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2015年9月 - Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

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2015年9月 - Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
PMDA Updates
金木犀 (Osmanthus
fragrans var. aurantiacus )
2015 年 9 月号
News
1.アジア太平洋経済協力 ライフサイエンスイノベーションフォーラム 規制調和運営委員会
(APEC-LSIF-RHSC)(8月27日~29日)
8 月 27~29 日、フィリピンでアジア太平洋経済協力 ライフサ
イ エ ン ス イ ノ ベ ーシ ョ ンフ ォ ー ラ ム 規 制 調 和運 営 委 員 会
(Asia-Pacific Economic Cooperation, Life Science Innovation
Forum, Regulatory Harmonization Steering Committee: APEC
LSIF RHSC)が開催され、PMDA から富永上席審議役(国際担
当)、佐藤国際協力体制整備準備室長他、厚生労働省から中
島企画官が参加しました。本委員会は「医療用品規制の収束
富永上席審議役(左から 2 人目)
(Convergence)のための戦略的枠組みの推進」を目的に開催
されています。本会合も APEC 加盟エコノミーの規制当局 10 カ国の他、産業界(医薬品、バイオ、医療機
器、ジェネリック)代表、アカデミア等が参加しました。富永上席審議役は米国とともに本会議の共同議長
( Co-Chair ) を 務 め 、 日 本 が リ ー ド す る Multi-Regional Clinical Trials/GCP Inspection の 他 、 Good
Review/Submission Practice、Cell therapy、Pharmacovigilance など 6 作業領域において着実な成果をあ
げました。
次回は、平成 28 年 1~2 月にペルーにて開催予定です。
2.中国江蘇省医師団への研修を実施 (9月1日)
9 月 1 日、中国江蘇省から PMDA を訪問した医師 10 名に対し、医薬品
の審査、安全対策、健康被害救済、国際活動等に関する研修を実施しまし
た。本研修は、一般財団法人日本国際協力センター(Japan International
Cooperation Center, JICE)と江蘇省人民対外友好協会が結んだ友好協力
に関する覚書に基づき JICE からの要請を受けて 2013 年より実施されてお
り、第 4 回目の研修となります。
3.MHLW/PMDA国際戦略策定記念講演会 (9月3日)
PMDAは新たな国際戦略として「PMDA国際戦略2015」を、厚生労働省は「国際薬事規制調和戦略」を
策定し、それぞれ平成27年6月26日に公表しました。これらの国際戦略策定を記念し、9月3日に「レギュ
ラトリーサイエンスのさらなる発展と国際的なキャ
パシティビルディングへの貢献を目指して」と題し
た講演会を、PMDAと厚生労働省との共催で開
催しました。
厚生労働省は神田医薬食品局長から、PMDA
は富永上席審議役からアジアや欧米諸国との協
力体制を強化し、国際的な規制調和を推進して
いくとの将来像を示しました。また、米国FDA及び
EMAの代表、タイ、マレーシア、シンガポールの
規制当局の代表、国立研究開発法人日本医療
講演者と厚生労働省職員、PMDA 役職員による集合写真
研 究 開 発 機 構 ( Japan Agency for Medical
近藤理事長(前列左から 5 人目)、神田局長(前列左から 6 人目)
Research and Development, AMED)及び日本の
PMDA Updates 9 月号
2 ページ
産業界代表から、日本のPMDA及び厚生労働省の国際戦略への期待と、国際調和に協働して取り組む
との強い意向が示されました。
講演会の詳細は以下を参照:
http://www.pmda.go.jp/int-activities/symposia/0052.html
国際戦略の詳細は以下を参照:
(国際薬事規制調和戦略~レギュラトリーサイエンス イニシアティブ~)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000089693.html
(PMDA国際戦略2015)
http://www.pmda.go.jp/int-activities/outline/0028.html
4.EMAの職員による研修 (9月8日)
9月8日、EMAのSegundo D Mariz博士がPMDAを訪問し、「欧州における
オーファン医薬品制度と開発支援について」を演題としたPMDA職員向けの研
修を行いました。Mariz博士はオーファン医薬品担当部署の科学官(Scientific
Administrator)の立場から、欧州におけるオーファン医薬品指定制度の概要
を説明された他、規制当局とオーファン委員会(COMP)との連携、オーファン
医薬品指定後に得られるインセンティブや審査における特別措置について紹
介されました。講演と活発な質疑応答を通して、参加者はEUにおけるオーファ
ン医薬品の研究開発及び承認取得を促進するための支援措置について理解
を深めました。
5.平成 27 年度日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン) 第2回 Japan Medical
Innovation Tour 研修(9 月 9 日)
PMDA は 9 月 9 日、平成 27 年度日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)第
2回 Japan Medical Innovation Tour 研修を実施しました。研修には、インドネシア、
シンガポール、台湾、フィリピン、香港、ベトナム、マレーシア、ミャンマーから大学及
び学術研究機関の関係者 9 名が参加しました。PMDA は、組織構成、薬事行政上
の役割、国際活動、治験制度について講義を実施しました。本研修は、独立行政法
人科学技術振興機構が実施する公募事業である「日本・アジア青少年サイエンス交
流事業(さくらサイエンスプラン)」を委託された九州大学からの依頼を受けて実施さ
れたものです。
5.第 2 回 日本-ブラジル医療分野規制に関するセミナー (9 月 10 日)
9 月 10 日、東京で第 2 回 日本-ブラジル医療分野規制に関するセミナーが、PMDA、ブラジル国家衛
生監督庁(ANVISA)、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の主催、日本製薬団体連合会
(FPMAJ)、日本医療機器産業連合会(JFMDA)、日本製薬工業協会(JPMA)の後援で開催されました。
厚生労働省からは、原厚生労働審議官、飯田審議官(医薬品等産業振興、国際医療展開担当)、森医
薬食品局審査管理課長、中島企画官が、PMDA からは近藤理事長、北條理事、矢守審査センター長、
櫻井品質管理部長、安田国際部長他が参加しました。
本セミナーは、昨年 8 月にブラジル・サンパウロで開催された第 1 回セミナーに続き開催されたもので
す。今回のセミナーでは、4つのテーマ(1) 日本-ブラジル産業界の協力関係強化、2) 審査効率化、3)
QMS/GMP システムと国際協力、4) 先端治療に関する薬事規制対応)について、日本側及びブラジル側
から講演が行われました。本セミナーには、日本・ブラジル規制当局及び産業界から約 160 名が参加し、
質疑応答なども含め、活発な意見交換が行われ、日本・ブラジルともに有益な会合となりました。
第 2 回 日本-ブラジル医療分野規制に関するセミナーの詳細は、以下を参照:
http://www.pmda.go.jp/int-activities/symposia/0055.html
3 ページ
PMDA Updates 9 月号
English translations of review reports
PMDA ウェブサイトで公開している審査報告書英訳の、最新の掲載分をお知らせします。
医薬品
http://www.pmda.go.jp/english/review-services/reviews/approvedinformation/drugs/0001.html
販売名
一般的名称
掲載日
アデムパス錠
リオシグアト錠
9/11
プラザキサカプセル
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩製剤
9/16
Safety Information
医薬品・医療機器等安全性情報 No.326(平成 27 年 9 月 15 日)
1. ワクチン接種と乳幼児の突然死に関する疫学調査事業について
2. 重要な副作用等に関する情報
(1)滅菌調整タルク
(2)パニツムマブ(遺伝子組換
3. 使用上の注意の改訂について(その 267)
ヒドロキシジン塩酸塩/ヒドロキシジンパモ酸塩 他(4 件)
4. 市販直後調査の対象品目一覧
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/medical-safety-information/0155.html
医薬品 使用上の注意の改訂指示通知(平成 27 年 9 月 15 日)

アマンタジン塩酸塩

イプラグリフロジン L-プロリン

トホグリフロジン水和物

ルセオグリフロジン水和物

エンパグリフロジン

カナグリフロジン水和物

ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物

フィンゴリモド塩酸塩

ニボルマブ(遺伝子組換え)

アジスロマイシン水和物(細粒剤)

アジスロマイシン水和物(250mg、500mg 錠剤)

アジスロマイシン水和物(600mg 錠剤)

アジスロマイシン水和物(カプセル剤)

アジスロマイシン水和物(ドライシロップ剤)

アジスロマイシン水和物(注射剤)

アスナプレビル

ダクラタスビル塩酸塩
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/revision-of-precautions/0293.html
4 ページ
PMDA Updates 9 月号
医療機器 使用上の注意の改訂指示通知
・ 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る「使用上の注意」
の改訂について(平成 26 年 7 月 21 日)
英語版公開 平成 27 年 9 月 1 日
・ 医療機器の添付文書の記載要領改正に伴う使用上の注意の改訂指示内容の一部変更について
(平成 27 年 7 月 29 日)
英語版公開 平成 27 年 9 月 7 日
http://www.pmda.go.jp/english/safety/info-services/0015.html
Events
PMDA が主催または参加を予定している主な国際会議
日時
会議名
開催場所
10 月 12-13 日
Global Summit on Regulatory Science (GSRS15)
パルマ
10 月 19-23 日
第 6 回 PMDA トレーニングセミナー
東京
11 月 10-13 日
第 10 回薬事サミットおよび International Coalition of
Medicines Regulatory Authorities(ICMRA)会合
メキシコシティ
11 月 15-17 日
第 12 回 DIA 日本年会
東京
12 月 13-18 日
APEC Multi-Regional Clinical Trials (MRCT) Regulatory Science
Center of Excellence Pilot Workshop
シンガポール
」
Reports from overseas
海外当局に駐在している職員から、現地での活動をお伝えします。
-----------------------------------------------------------------------------日本の医薬品医療機器法、再生医療製品に対する関心について
9 月 9 日、在英国日本大使館等主催で、英国と日本の再生医療製品に関するシンポジウムがロンドン
の日本大使館で開催されました。日本からは、アカデミアとともに PMDA から佐藤再生医療製品等審査
部長が出席し、講演をしています。EMA では昨年 12 月に培養角膜上皮が先進治療医薬品(advancedtherapy medicinal product, ATMP)として条件付き承認を勧告され、日本で昨年 11 月に施行された薬機
法や条件及び期限付き承認制度に関する関心が高いことから、私はリエゾンとして、当該シンポジウム
の開催情報を早期に EMA に情報提供するとともに、開催の前週に薬事・食品衛生審議会再生医療・生
物由来技術部会で承認が了承された再生医療製品の情報を翻訳・提供しました。シンポジウムでは、
EMA からは品質部門等から 3 人の同僚が出席しており、同僚の一人が条件及び期限付承認後のデー
タ収集のあり方について質問をし、シンポジウムにおける議論の活性化につながったといえます。
リエゾンの業務の一つとして、EU と日本の規制当局の情報交換・共有の促進がありますが、今回は
人と人の交流の観点から、情報交換・共有の促進が出来たと考えます。
佐野喜彦(欧州担当リエゾン、EMA 駐在)
------------------------------------------------------------------------------
PMDA Updates 9 月号
5 ページ
生物薬品の糖鎖分析に関する USP ワークショップについて
8 月 25 日~26 日に、USP 本部にて USP workshop on Glycosylation Analysis for Biopharmaceuticals
が開催されました 1)。USP においては以前より糖鎖分析に関する一般試験法の開発が進められており、
Glycosylation Analysis に関して初開催となる本ワークショップには、企業、アカデミア、行政関係者が多
数参加しました。日本からは日本薬局方原案審議委員である国立医薬品食品衛生研究所の原園景博
士が「New Japanese Pharmacopoeia General Test and General Information for Glycosylation Analysis of
Glycoprotein」と題し、第 17 改正日本薬局方に新規収載予定の糖鎖試験法、並びに単糖分析及びオリ
ゴ糖分析/糖鎖プロファイル法についてポスター発表を行いました。ワークショップ全体を通して、生物薬
品における糖鎖修飾の役割や最新の糖鎖分析技術、糖鎖修飾を有するバイオ後続品に関する企業や
規制当局の考え方等について講演が行われ、パネルディスカッションでは活発な質疑応答がなされまし
た。また、USP の糖鎖分析関連試験法に関する最新情報についても講演があり、オリゴ糖分析法
(<212> Oligosaccharide Analysis)が USP38 の第二追補においてオフィシャルになる予定であることや、
単糖分析法(<210> Monosaccharide Analysis)についても 2016 年に Pharmacopeial Forum (PF)に掲載し
て意見公募を行う予定であること等が述べられました。現時点で、糖鎖試験法は日米欧三薬局方検討
会議(PDG)の調和対象試験法とはなっていませんが、生物薬品の増加に伴い関連する試験法の調和
の重要性も増すと考えられることから、今後の PDG 活動において糖鎖試験法が国際調和対象となるこ
とを期待しています。
1) USP workshop on Glycosylation Analysis for Biopharmaceuticals
http://www.usp.org/meetings-courses/workshops/glycosylation-analysis-biopharmaceuticalsworkshop
水丸智絵(米国担当リエゾン、USP 駐在)
-----------------------------------------------------------------------------U.S.FDA における学生や客員研究員のための制度
U.S.FDA には、学部生からシニアサイエンティストまでを対象に、U.S.FDA の業務を学んだり、レギュラ
トリーサイエンス研究を行ったりする機会を提供する様々な制度があります1)。学生、特に薬学生は日常
的に U.S.FDA に受け入れられており、経験豊富な FDA 職員の日常業務をつぶさに見学する機会が得ら
れます。この経験により学生は薬事行政に対する様々な知識を得ることができ、この経験が将来の職業
選択の際に生きてきます。より経験値の高い研究者においては、当局のみが得られるデータを用いた研
究を行うことが可能であり、このような研究の結果は大きな影響力を持つ可能性を秘めています。PMDA
にも同様の制度はありますが、U.S.FDA の制度を参考にすることで、PMDA の制度をよりよいものにする
発想が見つかるかもしれません。
1) http://www.fda.gov/aboutfda/workingatfda/fellowshipinternshipgraduatefacultyprograms/default.h
tm
関根祥子(U.S.FDA CDER)
-----------------------------------------------------------------------------モデル解析を活用した審査事例の紹介 ―承認用量の決定―
これまでのレポートにて、モデリング&シミュレーションを活用した審査事例として、生理学的薬物速度
論解析に基づき、臨床試験を実施していない患者集団(薬物相互作用、遺伝子多型等)の血中濃度を
予測する事例を紹介してきましたが、今回は、暴露量-反応解析(ER 解析)を活用して、臨床試験を実
施した用量の中から、最適な用量を決定した事例についても紹介したいと思います。
FDA は抗がん剤 sonidegib を 2015 年 7 月 24 日に承認しました。がん患者を対象としたランダム化二
重盲検試験において、検討した sonidegib 2 用量ともに奏功率を改善することが示されましたが、ER 解
析の結果、暴露量と奏功率の間に明確な関係は認められなかった一方で、暴露量の増加に伴って副作
用(クレアチニンキナーゼの上昇)の発現頻度は増加する結果に基づき、FDA は低用量のみを承認して
おります。2つの用量の有効性が示されたとしても、最適な用量を決定するために、モデル解析結果を
活用した事例と考えられます。
6 ページ
PMDA Updates 9 月号
本審査報告書は、FDA のホームページにて 8 月 28 日より公表されております 1)。FDA の ER 解析結果
の審査への活用方法を知るひとつの良い事例と思われますので、興味のある方は是非ご覧になってく
ださい。
1) Odomzo sonidegib Capsules Review
http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2015/205266Orig1s000TOC.cfm
佐藤正延(U.S.FDA CDER)
-----------------------------------------------------------------------------U.S.FDA におけるレジストリの推進
8 月1日から FDA, CDRH, OSB (Office of Surveillance and Biometrics), DEPI (Division of Epidemiology)
に駐在しております医療機器審査第一部の半田です。この1ヶ月余りの滞在で DEPI が PPP(Public
Private Partnership)の枠組みを用いた MDEpiNET(Medical Device Epidemiology Network)を通してレジ
ストリの推進を行っていることを学びました。MDEpiNET は公的機関である FDA と民間の大学(ハーバー
ド大学、コーネル大学、デューク大学)が合同で推進する枠組みです。Real world data であるレジストリを
通して医療の有効性と安全性の評価を行い、TPLC(Total Product Life Cycle)に役立てることを推進して
います。今後の滞在期間でさらに情報を収集するとともに、FDA と PMDA の良好な関係の推進に努めて
まいります。
半田 宣弘(U.S.FDA CDRH)
--------------------------------------------------------------------------------
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PMDA ホームページ: http://www.pmda.go.jp/index.html
お問い合わせ: http://www.pmda.go.jp/0006.html
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