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「グローバルエンジニアの育成」 ‐工学英語を通じて‐
豊田工業大学 理工英語 GP 講演会(FD 講演会) 講演メモ 2008.11.26 「グローバルエンジニアの育成」 ‐工学英語を通じて‐ 講師 工学院大学 グローバルエンジニアリング学部長/機械創造工学科主任教授 古屋興二 氏 ・日 時:2008 年 11 月 21 日〔金〕 16:20~18:05 ・場 所:本館ホール ・参加者:35 名(教員 30 名、職員 5 名) 司会者から講師略歴を紹介の後、講演・質疑を実施 【講師および工学院大学に係る特記事項】 ・東京大学工学部卒業後、メーカー勤務を経てカリフォルニア工科大学で Ph.D.取得(1972 年) ・米国ハネウエル社17年間、その後米国、日本で企業自営の後、1997 年に工学院大学工学部 教授就任 ・2006 年から工学院大学グローバルエンジニアリング学部長、機械創造工学科主任教授(現任) 工学院大学の主な教育活動(古屋教授が主導されたもの) ・2002 年:JABEE 認定「国際工学プログラム」(第 1 号、現グローバルエンジニアリング学部) ・2003 年:特色 GP「産学連携型の新しい工学教育プログラム(ECP)」採択(第 1 号) ・2004 年:現代GP「グローバルエンジニア育成における英語教育(CSGE)」採択(第 1 号) ●講演内容 (講演後の質疑応答、および講演前の懇談会(学長・副学長)の内容も含む) (1)「国際工学プログラム」について紹介 2001 年に名古屋大学、東京農工大学とともに日本初の認定審査を受審(「融合複合・新領域」) 、2006 年に継続認定審査を受審し、現在第 2 期(5 年間)。 (工学院大学としては、その後 2004 年に機械工学科と機械システム工学科が受審し、現在 3 つ の JABEE 受審教育プログラムが存在する) その後、文部科学省の特色 GP(2003 年)、現代 GP(2004 年)にもそれぞれ第 1 号として採択。 「国際工学プログラム」自体は 1997 年に工学部機械工学科の「国際工学コース」としてスタート、当 初は「工学英語」だけの教育プログラムだったが、2001 年に「国際基礎工学科」として独立し、 JABEE の認定を受けるに当たってプログラムを整備した。 JABEE では、5 年ごと(2009 年以降は 6 年ごと)の継続審査の都度、目標の引き上げと実績の向上 の両方(スパイラルアップ)が求められる。「国際工学プログラム」では 2006 年の継続審査にあわせ て学部の独立を果たした。 (2)「国際工学プログラム」の特色と内容 1)教育目標:“モノづくり”ができる「グローバルエンジニア」育成(グローバルエンジニアへの第一歩) ⇒知識力(基礎科学、数学、基礎工学知識、工学専門知識) +人間力(創造力、マネジメント力、コミュニケーション力、国際的な視野・感覚・倫理) 2)工学(機械系)の“専門家”は育成しない(学部では研究室配属をしない、卒業論文もなし) ⇒専門家の育成は大学院で行う 学部は徹底して基礎重視(数学・物理・化学・生命科学・四力・CAD・電気工学・情報工学 等) 3)Engineering Clinic Program(ECP、学生参加型産学連携型教育): 5 名/1 グループで企業から与えられるテーマ(開発や問題解決)に取り組む (10 社 20 テーマ/年程度、企業はかなり定着、数年間継続するテーマもあり) -1- 2 年次(準備)、3~4 年次(実際の取り組み)、2 年間で 5 回の発表(学内および企業) アドバイザー(教員)とリエゾン(テーマ提供企業の技術者)がつく。指導はするが 解決方法を教えることはしない(自主活動) 特許や実際の商品改善に直結するテーマを扱い、創造力、マネジメント力、発表力を養う (就職に直結するケースもある) 成績評価は、教員・リエゾンのほか学生同士でも相互評価を行う 2 年次:基礎として実験や CAD、モノづくりを身に付ける 3 年次:取り組み活動実施(テーマ選択→計画表作成→活動→発表→(反復)) 4 年次:活動継続、完成、レポート(卒論相当)を作成 4)Communication Skills for Global Engineering(CSGE、グローバルエンジニアのための英語教育): 国際コミュニケーション力として英語を意識した工学教育 Native Teacher(Berlitz と契約)による英会話授業(週 3 回、4 年間) その他の授業も、講義は日本語で行うが、テキスト・宿題(課題)・試験(出題)はつとめて 英語とする TOEIC の受験(4 年間で 5 回)を義務付け(入学~卒業で平均 200 点程度アップ) 英語に対するアレルギーを軽減し、卒業後国際人として活躍できる素地を作る 2006 年からは「日本語表現演習」も新設 5)国際体験(ECP Abroad と CSGE Abroad): 3 年次、全員必修科目 米・欧・豪・ポルトガルの 6 大学へ 3 週間~1 学期間留学、英語+テーマ研究を実施(一部大学は英 語のみ) (3)「国際工学プログラム」のねらいと成果 1)ねらい ・英語および日本語でのコミュニケーション力育成 ・人間力の育成(自分の頭で考え、自己を表現・主張できる学生) 2)成果(評価) ・学生の満足度は工学院大学の全学科中トップ(入学時の偏差値は最も低い) ・就職実績も全学科中トップ(有力メーカーへの就職多数) ・ECP による企業との連携は企業側の評価が高い、海外提携校からも良好な評価 ・外部評価:GP 採択のほか、日工教、機械学会等の教育賞も受賞 以上 -2-