Comments
Description
Transcript
輸出通関における保税搬入原則の見直しについて
輸出通関における保税搬入原則の見直しが施行されました -お知らせ- 概 要 輸出通関における保税搬入原則の見直しについては、当該見直しを盛り込んだ関税改正 法が平成23年3月31日に成立し、同年10月1日より施行されました。これにより、保税地域に 貨物を搬入した後に行うこととされていた輸出申告を、適正通関を確保しつつ、保税地域へ の搬入前に行うことが可能となりました。 一般的な輸出申告による輸出通関 コンテナーヤード等保税地域 必 要 な 検 査 輸 出 許 可 入 審 査 輸 出 申 告 搬 輸出者の工場・倉庫等 輸出通関における保税搬入原則の見直し コンテナーヤード等保税地域 搬 入 審 査 輸 出 申 告 必 要 な 検 査 -1- 輸 出 許 可 輸出者の工場・倉庫等 船積み 船積み 輸出通関における保税搬入原則の見直しの経緯 (1/5) 1.内容 ○ 「保税搬入原則」とは、輸出申告に係る貨物をコンテナヤードなどの保税地域 に入れた後に輸出申告を行うこととするもの。 ○ 産業界等からリードタイムの短縮につながるとの期待から、輸出申告のタイミ ングを前倒しすることについて要望。 ● これまでも適正通関を図りつつ、物流の円滑化のため 通関の迅速化に積極的に取り組んできたところ。 ● 輸出活性化・経済活動支援の観点から積極的に検討。 ○ 要望等を踏まえ、輸出申告を、貿易円滑化のため、適正通関を確保しつつ、 保税地域等への貨物搬入前に行えることとした。 -2- 輸出通関における保税搬入原則の見直しの経緯 (2/5) 2.これまでの経緯 ○ 内閣府の行政刷新会議の下に設置された規制・制度改革に関する分科会に おいて、規制改革について議論。 ○ その中で、「輸出通関における保税搬入原則の見直し」に関する提案がなさ れ、「規制・制度改革に係る対処方針」(平成22年6月18日閣議決定)に盛り込 まれた。 ○ また、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」(平成22年9月10日 閣議決定)において、平成23年通常国会へ法案を提出する旨が盛り込まれた。 ○ 「平成23年度関税改正に関する論点整理」(平成22年11月30日 関税・外国 為替等審議会関税分科会企画部会 取りまとめ)や「平成23年度税制改正大 綱」(平成22年12月17日閣議決定)においても、当該見直しを行う旨が盛り込ま れた。 ○ 当該見直しを盛り込んだ「関税定率法等の一部を改正する法律案」を平成23 年1月28日に国会へ提出。同年3月31日に成立。(当該見直しについては、同 年10月1日施行。) -3- 輸出通関における保税搬入原則の見直しの経緯 (3/5) (参考1)規制・制度改革に係る対処方針について (平成22年6月18日閣議決定) <抜粋> 規制・制度改革に係る対処方針を別紙のとおり定める。 (別紙抜粋) Ⅰ.各分野における規制改革事項・対処方針 4.その他分野 (物流) 規制改革事項 ①輸出通関における保税搬入原則の見直し 対処方針 ・ 貿易円滑化の推進等の観点から、関税法上、保税地域に貨物を搬入後に行うこと とされている輸出申告を、適正通関を確保しつつ、保税地域への貨物搬入前に行 えるよう検討する。その際、不正輸出及び消費税の不正還付抑止の観点から、税 関による申告受理及び貨物検査・許可は、コンテナヤード等保税地域搬入後に行う こととする。 関連して、荷主の異なる貨物を保税地域外でコンテナ詰めし、輸出通関することに ついても可能となるよう検討する。 保税地域搬入前の輸出申告を可能とすることに伴い、一層の迅速通関につながる よう、効果的・効率的な審査・検査を可能とする関連システムの改変・税関の体制 整備等を併せて検討するものとする。 <平成22年度検討・結論> -4- 輸出通関における保税搬入原則の見直しの経緯 (4/5) (参考2)新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策 (平成22年9月10日閣議決定) <抜粋> 5.日本を元気にする規制改革100 ○国を開く経済戦略 ・ 輸出通関における保税搬入原則の見直しについて検討し、平成22年度中に結論を得た上で、 平成23年通常国会に法案を提出する。 別表1 既定の改革の実施時期を前倒しする事項 別表2 5分野を中心とした需要・雇用創出効果の高い規制・制度改革事項(再掲) 事項名 規制改革の概要 実施時期 輸出通関における保税搬入 原則の見直し ①貿易円滑化の推進等の観点から、関税法上、保税地域に貨物を搬入 後に行うこととされている輸出申告を、適正通関を確保しつつ、保税地域 への貨物搬入前に行えるよう検討する。その際、不正輸出及び消費税の 不正還付抑止の観点から、税関による申告受理及び貨物検査・許可は、 コンテナヤード等保税地域搬入後に行うこととする。 関連して、荷主の異なる貨物を保税地域外でコンテナ詰めし、輸出通 関することについても可能となるよう、検討する。 上記につき、平成22年度中に結論を得た上で、平成23年通常国会に 法案を提出する。 ②保税地域搬入前の輸出申告を可能とすることに伴い、適正通関を確 保しつつ、一層の迅速通関につながるよう、各税関の間での申告及び審 査等に関する情報の更なる共有化や、効果的・効率的な審査・検査を可 能とする関連システムの改変・税関の体制整備等を併せて検討するもの とする。 ①平成22年度検 討・結論・平成23 年通常国会へ法 案提出 -5- ②平成22年度検 討・結論 輸出通関における保税搬入原則の見直しの経緯 (5/5) (参考3)平成23年度関税改正に関する論点整理 (平成22年11月30日 関税・外国為替等審議会 関税分科会企画部会 取りまとめ) <抜粋> Ⅱ.平成23年度関税改正についての考え方 6.輸出通関における保税搬入原則の見直し及びこれに伴うAEO制度の改善 (1)輸出通関における保税搬入原則の見直し 輸出申告については、関税法上、原則として、その申告に係る貨物を保税地域等に入れた後に行うものと されている(以下この原則を「輸出通関における保税搬入原則」という。)。 輸出申告が保税地域等への貨物搬入前に行われれば、税関における審査を前倒しで行うことが可能とな り、貨物の保税地域等搬入から許可までの時間が短縮され、物流の円滑化につながることが期待されること から、輸出通関における保税搬入原則を見直し、適正通関を確保しつつ、保税地域等への貨物搬入前に輸 出申告を行うことができることとすることが適当と考えられる。 その際、貨物の検査及び輸出の許可については、不正輸出及び消費税の不正還付抑止の観点から、引き 続き、貨物が保税地域等に搬入された後に行うことが適当と考えられる。 また、輸出申告された貨物の審査、検査及び許可は、通関事務の効率性等の観点から、一連の作業として 同一の税関官署で行っていることから、申告先官署は、輸出の許可を受けるために貨物を入れる保税蔵置 場等を所轄する税関官署とすることが適当と考えられる。 (参考4)平成23年度税制改正大綱 (平成22年12月17日閣議決定) <抜粋> 第3章 平成23年度税制改正 8.関税 (5)輸出通関における保税搬入原則の見直し及びこれに伴うAEO(認定事業者)制度の改善 ① 保税地域等に貨物を搬入した後に行うこととされている輸出申告を、貿易円滑化のため、適正通関を 確保しつつ、保税地域等への貨物搬入前に行えることとします。 -6-