)
0.025
0.026
0.027
車
自
直線
最 大 の Kpを 求 め た と こ ろ Y
T
sの計算結果
軸の Kpが最ら低かったので,
指数
Kt ト
)
1.0029
1.0029
1.0029
X.Z軸 の Kpを Y軸 に 合 わ
(参) Ts (
s
)
0.025
0.026
0.027
せて 62(s-I)とした.
ドの上下軸であり,バラ
ン ス は カ ウ ン タ ウ エ イ ト に よ り 保 っ て い る の で , ヘ ッ ド と ウ エ イ ト で そ れ ぞ れ 24(
k
g
)づ
(2) Kf, Ts の 設 定
表7
6 サーボパラメータチューニング結果
こ う し て 得 ら れ た Kp,
つ増置することにした.
革
命
Vg, お よ び Viの各パラメ
Kp
るかどうか確認しておかなければならない.図7
・1
0に Mを 変 更 後 の J Kマップを示す.
ータを設定した後,加減速
Vg
Vi
これよりサーボ剛性
方式を直線加減速として各
Kt
軸について個々にフィード
Ts
とが分かったので,
(
N
m
's
)
ン余裕が 10(db)以 上 , 位 相
k
g
)から 532
質量 M を 求 め る と , 現 在 の 485(
Mを変史したので,
Y
0.0055
る安定性の制約条件(ゲイ
振 動 数 を Y 軸の1.1倍の 93(Hz)になるような
j
。
×
ja (
N
m
's苫
) 0.0056
置
か っ た . そ こ で さ ら に 移 動 体 の 質 量 M のチ
の Z紬 は 主 軸 へ
車
S
VI
ト
)
Vg(A's/rad)
s-1
)
Kp (
きらに同表に示した速度
こ れ ら の 対 策 を 施 し た 結 果, 図 7・9のO印
ューニングを胞すことにした.
表 7-4 機械 Aの J
a
.D
.V
i
.V
g
.Kp
もう一度 J Kマ ッ プ を 画 直 し し て す べ て の 目 標 条 件 を 達 成 し て い
立上がり時間,固有振動数のそれぞれの目標値を満足しているこ
ここでメカニカルパラメータチューニングを終了した.
フォワードゲイン
×
Y
62
62
62
(
A
's
/
r
a
d
)
185
170
15 8
(
ー
)
422
648
508
(
ー
)
0.50
0.50
0.50
(
s
)
0.027
0.027
0.027
(
s1
)
Z
Kf,およ
び加減速時定数 T
sを 求 め た ( 表 7-5
) . 重き考までに指数関数型加減速の場合の
7.3.2 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 実 施
の計算結果も併せて示す.
(1) Vi, Vg, Kpの決定
この中で Y軸の
Kfが最ら小 8くなっているので,
K
f
.Ts
xおよび
Y軸 の Kfを O
.50と小さくして揃える. また Ts に つ い て は , 最 も 大 き い Z軸に X, Y
メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ に よ り 各 軸 の J, K, Mが決定したが,
Dについ
て は 送 り 駆 動 機 柿 の パ ラ メ ー タ 同 定 に よ り 決 定 す る . そ し て そ れ を 式 ( ト 14),式 (5-15)
軸を揃えた.
こうして得られたサーボパラメータの厄終チューニング結果を表 7
-6に示
す.
に代入して各軸の V
iを 計 算 す る と 表 7
・4
のようになる. この V
iに対する Vgの上限値は,
述皮ループパラメータの実現可能領域のグラフより,
X軸 - 205(A's/rad),
Y軸 = 170(A's/rad),
と求まる. 一 方. Jaを式 (5-13)に代入すると,
7.3.3 輪 郭 誤 差 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 効 果 の 確 認
Z'
由 = 182(A's/rad)
x軸の Vg
l
こ対する Y, Z軸の Vg
の比率
以上のトータルチューニングによって輪郭誤差がどの程度低減されるのかを検討してお
く.図ト 3の X Y平 面 の 直 線 補間 で 輪 郭 誤 差 が 最 ら 大 き く 表 れ る
が次のように決定する.
ー
122 -
ー1
23 -
e=45・の場合について,
送り速度 F
=5.0(m/min)の 直 線 加 減 速 で 移
表7
1
動開始したときの輸邦誤差についてシミュ
1
1に示す.
レーションした結果を図7
項
、
回
、
.
c
:
:
>
で
,
目
モータ
出力
二60
(
k的
3.5
3000
ストールトルク
(
N
m
)
7.84
9.80
17.64
定格トルク
(
N
m
)
6.37
1
誘起電圧定数
JV
0
.
1
トルク定数
臥2
0
.
3
0
.
4
時間
s
4.75
(
N
m
)
23.86
(
N
ms2
) 3.92Xl0
(0) 0.396
・
・
31.93
・
・9.80xl0→
(
m
H
)
(
m
V
/
r
p
m
)
(
N
m
/
A
)
0.293
5.0
.
,17
49.59
1.96xl0-J
0.0996
5
.2
7.45
24. 1
25.6
25.6
0.686
0.730
0.730
0
.
5
図7
1
1 機械 Aにおけるチューニング有無
による輸郭誤差比較
(Xy平面におけるシミュレーション〉
9
.0 x 1
0 (
m
)の輪郭誤去が生じ.定常状態
E
3000
電機子インダクタンス
/
,
,
,
,,
,
グ
ン
時において各軸の応答遅れの差から最大
0
ユ
である.現状の保準パラメータでは,加速
チ
-~O
J
ーエングを実施した場合の輪郭誤差
ν
'
屯
,
.
20
p
a
(3) さ ら に メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ
モータ
3000
電機子抵抗
ューニングのみ行った場合の輪郭誤差
D
(
mi
n
-'
)
ロータイナーシャ
(2) 各 軸 に お い て サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ
モータ
2.0
ピークトルク
サーボパラメータの場合の輪郭誤差
C
1.5
最高回転速度
(1) 現 状 の 機 械 Aの 仕 様 に て , 標 準 的 な
低慣性 A Cサーポモータの種類と仕織
カ ッ プ リ ン グ 1C. お よ び サ ー ボ モ ー タ の ロ ー タ イ ナ ー シ ャ 1mの 総 計 ) を 加 え た 送 り 系 全
体 の イ ナ ー シ ャ 1aと モ ー タ ト ル ク の 関 係 は 次 の 通 り で あ る .
(R人 M +Ja
) ・(N/ 6 0 tr
) = Tmax- TL
.
5xI
0- (
m
)の 輪 郭 誤 差 が
に人 って もなお 6
(
7サ)
妓 って い る . そ れ に 対 し て 各 軸 に つ い て 制 別 に サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 施 し た も
ここで trは 早 送 り 時 の 立 上 が り 時 間 で あ り .
のは l
止大 6.8x1
0酢
‘(m)に 改 善 さ れ て い る (24.4%の 低 減 ) • さ ら に 各 仙 の 伝 達 特 性 を 揃 え
TLは 摺 動 抵 抗 や 支 持 ベ ア リ ン グ の 静 摩 擦 ト ル ク に よ る 損 失 ト ル ク . Tmaxは サ ー ボ モ ー タ
た (3)のチュ ー ニ ン グ を 行 っ た も の で は O
.
I
(
s
)ま で の 起 動 時 に l
i1大1.7XI0・6 (m)の わ ず
の最大発生トルクで,サーボアンプの段大サーボアンプの最大許容電流とサーボモータの
かな企肋が凡られるのみでほとんどゼロに近く,チューエングの効果が十分認められた.
トルク定数 Ktの積で求まる.
(N/ 6 0 tr) は 加 速 度 を 表 す .
また,
送りの高速化は送り速度の上昇と共に加減速時間の短縮化も重要であり,合わせて進め
7.4 ハ イ リ ー ド マ シ ニ ン グ セ ン タ の 場 合
な け れ ば な ら な い . すなわち. p の増 大 に よ っ て trの 増 大 を 引 き 起 こ し て は 意 味 が な く ,
従 っ て 高 速 加工 機 は 式 (
72
)の バ ラ ン ス を 保 つ た め , 従 来 機 と 比 較 し て 次 の よ う な 対 策 が 必
7.4.1
ハイリードマシンの特性
要である.
(1) 大 型 ア ン プ と の 組 合 わ せ に よ り , 発 生 ト ル ク Tmaxを大きくする.
早 送 り 速 度 F (mm/mi
m
)は,
(
7
1)
F= p ' N
と 表 さ れ る . 回 転 速 度 N は ボ ー ル ね じ の 回 転 体 と し て の 制 限 ( 危 険 速 度 . D N値 ) に よ り ,
現 状 の 2000 または 3000(min-'
)以 上 に す る こ と は 稀 で あ り , サ ー ボ モ ー タ の 最 高 回 転 速 度
も3000(min-'
)とな っている.
従 っ て 送 り 速 度 Fの 高 速 化 は リ ー ド pの 増 大 が 必 須 で , 通
.
.
.
.
.
.
.
1
2
(
m
m
)であ るのに
常 の N C工 作 機 械 ( 放 電 加 工 機 な ど は 例 外 と す る ) の リ ー ド が p = 8
対し. P
20(mm)以 上 の ハ イ リ ー ド ボ ー ル ね じ が 使 用 さ れ る . 以 下 は リ ー ド pの 増 大 に よ
って送り述度の高速化を図る際のサーボ制御系への影響を身える.
i
直線移動を回転系へ換算した等価イナーシャ
ー
1・ に 自 転 体 の イ ナ ー シ ャ 1 (ボールねじ,
1
2
4-
(2) サ ー ボ モ ー タ の 選 定 を 変 え る (Tmaxを大きく Jmを小さく =低 慣 性 高 ト ル ク モ ー タ ) .
(3) ボ ー ル ね じ 系 の イ ナ ー シ ャ を 小 さ く す る . た だ し 加 減 速 に よ る 送 り 方 向 の 剛 性 強 化
も合わせて行わな ければならない(最適設計か必要) .
(4) 移 動 体 質 量 の 軽 量 化 , ま た は テ ー ブ ル の 段 大 積 載 質 量 の 制 限 を 行 う . ま た 重 力 方 向
の軸ではウェイト式のバランスは止め,バランスレスとする.
機 械 F は , 中 型 の 汎用 マ シ ニ ン グ セ ン タ 機 械 A を 母 機 と し て , ポ ー ル ね じ の リ ー ド を p
=8(mm)から
p =2
0(
m
m
)に ハ イ リ ー ド 化 し , サ ー ボ モ ← タ も 最 高 回 転 速 度 3000(min-'
)の 高
速仕椋の低慣性 AC サーボモータ(表 7-7~ 照)に変更して,最大送り速度 60(m/min) を逮
1
2
5-
,¥向
、?
を
、
2
0
4
0
人
fr
m
~1
0
0
機 械 F は 高 速 加 工 用 の マ シ ニ ン グ セ ン タ で あ り, そ の用 途 は ア ル ミ の 部 品 加 工 が 主 体
であるので, 各 軸 共 通 の チ ュ ー ニ ン グ 条 件 を 次 の ように設定した.
条 件 1 :サーボ 剛 性 目 標 値
;
:
.
: 5
Hd
e
s:
0x1
0' (
N
/
m)
td
e
sく
条 件 2 :立上がり時間目保値
O
.1
0
0 (s)
(2) チ ュ ー ニ ン グ を 行 う 軸 順 序 の 決 定
ゆ骨
2
0
0
骨
チューニングの目標値の設定
a
I
J
tm
組
4
没械 A
由幽唱
0
'EA
"0
aE
一 一 樋械 A
_
.
.
.樋憾 F
、.,,
,
、
f
d
内
UF3nu
内
E,
¥
,Z・O F ×
必 置 業 lhv
∞
。
¥
3
0
0
1
0
0
周波数
2
0
0
置
6
0
0
0
.
1
Hz
図7
1
2 機械 A と機械 Fの速度閉ループの
周波数応答
式(
5
8
) を用いて現状のメカニカルバラメータでの各軸の国有振動数を計算すると,
S -4∞
1
1
0
周波数
X 軸 :1
8
4 (Hz)
1
0
0
Hz
Y軸 : 1
5
3(
l
Iz
)
Z軸 : 2
4
0 (Hz)
旧∞
1
3 機織 Aと機械 Fのサーボ剛性の比較
図7
と求められた. 従 っ て メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 う 順 序 は , こ の う ち 最 も
固 有 娠 動 数 の 低 い Y軸について最初に行い, そ の 後 X軸. Z軸 の 順 に 行 う .
(3) J Kマ ッ プ の 作 成 と 修 正 ベ ク ト ル の 作 成
4のように作成した. こ こ で チ ュ ー ニ ン グ 前 の
まず Y軸 に つ い て の J K マ ッ プ を 図 ト 1
成した高速加工機である. さらに送り軸方向にかかる加速度も増大するのでこれらの対策
状 態 の (J• K) の 座 標 を O印で, サ ー ボ 剛 性 の 目 保 値 H
d
e
sの下眼,およびイナーシャ
も併せて行っている.
Jの 上 限 値 を 破 線 で 示 す . イナーシャ Jの取り得る範囲は, 立 上 が り 時 間 に 関 す る 目 線
さ て 第 3i.lで検討したように , ポ ー ル ね じ リ ー ド pの増加, お よ び サ ー ボ モ ー タ の ロ ー
タイナーシャの減少は, 共 に 送 り 駆 動 系 の 送 り 方 向 の 固 有 振 動 数 を 引 き 下 げ る 働 き を す る .
また共娠ピークも鋭くなることから速度ループのハイゲイン化が妨げられ, サーボ剛性は
J
小 さ く な る ・・
その最大値が上限値 J
m
a
x=0
.
0
0
0
1
8
(
N
.
m
.
s2) で
ある. 図 中 の 1.
.
.
. 5で 表 し た 修 正 ベ ク ト ル の 意 味 は 機 峨 A の 場 合 と 向 織 で あ る .
(4) 修 正 ベ ク ト ル の 選 択
凶 7・1
2に 機 械 A と機械 Fの 速 度 開 ル ー プ の 周 波 数 応 答 の シ ミ ュ レ ー シ ョ
ン結果を示す.
4によれば, 現 在 の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ の 値 で は 条 件 lの サ ー ボ 剛 性 に 関 す る
図 7・1
目様値には達しているているものの, 立 上
固有掻動数を上げるために,
程 度 に 大 き い と き に は ボ ー ル ね じ の 伸 縮 や ナ ッ ト 剛 性 な ど が 支 配 的 で あ っ た . ところカfこ
支持方式をシングルアンカからダブルアン
のようなハイリード機では上述のようにサーボ剛性は基本的に低いので,
サーボ剛性が全
ボールねじの
カ方式に変更した. この対策の実施後の J
5
タルチューニングの必要性が高まってくると言える.
値 は 図 の O印の位置となり,
証
Y軸の 固 有 振
2
1
2 3 d 5
以後の X
イナ ーシャ
Z軸 の チ ュ ー ニ ン グ で は こ の Y軸 の 岡
有振動数が目標となる.
3
、
、
、
J
図7
1
4 機械 Fの Y軸における JKマップ
-1
2
7・
'nu
動数は ω =1
9
3
.
1(Hz)となった.
事
由
,
d
が
、
、
Kマ ッ プ を 図 7
1
6に示す. このとき の 設 計
1
2
6-
6
~
体のコンブライアンスに与える影響は非常に大きく. リードが大きくなればなるほどトー
7.4.2 メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 実 施
7
砂
町 い、、、ぃ、、ぃ、ぃ、、、¥¥ ¥¥¥¥﹂ '
ぃ、パ 、
、
、
、
・
、
、
、
、、¥、、・ 4 9 1
t川
i
1
、1 ・
一
、
川
、
‘
、
、
い 1、 、J、、句、、、、、¥¥斗 π
るようにサーボ剛性と送り駆動機構剛性の並列結合であるから, サーボ剛性が無視できる
8
、
時の JKマ ッ プ を 図 7
・1
5に示す. さらに,
、
、
セミクローズドループ制御の場合, 機 械 の 総 合 的 な コ ン プ ラ イ ア ン ス は 式 (
2
1
2
)で 示 さ れ
9
,
、
‘
﹀
寸
rI
パい
山川円、11い.
¥ミム8
j ¥¥
、
(
一hい
、
、
、
サ ー ボ モ ー タ を モ ー タ E に変更した. この
1
0
ε¥ZL- ×
従来の送り駆動機惜の設計法ではボールねじのリードが小さい場合がほとんどであった.
こで立上がり時間の条件を満たすために,
ー
周 波 数 で は 機 械 F の サ ー ボ 剛 性 は 母 機 で あ る 機 械 A の約 20%に と ど ま っ て い る .
がり時間の目標値を完全に越えている. そ
、ー 、
¥¥ ﹄
、・ 1 ¥
h
J 2 211 t
山
川
廿
川
一
い けい11h 1 1川、、、¥、い¥¥¥
47.r
× ; 1 1 K 1 L 1 1 h ¥ 2p
、i hh 、
1
一
、
一
、
¥ 1 1 1 1 1 f t司司旬、 、J K
( 了 111 ・
41什ME'¥ 、 6 J
i ﹁1 1 1 1 ¥ 1 1 t
K 5 2 1111t t t h 九 点 ¥
パ
‘ilh1il i-- 1 、在 、 生一
M
1
t I1Ili-、
、
、
、
、
、 現、
柑ア
11III-11¥¥
3,こ示すようにサーボ剛性が減少し, 位 置 決 め 保 持 力 と し て 重 要 な 低 域
図ト1
サ
この結果,
値 を 満 た す た め の Jの許容範囲であり,
ε
i
i i
J
¥ s
Z
.
¥ ¥ 1 ¥
1 1 1 1
、
、l
t
い
、
、
、
¥
、
、
、
、
け
、
い
、
、
‘
L
、
目
い
、
い
、
、
、
、¥
1
、
、
。
弘回 、
t ¥
,t、
¥
ー
‘
" 6~~
×
基, ,
軍
1~ u d
r
..
'¥
、
ι
ε
ε
9
ε
¥ 8
z
¥ 8
・
=
‘
ー
‘
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×
×
9
¥ 8
.7
.
ー
Z
_t'
、下
、
¥
、¥ラト
¥
、
、l
.
7
ー
之
ー
‘
6
×
i
t
i
E
量
雇
E
2 3
6
イブーシャ
証
X1
0' Nm s7
イナーシャ
1
5 機械 Fの Y軸におけるモータ変更後の
図7
JKマップ
・
ε¥Z
×
0F
.
5
i
t
i
4
~
d
i
t
i
司
2
(N.m's )であった. この X 軸 の JK マ ッ プ
5 6 7 8 9 1
0
X
1
0
3
J
Nm s
'
図ト 1
9 機械 Fの×軸のポールねじ径変更後の
JKマップ
5
I
t
毒
自
Jmax=O
.0021
図7
1
8 機 械 Fの×軸のサーボモータ変更後の
J Kマ
ッ7
.
-aF×
4
イナーシャ
~
a
u
、
2 3 4
7
FOFD
立上がり時間の目標値を満足するためのイ
×
ように J Kマ ッ プ に 重 ね て 描 く . このとき
-QF
193.
1(
I
I
z
)を 表 す ω 曲 線 を 図 7
-17に 示 す
2
5 6
X1
0
' N m s7
J
ε¥ 之
ップを描くが, Y 軸 で 求 め た 固 有 振 動 数 ω
ε¥Z
グ を 行 う . ま ず 最 初 に Y軸 と 同 様 に JK マ
イナーシャ
X1
0・3 Nm s'
サーボ剛性 Hs(Xl0・
N
/圃
〉
次 に 回 行 振 動 数 の 低 い X軸 の チ ュ ー ニ ン
ナーシャ Jの 上 限 値 は
J
薩
、
、 3、
l ¥ ¥
2 3 4
図7
1
6 機械 Fの Y軸のポールねじ径変更後の
JKマップ
(5) 第 2軸 (X軸 ) の チ ュ ー ニ ン グ
3
5
l
ト
h
1
討 a
2 現在点
2 3
t
¥
、
亙~
i
t
i 3
、
5
J
4~\
~
~
i
t
i
詰
1
0
5
f
t
5
a
1
0
証
証
により,現時点では固有振動数に関しては
3 4
2 3 d
イナーシャ
Y軸 と か な り 近 い 値 と な っ て い る も の の ,
サーボ剛性の自傑値,および立上がり時間
の目棟値を満足していないことがわかる.
イナーシャ
5
J
Xl0-3 Nms'
図ト 1
7 機械 Fの×軸における初期の
JKマップ
従 っ て J Kマ.:;プ上で ω 曲 線 に 沿 っ て シ フ
ト さ せ , 条 件 を 満 足 す る J, Kと し な け れ ば な ら な い .
ま ず , 立 上 が り 時 間 に 関 す る 条 件 を 満 足 さ せ る た め に , サ ー ボ モ ー タ を モ ー タ Eに変
1
0
J
2
Xl0-' Nms'
図ト2
0 機械 Fの Z軸における初期の
JKマップ
3
イナーシャ
4
J
X
1
0
' N m s'
図7
2
1 機械 Fの Z軸におげる対東実施後の
JKマップ
で 設 計 値 は 図 の O印 か ら 目 標 の エ リ ア 内 に シ フ ト し , す べ て の 目 保 条 件 を 満 足 で き た の
で
,
X軸 の チ ュ ー ニ ン グ を 終 了 し た .
(6) 第 3軸 (Z軸 ) の テ ュ ー ニ ン グ
8に示す . つ ぎ に サ ー ボ 剛 性 に 関 す る 条 件
更 し た . そ の 後 焔 き 直 し た J Kマ ッ プ を 図 7・1
最 後 に , 残 る Z軸 に つ い て 同 様 に チ ュ ー ニ ン グ を 行 う . 図 7
・2
0に 計 算 し た Z軸 の JK
を 満 足 す る よ う に , ボ ー ル ね じ 径 を 2 ランク上げて 5
0(mm)と し た ( 図 7・1
9
).この時点
マ ッ プ を 示 す . 図 よ り 明 ら か な よ う に , 既にサーボ問H
生,立上がり時聞に関する目標値
1
2
8-
1
2
9-
表7
9
表7
8
×
Y
Z
65
65
65
車
命
(
s1)
Kp
Vg
V
(
A
's
/
r
a
d
)
54
79
59
(
ー
)
1540
1575
1378
Kf
(
ー
)
0.7 16
O
.7 16
0.7 17
Ts
(
ms
)
27
27
27
,
機械 Fにおけるサーボパラメータの股定値
機 械 Fのサーボパラメータチュ一二ング結果
(1)標準設定値
(2)サーボパラ
チューニング
(3) トータル
チュー二ング
Kp
Vg
V,
×
Kf
33
120
682
0.700
Y
Z
33
80
682
0.700
33
100
682
×
0.700
86
17
1728
0.724
Y
Z
86
28
1575
O. 732
86
21
1365
0.747
×
65
54
1540
O
. 7 15
Y
Z
65
79
1575
O. 7 16
65
59
13 7 8
0.725
に 到 達 し て い る の が わ か る . ただし, ω曲 線 か ら 上 方 に 離 れ て い る た め , 修 正 ベ ク ト ル
じるが,
を作成して修正を図る.
(2) の 多 軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ
/20に 小 さ く な っ て お
約 2.0XI0-&(m)と約 1
り時間の目標条件も満足しているので,
またサーボ剛性や立上が
Z軸 の チ ュ ー ニ ン グ を こ こ で 終 了 し た .
り
,
チューニングの効果は十分である.
刷
出
こで (2) と (3) の 結 果 に 大 き な 差 は 見
1
燦 準 的パラメ
、/
,
I
1
0
'
」
/
ζ
内
の 位 置 に シ フ ト し た . こ れ で ω 曲線に卜分接近したと判断し,
J
内
グを行った場合では, 共 に 輪 郭 誤 J
をは故大
6(mm)から 32(mm)に変更し,
ボールねじの呼ぴ径を 3
nunU
軸 受 間 距 離 を 20%伸ばす. この 2つ の 対 策 に よ り 設 計 値 は 図 7
-21の J K マ ッ プ 上 の O印
このため,
40
ε72 ×
さらにボールねじ支持
ュ ー ニ ン グ と (3) の ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン
j
γーポパラメータ
t
/
¥
ノ 穴
タ
/
チューニング,
や 宍 み よ /
皆、
7.4.3 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 実 施
前 節 に 引 続 い て 機 械 A と 同 様 の 手 順 で 多 軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グを行う. そ
のチューニング過f
L
lは 機 械 Aと 全 く 同 じ で あ る の で 結 果 の み 表 7
8に示す.
7.4.4
られないのは,
~・ 10
こ の 機 械 8の 場 合 に は チ ュ
ー ニ ン グ 前 の 状 態 で も X, Y 軸 間 の 送 り 駆
2
0
動機構の伝達特性の差が小さかったためと
ー3
0
考えられる.
4
0
0
トータル
チューニング
0
1
.
時
蛤郭 ~ Æ のシミュ レーシ ョンによる効果の 確認
機 械 Aの場合と同械のシミュレーションで,
X Y平 面 上 を 直 線 楠 閉 し た と き の 輪 郭 誤 差
7.5
を求めた結果を図7
・2
2に 示 す . シミュレーションの条件は,
'EEa
,
,
,
、
、
,,‘、
N Cメ ー カ が 一 般 的 な 機 械 を 対 象 に 求 め た 傑 準 パ ラ メ ー タ を 設 定 し た 場 合
(2) 各 軸 に お い て メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ を そ の ま ま に し て , 多 軸 サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ
ューニングのみを行った場合
間
0
.
4
0
.
5
s
図7
2
2 機 械 Fにおけるチューニング有無による
輪郭銭差比較
(Xy平面におけるシミュレーション〉
結論
トータルチューニングの全体を通じての
ケ ー ス ス タ デ ィ と し て , F T L構 成 機 で あ
る テ ー ブ ル 固 定 型 の 機 械 B, 一 般 的 な 高 村 度 金 型 加 工 用 の 中 型 の 汎 用 マ シ ニ ン グ セ ン タ で
あ る 機 械 A, ハ イ リ ー ド ボ ー ル ね じ と 高 出 力 低 慣 性 A Cサ ー ボ モ ー タ を 用 い た 高 速 加 工 用
(3) ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ 〈 メ カ ニ カ ル チ ュ ー ニ ン グ , お よ び サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ
ーニング) を行った場合
機 械 F に対して, 本 研 究 で 構 築 し た ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ の ア ル コ リ ズ ム を 適 用 し ,
その
J
E
A
、、,,,
,,‘、
,
‘
、
それぞれのサーボパラメータは点7
9の 通 り で あ る .
,
、'EA
チューニング効果を確認した. 本。の主な内容は次のようである.
,
,
の 3通りで,
0
.
3
0
.
2
F T L機 機 織 Bでは, 各 村 の 回 {
.
f振 動 数 の 差 が 大 き い に も 係 わ ら ず . 輪 郭 誤 差 は 6
のも事準的なサーボパラ メータ 設 定 の 場 合 に は 最 大 400(μm)の 大 き な 輪 郭 誤 差 が 生
ー
1
3
0-
-1
3
1-
。品小
第 8早
二三己
(2) 機 械 A,機 械 F に 対 し て ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ を 行 い , 直 線 補 間 で の 輪 郭 誤 差 を シ
ミュレーションした結果, 定 常 状 態 お よ び 過 渡 応 答 時 の い ず れ も 輪 郭 誤 差 が 小 さ く な
り. チ ュ ー ニ ン グ の 効 果 が 十 分 認 め ら れ た .
(3) メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 っ て 固 有 振 動 数 を 揃 え た ト ー タ ル チ ュ ー ニ
ングした場合の送り運動精度は, 単 に サ ー ボ パ ラ メ ー タ を チ ュ ー ニ ン グ し た 場 合 と 比
較して同等かまたはより優れていることが確認できた.
士口
分 の lに ま で 低 減 で き た .
コ
E
本研究では, 送 り 駆 動 機 措 と サ ー ボ 制 御 系 の パ ラ メ ー タ を 相 互 に 対 し て 適 切 な 雌 に チ ュ
ーニングするトータルチューニング手法を新しく開発し,
送 り 駆 動 系 の 性 能 向 上 に つ い て 研 究 し た . そのステ
ーニング,
1
こ の 手 法 に よ る N C工 作 峨 械 の
プは. l軸 の サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ
l事由のメカニカルノ f ラメータチューニング,
何時多軸制御におけるチューニン
グ
, 及び組立製造時におけるチューエングであり,
それぞれのステップについて詳細に考
察した. 各 ス テ ッ プ で の 理 論 的 な 検 討 結 果 は 主 と し て シ ミ
A
めたが, 一 部 に は 実 機 を 用 い た ケ ー ス ス タ デ ィ に お い て チ
A
レーションにより効果を確か
ーニング効果の確認を行った.
本 研 究 で 得 ら れ た 主 な 結 果 は 次 の通 りである.
(1) 送 り 駆 動 機 構 を モ デ ル 化 し ,
ころ,
モ デ ル Bと い う 近 似 モ デ ル と 周 波 数 特 性 を 比 較 し た と
l次 の 固 有 振 動 数 付 近 ま で ほ ぼ 同 等 で あ る の で ,
トータルチューニングに必要
な送り駆動系の安定判別には近似モデルで十分である.
(2) ハ イ ゲ イ ン 化 を 阻 害 す る ハ ン チ ン グ は , 送 り 駆 動 機 情 を 含 む 広 義 の 速 度 フ ィ ー ド パ
ックループの共振現象であることが分かった.
(3) サ ー ボ パ ラ メ ー タ の チ ュ ー ニ ン グ は サ ー ボ 剛 性 1
1を評価 I~J 数とし, 位 置 ル ー プ 及 び
速 度 ル ー プ 内 の パ ラ メ ー タ (K
p. Vg, Vi) に つ い て 日 が 応 大 と な る よ う に 設 定 す る
のがよく、 さ ら に 加 減 速 時 定 数 Ts&ぴ フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド ゲ イ ン Kfも 設 定 し 追 従 誤
差の低減と振動除去を行うのがよい
(4 ) 速 度 ル ー プ の 安 定 性 を 考 服 す る と ,
速 度 ル ー プ 比 例 ゲ イ ン Vgと 速 度 ル ー プ 積 分 ゲ
イン Viの問には, 実 現 可 能 領 i
或が存在する.
(5) サ ー ボ パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 結 果 ,
1軸 の サ ー ボ 剛 性 を 標 準 設 定 値 に 比 べ 4倍
以上に向上させることができた. また、実機で外力と被駆動部の変位やパルス送り時
留まりを測定することにより, 実 機 に お い て も モ デ ル と 同 等 の サ ー ボ 剛 性 向
のパルス j
上が実現されていることが分かった.
(6) フ ィ ー ド パ ッ ク ル ー プ の 安 定 性 に 影 響 を 与 え る 送 り 機 怖 の メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ は ,
被 駆 動 体 質 量 M , 摺 動 面 の 砧 性 減 京 係 数 C. 回 転 体 の イ ナ ー シ ャ J• ボ ー ル ね じ 軸 方
向 の 剛 性 K であり,
これらのチ
A
ーニングをグラフイカルに行うチューニングマップ
法を開発した.
(7) 既 存 の マ シ ニ ン グ セ ン タ に つ い て 実 測 に よ っ て 得 ら れ た 周 波 数 応 答 と 同 定 し た 力 学
-1
3
2-
ー
1
3
3-
パ ラ メ ー タ を 用 い て 計 算 し た 周 波 数 応 答 は X, Y, Z軸 と も 100{Hz)付 近 ま で よ く 一 致
l
付録 l
した.
従来の送り駆動機惜の,没 ~t 法
(8) JKマ ッ プ を j日 い た 具 体 的 な メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ の 手 順 を 提 案 し ,
{え一一
決一一定一
の一一仮一
ク一一の一
一一一材一
旦ム削一
ス一一'一
上﹂被一
:
:
N C工 作 機 械 に お け る 現 状 の 送 り
や一一煩一
態一一種一
形一一工一
械一 一
加
一
機一一
実際にセミクローズドループおよびクローズドループの送り駆動系の設計値を使って
市場調査
本 チ ュ ー ニ ン グr
去を適用した結果,目掠値を満足する具体的な手段が選択できた.
駆動機構 の設計法は,各工作機メー
(9) 同 時 多 軸 制 御 に お け る 輪 郭 誤 差 を 鼠 小 に す る に は , 各 軸 の 伝 達 関 数 を 等 し く す る こ
カによりそれぞれ異なるが,マシニ
とが重要である . そのためにはまずメカニカルチュ ーニングに よ っ て 固 有 振 動 数 を各
ングセンタ の 直 線 駆 動 軸 に 例 を 取 れ
早送り速度などの条件決定
軸で揃えておき,続いてサーボパラメータチューニングを施すのが有効である .
ば基本的には概略次のようである.
対象加工の最大負荷の算出
(10) J Kマ ッ プ 上 に 固 有 振 動 数 が一 定 の 曲 線 を 重 ね て 描 き , サ ー ボ 剛 性 と 固 有 振 動 数
(図付 -1~ 照)
負荷変動割合の推定
の目標値を同時に満足する修正ベクトルを選択する同時多軸メカニカルチ ューニング
ポールねじ径の仮定
(1) 機 械 初 期 仕 様 の 決 定
手法を開発した.
(1 1) 定 常 状 態 で の 輪 郭 誤 差 低 減 の た め , 位 置 ル ー プ ゲ イ ン Kp, 1+D/ (Vg'Kt)
- Kf, 加 減 速 時 定 数 Tsは 各 軸 間 で 一 致 させる必要がある.
(12) 過 渡 応 答 吋 の 輪 郭 誤 差 を 低 減 す る に は , 速 度 フ ィ ー ド パ ッ ク ル ー プ 内 の 伝 達 特 性
:Kv{s).Cω(s)を 軸 問 で 等 し く し な け れ ば な ら な い .
(1 3) 実 機 の 送 り 特 性 が 期 待 通 り に 発 問 で き な い 場 合 , 静 お よ び 動 特 性 D A C測 定 法 を
併用して送り駆動機惜の静剛性,固有娠動数を推定し,それらを理論的な計算値と比
較して送り駆動機械の欠陥箇所を特定する手法を開発した.
(1 4 ) 実 際 に D A C i
f
l
l
J定 法 に よ り 3 台 の 中 ・大 型 の マ シ ニ ン グ セ ン タ の 送 り 駆 動 機 構 の
静・動特性を U
{
I
J定 し , 設 計 時 に 期 待 さ れ た 静 動 特 性 値 が 得 ら れ な い 原 因 を 特 定 し た .
そ の 結 果 , 抑 ・動 特 性 を 低 下 さ せ る 原 因 を 比 較 的 容 易 に 発 見 で き , 本 方 法 が 実 用 的 で
凶
座屈強度計算
軸の危険速度計算
D N値によるねじ径上限計算
ポールねじの寿命計算
市場調査等により開発対象機の
機械形態やサイズ(概略のストロ
ーク)を決める.このとき,その
N
機械の行う加工の控類,対象の被
削材が想定される(例えば,金型
対象の
重力軸のパゥンス方法の決定
m切円JI機 , ア ル ミ 加 工 が 対
↓
(15) F T L用 テ ー フ'ル国定型 N C機 , 中 型 汎 用 マ シ ニ ン グ セ ン タ , お よ び ハ イ リ ー ド
象の高速加工機など)ので,それ
に伴い 早 送 り 速 度 や 愚 大 積 載1
1m
などが初期仕織として決定する .
送り駆動機構各部の問1性の計算
(2) 最 大 軸 方 向 負 荷 の 算 出
N
出する. X, Y軸はフライス切削,
高 速 加 工 機 の 3台 に 対 し て ト ー タ ル チ ュ ー ニ ン グ を 行 い , 直 線 補 間 で の 輪 郭 誤 差 を シ
Z軸 は ド リ ル 加 工 時 の ス ラ ス ト 反
ミュレーションした結果,定常状態および過渡応答時のいずれも輪郭誤差が小さくな
力が大きいので,使用工具の政大
り
,
径のものについて実験式により計
トータルチューニングの効果が十分認められた.
凶
器
送り駆動機備計画図の作成
対象とする加工の最大負荷を算
あることが分かった.
器
盛
(16) メ カ ニ カ ル パ ラ メ ー タ チ ュ ー ニ ン グ を 行 っ て 固 有 振 動 数 を 揃 え た ト ー タ ル チ ュ ー
算する.そして,一定時間中の負
ニングした喝合の送り運動精度は,単にサーボパラメータをチューニングした場合と
荷変動割合を推測し,等価荷量を
比較して同等かまたはより優れていることが確認できた.
求めておく.
加減速時の起動トルクの計算
加工時の負荷トルクの計算
N
了
(3) ボ ー ル ね じ 径 の 決 定
図付 1 従来の送り駆動機構の殺計手I
J
頃の流れ
最大軸方向荷重による座屈強度
ー
1
3
4-
ー
1
3
5-
などの材料力学的な条件から直径の下限が,また早送り速度,
険速度,
ボールねじの
リードの条件から軸の危
DN値 に よ り 上 限 が 決 ま る の で , こ の 範 囲 内 で ボ ー ル ね じ 径 を 仮
に決定する . 上 記 の 等 価 荷 重 を 使 用 し て ポ ー ル ね じ の 寿 命 計 算 を 行 う .
在 の MATLABの 基 本 モ ジ ュ ー ル で あ る .
MATLABのプロタクトファミリは,図{・1
・2
に示すように f
号機能によってそジュール
イヒされている. SIMULABは プ ロ タ ク ト フ ァ ミ リ 中 で は . 1つ の ツ ー ル ボ
y
クスとし
て 位 置 付 け ら れ る . す な わ ち SIMULABは , ブ ロ ッ ク 線 図 を 使 っ て 制 御 系 シ ス テ ム の
(4) イ ナ ー シ ャ の 算 出
問問の機械形態の従来機を参考に,仕様のストロークを満足するような送り駆動機構
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン お よ び 系 の 線 形 化 な ど の 解 析 機 能 を 持 つ . S 1M U L
モデル化を行い,
計 画 図 を 作 成 す る . こ れ ら に よ り 各 部 の イ ナ ー シ ャ を 計 算 し , 送 りモータ 軸 で の イ ナ ー
A Bに お け る 作 業 手 順 の 流 れ を 図 付 ー 3に示す.
シャに検算する.
先 ず モ デ ル 化 で は . S IMULABのプロ ッ ク ラ イ ブ ラ リ お よ び ユ ー ザ 作 成 の ブ ロ
イブラリから,解析対象の系のモデルをブロ
(5) 送 り 駆 動 機 情 各 部 の 剛 性 の 計 算
上 記 の 計 画 図 に 従 っ て , 各 部 ( ボ ー ル ね じ , 支 持 ベ ア リ ン グ , ボ ー ル ね じ ナ ッ トなど:>
の剛性を計算し , 送 り駆動機構全体の剛性を計算する(ただしサーボ剛性は 含まれてい
ない.また細分化し,形状を単純化すればコンピュータによる強度計算を行える場合が
ある) . こ の 時 機 械 の 使 用 目 的 か ら 決 定 す る 剛 性 基 準 値 と 比 較 し , 低 い 場 合 に は 各 部 の
強度を上げる.特にボールねじ径を太くする場合が多い.そしてこれを繰り返す.
MULABの各コマンドによって線形化,
モータ軸換算イナーシャから加減速時の起動トルクを計算し,サーボモータの瞬時最
大 ト ル ク と 比 較 す る . ま た 軸 方 向 荷 量 か ら 加 工 時 の 負 荷 ト ル ク を 計 算 し , サ ー ボモータ
ョン結果のプロットなどを実行する .
ここで. 1自 由 度 の 振 動 を 表 す 2次系の式(付ー 1
)について,
シミュレータ
M A TL A
B/S IMULABの 検 証 を 行 っ て お く .
Z
色Jn
S
2十
})
(
付-
2tωns+ωn2
式(付一1
)のボード線図のゲイン曲線および位,H
I曲線は s=jω として ,各々 以下の式(付ー 2)•
式(付 3
)で 与 え ら れ る .
る.
ておく.
付録2
私'
l
i
l
l
l
M折
C
o
n 01S
r
s1 1
.
.
l
b
o
x
<
1 ・・
シミュレーションに使用したソフトウェア
本研究で用いたシミュレーションソフトウェアは,
・・
・ ・・
スプライン術開
1 1
b
.
x
・・・
$p1
1n
も と も と は LI
N
P
A
C
K
.
EISPACKプ ロ ジ ェ ク ト で 開 発 さ れ た 行 列 計 算 用 の ア ル ゴ リ ズ ム を FORTRANで メ イ ン フ レ ー ム
用に書かれたものである.
・
・
・嵐・
・・・
<
1
.
・・
信号処1
唱
S1
1
f
t 1P
r cS
S'
"
11 1
b
.
x
MATLABは. rMATrix LABoratoryJ を略したものであり,
し
一ー
図付 2 MATLABのソフトウェア梅成
c言 箆 に よ っ て 害 直 し て , よ り 高 速 化 さ れ た ら の が , 現
1
3
6
-ーーー _J
図付 3 SIMULA8における
作業手 J
I
買の流れ
これをし I
N
P
A
C
K.E
I
S
P
A
C
Kプ ロ ジ ェ ク ト の メ ン パ ー で あ る D
r
.
o
h
n Littleらが.
Cleve M
o
le
r, J
-i
システム同:.i:
S
I t -S
pc
1
6 1 l' 1
0
0
1b
“MATLAB/ S IMULAB"
(The MathWork I
n
c
.社)である.
S
シミュレーションの実行あるいはシミュレーシ
の述統定格トルクと比較する. もし過負荷の場合には,モータの選定を変え,再計算す
í~ 仰が小さい場合には,出力の i ランク小さいサーボモータの場合についても計算し
クラ
ク線図でよーボする. ま た , そ の ブ ロ ッ ク 線
図の各パラメータに適切な値を設定する.そして,ブロック線凶表示したモデルを.
G(s)=
(6) サ ー ボ モ ー タ の 選 定 と ト ル ク チ ェ ッ ク
γ
γ
1
3
7-
(付申 3
)
(
付 -4)
(
H
z
)
1/2
0(dB)とな
レベルは式(付 -9)と同織に 2
また,粘性減衰運動では 1
/
ω ご と に 極 大 ・ 極 小 と な る . こ の と き の 対 数 諒 衰 率 δは 以 下 の
っていることがわかる.また,位相曲
式{付 -5)で表せる.
線 は -90(deg)であり,式(付 10)で 計 算
-1/2
(付寸)
-EE
︽
・
U
・
AHV
(
付6
)
AU
AU
AU
目
Lz
︽HVm
c
d
AHu--
四
C
J
W
-EE-- - E E
AHV
.
,
0-+
ωn=100(rad/s), r=0.05(ー)の場合 を考えると,式(付ー 1
)は式(付 6
)となる.
G(s)=
~
-50
2 r2)
1/2
=100X (
1-2XO.052)
1/2
(付ー 7
)
匂
2πr = 0.314
(
付8
)
である.このとき式(付ー 2
),式(付 3
)は 以 下 の よ う に な る .
2010g!G (
j1
0
0
) ! = 2010g!10/j != 2
0(
d
B
)
ζ G(jω)= t
a
n・ 3
2
0
0
1
0
の周波数においても,同図からゲイン
1
0
0
曲 線 と 位 相 曲 線 は 1自 由 度 の 振 動 モ デ
周波数
1
0
0
0
Hz
図付 5 シミュレーションの実行結果
から対数減衰率を求めた.その結果,
そ し て 対 数 減 衰 率 δは式(付-5
)から,
•
坦 1
5
0
時 間 応 答 に 関 し て 調 べ る た め 図 付6
=100xO.995 句 1
0
0(
r
a
d
/
s
)=ωn
δ = 2πr'(1-r2) - 1 / 2
した結果と 一 致 す る . 国 有 振 動 数 以 外
ルを正確に表現していることがわかる.
こ の 場 合 の 共 振 周 波 数 ω(rad/s)は,式(付 4
)から,
ω=ωn .(1
-"0
0
思 寸0
0
δ = 2πr'(1-r2)
ここで,
内正
ω=ωn (1- 2 r2)
)におい
固 有 振 動 数 ω =ω.=100(rad/s
てゲイン曲線の極大値が存在し,その
こ の 場 合 の 共 振 周 波 数 ω(Hz)は,次の式(付ト 4
)で与えられる.
a叫 内 t
(
d
e
g
)
ζ G(jω)
周 波 数 応 容 に 関 し て ば 図 Hs
から,
nunu 、
,Jl n u
(付ー 2
)
∞刀入﹄、句。
(
d
B
)
2010g G (jω)
2
.
0
対数減装率はO
.3(ー)となり,式(付ー 8
)
1
.
8
とほぼ一致したことから,時間応答に
1
.
6
関しでも正E
在にシミュレーションでき
1
.
4
R.
12
ていることが確認できた
.
1
0
{
付 -9)
週
GI
m
a
g(s)
。
0
.
8
GReal(
s
)
=tan-I (ー∞ /0) = -9
0(
d
e
g
)
。
。
(付ー 1
0
)
式(付 6
)を MATLAB/S IMULABを 用 い て プ ロ ッ ク 線 図 で 表 示 し た も の を 図 付
4に , そ の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 っ た 結 果 を 図 付 ー 5に 示 す . ま た イ ン デ ィ シ ャ ル 応 答 線 図
0
.
1
0
.
2
時間
6に示す.
を図付付録 3
0
.
4
0
.
3
05
s
図付 6 インディシャル応答線図
ロストモーションの生成純情
ロストモーションは,実際には、If!j
江 誤 差 に よ る も の と 剖 転 誤 廷 に よ る も の か ら な る ・叫が,
ここでは対称な案内構造をもっ送り駆動機構を検討対象とし,非対称な被駆動体に発生す
る 回 転 誤 差 に よ る ロ ス ト モ ー シ ョ ン は な い と し て , 並 道 Z tAに よ る ロ ス ト モ ー シ ョ ン に つ
いてのみ検討する.
またロストモーションには, JI
S B6338に 定 義 さ れ て い る 方 法 で 測 定 し た 直 線 通 勤 時 に 現
れ る の も の と , 円 弧 補 問 時 (G02, G
03) の 象 限 切 り 換 え 時 に D s B袈置‘ 1)よって測定した
6
) のブロック線図表示
図付 4 式(付-
-1
3
8-
f
jは 測 定 方 法 が 異 な る だ け で , 生 成 機 構 に つ い て は 問
軌跡に現われるものとがあるが,両.
ー
1
3
9-
4
a
Y
、
て
よ
hM
拒困問冊出
E-z
3
R
巡回限出
3
0
、
々
↓l
×
長
:
~t -2
:
図付 7
DBB測定装置の梅造
ー3
送り速度 O
.5
m
/
mi
n
4
0
0
.
5
ーである.そこで本研究では厳密な測定が容
時 間
図付 8 ロストモーションの生成機構モデル
易にできる後者を測定の対象とした.
1
.
0
D B B装置とは,図付申?に示すような 3点
20
.
15
図付 9 象限切換時のサーボモータの
出力トルク変動〈機織 Aの×軸,
サーボモータはモータ A)
N
10
象限切換時付近の DBB装置の
誤差軌跡線図
では油膜が厚くなるため主に潤滑油の粘性抵
抗による摺動抵抗であるのに対し,低速送り
支 持 の 磁 石 入 り 球 面 座 で 支 持 し た 2個 の 鋼 球 聞 を 伸 縮 量 検 出 パ ー で 連 結 し た 測 定 器 で あ る .
一方の座を主軸に他方をテーブル側に付け,テーブル側の球中心を回転の中心として,
図付
s
の場合では油膜が薄く,主に摺動面どうしの摩擦による摺動抵抗である. ここで,同時に
Cに よ り 円 弧 補 間 運 動 を 行 わ せ た と き の パ ー の 伸 縮 量 を 検 出 す る . 被 駆 動 体 を た と え ば X
測 定 容 れ た ロ ス ト モ ー シ ョ ン 軍 を 図 中 に . で示すと,送り速度とともに,
軸方向に補間運動させると,反作用によってボールねじとその駆動部には送り方向と逆向
ン量が変化していることがわかる.以上より,送り速度によって偲動而の油股が変化し,
きに a(μm)の 変 位 が 生 じ る . こ の 変 位 が 位 置 決 め 誤 差 で あ り , 正 方 向 の 送 り の 場 合 に は a,
その結果,摺動抵抗が変化するため,
負 方 向 の 場 合 に は -aと な る . 従 っ て , 象 限 切 換 時 に ロ ス ト モ ー シ ョ ン が 生 じ る と , 図 付
8に示すように,
2 a (μm)の 外 向 き の 段 差 と な っ て 現 れ る . 一 例 と し て F =0
.
5(m/min)で
ロストモーショ
ロストモーション畳も変化したと考えられる.
つぎに,円弧補問時の反転直前・直後に測定されたサーボモータの出力トルクの差とロ
ストモーション量の関係を図付 1
2に示す. この図より測定 8れ た ロ ス ト モ ー シ ョ ン 置 と サ
円 弧 補 間 さ せ た 際 の 象 限 切 換 角 度 付 近 で , 検 出 さ れ た X軸 の サ ー ボ モ ー タ の 出 力 ト ル ク 変
ー ボ モ ー タ の 出 力 ト ル ク の 関 係 は 直 線 近 似 で き る こ と が わ か る . そ の 直 線 と Y軸 の 交 点 で
9に,同時に
動の一例を図付-
与えられるトルクはサーボモータの摩擦トルク及び予圧のかかっているナット,軸受の摩
DBB法 で 測 定 し た 誤 差 軌 跡 を 図 付 1
0に 示 す. DBB軌 跡
D
擦 ト ル ク の 和 T1である. ロ ス ト モ ー シ ョ ン 量 と 出 力 ト ル ク の 関 係 か ら 得 ら れ た 直 線 の 傾 き
ロストモー
から推定される静剛性は 3
.5x1
0(
N
/
m
)で , こ れ は 別 途 行 っ た 静 的 実 験 で 測 定 し た 静 岡f
性
に お い て , 正 段 差 す な わ ち ロ ス ト モ ー シ ョ ン が 5(μm)生じていることがわかる.なお,
B B装 置 の 位 置 を Z送 り 方 向 に 3箇 所 ほ ど 変 え て X Y平面で測定してみたが,
ション置は一定であったので,この場合のテーブルの回転誤差は非常に小さいといえる.
運動方向が反転する直前,直後のサーボモータ電流値から求めた出力トルクの差と,そ
のときの送り速度の関係を図付ー 1
1中に Oで示す.
・
・
値 3
.5xI0 (
N
/
m
)と一致している.
また,
シングルアンカ方式の場合について,テープルの位置がそれぞれモータ側軸受に
この図から,送り速度が大きいほど出
近 い 所 (XO.005m)と , 支 持 軸 受 i
こ近い所 (XO
.4
5
0
m
)で 同 様 の 測 定 を 行 っ た 結 果 を 図 付 ー 1
3
力トルクが小さいのがわかる. この程度の送り速度では,円弧補間運動の際の被駆動体の
に示す. ロ ス ト モ ー シ ョ ン 量 は 左 端 で は 3
.0(μm),右端では 5
.5(μm)に な っ た . サ ー ボ モ
慣性力は無視できるほど小さいので,この出力トルクの送り速度による変化は,送り速度
ータの出力トルクすなわち摺勤抵抗はほぼ同程度であるので,位置によって送り駆動機構
によって摺動抵抗が変化したために生じたものと考えられる.すなわち,高速送りの場合
の静剛性が異なるためにロストモーション重に違いが生じたと考えられる.
1
4
0-
ー
1
4
1-
y+叫J
諮問
ダブルアンカ方式
6
ε
X=400..
。
ε
.
、
o
Z
×
-4
引
R司
e
h lwv穴lhv
い
h ム﹃ム
。
さ
b¥
d
内
込¥
ε
教慢に深甚なる謝意を表します.
今
~9
,
"
¥
、
町
、
:
.
、
ε d
よ き 研 究 の 機 会 を 与 え て 頂 i 終 始 変 わ ら ぬ 暖 か い 励 ま し を 頂 き ま し た 大 阪 織工 株 式 会
2
0
/。
社 福 永 勝 美 社 長 , 同 社 技 術 本 部 本 部 長 村 田 悌 亡常 務 , 同 副 本 部 長 西 村 真 偵 取 締 役 に 深 く 感
.
:
‘
「
5
謝いたします.また貴重な工作機のデータや設計ノウハウを提供して下さいました同社技
2k/
時J
術本部工作機設計課,並びに工作機研究課の皆織に感謝いたします.
•
.
.
L
本論文の執筆に際して惜しみない御協力とよき御助苫を頂きました垣野教慢の主催する
T
く
ロ
。
。
nU
送り速度
0
.
5 I
n
u
0
.
0
50
.
1
F3
0
0,0
1
本 研 究 の 遂 行 に あ た り 懇 篤 な る 御 指 導 を 賜 り ま し た 京 都 大 学 工 学 部 精 密工 学 科 垣 野 義 昭
、
〈
制
Ii
台
。
6
z
1
0
パ
+
辞
I
S
m/min
図付 11 送り速度がサーポモータの
出力トルクおよびロストモーション
量に及ぼす影響
サ ー ボ 研 究 会 の メ ン バ ー の 皆 様 , 特 に 三 菱電機(附産業システム研究所丸山寿一参事,同社
5
1
0
0 ストモーション 量 x 10'm
送り方向様性変形量 x 2
名古屋製作所竹下虎男参事,上越教育大学工学部繋子抑助手,
京都大学工学部井原之敏
助手,同学松原厚助手に深く感謝いたします.
iな が ら , 実 験 や ソ フ ト ウ ェ ア の 裂 作 に 多 大 な 御 協 j
]を 頂 い た 京 都 大 学 計 測 制 御 工 学
末l
図付 12 ロストモーション量と 静剛性実験値
との比舷
研究室の大学院生および学生の方々,
特に丹羽恒治君(現(間関西電力勤務) , 上 回 大 介
君 ( 現 川 崎 重 工 ( 樹 勤 務 ) , 茨 木 創ー 君 ( 現 米 国 留 学 中 ) に 深 謝 い た し ま す .
以上をまとめると,
ロストモーションは以
シングルアンカ
.5
m
/
mi
n
送り速度 O
下 の よ う な 機摘 に よ っ て 生 じ る と 考 え ら れ る .
図 付8に お い て は , テ ー ブ ル な ど の 被 駆 動 体
がサーボモータの出力トルクより,一定の速
5
μ冊
度で駆動され,一定の抱動抵抗が発生して送
俳
ー
・
・
.
り 駆 動 機 情 に は 軸 方 向 に 弾 性 変 位 aが 生 じ て
いる . 運 動 方 向 が 反 転 し て , サ ー ボ モ ー タ の
×
×
出 力 ト ル クが T→ O→ ー Tの よ う に 変 化 す る
と , 弾 性 変 位 は a→ O→ -aの よ う に 変 化 す
る.この間,ポールねじはサーボモータによ
って駆動され回転しているのに,テー
X=5聞冊
図付 13
静止しているので,反転開始から,反転終了
X=450臨調
シングルアンカ方式における D B B
怠差軌跡線図
までに生じる位置決め誤差は次のようになる.
o x=(
xO-x
1
)+(xO-x
2
)=a+a=2 a
(
付 -11)
こ の よ う に し て 発 生 し た 位 置 決 め 誤 差 が D B B法 で 測 定 さ れ た ロ ス ト モ ー シ ョ ン 量 ( =
段差)に相当する .
1
4
2-
事
1
4
3-
参
考
文
法 と オ ー ト チ ュ ー ニ ン グ , 日 本 機 械 学 会 論 文 集 (C梶) , 5
8
.5
4
9(
19
92)1371
.
献
)吉村允孝:工作機械の設計技 U
j- その 5 椛造修正方法論,マシニスト, 2
5, 8(1981)
17
9
2
.
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R
.H.~' ~71( ,
- O
.C
.':I 41ï~-~' 4リ(JI井 忠 彦 , 戸 川 隼 人 監 択 ) :舷適構造設計 一一基礎と
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1
9
7
7
)
1
5
.
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6
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M.Shiraishi
. E.Kume: Suppression of Machine t
o
ol
s Chatter b
y State Feedback
2)
(
1
9
7
6
)
1
8
3
.
骨
C
ontr
01
. Anna1
s0f t
he C1
RP,3
7,1(
19
8
8
)3
6
9
.
20)
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1
1
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I2
f
l
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7
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8
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8
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a・
)J
.T
lu
st
y(塩崎進,中野嘉邦共訳)
&)粟屋伊智郎,加藤義制,三宅岩夫,伊藤止芙:外乱推定に基づいたサーボ系の慣性推定
ングへの応用,
・
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19
9
0
)
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.
中島
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z・ 】 岩 崎 隆 盃 , 森 田 温 , 丸 山 寿 一 : フ ァ ジ ィ 推 論 に よ る 制 御 対 象 の 同 定 と オ ー ト チ ュ ー ニ
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19
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1
0
6
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1
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z‘〉紫子抑
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H
赤 祖 父 恭 介 : 特 集 最 新 C N C技 術一一高 速 ・ 高 村 皮 対 応 の マ シ ニ ン グ セ ン タ 用 CN C,
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1, 1
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1988)846-871
.
8
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7
1
)
.
.8)
2
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・〉粟屋伊智郎,加雌義樹,三宅岩夫,伊様正美:外乱推定に基づいたサーボ系の慣性推定
I
ー
-1
4
4-
(
19
8
2
)99-109.
1
4
5-
性に及ぼす潤滑油および案内面性状の影響について) ,日本機械学会論文集(第 3部) ,
39.317(
19
7
3
)
3
3
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.
・・}東本暁美,渡辺俊明,速水尚,夏害強,垣野義昭:ボールねじ送り駆動系の動特性と
そ の 改 善 に 関 す る 研 究 〈第 2報) 一一一磁性流体ダンパによる送り駆動系の動特性改善,
3年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集,
昭和 6
・・}日本精工(株) :カタログ,精機製品(直動編),
(
19
88)609.
(1990)A8-A38.
)垣野義目白,井原之敏,清水敬一,中川秀夫,竹下虎男 :NC工 作 機 械 の 運 動 精 度 に 関 す
I1
る研究(第 8報〉 一一 スケールフィードパック値を利用した D B B測 定 法 の 改 良 一 一 ,
,
1 3(
19
9
5
)
4
3
0
.
精密工学会誌, 6
・
・ 3森 脇 俊 道 , 芦 田 和 孝 , 岩 田 一 明 : イ ン パ ル ス 応 答 法 に よ る 工 作 機 械 動 特 性 の 測 定 ( 第 1
報) 一一ハンマの最適設計,精密機械, 4
4.6(1978)724.
・・3加 藤 秀 雄 , 中 野 嘉 邦
:
1
3
日振力を監視する手動インパクト式動剛性測定法,精密工学会誌,
54.9(1988)1764.
・0) 繁 子 仰 :NC工作機械送り駆動系の特性の向上に関する研究,京都大学学位論文(19
9
2
)
・υ 伊 藤 隆 史 , 宵 山 藤 詞 郎 , 稲 崎 一 郎 : 工 作 機 械 テ ー ブ ル の 振 動 特 性 , 日 本 機 械 学 会 論 文 集
(C編 ) ,5
4,5
0
6(
19
8
8
)
2
3
7
5
.
・a) 加藤秀雄,中野嘉長s
,中村茂治:案内面の状態が工作機械の勤特性に及ぼす影響,
1
9
8
9年精密工学会秋季大会学術品演会論文集, 8
3
.
・u 大 久 保 (
J行 , 山 本 弘 : 感 度 解 析 を 用 い た 電 気一一機 械 制 御 の 動 特 性 改 善 手 法 , 精 密 工
3, 6(1987)959.
学会会誌, 5
‘り 中 川 昌 夫 , 星 鉄 太 郎 : イ ン パ ル ス 応 答 法 に お け る エ ネ ル ギ ー 入 力 の 条 件 , 精 密 機 械 .
5
0
.
4(
19
8
4
)
7
0
4
.
..)茨木 l
l
I
J-, 坦 野 義 昭 , 松 原 厚, 中 川 秀 夫 , 竹 下 虎 男 , 丸 山 寿 一 : 高 速 マ シ ニ ン グ セ ン
タ の 開 発 と 性 能 評 価 ( 第 1報
学術講演会論文集,
送り駆動系の性能評価) , 1
995年 度 精 密 工 学 会 春 期 大 会
(
1
9
9
5
)
・・
2垣 野 義 昭 , 井 原 之 敏 , 中 津 善 夫 , 篠 原 章 翁 :NC工 作 機 械 の 運 動 精 度 に 関 す る 研 究 ( 第
5報) 一一 回転運動誤差原因の診断法,精密工学会誌, 55.3(
19
8
9
)
5
8
7
.
・1)鹿野義昭, 井 原 之 敏 , 中 津 善 夫 :NC工 作 機 械 の 運 動 精 度 に 関 す る 研 究 ( 第 2報 ) 一 一
D B Bによる運動誤差原因の診断法,精密工学会誌, 55.10(1986)1739.
-1
4
6-
Fly UP