Comments
Description
Transcript
有毒植物による食中毒について 情報提供 1
情報提供 1 有毒植物による食中毒について 全国で有毒植物を食用の植物と誤って食べて食中毒になる事例が発生してお ります。 山菜狩りなどで有毒な野草を採取したことによるものや、家庭菜園や畑など で野菜と観賞植物を一緒に栽培したことによる誤食が原因と考えられます。 大阪市内での発生は報告されていませんが、 厚生労働省の情報によると平成 27 年においては、高齢者の誤食が原因と考えられる5件の食中毒死亡事例が発 生し、過去5年で同様の食中毒が 10 件報告されています。 今年に入ってからもイヌサフランやトリカブト等の有毒植物を誤食したこと による食中毒事例(疑い事例を含む。)が昨年同期と比較して倍増しており、特 に表のとおり死亡事例(疑い含む)も報告されています。 表※ 平成 28 年度有毒植物による死亡事例(疑い含む) 平成 28 年4月 28 日 イヌサフラン 1名 旭川市 平成 28 年5月2日 トリカブト 1名 秋田県 平成 28 年5月 31 日 スイセン 1名 北海道 平成 28 年6月 23 日 イヌサフラン 1名 宮城県 ※厚生労働省ホームページ「有毒植物による食中毒に注意しましょう」より 啓発資料 有毒植物による食中毒に関する注意喚起(厚生労働省ホームページ) http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000122955.html 有毒植物による食中毒に注意しましょう(大阪市ホームページ) http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000168248.html 情報提供 2 有毒部位を含むふぐの販売事例について ●概要 平成 28 年6月 29 日、「ツイッターで市内スーパーにおいて、ナメラフグ (マフグ)が有毒部位を除去されていない状態でトレイパックされ店頭に陳 列されているという情報が拡散している。」との情報提供がありました。 保健所が確認したところ、当該ふぐは内臓が摘出された状態でパック詰め されていたものの、マフグの有毒部位である皮は除去されていない状態(未 処理)で、販売目的で店頭に陳列されていたことが判明しました。当該ふぐ は消費者に販売されていなかったものの、当該販売店ではふぐ処理場を設置 していなかったことから、ふぐ処理場を設置していない施設における未処理 ふぐの保有を禁じた「大阪府ふぐ販売営業等の規制に関する条例」に違反し ていたことが判明しました。 ●販売経緯の調査について 当該のマフグは、市内の卸売市場の仲卸業者を経て当該販売店に販売され たものでした。仲卸業者は、当該販売店がふぐ処理場を設置していなかった ことから、本来、有毒部位である皮も含めて全て除去して販売する必要があ ったにも関わらず、皮を除去することを失念し、肝臓等の内臓のみを除去し た状態で当該販売店に販売していました。 当該販売店では、当該ふぐがマフグであり、皮が有毒部分であるとの認識 は無かったため、そのまま販売のために陳列していました。 ●措 置 (販売店) 大阪府ふぐ販売営業等の規制に関する条例第8条第1項第2号※違反に よりふぐ販売営業の停止2日間 ※ふぐ処理場を設置していな場合にあっては、処理していないふぐを販 売に供するために保有しないこと。 (仲卸業者) 大阪府ふぐ販売営業等の規制に関する条例第8条第1項第1号※違反に よりふぐ販売営業の停止2日間 ※処理をしていないふぐをふぐ処理場の許可を設置していない営業者 に販売しないこと。 情報提供 3 食中毒事例紹介 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)施設における食中毒について 1 2 3 4 5 発生月日 患 者 数 主 症 状 原因施設 原因食品 平成 28 年 5 月 21 日 15 名 嘔吐、下痢 当該施設 厨房 平成 28 年5月 21 日の懇親会において提供された料理 ちらし寿司、ポテトサラダ、バーベキュー(牛肉、ウィンナー、 ピーマン等)、エビフライ、唐揚げ、サンドイッチ、プチトマト、 6 フルーツ盛り合わせ(スイカ、パイナップル、メロン等)等 病因物質 黄色ぶどう球菌 7 検査結果 ・患者糞便 8名から黄色ぶどう球菌 ・食品残品 7検体から黄色ぶどう球菌 ・ふき取り 3検体から黄色ぶどう球菌検出 8 概 要 平成 28 年 5 月 21 日 20 時頃、市内認知症対応型共同生活介護(グルー プホーム)施設責任者から食中毒の疑いに関する届出が保健所にありました。 その届出内容は、 「平成 28 年 5 月 21 日 12 時頃から当施設において、入 所者やその家族、地域の方々で懇親会を開催し、当施設内の厨房で調理した 料理を提供したところ、平成 28 年 5 月 21 日 15 時頃から入所者 6 名が嘔 吐・下痢症状を呈した。入所者家族や地域の方々にも確認したところ同様の 症状を呈しているようである。」ということでした。 保健所が調査したところ、平成 28 年 5 月 21 日 12 時頃から 13 時 30 分 頃にかけて、入所者とその家族、地域住民及び施設職員の計 53 名が当該施 設の厨房で調理されたちらし寿司、ポテトサラダ、サンドイッチ、揚げ物等 を喫食し、このうち 15 名が 5 月 21 日 14 時 30 分頃から 17 時頃にかけて 嘔吐、下痢等の食中毒様症状を呈していることが確認されました。 発症者の発症状況が類似していること、発症者の共通食は当該施設で調理 提供された料理以外にないこと、施設内で感染症が疑われる事象がないこと から、当該施設で調理された料理を原因とする食中毒と断定し、事業者に対 し、平成 28 年 5 月 23 日から平成 28 年 5 月 24 日の2日間の当該施設の厨房 の業務停止を命じました。 情報提供 4 平成 28 年食中毒発生状況 [平成 28 年8月 22 日現在] 発生月日 患 者 数 原因食品 病因物質 原因施設等 1 1月8日 20 一品料理 ノロウイルス 飲食店 大衆酒場 2 1月9日 24 カンピロバクター 飲食店 大衆酒場 3 1 月 23 日 3 生かき ノロウイルス 飲食店 その他料理 4 1 月 26 日 3 鶏のタタキ カンピロバクター 飲食店 麺類食堂 5 1 月 31 日 7 1 月 29 日に提供された食事 ノロウイルス 集団給食 6 2月7日 9 鶏刺身盛合せ、白レバーのサラダ カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 7 2 月 28 日 9 にぎり寿司 ノロウイルス 飲食店 寿司屋 8 3月3日 12 コース料理 ノロウイルス 飲食店 大衆酒場 9 3月7日 8 コース料理 ノロウイルス 飲食店 大衆酒場 10 3 月 25 日 4 鶏のお造り盛合せ カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 11 4月2日 6 鶏串焼き(ささみ) カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 12 4 月 12 日 23 コース料理 ノロウイルス 飲食店 ホテル 13 4 月 26 日 2 地鶏のササミ炙り焼き カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 14 4 月 30 日 8 コース料理 ノロウイルス 飲食店 日本料理 15 5 月 14 日 26 一品料理 ウエルシュ菌 飲食店 中華料理 16 5 月 21 日 15 5 月 21 日の昼食 黄色ブドウ球菌 集団給食 17 6月6日 3 カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 18 6月9日 10 鶏肝の炙り カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 19 6 月 12 日 10 コース料理又は一品料理 ノロウイルス 飲食店 日本料理 20 6 月 22 日 8 カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 21 6 月 25 日 7 カンピロバクター 飲食店 焼鳥屋 22 6 月 25 日 12 カンピロバクター 飲食店 その他料理 23 6 月 25 日 11 カンピロバクター 飲食店 その他料理 24 6 月 27 日 7 カンピロバクター 飲食店 その他料理 鶏刺身(ももタタキ、ささみ、肝、 ずり、こころ)、鶏ささみのユッケ 地鶏の造り盛り合わせ、鶏のにぎ り、駝鳥のユッケ 鶏肉の刺身(ささみ、むねたたき、 心臓) 鶏刺身 5 種盛り 笹身白焼き、生の鶏肝、地鶏胸肉の たたき 鶏造りの盛合せ(もも、むね、ささ み、肝、ハート、砂ずり) 鶏のタタキ 平成28年の食中毒発生件数 24件 患者数 247名 平成27年同時期の食中毒発生件数 38件 患者数 330名