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2014 年 11 月 22 日 長野県北部の地震 - 近地強震波形
- 2014 年 11 月 22 日 長野県北部の地震 近地強震波形による震源過程解析(暫定)- 2014 年 11 月 22 日 22 時 08 分(日本時間)に長野県北部で発生した地震(MJMA6.7)について、独立行 政法人防災科学技術研究所の強震観測網(K-NET、KiK-net)の近地強震波形を用いた震源過程解析を行っ た。 初期破壊開始点は、気象庁による震源の位置(36°41.5′N、137°53.4′E、深さ 5km)とした。断層面 は、震源以南の神城断層付近で地表変動が見られることから、神城断層の位置を参考に決定した(走向 25°、傾斜 61°)。最大破壊伝播速度は 2.0km/s とした。理論波形の計算には、Panayotopoulos et al. (2014) の結果を参考に地下構造モデルを設定した。 主な結果は以下のとおり(この結果は暫定であり、今後更新することがある)。 ・ 断層の大きさは走向方向に約 20km、傾斜方向に約 15km であった。 ・ 主なすべりは初期破壊開始点を中心に広がっている。震源の南側では浅い領域に破壊が進み、北側で は領域全体に破壊が進行した。 ・ 最大すべり量は 2.4m であった(周辺の構造から剛性率を 31GPa として計算)。 ・ 主な破壊継続時間は約 10 秒であった。 結果の見方は、http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/sourceprocess/about_srcproc.html を参照。 断層面上でのすべり量分布 3 6 2 1 0 0 10 0 3 4 0 −3 8 −6 12 −9 破壊開始からの経過時間(秒) 地図上に投影したすべり量分布 すべり量 深さ(km) M0=8.09E+18Nm (Mw=6.54) 傾斜方向(km) モーメントレート(×1018 Nm/s) 震源時間関数 −9 −6 −3 0.0 0.7 1.4 2.1 2.8 0 3 6 9 12 15 走向方向(km) 星印は初期破壊開始点、矢印は下盤側に 対する上盤側の動きを表す。 解析に用いたメカニズム解 浅い 深い 36˚48'N 36˚36'N 137˚48'E 138˚00'E 星印は初期破壊開始点を示す。灰色丸は DD 法により再 決定された余震(本震発生後 1 日以内、M1.0 以上)の 震央を示す。 断層面の設定に用いた節面 (走向 25°、傾斜 61°、すべ り角 59°)を赤線で示す。た だし、すべり角は気象庁 CMT の値とした。 作成日:2015/01/15 気象庁作成 観測波形(黒:0.05Hz-0.2Hz)と理論波形(赤)の比較 NGN005 ew NGNH28 ud NGNH28 ns NGNH28 ew NGNH34 ud NGNH34 ns NGNH34 ew NGNH27 ud NGNH27 ns NGNH27 ew NIGH17 ud NIGH17 ns NIGH17 ew NIGH16 ud NIGH16 ns NIGH16 ew TYM004 ud TYM004 ns TYM004 ew TYMH04 ud TYMH04 ns TYMH04 ew TYM001 ud TYM001 ns TYM001 ew 2.41 NGN005 ns 1.55 2.74 6.72 1.35 9.58 NGN005 ud 0.3698 振幅の単位は cm/s 2.94 4.04 2.47 残差 0 10 20 (秒) 観測点分布 137˚30'E 138˚00'E 10 km 37˚00'N TYM001 NIGH16 TYM004 NIGH17 TYMH04 NGN005 NGNH28 NGNH27 NGNH34 36˚30'N 謝辞 K−NET KiK−net 独立行政法人防災科学技術研究所の強震観測網(K-NET、KiK-net)を使用しました。 参考文献 Panayotopoulos, Y., N. Hirata, H. Sato, A. Kato, K. Imanishi, Y. Kuwahara, I. Cho, T. Takeda and Y. Asano, Investigating the role of the Itoigawa-Shizuoka tectonic line towards the evolution of the Northern Fossa Magna rift basin, Tectonophysics, 615-616, 12-26, 2014. 気象庁作成