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札幌市産業の 現状と課題等について
(産業振興ビジョン策定の検討資料) 札幌市産業の 現状と課題等について 平成21年(2009年)6月 経済局経済企画課 これまでの経済成長の経緯 ・札幌市のこれまでの経済成長は人口増加と重点的な 公共投資に支えられてきた (北海道の人口比率4.4%→公共投資配分10%) 人口と市内総生産額 人口と市内総生産額 (兆円) 総生産額 人口 8 7 154 140 6 5 7.0 7.2 7.1 7年度 12年度 17年度 5.9 124 4.1 3 3.1 2 0 182 101 4 1 167 188 176 1.7 0.7 昭和45年度 50年度 55年度 60年度 平成2年度 (万人) 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 2 地域・現状分析 ■札幌の基礎データ ・人口=190万人(全国第5位、道内人口の約33%) ・企業数=23,000社(9割以上が中小企業) ・民営事業所=73,000事業所 ・民営事業所従業者=78万人 ・市内総生産=7兆円 ・域際収支は黒字(北海道は赤字) 3 地域・現状分析 ∼人口∼ ■人口 ・北海道は、全国を上回るペースで少子高齢化、人 口減少(2035年には121万人(21.6%)減) ・札幌市は、ほぼ横ばいだが、少子高齢化傾向。 将来人口推計 将来人口推計 (万人) 600 563 (国立社会保障・人口問題研究所) 551 536 517 500 494 468 441 400 300 188 191 191 190 187 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 200 182 176 北海道 札幌市 100 0 4 現状・地域分析 ∼人口∼ □生産年齢人口(15-64歳) ・将来推計生産年齢人口は、年々減少。総人口は横ばいである札幌市で も、生産年齢人口は、20年間で30万人減少する。 生産年齢人口推計 生産年齢人口推計 (万人) 370 400 (国立社会保障・人口問題研究所) 352 324 350 301 300 282 261 240 250 200 132 150 130 124 119 115 北海道 札幌市 109 102 100 50 0 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 5 現状・地域分析 ∼人口∼ □若年層の道外流出 ・大学や大学院を卒業して就職する年齢が多い20歳代の転出超過が特 に大きくなっている。 (札幌市住民基本台帳) 札幌市民の道外転出超過状況(平成19年) 札幌市民の道外転出超過状況(平成19年) (人) 3,000 2,000 1,000 0 0∼14歳 15∼19歳 20∼24歳 25∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40∼64歳 65歳∼ (札幌市住民基本台帳) 札幌市民の道外転出者数の推移(20歳代) 札幌市民の道外転出者数の推移(20歳代) (人) 14,000 13,000 12,000 11,000 14年 15年 16年 17年 18年 19年 6 地域・現状分析 ∼事業所・従業者数∼ ■事業所数、従業者数 ・全国に比べて、製造業などの第二次産業の割合が低く、飲食・宿泊業や サービス業などの第三次産業が中心の産業構造となっている。 民営事業所数・従業者数 民営事業所数・従業者数 9.6% 全 国 事業所数 0% 10% 20% 農林漁業 電気・ガス・熱供給・水道業 金融・保険業 教育,学習支援業 7.6% 全 国 従業者数 8.9% 札幌市 0% 30% 40% 9.8% 19.9% 15.9% 5.5% 21.1% 15.6% 6.2% 20.6% 60% 70% 40% 9.8% 60% 8.9% 100% 16.8% 10.3% 10.2% 50% 90% 製造業 卸売・小売業 医療,福祉 9.0% 24.3% 30% 80% 建設業 運輸業 飲食店,宿泊業 26.4% 20% 5.4% 22.8% 5.0% 10% 50% 鉱業 情報通信業 不動産業 その他サービス業 18.3% 10.4% 北海道 11.4% 25.7% 8.6% 3.4% 札幌市 6.9% 26.5% 第二次産業 13.7% 5.6% 28.0% 9.6% 9.8% 4.7% 北海道 (平成18年事業所企業統計調査) 18.3% 10.7% 70% 19.6% 80% 90% 100% 7 地域・現状分析 ∼事業所・従業者数∼ □事業所・従業者数の推移 ・事業所数・従業者数ともに年々減少 民営事業所・従業者数の推移 民営事業所・従業者数の推移 従業者数の推移( 札幌市民営事業所) 民営事業所の推移( 札幌市) 万人 90 90,000 80,000 80 70,000 70 60,000 50,000 60 平成8年 13年 18年 平成8年 13年 18年 8 地域・現状分析 ∼市内総生産∼ ■市内総生産 ・人口の伸びの鈍化に伴い総生産額も鈍化傾向 ・1人あたり市民所得は政令市の中で最下位 人口増加率と経済成長率 人口増加率と経済成長率 (経済成長率(%)) (人口増加率(%)) 6 30 5 25 4 20 経済成長率(名目) 人口増加率 3 15 2 10 1 5 0 0 18 15 10 5 H元 60 55 50 S4 6 ▲1 ▲5 9 地域・現状分析 ∼市内総生産∼ □市内総生産の内訳 ・全国と比べて、製造業の割合が低く、卸売・小売業を中心とした第3次産 業の割合が大きい。 市内総生産の業種別内訳 市内総生産の業種別内訳 国内総生産の業種別内訳 国内総生産の業種別内訳 0.02%(鉱業) 0.1%(農林水産業) 4.8% 29.4% 1.6% 農林水産業 9.0% 鉱業 2.1% 24.1% 0.1%(鉱業) 23.2% 製造業 建設業 電気・ガス・水道業 22.9% 卸売・小売業 7.2% 6.6% 金融・保険業 2.2% 不動産業 8.5% 運輸・通信業 15.6% 7.5% サービス業 13.1% 14.7% 7.3% 10 現状・地域分析 ∼域際収支∼ ■域際収支 ・札幌市=移輸出超過 4600億円 ・北海道=移輸入超過 1兆5000億円 ・札幌市・産業別では、 商業 =移輸出超過 1兆円 道内向け サービス業=移輸出超過 1兆円 (道内需要型) 製造業 =移輸入超過 1兆6000億円 11 現状・地域分析 ∼域際収支∼ □産業別移輸出入額 ●北海道 ●札幌市 (兆円) 4.0 (兆円) 移輸出額 移輸入額 4.0 サ ー ビ ス業 運 輸 ・通 信 ・放 送 業 金 融 ・保 険 ・不 動 産 業 商業 ▲ 4.0 電 力 ・ガ ス ・水 道 業 ▲ 4.0 ▲ 3.0 製造業 ▲ 3.0 ▲ 2.0 鉱業 ▲ 2.0 ▲ 1.0 農林水産業 ▲ 1.0 サ ー ビ ス業 0.0 運 輸 ・通 信 ・放 送 0.0 金 融 ・保 険 ・不 動 産 業 1.0 商業 1.0 電 力 ・ガ ス ・水 道 業 2.0 製造業 2.0 鉱業 3.0 農林水産業 3.0 移輸出額 移輸入額 ▲ 5.0 ▲ 5.0 ▲ 6.0 ▲ 6.0 資料:平成15年延長北海道産業連関表(北海道開発局) 資料:平成12年札幌市産業連関表 12 現状・地域分析 ∼公共事業費∼ ■減少する公共事業費 ・減少する北海道開発事業費 10 (兆円) (%) 全国 10.7% 9 比率 8.9 8.4 10.5 10.2% 8.0 10.0% 7.2 6 10.0 6.9 9.5 5 4 9.2% 9.0 3 2 1 11.0 10.5% 8 7 北海道 0.8 0.9 8.5 0.9 0.8 0.6 10年度 15年度 19年度 0 8.0 元年度 5年度 資料:国土交通省 13 現状・地域分析 ∼強みとは∼ ■札幌の強み ①道内人口の1/3を占める人口 =大消費地、高い労働力 ②豊富な資源環境 =食資源・土地資源・自然資源 ③情報発信機能(マスコミ等)の集積 ④大学を中心とした知の集積 ⑤良好な都市イメージ =付加価値の創造に有利 14 課題 ■人口減少・高齢化が進む時代 人口減少・高齢化=労働力の減少 =消費者の減少 ■足腰の弱い産業構造 人口増加に頼ってきた第三次産業 公共事業に頼ってきた第二次産業 ■強みを活かしきれていない 土地資源・食資源・自然資源・都市イメージ・知の集積など 札幌・北海道の強みの有効活用 15 産業振興の方向性 人口減少に対応した支援 起業・創業支援や 道外、海外市場進出支援 等 強みを活かした産業の振興 新分野産業の創出 既存産業(食・観光等)の振興 等 外需獲得効果の高いものづくり産業の振興 16 産業振興の目的 雇用の創造 雇用の創造 企業活動が活発化することで、市民の働く場所が増加 企業・就業者の所得増加 企業・就業者の所得増加 企業の売上が増加することで、就業者への分配も増加 市への税収増加による市民サービスの向上 市への税収増加による市民サービスの向上 企業・市民の所得増加により、税収が増加し、市民サービスが向上 17 産業振興の基本的な考え方 ■外需型産業の育成 ・人口の増加に比例して発展する従来どおりの 産業だけでは、今後の道内人口減少に伴って 総生産額が縮小してしまう ・外需型産業を育成し、道外の需要を開拓する 必要がある 18 産業振興の基本的な考え方 ■道内経済循環の拡大 ・外需獲得と同時に、従来移輸入に頼ってきた モノ・サービスについて、道内取引を拡大し、 道内生産を増加させる必要がある ・この道内生産の増加は、外需獲得と同様の 効果をもたらす 19