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詩40年
ま行 牧 俊高(まき・としたか) 明治12(1879)年~昭和15(1940)年 木彫家 東京都出身。大正元年頃、田端513(現3-24)番地に転入。能姿の木彫を得意とし、帝展・文展に出 品、昭和11年から文展無鑑査となる。昭和13年の第2回新文展に出品した「羽衣 能楽」は商工省買 い上げとなり、翌年開催されたニューヨーク万国博覧会の出品作品となる。また、岡倉天心が結成し た日本彫刻会にも所属。 水木 伸一(みずき・しんいち) 明治25年(1892)~昭和63年(1988) 洋画家 愛媛県松山市出身。田端には大正3年から2年間、田端155(現3-16)番地の小杉未醒宅に村山槐多 と寄宿。大阪で肖像画を学んだ後、上京し太平洋画会に通う。のち日本美術院洋画部にも参加し た。人物・人体画を得意としたが、海外体験を素材として油彩のほかに水墨画、素描画も多数制作。 河東碧梧桐、竹久夢二、吉井勇、直木三十五など多くの文人と交流する。 満谷 国四郎(みつたに・くにしろう) 明治7年(1874)~昭和11年(1936) 洋画家 岡山県出身。田端在住の詳細は不明。小山正太郎の不同舎に学ぶ。渡仏・帰国後の明治34年、太 平洋画会結成に参画。文展、帝展で活躍、大正14年帝国美術術院会員。この間、再度の渡欧、数回 の中国行きがあり、写実的な画風から、印象派の影響を受けた平明な装飾的画風に移る。 南 薫造(みなみ・くんぞう) 明治16(1883)年~昭和25(1950)年 洋画家 広島県出身。田端365(現1-11・1-30)番地に居住。明治40年、東京美術学校西洋画科を卒業、43年 まで渡欧。明るく温和な画風により文展で二等賞を4回受賞。大正5年から文展・帝展の審査員とな る。昭和4年帝国美術院会員、7年東京美術学校教授、19年帝室技芸員となる。 宮木 喜久雄(みやぎ・きくお) 明治38年(1905)~没年不明 詩人 台湾出身。大正14年、室生犀星を訪ね、堀辰雄、ぬやまひろし、中野重治らと知り合う。同年、田端 に下宿。翌年、雑誌『驢馬』創刊に参加、窪川鶴次郎の下宿に同居。貧しい民衆生活を題材とした 詩、小説、評論を発表。昭和3年、『驢馬』廃刊以後は、プロレタリア文学運動に参加。『戦旗』などに 詩を発表した。 村上 元三(むらかみ・げんぞう) 明治43年(1910)~平成18年(2006) 小説家 朝鮮元山府出身。父の赴任先であった土地の名から命名される。昭和13年頃、田端79(現3-22)番地 に転入。昭和9年作の小説「利根の川霧」が映画化。昭和16年、封建美談を描いた短編「上総風土 記」で第12回直木賞を受賞。以来、時代小説を書き続け、大衆文壇の流行作家となる。映画シナリ オ、テレビ、ラジオの脚本、演出も多く手がけ、昭和40年にはNHK放送文化賞を受賞。 村山 槐多(むらやま・かいた) 明治29(1896)~大正8(1919) 洋画家・詩人 愛知県岡崎市出身。大正3年、従兄の山本鼎の影響をうけ上京、鼎の友人、小杉放庵宅田端155(現 3-16)番地に寄宿し洋画を学ぶ。失恋や創作の苦悩から、頽廃と放浪の生活を送り、陰影の濃い青 春の哀感を表現したが、結核に冒され若くして生涯を閉じる。耽美主義的文芸作品を著した。 室生 犀星(むろう・さいせい) 明治22年(1889)~昭和37年(1962) 詩人・小説家 石川県金沢市出身。生後まもなく養子に出され不遇の少年期を過ごす。高等小学校を中退し、金沢 地方裁判所に給仕となった頃から文学に目覚め上京、貧困と放浪の作家生活に入る。大正5年、田 端163(現3-4)番地に転入し、雑誌『感情』や詩集を刊行。その後523(現5-5)番地等に転居、小説家と して新境地を開く一方、堀辰雄や中野重治らの若手育成にも功績を残す。北区立田端中学校校歌 の作詞も行った。俳号・魚眠洞。 森田 恒友(もりた・つねとも) 明治14年(1881)~昭和8年(1933) 洋画家 埼玉県出身。田端在住の詳細は不明。明治34年、東京美術学校入学以前から小山正太郎の不同 舎に学ぶ。明治40年、石井柏亭らと雑誌『方寸』を創刊。翌年、柏亭、北原白秋らと「パンの会」創 設。二科会会員、日本美術院同人となるが脱会、大正11年、同士と「春陽会」を設立。南画の伝統を 近代絵画によみがえらせた画人の一人。 森 房子(もり・ふさこ) 明治43(1910)年~平成22(2010)年 歌人 東京都出身。昭和9年~17年頃、田端632(現4-20または4-21)番地に居住。昭和7年頃、中河幹子主 宰の女性文芸誌『ごぎやう』(のちの短歌誌『をだまき』)に参加し、のちに編集同人となる。戦後、法 曹家の久禮田益喜(くれだますき)と結婚し、久禮田房子の名でも活躍。歌集に『卍花文』、『多羅』、 『蒼林』などがある。