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Cray 地球科学 最新情報

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Cray 地球科学 最新情報
Cray 地球科学
最新情報
第 7 号(2008 年第 1 四半期)
写真:カナダ、ポアントクレール、セントローレンス川、2007 年 2 月
目次:
最新情報
最新情報................................................................1
XT5、Danish Meteorological Institute への 導入決定 ................ 1
HECToR の Cray XT4 が始動 .................................................... 2
MeteoSwiss、CSCS XT4 で高解像度の運用モデルを実装....... 3
米国防総省 High Performance Computing Modernization
Program、XT5 の導入を決定...................................................... 4
2008 年 INCITE の受賞者、発表 ................................................ 4
「Simulation of Global Cloudiness(世界の雲量のシミュレー
ション)」 ............................................................................ 4
「Climate-Science Computational End Station
Development and Grand Challenge Team(ClimateScience Computational End Station 開発研究チーム)」 .. 4
「The 20th Century Reanalysis Project(20 世紀再分析プロ
ジェクト)」 ......................................................................... 5
「Assessing Global Climate Response of the NCARCCSM3: CO2 Sensitivity and Abrupt Climate Change
(NCAR-CCSM3 の世界規模の気候応答の評価:CO2 の感
度と急激な気候変動)」 ..................................................... 5
「Eulerian and Lagrangian Studies of Turbulent Transport
in the Global Ocean(全球海洋の乱流輸送のオイラー、ラグ
ランジュ研究)」 ................................................................. 5
「The Role of Eddies in the Meridional Overturning Circulation
(子午面循環における渦の役割)」 ....................................... 6
Computerworld 誌記事:「Supercomputer travels way back in
time to predict climate future(スーパーコンピュータが過去にさか
のぼって未来の気候を予測)」..................................................... 6
NERSC News の気候、天気に関する記事................................. 6
「Visualizing This: NERSC’s New Cray and Analytics
Experts Produce Animations of Climate Models with Fine
Details(NERSC の新しい Cray、アナリティクスの専門家が
詳細な気候モデルのアニメーションを作成)」...................... 7
「Speed Demon: Researchers Set Performance Records
for Modeling Weather on a Next-Generation
Supercomputer(研究者が次世代スーパーコンピュータで気
象モデリングの性能記録を樹立)」..................................... 7
PSC の XT3、NSF TeraGrid 2007 Science Highlights で紹介さ
れる.............................................................................................. 8
第 1 回革新プログラム、2008 年 2 月 28 日~ 3 月 1 日に開催 . 9
XT5、Danish
Meteorological
Institute への
導入決定
2007 年 12 月、Cray XT5 が Danish Meteorological
Institute(DMI)の次のプラットフォームに選ばれたこ
とが発表されました。国立の気象研究所からの契約
獲得は大きな意味を持っています。XT5 システムの
DMI への完全導入は 2008 年下半期の予定です。
DMIは、領海、領空を含む、デンマーク王国(デン
マーク、フェロー諸島およびグリーンランド)の気象
ニーズに応え、大気、陸上、海洋で、気象、気候、環
境状態を監視しています。活動の主な目的は、人命
および財産の保護、特に国軍、航空、船舶、道路交
通における経済および環境計画のための基本情報
の提供です。
新しい XT5 により、DMI は、現在の 10 倍以上の計
算能力を手に入れ、信頼性の高い数値天気予報を提
供し、気候評価のための海洋、大気の数値モデルを
構築、実行する能力を高めることができます。
今後のイベント .......................................................9
ALADIN、HIRLAM ミーティング – 2008 年 4 月 7~10 日 .......... 9
WCRP/WMO、World Modeling Summit for Climate Prediction
を開催 - 2008 年 5 月 6~9 日 .................................................... 9
第 9 回 WRF Users’ Workshop – 2008 年 6 月 23~27 日...... 10
HPC の気象研究での使用に関する ECMWF ワークショップ –
2008 年 11 月 3~7 日 .............................................................. 10
国際極観測年について.........................................11
日程.....................................................................11
契約に署名するDMIのPeter Aakjær所長(左)とCrayの
Paul Ciernia。2007年12月。Flemming Jenle撮影。
モデリングの観点から見ると、デンマークの地理的領
域は広大です。気象予報モデルである HIRLAM は
ヨーロッパのさまざまな気象サービスで使われている
格子点モデルです。
日 付 け プ レ ス リ リ ー ス 「 University of Reading
climate science gets the boost of a new academic
supercomputer(新しい学術用スーパーコンピュータ
がレディング大学の気象科学研究を後押し)」には次
のように書かれています。
(http://www.reading.ac.uk/about/newsandevents/releases/PR1
1232.asp)
「...科学者は、この新しい高性能コンピュータを使って、
世界で最も詳細な地球規模の気候モデルを実行でき
ます。これまでの 3 年間、当大学の科学者は日本の
地球シミュレータで気候モデルを構築してきましたが、
これからはイギリス国内での実行が可能になります。
新 し い 高 解 像 度 モ デ ル 開 発 の 研 究 主 幹 、 Len
Shaffrey 博士は次のように述べています。「現在の気
候モデルでは、地域、地方レベルでの気候の変化、
特に暴風雨など、影響の大きい天候の変化について
詳しく把握するのに苦労しますが、今後は、HECToR
の能力を使って、これまでイギリス国内で実行されて
いたよりもずっと詳細な地球規模の気候モデルを実
行できるようになります。解像度の高い地球規模のモ
デルでは、よりリアルに地域、地方の気候をシミュ
レートできることが、初期の結果で判明しています。」
DMI の HIRLAM
2 月には、最初の XT5
キャビネットが DMI に
納 入 さ れ ま し た 。 XT5
システムの完全引き渡
し後は、ポーティング、
移行に使用される予定
です。XT5 キャビネット
には DMI のロゴが描
かれています。
「新しい高解像度モデルでは、暴風雨、夏季の熱波な
ど、ヨーロッパの天候をより詳細に把握できます。また、
ハリケーンの数、強さもより現実に近くなります。」
「数年おきに発生する、太平洋赤道域の海面温度が
大幅に上昇するエルニーニョ現象は、オーストラリア、
南アフリカの干ばつなど、さまざまな影響をもたらしま
すが、これを驚くべきスキルでとらえることができま
す。」
Web リンク:
http://www.dmi.dk/dmi/flere
_muskler_til_dmis_prognos
er
レディング大学では、HECToR を活用したもうひとつ
の大規模プロジェクトとして、熱帯気候の研究を予定
しています。
HECToR の Cray XT4 が始動
2008 年 1 月、エジンバラ大学が Cray XT4 を始動し、
イ ギ リ ス の High-End Computing Terascale
Resource(HECToR)プロジェクトの第 1 段階を正式
に開始しました。XT4 はイギリスの学会をさまざまな
学問分野に渡って支援します。HECToR は、イギリス
の Engineering and Physical Sciences Research
Council ( EPSRC ) の 管 轄 下 に あ る Research
Councils の主導、資金援助により、始められました。
気候変動と熱帯気候研究が XT4 を使った 2 つの主
な研究分野です。レディング大学の 2008 年 1 月 11
熱帯気候プロジェクトを指揮する Steve Woolnough
博士は次のように述べています。「HECToR の計算
能力の向上により、気候や天候に関する最も根本的
な問題に取り組めるようになります。非常に解像度の
高いモデルを使うことで、複雑な熱帯気候がどのよう
に発達し、互いに影響しているのかを調べることがで
きます。熱帯地方は地球全体の気候の動力源で、
ヨーロッパにも影響を及ぼしています。熱帯地方のモ
デリング能力が向上することで、日々、そして数十年
後の気候、天候の予報精度が高まります。」
熱帯気候を構成する雲系は、数個の雲から、インドの
モンスーンのような大規模な循環まで、多岐に渡って
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
いることから、現在の天気予報、気候モデルでは、これ
らの雲系のモデリングは非常に難しい問題です。これ
らの雲系が互いに影響し合っていますが、現在の天気
予報、気候モデルではこれをとらえることはできません。
そのため、10 日後以降のヨーロッパの天気を予報した
り、太平洋赤道域でのエルニーニョ現象の発生、終息
を正確に予測したりするには、限界があります。」
その他、気候変動研究における HECToR の役割に
関するの記事は以下の通りです。
• 「Inside the UK's fastest machine - £113m
HECToR will help British researchers
simulate everything from climate change to
financial markets(イギリス最速マシン - 1 億
1,300 万ポンドの HECToR が、気候変動から
金融市場まで、イギリスの研究者のシミュレー
ションを支援)」、The Guardian 科学担当記者、
James Randerson 、 2008 年 1 月 2 日 、
http://www.guardian.co.uk/technology/2008/jan/02/co
mputing.climatechange
ヨーロッパで初めて、高解像度の天気予報の恩恵を
受ける国となります。新しい予報モデルでは、解像度
が こ れ ま で の 7km か ら 大 幅 に 向 上 し て お り 、
MeteoSwissは、この高性能なツールを使って、スイ
スの山の多い複雑な地形で天気予報の精度を高め
ることができます。この高解像度モデルの構築は、
MeteoSwissが導入した新しいCSCS Cray XT4によ
り実現されました。
MeteoSwiss は 2 つの入れ子になった COSMO モデ
ル を 運 用 し て い ま す 。 地 域 用 の COSMO-7 は
European Centre for Medium Range Weather
Forecast のグローバルモデルによって駆動され、西
ヨーロッパ、中央ヨーロッパの大半をカバーし、約
6.6km の解像度で計算されます。地方用の高解像度
の COSMO-2 は COSMO-7 によって駆動され、スイ
スを中心とするアルプス地域をカバーし、約 2.2km の
解像度で計算されます。両モデルとも、レイヤーを垂
直に 60 枚重ねたグリッドが使用され、最下層は地上
約 10m、地上 1000m のレイヤーの平均的な厚さは
100m 以 上 に な っ て い ま す 。 詳 細 は 、
http://www.meteoswiss.admin.ch/web/en/weather/models/cos
mo.html を参照してください。
高解像度の利点は、複雑な地形でのシミュレーション
を見ればわかります。以下の図はボー州上空 30m
の地上風のシミュレーションを表しており、左が
COSMO-7、右が COSMO-2 のものになります。
The Guardian の記事より。写真: Murdo MacLeod
•
「UK's top supercomputer to study climate
change
New
Edinburgh-based
supercomputer will be using its 60 teraflops
to analyse global climate change models(イ
ギリス国内トップのスーパーコンピュータが気
候変動を研究 - エジンバラの新しいスーパー
コンピュータが 60 テラフロップの演算能力を
使って世界規模の気候変動モデルを分析)」、
Nicole Kobie 、 2008 年 1 月 14 日 、
2007年9月17日、スイスのエレガントな十字が描かれ
たCSCS XT4「Buin」がCSCSで始動しました。CSCS
のすべての大型コンピュータには、スイスの山の名前
が付けられています。
http://www.itpro.co.uk/informationmanagement/news/155118/uks-top-supercomputerto-study-climate-change.html
MeteoSwiss、CSCS XT4 で高解像度の運用
モデルを実装
2008年1月、アルプス地域の気象をCSCSと共同研
究しているMeteoSwissが、スイス全土で2.2kmの新
しい高解像度モデルの運用を開始しました。スイスは、
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
む 4 つの軍事研究所に Cray XT5 を導入することを
決定しました。Naval Oceanographic Office に導入
される Cray XT5 は、国防総省をサポートする海洋学
の研究に使用されます。
2008 年 INCITE
の受賞者、発表
始動に際して行われたセレモニーでは、MeteoSwiss、
CSCS、Cray の代表者が講演し、スイス全土の機関、
地元メディアの代表者が出席しました。詳しくは
http://www.cscs.ch/bdisplay.php?id=139 をご覧ください。
今年も、複数の地球科学研究企画に対して、
Innovative and Novel Computational Impact on
Theory and Experiment(INCITE)プログラムから、
米エネルギー省の Cray システムが割り当てられまし
た。詳細は以下の通りです。INCITE プログラムは、
主要な科学、工学分野を大幅に発展させる可能性を
持つ、大量の計算能力を必要とする大規模な研究プ
ロジェクトを探し出すために設立されました。プログラ
ムでは、大学およびその他の研究機関、業界からの
企画提案を奨励しています。受賞者一覧は以下をご
覧ください。
http://www.er.doe.gov/ascr/incite/2008INCITEFactsheets.pdf
「Simulation of Global Cloudiness(世界の雲量
のシミュレーション)」
CSCS、Neil Stringfellow
Cray、Per Nyberg
米国防総省 High Performance Computing
Modernization Program、XT5 の導入を決定
2008 年 2 月、米国防総省の High Performance
Computing Modernization Program が 、 Army
Research Laboratory 、 Naval Oceanographic
Office、Arctic Region Supercomputing Center を含
研究責任者: David Randall
所属: Colorado State University
共同研究者: Ross Heikes, Colorado State University,
John Helly, San Diego Supercomputer Center, Bruce
Palmer, Pacific Northwest National Laboratory, Karen
Schuchardt, Pacific Northwest National Laboratory
分野:気候研究
INCITEからの割り当て:153,846プロセッサ時間
場所: Lawrence Berkeley National Laboratory
マシン: NERSC HPC
割り当て:153,846プロセッサ時間(MPP1,000,000基)
研究概要:
地球大気における雲の役割を理解することが、より正確な
気候モデルを構築する鍵となります。このプロジェクトでは、
約2kmの解像度で大気の地球規模での循環を数値的にシ
ミュレートします。これには、多大な計算能力(10日間テラフ
ロップ級の処理能力を持続)と多大なモデル出力ファイル
(数ペタバイト)が必要です。モデルは測地線格子の偏微分
方程式の解に基づいています。この研究により、地球大気
における雲の役割の理解が深まり、天気予報、気候変動の
シミュレーション能力が向上します。
「Climate-Science Computational End Station
Development and Grand Challenge Team
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
( Climate-Science Computational End Station
開発研究チーム)」
研究責任者: Warren Washington
所属: National Center for Atmospheric Research
共同研究者: John Drake, Oak Ridge National Lab
Peter Gent, National Center for Atmospheric Research
Steven Ghan, Pacific Northwest National Laboratory
Donald Anderson, NASA Headquarters
Philip Jones, Los Alamos National Laboratory
Robert Jacobs, Argonne National Laboratory
David Bader, Lawrence Livermore National Laboratory
Robert Dickinson, Georgia Tech University
David Erickson, Oak Ridge National Laboratory
James Hack, National Center for Atmospheric
Research
Lawrence Buja, National Center for Atmospheric
Research
分野:気候研究
INCITEからの割り当て:18,026,000プロセッサ時間
場所: Lawrence Berkeley National Laboratory
マシン: NERSC HPC
割り当て:1,308,000プロセッサ時間(MPP8,502,000基)
場所: Oak Ridge National Laboratory
マシン: Cray XT4
割り当て:15,718,000プロセッサ時間
研究概要:
Climate Science Computational End Station(CCES)で
は、人為的放出など、さまざまなエネルギー政策によって起
こる変化によって、未来の気候がどのように変化するかを
予測します。また、気候モデルの科学的根拠、精度、忠実
度を高め、国の科学政策の基になる気候変動シミュレー
ションを提供し、DOE(米エネルギー省)、NSF(米国立科学
財団)、NASA(米航空宇宙局)の科学ミッションに貢献しま
す。CCESは、積極的なモデル開発、広範囲に及ぶ気候シ
ミュレーションにより、気象科学を発展させます。NSFと
DOEによるCommunity Climate System Model(CCSM)
の共同開発、炭素データ同化でのNASAとの連携、計算気
候研究を専門とする大学との提携を受け、今回の最先端の
地球システムの計算シミュレーションが実現しました。中で
も重要なのは、海洋、陸上の生態系による変動、変調を含
む、地球規模の炭素循環の正確なシミュレーションと気候
系へのフィードバックです。これらのプロセスに関する最新
知識を盛り込んだ、継続的なモデルの開発、広範囲に及ぶ
CCSMシステムのテストは、気候科学研究の最先端であり、
CCESの焦点です。
「The 20th Century Reanalysis Project(20 世紀
再分析プロジェクト)」
研究責任者: Gilbert Compo
所属: University of Colorado Cooperative Institute for
Research in the Environmental Sciences Climate
Diagnostics Center and NOAA Earth System Research
Laboratory
共 同 研 究 者 : Prashant Sardeshmukh, University of
Colorado Cooperative Institute for Research in the
Environmental Sciences Climate Diagnostics Center
and NOAA Earth System Research Laboratory
Jeffrey Whitaker, National Oceanic and Atmospheric
Administration
分野:気候研究
INCITEからの割り当て:2,861,538プロセッサ時間
場所: Lawrence Berkeley National Laboratory
マシン: NERSC HPC
割り当て:2,861,538プロセッサ時間(MPP18,600,000基)
研究概要:
この企画の目的は、新しく開発されたカルマンフィルタを
使った方法により、1892年までさかのぼって、1日4回、地
球規模の対流圏循環のデータセットを生成することです。唯
一入手可能な20世紀初頭のデータセットは、北半球の平均
海面の圧力場を、ミスが発生しがちな手書きで分析したも
のです。現代のデータ同化システムはこれらのマップを改
善できますが、1948年以前には、このような再分析に利用
可能なデジタル化された高層気象観測はほとんどありませ
んでした。地球規模の対流圏循環のデータセットをタイム
リ ー に 生 成 す る こ と で 、 2007 年 に 発 表 さ れ た
Intergovernmental Panel on Climate Change(IPCC)の
第4次アセスメントレポートの21世紀の気候予想に使われ
た気候モデルの妥当性を確認できるようになります。
「Assessing Global Climate Response of the
NCAR-CCSM3: CO2 Sensitivity and Abrupt
Climate Change(NCAR-CCSM3 の世界規模の気
候応答の評価:CO2 の感度と急激な気候変動)」
研究責任者: Zhengyu Liu
所属: University of Wisconsin - Madison
共同研究者: David Erickson III, Oak Ridge National
Laboratory
Robert Jacob, Argonne National Laboratory
Bette Otto-Bliesner, National Center for Atmospheric
Research
分野:気候研究
INCITEからの割り当て:420,000プロセッサ時間
場所: Oak Ridge National Laboratory
マシン: Cray X1E
割り当て:420,000プロセッサ時間
研究概要:
こ の プ ロ ジ ェ ク ト の 主 な 目 的 は 、 初 め て 、 NCAR
Community Climate System Model(CCSM3)を使って、
海洋/大気/植生の過去21,000年の循環モデルのシミュ
レーションを行うことです。実験では、「温室効果ガス
(CO2)の変化に対する気候系の感度」と「10年単位、100
年単位での気候系の急激な変化」という、未来の気候変動
に関する2つの根本的な問題に取り組みます。
「Eulerian and Lagrangian Studies of Turbulent
Transport in the Global Ocean(全球海洋の乱流
輸送のオイラー、ラグランジュ研究)」
研究責任者: Synte Peacock
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
所属: ASC/Alliance Flash Center, University of Chicago
共 同 研 究 者 : Frank Bryan, National Center for
Atmospheric Research
Steven Jayne, Woods Hole Oceanographic Institute
Mathew Maltrud, Los Alamos National Laboratory
Julie McClean, Scripps Institute of Oceanography
Norikazu Nakashiki, CRIEPI, Japan
Kelvin Richards, University of Hawaii
Luanne Thompson, University of Washington
Darryn Waugh, Johns Hopkins University
分野:気候研究
INCITEからの割り当て:3,163,000プロセッサ時間
場所: Oak Ridge National Laboratory
マシン: Cray XT4
割り当て:3,163,000プロセッサ時間
研究概要:
このプロジェクトの目的は、海洋輸送の年代区分、メカニズ
ムに関する基本情報を得るために開発されたトレーサー実
験を使って、世界で初めて、100年単位で渦解像の地球規
模の海洋シミュレーションを行うことです。この実験の後、過
去20年間のシミュレーションを行います。これらのシミュ
レーションの結果を基に、「海面の物質はどのくらい、どのよ
うな経路で海洋内部に分布するのか」、「海洋内部への物
質の輸送における大規模な時間平均流、平均流の小構造、
乱流渦の相対的な役割は何か」、「海洋の放射的に重要な
人為的な微量ガス(CO2など)の含有量の現在の推定値に、
海洋渦輸送の不完全な表示による偏りが生じていないか」、
「不安定過程による流れの変動、大気の10年単位の変動
が海洋にもたらす経年変動によって、海洋トレーサーの分
布がどのように変化すると予想されるか」といった疑問を解
消します。
「The Role of Eddies in the Meridional Overturning
Circulation(子午面循環における渦の役割)」
研究責任者: Paola Cessi
所属: University of California, San Diego
研究タイトル:
分野:気候研究
INCITEからの割り当て:486,000プロセッサ時間
場所: Oak Ridge National Laboratory
マシン: Cray X1E
割り当て:486,000プロセッサ時間
研究概要:
このプロジェクトでは、大気組成の変化による深海循環の
反応を理解するため、深海循環を維持するプロセスを研究
します。子午面循環(MOC)は、深層循環とも呼ばれますが、
海洋大気の熱収支の重要な要素であり、CO2を深海に隔
離する上で重要な役割を果たしています。MOCにより、地
球全体で異なる海洋盆の混合、エネルギーや物質の輸送
が行われます。気候系の海洋成分の高解像度モデルを中
規模な範囲で、風速、表面温度、深海混合などの幅広い外
部パラメータを使って分析します。この研究により、熱塩循
環の基礎力学が確立されます。
Computerworld 誌 記 事 : 「 Supercomputer
travels way back in time to predict climate
future(スーパーコンピュータが過去にさかの
ぼって未来の気候を予測)」
Computerworld 誌の 2008 年 1 月 24 日付けの記事
「Supercomputer travels way back in time to predict
climate future; Climate research applications help fuel
more demand for high-performance systems(スー
パーコンピュータが過去にさかのぼって未来を予測;気
候研究アプリケーションが高性能システムの需要を拡
大)」(Patrick Thidodeau)に、ORNL XT4 が取り上げら
れ ま し た 。 記 事 全 文 に つ い て は 、
http://www.computerworld.com/action/article.do?command=vie
wArticleBasic&articleId=9058698 をご覧ください。
記事抜粋:
「地球温暖化の影響を評価し、世界が急激な気候変
動に直面しているのかどうかを確かめるため、
Madison に あ る ウ ィ ス コ ン シ ン 大 学 マ デ ィ ソ ン 校
Center for Climatic Research の Zhengyu Liu 所長
はスーパーコンピュータを活用することにしました。
Liu 所長は、Cray Inc.のスーパーコンピュータを使っ
て、過去 21,000 年間、大昔の氷河期までさかのぼっ
て、気候変動の連続的なシミュレーションを行います。
モデルを実行するに当たって、Liu 所長には、米エネ
ルギー省 Oak Ridge National Laboratory にある
Cray システムの時間が割り当てられました。Cray の
マ シ ン に は 、 Advanced Micro Devices Inc. の
Opteron プロセッサのデュアルコア版、約 11,000 個
のプロセッサコアが搭載されています。昨年開始され
た、この複数年に及ぶプロジェクトを手掛ける Liu 所
長には、今年だけで約 420,000 時間の処理時間が
与えられました。
Liu 所長の研究は、気候変動研究におけるスーパー
コンピュータの重要性を裏付けています。工業用ガス
の影響を特定するために使われるモデルは非常に複
雑で、膨大な計算資源を必要とします。また、Liu 所
長を始めとする研究者達によれば、大規模スーパー
コンピュータを効果的に利用するために必要な研究
はまだまだ道のりが遠いということです。」
NERSC News の気候、天気に関する記事
2008 年 1 月、NERSC News にて、気候、天気に関
する 2 つの記事が取り上げられました。詳しくは
http://www.nersc.gov/news/nerscnews/をご覧くださ
い。
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
シミュレーション速度(時間/時)
記事には、プロジェクトの背景と NERSC の XT4 を
使って達成された成果が書かれています。「NERSC
の新しい Cray XT4 をいち
早く利用できるようになった
気候研究者チームは、高性
能なシステムにより、海洋、
大気現象の詳細を得られる
シミュレーションを行えます。
このような成果をこれまで
の他のコンピュータで成し
遂げるのは困難でした。
BG/Lで達成されました。XT4は、12,090基のプロセッ
サで8.76テラフロップ/秒を持続して、自身の記録を
塗り替え、新記録を樹立しました。WRF Software
LeadのJohn Michalakes博士が言うように、これは
「...WRFの記録であり、規模にあった力学、高解像度
で実行する非静水圧力モデルの記録です」。
テラフロップ/秒
「 Visualizing This: NERSC’s New Cray and
Analytics Experts Produce Animations of
Climate Models with Fine Details(NERSC の新
しい Cray、アナリティクスの専門家が詳細な気候モ
デルのアニメーションを作成)」には、NOAA/GFDL と
米エネルギー省の共同プロジェクトである Coupled
High-Resolution Modeling of the Earth System
(CHiMES)の成果が掲載されています。
プロセッサ
XT4 と BG/L の性能比較
エネルギー省の命を受けたNational Oceanic and
Atmospheric Administration の Geophysical Fluid
Dynamics Laboratory(GFDL)の科学者は、IPCCで
使われている標準的なモデルよりも何倍も解像度が
高い気候モデルを使って一連の実験を行うことを提
案しました。高解像度モデルにより、熱帯暴風雨など
の気候の物理的要素を詳しく調べられるだけでなく、
研究者は、海洋、大気現象として気候変動のより詳
細な分析を行うことができます。
風速
GFDL 、 Modeling Services Group の 責 任 者 、 V.
Balaji博士は次のように述べています。『NERSCのマ
シンを利用することで、モデルの解像度を上げること
ができます。その結果、20kmモデルでは、実世界と
同様、カテゴリ4~5のハリケーンを見ることができま
す。』」
「Speed Demon: Researchers Set Performance
Records for Modeling Weather on a NextGeneration Supercomputer ( 研 究 者 が 次 世 代
スーパーコンピュータで気象モデリングの性能記録を
樹立)」には、NCAR、SDSC、NERSC の研究者が
SC07 で発表した研究成果、NERSC の XT4 で樹立
した WRF モデルの性能記録が書かれています。
SH 実データ予想、解像度 20km の地球規模の WRF モデル、
2007 年 7 月 22 日
WRF(Weather Research and Forecast)モデルは、
米国、アジアの複数の主要な運用研究センターで使
わ れ て い ま す 。 性 能 記 録 は NERSC の XT4 、 IBM
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
PSC の XT3、NSF TeraGrid 2007 Science
Highlights で紹介される
Meteor. Soc., Park City, UT, 25-29 June
2007,
http://twister.ou.edu/papers/Xue_NWP2007.pdf
PSC の XT3 を使った 2 つの地
球科学プロジェクトが、TeraGrid
National Science Foundation が
発行する 2007 年の TeraGrid
Science Highlights で取り上げら
れました。
•
The Center for Analysis and
Prediction
of
Storms
(CAPS)/NOAA Hazardous Weather Testbed 2007
Spring Experiment と、Quake Project と Southern
California Earthquake Center(SCEC)による史上
初の地震シミュレーションがそれぞれ、「Ganging Up
on Storms(暴風雨との戦い)」、「When the Earth
Shakes(地面が揺れるとき)」の記事に掲載されまし
た。
2007 年 4 月 15 日から 6
月 8 日まで、PSC の XT3
を使って行われた「NOAA
Hazardous
Weather
Testbed (HWT) Spring
Experiment には、『アンサ
ンブル実験』で気象予報モ
デルを複数実行し、気象
予報全体の不確実性の量
を特定するという野心的な
目標がありました。CAPS
は、PSC の協力の下、10
メンバーのアンサンブル実験を行いました。米国本土
の 3 分の 2 に当たる、ロッキー山脈から東海岸までを
網羅する高解像度モデル(4km)を毎日 10 回実行しま
した。さらに、CAPS と PSC は、同じ範囲でさらに解像
度の高いモデル(2km)を実行しました。HWT 実験で暴
風雨のアンサンブル実験が行われたのは初めてのこと
でした。また、シミュレート業務予報環境でのリアルタイ
ムでの使用も初めてでした。
“Preliminary Analysis On The Real-Time
Storm-Scale
Ensemble
Forecasts
Produced As A Part Of The NOAA
Hazardous Weather Testbed 2007 Spring
Experiment”, Fanyou Kong et al., 22th
Conf.
on
Weather
Analysis
and
Forecasting and 18th Conf. on Numerical
Weather Prediction Amer. Meteor. Soc.,
Park City, UT, 25-29 June 2007,
http://twister.ou.edu/papers/Kong_NWP2007.pdf
また、2007 年には以下を含む、複数のメディアに取り
上げられました。
• 「Supercomputer aids thunderstorm predicting
Researchers run analyses of 2-kilometre
areas throughout two-thirds of the United
States, with a Cray supercomputer(スーパー
コンピュータ、雷雨予測を支援:研究者が Cray
のスーパーコンピュータを使って米国の 3 分の
2 の地域を 2km 単位で分析)」、Jon Brodkin
Framingham 、 2007 年 9 月 13 日 、
http://www.infoage.idg.com.au/index.php/id;1093336
629;fp;4;fpid;1051515815
•
「 PSC Provides Major Support for
Unprecedented NOAA and University of
Oklahoma Storm-Forecast Experiment
(PSC、NOAA とオクラホマ大学の前例のな
い暴風雨予報実験を大々的に支援)」、
http://www.psc.edu/publicinfo/news/2007/2007-0510-storm.php
Web リンク:
• Scientific Computing 誌の記事
この実験の結果は 2 つの論文に詳しく述べられてい
ます。
• “Caps Realtime Storm-Scale Ensemble
And High-Resolution Forecasts As Part
Of The NOAA Hazardous Weather
Testbed 2007 Spring Experiment”,
Ming Xue et al., 22th Conf. on Weather
Analysis and Forecasting and 18th Conf.
on Numerical Weather Prediction Amer.
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http://www.psc.edu/science/2007/storms/PSC2007_
storms.pdf
•
TeraGrid Science Highlights
http://www.teragrid.org/news/sci-high07/storms.html
TeraGrid の記事によれば、
「2006 年 12 月、Quake
チームは、PSC の Cray
XT3 の 2,048 基のプロ
セ ッ サ を 搭 載 し た
Hercules を使って、前例
のない計算を行い、高周
波振動(1 サイクル/秒)、
現実に近い土質でサンア
ンドレアス断層に沿ったマ
ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
グニチュード 7.7 の地震をシミュレートしました。周波
数が高くなると、計算量が大幅に増えますが、最大の
危険を示す構造を表現するため、重要です。この
Hercules のシミュレーションでは、地動による伝搬経
路、他に比べて影響の大きい地域が具体的に示され
ました。」
TeraGrid Science Highlights:
http://www.teragrid.org/news/sci-high07/shakes.html
今後のイベント
ALADIN、HIRLAM ミーティング – 2008 年 4 月
7~10 日
HIRLAM All Staff Meeting ( ASM ) と 第 18 回
ALADIN Workshop 2008 が、4 月 7~10 日、ベル
ギーの Royal Library で共同開催されます。ASM と
Workshop はテーマ別にさまざまなセッションを共同
で主催します。
第 1 回革新プログ
ラム、2008 年
2 月 28 日~
3 月 1 日に開催
HIRLAM は現在、スペインの INM にある Cray X1E
で運用され、フィンランドの CSC にある Cray XT4 で
研究用に使われています。また、DMI でも、主要な気
象予報モデルとして、Cray XT5 で運用される予定で
す。
2008 年 2 月 28 日~3 月 1 日、米国ハワイ州ホノル
ルにて、第 10 回 International Workshop on Next
Climate Models for Advanced High Performance
Computing Facilities が開催されました。今年のワー
クショップは、革新プログラム第 1 回 International
Workshop と 共 同 開 催 さ れ ま す
(http://www.kakushin21.jp/eng/background.html)。
このイベントは毎年開催されており、昨年までは共生
プロジェクトという名前で一般に知られていました。
ワークショップのホームページ:
http://www.meteo.be/aladin_hirlam/index.html
日本の文部科学省は、21 世紀気候変動予測革新プ
ログラム(革新プログラム)という名前の 5 年間(2007
~2011 年度)のイニシアティブを発足しました。革新
プログラムでは、地球シミュレータを使って、文部科学
省の共生プロジェクト(2002~2006 年度)の成果を
含め、さまざまな研究課題に取り組んでいきます。共
生プログラムは、気候変動に関する政府間パネル
(IPCC)第 4 次評価報告書(AR4)に大きく貢献し、第
5 次評価報告書(AR5)へのさらなる貢献が期待され
ます。
このワークショップの目的は、気候学者、コンピュータ
科学者、IT エンジニアが一堂に会し、新しい次世代
のモデル、今後数十年以内の実用化が想定される最
先端のハイパフォーマンスコンピューティング環境に
ついて話し合い、情報交換を行うことです。
Cray はこのワークショップのスポンサー、プレゼン
ターを務めました。
ワークショップのホームページ:
http://www.tokyo.rist.or.jp/rist/workshop/hawaii08/
WCRP/WMO、
World Modeling
Summit for
Climate
Prediction を開催 - 2008 年 5 月 6~9 日
World Climate Research Program ( WCRP ) と
World Meteorological Organization ( WMO ) の
World Weather Research Program(WWRP)は、
2008 年 5 月 6~9 日の日程で、イギリス、レディング
に あ る European Centre for Medium-range
Weather Forecasts にて、Modeling Summit を開催
します。Modeling Summit は、地球システムの変動、
変化の解析、予測を促進するモデリング戦略を策定
し、社会に直接的な関連性、恩恵、価値をもたらす実
用化を促進することを目的とし、100~200 人の招待
者が一堂に会します。
サミットでは、以下の 5 つのテーマを取り上げます。
1. 概要:社会的要因、気象および気候モデリングの
現状、シームレスな予測のための戦略、重要な
仮説
2. 次世代のモデリングシステムのための戦略:解像
度と複雑さのバランス、マルチモデルと統合モデ
リングフレームワークのバランス、未解決のス
ケールおよび地域モデルのパラメータ化の問題
3. 現在のハイエンドコンピュータシステムの展望お
よびモデルコード設計への影響
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
4. モデル評価、モデリング実験、海洋・陸上・大気
の気候系の予測の初期化のための戦略
5. 気候予測に大変革をもたらすための戦略:人的
資源および計算資源の拡充、要件および考えら
れる組織体系
ハイパフォーマンスコンピューティングは、
WCRP/WWRP エンタープライズの成功に不可欠で
あり、サミットの重要なテーマです。
サミットには Per Nyberg が招待されており、ペタス
ケールコンピューティングの未来、地球規模の気象、
気候、地球システムモデルで約 10 ペタフロップの持
続性能という目標を達成するに当たって、政府、コン
ピュータ業界、学会がとり得る協力体制について、
Cray の展望を語ることになっています。
サミットのホームページ:
http://wcrp.ipsl.jussieu.fr/Workshops/ModellingSummit/index.ht
ml
第 9 回 WRF Users’ Workshop – 2008 年 6
月 23~27 日
フロップコンピューティングへの移行に必要なアプリ
ケーション開発です。
ワークショップの目的は以下の場を提供することです。
• ユーザが、過去 2 年間のハイパフォーマンス
コンピューティングでの経験、成果を報告し、
将来計画、計算能力の要件を提起できる場。
• スーパーコンピュータのベンダーが、現在お
よび将来の製品について、気象コンピュータ
センターの管理者、エンドユーザと話し合え
る場。
• 気象学者が、並列計算技法、アルゴリズム
の開発成果を発表し、将来の研究でのスー
パーコンピュータの使用について意見を交換
できる場。
• コンピュータ科学者が、気象研究の分野での
スーパーコンピュータの能力の活用を支援す
るツールを提供する取り組みに関する最新
情報を提供できる場。
• HPC のコンピュータセンターの基盤整備の
課題について協議できる場。
ワークショップでは、招待客による限定プレゼンテー
ションとそれぞれ 20 分間の寄稿発表が行われます。
ワークショップのホームページ:
http://www.ecmwf.int/newsevents/meetings/workshops/2008/hi
gh_performance_computing_13th/index.html
第 9 回 WRF Users’ Workshop が、2008 年 6 月 23
~27 日、コロラド州ボールダーで開催されます。ワー
クショップのテーマは、WRF のモデリングシステム開
発の状況を検証し、ユーザコミュニティからのフィード
バックを集めることです。ユーザコミュニティからの意
見は、WRF Research Applications Board の長期
科学計画への盛り込みが検討されます。
WRF のモデルは、INM、KMA、NCMRWF などでの
運用を含め、多くの Cray のお客様に使われています。
HPC の気象研究での使用に関する ECMWF
ワークショップ – 2008 年 11 月 3~7 日
European Centre for Medium-Range Weather
Forecasts(ECMWF)は、2 年に 1 回、気象研究にお
けるハイパフォーマンスコンピューティングの使用に
関するワークショップを開催しています。このワーク
ショップは重要なコミュニティイベントです。
このワークショップの重点は、実働環境でのテラフロッ
プの持続性能での気象アプリケーションの実行、ペタ
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
国際極観測年について
日程
International Council for Science(ICSU)と World
Meteorological Organization(WMO)によって設立さ
れた国際極観測年(IPY; International Polar Year)
(www.ipy.org/)は、2007 年 3 月から 2009 年 3 月ま
で実施される、北極と南極に焦点を当てた幅広い科
学プログラムです。IPY の 2 年目に突入した今年は、
地球規模の気候変動、極氷冠の融解による幅広い問
題を検証します。
Start Date End Date
Event
Location
29-Feb-08 1-Mar-08
Kakushin Climate
Workshop
Hawaii
2-Mar-08
7-Mar-08
2008 Ocean Sciences
Meeting
Orlando,
Florida
6-Mar-08
8-Mar-08
2008 National Severe
Weather Workshop
Norman, OK
7-Apr-08
10-Apr-08
18th ALADIN Workshop
and HIRLAM All Staff
Meeting
Brussels,
Belgium
7-Apr-08
10-Apr-08
24th National Space
Symposium
Colorado
Springs
13-Apr-08 18-Apr-08
これまでに、さまざまなメディアで、環境への影響、社
会経済の懸念が取り上げられてきましたが、状況を
限られた範囲でしか捉えておらず、多大なビジネス
チャンス、セキュリティへの懸念が無視されています。
国際的には、地域の調査、領土権の主張、経済的優
位性の獲得準備といった競争が行われています。
European Geosciences
Union (EGU) 2008
Vienna, Austria
Annual Assembly
The European
Geosciences Union
General Assembly
Vienna, Austria
WCRP/WWRP Climate
Modeling Summit
Reading,
England
(ECMWF)
12-May-08 18-May-08
ESA/EUMETSAT
SpaceOps 2008
Heidelberg,
Germany
20-May-08 22-May-08
5th Eurogoos
Conference
Exeter, UK
13-Apr-08 18-Apr-08
6-May-08
9-May-08
Canadian
25-May-08 29-May-08 Meteorological Society
(CMOS)
th
ハイパフォーマンスコンピューティングは、気候変動
研究のための海氷モデリング、軍事的利用、地震
データ処理、最先端の船舶設計、船舶航路設定など
の分野に影響を与えます。
Kelowna, BC
17-Jun-08 19-Jun-08
13 Annual CCSM
Workshop
Brekenridge,
CO
23-Jun-08 27-Jun-08
Ninth WRF Users'
Workshop
Boulder
Oct-08
Oct-08
Oct-08
Oct-08
3-Nov-08
最 近 、 Foreign Affairs の 2008 年 3/4 月 号 に 、
「Arctic Meltdown – The Economic and Security
Implications of Global Warming(北極圏の氷の融
解 - 世界経済、セキュリティへの影響)」(Scott G.
Borgerson)という、この問題に関するすばらしい記事
が掲載されました。記事の全文については、以下をご
覧ください。
30th European Working
Group on Limited Area
Modelling (EWGLAM)
Madrid, Spain
and 15th Short Range
NWP Network (SRNWP)
meetings
WMO Commission for
Atmospheric Sciences
13th ECMWF Workshop
on High Performance
7-Nov-08
Computing in
Meteorology
Beijing, China
Reading,
England
(ECMWF)
ご意見、ご感想がございましたら、Per Nyberg
([email protected])までお送りください。
http://www.foreignaffairs.org/20080301faessay87206/scott-gborgerson/arctic-meltdown.html
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ES 最新情報 2008 年第 1 四半期
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