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安 全 報 告 書

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安 全 報 告 書
安 全 報 告 書
平成27年度版
平成28年(2016年)8月
函館市企業局
1
2
ごあいさつ
安全方針と安全重点施策
(1)
(2)
3
4
6
7
8
7~ 9
ドライブレコーダーの活用
電車車体改良
函館アリーナ前電車停留場の改良
軌道改良
駒場変電所の新設
ヒヤリ・ハット情報の活用
架線整備
安全への投資
お客様へのお願い等
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
6~7
運転事故
災害(地震や暴風雨,豪雪などをいいます。)
輸送障害(運転事故以外で30分以上の遅延または運休のあった場合をいいます。)
インシデント(事故の兆候)
行政指導等
輸送の安全確保のための取組み
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
4~6
添乗指導および立哨指導
事故防止研修
普通救命講習
個別研修(スキルアップ研修)
災害総合訓練・脱線復旧訓練
自衛消防訓練
年末年始の輸送等に関する安全総点検
軌道事故の発生状況等
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
2~3
安全管理体制
各種会議の実施
内部監査の実施
輸送の安全を確保するための研修等の実施
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
5
安全方針
安全重点施策
安全管理体制
(1)
(2)
(3)
1
2
10~11
不審物発見時の協力要請
外国人観光客の受け入れ体制の強化
電車の乗車安全マナー教室
ドライバーの皆様へのお願い
乗降時の事故防止に向けて
安全報告書へのご意見
12
1. ごあいさつ
日頃より,函館市電をご利用いただきまして,誠にありがとうございます。
私ども函館市企業局交通部は,「市民生活を支える安全で快適な公共交通機
関として,お客様のニーズを考えたサービスの提供に努め,効率的な事業運営
を行うこと」を基本理念に掲げ,市民に『信頼され・愛され・親しまれる』交
通事業の運営のために,皆様に安心して市電をご利用していただけるよう,職
員一人ひとりが安全に対する高い意識を持ち,安全な輸送に向けて全力で取り
組んでおります。
その取り組みといたしましては,ハード面では車体の大規模修繕,軌道改良,
函 館 ア リ ー ナ の 電 停 改 良 , 各 種 施 策 と 協 同 し た 停 留 場 バ リ ア フ リ ー 化 な ど,
安全に対する計画的な設備投資を行っているほか,ソフト面では職員の安全に
関する知識や技能の維持向上を目的とする,各種教育訓練や内部監査の実施に
より,一層の安全意識の向上に努めております。
また,事故発生ハザードマップ,各種注意情報などを職場に掲示し,職員同
士が自発的に安全輸送に関わる情報交換がしやすい職場環境創りに努めるとと
もに,安全の浸透度を測るための安全アンケートを実施し,各種取組の改善に
つなげております。
昨年8月には函館アリーナのオープン,今年3月には北海道新幹線の開業に
より,多くの観光客の皆様に函館を訪れていただいております。
公共交通機関として市民の皆様のご利用はもちろんですが,観光の移動手段
としても,重要な役割を担っていると考えておりますので,今後とも皆様に安心
してご利用いただける交通機関となるよう,一層努力してまいります。
この安全報告書は,鉄道事業法第19条の4の規定に基づき函館市企業局交
通部が実施した輸送の安全を確保するための施策や取り組みを公表するもので
あります。
さらなる安全体制の充実を図るためにも,報告書に関しての皆様のご意見・
ご感想をお聴かせくださいますようお願い申し上げます。
平成28年8月
函館市公営企業管理者
- 1 -
企業局長
川越
英雄
2. 安全方針と安全重点施策
平成22年4月に制定した函館市軌道事業安全管理規程(以下,「安全管理規程」と
いう。)に,軌道事業の「安全方針」を掲げるとともに,この方針に基づいた平成27
年度の安全重点施策を次のとおり定め,職場に掲示するとともに,職員一人ひとりが
これを十分に理解し,輸送の安全に向けて一丸となって取り組みました。
(1) 安全方針
1, 安全意識を高く持ち,お客様の安全確保を最優先します。
2. 輸送の安全に係わる法令および関連する規程を確実に守ります。
3. 安全の確保に関する情報は,漏れなく迅速かつ正確に伝え,透明性を確
保し,事故防止に努めます。
4. 輸送の安全確保に係わる態勢について必要な見直しを行い,継続的に改
善するよう努めます。
(2) 安全重点施策
1. 各種研修を通じて,安全意識を再確認し基本動作の再確認を行う。
(実態に即した,研修や訓練の実施)
2. 施設の修繕や点検に際しては,規定を遵守し,漏れや見落としのない
ように作業者間の連携を密にする。
(確実な施設修繕とチェック機能の充実)
3. 蓄積された情報を分析して,事故防止等に積極的活用を図る。
(添乗結果やドライブレコーダー映像を活用し技術向上を図る)
4. 内部監査員を活用した,業務改善を行う。
(内部監査の際に,各種業務の再点検を行う)
3. 安全管理体制
安全管理規程には,公営企業管理者が
輸送の安全の確保に関する最終的な責任
を負うことを明記するとともに,各部門
における責任者の役割を定め,公営企業
管理者が選任した安全統括管理者の指揮
の下,安全管理PDCAサイクルに基づ
いた運輸安全マネジメントを確立するた
めの管理体制を明確に規定しています。
【安全管理PDCAサイクル】
- 2 -
(1)
安全管理体制(平成27年度)
(2) 各種会議の実施
週1回,業務日程の報告や各職場での取組み,業務の進捗状況などの情報伝達を目的
とする「定例会議」を開催し情報共有を行うとともに,より一層の運輸安全マネジメン
ト体制の構築を目的に「安全推進会議」を開催し,経営トップも交え,さまざまな取り
組みを審議するほか,それらの確実な実施に向けて自律的,継続的な改善を図っていま
す。
(3) 内部監査の実施
安全管理体制の維持・改善を図るため,企業局職員から内部監査員を養成し,内部監
査を実施しております。平成27年度は重点監査項目として「安全方針」,「安全重点施
策」,「安全管理体制を構築・改善するために必要な教育・訓練等」,「重大事故等への
対応」の4項目とその関連事項について実施しました。
委員からは,重点監査項目の周知において全職員の目
に触れる場所での掲示,経営トップや交通部長の訓示な
ど,安全意識を高める機会を多く設けている点,さらに
各研修や各訓練の効果が見られる点が評価された。
一方,今後の方針として,安全方針の周知徹底を継続
して行い,安全への努力を続けてもらうことや委託業者
を含めた現場職員との情報共有に努めるよう指摘があり
ました。
監査結果を受け,今後も運輸安全マネジメント制度に
基づいて,さらなる安全の確保に努めていくこととしま
した。
- 3 -
4. 輸送の安全を確保するための研修等の実施
(1) 添乗指導および立哨指導
・期間:春・夏・秋・冬の交通安全運動期間と年末年始安全総点検期間の5回
・対象:運転士全員
・内容:電車乗務員養成所主任教師・専任教師等が中心となって添乗指導および立哨
指導を行いました。
添乗指導では安全地帯の進入速度や指差呼称確認等の重点8項目を監察すると
ともに,基本の案内用語や接遇対応等について指導を行い,立哨指導では青柳町
停止位置と十字街交差点信号現示の指差確認の観察を行いました。
研修後には個別に面談を行い,問題があれば指摘し改善を図るとともに,個
人別の添乗報告書を作成し,添乗会議を開催するなど個人別の運転技能の把握
に努めております。
(2) 事故防止研修
・期間:平成27年10月 1日・ 2日・ 5日・13日の4日間
・対象:運転士・運転従事職員 71名
・内容:電車乗務員など運転従事職員に対し,事故防止のための教育を実施しました。
主な内容は,安全アンケートの実施や,事故の教習画像により,電車乗務員の
安全意識の向上に努めたほか,故障の処置(牽引時の処置)を訓練いたしました。
また教育考査を行い,電車運転取扱心得や災害マニュアルの理解度を確認し,
安全に対する意識向上に向けた意見交換会を実施しました。
(3) 普通救命講習
・期間:平成28年 3月 2日
・対象:運転士等職員 13名
・内容:お客様の突然の心肺停止や鉄道テロ対策の観点から,運転士等職員は普通救命
講習(心肺蘇生法AEDの使用手順等)を受講し,お客様はもとより,市民の皆
様の突然の怪我などにも対応できるよう訓練しております。
【事故防止研修】
【普通救命講習】
(4) 個別研修(スキルアップ研修)
・期間:平成27年 8月17日~9月30日
・対象:電車乗務員・電車担当主席
・内容:安全意識のより一層の向上と運転テクニックや接遇向上を目的とし,電車乗務
員はクロストレーニングを実施。電車担当主席については監督者の立場から安全
意識の醸成を目的とし研修を行いました。
- 4 -
(5) 災害総合訓練・脱線復旧訓練
・期間:平成27年9月25日
・対象:安全管理体制に記載される職員,運転士,内勤職員および施設係員(車両・
電路・線路職員および委託業者従業員)
31名
・内容:1部では,電車の後方より発煙,車両火災が発生し乗客が負傷したため無線で
救援を要請したとの想定で実施しました。
2部では,走行中の車両が脱線した事象を想定し,脱線の復旧と車両,軌道の
点検とともに, 完了後,電車の運行を再開させる訓練を行いました。
【災害総合訓練の様子】
(6) 自衛消防訓練
・期間:平成27年11月12日
・対象:運転士,内勤職員および施設係員(車両・電路・線路職員)
30名
・内容:施設内ストーブより出火したとの想定で消火活動,通報,避難誘導,救護の訓
練を行いました。
【自衛消防訓練の様子】
(7) 年末年始の輸送等に関する安全総点検
・期間:平成27年12月10日~平成28年1月10日
・対象:全職員
・内容:年末年始の輸送繁忙期に行われている安全総点検の期間中に,経営トップの
訓示や各職場,施設の査察を行いました。
- 5 -
【経営トップの安全訓辞】
【職場掲示の横断幕】
5. 軌道事故の発生状況等
(1) 運転事故 (軌道事故等報告規則に定める,「車両衝突事故」「車両脱線事故」
「車両火災事故」「道路障害事故」「人身障害事故」「物損事故」を
いいます。)
運転事故(車両脱線事故)が1件発生しました。
< 過 去 5 年 間 の 発 生 件 数 等 の 推 移 >
区
○
分
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
事故件数(件)
0
0
0
0
1
負 傷 者(人)
0
0
0
0
1
死 亡 者(人)
0
0
0
0
0
車両脱線事故
・日時:平成27年12月29日
(10時33分~17時00分)
・場所:千歳町停留場~新川町停留場間
・影響:運休
65本 本線支障
390分
影響人員
約7,800人
(2) 災害(地震や暴風雨,豪雪などをいいます。)
災害等の発生はありませんでした。
(3) 輸送障害(運転事故以外で30分以上の遅延または運休のあった場合をいいます。)
輸送障害が4件発生しました。
○ 軌道敷内で自動車の横転事故による輸送障害
・日時:平成27年11月16日
(9時24分から10時15分まで)
・場所:函館どつく前~十字街間
・影響:遅延台数
5両 影響時間
51分 影響人員 約50名
- 6 -
○ 降雪による輸送障害
・日時:平成27年12月28日
(6時53分から7時53分まで)
・場所:函館駅前~松風町間
・影響:遅延台数
10両 運休 1両
影響時間
○ 降雪による輸送障害
・日時:平成28年1月18日
(19時45分から20時45分まで)
・場所:堀川町~五稜郭公園前間
・影響:遅延台数
10両 影響時間
60分
運休
1両
○ 降雪による輸送障害
・日時:平成28年1月19日
(7時05分から8時36分まで)
・場所:函館駅前~松風町間
・影響:遅延台数
15両 影響時間
91分
60分
影響人員 約400名
影響人員 約400名
影響人員 約300名
(4) インシデント(事故の兆候)
インシデントはありませんでした。
(5) 行政指導等
事業改善命令等の行政指導はありませんでした。
6. 輸送の安全確保のための取組み
(1) ドライブレコーダーの活用
電車全車両に搭載されているドライブレコーダーを活用し,事故が発生した場合の原
因究明に役立てているほか,記録映像を事故防止研修に活用するなど,事故防止に役立
てる取組みを行いました。
(2) 電車車体改良
3002号の車体老朽箇所の修
繕と当該箇所の配管・配線の更新,
一部車体設備を更新する車体改良を
実施しました。更新した行先表示器
については,発車時,駆け込み乗車
に対する注意喚起の表示をすること
とし,安全性の向上を図りました。
- 7 -
(3) 函館アリーナ前電車停留場の改良
大規模多目的施設である「函館アリーナ」が
平成27年8月に開業したことにともない,お客様
の乗降の安全を確保するため,安全地帯を延長
しました。
【函館アリーナ前電車停留場】
(4) 軌道改良
軌道改良工事を行い,老朽化が著しい杉並町~深堀町間(129m)について,走行時
における騒音や振動等の軽減を図りました。
また,宝来町交差点についても,自動車の軌道横断による老朽化が著しく,連接軌道
ブロック工法による軌道改良を行いました。
【杉並町~柏木町間】
【宝来町交差点】
(5) 駒場変電所の新設
駒場町変電所設備は製造から45年を経過し,老朽化が著しく,交換部品の入手困難,
修理による性能回復が困難であることから,変電所本館の新設と変電所設備の更新改良
を行いました。
【駒場変電所】
【駒場変電所内部】
- 8 -
(6) ヒヤリ・ハット情報の活用
事故の未然防止を目的に,過
去の事故発生場所やヒヤリハッ
トの箇所を明示する危険マップ
を作成し,職場に掲示するとと
もに,点呼でも情報共有を図っ
ています。
このことで,安全意識の向上
を促し,ヒヤリ・ハットの収集
環境を向上させるための取り組
みを行っております。
【事故防止マップ】
(7) 架線整備
トロリー線の摩耗が見られる箇所については張り替えを行うとともに,老朽化が見
られるスパン線の張り替え工事を行いました。
○トロリー線 張替工事
競馬場前~柏木町間(往線)
33径間
1,000m
○スパン線 張替工事
十字街~宝来町間
函館駅前交差点
19径間
6径間
480m
110m
計
590m
(8) 安全への投資
函館市企業局では,安全への投資を最重要課題と捉え,超低床車両の購入,軌道・
車両改良,電停のバリアフリー化,上屋設置などへの設備投資を進めており,平成27
年度には,車両整備用機器の更新などの建設改良費3億9,760万円の投資を行いま
した。
また,軌道整正工事や軌条研磨,ドライブレコーダーの搭載などの維持補修費とし
て,2億4,227万円。総額6億3,987万円を投資しました。
39,760
H27年度
26,405
H26年度
24,227
25,834
総額 63,987
総額 52,239
建設改良費
維持補修費
36,411
H25年度
0
20,000
23,296
40,000
- 9 -
総額 59,707
60,000
80,000
[単位:万円]
7. お客様へのお願い等
(1) 不審物発見時の協力要請等
テロ対策の一環として,お客様に対して不審物発見時の協力要請のため,停留場時刻
表への表示や電車内での掲示をおこなうとともに,広告用ディスプレイ装置も活用して,
周知を図っております。
また,施設内では,外部からの不審者等による犯罪の予防のため防犯カメラを設置し,
防犯カメラ警戒表示を行っております。
【ディスプレイ表示】
【防犯カメラ・警戒表示】
(2) 外国人観光客の受け入れ体制の強化
全車内に多言語コミュニケーションボードの設置や,方向幕の外国語表記など外国人
観光客が円滑に周遊,回遊できる環境の整備を進めております。
【方向幕
【多言語コミュニケーションボード】
- 10 -
外国語表記】
(3) 電車の乗車安全マナー教室
秋の交通安全週間に,小学生を対象とした,交通事故防止と電車の安全マナー教室を
電車内で開催いたしました。
このほか,警察署生活安全課からは,連れ去り防止についてのお話しもありました。
【電車に掲示した横断幕】
【車内での安全マナー教室】
(4) ドライバーの皆様へのお願い
電車と車の接触事故を防止するため,ドライバーに対して軌道敷内へ進入注意を喚
起するリーフレットを作成し,交通安全運動期間中には主要交差点などで,ドライバ
ーに配布しました。
このリーフレットは,レンタカー会社にも配付し,観光客に対して「函館は路面電車
が走る街」をアピールして,安全運行のお願いをしました。
また,今年から安全運行管理者の講習会において,リーフレットを配付させていただ
き,各事業所においても接触事故防止の呼びかけをお願いしました。
(5) 乗降時の事故防止に向けて
電車乗務員は,事故防止のため細心の注意を払って運転しておりますが,安全の確
保のため,お客様のご理解とご協力をお願いしております。
啓発活動の一環として車内に設置したディスプレイ装置で事故防止を啓発する画像
を流したり,ポスターの掲出による呼びかけを行っております。
【事故防止啓発ディスプレイ】
- 11 -
8.安全報告書へのご意見
「安全報告書 平成27年度版」へのご意見・ご感想やご要望などにつきましては,
下記によりお伺いしております。
函館市企業局 交通部 安全推進課
TEL 0138-32-1725
FAX 0138-32-1734
E-MAIL koutsu@city.hakodate.hokkaido.jp
函館市電のホームページ
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/bunya/hakodateshiden/
函館市企業局
編集/交通部安全推進課
平成28年(2016年)8月
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