...

ITS時代の交通マネジメント - ISITカーエレクトロニクス研究会

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

ITS時代の交通マネジメント - ISITカーエレクトロニクス研究会
第4回 カーエレクトロニクス研究会
ITS時代の交通 ネジメント
ITS時代の交通マネジメント
2009年9月17日
東京大学生産技術研究所
東京大学生産技術
究所
桑原 雅夫
交通渋滞
時間損失(渋滞による移動の遅れ)
交通事故(渋滞中の事故率は極めて高い)
環境負荷(大気汚染,騒音,振動など)
1
渋滞のメカニズム
通れる人数/時間
容量 <
<
やってくる人数/時間
需要
渋滞とはネットワークに交通が滞留する現象
時間的にダイナミックな解析が必要
需要
容量
需要
容量
需要
容量
2
渋滞とはネットワークに交通が滞留する現象
2000[台/時/車線]
1時間後
滞留200[台]
1800[台/時/車線]
X
渋滞長?
X
2時間後
滞留400[台]
渋滞長?
X
3時間後
滞留600[台]
渋滞長?
渋滞している状態
密度 80 [台/km/車線]
X
渋滞していない状態
密度 40 [台/km/車線]
X
3
道路にはそれほど貯められない
2000[台/時/車線]
1時間後
X
1800[台/時/車線]
滞留200[台]≈ 渋滞長 200/40=5km
X
2時間後
滞留400[台] ≈ 渋滞長 400/40=10km
X
3時間後
滞留600[台] ≈ 渋滞長 600/40=15km
渋滞の模式図
旅行時間
渋滞長
時刻
需要
容量
10
100
時刻
4
都市内平日ピーク時の超過需要
青梅街道 :
約 3-5%
環状7号線:
約
7%
首都高速4号線上り:約
10%
ループ式車両感知器
(都市間高速道路)
e.g. インターチェンジ間におおよそ1つ設置
インタ チ ンジ間におおよそ1 設置
超音波車両感知器
(都市内高速、一般街路)
e.g. 首都高速道路 (300mに1つ設置)
5
首都高 浜崎橋
速度[km/h]
降雨量
2200
[台/時/車線]
交通量[台/時/車線]
VICS since April 1996
(Vehicle Information and Communication System)
赤外線ビーコン
電波ビーコン
FM
6
光ビーコン
(赤外線を使った双方向通信)
Uplink(1)
Uplink(2)
Uplink(3)
AVI(自動車番読み取り装置)
Automatic Vehicle Identification
ETC(Electronic Toll Collection)
Brisbane
go via
Melbourne
e-tag
Congestion at Toll Gates has been reduced from 35% to 2.5%
7
ETC Utilization
July, 2009
ETC Trips per Day [104]
% of ETC
vehicles on
roads 81.3%
81 3%
Probe Data
業務用無線
携帯
GPS
赤外線
電波
(Dynamic Multi Channel Access)
タクシー会社
自動車メーカ
一般街路
高速道路
(Ministry of Land Infrastructure
and Transport)
Transport Centre
8
首都高におけるOD変動解析
Metropolitan Expressway
Length = 300 km
Ramps = about 150 on-ramps
about 150 off-ramps
Daily trips = 1 million
% of ETC vehicles on MEX > 80%
OD Variability (June to December 2006)
Av.trips / 30 minutes
350
3
300
2.5
250
2
Large Variability
200
STD/Average
1.5
STD = 1.0 / E ( X )
150
1
100
0.5
50
0
0
0
10
20
30
40
Time of day
30-minute OD from
Ikejiri to Yoga Weekday
0
5
10
15
20
Av trips/ hour
Av.trips/
25
30
18
60-minute
OD
Weekday
9
ITSセンサーを活用した信号制御
AVI、光ビーコン、車両感知器情報の活用
Œ
Œ
警察庁、県警、信号機
メーカとの連携プロジェ
メ
カとの連携プロジェ
クト
名古屋におけるフィー
ルド実験 (2004)
CARREN
Control Algorithm Retuning
paRameters
with self performance EvaluatioN
AVI: Automatic Vehicle Identification
①
②
Evaluation by simulation
Field Experiment
Probe + AVI + 信号データの融合解析
AVI
これらの情報から
ここを通過する
すべての車両の軌跡を
推計する
信号
プローブ
旅行時間の分布
渋滞量の分布
排ガスの推計
AVI
10
Probe + AVI + 信号データの融合解析
Space [m]
… ..
… ..
.. …… .
….. ..
AVI
Signal Timing
1100m
Probe trajectory
Queue Backing Up
. . …… ..
15 minutes
… ..
..
……. …..
AVI
time
プローブデータは、単に旅行時間を推計するだけでなく、
車両の規制と伊y豊富な情報を持っているので、それを
活用したい。
Kinematic Wave Theory & Cumulative Curve
Cumulative
Trips
Forward Wave
Lighthill
Whitham
Richards
Shock-Wave
B k
Backward
dW
Wave
Flo
w
spa
ce
tim
e
Newell
11
Complete Trajectories based on Kinematic Wave Theory
Big gap
without Probe data
Estimated trajectory
Probe trajectory
without Probe data
(only vehicle passing times at AVI locations and signal timings are used)
Complete Trajectories based on Kinematic Wave Theory
2nd Probe (1-second freq)
with 2nd Probe data (1-seconds uplink frequency)
(together with vehicle passing times at AVI locations and signal timings)
12
Complete Trajectories based on Kinematic Wave Theory
4th Probe (1-second freq)
with 4th Probe data (1-second uplink frequency)
(together with vehicle passing times at AVI locations and signal timings)
Complete Trajectories based on Kinematic Wave Theory
4th Probe (1-second freq)
4th Probe ((1-minute freq)
q)
with 4th Probe data (1-minute uplink frequency)
(together with vehicle passing times at AVI locations and signal timings)
13
Complete Trajectories based on Kinematic Wave Theory
4th Probe (1-second freq)
4th Probe (use only matched passing time information)
with 4th Probe data (use only matched passing time information)
(together with vehicle passing times at AVI locations and signal timings)
一般街路の渋滞原因
路上駐車
交差点
信号調整
14
路上駐車管理
教育、取り締まり
教育
走る+止める= 駐車の方法
誰にどれだけ迷惑をかけるのか
効率的な取り締まり
使用者責任の導入
民間委託の拡充
取締り関係事務(事実確認・記録、書類作成、など)
15
柔軟な規制
Œ
Œ
時間と場所を選択した路上駐車規制
駐車時間に合わせた駐車料金の設定
利用者の受容性確保
短時間駐車需要への対応
動的な運用も視野に
路上駐車を排除すべき場所
青時間内に捌けき
る長さ(飽和流で)
16
路上駐車を排除すべき場所
路上駐車を排除すべき場所
サイクル長が短いほど、必要な長さは、短くて済む
路上駐車の出入り
の影響の考慮
車を貯められ
る長さ
青時間内に捌けき
る長さ(飽和流で)
路肩側の車線利用率
を如何に高くするか
17
高速道路の渋滞原因
料金所
35%
1995
2003
43%
14%
2007 2.5%
0%
18%
40%
25%
12.7% 6.7%
78%
20%
その他
17%
合流部
12%
サグ・トンネル
36%
60%
80%
100%
2003年のその他のうち11%は接続道路からの渋滞
2007年のその他のうち0.8%は車線減少部
大和サグ(東名下り
22kp)
18
サグ・トンネルの自然渋滞
サグ
トンネル
渋滞が始まる原因
1 車の群れ(車群)
1.車の群れ(車群)
2.追い越し車線に偏在
19
大和サグ(東名下り
22kp)
交通量/5分
速度
速度[km/h]
交通量/5分
渋滞後の容量低下の原因
1 大きな車間距離
1.大きな車間距離
2.わかりにくい渋滞の先頭
この先渋滞終了
速度回復願います
20
ダイナミック・インフラ
ボトルネック
地点
通常時
混雑時
通常時
左流入増加時
閑散時
渋滞時、事故時、工事中などにおける
円滑性+安全性の向上
路肩の活用
×
21
アウトバーンA3号 長期運用 シュペッサルト
3.75 3.75 0.5 2.5
3.33 3.33 3.33 0.5
長期的な運用:ドイツでは、250 km (2000年時点)
出典:車線運用及び交通運用による渋滞対策に関する研究、H20.3、(財)高速道路調査会
アウトバーンA5における工事中の路肩活用
(車線別の表示によって車線別の利用可否、速度規制)
22
ミュンヘンのオートバーンにおけるダイナミック路肩利用
ピーク時間の路肩活用
German Autobahn
23
イギリスのM42号のダイナミック路肩活用
通常は60 [miles/h]の速度制限を、40-50 [miles/h]に落として運用
出典:車線運用及び交通運用による渋滞対策に関する研究、H20.3、(財)高速道路調査会
天王山・梶原トンネルの事例
3.00
3.50
3.50
1.25
2車線(完全路肩)
3車線
0.75 3.25
3.25 3.25 0.75
容量値は渋滞解消のため観測できず
350[台/5分]以上=4200[台/時]以上
暫定断面における円滑な交通流:警察協議スムーズ
出典:車線運用及び交通運用による渋滞対策に関する研究、H20.3、(財)高速道路調査会
24
暫定3車線区間の事故率
100件
/億台キロ
暫定3車線区間
20件
/億台キロ
改築前
:トンネル入口事故多発 100件/億台キロ
暫定3車(H9):約20件 < 全国平均 55件/億台キロ
出典:車線運用及び交通運用による渋滞対策に関する研究、H20.3、(財)高速道路調査会
道路工事に伴う緊急短期の路肩運用
(名神高速 茨木IC-高槻BS H18.5下旬-H19.6上旬)
3.25m @3 + 0.75m
出典:車線運用及び交通運用による渋滞対策に関する研究、H20.3、(財)高速道路調査会
25
道路工事に伴う緊急短期の路肩運用
(外環 草加IC-三郷西IC 終日車線規制 H18.11/6-11/16)
工事中
車線幅を3.0m
まで縮小
出典:車線運用及び交通運用による渋滞対策に関する研究、H20.3、(財)高速道路調査会
交通状態と事故率
大口らの研究 交通工学 Vol.39 、No.3 2004
東名高速 上り 21-36 kp 2000年 日曜・休日69日間
速度
[km/h]
120
臨界領域
100
80
非拘束領域
60
渋滞領域
40
20
0
0
100 200
300
400 500
交通量[台/5分]
非拘束領域 7.7
[件/億台キロ]
臨界領域 396.3 [件/億台キロ]
渋滞領域 316.1 [件/億台キロ]
*臨界領域の手前までに制御したい
1件
24件
21件
26
—事故の起き易い交通状況(東京港TN)
事故率
500
事
事故率(件/億台キロ)
450
400
471
明かり部
トンネル内
350
300
300
250
200
150
100
50
121
46
146
60
0
非拘束領域
臨界(拘束)領域
渋滞領域
旅行時間の予測
旅行時間
予測モデル
DATA
異常事象
車両感知器、プローブ
短期予測
中期予測
27
旅行時間の予測
SPACE
Trraffic Detectors
Travel Time?
Latest Completed
Trip Travel Time
TRAJECTORY OF
VEHICLE JUST
STARTING ITS TRIP:
UNKNOWN
Present Time
LATEST COMPLETED VEHICLE TRAJECTORY
TIME
パターンマッチング
Present Pattern
Historical
Database
DAY1
28
首都高への適用
ŒRoute
3: 12.0 km
ŒRoute 4: 13
13.5
5 km
ŒRoute 5: 21.5 km
ŒRoute 6: 09.5 km
ŒBayshore Route: 24.2 km
PERFORMANCE ON ROUTE 3
80
Travel Time (min)
Predicted TT
Actual TT
60
40
20
0
2004/1/21
2004/1/22
2004/1/23
Method
R2
Proposed
0.965
Instanteneous 0.941
2004/1/24
RMSE
10.1%
14.4%
29
PERFORMANCE ON ROUTE 4
80
Travel Time (min)
Predicted TT
Actual TT
60
40
20
0
2004/1/21
2004/1/22
2004/1/23
2004/1/24
Method
R2
RMSE
Proposed
0.954 12.5%
Instanteneous 0.936 18.1%
PERFORMANCE ON ROUTE 5
80
Travel Time (min)
Predicted TT
Actual TT
60
40
20
0
2004/1/21
2004/1/22
Method
2004/1/23
R2
2004/1/24
RMSE
Proposed
0.956 11.3%
Instanteneous 0.920 14.6%
30
PERFORMANCE ON ROUTE 6
80
Travel Time (min)
Predicted TT
Actual TT
60
40
20
0
2004/1/21
2004/1/22
2004/1/23
2004/1/24
Method
R2
RMSE
Proposed
0.967 9.6%
Instanteneous 0.942 13.9%
新機能 渋滞の増減傾向を表示!
これまで
事故渋滞等の場合も、渋滞の“長さ”と“所要時間”のみを表示
25分
渋滞が伸びているか縮んでいるか傾向が分からない・・・
31
新機能② 渋滞の増減傾向を表示!
これから
長さ、所要時間に加えて、渋滞の増減をシンボルマークで表示
渋滞が伸びている場合
40分
60分
渋滞が縮んでいる場合
今後の渋滞状況の見当がつくので、選択行動が可能!
需要の時間分散(TDM)
渋滞緩和、交通安全、
生活環境、地域活性化
容量増大
需要調整(TDM)
道路ネットワーク整備
ボトルネック解消
交通規制の改善
交通規制
改善
信号制御の高度化、etc
需要の時間的・空間的分散
輸送効率の向上
インターモーダルな交通体系
タ
ダ な交通体系
交通負荷の小さい都市造り,etc
ITS
32
需要の時間的分散
需要
容量
時刻
時間的分散による効果 (首都高・通勤交通)
11.6km
12:00
OD交通量
10:00
8:00
32652
走行時間 自由流:
自由流
15
混雑時: 40
25
最大遅れ時間
7
最大渋滞長
台
分
分
分
km
6:00
平均時間シフト
16 分
4:00
市川
千鳥町
浦安
葛西
JCT
進行方向
40~ km/h
20~40 km/h
~20 km/h
33
時間的分散による効果 (関越・行楽交通)
関越高速道路の日曜日午後の渋滞
time
22
最大渋滞長 = 23 km
最大遅れ時間 = 33 min.
総損失時間 = 9,900 veh.hr
20
18
16
14
平均時間シフト = 20 min.
12
10
0.0
10.0
20.0
30.0
わずかな時間シフトで
大きな効果期待
渋滞長 [km]
東京都区部南西部の一般道路ネットワーク
・空間分散(空いている経路に需要分散)
・時間分散 (最大30分、平均15分程度の時間変更)
→ 時間分散を実施するシナリオが効果的.
時間分散を実施するシナリオが効果的
現状
at 9:00am
0-7.5km/h
7.5-15km/h
時間分散
渋滞75%削減
空間分散
渋滞5%削減
渋滞削減効果における時間分散と空間分散との比較
34
累積交通量
時間シフト量
観測 A
同じ時刻に
会社に到着
(誰も不利益
を被らない)
遅れ
ゆっくり通勤プログラム
渋滞に巻き込まれた分(遅れ分)
観測 B(勾配は容量値)
明日はゆっくり
明日は
ゆっくり家を出て!
家を出て!
時刻
自由走行時間
B
A
会社
家
ボトルネック
どうやって時間シフトしてもらうか?
1.情報提供
時刻の選択ができるように、時間的に幅のある情報
(現在の交通情報だけではダメ)
Travel time
7:00
8:00
time
35
2.TDMツール
•混雑課金
ETCの活用
•旅行予約制
旅行する時刻を予約する制度+割引・割増
•ナンバープレート規制、ゾーン規制、車種規制
ナンバ プレ ト規制 ゾ ン規制 車種規制
•乗り継ぎ制,対距離料金制
ロンドン混雑課金
36
生研プレハブ食堂
累積人数
300
250
食堂入口
10分
200
150
20分
食事
食堂出口
配膳容量
100
50
0
0
600 1200 1800 2400 3000 3600 4200 4800 5400 6000 6600 7200
時間[秒]
交通関連データ融合
プローブデータ
車両感知器データ
ODセンサス
画像データ
PT 調査
信号制御データ
(タクシー、バス、乗用車)
走行実験車データ
VICSデータ
Networkデータ
ETCデータ
事故データ
交通規制データ
携帯プ
携帯プローブ
ブ
気象デ タ
気象データ
土地利用データ
International Traffic DB
+ 首都高、EPFL, TU Delft, INRETS, UCB
散在する交通関連の多様なデータを流通させる
http://www.trafficdata.info
37
Translator into Common Format
Common
Common
Data Structure
Language
Common Format
Dictionary
Data
Translator
Format A
English
Format
B
French
Format C
Japanese
International Collaboration
Europe
America
NEARCTIS
New EU project
NEDO project
Asiaー
Pacific
38
International Traffic Database (ITDb)
http://www.trafficdata.info/
Partners
39
Fly UP