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産業界からみた 科学技術・学術活動の国際化について

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産業界からみた 科学技術・学術活動の国際化について
文部科学省 科学技術・学術審議会 第二期国際化推進委員会
産業界からみた
科学技術・学術活動の国際化について
2004年6月23日
(株)富士通研究所
フェロー 横 山 直 樹
謝辞:フォト・エレクトロニクス研)山本主管研
世界の地域別IT市場規模
(M$)
1,200,000
1,000,000
∼96兆円
Middle
East/ Afric a
Ce n tral an d
Easte rn Eu rope
Latin Ame ric a
アジア他
800,000
600,000
欧州
Asia/ Pac if ic
We ste rn
Eu rope
North Ame ric a
400,000
北米
200,000
出典:IDC, 2003
0
2002 2003 2004 2005 2006 2007 (年)
市場規模:∼96兆円(2003年度) →120兆円超(2007年度)
中国のIT市場規模
(M$)
50000
45000
40000
35000
30000
25000
20000
15000
10000
5000
0
∼3兆円
2002
2003
Hardware
2004
2005
Services
2006
2007 (年)
Packaged Software
出典:IDC, 2003
・市場規模:日本を除くアジア・パシフィツク地域で1位
世界の情報通信機器のマーケットシェア
総務省 情報通信白書H15年版より
情報家電、カメラ付携帯電話等で健闘するも
主要情報機器では惨敗
世界の地域別半導体市場規模
(億ドル)
伸び率(%)
3,000
対前年伸び率
2,500
2,000
+36.8%
+1.3%
2043
∼18兆円
1389
2136
+50
2136 2300
0
米国
1664
-32.0%
1,500
+28.4%
+9.3%
+18.3%
+8.5% -0.7% 2514
欧州
- 50
1407
日本
1,000
500
アジア他
0
'00
'01
'02
'03
'04
→予測
'05
'06
'07 年
出典: WSTS 2004年春季半導体市場予測
日本市場(03年実績)は世界の23%、今後はアジア市場が伸びる
地域別半導体市場シェア推移
SNCC Ⅱ:第2次半導体新世紀委員会作成資料
シェア
SNCCⅡ 資料
50%
出所 WSTS
日本
45%
40%
米国
35%
アジア
米州
30%
日本
欧州
25%
20%
欧州
15%
10%
5%
0%
1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002
日本の半導体市場シェア
1993年に米国に負け、1998年にアジアに負けた
アジア・パシ
フィック
半導体のメーカ別シエア
半導体メーカ売上げトップ10推移
2003年DRAMメーカ別シェア
順位
1981年
1992年
2002年
2003年
1
TI(米)
Intel(米)
Intel(米)
Intel(米)
2
Motorola(米)
NEC(日)
Samsung(韓)
3
NEC(日)
東芝(日)
4
Philips(欧)
5
社名(国)
シェア
1
サムスン電子(韓)
28.6%
Samsung(韓)
2
マイクロンテクノロジー(米)
19.1%
東芝(日)
ルネサス(日)
3
インフィニオンテクノロジー(独)
16.3%
Motorola(米)
STMicro(欧)
東芝(日)
4
ハイニックス(韓)
14.7%
日立(日)
日立(日)
TI(米)
TI(米)
5
ナンヤテクノロジー(台)
4.6%
6
東芝(日)
TI(米)
NEC(日)
STMicro(欧)
6
エルピーダメモリ(日)
4.3%
7
NS(米)
富士通(日)
Infineon(欧)
Infineon(欧)
7
モゼル・バイテック(台)
4.2%
8
パワーチップ(台)
2.7%
8
Intel(米)
三菱(日)
Motorola(米)
NECエレ(日)
9
ウィンボンドエレクトロニクス(台)
1.9%
9
松下(日)
Philips(欧)
Philips(欧)
Motorola(米)
10
沖セミコンダクター(日)
1.8%
10
FCI(米)
松下(日)
日立(日)
Philips(欧)
順位
(出所:アイサプライ)
出所:Gartner/Dataquest
Intel、CPU 独占
韓・米で、DRAM市場シェア62.4%
日本メーカ再編統合
産学官プロジェクト
業界トップでないと益が出ない構造
富士通の売上構成(02年度)
• 主要セグメント別売上構成
総計:46,175億円
その他
ソフトウェア&サービス
7.8%
3,611億円
20,258億円
13.4%
43.9%
電子デバイス
6,186億円
プラットフォーム
34.9%
16,120億円
• 地域別売上構成
アジア・その他
3,777億円
米州
3,905億円
8.2%
8.5%
12.3%
日本
71.0%
欧州
5,687億円
注記: 2002年度 顧客所在地別連結売上高
32,806億円
富士通のランキング
■売上ランキング(2002年度)
世界市場
ソフト・サービス
第3位 IT サービス
第4位 IT マネジメント
第6位 パッケージ・ソフトウェア
プラットフォーム 第4位
第5位
第5位
第2位
電子デバイス
パソコン*
サーバ*
光伝送
エンタープライズHDD
第2位 フラッシュメモリ**
第6位 ASIC
第1位 PDP***
日本市場
第1位 IT サービス
第2位 IT マネジメント
第3位 ストレージ・ソフトウェア
第2位 パソコン
第1位 サーバ
第1位 ASIC
注記: 市場シェア ランキングはベンダー売上高ベース (但し、HDD、PDP は出荷台数ベース)
*富士通と富士通シーメンスコンピュータ売上の合算, **富士通とAMD売上の合算, ***富士通
立プラズマディスプレイの売上高
日
世界の富士通従業員
• 地域別従業員数(2002年度)
8,500
19,000
米州
欧州*、
中近東
アフリカ
総数:157,000人
108,500
21,000
アジア・
パシフィック
* フジツウ・シーメンス・コンピューターズの従業員数は含まず
日本
海外の主要関係会社
会社名
本社所在地
設立
売上げ
従業員数
Fujitsu Services
Holdings(旧ICL)
英国ロンドン
90年11月
486,808
千スターリング・ポンド
14,500名
Fujitsu Consulting
Holdings (旧DMR)
米国ニュージャ-ジー州
97年
244,717
千米ドル
7,760名
Fujitsu IT Holdings
(旧Amdal)
米国カルフォルニア州
(97年100%子会社)
727,051
千米ドル
ー
(連結83社)
Fujitsu Network
Communications
米国
240,815
千米ドル
ー
Fujitsu Siemens
Computers
オランダ
(50%子会社)
272,752
千ユーロ
ー
出典:2003年富士通広報データブック
グローバル関連の動向
◆富士通のグローバル関連の主なニュース(過去1年のプレスリリースより)
2003年6月3日
Java開発ソリューション強化のためボーランド社(米国)とグローバルに戦略的提携
6月30日
富士通とノキア(フィンランド)が、企業向けトータルモバイルソリューションで提携
7月14日
富士通/米AMD フラッシュメモリ事業の新会社「FASL LLC」を設立
10月6日
富士通とシーメンスビジネスサービス(独)が、ITサービスで提携
12月10日
仏キャップジェミニ・アーンスト&ヤングが富士通サービスと共同で英国国税庁のITアウトソーシングを受注
12月18日
富士通と米レッドハットミッションクリティカル領域のLinuxソリューションを強化
2004年1月20日
仏アルカテル社と富士通、フランス初の3G商用サービスの展示ルームを開設
1月26日
2月5日
3月23日
6月2日
米モシス社と富士通、大容量組込みメモリ技術「1T-SRAM-QTM」のテクノロジライセンス契約を締結
富士通と米アドビ システムズが、次世代新聞組版ソフトウェアの開発で協業
富士通、米ラティスから最先端半導体製品の製造を受託
富士通と米サンマイクロシステムズが提携関係を拡大∼次期SPARC/Solarisサーバの開発で協業∼
中国への取り組み
◆位置づけ:グローバル戦略のパートナー
・世界の生産(製造開発)拠点 ・世界の一大市場
◆戦略目標
・中国でのトータルソリューションプロバイダ(グループ資源の集積)
・中国企業としての成功(更なる経営の現地化)
◆投資状況
・投資企業:
・投資規模:
・総売上:
・従業員数:
48社(直接投資会社17社、グループ投資子会社31社)
48億人民元(累計約630億円)
100億人民元(約1300億円、03年度)
15600名
◆トピック
・昨年末、富士通中国ホールディングス(上海)という統括会社を設立
中国の幅広いお客様にハードウェア・ソフトウェアを駆使した新しいお役
に立つソリューションを提供する一大拠点にすることを目指している
海外の主な工場
◆生産拠点はアジア、特に中国が多い
ソフト・サービス
システム・
プロダクト
ユビキタス・
プロダクト
プロダクト
ビジネスサポート
工場名
国
製造品目
GFFS常州工場
中国
金融POS
FNCリチャードソン工場
アメリカ
光伝送装置
NFTE南京工場
中国
光伝送装置
JFTT蘇州工場
中国
局用交換機
SFTE上海工場
中国
局用交換機用プリント板・部品等
XFTE西安工場
中国
無線機器
VFTズンノイ工場
ベトナム
伝送機器
FTELバーミンガム工場
イギリス
伝送機器、ネットワーク関連機器
NFCP南京工場
中国
シリアルプリンタ
FTCナワナコーン工場
タイ
ハードディスク
FCPP第一工場
フィリピン
ハードディスク、ハードディスク用ヘッド
FMESAマラガ工場
スペイン
バンキングシステム製品、カーエレクトロニクスデバイス
FCVビエンホア工場
ベトナム
プリント板ユニット、プリント基板
出典:富士通 広報データブック2003年10月
国際競争力強化の必要条件
■グローバルな視点での技術・人材の確保
⇒ 大学を中心とした連携の国際化
海外
Ⅰ
Ⅱ
研
究
託 者
研
究
研
研
究
者
研
究
修
生
留
学
研
留 修生
学
企業間交流・
連携
大学間交流・
連携
学・官
委
託
委
委託研究・客員教授・派遣学生
Ⅲ
CoE
研究者・研究生
日本
Ⅳ
企業
富士通グローバル施策の例
■FUJITSUユニバーシティ(2002年4月設立)
全世界の社員教育を担当(一元化)
・NetCampus
⇒WEBベースの学習環境
・GKI(Global Knowledge Institute)
⇒グローバルリーダの育成
(海外ビジネススクール派遣等)
■グローバル・ブランド・プロジェクト(2000年6月開始)
・FUJITSUブランドの認知度向上(特に海外市場)
・顔の見える会社化(テクノロジ/プラットフォーム/ソフトサービスによるトータルソリューション)
⇒社名変更(ICL→FUJITSU Services、DMR→FUJITSU Consulting、
Amdahl→FUJITSU IT Holdings等)、fujitsu.comドメインへの統一、広告等
富士通研究所の概要
‡ 設立
1968年11月
‡ 従業員
約1500名+海外:約150名
‡ 組織
機能別研究所:10 開発室、センター:4
‡ 研究分野
Services
Platforms
Technologies
インターネットを中心としたサービス技術
・コミュニケーション技術、セキュリティ、言語処理ほか
高度なコンピュータ、通信などのプラットフォーム技術
・PC、情報家電、サーバシステム、ファイルシステム、
次世代IPネットワークほか
デバイス、材料などの最先端テクノロジー
・ストレージ、次世代FPD、システムLSI、次世代CMOSほか
富士通研究所の海外拠点
■海外研究所
◇狙い
・グローバルな情報収集(アンテナ機能)、人材獲得、仲間作り
・海外リソースの活用(共同研究、国プロ参画)
◇人員合計:約150名(内外国人:約110名)
(1)米国: Fujitu Laboratories of America (West/East)
1993年/2001年設立(カリフォルニア/メリーランド)
⇒VLSI-CAD、インターネット、インターコネクト、セマンティック・ウェブなど
(2)中国: 富士通研究開発中心有限公司 1998年設立(北京)
⇒通信システム、中国語処理、Siプロセスシミュレーションなど
(3)欧州: Fujitsu Laboratories of Europe 2001年設立(ロンドン)
⇒次々世代の通信分野、バイオ、グリッドなど
国内外の連携概況
①国内での状況
委託研究から共同研究へ徐々に移行
2000年 2001年
共同研究
4件
委託研究
162件
②海外での状況
2002年 2003年
7件
16件
36件
163件
153件
136件
包括提携
東大、東工大、早大
内13件は、文科省・
経産省のマッチング
ファンド制度を利用
海外の著名な大学・研究機関との共同研究を開始
2001年度・・・米国メリーランド大学カレッジパーク内に研究拠点新設
メリーランド大学とも共同研究開始
2001年度・・・ミュンヘン工科大学(ドイツ)との共同研究開始
2002年度・・・ケンブリッジMIT研究所(英国)との共同研究開始
2004年度・・・北京大学内に共同研究センター設立
富士通研究開発中心
◆設立目的
・中国の研究機関や大学との連携により新技術を開発する。
・研究/開発成果の中国での実用化を支援する。
・アジア地区におけるビジネスを技術的に支援する。
◆主な成果
・2001年8月:人民日報タグ付きコーパスの作成と公開(北京大、人民日報者と共同)
・2001年11月:TD−SCDMA方式の基本技術検証
(清華大、北京大、華南理工大と共同)
・2003年3月:3G方式用JD(Joint Detection)改良技術提案
・2003年6月:インターネット上の歌詞ページ検出技術
(哈爾濱工業大学との共同研究成果の実用化)
◆今までの合作研究機関
清華大、北京大、東南大学、復旦大学、北京郵電大学、南京大学、華南理工大学
哈爾濱工業大学、中国科学院(軟件所、計算所、自動化所)など
ミュンヘン工科大との共同研究
∼マッチングファンド活用で共同研究効率化∼
富士通研究所委託:政府ファンド=3:2
委託
研究費
富士通研究所
富士通研究所
共同
研究員
マッチング
ファンド
国内外で
増加中
ドイツ政府
ドイツ政府
ミュンヘン工科大
ミュンヘン工科大
科学技術国際化のリスク:技術流出
2003年DRAMメーカ別シェア
■半導体、液晶分野における韓国、台湾の
躍進
順
位
社名(国)
シェア
1
サムスン電子(韓)
28.6%
2
マイクロンテクノロジー(米)
19.1%
3
インフィニオンテクノロジー(独)
16.3%
4
ハイニックス(韓)
14.7%
5
ナンヤテクノロジー(台)
4.6%
6
エルピーダメモリ(日)
4.3%
7
モゼル・バイテック(台)
4.2%
8
パワーチップ(台)
2.7%
9
ウィンボンドエレクトロニクス
(台)
1.9%
■同じ轍を踏まないためには
10
沖セミコンダクター(日)
1.8%
◇技術流出防止指針(経産省03年3月発表)
(出所:アイサプライ)
サムスン製品の世界マーケットシェア(2002年)
・サムスン:04年の半導体投資は、日本の大手5社
(ソニー、NECエレ、東芝、松下、ルネサス)合計を上回る
規模(日経5月28日付)
・急激な立上がりの一因は、製造技術の流出
(製造装置・技術者をつうじたノウハウ流出)
∼意図せざる技術流出の防止のために∼
・海外進出等の技術移転
⇒ノウハウの秘密管理の徹底、あるいは積極的な権利化
・ヒトを通じた技術流出 ⇒守秘義務範囲の明確化等
製品名
シェア
順位
DRAMチップ
27%
1位
SRAMチップ
27%
1位
液晶パネル(TFT-LCD)
22%
1位
CDMA携帯電話
26%
1位
日本サムスンホームページより
SNCCⅡ 6-3-2
IT産業界としての課題
海外戦略
・日本や各企業の特徴を明確化した海外への積極的
な展開が必要(特にアジア地域)。
・国内の過当競争の結果としての技術の安易な海外
流出を戒め、世界の中で果たす日本の役割を明確
化し、必要なリソースについては国内外から日本に
集める必要。
・アジア経済圏を見越し、その中での日本企業の役
割と立場を確保できるようにする。
科学技術・学術活動国際化への期待
(個人見解)
国際化の考え方
・国際化無くして企業繁栄ならず
・地域の基盤形成に資するpre-competitiveな分野は国際協力
・Competitiveな分野は、世界から日本にリソースを取り込む
人材面での期待
・世界に通じる技術経営者、研究・技術者、知財専門家等
日本の大学等研究機関への期待
・国際化による教育のレベルアップ、学生のレベルアップ
・異分野人材との交流促進
・産学連携推進による、技術と人材の流動性確保
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