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Title 後腹膜線維化症の診断におけるCTscanの意義 Author(s)
Title Author(s) Citation Issue Date URL 後腹膜線維化症の診断におけるCTscanの意義 荒井, 陽一; 谷口, 隆信; 郭, 俊逸 泌尿器科紀要 (1985), 31(9): 1609-1617 1985-09 http://hdl.handle.net/2433/118602 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 1609 泌 尿 紀 要31巻9号' 1985年9月. 後腹膜線 維化症 の診 断 にお け るCTscanの 意義 公立豊岡病院泌尿器科 荒 井 陽 一 谷 口 隆 信 俊 逸 郭 COMPUTERIZED AND TOMOGRAPHY FOLLOW-UP IN THE DIAGNOSIS OF RETROPERITONEAL FIBROSIS Yoichi ARAI, Takanobu TANIGUCHI and Shunitsu KAKU From the Departmentof Urology, ToyookaGeneralHospital, ToyookaHyogo Prefecture We report toneal the mass 4 patients fibrosis was with diagnosed computerized tomogram, enveloping the vessels revealed spontaneous is one of the most follow-up of this disease. words correctly : Retroperitoneal proved and useful methods fibrosis, in the the follow-up retroperitoneal computerized space. evaluation Retroperi- tomography. a characteristic in the preoperative Computerized fibrosis. by computerized demonstrated In 2 patients, the mass retroperitoneal patients fibrosis ureters. of idiopathic in 3 of the retroperitoneal resolution mography Key surgically On soft tissue tomogram Computerized and to- postoperative tomography BuN54mg/dl,cri3.omg/dl,LDH376mu/ 緒 言 m1,Al-PI20mU/ml,血 後腹 膜 線 維 化 症 の レ線 学 的診 断 は,従 来 よ り,排 泄 性腎 孟造 影 法(IVP),逆 行 性 腎 孟造 影 法(RP)が 中 沈1時 間値38mm. 腎 エ コ ーに て 両 側 水 腎 症 を 認 め た た め,RPを 行 した と ころLsレ 施 ベ ルを 中 心に 両側 尿管 の狭 窄 お 心 で あ り,リ ンパ 管造 影 法,血 管 造 影 法 な どが補 助 的 よび 内 側 偏 位 の所 見 が得 られ た.た だ ちに 両 側 尿 管 に 手段 と して用 い られ て きたt)。近 年,CTscanは Dauble-Jカ 後腹 膜 臓 器 の イ メ ー ジ診 断 と して繁 用 され る よ うに な った が,本 症 に 対 し て も きわ め て有 用 な手 段 で あ る との 報 テ ーテ ル を留 置 して 全 身状 態 はす み や か に 改 善 され た. enhancedCTscanで は,尿 管 の 狭 窄部 位 に 一 致 告 もみ られ る よ うに な った2-・4).われ わ れ は最 近,特 して椎 体 前方 に 大血 管 を取 り囲 む よ うな斑 状 の軟 組 織 発 性 後腹 膜 線 維 化 症 の4例 を 経 験 し,興 味 あ るCT 陰 影 が 認 め られ た(Fig.1). 胃 ・注 腸 透 視 に異 常 な く,他 に 悪 性 腫瘍 を 思わ せ る 所 見 を得 た の で報 告す る.ま た,そ の うち2例 にCT 上,後 腹 膜 線維 化症 の 自然 消 失 が み られ た の で こ の点 所 見 もな い こ と よ り,後 腹 膜 線 維 化 症 の診 断 の下 に, に つ い て も文 献 的考 察 を加 え て報 告 す る. 翌 年1月20日 両 側 尿 管 剥離 術 と尿 管 の外 側 固定 を お こ な った.尿 管 と大血 管 は硬 い線 維 性 の組 織 塊 内に 埋 没 症 症例1:69歳,男 1982年12月23日,無 例 した 様 相 を 呈 して い た.こ の組 織 塊 は 病 理 学 的に は結 合 織 の増 生 に リンパ球 の 浸 潤 がみ られ る非 特異 性 慢 性 性 尿 と全 身 浮 腫 を 主 訴 と して来 院 し緊急 入 院 とな った.既 往 歴 は肺 結 核 のみ で,最 近長 期 内服 した 薬 は な い.血 Xpに 圧140/100mmHg.胸 て心 肥 大 を 認 め る.血 部 液 生 化 学 異 常 値 は, 炎 症 の所 見 で,後 腹 膜 線 維 化 症 と診 断 され た. 術 後 のIVPは scanで は,術 化症 の 陰影)は 正 常 とな り,約1年9ヵ 月後 のCT 前み られ た椎 体 前 方 の異 常 陰 影(線 維 自然 消 失 して い た(Fig2).な お, 1610 泌 尿 紀 要31巻9号1985年 4甲7r=↑} 瑠㌧ ℃ ・も,鴫 魯 .♪ ○ 想 ・ \曜 1 Fig.L anterlor Case1.CTscanatL5revealssofttissuemass toaortaandvcnacava. P-11迂 望1・ 捌 '、 :}き ト111 ← 卜:㌻ 轡 ? 彰. ¥ Fl 州γ 一 一 丁 一一m 勤 Fig.2. Case1,Noevidenceofthemassintheretroperitoneal space21monthslater. 後腹 膜線 維 化 症 そ の ものに 対 して ス テ ロイ ド療 法 な ど 因 が判 明 し な いた め 同 年8月12日 の特 別 な治 療 はお こな って い な い. っ た.右 骨 盤 腔 内に は 硬 い 線維 性 の組 織 塊 が あ り可 動 症 例2:69歳,女 1983年7月16日,右 性 試験 開腹 術 を お こな 性 は な く,右 尿 管 は この 中 に 埋 没 して い た.術 中迅 速 背 部痛 を主 訴 と して来 院.IVP 標 本 で は悪 性 所 見 を 認 め な か った.尿 管 の 剥離 は困 難 に て右 無 機 能 腎 を指 摘 され 入 院 した.既 往 歴 は虫 垂 切 で あ った ため 途 中 で切 断 し,膀 胱 の右psoashithと 除 術,高 尿 管 膀 胱 新 吻 合術 を お こ な った. い,血 血 圧 症 で 降圧 剤以 外 に 長 期 内服 した 薬 は な 圧120/76mmHg.胸 1時 間 値54mmと 部xp異 常 な し.血 沈 充 進 す る もそ の 他血 液 生 化 学 に 異 常 を認 め ない. 右RPで は尿 管 下 部に5cmに め られ た(Fig.3),enhanccdCTscanで 病 理 組 織 学 的に は,線 維 性 結 合 織 の び まん性 増 生 に リンパ球 浸 潤 がみ られ る所 見 で,後 腹 膜 線維 化症 と診 断 され た. わ た り 狭窄 像 が 誌 は右骨盤 術 後IVPは 正 常 とな り,約1年 後 のCTscanで は,症 例1と 同様 に,術 前 に み られ た 右 骨盤 腔 内 の腫 腔 内に 周 囲 と や や 境 界不 鮮 明 な 腫 瘤 陰影 が み られ た 瘤 陰 影 は 自然 消 失 して い た(Fig.5).こ (Fig.4). い て も術 後 ス テ ロイ ド療 法 な ど の特 別 な 治療 は お こな 胃 ・注 腸 透 視,腹 部血 管 造 影 に 異 常 な く,腫 瘤 の原 っ てい な い. の症 例 に お 1611 荒 井 ・ほ か:後 腹 膜 線 維 化 症 ・CTscan 症 例3:64歳,男 1983年3月1日,左 生化 学 に て異 常 値 を 認 め な い. 性 IVPに 背 部 痛 と左下 肢 の浮 腫 を主 訴 と て左 腎 に 中 等 度 の水 腎症 が あ り,右 尿 管 の して来 院.当 院 血 管外 科 に て 左下 肢 血 栓 性 静 脈 炎 と し 内側 へ の偏 位 像 もみ られ た.左RPで て治療 を受 け た が,左 背 部痛 が増 強 す るた め 当科 へ 紹 管 の 狭 窄 が認 め られ た(Fig.6).enhanccdCTscan 介 され た.既 往 歴 と して2年 前 胃潰 瘍 に て 内服 治 療 を では,仙 骨 前 面 に,石 灰 化 を と もな い造 影 剤に 比 較 的 受 けた 以外 は,長 期 間 内服 した 薬 は な い. よ く濃 染 す る 軟 組織 陰影 が み られ た(Fig.7), 血 圧150/80mmHg.胸 部Xpに る.血 沈1時 間 値50mmと て心 肥 大 を 認 め 胃 ・注 腸透 視 に 異 常 な く,他 に悪 性 腫 瘍 を思 わ せ る 充 進す る も,そ の他 血 液 所 見 もな い こ と よ り,後 腹 膜 線 維 化 症 の診 断 の下,同 年4月28日 鐵撫 論 獺 ノ 埋 没 して お り,症 例1と 類 似 した術 中所 見 であ った. この 硬 い 組 織 も,病 理 学 的 に は,リ の 影 、 レ 響 両側 尿管 剥 離 術 お よび 尿 管 の外 側 固 定 を お こな った.尿 管 と腸 骨 動 脈 は 硬 い線 維 性 の組 織 塊 内 に 籔 霧懲 野 。耀 ・. 擁' 後 腹 膜 線 維 化 症 と診 断 され た. 術 後 のIVPで ド騒鐵1欝 諏 轟 轍露 は左 腎 に 軽 度 の 水 腎症 が 残 った が 自 覚 症 状 は 消 失 した,約1年 半 後 のCTscanで は, 仙 骨 前 面 の線 維 化症 陰 影 は 術 前 よ りや や 縮 少 す る もま だ残 存 して い るの が認 め られ る(Fig・8). 症 例4:66歳,男 1982年7月9日 性 左背 部 痛 を 主 訴 と して来 院,DIVP に て両 側 水 腎症 を指 摘 され 入 院 とな った.既 往 歴 に 淋 菌 性 尿 道 炎 に よる 尿道 狭窄 が あ る が,長 期 間 内服 した 薬 は と くに な い.血 圧172/112mmHg.胸 異 常 を認 め な い.血 部Xpに 液 生 化 学 の異 常値 は,BUN54 mg/dl,cr5.8mg/d1,K5.3mEq/l,LDH252 mU/m[.血 "磁 沈1時 間値53mm. 「 , 両 側RPに て,仙 骨 部に 一 致 し て 両 側 尿管 の狭 窄 像 を認 め る(Fig.9,10).enhancedCTscanで Fig.3.Casc2.Rightretrogradepyclogram showsdilatationofproximalureter withsegmentalstenosisatS3toS4. は, 仙 骨 前 面に 斑 状 の軟 組 織 陰影 がみ られ,腸 腰 筋 よ りも よ く濃i染され て い る(Fig.11). 幾 だ 蝋 霜嵐 ・ 、㍉ 、 ザ ー》 R Fig.4. ンパ球 の浸 潤 を と もな う結 合 織 の増 生 が み られ るの み で悪 性 像 は な く, 1獲 診 伍, は,仙 骨 部 で尿 L Case2.CTscanatS4rcvcalsabnormalsofttissue mass(arrow)intherightpelvicfloor. 1612 泌 尿 紀 要31巻9号1985年 し ヨ+949附1 鞍照 ・ 臼㊨o 三 ら ツi」:4 、 〆二 ・曜 論 鴇 野 ㌻ ㍗ 緬 僧v・ 露 鋳∼ ・ \ 胎' 毒 讐1 、 〆' レ/嵐 ㍉ ζ㌢ 、 、t-.、tA .7'}rrr 、_..醒_ド4郷 「 姥 楠 皿噂一 一; ` 鯉 ..一.駕,の 喫 .確1 轍 翅 「 Fig.5.Case2.Noevidenceofthemassintherightpelvic floorl2monthslatcr.Bladder(arrow)isIaterally deviatedduetorightpsoashitchprocedure・ もな う結合 織 の増 生像 を 呈 してお り,悪 性 所 見 はな く,後 腹 膜 線 維 化 症 と診 断 され た.術 後IVPは 正常 とな った,し か し,本 症 例 は約18ヵ 月 後 に 肺 癌 に て死 亡 した ため,CTscanに よ る 線 維 化 症 の 追 跡 は され なか った. 考 礁 ・拶 嚇 欝 ヅ 察 後 腹 膜 線 維 化 症 は 後 腹 膜 腔 に線 維 性増 殖 が お こ り, 〆 ・ 尿管,血 管 な どの 閉 塞 性病 変 を もた ら して 多様 な臨床 、 症状 を呈 す る もの で あ る1).1956年Raper5)がidi・- 弟 懸 雍 が ゾ 鯉 〆'/魏 ノ pathicrctroperitonealfibrosis(特 発 性 後 腹 膜 線維 化 症)の 病 名 を 発表 して 以来,こ の 名称 が 広 く用 い ら れ てお り,現 在 ま で に500例 二 以上 の報 告 が な され て い る1,4).病 因 と して種 々 の も のが 考 え られ てい るが1), い まだ 不 明な 点 も多 く約70%が 特 発性 で あ る と い う4). わ れ わ れ の 経 験 した4症 例 で も,薬 物 の長 期服 用 や原 因 と思 わ れ る既 往歴 が な く,い ず れ も特 発 性 後 腹膜 線 維 化 症 と考 え られ た.本 症 の臨 床 像 に つ い て はLepor andWalsh1)が わ れ は,こ Fig.6.Case3.Leftretrogradepyelogram showssegmentalstenosisandprobablemedialdeviationofleftureter. 詳 細 な 報 告 を お こな って い る.わ れ こで は お もに 本 症 の レ線 学 的 診 断,と く に,CTscanの 意 義 に つ い て述 べ る. 後腹 膜 線 維 化症 の レ線 学 的 診 断 は,従 とRPが 中 心 に な って い る.IVPま 来 よ りIVP た はRPに て せ る所 見 も な い こ と よ り,後 腹 膜 線 維 化 症 の診 断 の 91%に 3),と 下,同 年10月28日 両 側 尿管 剥 離 術 お よび 尿管 の外 側1劃 内側 偏 位 像,腎 杯 ・腎 孟 。尿 管 の拡 張像,の3つ 定 をお こな った,尿 管 と大 血 符 は硬 い 線維 性 組 織 塊 の 見 が 得 られた 場 合 は 本 症 を 疑 う有 力 な根 拠 とな る と さ 中 に 埋 没 して お り,症 例1,3と ほ ぼ類 似 した所 見 で れ て い る1・4・6)腹 部 大 動 脈 造 影 や 下 大 静 脈 造 影 の所 あ った.病 理 組 織 学 的 に は,著 明 な リンパ球 浸潤 を と 見 は 一般 に非 特 異 的 であ り,間 歓性 破 行や 下 肢 の浮 腫 胃 ・注 腸 透 視 に 異 常 を認 め ず,他 に 悪性 腫 瘍 を疑 わ 本 症 の 存 在 を示 唆す る 所 見 が得 られ る と い う1・ くに,第5腰 椎 レベ ル での 尿 管 狭 窄像,尿 管 の の所 荒 井 ・ほ か:後 1613 腹 膜 線 維 化 症 ・CTscan ご 多∼ 議vx.';'・) 螺 賦 露1. R Fig.7.Casc3.CTscanatSIrevealssofttissuemasswith calcificationanteriortobodyofSIandmcdialto psoasmuscles. ': ・翼 乏,ヒ . 塗β=t:ti;it・N F'一!6〔'st!s・1 呈t31網 亭 磨 〔匿9 〆 、 、 ぼ ド・ メ タ 聯 '冨 穐'苑 ・..購 荘! 加・ マ ロ ハ r-} 触 Fig.8. Gase3.Softtissuemassinthcretroperitonealspace hadslightlyregressed18monthslater. が み られ る 場 合 に 適 応 が あ る と さ れ て い る1).し し,以 上 の 診 断 法 は,後 す る も の で は な く,あ か 腹 膜 線 維 化 症 そ の もの を 描 出 く ま で も間 接 的 な 証 拠 と な る も の で あ る. 後 腹 膜 臓 器 の イ メ ー ジ 診 断 に お け るCTscanの 意 義 は 最 近 ま す ま す 大 き な も の と な っ て い る2・7).Feinsteinら3)は,後 腹 膜 線 維 化 症 の 診 断 ・followup に はCTscanが も っ と も 有 力 な 手 段 の ひ とつ で あ る と 述 べ て い る.本 はTable1の わ ち,椎 症 のGTscanの く 所 見 は 一般 的 に られ な いが,CT上 る 。 当然,CTに て病 側 の 腎 孟 ・尿 管 の拡 張 像 も得 ら れ る.症 例3の よ うに と きに 線 維 化 症 の中 に 石 灰 化 を とも な う場 合 もみ られ る8). わ れ わ れ の症 例1,3,4は 一 致 したCT所 いず れ もTable1と 見 が得 られ た も ので あ り,術 も可能 で あ った.た だ し症 例2の 前 診断 よ うに 本 症 は 非 典 型 的 な部 位 に 発 生 す る場 合 もあ り1),こ の よ うな症 例 で よ うに ま と め る こ と が で き る3・4).す な はCT上 体 前 方 に 斑 状 の 軟 組 織 陰影 とし て 認 め られ あ る. る.CTnumberはenhancedCTで20∼60HUで 両 者間 の境 界 は 不 明 瞭 とな る.ま た,尿 管 とそ れ に 隣 接す る腸 腰 筋 と の区 別 も困 難 とな もTable1と は 異 な り,術 前 診 断 は 困難 で 超 音 波 断 層 法 も後腹 膜 線 維 化 症 の有 力 な 診 断 方 法 で あ り,腫 瘤 陰 影 の 前 面 は 腹 膜 の 存 在 に よ り境 界 明 瞭 で あ る との報 告 も多 く見 られ る1・"・9).し か し本 法 は,腸 あ る.腹 部 大 動 脈 と下 大 静 脈 の 圧 排 ・偏 位 像 な ど は み 管 ガ スに よ る像 の 不 鮮 明 化 や,脂 肪 に 富 む 患 者 の 場 合 1614 泌 尿 紀 要31巻9号1985年 な どに 問題 が あ り,CTscanの clinicalsettingが ほ うが よ り正 確 な情 え られ る もの で あ る3・4).ま た最 近 注 目 され る 経 皮 的 報 を提 供 して くれ る もの と考 え られ る2""4) CTscanに 整 郊 ま,そ の多 くは 鑑 別 可 能 と考 て 後 腹 膜 線 維 化症 と類 似 した 所 見 を 呈 針 生 検 法 は,本 症 の 鑑 別診 断 の上 で今 後 有 力 な武 器 と し うる もの に 悪性 腫 瘍 の転 移 ・浸 潤,後 腹 膜 腫 瘍 助, 後腹 膜 血 腫1D,腹 部 大 動 脈 瘤12)などが あ る(Table2)・ しか し これ らは,充 鞭乞 分 な 臨 床 検 査 を お こ な い 適 当な '砂 矛z ニノ ド弧/ 〆ら 鰍 琢 鉾, 謬 噛 義 / づ鴛姥 〃 ・ 痴 一 議騰 翫 鍵 欝 :珍 i。・7義 踵 鞭 難 ,彦「/ 裸 諺 脅 ・二 多 4 霧`'・ グ 『 糟 ,褒, ノノノ ド 」 あ 酢 ∵. 響易 , 澤姦 ∵勃灘 〃, 馨 〆舞 妙 霧 夏雛 鶴 雰'ド 移 {講 霧乞 擁 鰹 滋』・ 〆 λ驚 ! 1響 灘 「 Fig.9.Case4.Rightretrogradepyelogram showssegmentalstenosisandmedial Fig.10.Case4.Leftretrogradepyelogram showsmedialdeviationandnarrowingoflcftureteratS1. deviationofrighturcter. 4事 曳 澄 》 、 ▼『 ¢ 岬 -亨 _浬 》 溜叢 膚偏 ・ !『 」 猶 ,寛 、' 顎 L く'3 鰯 纏 、 、 嘉 R 浄颪、 ・_ 騨 ・曜 宙一 Fig.11.Case4.CTscanatSIrevealsabnormalsofttissue massanteriortobodyofSlandmedialtopsoas muscles. ]-L. 、罫 躍 一・幽' ゆ 飯 L 驚 荒 井 ・ ほ か:後 腹 膜 線 維 化 症 1615 ・CTscan Table1.CTfindingsofretroperitonealfibrosis 1) Plaque-likesofttissuemass Locatedinthemidlinedirectlyanteriorto theaorta,工VC,andvertebralbodies Clearlydefinedanteriormargin Poorlydefinedρosteriormargin CTnumber20to60HUafterenhancemen七 2) Aortaand工VCaエ 3) Lossofanormalclearlydefinedinterfacebetween ・eundisplaced theaortaand工VC 4) Lossofausuallywelldefinedspacebetweenthe ureterandadjacentpsoasmuscle 5) DilatatiOnoftherenalpelvisandproximalUreterS 工VC:inferiorvenacava Table2.Differcntialdiagnosis 1) Lymphnodeenlargementfrom 2) Lymphoma 3) Retroperitonealsarcoma 4) Retroperitonealhematoma 5) Abdominalaneurysmw⊥thor +巨 ・ metastaticdiSease withoutperianeurysmalfibrosis 脚U蝦..岱'・ γ ・:・4・El'3B 習 藩,.ド1㍗4欝3 、..望}.姪;' ・':'1;1「t9 '` .. ∴1`篭 .夢.辮 嚇1・,・ .● 「. .㌃∫ 、 増.駄 瓶 ・.馨幽;肖 蟹 萎 鰻r櫓 蒸 ・k...・.1㌔ 』 鋤 ・ ㌧ ..〃. Fl 一.7:'=]=:.1:.:1 り じ ロ リ . 難.霧 穿..・ 1欄 霧 郷 ・ 一顯 ・ 、..篶 Fig.12.CTscanofretroperitoneumina67-year-oIdwoman withprovedretroperitonealinvasionofbladder cancer.Notesofttissuemassresemblingthatin Figs.1,7,11. 畿.滋_.這 写 を'「 郷蕨㌦ ・l 1616 泌 尿 紀 要31巻9号1985年 な ろ う,Fig.12は67歳 示 すCT像 女子 の 膀 胱 癌 の 後腹 膜 浸潤 を であ る.CT上 2)stephensDH,williamsonBJr,sheedyPF H,HatteryRRandMmerWE;Computed は 後腹 膜 線 維 化 症 と酷 似 した 所 見 を 呈 して い るが,経 皮 的 吸 引針 生 検 に て悪 性 tomographyoftheretroperitonealspace・ 細 胞 が 証 明 され,鑑 RadClinNAIner15=377∼390,1977 別 診 断 の 可 能 で あ った 症 例 で あ る. 3)FeinstcinRS,GatewoodOMBandGoldman 最 近,ス テ ロイ ドホ ル モ ソ 療法 に てCT上 後腹 膜 SS:Computerizedtomographyinthe 線維 化症 の陰 影 が 縮 小 ・消失 した と い う報 告 例 もみ ら diagnosisofretroperitonealfibrosis.JUrol れ る よ うに な った13・14).しか しわれ わ れ の症 例1,2 の よ うに,後 腹 膜 線 維 化 症 の 自然 消 失 がCTに て確 126:255∼259,1981 4)FagancJ.LarrieuAJ,andAmparoEG: 認 され た 報 告 例 は 文献 上 み あ た らな い.病 理 組 織 学 的 Retroperitonea且fibrosis=ultrasoundandCT に は,こ れ ら2症 例 は結 合 織 の増 生 に リンパ球 の浸 潤 features.AmerJRoentgen133:239∼243, を と もな う非 特 異 性 慢性 炎 症 の像 であ り,他 の2症 例 に 比 して と くに 大 きな違 い は認 め られ なか った.た だ 症 例1,2は 1979 5)RaperFP:ldiopathicretroperitonealfibros三s 術 後 血 沈 値 のす みや か な改 善 が み られ て involvingtheureters.Br∫Urol28;436∼ お り,本 症 の消 長 を よ く示 して い る と思わ れ た.家 田 ら8)は 一 時 的 な 腎繧 造 設 の み で 腎機 能 の 回復 を み た 後 446,1956 6)SaxtonHM,KilpatrickFR,KinderCH, 腹 膜 線 維 化 症 の1例 を報 告 し,本 症 の病 態 に つ い て は LessofMH,McHardy-YoungSandWardle そ の炎 症 の活 動 程度 に よ り自然 治 癒 の 可能 性 が あ る と DFH:Retroperitonealfibrosis.Aradiological 述 べ て い る。 悪 性 疾患 が充 分 否 定 で きれ ば,腎 痕 造 設 andfollow-upstudyoffourtcencases.QLuart や 尿 管 カテ ー テ ル留 置 に て 腎機 能 を 確 保 して お き, CTscanな どに て しば ら くfollow-upす JMed38:159∼177,1969 る とい う保 存 的 治 療 法 の 可 能性 も今 後 検 討に 値 す る もの と思わ れ 7)HatteryRR,WilliamsonBJrandHartman GW:Computedtomography.Emett'sClinical る. Urography,Vol1,339∼376,WBSaunders 結 語 Co,Philadelphia,1977 特 発性 後 腹 膜 線 維 化 症 の4例 を 報 告 し,そ の レ線 学 田 和 夫 寛:後 的 診 断 法 を 中心 に 検 討 した, 1)CTに 8)家 て4例 中3例 は 椎体 前 方 に 特 徴 的 な軟 組 織 陰 影 が 認 め られ,術 前 診 断 が 可能 で あ った.非 典 型 ・石 川 博 通 ・早 川 正 通 腹 膜 線 維 化 症 の1例.臨 1981 9)JacobsonJBandRedmanHC:Ultrasonic 的部 位 に み られ た1例 は 腫 瘍 との鑑 別 が 困 難 で あ っ findingsinacaseofretroperitoneal且brosis. た. Radiol113:423∼424,1974 2)4例 のfollowup中,2例 にCT上 後腹膜 線 維 化 症 の 陰影 の 自然 消 失 が確 認 され た. 3)CT上 ・木 下 英 親 泌35=169∼173, 10)StcrzerSK,HerrHWandMintaIlIdiopathicretroperitonealfibrosismisinterpreted は 悪 性 腫 瘍 との鑑 別 が と くに 重 要 で あ aslymphomabycomputedtomography.J Urol122:405∼406,1979 る。 4)後 scanが 腹 膜 線 維 化 症 の診 断 ・foilowupに はCT きわ め て有 用 で あ る と思 わ れ た. 11)sagelss,siegelM .J,stanleyRJandJost RG:Detcctionofretroperitonealhemorrhage bycolnputedtomography.AmerJRoentgen 稿 を 終 るに あ た り,ご 校 閲 い た だ い た恩 師,吉 田 修京都 大 学 泌 尿 器 科 学 教 授 に深 謝 す る. 本 論 文 の要 旨 は 第109回 (1984年12月)に 129:403∼407,1977 12)VintVG,UsselmanJA,WarmathMAand 日木 泌 尿 器 科 学 会 関 西 地 方 会 て 口演 発 表 した, DilleyRB:Aorticperianeurysmalfibrosis: CTdensityenhancementanduretcral obstraction.AmerJRoentgen134:577∼ 文 1)LeporHandWalshPC:Idiopathlcretropcritonealfibrosis.IUrol122=1∼6,1979 献 580,1980 13)LarrieuAJ,wcinerI,AbstonSandwarrenMMRetroperitonealfibrosis.Surg ・田 崎 荒 井 ・ほ か:後 腹 膜 線 維 化 症 ・CTscan GynccolObsteし150=699∼702,1980 14)辻 橋 宏 典 ・郡 健 二 郎 ・八 竹 線 維 化 症 の1型 直 ・栗 田 偽 腫 瘍 後 発 生 し た 後 腹 膜 線 維 化 症 の1例 孝:眼 窩 一 全 身性 1617 と し て 一. 泌 尿 紀 要28:553∼ 559,1982 (1985年1月24日 受 付)