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2009年 RCレポート (PDF: 3.67MB)

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2009年 RCレポート (PDF: 3.67MB)
チッソグループ
2009
レスポンシブル・ケア レポート
目次
チッソグループ
レスポンシブル・ケア レポート
当社の概要
ごあいさつ
暮らしの中の当社の製品
レスポンシブル・ケア方針
レスポンシブル・ケア活動
レスポンシブル・ケア活動に関する組織と PDCA サイクル
対象組織(ISO 認証取得状況)と対象期間
環境保全への取り組み
エネルギー使用状況
環境への排出
各事業所より発生する産業廃棄物
化学物質排出把握管理促進法(PRTR 法)に基づく報告
クリーンエネルギーの利用
地球温暖化対策への取り組み
保安防災・安全衛生への取り組み
保安防災・安全活動
安全成績(休業災害、不休災害件数および度数率)
保安確保と機器 HAZOP
チッソ労組の取り組み
製品安全・品質保証への取り組み
製品安全データシート(MSDS)とイエローカード(緊急連絡カード)
製品安全
品質保証
コンプライアンス(法令遵守)体制
健康管理への対応状況
社会貢献活動 − 次世代への貢献
各事業場の活動
五井製造所
水俣製造所
守山工場
戸畑工場
四日市工場
横浜研究所
サン・エレクトロニクス㈱
千葉ポリファイン㈱/チッソ開発㈱/千葉ファインケミカル㈱
海外事業場の活動
広州工場/玄谷工場/台南工場/ Covington 工場
当社の歩み
1
2
3
5
6
6
7
7
7
8
8
8
9
9
10
10
11
11
11
12
12
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
当社の概要
①社 名 チッソ株式会社
化学製品、シリコン製品、繊維製品、ファインケミカル
②創 立 1906(明治 39)年 1 月 12 日
製品と多岐にわたっています。また、グループ・関連会
③資 本 金 78 億 1396 万 8750 円
社では、肥料や樹脂加工品に加え、地球温暖化対策の一
④事業の内容
環である太陽光発電用ポリシリコンの製造販売、汚水処
当社は化学製品の製造および販売を行うことを主たる
理システム、そして商事部門やエンジニアリング部門な
事業としています。その範囲は、液晶をはじめとする電
ど、幅広く事業を展開しています。
子情報関連、アルコール・溶剤・合成樹脂といった石油
1
ご あ い さ つ
当社は 1995 年より「製品の全ライフサイクルに亘って、環境・安全・健康を確保するため
の自主活動」であるレスポンシブル・ケア(RC)活動を経営の最重要課題の一つとして取り
組み、その精神である「地球環境の保全」、「安全の維持」、「安全な製品の供給」、「社会と
の率直な対話」を事業活動を行う上での基本理念としています。昨今の厳しい経済情勢の
下でこそ、レスポンシブル・ケア(RC)活動の完全履行が持続的成長の鍵と考え、周知徹底
すると同時に厳しく対処する所存です。
昨年、地球温暖化防止に向けて「我々個人個人が温暖化ガス排出につながるエネルギー
の節約に細心の注意を払うことから始めなければならない」と申しました。「地球環境の保
全」には、家庭から職場・組織へと着実に拡げていくことが大切です。
最近の当社グループにおける安全状況を見ますと、過去 3 年間の休業災害度数率が増加
の傾向にあり憂慮しています。「安全は、会社存続と社会貢献の基盤」と基本理念に挙げて
いるように、「安全の維持」は、製造に携わる者にとって最重要課題です。
製品の供給に際しては、お客さまに安全且つ安定した品質で安心を提供することが必須
です。
環境・安全・品質の向上は、
「当たり前のことを、当たり前のこととして、誠実に、辛抱強く、
継続すること」に尽きると考えています。一人ひとりが基本ルールを遵守し、経営陣以下
全従業員が自分の役割と責任を自覚して、行動することがすべての原点です。
今年度も具体的な RC 方針として「製品安全、法遵守、ゼロ災害、ゼロエミッション、ゼ
ロクレーム、ゼロトラブル、省エネルギー」にコミットしており、現場のアクションプロ
グラムに連動させ、進捗状況の結果を PDCA サイクルで確認します。
企業の社会的責任を全うすることが経営の最大の責務であり、チッソグループ全体のコ
ンプライアンス体制の遂行、企業倫理意識の徹底に努めることも含め、さらなる社会的な
取り組みを充実させていく決意であります。
2009 年9月
代表取締役社長 岡田 俊一
2
暮らしの中の当社の製品
おむつ
冷蔵庫の引出
複合繊維・不織布
ポリプロピレン
スーパーの買物袋
ウエットティシュ
ポリエチレン
複合繊維・不織布
天然物系食品保存料
クリアファイル
ポリリジン
ポリプロピレン
液晶 TV、パソコン画面
食品トレイ・豆腐パック
液晶材料(リクソン)
ポリプロピレン
配向膜材料(リクソンアライナー)
オーバコート材料(リクソンコート)
液晶表示駆動用半導体の加工事業
3
当社の「製品と技術」は、暮らしの中で
外壁塗料
こんなに身近なところにたくさん使われて
エステル類
います!
ソーラーパネル
太陽光発電用ポリシリコン
家電製品の IC、LSI
シリコン化合物(サイラエース)
コンタクトレンズ
反応性シリコン(サイラプレーン)
口紅
セルロース微粒子(セルフロー)
化粧品
「ヒトキワ」「エルフィナ」
セルロース硫酸ナトリウム
(SS- セルロース)
魚鱗由来コラーゲンペプチド
(マリンコラーゲンオリゴ)
ヒアルロン酸
健康・美容ドリンク
魚鱗由来コラーゲンペプチド
(マリンコラーゲンオリゴ)
携帯電話
ハンドクリーム・
ボディシャンプー・
「みかんでナチュ! C」
魚鱗由来コラーゲンペプチド
有機 EL
(マリンコラーゲンオリゴ)
液晶材料(リクソン)
ヒアルロン酸
網戸
自動車部品(構造部)
複合モノフィラメント
長繊維ガラス強化熱可塑性樹脂
(ファンクスター)
壁紙
肥料
可塑剤
被覆肥料(LP コート)
床材(フローリング)
可塑剤
4
レスポンシブル・ケア方針
基本理念
当社は、常に社会のニーズに応え、且つその発展に寄与すべく、次の基本認識の
上に立って事業活動を推進する。
1.地球環境の保全は、人類の幸福のための条件である。
2.安全は、会社の存続と社会貢献の基盤である。
3.安全な製品の供給は、企業の社会的責任である。
4.社会からの理解と信頼を得るには、率直な対話が不可欠である。
行動方針
●
● 環境保全について
●
1.事業活動のあらゆる段階において、環境負荷の低減に努める。
2.省資源・省エネルギー及び廃棄物削減を目指した技術開発に努める。
3.製品及び技術の開発にあたっては、その開発段階から環境保全の確保を得る。
4.従業員は環境保全に関する認識と理解の向上に努める。
●
●
● 安全について
1.安全は、社長以下全ての職責・職務にあって、最高の優先度を持つ。
2.「安全常に」を合い言葉に、無事故・無災害を目指す。
3.従業員各人は、常に危険の存在を意識し、保安防災に努める。
4.地域住民を含めた人々の、安全と健康の確保に努める。
●
●
● 製品安全について
1.製品の基本は、安全・品質・コストであることを十分に認識する。
2.顧客及び市場の信頼と満足に応える製品とサービスを提供する。
3.高品質且つ安全な製品を安定に供給するため、品質保証活動を強力に推進する。
4.顧客に、使用法・供給方法等について、適切且つ十分な情報を提供する。 ●
●
● コミュニケーションについて
1.行政関係、市民を含む利害関係者への関心を常に維持するように努める。
2.利害関係者に、RC 活動の正しい理解が得られるように努める。
3.社内のコミュニケーションの維持・改善に努める。
制定 1999 年2月1日
5
レスポンシブル・ケア活動
レスポンシブル・ケア活動に関する組織と PDCA サイクル
対象組織(ISO 認証取得状況)と対象期間
本報告書はチッソグループの各事業場(図中緑字表示)を対象範囲としています。各種パフォーマンスデータに
ついては 2008 年度(2008 年4月〜 2009 年3月)までの国内対象事業場の実績を集計したものです(一部の報告に
ついては 2009 年4月以降の活動も含んでいます)。
★★
広州工場
広州ES繊維有限公司
★★
玄谷工場
チッソ韓国(株)
★★
守山工場
チッソポリプロ繊維(株)
チッソフィルター(株)
★
Covington工場
COMUSA LLC
★★
水俣製造所
熊本ファイン
(株)
チッソ旭肥料(株)
★★
戸畑工場
九州化学工業(株)
チッソファインテクノ
(株)
チッソ旭肥料(株)
★★
五井製造所
チッソ石油化学(株)
日本ポリプロ
(株)
★
大阪樹脂化工(株)
大阪事務所
熊本事務所
6
★★
台南工場
台湾智索股 有限公司
★★
四日市工場
チッソ石油化学(株)
日本ポリプロ
(株)
環境保全への取り組み
チッソグループは、環境保全を地球規模の問題と捉えて「ゼロエミッション、省エネルギー」を具体的な RC 方
針として掲げ、環境への化学物質・廃棄物等の排出量削減や省エネルギーに積極的に取り組んでいます。
地球温暖化対策では、生産活動に伴う施策のみならず、事業活動全般にできること・気付いたことから省エネルギー
化を図ります。
エネルギーの使用状況
エネルギー源として重油・ガス燃料・電気等があり
ます。五井製造所では、2004 年度から五井コーストエ
ナジー㈱よりクリーンで環境にやさしい天然ガス・コ
ジェネレーション発電による電気・蒸気を購入してお
り、ガス燃料を使用したものとして計上しています。
エネルギー使用量
2008 年度は生産量の低下に伴い、エネルギー使用量は
減少しましたが、生産物1単位当たりのエネルギー(エ
ネルギー原単位)は改善が進みませんでした。今後と
も原単位の向上を目指します。
購入電気量
重油及びガス燃料使用量
購入電気量
(100万kWh )
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
0
重油使用量
(千KL)
ガス燃料使用量
(10万m 3 )
環境への排出
ボイラー等の設備の運転によ
る、地球温暖化に影響を及ぼす
二酸化炭素(CO2)
、大気汚染
の原因となる硫黄酸化物(SOx)
及び窒素酸化物(NOx)の排出
量の推移です。2008 年度の各
排出量は、生産量低下に伴いエ
ネルギー使用量と同じ傾向を示
し減少しています。 今後とも
継続して排出量削減を図りま
す。
二酸化炭素排出量(炭素換算)
(購入電力・蒸気を含む)
硫黄酸化物(SOx)
窒素酸化物(NOx)排出量
160
140
120
100
80
60
40
20
0
各事業場より発生する産業廃棄物
2008 年度は全体で 27,400 トンの廃棄物が発生しまし
今後とも廃棄物発生量及び最終処分(埋立)量の削
た。最終処分は事業場内および外部を合わせた埋立量
減に努力します。
で、1990 年度と比較して約6%となっています。
最終処分量
(事業場内埋立および外部埋立量の合計)
産業廃棄物処理内容
7
化学物質排出把握管理促進法(PRTR 法)による報告
2001 年度から PRTR 法に基づく排出量等の報告が開
始され、8 回目の報告が実施されました。2008 年度は、
当社グループで 30 物質が該当しています。この中で排
2008 年度 PRTR 法対象物質排出量
PRTR 法対象物質排出量
排出量
報告物質数
(トン)
200
(1トン/年以上の物質を表示)
40
150
30
100
20
50
10
0
2001
2004 2005 2006 2007 2008
出量の大きい物質(年間 1 トン以上)についての実績
を示します。今後とも設備改善等を進め、排出量削減
に取り組んでいきます。
0
排出量(トン)
政令番号 物質名
大気 水域 土壌 合計
11
アセトアルデヒド
7.2 0.0
0.0
7.2
40
エチルベンゼン
4.5 0.0
0.0
4.5
63
キシレン
4.6 0.0
0.0
4.6
102
酢酸ビニル
2.6 0.0
0.0
2.6
144
HCFC-225
14.2 0.0
0.0 14.2
145
塩化メチレン
2.4 0.0
0.0
2.4
172
N,N- ジメチルホルムアミド
5.3 0.0
0.0
5.3
200
テトラクロロエチレン
22.4 0.0
0.0 22.4
227
トルエン
28.4 0.0
0.0 28.4
—
その他(21 物質)
0.1 0.1
0.0
0.2
合計
91.7 0.1
0.0 91.8
クリーンエネルギーの利用
電気は全て水力発電(水俣地区)
当社は熊本県内を中心に南九州に水力発電所を 13 箇所有しており、最大認
可出力は発電量 93,200KW です。その全てがダムによる貯水式ではなく、河
川水をそのまま発電用の水車に導く流れ込み式を採用しています。水力発電
は運転中に窒素酸化物(NOX)
、硫黄酸化物(SOX)を排出しないだけでなく、
二酸化炭素(CO 2)も発生しないクリーンなエネルギーです。また、エネルギー
の源となる水は絶えることがなく、繰り返し使えるので、永遠のエネルギー
と言えます。さらに水力発電の水車・発電効率は 80 〜 90% で、火力発電等に
比較すると非常に効率がよいことも大きな特徴です。
現在、水俣製造所の使用電力はすべてこの水力発電によってまかなわれて
います。また、
発電量の約 7 割は大手電力会社および他事業者へ供給しており、
地球温暖化防止および大気汚染防止に貢献しています。
内谷第二発電所
地球温暖化対策への取り組み
試行排出権取引スキームへ参加
2008 年7月、排出権取引の国内総合市場の試行的実
施が閣議決定され、10 月より運用が開始されました。
今回の試行的実施の目的は、排出権取引を本格導入す
る場合に必要となる条件、制度設計上の課題を明らか
にすることであり、企業等の団体が削減目標を設定し、
8
温暖化対策推進法に基づく算定割当量(排出権)の取
引により目標を達成するものです。
当社も試行排出権取引スキームに参加し、エネルギー
原単位で 2012 年度までに対 1990 年度比 20%削減を目
標に掲げ、全社(五井、水俣、守山、戸畑、四日市)
で一丸となって取り組んでいます。
保安防災・安全衛生への取り組み
チッソグループは、安全が会社存続と社会貢献の基盤であるとの基本理念のもと、「ゼロ災害、ゼロトラブル」を
具体的な RC 方針として掲げ、保安の確保と無災害に向けて積極的に取り組んでいます。
当社のモットーである『安全常に』の言葉は、安全には一番も二番もなく、常に安全を念頭におくべきとの考え
を表しています。
保安防災・安全活動
保安防災・安全活動は、日常の運転作業そのものと
言えるもので、全社および事業場で取り上げている活
動は多岐にわたります。従来から取り組んでいる防災
訓練等の防災活動、危険予知訓練(KYT)
、ヒヤリハッ
ト提案(HHT)
、計画段階チェックリスト 、 安全審査制
度(当社では SACPOL と呼んでいます)
、機器 HAZOP
(P.10 参照)
、リスクアセスメント活動のほか、外部の
労働安全コンサルタントによる安全診断、外部機関に
よる体験学習も行っています。その中で、防災訓練は
災害発生時にスムーズに活動が行えるよう、日頃から
訓練しておくものです。特に、火災は重大な被害を発
生させるため、地区の消防本部と綿密な協力体制が必
要なことから、消防本部との合同訓練も行っています。
五井 — 安全大会
水俣 — 総合防災訓練
守山 — 挟まれ巻き込まれ体験学習
戸畑 — 防災訓練
玄谷 — 消防訓練
台南 — AED 実技講習
安全成績(休業災害、不休災害発生件数および度数率)
過去8年間の災害発生件数と休
業災害度数率を示します(社員お
よび社員と一体となって作業を行
う協力会社の合計)
。2008 年度は残
念ながら、休業災害を社員3件発
生させてしまいました。
労働安全に係わるリスクアセス
メント活動のさらなる推進により、
ゼロ災害を目指します。
災害発生件数
(社員および協力会社の計)
度数率:100 万労働時間当たりの災
害件数(1000 人が約5ヶ月働いて
1回災害が発生する場合、度数率が
1となります)
9
休業災害度数率
(社員および協力会社の計)
保安確保と機器 HAZOP
チッソ石油化学㈱は、既存の製造設備等を対象に危
険源を特定する手法の一つとして「機器 HAZOP」を
進めています。
「機器 HAZOP」とは、機器異常時のプ
ロセスへの影響を評価する手法です。
五井製造所では 2006 年より、コンサルタントの指導
のもと、各職場の推進委員が中心となり全員参加で順
次実働に入りました。現在、全職場において既存高圧
ガス設備の危険源の特定を終了し、引き続き危険物設
備等を対象に検討を進めています。
保安確保を目的に、特定された危険源の影響度と発
生する可能性からのリスク評価(重要度判定)
、リスク
低減対策の実施、さらにその対策が有効であったかの
再評価を行います。結果をフィードバックする一連の
PDCA サイクルが機能し、リスクを回避することが重
要です。
「機器 HAZOP」のもう一つの目的として、技術の伝
承とプロセス理解への忌憚のないコミュニケーション
の場として、いわゆる教育の一環として進めています。
新人からベテランまで参加者は新たな視点で、プロセ
スの安全性を見直す機会となり、制御方式やインター
ロックの意義や目的まで熟慮する場となっています。
実施済や検討中の対策を含めリスク低減対策を計画
的に進めることで、多くのメンバーが保安確保に奮闘
しています。
五井製造所
四日市工場
チッソ労組の取り組み
2002 年 10 月に発足した組合安全衛生部会では、働くものにとって「安全の確保」と「職
場環境の改善」を最重要課題と位置付けて、今期も精力的に活動を展開してまいりました。
スローガン『挨拶から始まるコミュニケーション、労使で目指そう無災害!』
今期は、約 14 年間継続してきた無災害記録が途絶えることとなった五井製造所において、
関連会社を含めての休業災害の検証と、発足から約2年が経過したチッソ旭肥料㈱富士工場
にて部会を開催しました。検証結果についてはビラ等を含めて教宣していますが、まだ完全
な対策実施という状況ではないことから「無災害への再スタート」ということでさらなる安
チッソ労働組合
全確保を提言しました。チッソ旭肥料㈱富士工場では、主に旭化成グループの安全活動の取
安全衛生部会担当
り組みに接することができ、今後実践できるところは、チッソにおいても水平展開を図って
斎藤 信治
いきたいと思います。
また、先般の「安全衛生に関する経営陣との意見交換会」でのメンタルヘルスへの取り組みにおいては、予防(心
の健康診断・分析)を含めての「リハビリ勤務制度」の導入が検討され、本年7月からの制度導入となりました。
組合安全衛生部会では、トラブルの原因や危険箇所等を単に指摘するのではなく、そこで働く人の意見や要望を
採り入れながら「従業員の働き易い環境作り」を目指し、ひいては「チッソをもっと良い会社」にすべく、会社の
良薬となるような改善策を提言してまいります。
第 14 回
第 15 回
開催時期
2008 年 12 月
2009 年 7 月
開催場所
五井製造所
チッソ旭富士工場
主な内容
関連会社を含めて休業災害の「検証」
関連会社の安全活動について
※五井製造所「検証」結果に関する報告ビラ発行(2009 年1月)
10
製品安全・品質保証への取り組み
チッソグループは、安全な製品の安定的な供給が企業の社会的責任の一つと捉えて「製品安全、ゼロクレーム」
を具体的な RC 方針として掲げ、
既存製品のクレーム再発防止と新規製品の安全性評価に積極的に取り組んでいます。
製品を通して安心を提供できるように、製品安全管理体制および品質保証体制を強化しています。
製品安全データシート(MSDS)とイエローカード(緊急連絡カード)
製品を安全に取扱っていただくために必要な、製品の
健康・環境面への影響等の情報を提供する MSDS を作
成し、お客様に配布しています。当社では、労働安全
衛生法、化学物質排出把握管理促進法(PRTR 法)、毒
物及び劇物取締法で提供が義務付けられている化学物
質だけでなく、全ての製品について自主的に MSDS を
作成しています。またこれら MSDS は、社員教育用と
しても活用しています。
製品の物流過程における安全性確保と事故時の適切
な対応を目的として、輸送業者に製品情報、通報連絡の
方法、事故時の措置等について簡潔にまとめたイエロー
カードを渡し、輸送中の携帯を義務づけるとともに、随
時イエローカードに基づく教育を実施しています。
▲ MSDS
▲イエローカード
製品安全
製品安全に関する責任の重大性から、製品安全を審
議する機関として「製品安全審議会」があります。新
規製品を上市する場合には、製品の安全性に関し製品
安全審議会の答申を踏まえて、社長が判断することに
なっています。製品安全審議会では、該当法規、法令
に定められた安全性試験の結果、業界標準、社内標準
に基づいた安全性試験の結果、安全性確認に関わる行
政並びに業界の今後の動向・情報等をもとに審議が行
われます。研究開発段階でのステージ毎に行われる社
内標準の安全性試験と合わせて、上市される製品安全
の確保を図っています。
当社の製品の多くは、直接消費者に渡る最終製品で
はなく、最終製品のメーカーに素材を供給するいわゆ
る中間製品が主体です。そのために製品安全への対応
も自ずから最終製品の場合とは異なっています。例え
ば製品が当社の意図しない用途に使用されることを避
けるために、上述の MSDS 上の注意書きや表示をする
ことが必要となります(意図しない用途に使用される
ことは、それだけ製品が安全に使用されなくなる機会
が増える結果となります)。当社は、お客様に最終的に
製品を安全に使用していただくために、今後とも種々
の活動を通じて製品の安全対策を進めていきます。
品質保証
お客様に対する品質保証の責任者は、各
製品を販売する事業部です。製品の製造は
各事業場で行いますので、事業場は事業部
に対する品質責任を負っています。お客様
からの要求には、事業部から事業場へと速
やかに連絡をとり対応します。このための
仕組みとして ISO9000 シリーズ(品質管理
システム)に基づく品質保証を推進してい
ます(6ページに認証取得事業場を掲載し
ています)
。
こ れ ま で 当 社 で は、 事 業 場 単 位 で の
ISO9000 シリーズ認証取得を行っておりま
したが、最近では事業部(営業)を含めた
認証取得を目指した取り組みを進めており、
事業部に対する社内の品質監査による品質保
証体制のレベルアップと共に、お客様からの
さらなる信頼の確保を目指します。
▲ ISO9001 登録認証—五井
11
▲ ISO9001 登録認証—水俣
コンプライアンス(法令遵守)体制
チッソグループにおいては、コンプライア
ンスを企業活動における最優先事項(コンプ
ライアンス>利益)と位置付けており、その
実施体制は右図に示すとおりとなっています。
社長を最高責任者、部門長(事業部長や工場
長等の各部門の長)を実施の責任者とし、推
進のため諮問機関であるコンプライアンス委
員会を設置しています。
同委員会は、法務部担当役員を委員長とし、
各事業部門の担当役員等により構成されてい
ます。主な活動は、年2回実施される各部門
等から提出されるコンプライアンス自己監査
報告の中から、重要な問題の解決策・再発防
止等について審議することおよびその審議さ
れた結果について、社長へ報告・答申した後、社長からの
承認・指示を受けて当該部門・当社グループ全体にフィー
ドバックすることです。さらに、同委員会は、コンプライ
アンス上の問題が発生した場合に、当該部門に対し必要な
対策指示を行う権限をも有しています。また同委員会は、
突発的に発生する重要な問題についても機動的に開催され
(臨時コンプライアンス委員会)
、問題への早期対応・解決
に努めています。
これらの体制を通じて、当社グループは、コンプライア
ンスの徹底を図っています。
健康管理への対応状況
当社のメンタルヘルスケア体制(心の健康づくり)
予防・早期発見︵EAP︶
当社では、社員のメンタルヘルス対策とし
①セルフケア
て、厚生労働省が示した「労働者の心の健康
(従業員自らが行うストレス
の保持増進のための指針(メンタルヘルス指
への気づきと対処)
針)」に沿った形で体制を整え、社員の心の健
②ラインによるケア
康づくりに取り組んでいます。2009 年度はさ
(管理監督者が行う職場環境
等の改善と相談への対応)
らなる体制の拡充を目指して労使委員会で、
「リハビリ勤務制度」についての協議を重ね、
③事業所内産業保健スタッフ等
によるケア
2009 年 7 月から導入しました。
(産業医による専門的なケア)
リハビリ勤務制度とは、精神疾患による欠
④事業所外資源によるケア
勤および休職から復職を希望する社員の円滑
(事業所外の専門機関による
な復職を支援するために、1日の所定労働時
ケア)
間を短くする「短時間勤務」を認める制度です。
今後も予防から事後対策に至るまでさらに 経済的支援
体制を拡充し、社員の「心の健康づくり」に
努めていきます。
●新入社員研修
●一般社員研修
●社外相談窓口の設置(自発的な相談)
●管理者研修
●長時間労働者の産業医による健康管理
●社外相談窓口の設置
●情報機関紙の配布と HP 掲載(啓蒙)
●リワーク支援(復職に向けた研修)
●GLTD(長期収入サポート制度)
その他の対策・支援
●労働時間管理
●積立年休制度
事後対策
●リハビリ勤務制度
社会貢献活動−次世代への貢献
2009 年 1 月、松戸市新松戸南中学校において経済産業省
「早期工学人材育成事業」の一環として特別授業を実施しま
した。テーマは「液晶って何でしょう?」です。チッソが
世界に誇る「液晶」について当社の研究者が中学校を訪問し、
1 年生に授業を行いました。今回の授業は液晶について中学
生に説明する初めての試みでした。生徒さん達は真剣に実
験に取り組み、素直に感動してくれました。授業を受けた
生徒の中から、将来研究者を目指す子が出てくればうれし
いことです。「すごい!」が科学の第一歩。これからもチッ
ソの技術を子供達へ発信していきたいと思います。
「早期工学人材育成事業」とは、イノベーションを担う人材を育
成・確保する観点から、中高等教育段階において産業技術の社
会的価値や重要性に関する理解を促進すると共に、将来のキャ
リアパスへの関心を高め、職業観を醸成していくことを目的と
する経済産業省の事業です。
12
各事業場の活動
五井製造所
事業場概要
五井製造所は、東京湾に面した京葉コンビナートの
一角に位置し、約 51 万m2の敷地を有しています。ポ
リプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂や各種化
成品、液晶など多様な品目を生産する製造拠点です。
また、隣接する五井研究所では、エレクトロニクスや
バイオテクノロジーなど、広範な分野にわたる基礎・
応用・工業化の研究を一貫して行い、世界に先駆ける
数々の創造的技術を生み出しています。
所在地:千葉県市原市五井海岸 5-1
RC 施政方針
「一人もケガをしないさせない 日本一安全な製造所にする」ことを目標に、新製造
所長のもとで以下のスローガン、モットーを掲げて製造所の安全安定運転、研究所で
の新規製品・新規技術の開発に取り組んでいます。
スローガン :安全・環境・品質で一流を目指そう
モ ッ ト ー :安全常に 環境に優しく 安心品質の提供を
執行役員 製造所長
平田 和弘
トピックス
四半期ごとの「朝の安全呼びかけ」では、その時期に適したビラ
を作成して配布しています。
地域住民との交流を図り、毎年恒例の五井臨海祭りに参加してい
ます。
第 20 回 市原市危険物安全協会主催 初期消火大会消火器女性の部で優秀賞を受賞しました。
13
水俣製造所
事業場概要
水俣製造所は、チッソ発祥の工場で昨年 100 周年を迎えま
した。1908 年、初代社長 野口遵が水力発電による豊富な電力
と石灰石に着目しカーバイド工場を造ったのが始まりです。
飽くなき技術革新により電気化学、石油化学の時代を乗り越
え、現在は、液晶やバイオ製品等のファインケミカルズ、化成
品、合成樹脂および化学肥料を大きな柱とし、チッソグループ
の中核を担っています。また、関連企業や協力会社と力を合わ
せて、地域との共栄に努めています。
所在地:熊本県水俣市野口町 1-1
RC 施政方針
水俣製造所は、
「安全常に」を
モットーに“リスク確認と危険予
知 感性磨いて築こう安全安心風土
ヨシ”を年度スローガンとして右
のRC施政方針を掲げています。
全社RC方針
共通
製品安全
法遵守
ゼロ災
所長マニフェスト
RCマネジメントプログラムの実行(共通) 内部統制強化(規定整備)
メンタルヘルス対応
人材育成
ISO9001内部監査参加
新SK活動への積極的な関与
内部統制(就業・権限・分掌規定学習) 緑化推進
法対応 ( 河川法、派遣・請負法、障害者活用法、36 協定 )
自主監査に全て出席し PDCA を推進
月報による RC マネジメント進捗監視
リスクアセスメントの高度化推進
2回/週パトロール実施
定修職場の幹部パトロール実施
ゼロエミッション
ゼロクレーム
ゼロトラブル
省エネルギー
廃溶剤有効利用の推進
スキルマップ活用による早期定員化
老朽化対策設備の点検・維持・更新
排水の水質高度化
原単位改善
各PRTR対象物質の削減目標を達成
BEX-PJ 摘出課題への対応
省エネ診断及び方針決定
執行役員 製造所長 梶原 二郎
トピックス
2007 年度より地域への貢献の一環として青少年育成を目的にス
ポーツ大会を開催・支援してきました。今年も小中学生を対象と
して野球、バレーボールおよびサッカーの大会を開催しました。
熊本県防災消防航空隊、水俣芦北消防本部およびチッソの合
同で緊急搬送訓練が実施されました。熊本県内の企業では初
の試みであり、今回は、防災ヘリの製造所敷地内への着陸を
検証することを目的に行われました。
2008 年 10 月に水俣芦北防火管理者連絡協議会主催による屋内消
火栓操法大会が開催され水俣本部から男子・女子各 1 チームが参
加し、女子チームが優勝(二連覇)、男子が準優勝と見事な成績
を収めました。
14
社会貢献活動の一環として、正門付近での 「 クリスマス・イ
ルミネーション 」 を始めて今年で10回目となります。現在で
は 12 月の企画として定着し、毎年好評をいただいております。
各事業場の活動
守山工場
事業場概要
守山工場は、自然環境の豊かな琵琶湖の東岸、滋賀県守山
市に位置し、9万 m2 の広さを有する工場です。ここでは、紙
おむつなどの衛生用品、自動車・産業用資材などに用いられ
る熱接着性複合繊維「ES 繊維」や複合スパンボンド不織布
「EsBond」
、およびそれらを原材料としたカートリッジフィル
ター「CP フィルター」を生産しています。また、生分解性プ
ラスチックスを原料とした環境配慮型繊維の開発など、次世代
の繊維の研究開発も進めています。
当工場は地域とのつながりを大切にしながら、全員参加で誇
りと楽しみのある工場作りを行っています。
所在地:滋賀県守山市川田町 230
RC 施政方針
社員・協力会一丸となって『三つの約束』を実践し、 三つの約束
『安全常に、誇り (Pride) と楽しみ(Pleasure)の溢 「ケガをしない ケガをさせない」
れる守山工場』を目指します。具体的には次の5つ 「設備 道具を大事にする」
を活動の柱とした RC 活動を推進します。
「やり方 見方を変える」
① RC 八気賞表彰制度
全員が、お互いの行動に注意を払い、良い点を認め合える職場作りを目指す。
② RC 清掃
製造現場を全員で清掃することで、工場としての物造りの一体感を養う。
③協力会と連携した安全活動
合同パトロール、情報交換会を通じてお互いに刺激し合い安全意識高揚を目指す。
④地域活動への積極的参加
地域コミュニティとの繋がりを深め、社外から刺激を受ける。
⑤コミュニケーションの推進
「何でも相談できる」
「活発な意見交換ができる」雰囲気作りを目指す。
特に今年は、
「再発防止」に力点をおき、安全面では、安全教育資料の整備、新人や転
入者への漏れのない教育、品質面でも生産管理方法の見直しに取り組みます。さらに、協
力会とは新たに安全情報交換会を実施して連携強化を図り、工場全体としての RC 活動の
レベルアップを目指します。
工場長
阿部 将起
トピックス
滋賀県では外来魚による生態系への影響が深刻な問題となってい
ます。琵琶湖水系固有種を保護するため、工場排水路の外来魚(テ
ラピア)駆除を始めました。
守山市の企業の集まり「山水会」のメンバーとして、地域の環境
活動に参加しています。写真は「びわこ地球市民の森」での植樹
活動の模様です。
地域との共生を大切にし、工場周辺の清掃活動を定期的に行っ
ています。写真は「滋賀県琵琶湖の日(7月1日)」の清掃活
動の様子です。
月に一度「RC 清掃活動」として、全員参加で工場の美化活
動を行っています。場内の歩道も自分たちの手で塗装してき
れいにしました。安全確保にも役立っています。
15
戸畑工場
事業場概要
戸畑工場は、新日鐵化学㈱との共同出資で設立されました。
設立当初は高度化成肥料を製造していましたが、ファイン化、
高機能化を進め、現在では機能性肥料、機能材料製品を中心に
「九州化学工業㈱」
、
「チッソファインテクノ㈱」
、および「チッ
ソ旭肥料㈱」として事業拡大を進め、来年創立50周年を迎え
ます。
所在地:福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜 46-70
RC 施政方針
戸畑工場は以下の4点を重点項目として、RCのレベルアップに取り組んでいます。
①取扱物質の安全確認等について、始業・就業ミーティングで確認する。
危険物や重量物の取扱を中心にして基本事項の反復確認を行っています。
②リスクアセスメント活動を展開し、災害・トラブルの発生を未然に防止する。
危険作業等の抽出やヒヤリハットと連動した活動に取り組んでいます。
③快適職場形成のため積極的なパトロール推進(PDCA)で職場環境改善を行う。
安全衛生委員会も若返り、女性の意見も取り入れながら進めています。また他部署と
の相互パトロールを実施することで、コミュニケーション向上も進んでいます。
④職場・家庭での積極的な運動の取り組みを行い、健康維持増進につなげる。
各種交流会への参加や帰宅途中のジム活用など健康の維持増進を進めています。
工場長
山田 敬三
トピックス
戸畑工場を望む境川河口、中原先ノ浜海岸に戸畑祇園「お汐井汲
みの場」があります。これは国の重要無形文化財に指定されてい
る戸畑祇園山笠の清めの水を汲む場所です。史実によれば、江戸
時代の 1802 年戸畑村で疫病が蔓延した際、ご祭神に祈願したと
ころ終息、翌年村人がこれを祝い、山笠を作り神社に奉納したこ
とが戸畑祇園の始まりと言われています。健康への願いを込めて、
今年も盛大に戸畑祇園祭りが行われました。
16
2008 年 10 月、チッソファインテクノ㈱戸畑工場に液晶粗精製設
備が完成しました。この設備の完成で液晶単品の合成から精製ま
で行える体制が整いました。水俣製造所の製造1部と共に液晶事
業拡大に貢献するため、日々、安全運転と製造技術の確立に向け
邁進中です。
各事業場の活動
四日市工場
事業場概要
四日市工場は三重県四日市市の第3コンビナート内
に立地し、ポリプロピレン樹脂を約8万トン / 年生産
しています。工場は従業員40名弱の小所帯で運営して
いますが、高圧ガス処理量は900万Nm3を超えレイア
ウト規制のかかる工場でもあり、事故を起こさない安
定運転が強く期待されています。この期待に応え、無
事故&ゼロ災害を今後も継続していくために保安防災・
安全活動に注力します。
所在地:三重県四日市市霞 1-21
RC 施政方針
四日市工場RC重点目標は以下の3点とし、確実な成果が得られるよう、具体的な
行動計画を作成してPDCAサイクルを廻して活動を展開しています。
①安全・安定・安心運転の確保
類似原因による再発を根絶するために事例解析と対策の水平展開を確実に行い、ま
た技術伝承を含めた効果的な教育訓練による感性の向上に取り組んでいます。
②環境保全への適切な対応
省エネ活動によるCO2削減と3R推進による廃棄物の削減に注力しています。
③保安管理システムの充実
潜在リスクを低減するために機器HAZOPによる危険源の特定とリスク評価、変更
管理のルール、運用の見直しとその定着に努めます。
何より「安全常に」をモットーに工場創業以来の保安・労災事故“ゼロ”を継続す
ると共に、一人ひとりが働きがい、やりがいのある活気あふれる工場作りを行ってい
きます。
工場長
長脇 紳二
トピックス
安全・安定・安心運転のために、各種教育訓練によりプラントオ
ペレーターの資質向上を図っています。本写真は操作室内で実施
したコンプライアンス教育風景です。
霞コンビナート地区では地区内各社により隣接している霞緑地公
園の美化活動を行っています。当工場も毎年参加し、環境整備に
寄与しています。
17
横浜研究所
事業場概要
横浜研究所では次世代事業の技術基盤になる
べく、様々な新規技術及び製品開発に尽力して
います。具体的には、合成コラーゲンの化粧品
用途開発、魚鱗由来コラーゲンペプチドのヘル
スケア用途開発とテクニカルサービス、ポリリ
ジンの用途開発とテクニカルサービスおよび分
子イメージング技術開発です。
所在地:神奈川県横浜市金沢区大川 5-1
RC 施政方針
全社認識されている標語「安全常に」のもと、横浜研究所の目標として、
①法令遵守
②日常実験及び新規技術に取り組む際の安全確保
③完全無災害の継続
を掲げ、RCスローガンとして「研究の現場は常にKY、無災害」を採択し、全所員で
取り組んでいます。
①に関しては、研究開発や事業運営に必須な法体系を理解し、所内運用上必要な書
類の文書化のさらなる促進と社員間の情報共有とを進めてまいります。②に関しては、
日常の研究開発で用いる危険性・有害性の高い取り扱い物質を再抽出し、MSDS によ
る教育徹底および作業指示書のさらなる適正運用を図ります。③に関しては、日々の
行動の中で KY 活動を継続推進し、完全無災害を引き続き継続できるよう一丸となっ
て取り組みます。
研究所長
廣瀬 弘明
トピックス
My Tree 2年前
第四次無災害達成記念植樹 (My Tree) は所員の手厚い保護により、
すくすくと育っています。研究開発も益々活性化してきました。
18
14
2008 年 10 月に東京ビッグサイトで開催された「食品開発展」に
魚鱗から製造したコラーゲンペプチド『マリンコラーゲンオリゴ』
を出展し、多くの訪問者を迎え盛況でした。
各事業場の活動
サン・エレクトロニクス(株)
事業場概要
サン・エレクトロニクス㈱は、水俣製造所の西側
に隣接し、半導体ウェハへのバンプ加工並びに液晶
ディスプレイ駆動用ICパッケージの組立てと電気テ
ストを行っています。当社は経営理念のひとつとし
て「環境に優しく、安全常に」を掲げて、全従業員
で省資源・省エネルギーの活動を行うとともに、無
災害の会社を目指しています。また、リスクアセス
メント活動を充実させ、安全・安心して働ける職場
作りに取り組んでいます。
所在地:熊本県水俣市丸島町 3-5-1
RC 施政方針
サン・エレクトロニクス㈱は従業員と管理者が一体となり、「最高品質の安定提供」「常
に安全な現場作り」
「環境にやさしい行動」を行い、お客さま、地域そして社会へ貢献で
きる工場を目指します。
そのためには、リスクマネジメントを積極的に活用するとともに、三現(現場・現物・
現実)主義に従い
①管理者の現場巡回による現実把握
②作業者と管理者による現物確認
③現場をよく見て、現場で考えること
の徹底を図り、製品・安全・環境に関するトラブルを未然に防止し、「 安全常に 」 が定着
した工場作りを行っていきます。
そして、会社のモットーである 「CHALLENGE FOR SUCCESS」 に基づき、常に新し
いことに挑戦し、夢のある工場となるべく、一歩一歩着実に前進していきます。
工場長
斉藤 正欣
トピックス
各部署が美化活動に参加しています。近隣の排水溝清掃は、より
良い環境と地域一体の活動を目指して行っています。
子供たちの工場見学会です。クリーンウェアを身に着けてのク
リーンルーム見学は、子供たちにとって初体験であり、良い思い
出となっています。
19
千葉ポリファイン㈱
事業場概要
千葉ポリファイン㈱は東・西工場とLPT工場の3工場体制で運営されています。東・
西工場では主にPP・PEコンパウンドを生産しています。LPT工場では、ファンクスター
(長繊維ガラス強化熱可塑性樹脂)を生産しており、主な用途は自動車構造部材です。昨
年度は、受注増加によるフル生産体制とその後の急激な景気後退による生産体制の見直
しなど、景気動向に左右された年でした。
所在地:(西・LPT 工場)千葉県市原市五井海岸 5-5
(東工場)千葉県市原市潤井戸字坂の上 2107-12
RC 施政方針
本年度の千葉ポリファイン㈱のスローガンは、“「安全常に!」をモットーに完全ゼロ災を達成し
よう”です。2008年2月には、第一次ゼロ災(2年間完全ゼロ災)を達成しました。引き続き第
二次ゼロ災を目指して活動していましたが、8月に休業災害を発生させてしまいました。また、品
質についても同じく2年間継続していたゼロクレームを2月にストップさせてしまいました。
2009年度は、安全・品質とも再出発の年と位置づけ、安全に対するリスクアセスメントの運用
のみならず品質に対するリスクアセスメントを作成し運用を図っていきます。
工場スローガン:
『チームワークで、サイガイ・ゼロ、クレーム・ゼロ、トラブル・ゼロを達成しよう』
社長
森 章
チッソ開発㈱
事業場概要
2008年度は完全無災害を達成し、本年度もリスクアセスメントの運用を柱に無
災害を継続します。当社は、ユーティリティ削減「GUS- PJ」、物流改善「LOK
A - PJ」、歩留改善「歩留 - PJ」の活動を継続するとともに、2009年度RC活動ス
ローガンである「見逃しません小さなリスク ゼロ災職場の合言葉 ヨシ」を掲げて、
安全、安定操業で工業用から家庭用まで幅広い分野に貢献していきます。
所在地:熊本県水俣市汐見町 1-5-45
RC 施政方針
2008年度は無災害を達成し、2007年度の7件から大きく飛躍しました。各現場での「危険箇
所の摘出」と改善等の積極的な活動がこの結果に結びついたことを評価しています。2009年度
は無災害の継続に向け、
「危険箇所の摘出」を「リスクアセスメント」に発展させます。この活動は、
潜在危険箇所/作業の摘出および危険度の評価/対策を実施するとともに危険への感性を高める
活動です。特に安全はものづくりの土台です。安心してものがつくれるハード、と危険に対して
敏感なハート、を目指しながら生産活動に邁進します。
品質や環境もリスクという言葉に集約できます。リスクを予め評価することで、クレームやト
ラブルを減らすことができるでしょう。「リスクアセスメント」をRC活動の基本的な手法として
定着させたいと考えています。
社長
松岡 伸互
千葉ファインケミカル㈱
事業場概要
千葉ファインケミカル㈱はポリプロピレン製造工程において副生するAPP(アタ
クチックポリプロピレン)の脱水加工・販売を主業務としています。長南工場は敷地
39.6万m2 を有する工業団地の一角に立地しており、緑豊かな環境の中、団地内企業
や地域とのコミュニケーションを図りながら、今年度も「安全・環境・品質でトップ
を目指そう!」をスローガンとして活動しています。
工場の片隅に花壇を作りました。「花いっぱい運動」展開中です。
RC 施政方針
社長
知久 真司
所在地:(長南工場)千葉県長生郡長南町美原台 1-14
(五井工場)千葉県市原市五井海岸 5-1
2009年度の社長マニフェストを下記のとおり定めました。
①危険の気づき
「危険予知」からより実践的な「危険に気づく」という発想
の転換を行い、より安全な作業環境づくりを推進する。
②全員が主人公
全従業員が自発的に、自分の職場の安全・環境を自分で守り、
改善する習慣を身につける。
今年度も「安全常に」をモットーに、「一人もケガをしない・
させない日本一安全な工場」を目指し、全社一丸となって取り
組みます。
20
14
海外事業場の活動
広州工場
玄谷工場
事業場概要
事業場概要
所在地:広州経済技術開発区金碧路金華三街
所在地:京畿道平澤市青北面玄谷里玄谷地方産業団地 5
広州ES繊維有限公司(GEF)は1994年に設立され、現
在では140人ほどの従業員により、紙おむつなどの衛生材
料や自動車、産業資材に用いられるES繊維とそれを用いた
エアースルー不織布を生産しています。2010年2月には年
産2400tの不織布加工設備が新たに立ち上がる予定で、成
長著しい中国の市場と共にGEFも着実に成長を続けていま
す。
RC関連トピックとしては、2002年のISO9001認証に続
き、2009年1月にはISO14001認証を取得しました。今年
度はこれらを活用し、中国の人々の暮らしに貢献していき
ます。また、製造部では従業員自らが考えた安全行動目標
を仕事始めに確認し合うことを取り入れ、一人ひとりの安
全意識の向上を図っています。
チッソ韓国㈱玄谷工場は2005年11月に竣工し、液晶ディ
スプレイに使用されるオーバーコート等を製造しています。
特にオーバーコートの生産量は2006年5月の初出荷時に比
較すると5倍も増加している状況ですが、
「安全常に」のモッ
トーで安全安定な生産活動を続けています。2005年工場稼
動から毎月、安全保健教育、安全懇談会を実施し、作業者
が自分で自分を守る安全意識を向上してきました。またIS
O9001による品質体制の確実な実施によりゼロクレーム、
ISO14001とPSM(工程安全管理)の実施によりゼロ災害、
ゼロトラブルを続けています。
2009年からは作業場無災害運動を開始し、環境整備など
を通して環境にやさしい作業場作りを目指して活動を続け
ます。
台南工場
Covington 工場
事業場概要
事業場概要
所在地:台南 善化鎮大利三路6號
所在地:7101 Alcovy Road, Covington, Georgia
台湾智索股 有限公司台南工場は、2006年12月に竣工し
た従業員約110名の液晶のブレンド工場です。工場立ち上
げから日が浅いこともありますが、これまで大きなトラブ
ルもなく無事故無災害操業を継続中です。
台南工場では、2007年10月に取得したISO9001及び
14001認証に続き、2009年1月にはOHSAS18001の認証
を取得しました。また、RC活動としては廃棄物リサイクル、
省資源、省エネルギー活動を積極的に推進すると共に、台
湾国内での法的要求事項の遵守、緊急事態への対応(避難
訓練等)、健康講座、労働安全リスクアセスメントなどを定
期的に実施しています。
今後も無事故無災害を継続し、人と地球に優しい工場を
目指して全員参加で RC 活動に取り組んでいきます。
COMUSA LLC Covington 工場では、長繊維ガラス強化
熱可塑性樹脂 FUNCSTER の生産開始から約3年が過ぎ、
2008年に取得した ISO9001 品質マネジメントシステムの
2009年の監査を順調にクリアするなど、着実に力をつけて、
地に足をつけた活動を実施しています。未曾有の不景気の
影響により、生産量のアップダウンは激しいですが、どん
な時にも「安全常に」でゼロ災害、ゼロトラブルを目指し
着実な活動を実施していきます。
21
当社の歩み
年
主な出来事
■ 1906
■ 1908
初代社長野口遵が鹿児島に曽木電気㈱を設立
日本窒素肥料㈱に社名変更
水俣工場にてカーバイドの製造を開始
フランク・カロー式石灰窒素法による肥料工場建設
カザレー式アンモニア合成法の工業化に成功
国内で初めて塩化ビニル樹脂の工業化に成功
終戦により全ての在外資産を喪失、水俣工場は 7 月の空襲で生
産停止に到るが 10 月には全国のトップをきって硫安製造を再開
企業再建整備法による第二会社新日本窒素肥料㈱を設立
■ 1909
■ 1923
■ 1941
■ 1945
■ 1950
■ 1961
■ 1963
■ 1965
■ 1972
■ 1973
■ 1980
■ 1981
■ 1986
■ 1988
■ 1989
■ 1993
■ 1994
■ 1995
RC への取り組み
ポリプロピレン製造開始
社名をチッソ㈱と変更
ES 繊維の製造技術確立、本格販売開始は 1974 年
液晶化合物販売を発表
社長直属の組織として環境安全対策本部を設置
各事業場への安全査察(現 RC 監査)を開始
有機シリコン化合物製造開始
被覆尿素肥料製造開始
気相法ポリプロピレン製造設備完成
五井製造所、高圧ガス認定事業所取得
安全基本方針制定
サン・エレクトロニクス㈱設立、電子部品事業を開始
発酵法による天然物系保存料「ポリリジン」販売開始
長繊維ガラス強化熱可塑性樹脂「ファンクスター」販売開始
リアクターメイド TPO「ニューコン」販売開始
広州 ES 繊維有限公司(中国)設立、繊維の海外展開を開始
■ 1996
■ 1997
■ 1998
■ 1999
■ 2000
■ 2001
■ 2002
■ 2003
■ 2005
■ 2006
■ 2007
■ 2008
■ 2009
水俣工場に安全衛生課を新設
環境基本方針制定
社長 QA(品質保証)方針制定
水俣製造所 ISO9001 認証取得
社長 PLP(製品安全活動)方針制定
日本レスポンシブル・ケア協議会に参加
レスポンシブル・ケア基本方針制定
五井製造所、通商産業大臣より高圧ガス保安優良事業所とし
て表彰
五井製造所、守山工場 ISO9001 認証取得
サン・エレクトロニクス㈱、チッソエンジニアリング㈱、
広州 ES 繊維有限公司 ISO9001 認証取得
複合スパンボンド不織布販売開始
高熔融粘弾性ポリプロピレン「ニューストレン」、
「ニューフォー レスポンシブル・ケア関係の各種方針(5 方針)を発展的に
マー」(発泡用)販売開始
統合し、レスポンシブル・ケア方針として制定
水俣製造所、五井製造所 ISO14001 認証取得
戸畑工場 ISO9002 認証取得
四日市工場 ISO9001 認証取得
守山工場 ISO14001 認証取得
五井製造所、日本化学工業協会・JRCC「安全努力賞」受賞
四日市工場 ISO14001 認証取得
五井製造所、消防庁長官より優良危険物関係事業所として表彰
水島工場、日本化学工業協会・JRCC「安全努力賞」受賞
水島工場、消防庁長官より優良危険物関係事業所として表彰
千葉ポリファイン㈱ ISO9002 認証取得
サン・エレクトロニクス㈱ ISO14001 認証取得
日本ポリケム㈱とポリプロピレン事業の合弁会社、
日本ポリプロ㈱を設立
チッソ韓国㈱玄谷工場(京畿道平澤市)を竣工
戸畑工場 ISO14001 認証取得
水俣製造所、消防庁長官より優良危険物関係事業所として表彰
創立 100 周年、本社を千代田区大手町に移転
水俣製造所、日本化学工業協会・JRCC「安全努力賞」受賞
COMUSA LLC Covington 工場 (GA USA) を竣工
玄谷工場 ISO9001,ISO14001 認証取得
台湾智索股 有限公司台南工場(台南縣)を竣工
肥料事業を製販一体としてチッソ旭肥料㈱に統合
四日市工場、高圧ガス完成及び保安検査認定取得
五井製造所、日本化学工業協会・JRCC「安全努力賞」受賞
台南工場 ISO9001,ISO14001 認証取得
新日鉱グループと太陽光発電用途ポリシリコン製造の合弁会 チッソ旭肥料㈱として ISO9001 認証取得
Covington 工場 ISO9001 認証取得
社、新日本ソーラーシリコン㈱を設立
広州 ES 繊維有限公司 ISO14001 認証取得
台南工場 OHSAS18001 認証取得
編集後記
レスポンシブル・ケア レポートの 2009 年版を発行しました。RC 活動のみならず、持続性のある、より良い社
会の実現に向けての活動についても、できる範囲で取り入れていきます。皆様からの忌憚のないご意見やご感想も
いただきながら、さらなる誌面充実に努めてまいります。
表紙の写真は、社内公募で選ばれた小松利喜さん(五井研究所所属)による「御鼻部山展望台から望む十和田湖」
です。
22
14
ご質問・ご意見は下記宛にお願いします。
〒 100 − 8105 東京都千代田区大手町 2 丁目 2 番 1 号 新大手町ビル
URL:http://www.chisso.co.jp
環境安全品質部 TEL:03 − 3243 − 6350 FAX:03 − 3243 − 6363
総務部
TEL:03 − 3243 − 6370 FAX:03 − 3243 − 6398
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