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成果報告書 - 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

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成果報告書 - 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
レーザー共同研究所
成果報告書
【平成 24 年 12 月~平成 25 年 11 月】
t = 2 . 17 sec
t = 2 . 50 sec
4 kW Laser
t = 3 . 31 sec
4 kW Laser
温度 (℃)
t = 2 . 35 sec
4 kW Laser
4 kW Laser
1600
溶融金属領域勾配 (dy/dx) : ドラグライン
SS400 steel
溶融金属領域
3 cm
1400
1200
1000
800
600
400
200
V L = 6 0 m m/min
V L = 7 0 m m/min
溶断可
V L = 8 0 m m/min
V L = 9 0 m m/min
0
溶断不可
平成 25 年 11 月 21 日
(独)日本原子力研究開発機構
敦賀本部レーザー共同研究所
目次
1.
成果報告書出版にあたって
4
2.
組織
6
3.
活動状況
7
7
3.1. 研究開発の概要と研究紹介
3.2. 各種会合の実施
3.2.1. 第3回レーザー共同研究所成果報告会
3.2.2. レーザー共同研究所セミナー
26
26
29
3.3. レーザー技術の普及,教育活動への貢献
3.3.1. サマーサイエンスキャンプ
3.3.2. 夏期休暇実習生受入
3.3.3. 福井大学大学院工学研究科授業
3.3.4. 高等学校カリキュラム・フィールドワークへの協力
33
33
35
37
37
3.4. 各種検討会・見学会の実施
3.4.1. エネルギー諸問題に現れる複雑流れについての技術討論会 2012
3.4.2. レーザー溶断・破砕技術検討会
3.4.3. 一般社団法人 日本溶接協会 溶断小委員会 見学会
3.4.4. レーザー共同研究所御視察・御見学
38
38
40
42
43
3.5. 各種記事等
3.5.1. テレビ取材
3.5.2. 日刊県民福井(平成 24 年 12 月 13 日(木)
)
3.5.3. 産経新聞(平成 25 年 1 月 7 日(月))
3.5.4. 読売新聞(平成 25 年 1 月 7 日(月))
3.5.5. プレス発表文(平成 25 年 11 月 1 日(金))
3.5.6. 福井新聞(平成 25 年 11 月 2 日(土))
3.5.7. 日経産業新聞(平成 25 年 11 月 5 日(火))
3.5.8. 化学工業日報(平成 25 年 11 月 6 日(水))
3.5.9. 日刊工業新聞(平成 25 年 11 月 7 日(木))
3.5.10. 原子力産業新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木)
)
3.5.11. プレス発表文(平成 25 年 11 月 13 日(水))
3.5.12. 産経新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木)
)
3.5.13. 毎日新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
3.5.14. 朝日新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
3.5.15. 読売新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木)
)
3.5.16. 福井新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木)
)
3.5.17. 日刊県民福井(平成 25 年 11 月 14 日(木)
)
3.5.18. 電気新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木)
)
3.5.19. 公益財団法人福井原子力センター 広報誌
3.5.20. 日本原子力研究開発機構 敦賀本部 広報誌
48
48
48
49
50
51
57
58
59
60
60
61
63
64
65
66
67
68
68
69
70
4.
研究発表等リスト
73
5.
実験室整備状況
80
2
表紙画像:SPLICE コードによる溶断特性の評価
レーザー切断では、レーザー光の照射により対象物を溶融し、これをアシス
トガス噴流により適切に排出する必要がある。この過程では、カーフ(切断溝)
壁面に溶融金属が移動・排出される際の条痕(ドラグライン)が形成され、切断
が的確に行われている場合には垂直な条痕となる。このドラグラインに相当す
る溶融金属界面勾配の変化(レーザー光移動速度による溶断の可否)は、計算科
学アプローチを採用するレーザー加工プロセスシミュレーションコード SPLICE
により、的確に再現できることが確認された。
3
1. 成果報告書出版にあたって
21 世紀は光の時代と言われている。すなわち 20 世紀、電子工学がそれまでの様々
な技術体系の中に新たに血を通わせるように浸透していったのと同じように、21 世紀、
光・レーザー技術は従来のあらゆる技術体系の中で、従来技術と併存、あるいは置き
換わる形で浸透して行きつつある。この意味で産業振興の牽引車的技術となっている。
レーザー技術のみが突出した応用というより他の周辺技術と融合し、地道に広く深く
浸透し、従来技術に置き換わって行っている。車、重工などに留まらず、変わったと
ころでは刃物を研ぐ砥石の機能、木材や布の切断などにも役立っている。このような
時代の流れを背景に、レーザー共同研究所が敦賀本部に開設されて、本年 9 月で 4 年
が経過した。2009 年 9 月の開所式では、福井県の研究拠点化計画の中で、県内企業の
振興を中心とした当研究所への期待が各方面からの挨拶の中で述べられた。本場の原
子力研究開発の地でレーザー技術がどこまで通用するか、心をひとつにして所員一同
頑張ってみようと思ったことが思いだされる。
当時、もんじゅの再稼働を目前にしていた時期で、敦賀地区全体に活気が溢れてい
た。このような中で福井大学との医学利用に関する共同研究、ふげん、公益財団法人
若狭湾エネルギー研究センター、
(株)レーザックスとの厚板切断に関する共同研究、
福井の松浦機械などとの共同研究を開始した。スタッフが力を合わせて他部門からの
機器の移設により実験室の整備・充実を図り、博士研究員を中心に人員をつけていた
だくことにより共同研究の核ができるとともに、その輪が広がり、研究開発の実績が
出始めた。これにより研究活動の推進にほんの少し自信を持つことができた。具体的
には、スタッフ一丸となってレーザーの溶接・溶断の基礎過程を調べる為、機構に所
属している大型放射光施設スプリング 8 にファイバーレーザーを持ち込み、金属の溶
融・凝固現象のリアルタイム観測に成功したこと、レーザーの厚板切断技術において、
前記共同研究体での切断試験を日常的に取り組む体制ができたこと、それらの物理プ
ロセスを取り扱う計算機シミュレーションのフレームワークができたことである。こ
れらに、当研究所発足以前から行われてきた複合型光ファイバーを用いた原子力施設
の保守・保全技術や低侵襲性医療器開発などがしっかりとした進歩を示したことも加
わって、レーザーの原子力への応用を旗印にする研究推進の下地ができたと思ってい
る。
2011 年 3 月 11 日の未曾有の大震災とそれにより引き起こされた大津波により、原
子力政策の大転換をもたらす原子炉の過酷事故が福島で起こった。事故処理は今後も
長く続くことになる。現在、福島の事故処理を筆頭に、長期にわたり原子力技術への
信頼を回復して行くことが求められている。このような中、原子力技術に携わる研究
者の一人として改めて当研究所の役割を考えてみた。最重要課題として、原子力の信
頼回復に貢献する研究開発を挙げたい。具体的には、現在の原子力技術の焦眉の課題
にレーザー技術の利点を生かし切る手法を提示することである、あるいは、そういう
双方のマッチングを見つけ出すための協力の輪を広げることである。当研究所は、現
在福島第一原子力発電所の溶融燃料デブリ取り出し技術を目的にした要素技術開発
を手掛けている。この課題もレーザーの時間・空間制御性を生かし切った手法を見出
すと、具体的な活躍の場が見えて来ると思われる。例えばレーザーでは千分の1秒以
下の周期的加熱、数ミクロンから1cmに亘る加熱領域の高速変化などが可能である。
4
このようなことは、従来の熱加工技術で行うことは極めて困難である。レーザーでし
かできない有効な手法の実証が重要である。福島に向けた研究開発には、震災前の原
子力機構・核燃料サイクル研、大洗研究開発センターなどとの研究協力関係が大いに
生かされている。またそれにリンクした大洗センター・量子ビーム部門を中心とした
グループが開発している観る技術、分析する技術も光・レーザー技術が大いに活躍で
きる分野と思われる。幸い、これらの活動は福井県においても好感を持って取り上げ
ていただいており、福井あるいは敦賀における原子力の信頼回復に微力ながら貢献し
ているのではないかと思っている。敦賀には本年 2 社のレーザー技術を看板にする企
業の進出があった。その内の 1 社は既に共同研究を行っている会社であるが、これか
らは、それら企業、(公財)若狭湾エネルギーセンターや従来から協力関係にある企
業に加え、新たに進出された企業と、これまでにも増して緊密な協力体制を作り、原
子力へのレーザー技術の貢献を図りつつ、福井県の研究開発拠点化事業の推進にも寄
与して行く所存である。
原子力技術はその影響の大きさにより社会の中で際立っている。これから長く続く
人類の営みに対し大きな可能性を与えてくれる原子力技術は、レーザー技術等々の
様々な先端技術をその中に取り込み、その一部とすることにより、強靭な技術体系と
して新たに発展して行くように思われる。原子力技術の新たな出発に際し、レーザー
共同研も志を新たにして、
“原子力の信頼を取り戻すことに貢献する“をモットーに、
研究開発に邁進する所存である。
(独)日本原子力研究開発機構敦賀本部レーザー共同研究所
大道 博行
所長
5
2. 組織
【H25.4/1 現在】
6
3. 活動状況
3.1.研究開発の概要と研究紹介
(1)原子炉の溶接補修技術の開発、レーザー技術の原子力・産業利用
リーダー:西村昭彦
2011 年 3 月 11 日、東日本大震災により福島原子力発電所の被害が深刻なものとな
ってから後、原子力発電所の地震に対する過酷事故対応が注目されている。現在、廃
炉に向けての新組織の立ち上げが行われ、廃炉に関するあらゆる技術が集約されるこ
とになった。しかしながら、深刻化する汚染水問題は工程全体に影響を与える状態に
なっている。振り返ると我々は、2007 年 3 月 25 日に発生した能登半島地震の時点で、
かかる事態を憂慮して震災に対する原子力発電所の防備を一層固める必要があると
考えた。一方で、地震のような突発的な外力が無くても、通常の運転時にも徐々にプ
ラントには高経年劣化が起こる。特に原子力発電所では、放射線と熱水が鋼材表面に
腐食作用を及ぼす。鋼材の溶接部では熱影響により強度低下が生じる。鋼材に機械加
工や溶接などによる残留応力がある場合、腐食や割れが進行しやすいこと、炭素を含
むステンレス鋼は特にこの傾向が強いこと、などは日本で最初に送電を行った JPDR
(旧日本原子力研究所東海研究所)の時代より経験されてきた。配管内部に流れの断
面積が急変するようなオリフィス等がある場合、その下流域に発生する渦は配管内面
を著しく腐食させることも、美浜原子力発電所での死亡事故という尊い犠牲を払って
得た教訓である。
レーザーのパルス幅と物質との相互作用を効果的に利用することで、幅広くプラン
トの保守保全技術に役立てることが出来る。このレーザー技術が原子力分野に大きく
導入されたのは、関西光科学研究所(1999 年開所)が発端である。ここで開始した超
短パルスレーザー加工技術は、熱影響を極めて小さな領域に限定させることが可能で
ある。この超短パルスレーザー加工を利用した温度変化や歪変化を捉えることが出来
るセンサシステムの開発に成功した。ナノ秒領域では、効果的なプラズマ発生や衝撃
波の発生が可能であり、酸化物層の除去やプラズマ発光分析に役立つ小型可搬の装置
開発を進めている。さらに、ミリ秒から連続発振の領域では、ファイバレーザーによ
る微小スポットの効果的な加熱を最大限利用して、配管内部の減肉や溶接割れの箇所
を補修できるように開発を進めている。
現在、実験室では超短パルスレーザー加工技術を駆使して、光ファイバのコアに回
折格子構造を描画している。加工した光ファイバを炭化ケイ素繊維と複合的に編み合
わせることで機械的強度を向上させ、且つ、取り扱いを容易とすることに成功した。
編み合わせに関しては、福井県の地場産業である繊維加工メーカーの協力を得た。昨
年度は、(公財)若狭湾エネルギー研究センターより支援を頂き熊谷組との共同研究を
通じて、配管表面への接着のための予熱ヒーター線の編み込みなど一層の多機能化を
進めた。炭化ケイ素繊維の開発は、我が国におけるイオンビーム・電子線・ガンマ線
などの放射線応用研究の中心である高崎量子応用研究所の成果を継承したものであ
る。これにより、500度の高温において、振動する配管用鋼材の挙動を捉えること
が出来る高温用センサが誕生した。現在は長時間運転及び急速加熱時における耐久性
の検証を実施中である。我が国では大飯原子力発電所2基を除く総ての軽水炉が稼働
を停止した。現在、原子力機構のナトリウム炉のもんじゅと常陽も運転予備の状態で
ある。これらの再稼働時には温度上昇による配管の膨張、運転時にはポンプや流れ場
7
に発生した渦による流体の振動、地震時には配管に加わる大きな外力、などが想定さ
れる。炉の形式を問わず冷却配管の常時監視から得られるデータは、原子炉の安全性
向上に貴重な指標である。さらに今年度は、ITER(国際熱核融合実験炉)の真空容器
の歪計測への応用に向けて、レーザー溶接による実装と波長可変レーザーによる応答
計測の検討を開始した。
ナノ秒レーザー領域では、原子炉保守保全としては水中でのレーザーピーニングが
ステンレス表面の残留応力改善に実用化されている。一方で、我々は挑戦的な課題と
して、対象物を把握し、且つ、その表面を観察しながら組成分析できるレーザーブレ
ークダウン分光(LIBS)分析技術の小型装置化である。これは、配管のような狭隘部の
内部に挿入して観察する映像伝送光ファイバとレーザー加工用のエネルギー伝送用
ファイバを同一軸上に配置した複合型光ファイバを活用する。この特殊ファイバの開
発の歴史は 12 年以上に遡り、国際熱核融合炉(ITER)のブランケット補修装置に端を
発している。完成した装置の活用としては、先ずレーザー溶接に先立って溶接個所の
クリーニングに利用できる。また、溶加材と溶接母材の元素の成分分析にも役立てる
ことが出来る。しかしながら、最も重要な応用は福島原子力発電所の溶融した炉心部
分の調査と分析である。小型装置に、水中観察と水中での LIBS の機能を持たせれば、
福島原子力発電所のようなメルトダウンした燃料デブリの遠隔分析に適用可能であ
る。今年度は、小型装置の要素技術開発をほぼ終了し、試作機製作に向けて計画を進
めている。
ミリ秒から連続発振領域では、配管内壁の減肉補修を行うレーザー肉盛り溶接装置
の開発を行っている。この開発は三井化学とベストマテリアの協力のもとで推進して
いる。1 インチ配管に挿入し、内壁の観察と肉盛り溶接が可能な装置の開発に成功し
た。これまでの FBR 伝熱管補修装置に関しての実績を基盤にして、複合型光ファイバ、
カップリング装置、レーザートーチ、ワイヤ送給機構を統合した。レーザートーチは
外径 15mm と 1 インチ配管に挿入時に空間的余裕を確保しており、先端の耐熱性誘電
多層膜ミラーにより壁面の観察、レーザー照射を実現した。ワイヤ送給装置はレーザ
ートーチと配管の間を利用し、直径 0.4mm の溶接ワイヤをレーザー照射位置に正確に
送給可能である。ワイヤ送給装置は福井県の機械装置製作メーカーの協力を得た。レ
ーザートーチ及びワイヤ送給装置は、流れ腐食作用による配管減肉が生じる配管接続
部近傍を対象として製作した。本年度は実プラントへの適用を見据えて、各装置の制
御系の統合を行い、レーザー出力やワイヤ供給速度及び予熱時間やガス流量など肉盛
り溶接条件の最適化を進めた結果、伝熱管の減肉部分を補修するのに十分な量の肉盛
りに成功した。垂直に配置した1インチ伝熱管内壁の補修成功は世界で初めてである。
我が国の石油化学プラントは高経年化に伴い、死亡事故を含めた重大事故が多発し、
後継者不足に伴うプラントの保守保全技術の維持が困難となりつつある。これは原子
力発電所にも共通する課題である。レーザーによる配管検査補修技術はプラント保守
保全を容易にし、自動化にもつながる技術である。
8
(2)複合型光ファイバーによる医療技術開発
リーダー:岡潔
レーザー光と画像を並行して伝送可能な複合型光ファイバーは、設立当初からの主
要技術のひとつとして開発と応用を行っている。この機能を最大限活用したレーザー
低侵襲治療に関する装置開発は、原子炉の配管系の狭隘部分の検査補修と共通な基盤
技術として技術開発に注力してきた。
昨年度は、文部科学省「大学発新産業創出拠点プロジェクト」に採択頂き、複合型
光ファイバーを適用した産業機器及び医療機器の製品化及び事業化を本格的に進め
た。このうち、医療技術開発については、既存のレンズと比較して、レンズの外径は
同等で、レーザー照射エリアのみを約 2 倍以上拡大可能な外径 0.56mm の超極小レン
ズを開発した。本レンズを先端部に搭載し、さらに焼灼用レーザーとは別の波長のレ
ーザー光を伝送可能な光ファイバーを一体化し、外径 1.5mm で焼灼用レーザー、光線
力学療法(PDT:Photodynamic Therapy)用レーザー、血流計測用レーザーの 3 波長を
同時に伝送可能な多波長伝送型光ファイバースコープ(MOF:Multiwavelength Optical
Fiberscope)を新たに開発した。今後、多様な用途に適応するために機能の拡大を検
討する予定である。
先端部(拡大)
f1.5mm
・照明用ファイバー
・血流計測用ファイバー
外観
焼灼範囲拡大用レンズ
(焼灼と観察が可能,
レンズ外径f0.56mm)
PDT用ファイバー
(f0.4mm)
一方、事業化の 1 つとして、肺の周辺部にできる早期の末梢型肺癌については、3
つの医療機関にてヒトに対する臨床研究の実施が予定されている。以上のプロジェク
トと並行して、福井大学医学部では無遮断で血管をバイパスする手術を可能にする装
置の開発を引き続き行っている。本装置はオランダで開発されている装置を基に、特
に、血管吻合を容易にするクリップや血管の穴空けを確実に実施できるツールなど、
既存品の改良と改善を行うと共に日本独自の新しい装置の提案を引き続き行ってい
る。これら医療機器開発への展開は、本研究所に与えられた目的に大きく寄与してい
る。
9
(3)レーザーによる厚板切断技術の開発
リーダー:村松壽晴
レーザー光を用いた厚板切断技術の確立に向けては、レーザー光と切断対象物との
相互作用、レーザー光により溶融した液体金属とアシストガス噴流との相互作用、液
体金属が固体壁に沿って排出される過程の流動特性などを適切に把握し、これらを
様々な切断条件下でコントロールすることが求められる。
レーザー光
Laser light
レーザー光
Laser light
ア シ ストガス
Assist gas
アシストガス
Assist gas
溶融金属流動領域
Melting metal convection area
熱伝導領域
Heat conduction area
q..
加熱
Heating
q..
溶融酸化物
Dross
冷却
Cooling
q..
溶融酸化物
Dross
レーザー切断時の主要プロセス
平成 22 年度より開始した共同研究「原子炉構造物を対象としたレーザー切断技術
の確立に向けた研究((公財)若狭湾エネルギー研究センター/(株)レーザックス/原子
力機構)」は、切断性能の更なる向上を目指して平成 24 年度に続き、平成 25 年度も
発展的に継続、実施した。この共同研究の更なる効率化を図るため、(公財)若狭湾エ
ネルギー研究センターのご厚意により、平成 23 年 12 月に 10kW ファイバーレーザー
システムをレーザー共同研究所内に移設させて頂き、厚板切断技術に関する研究開発
を平成 25 年度も継続している状況にある。また、レーザー切断技術の実機適用を目
指した共同研究「レーザー切断遠隔操作技術の原子炉解体適用に向けた研究((株)ス
ギノマシン/(株)レーザックス/原子力機構)」も平成 24 年度に引続き発展的に継続し
た。
他方、レーザー切断性能を向上させる上で不可欠なアシストガス噴流挙動の適切化
に資するため、粒子画像流速測定(PIV : Particle Image Velocimetry)システムを用
いた研究開発を本格化させ、厚板切断を達成する場合の諸特性、例えばカーフ幅とカ
ーフ壁面摩擦損失特性との関係などが定量化されつつある。
(4)レーザー溶接・切断技術の標準化
リーダー:村松壽晴
原子炉を含む人工構造物の設計・製造などでは、機器のコンパクト化、製造時間の
短縮、長寿命化などが求められ、これらは溶接技術に対して、狭隘部作業性の向上、
作業効率の向上、溶接部信頼性の向上などとともに、技術の標準化を要求することに
なる。他方、原子炉廃止措置では、環境負荷(高レベル放射性廃棄物量)低減、プラン
ト解体工期短縮、狭隘部切断技術開発などが開発目標と据えられ、これらは切断技術
に対して、溶融凝固体(ドロス)の低減、作業効率の向上、微細切断性の向上などとと
10
もに、技術の標準化を要求することになる。
レーザー光はその性質上、高出力、高出力密度、ファイバー伝送による遠隔操作性
などを備え、レーザー照射条件の適切化などが達成されれば、上記の要求を一挙に解
決できるポテンシャルを持つ。しかしながら、その条件の適切化において対象とすべ
きは相変化を含む多相伝熱流動現象、相間での熱的機械的相互作用などのマルチスケ
ール複合物理過程であり、実験的アプローチあるいは計算科学的アプローチのみでの
達成は困難を極めると予想される。本研究テーマはこの観点より、計算科学と高精度
実験を相補的に利用することによって、発生する複合物理過程の制御を通じてレーザ
ー溶接・切断技術の標準化を図ろうとするものである。
レーザー切断について言えば、レーザー光の照射により対象物を溶融し、これをア
シストガス噴流により適切に排出すること(溶融金属-ガス間機械的相互作用)が求
められる。この過程でカーフ壁面には溶融金属が移動・排出される際の条痕(ドラグ
ライン)が形成され、切断が的確に行われている場合には垂直な条痕となる。このド
ラグラインに相当する溶融金属界面勾配の変化(レーザー光移動速度による溶断の可
否)は、計算科学アプローチを採用するレーザー加工プロセスシミュレーションコー
ド SPLICE により、的確に再現できることが確認された。
t = 2 . 17 sec
t = 2 . 50 sec
4 kW Laser
t = 3 . 31 sec
4 kW Laser
温度 (℃)
t = 2 . 35 sec
4 kW Laser
4 kW Laser
1600
溶融金属領域勾配 (dy/dx) : ドラグライン
SS400 steel
溶融金属領域
3 cm
1400
1200
1000
800
600
400
200
V L = 6 0 m m/min
V L = 7 0 m m/min
V L = 8 0 m m/min
溶断可
V L = 9 0 m m/min
0
溶断不可
レーザー切断時のドラグライン変化の計算科学シミュレーション
なお、平成 21 年度より開始した共同研究「ファイバーレーザーによる機械加工技
術の高度化研究((株)松浦機械製作所/プラズマ技研工業(株)/原子力機構)」は、レー
ザー溶接性能の更なる向上を目指して、平成 25 年度も発展的に継続し、実施した。
(5)福島デブリ・炉内構造物のレーザー取出し技術開発
リーダー:村松壽晴
東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所事故では、様々な状況証拠か
ら炉心溶融が発生したと推定されており、今後の事故処理作業では燃料と炉内構造物
とが溶融混合凝固したデブリベッドなどを取出し対象とする必要がある。過去に炉心
11
溶融を起こした米国・スリーマイル島第二原子力発電所(TMI-2)の復旧作業では、信
頼性の高い解体工法として、人工ダイヤモンドカッターによるボーリングマシンが使
用されたものの、デブリベッドの一部は急冷凝固によりセラミックス化しており、数
多くのカッター破損が発生したことが報告されている。
レーザー切断は、直径 1mm 程度に集光したレーザー光を熱源とするため、二次廃棄
物量が少なく局所加工性に優れ、ファイバー伝送が可能なことから遠隔操作性にも優
れている。またレーザー照射条件の変更により、靭性の高い金属から靭性の低いセラ
ミックスまでの対象物を溶断・破砕することができる。
本研究テーマはこの特徴を活かして実施するもので、切断・破砕対象物が溶融再凝
固によって不規則形状であり、また金属とセラミックスの混合体であることを前提と
した基礎試験を実施している。試験では、不規則形状を持つ炭素鋼表面にアルミナペ
レットをセラミックスボンドにより接着した試験体に対し、まず、レーザースキャナ
により表面形状 (凹凸) を認識する。次に、ロボット動作とレーザー照射動作とを連
動させ、炭素鋼に対してはレーザー光連続照射による切断を、セラミックスに対して
はレーザーパルス照射による破砕を表面形状に追従させながら行うものである。この
結果、不規則形状で且つ金属とセラミックスの混合体を的確に切断・破砕できること
を確認し、福島第一原子力発電所でのデブリベッドなどの取出し作業に適用できる見
通しを得た。
スキャニング用
レーザー光
破砕アルミナペレット
レーザー加工ヘッド
アルミナペレット
10 mm
25 mm
炭素鋼試験片
炭素鋼試験片
炭素鋼溶断溝
(a) 幾何形状レーザースキャニング
(b) レーザー溶断・破砕後の状況
不規則形状/金属-セラミックス混合試験体に対するレーザー溶断・破砕試験
今後は、水中試験を通じてそれら性能などを評価し、システム要求仕様や
レーザーの照射条件等を知識ベースとして集約する予定である。
12
(6)表彰
平成 25 年は、業務に関し、以下の表彰を受けた。
「接合科学共同利用・共同研究賞」を受賞(平成 25 年 12 月 12 日予定)
授賞式
開催日:平成 25 年 12 月 12 日(木)
場所:キャンパスイノベーションセンター東京
「レーザ溶接中の溶融金属対流現象の高精度観察と数値シミュレーションによる現
象の把握」(山田知典)
レーザ溶接時の複合物理現象の解明に向け、SPring-8 放射光高輝度単色 X 線を用い
てレーザ照射部で形成する溶融池形状の時間変化および流動場の高精度リアルタイ
ム観察を行うとともに、開発中の数値シミュレーションコード(SPLICE)を用いて対
応する現象の再現を行い、両者の直接比較・対比を可能とした。本成果は、溶接現象
の解明に大きく貢献するものであり、きわめて優秀であると認められた。
(7)参考論文等の掲載
業務に関する成果の内容をわかり易く紹介した論文等を出版社の承諾を得て以下
に掲載する。
Ⅰ.大道博行「レーザー研究 41 巻 11 号(2013 年)「原子炉廃止措置における光・レー
ザー技術の適用可能性」より転載」
【平成 25 年 10 月 2 日 一般社団法人 レーザー学会より許諾済】
Ⅱ.山田知典、山下晋、杉原健太、村松壽晴「プラズマ・核融合学会誌「講座 レー
ザー生成プラズマの新しい温度、密度領域における物性とシミュレーション 5.レ
ーザー加工のシミュレーション」Vol.89,No.7,p500-p506(2013 年)より転載」
【平成 25 年 10 月 1 日 一般社団法人 プラズマ・核融合学会より許諾済】
13
Ⅰ.大道博行「レーザー研究 41 巻 11 号(2013 年)
「原子炉廃止措置における光・レーザー技術の適用可能性」より転載」
【平成 25 年 10 月 2 日 一般社団法人 レーザー学会より許諾済】
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Ⅱ.山田知典、山下晋、杉原健太、村松壽晴「プラズマ・核融合学会誌「講座 レーザー生成
プラズマの新しい温度、密度領域における物性とシミュレーション 5.レーザー加工のシミ
ュレーション」Vol.89,No.7,p500-p506(2013 年)より転載」
【平成 25 年 10 月 1 日 一般社団法人 プラズマ・核融合学会より許諾済】
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3.2.各種会合の実施
3.2.1. 第3回レーザー共同研究所成果報告会
平成 24 年 12 月 11 日、12 日の二日間にわたり、アトムプラザで「第3回レーザー
共同研究所成果報告会」を開催した。
平成 21 年 9 月に設立された敦賀本部レーザー共同研究所の1年間の研究成果を中
心に、これまで3年間の事業運営の概要を報告するとともに、適切な評価を受け、事
業の一層の発展のための協力体制を構築する場とし、レーザー技術に関する基礎研究
から産業展開にわたり、積極的な意見交換、研究交流の場とすることを目的とした。
冒頭の主催者団体である原子力機構敦賀本部・谷川本部長代理、共催団体の若狭湾
エネルギー研究センター岩永専務理事の挨拶において、福島第一原子力発電所の復旧
支援への取組状況、最近の原子力をとりまく状況の変化に対応して、原子力、産業、
医療応用に向けたレーザー技術開発を推進すること等が述べられた。続く、5つのセ
ッションでは、関連事項の研究成果等が報告された。
各セッションでは、主として当研究所と協力関係にある機構内外の講演者により2
日間で30件の講演が行われ、それぞれについて活発な質疑応答が行われた。また、
昨年 12 月からの成果等を取りまとめたレーザー共同研究所成果報告書を配布すると
ともに、レーザー実験室の見学会を実施し、燃料溶融凝固体を模擬したペレットのレ
ーザー破砕の実演を行うとともに、実験装置及び研究成果の紹介を行った。さらに、
見学会や情報交換会を活用して企業や大学と実施中の共同研究の進捗の確認や今後
の取組み或いは外部ファンド応募に関する打合せなどを行った。
参加者数は、以下の通りである。
12 月 11 日:108名
実参加者:127名
12 月 12 日:66名
谷川本部長代理の主催者挨拶
若狭湾エネルギー研究センター
岩永専務理事の共催者挨拶
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28
3.2.2. レーザー共同研究所セミナー
平成 24 年 12 月以降、セミナーを3回【第 23 回(H25 年 7 月)~第 25 回(H25 年
10 月)】開催した。
回
開催日
講演者
講演題目
23 回
H25.7/9
(火)
大阪大学接合科学研究所
川人洋介 准教授
24 回
筑波大学医学医療系
H25.9/20
脳神経外科
(金)
阿久津博義 講師
25 回
福井大学原子力・エネルギ
「レーザー宇宙太陽光発電の可
H25.10/9 ー安全工学専攻
能性追究-24 時間安定供給可能
(水) (電気・電子工学科)
な太陽光エネルギーを求めて-」
金邉忠 教授
「最新のレーザ溶接技術」
「脳神経外科領域における新規
レーザー治療の可能性」
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第23回
レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、大阪大学接合科学研究所より川人洋介准教授をお招きし、「最新
のレーザ溶接技術」と題して、ご講演頂いた。
記
・開催日時:平成 25 年 7 月 9 日(火)14:00~15:00
・開催場所:敦賀本部
・講演者:大阪大学
アトムホール
接合科学研究所
川人
洋介
准教授
・講演題目:「最新のレーザ溶接技術」
・講演要旨:
レーザ溶接は、電磁波と物質の相互作用に基づく加工であり、21 世紀のものづくり
に欠かさることができない技術である。本講演では、金属材料がレーザを吸収する機
構等の溶接基礎現象から、今後の応用が期待される 30mm 以上の厚板溶接が可能な低
真空レーザ溶接(新プロセス)、さらに、実際に生産されている最新のレーザ溶接技
術までの幅広い領域、今後の展望について紹介して頂いた。
「最新のレーザ溶接技術」
講演中の川人洋介准教授
30
第24回
レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、筑波大学医学医療系脳神経外科より阿久津博義講師をお招きし、
「脳神経外科領域における新規レーザー治療の可能性」と題して、ご講演頂いた。
記
・開催日時:平成 25 年 9 月 20 日(金)16:00~17:00
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・講演者:筑波大学医学医療系脳神経外科
阿久津
博義
講師
・講演題目:「脳神経外科領域における新規レーザー治療の可能性」
・講演要旨:
近年、脳神経外科では内視鏡手術が進歩し、特に下垂体病変に対する経鼻内視鏡手
術は既に一般的な治療となった。しかし、この手術は硬性鏡下の手術であり、高画質
で視認性に優れ、ドリルや鉗子類など従来の手術器具を使用できる反面、広い操作空
間を必要とするため、それほど低侵襲ではないという欠点があった。そこで、阿久津
博義講師らは、複合型光ファイバを用いたレーザー内視鏡治療システムを基に、超低
侵襲レーザー内視鏡治療システムの開発を進めている。本講演では、脳神経外科領域
における臨床の現状とレーザー治療の最前線を紹介して頂いた。
「脳神経外科領域における新規レーザー治療の可能性」
講演中の阿久津博義講師
31
第25回
レーザー共同研究所セミナー
本セミナーでは、福井大学原子力・エネルギー安全工学専攻(電気・電子工学科)
より金邉忠教授をお招きし、「レーザー宇宙太陽光発電の可能性追究-24 時間安定供
給可能な太陽光エネルギーを求めて-」と題して、ご講演頂いた。
記
・開催日時:平成 25 年 10 月 9 日(水)13:30~14:30
・開催場所:敦賀本部
アトムホール
・講演者:福井大学原子力・エネルギー安全工学専攻(電気・電子工学科)
金邉 忠 教授
・講演題目:「レーザー宇宙太陽光発電の可能性追究
-24 時間安定供給可能な太陽光エネルギーを求めて-」
・講演要旨:
近年、レーザー技術の理工学・産業分野の応用が進み、日常生活においても学術の
発展においても無くてはならないものになってきた。しかし、宇宙分野や高強度レー
ザー分野においては未踏の領域が残されている。講演者は、大阪大学にてレーザー核
融合研究における高出力レーザーの開発を経て、現在、福井大学にて宇宙太陽光励起
によるレーザー発振に関する研究を推進している。本講演では、レーザー宇宙太陽光
発電システムを概説して、それらの開発課題・要素である太陽光励起固体レーザーと、
宇宙からのエネルギー伝送、経済性評価などを含め、レーザー開発の最前線を紹介し
て頂いた。
「レーザー宇宙太陽光発電の可能性追究
-24 時間安定供給可能な太陽光エネルギーを求めて-」
講演中の金邉忠教授
32
3.3.レーザー技術の普及,教育活動への貢献
3.3.1. サマーサイエンスキャンプ
サマーサイエンスキャンプ 2013 日本原子力研究開発機構
「レーザー研究・応用技術開発の最前線」
敦賀本部
平成25年8月21日からの3日間、敦賀本部レーザー共同研究所にて「レーザー
研究・応用技術開発の最前線」のテーマのもと、サインスキャンプ2013を開催し
た。全国各地から、光と原子力に関心の高い10名の高校生が集まり、様々な方言
が飛び交う中、和気あいあいとした雰囲気でキャンプが進んだ。
参加した高校生は、ふげん見学と講義に続いて、光の基本的な学習や実験や高出
力レーザーを実際に用いた実習にも挑戦した。昨年に引き続き開催した今年は、光
の波に関する基本原理、太陽観測、分光実験、合金の性質、レーザー精密加工など、
昨年までの内容を見直し、一層充実させた。
最終日には、初めて会った仲間と実験を通して親しくなり、光と原子力への理解
も深まったことへの喜びが、参加者から異口同音に述べられた。特に、レーザー技
術のもつ工学的な可能性として、原子炉解体に応用できることを知ったのは驚きだっ
たようである。
会期:平成 25 年 8 月 21 日(水)13:00~8 月 23 日(金)14:00
会場:日本原子力研究開発機構 敦賀本部 レーザー共同研究所
主催:独立行政法人 科学技術振興機構
参加者:高校生10名
【日程表】
日程
8 月 21 日(水)
8 月 22 日(木)
時間
13:00~13:30
13:30~14:15
13:15~14:35
14:35~16:35
16:35~16:45
16:45~17:30
17:30~19:30
19:30~19:50
8:30~8:50
8:50~9:00
9:00~10:00
10:00~10:10
10:10~12:00
12:00~13:00
13:00~14:50
14:50~15:00
15:00~16:50
16:50~17:00
17:00~
2泊3日
カリキュラム
受付(JR 敦賀駅)
移動 敦賀駅→ふげん(原子炉廃止措置研究開発センター)
開講式
ふげん講義・見学
休憩
敦賀分室(食堂)へ移動
講師等との交流会(夕食懇談)
宿舎(駅前ホテル)へ移動
宿舎発→敦賀本部事務所
休憩
講義 エネルギー、光、物質の本質と循環
部屋移動・休憩
実験①光の性質
昼食
実験②元素の発する光とその分光
休憩
実験③レーザーの利用(連続照射)
事務連絡
宿舎へ移動
33
8 月 23 日(金)
8:30~8:50
8:50~9:00
9:00~10:50
10:50~11:00
11:00~12:00
12:00~12:45
12:45~13:30
13:30~14:00
14:00~
宿舎発→本部事務所
休憩
実験④レーザーの利用(パルス照射)
休憩
学習した事項の発表準備(箇条書き報告書作成)
昼食
学習したことを発表
閉講式
移動 敦賀本部事務所→敦賀駅
簡易分光器
LED ライト
簡易分光器を製作し、LED ライトの分光実験
真空ポンプ
高圧電源
真空容器
テスラコイル
150 年前にガシオットにより実施された放電発光実験の再現
※ガシオット:John Peter Gassiot(1797-1877)【イギリス】高電圧の研究をしていた人物。当時、
誘導コイルにより高電圧を作り、水銀を利用した手回しポンプでガラス瓶の中を排気して真空を
作り、そのガラス瓶の中で放電実験を行った。
34
3.3.2. 夏期休暇実習生受入
【実習テーマ】レーザーによる精密加工技術の基礎技術の習得
実施日:平成 25 年 9 月 9 日(月)~9 月 13 日(金) 5 日間
時 間:9:00~17:00
場 所:(独)日本原子力研究開発機構 敦賀本部 レーザー共同研究所
参加者:明石工業高等専門学校生1名、福井大学工学部所属の大学生3名、
福井大学大学院工学研究科所属の大学院学生2名
内 容:
レーザー加工技術は、レーザーパルスの長さと加工物の特性に応じて、溶融や蒸発
を主とした熱加工と非線形吸収や多価電離などの高強度超短パルス加工まで、幅広く
研究開発と実用化が進められており、原子力分野でもレーザー加工技術の実用化が進
められている。本実習は、1)光の性質、2)レーザーの原理と装置概要、3)レー
ザー光の安全な取扱いと物質との相互作用、4)レーザー加工のためのステージ制御
の概要、5)レーザー加工の基本習得、6)原子力分野へのレーザー加工技術の利用
例について習熟し、レーザー加工技術に関する理解を深めることを目的とした。
実習では、レーザー共同研究所で研究開発中のレーザー溶接・補修、地震センサ開
発、水中でのレーザー切断、レーザー医療機器開発などに使用されている実験装置を
実際に用いた研究体験を通じて、レーザーによる精密加工技術の基礎を学習した。
【日程表】
月日
9月9日
月
9月10日
火
9月11日
水
9月12日
木
9月13日
金
時間
9:00 12:00
内容
オリエンテーリング、原子力機構と敦賀本部活動紹介
安全教育
光・レーザー技術のお話(講義)
13:00 17:00 各種レーザー装置の説明
実験室とスタッフ紹介
9:00 12:00 第①実験 光の性質(粒径と散乱現象)
13:00 17:00 第①実験 高速流動のレーザー計測、実習のまとめ
担当
労務課・土田
西村
アトムホール
他
大道、西村
アトムホール
実験室
羽成・小久保
アトムホール
羽成・小久保
9:00 12:00 第②実験 放電と物理(熱陰極、電子衝突発光、分光) ロン・寺田
13:00 17:00 第②実験 レーザー精密熱溶接、学習のまとめ
9:00 12:00 第③実験 金属の性質と相変化
アトムホール
実験室
寺田・ロン
実験室
山田・松永
第4会議室
13:00 17:00 第③実験 高出力レーザ加工の諸現象、実習のまとめ 山田・松永
9:00 12:00 第④実験 パルスレーザーの実機説明と精密加工
場所
実験室
下村・竹仲・古山
実験室
13:00 15:30 第④実験 精密加工と分光分析、学習のまとめ
下村・竹仲・古山
実験室
15:30 16:30 実習成果の発表と講評・総括
全員
16:30 17:00 精算等時間
労務課
35
第③実験
第④実験
当研究所研究者による金属の性質と相変化の講義
当研究所技術者による超短パルスレーザーの実機説明
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3.3.3. 福井大学大学院工学研究科授業
平成25年10月15日(火)【西村】、28日(月)【大道】の両日、福井大学附
属原子力国際研究所第2講義室と総合研究棟ⅠPJ133室にて、原子力機構の研究
開発成果をベースにした量子エネルギー応用論の中の下記の通り2コマの授業を行
った。
1.西村昭彦「レーザー・光学技術の原子力及び産業への応用」
2.大道博行「高強度レーザーと高強度場研究」
3.3.4. 高等学校カリキュラム・フィールドワークへの協力
平成25年11月12日(火)滋賀県立守山高等学校の総合的な学習時間に係わる
フィールドワーク(将来の職業に関する体験学習)に協力した。
37
3.4.各種検討会・見学会の実施
3.4.1. エネルギー諸問題に現れる複雑流れについての技術討論会 2012
熱流動研究を行っている学生さん達に、自身の研究が原子力及び産業分野でどのよ
うな位置付けになるか認識してもらい、研究実施の動機付けが再認識できるように、
第 1 部では、高速増殖炉「もんじゅ」施設見学、第 2 部では、技術討論会を行った。
(1)開催日時:平成 24 年 12 月 13 日(木)09:15~16:30
(2)開催場所:(独)日本原子力研究開発機構 敦賀本部 アトムプラザ
〒914-8585 福井県敦賀市木崎 65-20
(3)プログラム:
≪第1部≫ 見学会
9:15-9:30
「もんじゅ」PR センター・エムシースクエア集合
高速増殖炉「もんじゅ」施設見学
9:30-11:45
≪第2部≫ 技術討論会
13:10-13:20
「伝熱流動現象全案に関する液体金属流と古典流体との特性比較など」
日本原子力研究開発機構 村松壽晴
13:20-13:35
「弱圧縮性流れ解法によるキャビテーション挙動に伴う圧力波の予測」
福井大学 三田村将
13:35-13:50
「溶接池流動の解明に向けた光応答性ミセル流体の応用」
兵庫県立大学 秋本大介
13:50-14:05
「非ニュートン粘性流体壁乱流のための LES」
福井大学 宮下真人
14:05-14:20
「マイクロ人口キャビティの加工による沸騰伝熱面の改質」
兵庫県立大学 洗優佑
14:20-14:35
「溶融、凝固を伴う乱流境界層の DNS」
福井大学 山田敬祐
14:35-14:50
「蒸気エジェクタを用いた下水バイオメタンの増産」
兵庫県立大学 浅田浩貴
14:50-15:00
「溶接現象に関して」
日本原子力研究開発機構 山田知典
38
15:00-15:10
「切断現象に関して」
日本原子力研究開発機構 杉原健太
15:10-16:30
日本原子力研究開発機構レーザー共同研究所
実験室見学及びフリーディスカッション
エネルギー諸問題に現れる複雑流れについての技術討論会 2012
技術検討会後の実験室見学
39
3.4.2. レーザー溶断・破砕技術検討会
レーザー共同研究所が進めるレーザー光を用いた福島燃料デブリ等の取出しシス
テムの研究開発は、関連分野が非常に多岐に亘ることから、レーザー、機械、原子
力、数値解析などを専門とする機構内外の方々より忌憚の無いご意見を伺いながら
進めることが有益であるとの判断より、「レーザー溶断・破砕技術検討会」を設置し、
第 1 回目の検討会を開催した。検討会では、レーザー共同研究所が進めるレーザー溶
断・破砕技術の研究開発に係わる成果および計画について議論した。
(1)開催日時:平成 25 年 8 月 21 日(水)13:10~17:00
平成 25 年 8 月 22 日(木)08:45~12:00
(2)開催場所:
(独)日本原子力研究開発機構
(3)資
料:1.参加者名簿
2.JAEA 成果報告書
3.その他
(4)議
事:
~
敦賀本部 アトムホール
【8 月 21 日(水)】
【敬称略】
(1) 検討会設置 趣意説明(10min):13:10-13:20
:村松
(2) 検討会委員 自己紹介(10min):13:20-13:30
(3) 原子力機構における燃料デブリ・炉内構造物取出しに係わる研究開発概要
:福井
(30min) : 13:30-14:00
(4) レーザーを用いた燃料デブリ・炉内構造物取出し技術に係わる研究開発計画
(30min) : 14:00-14:30
:村松
(5) 実験環境整備
(a) ファイバーレーザーシステム
(10min) : 14:30-14:40
:松永
(b) x-y-z 3 軸ロボットシステム
(10min) : 14:40-14:50
:武部
(c) 粒子画像流速測定 (PIV) システム
(10min) : 14:50-15:00
:羽成
(d) 3D レーザースキャナシステム
(10min) : 15:00-15:10
:山田
========= 休憩 (15:10-15:15) =========
(6) 形状認識-レーザー加工ヘッド制御 連携機能の評価
(30min) : 15:15-15:45
(7) デモンストレーション(実験室):不定形状対象物溶断・破砕
:アシストガス噴流 PIV 計測
(45min) : 15:45-16:35
(8) 総合討論Ⅰ
(25min) : 16:35-17:00
40
:武部
:武部
:羽成
【8 月 22 日(木)】
(9) 厚板金属に対するレーザー溶断性能の評価 (含、外乱印加予備試験)
(30min) : 08:45-09:15
:山田
(10) レーザー溶断時非接触温度計測性能の評価
(30min) : 09:15-09:45
:Long
(11) セラミックスに対するレーザー破砕性能の評価
(30min) : 09:45-10:15
:山田
(12) PIV システムによるアシストガス噴流特性の評価
(30min) : 10:15-10:45
:羽成
========= 休憩 (10:45-10:50) =========
(13) SPLICE コードによるレーザー溶断特性の評価
(30min) : 10:50-11:20
(14) H25 年度研究開発計画
(15min) : 11:20-11:35
(15) 総合討論Ⅱ
(25min) : 1135-1200
レーザー溶断・破砕技術検討会
41
:村松
:村松
3.4.3. 一般社団法人
日本溶接協会 溶断小委員会
見学会
一般社団法人 日本溶接協会 溶断小委員会の委員 24 名による第 2 回委員会が原子
力機構敦賀本部で開催され、この前後にレーザー共同研究所および原子炉廃止措置
研究開発センターの見学が行われた。
レーザー共同研究所では、福島燃料デブリ取出しに係わる溶断・破砕研究、アシ
ストガス PIV 計測研究、肉盛り溶接研究などについて紹介した。
1.日時:平成 25 年 11 月 12 日(火) 10:40~16:50
2.見学先:日本原子力研究開発機 敦賀本部 レーザー共同研究所
〒914-8585 福井県敦賀市木崎 65-20 TEL:0770-23-3021(代表)
原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん)
〒914-8510 福井県敦賀市明神町3 TEL:0770-26-1221(代表)
3.スケジュール
10:40
10:40~11:00
11:00~12:10
12:10~12:50
12:50~13:20
13:20~14:00
14:00~16:00
16:00~16:50
16:50
JR 敦賀駅集合
レーザー共同研究所へバス移動(15 分程)
レーザー共同研究所見学
レーザー共同研究所内にて昼食
レーザー共同研究所内にて通所委員会
原子炉廃止措置研究開発センターへバス移動(35 分程)
原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん)見学
JR 敦賀駅へバス移動(45 分程)
JR 敦賀駅到着解散
ファイバーレーザーによるデブリ溶断試験のデモをご見学
42
3.4.4. レーザー共同研究所御視察・御見学
原子力機構の監督官庁である文部科学省の方によるレーザー共同研究所の実験室
の視察及び、企業関係者・大学関係者の見学が行われた。福島事故対応の模擬燃料デ
ブリの破砕実験や、レーザー技術の保守保全分野での応用研究、極細の複合型光ファ
イバーを用いた低侵襲性医療機器の開発などの研究活動を紹介した。
(以下、肩書は御視察・御見学当時のものです。)
・ご視察日:平成 25 年 4 月 3 日(水)15:00~
(写真左2人目から)文部科学省 研究開発局 原子力課 核燃料サイクル室 核燃
料サイクル推進調整官 国井清人殿、経理第2係長 田村正嗣殿、敦賀原子力事務所
副所長 磯部貴英殿
・ご視察日:平成 25 年 4 月 25 日(木)10:00~
(写真右2人目から)文部科学省 文部科学審議官
所長 川口悦生殿
43
藤木完治殿、敦賀原子力事務所
・ご視察日:平成 25 年 9 月 13 日(金)10:10~
(写真中央から)文部科学省 研究開発局 原子力課 課長
(写真左1人目)敦賀原子力事務所 所長 山之内裕哉殿
増子宏殿、
・ご視察日:平成 25 年 9 月 19 日(木)14:30~
(写真左から)文部科学省 大臣官房会計課 副長 稲葉典俊殿、管理班
係 井野真美子殿、研究開発局 開発企画課 会計係専門職 横沢明殿
44
国有財産
・ご見学日:平成 25 年 3 月 11 日(月)13:00~
株式会社北川鉄工所 執行役員 開発本部 本部長 畑島敏勝殿、執行役員
理本部 経営企画室 室長 栗本和昌殿、経営企画室 室長 市田春治殿
経営管
・ご見学日:平成 25 年 7 月 9 日(火)15:00~
(写真左から)大阪大学 接合科学研究所 准教授 川人洋介殿、接合研究所 特任
研究員 吉田悟殿、福井県工業技術センター 機械・金属部 部長 強力真一殿
45
・ご見学日:平成 25 年 7 月 23 日(火) 13:00~
株式会社フジクラ 新規事業推進センター ファイバレーザ事業推進室
室長 細谷英行殿、新規事業推進センター ファイバレーザ事業推進室
副室長 姫野邦治殿、光電子技術研究所 光技術研究部 部長 島研介殿
46
・ご見学日:平成 25 年 9 月 13 日(金)14:30~
関西電力 美浜原子力PRセンター 館長 鷲田武吉殿、日本原子力発電株式会社
敦賀地区本部 業務・立地部 理解促進グループマネージャー 課長 中川幸一殿、
日本原子力発電 敦賀原子力館 館長 山岸明彦殿、
47
3.5.各種記事等
3.5.1. テレビ取材
○NHK 福井 2012 年 11 月 19 日(月)放送:レーザー共同研究所公開
○福井放送 2012 年 11 月 19 日(月)放送:レーザー共同研究所公開
○NHK 福井 2012 年 12 月 11 日(火)放送:レーザー共同研究所成果報告会
○日本テレビ 2013 年 2 月 21 日(木)放送:最新 廃炉技術
3.5.2. 日刊県民福井(平成 24 年 12 月 13 日(木))
平成 24 年 12 月 13 日(木)付 日刊県民福井
【平成 25 年 10 月 16 日 (株)日刊県民福井より許諾済】
日刊県民福井 2面
48
3.5.3. 産経新聞(平成 25 年 1 月 7 日(月))
平成 25 年 1 月 7 日(月)付 産経新聞
【平成 25 年 10 月 16 日 産経新聞社より許諾済】
49
3.5.4. 読売新聞(平成 25 年 1 月 7 日(月))
平成 25 年 1 月 7 日(月)付 読売新聞
【平成 25 年 10 月 17 日 読売新聞社より許諾済】
50
3.5.5. プレス発表文(平成 25 年 11 月 1 日(金))
51
52
53
54
55
56
3.5.6. 福井新聞(平成 25 年 11 月 2 日(土))
平成 25 年 11 月 2 日付(土) 福井新聞
【平成 25 年 11 月 8 日 福井新聞社より許諾済】
57
3.5.7. 日経産業新聞(平成 25 年 11 月 5 日(火))
平成 25 年 11 月 5 日(火)付 朝刊 9 面 日経産業新聞
【平成 25 年 11 月 6 日 日本経済新聞社より許諾済】
58
3.5.8. 化学工業日報(平成 25 年 11 月 6 日(水))
平成 25 年 11 月 6 日(水)付 朝刊 7 面 化学工業日報
【平成 25 年 11 月 7 日 株式会社 化学工業日報社より許諾済】
59
3.5.9. 日刊工業新聞(平成 25 年 11 月 7 日(木))
平成 25 年 11 月 7 日(木)付 朝刊 21 面 日刊工業新聞
【平成 25 年 11 月 7 日 株式会社日刊工業新聞社より許諾済】
3.5.10. 原子力産業新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 4 面 原子力産業新聞にて記事掲載された。
60
3.5.11. プレス発表文(平成 25 年 11 月 13 日(水))
現場公開説明用資料
平成 25 年 11 月 13 日
レーザー共同研究所の研究現場の公開 (概要)
レーザー共同研究所公開のポイント
・日本原子力研究開発機構(理事長 松浦祥次郎、以下、原子力機構)では、(公財) 若狭湾エネルギー研
究センター、㈱レーザックス、㈱スギノマシンと共同で、福島燃料デブリ取出し工法の一つとして実
際に採用されるのを目標に、高出力ファイバーレーザーを利用した溶断・破砕技術に関する共同研究
を行い以下の成果を得ました。
・不規則形状で且つ金属-セラミックス混合物質としての特徴を有すると予想される福島燃料デブリの
摸擬体を、レーザースキャナによる表面形状認識結果に基づくロボット制御とレーザー光の連続照射
/ パルス照射の連携動作により、的確に溶断・破砕できることを確認しました。また並行して炉内観
察法の開発も行っています。
原子力機構は、東京電力㈱福島第一原子力発電所 (以下、福島第一原子力発電所) の廃止措置に資す
るための研究を行っており、同機構敦賀本部レーザー共同研究所 (以下、レーザー共同研究所) では、
燃料デブリ(金属とセラミックスとの混合体)の取出しを含むこの廃止措置をより安全かつ効率的に行
えるよう、 (公財) 若狭湾エネルギー研究センター、㈱レーザックス、㈱スギノマシンと共同で、高出
力ファイバーレーザーを利用した溶断・破砕技術の研究開発を進めています。
この研究開発は、平成 20 年度から原子炉廃止措置研究開発センター (「ふげん」) において進めら
れてきた金属材料に対するレーザー連続照射による溶断研究からの様々な知見を取り込んだ上で、福島
第一原子力発電所の燃料デブリ取出し作業に必要な様々な機能、例えばセラミックス材料に対するレー
ザーパルス照射による破砕機能や燃料デブリ形状に応じてレーザー加工ヘッドを制御する機能などを
付加しようとするものです。
他方、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出し作業が水中で行われることを考慮し、燃料デブリの
配置や形状を確認することができるよう、光ファイバー技術を駆使した炉内観察技術の開発も併せて行
っています。
1. レーザー光を熱源とした燃料デブリの取出し技術の開発
レーザー切断は、直径 1mm 程度に集光したレーザー光を熱源とするため、局所加工性に優れ、発生
する二次廃棄物量が少なく、またファイバー伝送が可能であることから、遠隔操作性にも優れています。
更に、レーザー光照射条件 (連続照射 / パルス照射) の変更により、靭性の高い金属材料から、燃料
デブリのような靭性の低いセラミックス材料までを、溶断・破砕することができるといった特徴を持ち
ます。
福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しを行う場合には、不規則表面形状 (凹凸) を持つ金属材料
とセラミックス材料の混合物に対処する必要があります。このため、不規則表面形状をレーザースキャ
ナ (レーザー光を用いたスキャニング機能) により認識し、これに基づいてレーザー加工ヘッドを
x-y-z 3 軸ロボットにより制御するシステムを構築しました。更に、金属材料に対するレーザー連続照
射による溶断と、セラミックス材料に対するレーザーパルス照射による破砕の各動作を、ロボット制御
と連動させる機能も付加しました。
図 1 はこれら機能の性能確認を行った際の写真で、不規則表面形状を持つ炭素鋼の上面にセラミック
ス材料 (アルミナペレット) を接着した試験体に対し、レーザースキャナにより表面形状を認識した後、
レーザー光の連続 / パルス照射をロボット動作と連動させて溶断 / 破砕を行ったものです。この結果
から、不規則表面形状を持つ金属材料とセラミックス材料の混合物を的確に溶断 / 破砕でき、このシ
ステムは福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出し作業に適用可能な工法の一つになり得ることを確
認しました。
61
スキャニング用
レーザー光
レーザー加工ヘッド
破砕アルミナペレット
アルミナペレット
10 mm
25 mm
炭素鋼試験片
炭素鋼試験片
炭素鋼溶断溝
(a) 幾何形状レーザースキャニング
(b) レーザー溶断・破砕後の状況
図 1 不規則形状/金属-セラミックス混合試験体に対するレーザー溶断・破砕試験の一例
今後は、レーザー溶断 / 破砕特性に影響を与える各種の効果を定量化することにより、燃料デブリ
の様々な条件に応じて切断 / 破砕性能を常に適切な状態に維持することが可能となるよう、適応制御
システムとして取りまとめることとしています(図 2)。
Observation Variables
Adaptive Control
System
Laser Light
Laser Head
Ld
Lw
P
Assist Gas
T
VA
Dz
Lk
T
y
Laser Head
Sweep Direction
Dz
: Molten Metal Temperatur
: Unevenness Height
Control Variables
LF
Lw
VA
VL
P
..
x
: Kerf depth
: Kerf width
:
LF
Transducers
Reflection
z
Ld
Lk
q
: Focusing Distance
: Working Distance
: Assist Gas Flow Rate
: Laser Head Sweep Speed
: Laser Power
:
Heat Conduction Area
Molten Metal
図 2 レーザー溶断・破砕遠隔操作システムの一例 (垂直多関節アームロボットに搭載)
以上に並行して炉内観察用に放射線によるノイズの少ない映像を得ることが可能な防水スコープを
開発しています(図 3)
。
水中観測装置
超広角レンズ
映像ファイバ
CCD
カメラ
ダウン
コンバータ
縮小光学系
パソコン
防水スコープのシステム概略図
水中観察装置先端部分
図 3 高線量下での水中観察を可能とする防水スコープ
なお、レーザー共同研究所では、11 月 21~22 日の二日間に亘り、敦賀本部アトムプラザで第 4 回 レ
ーザー共同研究所成果報告会を開催し、企業、大学等との共同研究の成果を含め、計 26 テーマについ
てご報告することとしております(添付プログラム参照)。
以上
62
3.5.12. 産経新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 26 面 産経新聞
【平成 25 年 11 月 14 日 株式会社産経新聞社より許諾済】
63
3.5.13. 毎日新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 26 面 毎日新聞
【平成 25 年 11 月 18 日 毎日新聞社より許諾済】
64
3.5.14. 朝日新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 33 面 朝日新聞
【平成 25 年 11 月 18 日 朝新聞社より許諾済】
65
3.5.15. 読売新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 33 面 読売新聞
【平成 25 年 11 月 18 日 読売新聞社より許諾済】
66
3.5.16. 福井新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 2 面 福井新聞
【平成 25 年 11 月 16 日 福井新聞社より許諾済】
67
3.5.17. 日刊県民福井(平成 25 年 11 月 14 日(木)
)
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 2 面 日刊県民福井
【平成 25 年 11 月 19 日 (株)日刊県民福井より許諾済】
3.5.18. 電気新聞(平成 25 年 11 月 14 日(木))
平成 25 年 11 月 14 日(木)付 朝刊 2 面 電気新聞
68
にて記事掲載された。
3.5.19. 公益財団法人福井原子力センター 広報誌
あっとほうむ広報誌 No.184(2013 年 3 月発行)第 6 面から転載
【平成 25 年 10 月 10 日 福井原子力センターより許諾確認済】
69
3.5.20. 日本原子力研究開発機構 敦賀本部 広報誌
つるがの四季 No.99(2013 年 3 月発行)表紙・第 4~5 面より転載
【平成 25 年 10 月 1 日 広報課より許諾確認済】
70
71
72
4. 研究発表等リスト
平成 24 年度論文発表(平成 24 年 12 月以降分)
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
1
Development of Optical Fiber
Bragg Grating Sensors for
Strucutural Health Monitoring
Journal of Laser
Micro/Nanoengineering
2
Effects of ultra-intense laser
driven proton beam on the
hydriding property of palladium
Nuclear Instruments and
Methods in Physics
Research B
Vol. No.
8
1
307
pp.
発行
年月
110-114
2013年1月
218-220
2013年1月
代表者
報告者
島田幸洋 島田幸洋、西村昭彦
阿部浩之、織茂聡
岸本雅彦、青根茂雄
阿部浩之 内田裕久、大道博行
大島武
会議等における論文発表
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
Vol. No.
発行
年月
pp.
3
原子力機構敦賀本部レーザー
共同研究所の最近の活動
第13回光量子科学研究シ
ンポジウム論文集
131-134 2012年11月
4
X-ray emission from
relativistically moving electron
density cusps
AIP Conference
Proceedings 1465
159-166
2012年7月
代表者
土田昇
報告者
土田昇
神門正城
神門正城、中村龍史
林由紀雄、小瀧秀行
川瀬啓悟、桐山博光
大道博行、他
平成 25 年度論文発表
No.
1
2
3
4
5
6
タイトル
レーザー生成プラズマの新しい
温度、密度領域における物性と
シミュレーション
5.レーザー加工のシミュレー
ション
原子炉廃止措置における光・
レーザー技術の可能性
Demonstration of partially
transparent thick metallic
sodium in the vacuum
ultraviolet spectral range
Study on fiber laser cutting and
crushing applied to the removal
technology of fuel debris and
in-vessel structures
Visualization Technique for
Quantitative Evaluation in Laser
Welding Processes
発表先会議・
掲載資料名
Vol. No.
pp.
発行
年月
代表者
報告者
プラズマ・核融合学会誌
89
6
403-407
2013年6月
佐々木明 佐々木明、大道博行
プラズマ・核融合学会誌
89
7
500-506
2013年7月
山田知典
レーザー学会誌レーザー
研究
41
11
Optics Express
21
23
山田知典、山下晋
杉原健太、村松壽晴
2013年11月 大道博行 大道博行
2818228188
大道博行、鈴木庸氏
河内哲哉、中桐俊男
2013年11月 大道博行
福田武司、加来昌典
窪寺昌一
Journal of Nuclear
Science and Technology
山田知典、羽成敏秀
山田知典 武部俊彦、松永幸大
村松壽晴
In-situ Studies with
Photons, Neutrons and
Electrons Scattering.
山田知典、菖蒲敬久
山田知典 山下晋、西村昭彦
村松壽晴、小溝裕一
会議等における論文発表
No.
7
8
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
Vol. No.
International Conference
Evolving laser processing field on Laser Applications in
for nuclear engineering in JAEA Nuclear Engineering
(LANE'13)
Current Status and Future
Prospects of "J-KAREN" High The 12th Asia Pacific
Intensity Laser for Studying
Physics
Relativistic Laser-Matter
Conference(APPC12)
Interactions
73
pp.
発行
年月
代表者
2013年4月
西村昭彦
2013年7月
桐山博光、森道昭
岡田大、下村拓也
桐山博光
中井善基、田上学
他
報告者
西村昭彦、大道博行
杉山僚
平成 24 年度口頭発表(平成 24 年 12 月以降分)
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
早稲田大学高等研究所講演会
Numerical Methods for Science
and Engineering
診断しながら治療が可能な複合型光 レーザー学会学術講演会第33回
ファイバスコープ
年次大会
複合型光ファイバシステムを用いた狭 レーザー学会学術講演会第33回
隘部レーザープロセンシング技術開発 年次大会
レーザーを用いたプラント保守保全に 第53回けいはんな光・医療産業バ
向けた研究開発
レー研究会
Inspection and Laser Cladding
Technologies in Limited Tubular
SPIE Photonics West 2013 LASE
Space by A Composite-type Optical
Fiber System
一般財団法人光産業技術振興協
パワーレーザ応用の現状と将来展望 会「平成24年度多元技術融合プロ
セス研究会」
紫外線ナトリウム透過特性の測定と可
日本原子力学会2013年春の年会
視化装置への展望
レーザー切断技術の標準化に向けた
研究開発(6)厚板金属のレーザー切
日本原子力学会2013年春の年会
断における照射熱量に対する切断可
能板厚の評価
レーザー切断技術の標準化に向けた
研究開発(7)切断溝幅がアシストガス 日本原子力学会2013年春の年会
流入量に及ぼす影響の評価
レーザーを用いた厚板金属切断技術
の高度化に関する研究開発
発表
年月
代表者
2012年12月
杉原健太
2013年1月
岡潔
2013年1月
寺田隆哉
2013年2月
西村昭彦
2013年2月
寺田隆哉
寺田隆哉、伊東富由美
西村昭彦
2013年2月
大道博行
大道博行
2013年3月
大道博行
大道博行
2013年3月
杉原健太
杉原健太、羽成敏秀
村松壽晴
2013年3月
10
高速炉での実装を想定した光ファイバ
日本原子力学会2013年春の年会
センサシステムの高温耐性試験
2013年3月
11
レーザー誘起ブレイクダウン分光を用
日本原子力学会2013年春の年会
いた検査技術の開発
2013年3月
12
高速炉燃料集合体開発にかかわる溶
日本原子力学会2013年春の年会
接技術開発
2013年3月
13
Off-axis XUV harmonics from
2013年(平成25年)第60回応用物
relativistic laser - gas jet interaction 理学会春季学術講演会
2013年3月
報告者
杉原健太
岡潔、関健史、
赤津朋宏
寺田隆哉、伊東富由美
西村昭彦
西村昭彦、杉山僚
大道博行
羽成敏秀、杉原健太
村松壽晴、山下真範
榊原潤
島田幸洋、西村昭彦
鈴木宏和、石橋久義
島田幸洋
伊藤敬輔、伊藤主税
吉田昌宏
伊東富由美、西村昭彦
伊東富由美
寺田隆哉、島田幸洋
河野史郎、十亀求
河野史郎 山田知典、菖蒲敬久
小澤隆之、村松壽晴
Pirozhkov.A.S
神門正城、小倉浩一
Pirozhkov.A.
林由紀雄、小瀧秀行
S
桐山博光、下村拓也
大道博行、他
羽成敏秀
平成 25 年度口頭発表
No.
1
2
3
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
Thermohydraulic Characteristics of
Laser Cutting Processes for
Decommissioning(Invited)
International Conference on Laser
Applications in Nuclear
Engineering (LANE'13)
International Conference on Laser
Development of laser cladding device
Applications in Nuclear
in limited space for wall thinning
Engineering (LANE'13)
Heat resistant fiber Bragg grating
sensor by femtosecond laesr
International Conference on Laser
processing- Fine processing in
Applications in Nuclear
optical fiber and fabric
Engineering (LANE'13)
reinforcement-(Invited)
発表
年月
代表者
2013年4月
山田知典
山田知典
2013年4月
寺田隆哉
寺田隆哉、西村昭彦
2013年4月
西村昭彦
島田幸洋、西村昭彦
4
Transmission property of Sodium in
International Conference on Laser
the Vacuum Ultra-violet range and its Applications in Nuclear
applications
Engineering (LANE'13)
2013年4月
5
Off-axis high-order harmonics from Optics & Photonics International
relativistic laser - gas jet interaction Congress 2013 (OPIC2013)
2013年4月
74
報告者
大道博行、鈴木庸氏
河内哲哉、福田武司
大道博行
中桐俊男、加来昌典
窪寺昌一
Pirozhkov.A.S
神門正城、小倉浩一
Pirozhkov.A.
林由紀雄、小瀧秀行
S
桐山博光、下村拓也
大道博行、他
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
発表
年月
6
溶融池内流動場とひずみ分布の関連
第79回レーザー加工学会講演会
性評価
2013年5月
7
配管内壁検査・レーザー補修のための
第79回レーザー加工学会講演会
プローブシステムの高度化
2013年5月
8
レーザー溶接した異種材料内部ひず
み分布の熱処理効果
日本材料学会第62期通常総会・学
術講演会
2013年5月
9
High-order harmonic comb from
relativistic electron spikes(Invited)
CLEO2013 : Laser Science to
Photonic Applications
2013年6月
10
High-order harmonics from gastarget irradiated by relativisticinternsity laser
10th Conference on Laser and
Electro-optics Pacific Rim and
18th OptoElectronics Conference
and Photonics in Switching 2013
(CLEO-PR & OECC/PS 2013)
2013年6月
11
レーザー溶接による重合せ溶接材内
部ひずみ分布の熱処理効果
第47回X線材料強度に関するシン
ポジウム
12
On-axis and off-axis high order
harmonics generation by relativistic
laser in gas jet target
13
SPIE Optics and Photonics 2013
X-Ray lasers and Coherent XRay Sources: Development and
Applications X
Transmission imaging of sodium in
SPIE Optics and Photonics 2013
the vacuum ultra-violet spectral
X-Ray lasers and Coherent Xrange; New application for an intense Ray Sources: Development and
VUV Source
Applications X
2013年7月
2013年8月
2013年8月
代表者
報告者
山田知典、寺田隆哉
Zhang,S、菖蒲敬久
山田知典
西村昭彦、村松壽晴
小溝裕一
冨吉健太郎、伊東富由美
冨吉健太郎 寺田隆哉、岡潔
西村昭彦
菖蒲敬久、Zhang,S
城鮎美、山田知典
菖蒲敬久
村松壽晴、河野史明
小澤隆之
Pirozhkov.A.S
神門正城、小倉浩一
Pirozhkov.A.
林由紀雄、小瀧秀行
S
桐山博光、下村拓也
大道博行、他
神門正城
神門正城、小倉浩一
林由紀雄、小瀧秀行
桐山博光、大道博行 他
菖蒲敬久、Zhang,S
城鮎美、村松壽晴
菖蒲敬久
山田知典、河野史明
小澤隆之
Pirozhkov,A.S、神門正城
Pirozhkov,A. 小倉浩一、林由紀雄
S
小瀧秀行、桐山博光
下村拓也、田上学
大道博行、鈴木庸氏
河内哲哉、福田武司
大道博行
中桐俊男、加来昌典
窪寺昌一、Pirozhkov,A.S
菖蒲敬久、Zhang,S
城鮎美、山田知典
菖蒲敬久
村松壽晴、河野史明
小澤隆之
大道博行、鈴木庸司
河内哲哉、福田武司
大道博行
中桐俊男、加来昌典
窪寺昌一
村松壽晴、山田知典
村松壽晴 羽成敏秀、武部俊彦
松永幸大、グェンフィロン
14
ANNEAL EFFECT OF INTERNAL
STRAIN IN DISSIMILAR MATERIALS MECA SENS 2013
BY LASER WELDING
2013年9月
15
紫外線のナトリウム透過イメージング
日本原子力学会2013年秋の大会
2013年9月
日本原子力学会2013年秋の大会
2013年9月
日本原子力学会2013年秋の大会
2013年9月
羽成敏秀
羽成敏秀、松永幸大
武部俊彦、山田知典
村松壽晴
日本原子力学会2013年秋の大会
2013年9月
松永幸大
松永幸大、羽成敏秀
山田知典、村松壽晴
日本原子力学会2013年秋の大会
2013年9月
武部俊彦
武部俊彦、松永幸大
羽成敏秀、山田知典
村松壽晴
日本原子力学会2013年秋の大会
2013年9月
山田知典
山田知典、武部俊彦
松永幸大、グェンフィロン
村松壽晴
16
17
18
19
20
レーザー光を用いた福島燃料デブリ取
出し技術に関する研究開発(1)研究開
発計画の概要
レーザー光を用いた福島燃料デブリ取
出し技術に関する研究開発(2)レー
ザー光連続照射による金属溶断特性
及びアシストガス噴流特性
レーザー光を用いた福島燃料デブリ取
出し技術に関する研究開発(3)レー
ザー光パルス照射によるセラミックス
破砕特性
レーザー光を用いた福島燃料デブリ取
出し技術に関する研究開発(4)x-y-z 3
軸ロボットによる溶断・破砕に係わる基
礎特性
レーザー光を用いた福島燃料デブリ取
出し技術に関する研究開発(5)レー
ザースキャナを用いた溶断・破砕対象
物の幾何形状認識特性
75
No.
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
発表
年月
代表者
報告者
21
1インチ配管内おけるレーザー肉盛り溶
接とその場観察技術開発
日本原子力学会2013年秋の大会
2013年9月
寺田隆哉
22
遠隔観察・分光技術を用いた炉内検査
技術の開発(その2)1:水中での探査と 日本原子力学会2013年秋の大会
レーザ分光分析
2013年9月
伊東富由美
23
Influence of kerf widths to an assist
gas flow in laser cutting
2013年9月
羽成敏秀
羽成敏秀、村松壽晴
山下真範、榊原潤
24
原子力分野における光・レーザ技術の
第37回レーザー協会セミナー
適用可能性
2013年10月
大道博行
大道博行
発行
年月
代表者
2013年8月
村松壽晴
4th International Conference on
Jets, Wakes and Separated Flows
寺田隆哉、伊東富由美
西村昭彦
伊東富由美、冨吉健太郎
西村昭彦、伊藤主税
山下卓哉、大道博行
杉山僚
研究開発報告書
No.
1
タイトル
発表先会議・
掲載資料名
レーザー光を用いた燃料デブリ・炉内
報告書番号:JAEA構造物取出しに向けた研究1:研究計
Research2013-024
画及び平成24年度研究成果
76
報告者
村松壽晴、山田知典
羽成敏秀、武部俊彦
松永幸大
平成 25 年度共同研究リスト
担当
会社名
タイトル
概要
(株)豊田中央
研究所
レーザー加工による繊細構
造の多面的活用
昨年までのレーザー照射実験をベースにして照射
部に生じる特異性の評価を実施中である。今年度
は、この評価結果をもとに最適条件でのレーザー
加工試験を行う。
西村
明彦
熱交換器伝熱管内壁へのレ
ーザー肉盛り補修技術開発
原子力機構の新型プローブ技術をベースとして、
エチレンプラントを含めた汎用な熱交換器伝熱管
内壁に対して、腐食減肉部分のレーザー肉盛り溶
接が可能なレーザー加工ヘッドを開発し、模擬補
修を実施する。
西村
明彦
(株)熊谷組
光ファイバセンサ実装にお
ける可能性調査研究
配管への実装を目的として、H24 年度に共同開発し
た光ファイバセンサをベースとした予熱ヒータ及
び接着シートと FBG センサとの複合化試作品の性
能試験を実施し、配管への実装化における改良点
の抽出を行う。
西村
明彦
4
福井県立病院
小腸内及び膵臓内観察・治
療システムの開発
複合型光ファイバを用いることで、小腸内及び膵
臓内を観察しながら、同時に病変部分をレーザー
光で治療しようとする低侵襲治療法に関するシス
テム開発を目的とする。
岡
潔
5
ヨシダ工業
(株)、福井大
学、福井県工業
技術センター
レーザーによる無遮断血管
バイパス手術用チタン製吻
合補助クリップの研究開発
吻合クリップを構成する部品を個別加工して、レ
ーザー接合による一体化をすることで、狭力の安
定性を見極めることを目的とする。
小 久
保
拓也
6
(株)松浦機械
製作所、プラズ
マ技研工業
(株)
ファイバレーザーによる機
械加工技術の高度化研究
レーザー照射条件(出力、送り速度、エネルギー
密度など)の最適化、微細金属粉の溶融・凝固過
程の現象論的解釈の高度化などを通じ、ファイバ
ーレーザーによる機械加工技術の高度化を図る。
村松
壽晴
7
(公財)若狭湾
エネルギー研
究センター、
(株)レーザッ
クス
原子炉構造物を対象とした
レーザー切断技術の確立に
向けた研究
レーザー照射条件(出力、ビーム径、送り速度、
スタンドオフなど)
、アシストガス噴流条件(流速、
温度、圧力など)などをパラメータとした高精度
村松
実験および数値解析によるそれらの最適化、構造
壽晴
物切断過程の現象論的把握などを通じ、ファイバ
ーレーザーによる原子炉構造物切断時のドロス抑
制・制御に係わる技術の高度化を図ることとする。
8
新日鐵住金
(株)
レーザー切断時溶融金属流
動挙動の現象論的把握に係
わる研究
レーザー切断時の溶融金属流動現象の可視化実
験、溶融金属流動現象の物理モデリングなどを通
じ、レーザー切断条件最適化ツールとして期待さ
れる数値解析技術の高度化を図る。
福井大学、兵庫
県立大学
溶融・凝固を伴う液体金属
流のための乱流モデリング
に関する研究
大阪大学
放射光を用いた溶接金属凝
固過程の in-situ 観察(レ
ーザー溶接補修技術の標準
化に向けた研究開発)
1
2
3
9
10
三井化学(株)
溶融・凝固流動場に対する乱流モデルの構築、乱
流モデル検証のための乱流計測実験、乱流モデル
の液体金属流への拡張などを通じ、溶融・凝固を
伴う固液二相流挙動に対する乱流モデルの高度化
を図る。
溶接現象の定量評価により、溶接技術の信頼性向
上及び溶接構造物の長寿命化を目的としており、
これに向けた共通・補完的な技術的基礎課題を解
決するための共同研究を実施する。
77
村松
壽晴
村松
壽晴
山田
知典
レーザー除染試験に関する
研究開発
原子炉廃止措置研究開発センターの放射線管理区
域内において、放射能に汚染された実機材を用い
てレーザー除染の実地試験を実施し、除染計数、
除染速度、2 次汚染率、2 次廃棄物発生量などのデ
ータ採取する。この実地試験データをもとにレー
ザー除染の実用化を目指した実機装置の設計及び
企業化への障害条件を整理して解決策の検討を行
う。
鈴木
庸氏
学校法人 順
天堂 社会福
祉法人 仁生
社 江戸川病
院
複合型光ファイバによる下
肢静脈瘤用レーザー治療器
に関する研究開発
原子力機構が極細径の複合型光ファイバスコープ
を用いたレーザー照射器のシステム開発を、順天
堂大学及び江戸川病院が下肢静脈瘤のレーザー治
療の手法及び手技の研究を担当することにより、
下肢にある様々な静脈瘤に対して、特定の波長と
周波数のレーザー光を用いることで、より安全な
QOL 効果の高いレーザー治療法を目指した治療シ
ステムの構築に関する研究を共同で行う。
岡
潔
13
(株)NESI
計算科学シミュレーション
コードのユーザビリティ向
上に係わる研究
複雑物理現象を取扱う計算科学シミュレーション
コードのユーザビリティ向上を目指し、必要とな
る機能、仕様などを実際の数値シミュレーション
を通じて明らかにする。
村松
壽晴
14
金沢大学
アークプラズマレーザーハ
イブリッド切断システムの
構築に向けた研究
切断時における切断対象物の空間温度分布などを
定量化し、アークプラズマ-レーザーハイブリッド
切断システムの実現に向けた研究を展開する。
村松
壽晴
15
(株)スギノマ
シン、(株)レー
ザックス
レーザー切断遠隔操作技術
の原子炉解体適用に向けた
研究
レーザー技術の適用範囲拡大を目指し、これに向
けた共通・補完的な技術的基礎課題を解決するた
めの共同研究を実施する。
村松
壽晴
高出力レーザーを用いた材
料加工技術等の高度化に関
する研究
高出力レーザーを用いたレーザー照射条件(出力、
ビーム径、送り速度、スタンドオフなど)アシス
トガス噴流条件(流速、温度、圧力など)などを
村松
パラメータとした高精度実験及び数値解析による
壽晴
それらの最適化、構造物切断過程の現象論的把握
などを通じ、ファイバーレーザーによる材料加工
技術の高度化を図る。
筑波大学
ロックオン式レーザー照射
技術の研究開発
原子力機構が所有する複合型光ファイバ技術と、
筑波大学附属病院脳神経外科が所有するレーザー
治療の知見を相互に活用し、頭蓋内という狭隘部
における脳神経外科低侵襲レーザー治療器のシス
テム構築を行うことを目的とする。
岡
潔
奈良県立医科
大学
子宮用低侵襲レーザー内視
鏡システムに関する研究開
発
これまで開発した複合型光ファイバ技術を基に、
臓器内部を観察しながら同時に病変部分をレーザ
ー光で治療するための「子宮用低侵襲レーザー内
視鏡システム」への応用につなげる技術開発を行
うことを目的とする。
岡
潔
(株)クラレ
高分子材料による複合型光
ファイバスコープの研究開
発
これまでの知見を基に、可墝性のよいプラスティ
ック系材料適用の検討とともに、複合型光ファイ
バの性能向上、応用範囲の拡大を目指した技術の
開発を目的とする。
岡
潔
11
12
16
17
18
19
(公財)若狭湾
エネルギー研
究センター
(公財)若狭湾
エネルギー研
究センター
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藤田保健衛生
大学、川崎医科
大学、秋田大学
極細径複合型光ファイバに
よる小腸内観察・治療・計
測システムの開発
さらなる応用領域の拡大をめざし、長尺・柔軟・
簡易着脱可能な極細径複合型光ファイバ及びカッ
プリング装置を利用した小腸内観察・治療・計測
システムを開発するとともに、膵臓などの消化器
官用の観察及び治療システムへの適応性を検証す
ることを目的とする。
21
(株)住田光学
ガラス
複合型光ファイバスコープ
用小型レンズ及びファイバ
素材への研究開発
高出力レーザー光を透過可能で、かつ、映像の集
光が可能な小型レンズの設計検討を実施すると共
に、近赤外線及び遠赤外線(2~10μm)の波長を
伝送可能なファイバ素材を用いた新型の複合型光
ファイバスコープを試作することを目的とする。
岡
潔
22
日本医科大学、
東京医科大学、 末梢部肺癌への光線力学的
国 立 が ん 研 究 治療器に関する研究開発
センター
膵臓内部の観察と同時に病変部分のレーザー照射
による治療に応用するための技術開発を行う。
岡
潔
23
(株)関電工
電気設備に関する耐放射線
材料の研究開発
放射線環境下で使用可能な①照明装置、②遮蔽財
に関する研究を共同で行うことで、福島支援の一
助となることを目的とする。
岡
潔
20
岡
潔
平成 25 年度委託研究リスト
1
明治大学
レーザー加工時のアシスト
ガス噴流と溶融金属界面上
に生じるせん断応力に関す
る研究
レーザー切断の性能向上および制御に向け、アシ
ストガス噴流と溶融金属模擬体の相互作用がそ
の界面形状に及ぼす影響について、界面上に生じ
るせん断応力と関連付けて定量評価を行う。
79
羽成
敏秀
5. 実験室整備状況
アトムプラザにおいて新実験室を開設してから4年が経過した。原子力機構内の設
備を主として移設することにより設備の拡充を図ってきた。移設に協力していただい
た関係者、とりわけ原子力機構関西光科学研究所の関係者にはここに記して謝意を表
する次第である。また、
(公財)若狭湾エネルギー研究センター、
(株)レーザックス、
(独)原子力機構の3社の共同研究体制のもと、原子炉廃止措置技術等への貢献を目
指したレーザーによるプラント構造物の水中切断試験を実施するエリアの整備も完
了している。この施設も合わせて御見学、試験的にご利用、さらに共同研究などに幅
広くご利用いただけることを願っている。
Ⅰ.伝熱管検査補修装置
Ⅱ.フェムト秒レーザーシステム
Ⅲ.QスィッチNd:YAGレーザー装置
Ⅳ.胎児外科治療装置
Ⅴ.膵臓内観察装置
Ⅵ.軟X線・紫外線分光・顕微鏡試験装置
Ⅶ.粒子画像流速測定(PIV)装置
Ⅷ.6kW+4kWファイバーレーザー溶接・切断汎用実験室
80
Ⅰ.伝熱管検査補修装置
レーザー加工機は機械製作の分野で幅広く使われていますが、ここにご紹介する伝
熱管検査補修装置は、全く新しい利用法を開拓するものである。即ち、伝熱管に挿入
し、内部を観察しながらレーザー溶接で損傷箇所を補修する装置である。レーザーの
発振モードの選択によって、配管減肉に対する肉盛り溶接や配管内壁からの突合せ溶
接が可能となる。
用途
金属その他配管の溶接補修、突合せ溶接
構成
・ファイバーレーザー
1)YLR-300-AC:波長 1,070nm、CW、出力 300W
2)YLR-150/1500-QCW:波長 1,070nm、パルス/CW、パルス幅 0.2-50ms
出力 150W/250W(CW)
・カップリング装置:1kW まで導光可能、CCD カメラによる観察
・複合型光ファイバ:(コアファイバ)Φ0.2mm
(画像伝送ファイバ)約 20,000 本
・レーザートーチ:Φ15mm、長さ 120mm、ガスの噴射が可能
・ワイヤ送給装置:Φ0.4mm ワイヤ使用、送給速度 0.5-20mm/s
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Ⅱ.フェムト秒レーザーシステム
超短パルスレーザーは理科学分野での利用が主であるが、近年、シリコンウエハや
サファイア基盤のダイシングを目的とした専用レーザー加工機が市販されている。し
かし、その産業分野は未だ開拓途上である。当研究所では、1TWフェムト秒レーザ
ーシステムを利用して、電界蒸発の促進や機械加工層蒸発除去などの原子力分野での
応用をベースにして、光ファイバコア内の回折格子製作などの透明媒質内部加工技術
を高めている。
用途
光ファイバーへのFBG加工、材料表面への微細加工等
構成
・波長:800nm
・パルス幅:50fs
・出力:50mJ
・繰返し数:10Hz
上記仕様に加え下記が付加された。
・パルス幅:50fs
・出力:約 1mJ
・繰返し数:1kHz で発生
82
Ⅲ.QスィッチNd:YAGレーザー装置
QスィッチNd:YAGレーザーは、パルスレーザー加工機として幅広く使われて
いる。基本波(1,064nm)と第2高調波(532nm)の両波長を出力させることができる。
精密穴あけ加工の他、水中で金属表面に集光することで圧力波を発生させることが
でき、応力腐食割れの防止効果のあるレーザーピーニングと呼ぶ表面改質技術に利用
できる。また、色素レーザーや非線形結晶を更に追加することで、様々な波長を発生
させることができる。
用途
精密加工、表面改質加工に使用可能
構成
・波長:(基本波)1,064nm、(第2高調波)532nm
・パルス幅:約 5nsec
・出力:(1,064nm)700mJ、(532nm)300mJ
・繰返し数:10Hz
83
Ⅳ.胎児外科治療装置
止血を必要とする血管(双胎間輸血症候群の場合など)に対して、非接触で内視鏡
的レーザー照射を行い、同時にレーザードップラー血流計測による止血の定量的評価
が可能である。
装置開発後、動物実験をへて臨床段階への準備を進めている。
イレウスチューブ
複合型光ファイバー
腸閉塞治療用チューブとファ
イバスコープの組み合わせ
用途
複合型光ファイバー装置により、画像を見ながらレーザーの照射が可能。
機能
・患部の血流計測機能
・患部とファイバー端面の距離計測機能
・一定照射出力の制御
・画像拡張の機能
84
Ⅴ.膵臓内観察装置
膵臓などのX線レントゲンでは診断が困難な臓器に対して、低侵襲で観察を行い患
者の確定診断に使用することが可能である。
極細径のファイバースコープを使用しているため、膵臓の膵管入口の乳頭部を傷つ
けることなく診断することができる。
用途
膵臓内部に低侵襲で挿入可。観察のみ。
機能
・無停電電源装置搭載
・ファイバー外径 0.8mm
・カテーテル(9Fr)に挿入可能
・膵管内に挿入可能
85
Ⅵ.軟X線・紫外光分光・顕微鏡試験装置
この装置を用いると軟X線の使用波長が炭素の吸収端(284eV,4.4nm)と酸素の吸
収端(543eV,2.3nm)の間(水の窓波長と呼ばれる)にあると水の吸収の効果が小さ
く、生きたままの生物試料の像を高いコントラストで得る事が出来る。また、真空紫
外域での分光器や軟X線領域での分光器も取り付けられているので、これらの波長域
での吸収特性の測定にも使用することができる。最近、真空紫外線による厚さ 8mm の
ナトリウムの透視に成功した。
主真空容器
厚さ 8mm のナトリウム透過画像
仕様
・使用波長:20nm、4nm
・光学系:シュバルトシルト
・焦点への保持:レーザー
・XY 方向への分解能:100nm
・観察領域:1mm×1mm
・Z 方向への分解能:30nm
・撮像範囲:40×40μm~200×200μm
・撮影時間:30μs/フレーム
構成
・主真空容器:内径 560mm
・真空紫外線分光器:波長 100nm~300nm
・軟 X 線分光器:波長 0.5nm~5nm、5nm~30nm
86
Ⅶ.粒子画像流速測定(PIV:Particle Image Velocimetry)装置
粒子画像流速測定(PIV)装置は流れ場にトレーサ粒子を注入し、粒子の運動が局所
的な流体運動と同一であると仮定して、流体速度場を計測するシステムである。同シ
ステムは光源としてレーザー発振器を 2 台備えたダブルパルス Nd:YAG レーザーを用
いて、非常に短い時間間隔で流れ場を照らすことで粒子の動きを捉えることができ、
高速な流れの計測も可能となる。現在、PIV システムを利用して、レーザー切断時に
溶融金属を排出するアシストガス噴流の流動特性を定量的に調べている。
PIV により得られたアシストガス
噴流の速度分布
用途
流れの可視化、流体の速度計測
仕様
・波長 : 532nm
・パルス幅 : 7ns
・出力 : 50mJ/pulse
・繰り返し数 : 20Hz
87
Ⅷ.6kW+4kWファイバーレーザー溶接・切断汎用実験室
本研究エリアは、(公財)若狭湾エネルギー研究センターとの共同研究の取組の下で、
レーザー装置等を共同利用している。
レーザー切断は切断速度が速く、切断幅が狭いことから、工期の短縮化が望めると
ともに二次廃棄物発生量が少ないため、原子力施設の解体作業へ適用する有力な工法
の一つである。原子炉施設の水中厚板切断現象解明を目指し、アシストガス噴流の高
精度実験や気中・水中切断実験装置を設置する。切断だけでなくレーザー溶接試験も
可能であり、高出力によるキーホール溶接での熱影響部が狭く、深溶込みが得られる
特徴を活かした異材溶接試験を行っている。
水中切断装置
水中切断試験
原子炉施設の解体では放射能
レベルが比較的高い領域もあり,
放射性粉塵による被ばく低減を考
慮して水中解体を想定している.
厚板部材の水中切断試験
光学ヘッド
30 mm
ステンレス鋼
水槽
水深
3 m
・水中厚板切断条件の調査
粉塵データ取得試験
・粉塵気中移行量の水深の影響
(最大水深3mの水槽)
気中切断試験装置
福島第一原子力発電所の廃止
措置作業では,燃料と炉内構造
物とが溶融混合凝固した燃料デ
ブリを取出す必要がある.ファイ
バーレーザーをx-y-z 3軸ロボット
システムや3Dレーザースキャナ
などと組合せて使用することで,
廃止措置作業で要求される仕様
の明確化を行う.
レーザー管理区域
(クラス4)
溶接試験装置
原子炉施設の溶接では溶接箇所・部位
に合わせた加工性,溶接部の高信頼性,
構造物としての長寿命化が必要となる.
同材・異材溶接試験
・溶接箇所に応じた適正溶接条件の導出
・溶接部の機械特性評価
▲入口
3Dレーザースキャナ
レーザー設置エリア
溶接試験
溶接用ジグ
6kW + 4kW (=10kW)ファイバーレーザーシステム.
2分岐ビームスイッチより,気中・水中試験の切替が可能.
0.8 m
6kW-4kWファイバーレーザーシステム
1.4 m
x-y-z 3軸
2分岐
レーザー発振器
ロボットシステム ビームスイッチ
1.1 m
88
チラー
1.5 m
70 mm
レーザー溶接装置
(独)日本原子力研究開発機構
敦賀本部 レーザー共同研究所
〒914-8585
福井県敦賀市木崎65-20 電話 (0770)23-3021(代表)
ホームページ: http://www.jaea.go.jp/04/turuga/index.html
2013.11.21作成
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