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第5回ISO/PC283コミュニケ(日本語版、PDF)

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第5回ISO/PC283コミュニケ(日本語版、PDF)
ISO/PC 283 (労働安全衛生マネジメントシステム)
第 5 回会議(ミシサガ(カナダオンタリオ州)、2016 年 6 月 6 日~10 日)
コミュニケ
ISO 45001 の国際規格原案(DIS)投票は 2016 年 5 月期限で不承認だった。また、約 3000 件の修
正コメントが寄せられた。
ISO/PC283 の国際幹事から前もって連絡していたが、DIS コメントの量が多い場合には会議を 2
回開くことが必要となる場合があり、ミシサガ会議はその場合 1 回目となる。
本会議は、カナダ規格委員会(SCC)、米国安全工学会(ASSE)、カナダ規格協会(CSA)グループ、
米国 PC283 対応国内委員会、カナダ PC283 対応国内委員会の共催で開催された。会議場所はス
ペクトラム通りの CSA グループの事務所。
スペクトラム通りの CSA グループのオフィス
開催に当たって、(カナダ PC283 対応国内委員会委員長)Norma McCormick 女史、(ISO/PC283
議長)David Smith 氏、(カナダ規格委員会標準化及び国際関係局次長)Sylvie Lafontaine 女史、
(CSA グループ CEO)David Weinstein 氏、(CSA グループ標準会長)Magai Depras 氏、(ASSE 会
長)Micael Belcher 氏、(米国 PC283 対応国内委員会委員長)Vic Toy 氏から挨拶が行われた。DIS
が承認されなかったことは残念であったが、話し手全員が、毎年の労働者の負傷、病気、死亡者
数を減らすために ISO 45001 のような規格の必要性を強調し、PC283 会議の成功を祈念した。
開会のあいさつに続いて、
PC283 議長は歓迎と会議への支援に対し謝意を表し、本会合の目的は、
寄せられたコメントのレビューと、
週の終わりに PC で正式に承認が必要な提案ではあるが、DIS2
として進めるに適した修正した規格案を作成することであると述べた。
PC283 事務局から、本 PC のメンバー数と会議に参加予定の代表の人数の説明、決議の編集チー
ムに参加するボランティアの募集があった。PC のメンバー数は P メンバー59 ヶ国から 65 ヶ国
に増加、O メンバー15 ヶ国から 13 ヶ国に減少、リエゾン機関数は 17 から 19 へ増加した。本会
議には 114 人の代表が参加予定であり、その内 28 人が初参加である。
その後、会議は正式に ISO/PC283/WG1 に移行し、コメントレビューが開始された。
第 5 回 ISO/PC283 ミシサガ総会代表団、ミシサガにて
WG1 議長の Kristian Glaesel 氏は、DIS 投票の結果を説明し、その後 DIS の箇条毎のコメント
数の分布を示した。受け取ったコメント数が多数であったことは、WG での従来のアプローチは
納得性が十分ではなかったことを示しており、新しいアプローチをする必要性があるとコメント
し、週全体を通して TG に分かれることなく、WG 全体会議で進めるという計画を提案した。
WG1 議長によるコメント分析では、数多くの取り扱う必要がある重要な課題があることを示して
いた。もしこれらの課題を満足のいくように解決できれば、コメントの大部分を処理することが
可能であろう。
重要な課題には以下が含まれる:
・法的要求事項を「満たす」又は「適合する」等
・要求事項を含まないための注記の編集
・定義に基づいた用語「協議 consultation」の編集
・ISO 14001 との整合及び附属書 SL テキストからの逸脱
・用語「worker」とその定義
・参加と協議に関する箇条 5.4
これらの課題について水曜まで議論を行った後、Glaesel 氏は WG1 のエキスパートに、各々にと
って優先度が高い残った課題を 3 件、オンライン調査システムで提出するよう求めた。
調査結果は、事務局の Ludvig Hubendick 氏が、翌朝の会議再開までに集約して優先順を付けた。
WG は、次のテーマを含めていくつかの追加の課題に取り組むことができた:
・箇条 6 の構造
・訓練と力量
・hazard の定義
・worker と切迫する危険に関する 7.3 内のビュレット
WG1 会議が終了に近づくころ、議長は、重要な課題と追加課題に関して行われた決定を指針とし
て、全ての残ったコメントのレビューを完了させるために新しいタスクグループ TG8 の設置を提
案した。TG8 は 8 月~9 月に会合し、修正した作業原案の作成と全コメントの詳細な処理を行う
であろう。作業原案及びエキスパートによるコメント処理に関して寄せられた懸念をレビューす
るため、さらなる WG 全体会議(及び PC283 総会)を 10 月頃に開催することになるであろう。
コメントのレビュー及び修正した規格案の作成を加速するプロセスを見つけるという考えは広く
受け入れられたが、タスクグループのメンバーの選出は難しい議論となった。WG1 議長は、TG
リーダーやサブリーダーとしての役割、又は産業界/政府/労働者の代表であることや地域的な代表
をバランスさせることを考慮して TG8 のメンバーを自分で指名したいと考えていた。他のメンバ
ーは、各国又はリエゾン組織から 1 名ずつ TG8 に参加したほうがよい、又は以前のタスクグルー
プは解任したほうがよい、
WG 全体で対処したほうがよいとの意見があった。
本問題は後で PC283
決議に付されて決定され、WG1 議長が TG8 のエキスパートを直接指名する権限を与えられた。
続いて開催された PC 総会の中で、本 DIS を技術仕様書(TS)として発行し、即時に改訂に着手し
て加速して 2 年間で IS を開発する提案が行われた。これは、本 DIS に対して 71%の P メンバー
の承認があるため可能な選択肢であった(TS の承認判定基準は 66%)。PC では、この提案は選択
されず、DIS2 を開発して発行することが合意された。
PC 事務局は、ISO 45001 の DIS2 のテキストが WG1 から提出されるのを待ち、提出があれば編
集して ISO へ提出をする。ISO ではレビューとテキスト編集を行い、11 月半ばには各国の標準化
機関が入手して 2 ヶ月の翻訳期間に入ると予定される。翻訳期間の終了後(1月/2 月頃)に、DIS2
は各国標準化機関による 2 ヶ月の投票に付される。
DIS2 の投票期限終了に続いて、投票結果とコメントのレビューを行う為に PC 会合が再度行われ
る。これは 2017 年の 4 月末から 5 月初旬にかけてと予想される。
PC はまた、4 月末から 5 月初旬の会合で作成した規格案を FDIS 段階へ進める必要があるかどう
かを判断する必要がある。
この判断に影響を与え得る問題は、本プロジェクトに合意された正式な開発期間で、それは 2013
年 10 月開始で 3 年間である。ISO では、そのような開発期間に対して現在 1 回 9 ヶ月の延長を
許可しており、その場合は、2017 年 6 月が開発期間の期限である。
DIS2 が承認された場合、FDIS 段階を避けるという合意が得られたならば、ISO 45001 はこの期
限の 6 月に間に合うように発行され得るであろう。そうでない場合は、本プロジェクトは ISO の
技術管理評議会(TMB)のレビューに付される必要がある。PC 事務局では、DIS 投票結果を踏ま
えて、プロジェクトの開発期間の 9 ヶ月延長を要請している。
また、PC のクロージング総会で、PC のアドホックグループ(AHG)からの報告があった。AHG
は 2015 年 11 月に会合を持ち、労働安全衛生マネジメントシステムの審査の力量の要求事項を
ISO/IEC 17021 の新 Part として開発することに関して、ISO/CASCO に提出する新業務項目提
案(NWIP)を作成した。AHG はその作業を完了し、ISO/CASCO と PC283 との合同 WG(No.48)
によって ISO/IEC TS 17021-10 の開発をすることについて NWIP は承認された。
Catherine Montagnon 女史(フランス)が AHG のリーダーを務め、JWG48 の共同議長に指名され
た。JWG は 4 月に第 1 回の会合をもち、次回は PC283 と一緒に開催することを計画した;しか
しながら、審査員の力量に影響する可能性がある新しい要求事項が DIS2 で導入されるかどうか
を判断する必要があるため、現時点では、ISO 45001 の DIS2 を待って作業を進めなければなら
ないかもしれないと女史は報告した。17021-10 は ISO 45001 の発行と同時に発効ができること
を目標にしていると報告された。
Norma McCormick 女史(カナダ)から、心理的ストレスに関するカナダの新しい国家規格のプレ
ゼンテーションがあり、これは、将来本 PC に正式の NWIP として提示されるかもしれない(但
し、そのようなプロジェクトの管理をするためには、当 PC を ISO 技術専門委員会(TC)に変更す
ることを ISO/TMB に申請する必要があるであろう)。
PC の WG1 の会議では、本規格を進めるにあたっての主要な障害を解決するための難しい議論が
行われた。継続して全体会議の形式で行う作業方法は、作業リーダーにとって非常な負荷がかか
る場合がある。WG1 議長 Kristian Glaesel 氏及び事務局 Ludvig Hubendic 氏の粘り強さは認
められるべきであろう。
PC の作業プログラムは、提供された卓越した施設、PC メンバーへのすばらしいおもてなしが
なくは達成できなかったであろう。
PC は、カナダ規格委員会、米国安全工学会、カナダ規格協会グループ、米国 PC283 対応国内委
員会、カナダ PC283 対応国内委員会に主催していただいたことを感謝する。
PC はまた、Brookfield Global Integrated Systems、Global Solutions Inc.、Master Lock、
Gleaming Factory、SPAN International Training LLC、及び Corporate Health Works の各社
にスポンサーとなっていただいたこと及び援助をしていただいたことを感謝する。
特に、PC は次の方々に謝意を表する(敬称略)
:
Norma McCormick、Blenda Henry、Vic Toy、Kathy Seabrook、Tim Fisher 及び多勢の米国と
カナダのオブザーバーにマイクを回していただき、会議の運営を支援していただいた。
ISO/PC283 対応 BSI 事務局
チャールズ・コーリー
[email protected]
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