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透湿性白色シートのマルチによる イチジク果実の品質向上

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透湿性白色シートのマルチによる イチジク果実の品質向上
白いシートでいちじくの品質が向上
(虫害、腐敗果が減少し、甘いいちじくが採れる)
1 いちじく栽培における問題点
(1)
・
・
(2)
・
成熟時の降雨、日照不足(いちじくは軟らかく雨に弱い)
糖度低下、着色不良→市場価値下落
裂果、腐敗果の激発→廃棄処分で収量減
スリップスの果実内被害(外観からわからない)
果実内部が褐変、腐敗→消費者、市場からのクレーム
解決すべき問題点
(1) 土壌水分のコントロール
(2) 光環境の改善、スリップスの行動かく乱
裂果
腐敗果
図 こんな果実
が収益を減らす
スリップス食害
による褐変(左)
2 透湿性白色シートを地表面に被覆(マルチ)
(1) 透湿性白色シートの特性
・ 外部からの水を通さない
・ 光を90%近く反射する
・ 地表から出る水蒸気は発散する
(2) 被覆方法
・ いちじくの樹列に平行に被覆
・ 6月中旬~7月下旬に被覆開始
・ 収穫終了時に除去
図 透湿性白色シートの被覆状況
3 透湿性白色シートの効果
(1) 着色、糖度の向上
(2) 裂果(果実の目の割れ)程度の軽減
(3) 腐敗果、スリップス被害果率の減少
表 糖度が上がりスリップスと腐敗果が減った
試験区
糖度
スリップス
腐敗果
Brix
被害果%
発生%
白色シート
17.2
7.6
33.3
無処理
15.5
19.2
86.7
白色シート
無処理
図 着色がよくなった
白色シート
無処理
図 果実の割れが小さく
今後の問題点
(1) シートの容易な着脱法開発
(2) 過乾燥防止のための適正な潅水法確立
腐敗果は1日常温(27.8℃)で放置後の発生率
兵庫県立農林水産技術総合センター 農業技術センター 農産園芸部
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