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コロンビア共和国 キンディオ県医療体制復旧計画

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コロンビア共和国 キンディオ県医療体制復旧計画
No.
コロンビア共和国
キンディオ県医療体制復旧計画
基本設計調査報告書
平成 12 年 3 月
国 際 協 力 事 業 団
株式会社 エムイー企画
無償二
CR(1)
00−068
コロンビア共和国
キンディオ県医療体制復旧計画
基本設計調査報告書
平成 12 年 3 月
国 際 協 力 事 業 団
株式会社 エムイー企画
序文
日本国政府は、コロンビア共和国政府の要請に基づき、同国のキンディオ県医療体制復旧計画にか
かる基本設計調査を行うことを決定し、国際協力事業団がこの調査を実施いたしました。
当事業団は、平成 11 年 10 月 6 日から 11 月 7 日まで基本設計調査団を現地に派遣いたしました。
調査団は、コロンビア政府関係者と協議を行うとともに、計画対象地域における現地調査を実施い
たしました。帰国後の国内作業の後、平成 12 年 1 月 15 日から 1 月 31 日まで実施された基本設計概
要書案の現地説明を経て、ここに本報告書完成の運びとなりました。
この報告書が、本計画の推進に寄与するとともに、両国の友好親善の一層の発展に役立つことを願
うものです。
終わりに、調査にご協力とご支援をいただいた関係各位に対し、心より感謝申し上げます。
平成 12 年 3 月
国際協力事業団
総裁 藤田公朗
伝達状
今般、コロンビア共和国におけるキンディオ県医療体制復旧計画基本設計調査が終了いたしました
ので、ここに最終報告書を提出いたします。
本調査は、貴事業団との契約に基づき弊社が、平成 11 年 10 月 1 日より平成 12 年 3 月 31 日までの
6 ヵ月間にわたり実施してまいりました。今回の調査に際しましては、コロンビアの現状を十分に踏
まえ、本計画の妥当性を検証するとともに、日本の無償資金協力の枠組みに最も適した計画の策定に
努めてまいりました。
つきましては、本計画の推進に向けて、本報告書が活用されることを切望いたします。
平成 12 年 3 月
株式会社 エムイー企画
コロンビア共和国
キンディオ県医療体制復旧計画基本設計調査
業務主任 藤田 文彦
略語表
FOSYGA: Fondo de Solidaridad y Garantía(労働災害と職業病)
NBI: Necesidades básicas insatisfechas(貧困指数)
ECAT: Evento Catastróficos de Accidentes de Tráfico(天災と交通事故)
PAB:Programa Aténcion Básica(基本的保健医療サービス計画)
EPS: Empresa Promotora de Salud(医療保険会社)
ARS: Administrador de Régimen Subsidiado(公的補助健康保険管理機関)
SGSSS: Sistema General de Segridad Social en Salud(総合保険医療保障制度)
POS: Plan Obligatorio de Salud(最低医療サービス提供プラン…拠出型健保加入者用)
POS-S: Plan Obligatorio de Salud para Subsidiado
(最低医療サービス提供プラン…公的補助健保加入者用)
SISBEN: Sistema de Selección de Beneficiarios(医療保険制度受益者選抜制度)
ESE: Empresas Sociales del Estado(国家社会公社)
FOREC: Fondo para la Reconstruccion y Desarrollo Social del Eje Cafetero
(コーヒー地帯社会再建/開発基金)
IPS:Instituciones Prestadoras de Servicios de Salud(保健医療サービス提供機関)
UPC:Unidad de Pago por Capitación(一人当たりの支払単価)
A.C.C.I: Agencia Colombiana de Cooperación Internacional(コロンビア国際協力庁)
ICU:Intensive Care Unit(集中治療室)
DNP:Departamento Nacional de Planeacion(国家企画庁)
CTPD:Cooperacion Tecnica entre Pais en Desarrollo(開発途上国間技術協力事業部)
DANE: Departamento Administrativo Nacional de Estadísticas(国家管理統計部門)
O/M: Operación y Mantenimiento(保守維持管理)
GDP:Gross Domestic Product(国内総生産)
要約
要約
コロンビア共和国(以下、「コ」国という)は、南米大陸の北端にある。南米大陸の太平
洋岸を縦走するアンデス山脈は、東部、中央、西部の 3 つの山系に分かれて、それぞれに
3,000m 級の山脈を形成している。総人口は約 4,004 万人(1997 年)、国土面積は約
1,139,000km2(日本の約 3 倍)である。本計画対象地域であるキンディオ県は「コ」国
アンデス地方の中西東部に位置する人口 53 万 6 千人(国全体の約 1.5%)のコーヒー産地
である。
1999 年 1 月 25 日に発生した「コ」国中西部地震は、キンディオ県アルメニア市を中心
に死者 1,185 名、重傷者 4,765 名、被災者約 40 万人と未曾有の被害をもたらした。保健
医療分野においての被害について、キンディオ県には、地震前には 15 の公立病院が存在
していたが、本地震により 7 病院が全半壊し、また倒壊を免れた病院でも医療機材が損壊
するなど、医療面での被害は約 12 億円にのぼった。また、現在キンディオ県では、アル
メニア市を含むキンディオ県中南部の 6 市町村において 4 病院が全壊、2 病院が半壊する
など、これら地域の住民は劣悪な医療サービス状況にあり、特に移動手段等を持たない低
所得者層は、適切な診療を全く受けられない状況にある。
「コ」国保健省は、本事態を重視し、キンディオ県全体の病院緊急整備計画を策定し、
キンディオ県中南部においては医療状況に鑑み、病院の再建を優先的に考えている。しか
しながら、保健省は、資金面、技術面等から種々の困難を抱えており、保健省独自では改
善し得ない状況にある。
このため「コ」国政府は医療サービス体制を地震前のレベルまで回復させることを目的
とし、低所得者層を対象とした①サン・ファン・デ・ディオス病院、②ラ・ミセリコルデ
ィア病院、③サン・カミロ病院、④サン・ロケ病院、⑤サンタ・アナ病院、⑥サン・ヴィ
センテ病院の 6 公立病院の再建にかかる医療機材整備計画に関し、我が国に無償資金協力
の要請を行った。
本調査の結果、本計画の最終的な対象病院は、次の 4 都市 4 病院となった。
◇サン・ファン・デ・ディオス病院
アルメニア市
◇ラ・ミセリコルディア病院
カラルカ市
◇サン・カミロ病院
ブエナビスタ市
◇サン・ヴィセンテ病院
モンテネグロ市
-i-
本計画の全体機材計画は、地震による被害で故障した機材を更新することにより、各対
象病院の本来もっている診療活動機能を地震前のレベルまで回復させることを目的とした
ものである。したがって、優先されるべき機材は、原則として地震により破損した既存機
材を対象とし、かつ現体制(医師・看護婦・技術者等)で対応可能な範囲内の機材計画とし
た。さらに「コ」国側による自助努力を促すために、独力で購入可能な機材について本計
画では除くことにした。ただし、本計画の対象病院である 4 病院は、それぞれアルメニア、
カラルカ、ブエナビスタ、モンテネグロという主要都市のトップの医療施設であることに
鑑み、著しく医療体制、診療機能について不備である部門に対して、一部の機材の新規導
入による体制・機能の向上を考慮した。以上のような方針に基づき、選定された主要機材
内容は表 R-1 のとおりである。
表 R-1 本計画主要機材
病院名
部門名
サン・ファン・デ・ディオス病院 診断
内視鏡検査
放射線
産婦人科
新生児
手術室
回復室
中央材料室
中間治療室
集中治療室
一般室
耳鼻咽喉科
検査室
病理
- ii -
機材名
心電計、3チャンネル、解析装置付
脳波計、18チャンネル
腹腔鏡、ビデオ付
内視鏡台
膀胱鏡、小児用、ビデオ付
腎膀胱鏡
気管支鏡、小児用
関節鏡、ビデオ付
X線透視撮影装置(一般兼用)
X線テレビ装置(Cアーム)
カラードップラ超音波診断装置
超音波診断装置、移動式
自動X線フィルム現像装置(B)
インファントウォーマ
人工呼吸器、新生児用
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
天吊無影灯
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
患者監視装置
高圧蒸気滅菌装置(B)
超音波洗浄装置
蒸留水製造装置
患者監視装置
血液ガス分析装置
除細動器、モニタ付
心電計、3チャンネル、解析装置付
オージオメータ、小児用
自動生化学分析装置
凍結ミクロトーム
病院名
ラ・ミセリコルディア病院
部門名
産科
外科
救急
サン・カミロ病院
サン・ヴィセンテ病院
歯科
臨床検査
病室
産科
救急
歯科
臨床検査
放射線室
中央材料室
産科
外来
救急
臨床検査
放射線室
中央材料室
病室
機材名
搬送用保育器
胎児モニタ
超音波診断装置、移動式
天吊無影灯
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
万能手術台(油圧・手動式)
自動X線フィルム現像装置(A)
X線装置、回診型
歯科ユニット
蒸留水製造装置
除細動器、モニタ付
心電計、3チャンネル、解析装置付
除細動器、モニタ付
患者監視装置
歯科ユニット
蒸留水製造装置
X線装置、回診型
高圧蒸気滅菌装置(A)
搬送用保育器
胎児モニタ
心電計、3チャンネル、解析装置付
除細動器、モニタ付
患者監視装置
万能手術台(油圧・手動式)
自動血球計数装置
蒸留水製造装置
X線装置、回診型
超音波診断装置、移動式
高圧蒸気滅菌装置(B)
除細動器、モニタ付
本計画の実施スケジュールは、日本国と「コ」国との間の交換公文(E/N)の締結から
機材調達契約を経て事業完了まで約 12 ヵ月を要する。そのうち、詳細設計業務に約 3.0
ヵ月、入札関連業務に約 2.0 ヵ月が必要である。また、機材調達、輸送、据付に必要な機
関は、日本政府による調達契約の認証後約 6.0 ヵ月である。
本計画を我が国の無償資金協力により実施する場合、本計画に必要な総事業費は 5.49 億
円と見込まれる。さらに本計画の新規に発生する年間維持管理費(製造会社との保守維持
管理契約費用を含む)を算定すると①サン・ファン・デ・ディオス病院:2,407,704 円、②
ラ・ミセリコルディア病院:204,968 円、③サン・カミロ病院:169,124 円、④サン・ヴィセ
ンテ病院:345,870 円である。この経費は各対象病院の予算において十分に賄える額である
と判断される。
- iii -
本計画実施により期待される効果は以下のとおりである。
1) 直接効果
① コロンビア西部地震により被害を受けたキンディオ県の 4 公立病院の医療機材が
復旧・整備されることから、地震による施設・機材の損壊によって医療サービスを
受けられなくなった人々*(外来患者 20,954 人、入院患者 9,719 人)に対して適
切な医療サービスが提供可能になる。
*地震前の患者数−地震後の患者数
外来患者: 189,954 人 (1998 年)
入院患者:
19,535 人 (1998 年)
− 169,000 人 (1999 年)
− 9,816 人 (1999 年)
= 20,954 人
= 9,719 人
② 機材計画は地震後の医療需要を踏まえたものとなることから、本計画の対象とな
っている病院のそれぞれのレファレル地域における保健医療体制が復旧・改善さ
れ、低所得者を含めた対象病院のレファレル人口約 20 万人に裨益する。
2) 間接効果
キンディオ県の医療サービスが復興され、低所得者も含めた地震後の医療ニーズ
への対応が可能となり、地震により甚大な被害を受けた同県の住民 53 万 6 千人の生
活の安定が図られ、同県の社会的・経済的な発展に貢献する。
なお、本計画の速やかな実現と、対象病院の機材整備の後、円滑かつ効果的な運用が行
われ、初期の目的を達成し得るよう、本計画の実施には次の留意点があり、「コ」国におい
て実施する必要がある。
組織、人材面
(1)限られた機材をより有効に活用するために、中央管理体制を確立する。
(2)契約で採用する医療従事者は、医療サービスに支障がないように必ず配置する。
財務、資金計画面
(1)病院独自の収入を今後とも拡大する。
(2)資金計画を立て、少なくとも毎月その収支状況を把握する。
(3)病院運営のための O/M コストを確保することに加え、機材の耐用年数、経年劣化に
よる機材更新に備え、積み立てを行う。
(4)高度医療機材の保守管理契約(有償)を締結し、資金計画にあらかじめその費用を
組み込んでおく。
- iv -
目次
序文
伝達状
地図
写真
略語表
要約
第 1 章 要請の背景
1
1-1 要請の経緯
1
1-2 要請の内容
2
第 2 章 プロジェクトの周辺状況
4
2-1 保健医療事情
4
2-1-1 保健指標
4
2-1-2 疾病構造
5
2-1-3 保健医療サービス体制
8
2-1-4 医療従事者数
10
2-1-5 医療教育
11
2-1-6 保健医療分野の現状と問題点
11
2-2 当該セクターの開発計画
13
2-2-1 上位計画
13
2-2-2 財政事情
24
2-3 他の援助国との関連
25
2-4 我が国の援助実施状況
26
2-5 プロジェクト・サイトの状況
27
2-5-1 自然条件
27
2-5-2 社会基盤整備状況
27
2-5-3 既存施設・機材の状況
32
2-5-4 各対象病院の件説・改修工事の状況
74
2-5-5 環境の配慮
75
第 3 章 プロジェクトの内容
79
3-1 プロジェクトの目的
79
3-2 プロジェクトの基本構想
80
3-2-1 協力の方針
80
3-2-2 基本方針
83
3-3 基本設計
83
3-3-1 設計方針
83
3-3-2 基本設計
85
3-4 プロジェクトの実施体制
99
3-4-1 組織
99
3-4-2 予算
103
3-4-3 要員・技術レベル
105
第 4 章 事業計画
106
4-1 施工計画
106
4-1-1 施工方針
106
4-1-2 施工監理上の留意事項
108
4-1-3 施工区分
108
4-1-4 調達監理計画
110
4-1-5 資機材調達計画
112
4-1-6 実施工程
114
4-1-7 相手国側負担事項
115
4-2 概算事業費
116
4-2-1 概算事業費
116
4-2-2 運営・維持管理計画
117
第 5 章 プロジェクトの評価と提言
124
5-1 妥当性にかかる実証・検証及び裨益効果
124
5-2 技術協力・他ドナーとの連携
126
5-3 課題・提言
127
[資料]
1. 調査団員氏名、所属
2. 調査日程
3. 相手国関係者リスト
4. 協議議事録(西文・和文)
5. 技術協議メモランダム(西文・和文)
6. 当該国の社会・経済事情
7. 参考資料リスト
8. 各対象病院図面
第 1 章 要請の背景
第 1 章 要請の背景
1-1 要請の経緯
キンディオ県は「コ」国アンデス地方の中西東部に位置する人口 53 万 6 千人(国全体
の約 1.5%)のコーヒー産地である。
1999 年 1 月 25 日に発生した「コ」国中西部地震は、キンディオ県アルメニア市を中
心に死者 1,185 名、重傷者 4,765 名、被災者約 40 万人と未曾有の被害をもたらした。こ
の地震により、国家開発計画の中に、コーヒー生産地帯地震被災地域における再建復興の
ための戦略が含まれ、これによりこの地域の持続的な開発を進め、住民の生活の質的向上
を図り、この地域が再び「コ」国の経済および国際経済の中に登場できるようにする戦略
を企てている。
保健医療分野においての被害について、キンディオ県には、地震前には 15 の公立病院
が存在していたが、本地震により 7 病院が全半壊し、また倒壊を免れた病院でも医療機
材が損壊するなど、医療面での被害は約 12 億円にのぼった。また、現在キンディオ県で
は、地震前と比較して医療ニーズは 2 倍に増加しているが、アルメニア市を含むキンデ
ィオ県中南部の 6 市町村においては、4 病院が全壊、2 病院が半壊するなど、これら地域
の住民は劣悪な医療サービス状況にあり、特に移動手段等を持たない低所得者層は、適切
な診療を全く受けられない状況にある。また、基礎的保健医療サービスが一時的に停止し、
感染症の蔓延化が危惧された。
そこで「コ」国政府は被災地であるコーヒー栽培地域に対する FOREC(コーヒー地帯
社会再建/開発基金)を創設し、これと並行してキンディオ県中南部の病院再建計画を含
む病院緊急整備計画を策定した。この中で「コ」国は、特に施設再建を最優先課題として
独自の予算を再建費に充当する計画であるため、大部分の機材が損壊している状況にも関
わらず、機材整備のための予算確保が非常に困難な状況である。
「コ」国保健省は、本事態を重視し、キンディオ県全体の病院緊急整備計画を策定し、
キンディオ県中南部の現在の医療状況を鑑み、病院の再建を優先的に考えている。しかし
ながら、保健省は、資金面、技術面等から種々の困難を抱えており、保健省独自では改善
し得ない状況にある。
-1-
「コ」国政府は医療サービス体制が地震前のレベルまで回復することを目的とし、低
所得者層を対象とした①サン・ファン・デ・ディオス病院、②ラ・ミセリコルディア病院、
③サン・カミロ病院、④サン・ロケ病院、⑤サンタ・アナ病院、⑥サン・ヴィセンテ病院
の 6 公立病院の再建にかかる医療機材整備計画に関し、我が国に無償資金協力の要請を
行った。我が国の無償資金協力において「コ」国は卒業国と位置づけられているものの、
係る地震復興の緊急性に鑑み、早急な復興支援のための特例措置として本件実施の決定に
至った。
1-2 要請の内容
1-2-1 当初の要請内容
「コ」国側の当初の要請内容は以下の病院への機材整備計画である。
表 1-1 当初の要請内容
病院名
サン・ファン・デ・
ディオス病院
(改修)
ラ・ミセリコ
ルディア病院
(改修)
サン・カミロ
病院
(再建)
サン・ロケ
病院
(再建)
サンタ・アナ
病院
(再建)
サン・ヴィセ
ンテ病院
(再建)
医療レベル
第三次
第二次
第一次
第一次
第一次
第一次
アイテム数
約 102 アイテム
約 86 アイテム
約 96 アイテム
約 96 アイテム
約 96 アイテム
約 96 アイテム
外科・婦人科
外来・救急
歯科
臨床検査
放射線
病院一般
備品・管理
外科・婦人科
外来・救急
歯科
臨床検査
放射線
病院一般
備品・管理
外科・婦人科
外来・救急
歯科
臨床検査
放射線
病院一般
備品・管理
外科・婦人科
外来・救急
歯科
臨床検査
放射線
病院一般
備品・管理
外科・婦人科
外来・救急
歯科
臨床検査
放射線
病院一般
備品・管理
対象部門
診断
内視鏡検査
放射線
産婦人科・未熟児・
新生児
手術室・回復室
中央材料
集中治療
一般室
眼科
耳鼻咽喉科
物理療法・リハビ
リテーション
検査室
1-2-2 基本設計調査における要請内容の変更
当初 1-2-1 で記載した 6 病院の要請であったが、サン・ロケ病院、サンタ・アナ病院に
着いてはドイツ政府の有償援助で行われることになり、代わって、インテルメディオ・デ
ル・スール病院、ピオ 10 世病院への機材整備の要請があがったが、地震の被害がそれほ
ど大きくないこと、再建の完成目途がたっていないことがあり、本計画対象としないこと
とした。最終的には以下の要請内容となり、計 69 アイテムの機材である。
-2-
表 1-2 最終要請内容
対象病院名
医療レベル
対象部門
サン・ファン・デ・
ディオス病院
(アルメニア市)
第三次
診断
内視鏡検査
放射線
産婦人科
新生児
手術室
回復室
中央材料室
中間治療室
集中治療室
一般室
眼科
耳鼻咽喉科
検査室
病理
ラ・ミセリコルディ
ア病院
(カラルカ市)
第二次
産科
外科
救急
歯科
臨床検査
病室
-3-
サン・カミロ病院
(ブエナビスタ市)
第一次
産科
救急
外来
歯科
臨床検査
放射線室
中央材料室
サン・ヴィセンテ
病院
(モンテネグロ市)
第一次
産科
外来
救急
歯科
臨床検査
放射線室
中央材料室
病室
第 2 章 プロジェクトの周辺状況
第 2 章 プロジェクトの周辺状況
2-1 保健医療事情
2-1-1 保健指標
「コ」国の保健指標を表 2-1 に示す。他の発展途上国より数値的に改善されている「ラ
テンアメリカとカリブ海地域」と比較すれば、「コ」国は努力が認められる。中南米諸国
の中でも 5 歳未満児死亡率、乳児死亡率は改善されているが、まだ先進国と比べれば一層
の改善が求められている。
表 2-1
「コ」国
保健指標
ベネズエラ
チリ
米国
ラテンアメリカ
とカリブ海地域
日本
5歳未満児死亡率(98年)
30
25
12
8
4
39
乳児死亡率(1才未満)
(98年)
25
21
11
7
4
32
総人口(100万人)
(98年)
40.8
23.2
14.8
274.0
126.2
498.2
年間出生数(千人)
(98年)
988
572
291
3,788
1,261
11,441
(98年)
5歳未満児の年間死亡率(千人)
30
14
3
30
5
39
出生時の平均余命 (98年)
71
72
75
80
69
成人の総識字率(%)
(95年)
90
91
95
低出生体重児出生率(%)
(90-97年)
9
9
5
7
7
・ ・
妊産婦の死亡率報告値(1980‐98年)
80
65
23
8
8
・ ・
16.1
9.5
5.0
71.2
23.6
192.7
4.7
2.7
1.4
19.6
6.0
54.8
人口(100万人)
(98年) 18才未満
5才未満
77
・ ・
86
・ ・
1.9
2.2
1.5
0.9
0.3
1.7
粗死亡率(%)
(98年)
6
5
6
8
8
6
粗出生率(%)
(98年)
24
25
20
14
10
23
合計特殊出生率(98年)
2.8
3.0
2.4
2.0
1.4
2.7
都市人口の比率(%)
(96年)
72
85
83
76
78
73
都市人口の年間平均増加率(%)
(90-98年)
2.4
2.3
1.6
1.1
0.5
2.0
経口補水療法の使用率(%)
(90-98年)
53
人口の年間増加率(%)
(90-98年)
・ ・
・ ・
・ ・
・ ・
58
(出典:UNICEF 世界子供白書 2000)
「コ」国の妊産婦の死亡率(出生 10 万人あたり)については、1990 年には 100 であっ
たが、98 年の報告では 80 と下がっており、改善が見られるが、妊産婦が病院までアクセ
スをしても検査、救急の部門において設備が整っていないために処置の対応が遅れている
状況がある。
保健指標で前進の速度に使用される 5 歳未満児死亡率は、「コ」国では年間平均低下
率(%)1960 年から 1980 年まで 4.1%、1980 年から 1994 年まで 8.1%と大きく改善され
ている。「コ」国は 5 歳未満児の下痢に対して使用される経口補水療法(ORT)の使用が
増加すれば、さらに死亡率が低下すると考えられる。
-4-
2-1-2 疾病構造
表 2-2 に対象地域であるキンディオ県の年齢別疾病構造を示す。全体的に急性呼吸器感
染症をはじめとした、呼吸器系の疾患が多く、年齢層も幅が広い。続いて、皮膚疾患、腸
炎・下痢症、生殖器系疾患、ウィルス性疾患が多い。その他、負傷・外傷が多いことも特徴
的である。60 歳以上の疾病としては高血圧が最も多く、11.2%を占めている。
表 2-2 キンディオ県年齢別疾病構造(1998 年)
TOTAL
数
%
24,840
6.7
16,863
4.6
13,542
3.7
13,393
3.6
12,873
3.5
12,867
3.5
12,624
3.4
12,383
3.4
10,736
2.9
9,881
2.7
9,376
2.5
9,136
2.5
8,676
2.3
8,160
2.2
7,229
2.0
6,963
1.9
6,951
1.9
4,935
1.3
4,903
1.3
4,030
1.1
<1
数
%
2,950
10.0
2,388
8.1
2,632
8.9
3,002
10.2
1,206
4.1
1,250
2.5
15,426
4.2
1,155
3.9
1,769
3.6
2,699
5.5
6,406
143,576
38.9
11,604
39.3
18,150
37.0
19,486
39.6
合計 369,363
100.0
29,541
100.0
49,093
100.0
49,170
年齢
疾病名
急性呼吸器感染症
皮膚及び皮下細胞組織疾患
腸炎・下痢症
呼吸器疾患
生殖器系疾患
ウィルス性疾患
血管破裂、負傷
消化器系疾患
泌尿器系疾患
聴覚器官疾患及び乳様突起
高血圧症
気管支炎、気腫、喘息
寄生虫病
眼科系疾患
骨・筋肉疾患及び結合組織疾患
表面上の外傷
周産期合併症
リューマチ
肺炎
糖尿病
心臓・循環器系疾患
関節炎、脊髄炎等
体調不良
その他
1-4
数
%
6,733
13.7
3,000
6.1
4,120
8.4
3,431
7.0
1,852
1,420
3.8
2.9
5-14
数
%
5,833
11.9
2,888
5.9
2,243
4.6
1,477
3.0
2,852
2,626
15-44
数
%
6,815
4.3
6,056
3.8
45-59
数
%
1,413
3.7
1,375
3.6
9,317
4,968
6,610
6,054
5,828
1,530
4.0
1,178
1,857
1,381
3.1
4.8
3.6
2,903
60以上
数
%
1,156
2.6
2,923
6.6
2,155
1,636
4.9
3.7
7.5
4,977
1,317
11.2
3.0
1,649
4.3
1,595
3.6
1,212
3.1
1,147
3.0
1,624
1,382
1,237
3.7
3.1
2.8
4.0
1,652
4.3
1,745
3.9
92,935
58.5
21,269
55.1
22,500
50.9
100.0 158,746
100.0
38,566
100.0
44,247
100.0
1,131
3.8
5.8
5.3
835
2.8
872
3.0
2,596
5.3
2,205
4.5
1,035
3.5
1,642
3,130
3.3
6.4
731
2.5
1,892
3,357
1,612
3.8
6.8
3.3
3,451
3,580
6,726
5.9
3.1
4.2
3.8
3.7
2.2
2.3
4.2
(出典:キンディオ県保健局資料)
1999 年 1 月 25 日に発生した地震により、多数の人が住宅を失い、上下水道インフラが
被害を受け、死者 1,185 名、重傷者 4,765 名、被災者約 40 万人という未曾有の被害をも
たらした。保健医療施設も大きな被害を受け、地震前には 15 の公立病院が存在していた
が、うち 7 病院が全半壊した。処置が必要な被災者が多数いたが、施設・設備の不備ある
いは、機材の故障等により、保健の基礎的医療サービスを提供することができない状況で
あった。また、食料不足、衛生状況の劣悪な状況のもと、感染力の強い疾病が流行する危
険性が高まり、キンディオ県においては急性呼吸器感染症、急性下痢症疾患に加えて、デ
ング熱、肝炎などが警戒態勢下におかれた。地震災害発生より 2 週間目から 5 週間目まで
に診断された患者の情報は 2,923 件記録されており、その内訳は急性下痢症 42.6%、急性
呼吸器感染症 33.6%、皮膚病 7.7%、デング熱 7.0%と伝染病疾患が 90%を越え、地震以
前に比べ、これら伝染病疾患の発症の割合が急激に増加した。外傷については 3.5%、そ
の他は慢性的な疾病(糖尿病など)であった(表 2-3 参照)。
-5-
表 2-3 地震前及び地震直後に診断された疾病数
1998 年
割合
3.7
6.7
4.6
−
1.9
1.3
−
3.5
2.7
−
−
−
−
−
3.6
−
−
−
−
疾病名
急性下痢症疾患
急性呼吸器感染症
皮膚病
デング熱
外傷
肝炎
水痘
ウイルス病
結膜炎
精神的不安
外傷後後遺症
中絶
疥癬
結核
呼吸器疾患
耳下腺炎
細菌性髄膜炎
マラリア
合計
1999 年(2 月)
割合(%)
事例数
42.6
1,225
33.6
965
7.7
221
7.0
200
3.5
102
1.4
40
1.3
37
0.9
26
0.6
18
0.6
16
0.3
9
0.1
4
0.1
4
0.1
2
0.1
2
0.1
2
0.0
1
0.0
1
100.0
2,875
*上表の 2,875 事例については慢性的疾患を除く。
キンディオ県において、急性呼吸器感染症、急性下痢症疾患に加えて、デング熱、肝炎
などが警戒態勢下に置かれている。表 2-4 はそれら疾病の市別の発症分布表である。
表 2-4 キンディオ県による集中的警戒態勢下の発症分布(1999 年 2 月)
市
急性
下痢症
%
急性呼吸
器感染症
%
皮膚炎
%
デング熱
%
%
肝炎
アルメニア
861
70.3
521
54.0
146
66.1
119
59.5
26
65.0
バルセロナ
40
3.3
107
11.1
15
6.8
4
2.0
2
5.0
ブエナビスタ
20
1.6
13
42.6
0
4
2.0
2
カラルカ
69
5.6
83
1.3
7
3.2
1
0.5
0
-
シルカシア
83
6.8
28
2.9
13
5.9
65
32.5
0
-
コルドバ
82
6.7
95
9.8
20
9.0
0
-
0
-
ラ・テバイダ
21
1.7
36
3.7
9
4.1
0
-
6
15.0
0
-
1
2.5
モンテネグロ
0
-
0
-
0
-
-
ピハオ
34
2.8
55
5.7
9
4.1
6
3.0
3
キンバヤ
15
1.2
27
2.8
2
0.9
1
0.5
0
965 100.0
221
100.0
200
100.0
40
合計
1,225 100.0
5.0
7.5
100.0
(出典:キンディオ県保健局資料)
なお、モンテネグロ市の数値については、地震後の混乱が大きく、データが不足してお
り統計ができていない状況であった。
-6-
表 2-5 にキンディオ県の 1998 年における主要な死因を示す。急性心筋梗塞をはじめ、
心臓・循環器系疾患、呼吸器系疾患が多く、また、殺人・暴力などによる意図的危害による
死亡も多い。
表 2-5 キンディオ県主要死因(1998 年)
順位
死因
死亡者数
1
急性心筋梗塞
死亡率
(1万人あたり)
350
6.4
2
殺人・他人からの意図的危害
330
6.0
3
呼吸器系疾患
219
4.0
4
心臓・循環器系疾患
188
3.4
5
脳脈疾患
163
3.0
6
交通事故
132
2.4
7
悪性腫瘍(胃を除く)
131
2.4
8
胎児・新生児死亡(9以外)
118
2.2
9
新生児無酸素症等
99
1.8
10
糖尿病
93
1.7
11
敗血症
90
1.6
12
胃悪性腫瘍
78
1.4
13
気管支炎
77
1.4
14
高血圧症
76
1.4
15
消化器系疾患
70
1.3
(出典:キンディオ県保健局資料)
「コ」国においては疾病の二元化が特徴となっている。すなわち低所得者層には伝染病
疾患(下痢、急性呼吸系疾患等)
、外傷が多く、高所得者層には糖尿病、循環器系疾患が
多くなっている。キンディオ県においては、感染症、下痢、外傷等が多い。
死亡率に関しても、もっとも深刻な地震の被害を受けたのはキンディオ県であり、死亡
数 1,185 名の内、キンディオ県における死亡数は 811 人と記録されている。地震の影響
により、基礎的医療サービスが行えていない現状からも、保健医療サービスの回復が急務
となっている。
-7-
2-1-3 保健医療サービス体制
保健省の保健医療体制は、全国をまず 33 の衛生区に分け、次に各衛生区をさらに地域
に分類し総括しており、このうち、各衛生区は各県の県長により管理・運営されている。
また、医療施設の配慮については、まず地方区内の各地域ごとに中核をなす第三次病院が
置かれ、高度かつ総合的な保健医療サービスを提供し、周辺医療施設の要となっており、
その下に僻地の小都市をカバーすべくベッド数 15∼50 床程度の第二次病院、最低 1 名の
医師および若干名の看護婦を有し、主に応急処置等を行う保健所、医師を有しない予防医
学の前線基地ともいうべき保健ステーションが配置されている。
全国の医療施設数
(33 の衛生区)
保健省
サービス内容
総合病院
33 病院
15∼50 床病院
146 病院
最低 1 名の医師、
若干名の看護婦
4,714 病院
本計画対象各病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
第三次病院
全科に対 応し専門、高度的
な診断・治療を行う。
第二次病院
ラ・ミセリコルディア病院
第一次対応病院をもつ市では 1
か 2 ヶ所に配備されている。専
門医がいて、入院、救急、診断・
治療を行う。
サン・カミロ病院
第一次病院
外来、救急、簡単な治療を行う。
保健所
サン・ヴィセンテ病院
保健ステーション
(医師不在)
図 2-1 保健医療サービス体制図
現在「コ」国では、中央集権制度から地方分権化および地方機関の地域社会への委譲を
行っている。これは地方機関が第二次、第三次病院の運営を行うことにより、地域でのき
め細かい医療サービスを可能ならしめるためである。
「コ」国における医療施設の約 92%が政府系医療機関で占められ、ベッド数の約 72%
が政府系医療機関にある。他に社会保険病院が 41 ある。国立病院数は第三次病院 33、第
二次病院 146、第一次病院 4,714 である。ベッド数は全部で 33,663 床あり、第三次病院
-8-
では約 25%、第二次病院では約 29%を占めている。国立病院では患者数の約 60%を受け
入れる能力がある。
表 2-6 にキンディオ県における医療施設数を示す。キンディオ県にある医療施設はキン
ディオ県保健局により統括されている。図 2-2 にキンディオ県保健局組織図を示す。
表 2-6 キンディオ県各市別保健医療施設数
都市
保健センター
保健所
1次レベル
病院
12
1
1
アルメニア
2次レベル
病院
3次レベル
病院
県保健局出資の保健医
療サービス提供機関
1
4
1
バルセロナ
1
ブエナビスタ
3
カラルカ
2
3
1
1
1
1
コルドバ
1
1
ジェノバ
1
シルカシア
2
フィランディア
ラ・テバイダ
1
1
1
1
1
モンテネグロ
1
1
1
ピハオ
1
1
1
キンバヤ
7
1
1
サレント
15
合計
1
1
18
12
1
2
1
13
(出典:キンディオ県保健局資料)
局長
監視・規制委員
技術委員会
局内監査室
法務室
事務局長
技術・計画調整
推進・予防
社会保障
管理・財政
推進・予防調整
監視・規制調整
基本サービス・人材
サービス網調整
財務調整
図 2-2 キンディオ県保健局組織図
-9-
2-1-4 医療従事者数
表 2-7 に「コ」国医療従事者推移等を示す。1997 年までの 5 年間に医師数は約 1.15 倍、
歯科医師数は 1.02 倍、看護婦数は 1.21 倍、准看護婦数は 1.12 倍、その他の医療従事者数
は 1.14 倍に増加している。
なお、
「コ」国では医薬分業になっており、さらに医師は国立・公立病院で働きながら、
勤務外の時間を利用して個人的に医院を経営している場合と民間病院で働いている場合が
ある。
表 2-7 「コ」国医療従事者推移等
1993
1994
1995
1996
1997
病院数
1,002
1,020
1,032
1,080
1,165
ベッド数
46,107
46,196
46,284
46,373
47,236
ベッド数対千人
1.37
1.34
1.31
1.30
1.29
医師数
34,962
36,236
37,608
38,982
40,355
歯科医数
18,091
19,059
20,106
21,113
22,121
看護婦数
11,164
11,762
12,361
12,959
13,558
准看護婦数
34,335
35,433
36,531
37,630
38,728
その他医療従事者数
8,344
8,695
9,047
9,398
9,574
(出典:保健省資料)
表 2-8 にキンディオ県の保健医療従事者数を示す。1999 年のデータは地震のため、正確
なデータではない。そのため 1998 年のデータとの差が大きいが、1996 年から 1998 年ま
でのデータを比較すると、医療従事者の合計は約 8.6 倍に増加している。
表 2-8 キンディオ県保健医療従事者数
1996 年
1997 年
1998 年
1999 年 10 月現在
医師
30
46
71
57
歯科医
19
25
25
17
看護婦
7
4
23
5
准看護婦
33
87
375
109
病理検査技師
10
7
21
8
-
-
15
8
50
98
434
130
臨床検査技師助手
合計
注)99 年のデータは地震のため、おおよその数である。
- 10 -
(出典:キンディオ県保健局資料)
2-1-5 医療教育
「コ」国では初等教育(5 年)、中等教育(6 年)を修了した者に対し医科大学におい
て、医師・歯科医を初め看護婦、検査技師、薬剤師の教育を行っている。医師のインターン
は 1 年間である。放射線技術・画像診断に関しては、大学医学部において放射線診断・治療
の技術を教育している。放射線機材の操作、保守管理技術に関しては、テクノロジスト養
成機関において放射線技術養成のコースを設けている。年数は医科大学 6 年、技術育成短
大 3 年となっている。さらに毎年約 2,500 名の医師、約 700 名の看護婦が卒業している。
専門医の約 43%は、産婦人科、小児科、一般外科、麻酔科の 4 つの専門に片寄っている。
また、病院建設基金において、医療機材の保守管理技術者の養成部門が設置されて、より
高度かつ実践的な技術教育を行っている。
2-1-6 保健医療分野の現状と問題点
1999 年 1 月 25 日に発生した「コ」国中西部地震の保健医療分野において、キンデイ
オ県にある全病院に関して地震後に調査した結果は、表 2-9 のとおりである。なお、死亡
率に関しては、最も深刻な被害を受けたのは、キンディオ県であった。「コ」国赤十字お
よび検察庁の資料によると、同県では地震を直接的原因とする死亡が 811 人記録されて
いる。
- 11 -
表 2-9 医療機関の基礎構造への被害 キンディオ県報告書 1999 年 1 月 30 日
全体
必要経
費
考察
(100 万)
$ 500
約 110 億 ペ
ソの費用で
補強工事が
行われてい
る。段階別
工事。
$ 15
改築中
4,600
$ 3,500
補強および
新施設の建
築予算を検
討中。保健
センター予
定地
全体
$ 20
工事のため
の準備段階
1,800
$ 1,200
全体
$ 20
一時的休院
入院と外科
は受け付け
なし
開院中
1,600
$ 1,200
報告な
し
報告な
し
1,200
$ 800
ブエナビスタ サン・カミロ病 基礎構造のない建築。70%の粗石積みに影響。倒壊の危険の高い後
院
部玄関の二つの壁の解体が言い渡された。病院組織の避難。
800
$ 300
バルセロナ
100
$5
基礎構造の
完 全 な 損
失。病院組
織の避難
構造の補強
にかかるコ
ストについ
て、より詳
しい見積を
実施中
開院中
500
$ 50
一部開院中
報告な
し
--------
報告な
し
--------
開院中
--------
--------
開院中
自治体
アルメニア
アルメニア
カラルカ
医療機関
被害状況
サン・ファン・ 建物全体の粗石積みへの被害。倒壊の可能性のある壁あり。3 階部
デ・ディオス大 分の小児科の屋根(天井)がはがれているため、応急サービス室への
学病院
水の浸透。焼却炉の管が接続部分のネジの破損と煙突の破損のため
危険な状態にある。2 階の外科、3 階の産科の壁への被害。
HU の構造への補強と釣り合いを取る作業を継続する必要がある。
そのためには約 110 億ペソの費用が必要。
公立インテル・ 粗石積みと天井に軽い損害。建築構造にはサービスの提供を妨げる
デル・スルセン ような被害はない。
ター
ラ・ミセルコル 粗石積みに深刻な亀裂があり、倒壊の危険性が高い。X 線室と外科
ディア病院
に危険度の高い被害が見られる。構造はかなり軽量で柔軟性にとん
でいる。構造上の被害は 1 階(救急)の階段の柱に見られる。同様に
ガス網の支柱と設備全体に被害がある。また、外科の天井部分にも
被害が見られる。外来診療部分は天井壁が倒壊し、完全に損害を受
けている。
ラ ・ テ バ イ ピオ 10 世病院
ダ
機能に問題を来さない程度の軽度の被害。石綿セメントで屋根が固
定されていなかったため、本部の屋根とひさしに部分的な欠落あ
り。地下の用水タンクに亀裂、玄関のひさしの落下。囲いの壁の一
部が倒壊。
モ ン テ ネ グ サン・ビセンテ 外科、不妊手術科、分娩室、入院棟のある部分とこの部分へ至る連
ロ
病院
絡通路の構造と粗石積みに重大な被害がある。キンバジャ市への道
路に地質学的な問題がある可能性がある(救急搬送時の通路)
。1,000
リットルの水のタンクの破壊。
シルカシア
サ ン ・ ビ セ ン 基礎構造に軽度の被害。入院棟の水関連の設備の破壊。ネットと化
テ・デ・パウル 粧漆喰の天井に亀裂がある。主要道に面した囲いの壁が倒壊。
病院
ピハオ
サンタ・アナ病 全体的に深刻な被害。80%の壁が倒壊寸前。基礎のない壁構造。床
院
の不均衡と亀裂。
ヘノバ
サ ン ・ ビ セ ン 報告なし。
テ・デ・パウル 地上道からのアクセス不可能。.
病院
コルドバ
サン・ロケ病院 全体的に深刻な被害。85%の壁の倒壊。鉄筋基礎構造の屋根部分が
中央庭園に落下。
バルセロナ病院
粗石積みに軽度の被害。南側玄関のひさしの落下。本部の屋根の落
下。1,000 リットル用タンクの落下。
サレント
サ ン ・ ビ セ ン 報告なし。連絡によれば、老朽化していた部分の屋根に破損が見ら
テ・デパウル病 れる。
院
キンバジャ
サグラド・コラ 報告なし。連絡によれば、深刻な被害はない模様。
ソン
フ ィ ラ ン デ 精神病院
被害なし。
ィア
フ ィ ラ ン デ サ ン ・ ビ セ ン 被害なし。
ィア
テ・デパウル病
院
合計
被害面
積
(m2)
m2)
21,800
基礎構造の
完全な損失
$ 7,610
(出典:保健省有形資産プログラム)
- 12 -
2-2 当該セクターの開発計画
2-2-1 上位計画
国家開発計画の概要は以下のとおりである。
(1) 国家開発計画
「1999 年∼2002 年国家開発計画」の保健医療に関しての目次は以下のとおりである。
1)保健、交通事故被害者、および自然災害被災者に対する助成制度への加入と救急
ネットワークの強化
2)基礎的保健医療サービス計画
3)その他のプログラム
3-1)財政の安定
3-2)カバー率の向上
3-3)医療保険会社と医療サービス提供者
3-4)医療サービスの質を保証するシステムの強化
3-5)公立病院
3-6)情報システム
3-7)監視・管理システム
3-8)医療研究
また、コーヒー生産地帯(再建)復興計画についての記述は以下のとおりである。
「国家開発計画の一部として、コーヒー生産地帯の地震被災地域の再建復興のための戦
略が含まれる。これによりこの地域の持続的な開発を進め、住民の生活の質的向上を図り、
この地域が再びわが国の経済および国際経済の中に登場できるようにする。上記の戦略に
ついては、今後「投資計画」および「投資実行メカニズム」を通じて実行されることになろ
う。
」
(2) 保健医療開発計画
保健医療開発計画は現在作成中であり、基本となるのは国家開発計画であるため、
その中で保健医療に該当する箇所を以下に抜粋する。
● (公的補助)健康への加入、交通事故、被災者、自然災害被災者の救済、救命救
急ネットワークの強化
国家中央政府および各地方自治体(県、各市町村)は、
(公的補助)健康保険制
度への加入率を上げ、さらに拡大に努める。そのための資金として FOSYGA(助
け合い保証基金)の連帯資金口座の資金および(公的補助)健康保険制度のその
他の資金を充当する。
- 13 -
(公的補助)健康保険加入者の数を各地域毎に割り当てる場合は、NBI(貧困
指数)の高い地域、加入者数の少ない地域を優先して地域間の格差の縮小に努め
る。1993 年法律 100 の義務と平等の原則を遵守するためである。
ECAT(天災と交通事故)資金口座の資金は、交通事故やテロリストの攻撃、
天災、その他国家保健社会保障委員会の認める出来事などの被災者の救済活動に
あてられ、同時にこうした被災者の死亡や心身障害の補償金や葬式費用、医療施
設までの搬送費用にもあてられる。その上で、ECAT の資金は、全国救命救急ネ
ットワークの強化、交通事故、天災、テロリスト活動の予防・救済、これらの被害
者の治療やリハビリにあてられる。
● 基本的保健医療サービス計画(PAB)
保健省、環境省、教育省、各地方分権機関(県・市町村)は、基本的保健医療サ
ービス計画の枠組みの中で、疾病制圧のための戦略をたて、特に保健推進、地域
社会の参加、環境整備に重点をおく。中央政府、地方自治体、EPS、ARS は「予
防注射拡大計画」の目標値達成のため必要なワクチン供給に優先的に資金をあてる。
● その他の計画、戦略
‐国内難民(テロ活動などにより、住んでいた場所から強制的に追われた人々)
への保健医療サービスを推進する。
‐未成年者のアルコール、たばこ、その他の有毒物の消費を防止する。
‐心身障害者の社会統合を進め、機会均等を図る。
● その他のプログラム
<財政面の安定について>
‐SGSSS(総合保険医療保障制度)の財政安定を図るため、拠出金の不払いや支
払回避を防ぐため、SGSSS の拠出金徴収窓口を一つにまとめられるかどうか
の可能性を検討する。あるいは拠出金支払い義務者を 1 ヶ所に登録する情報シ
ステムを利用する。
‐保険制度への多重加入や不正加入を防止する。
‐EPS(医療保険会社)や ARS(公的補助健康保険管理機関)が破産や支払不能
といった状況におちいった場合に SGSSS 加入者の権利を保護するメカニズム
を創設する。
‐(公的補助)健康保健制度を維持していけるよう、その資金を確保する。
‐すべての人が、保健医療サービスにアクセスできるよう 1996 年法律 344 の移
行(供給から需要へと補助金支払いを変更する)を一時中断する。それは、保
険未加入者が医療サービスを受けられ、(公的補助)健康保険制度の POS(最
- 14 -
低医療サービス提供保障プラン)に含まれていない病気の治療が受けられるよ
うにするためである。
‐保健社会保障委員会は、財政資金と未加入者・加入者の人口を考慮にいれて供給
から需要への移行について見直しを行う。
‐SISBEN(医療保険制度受益者選抜制度)の(3)と(4)のレベルに該当する
自営業者のために一部公的補助のシステムをつくる。
‐政府はその一部公的補助に必要な資金を拠出する。また、これら自営業者がそ
の収入に応じて保険料を支払えるよう支払能力を決定できる調査の資金を負担
する。保険料の%を下げるか、均等割にするか検討し、(公的補助)健康保険に
貧困層でない人々が加入しないようにする。健康保険に加入できるのに加入し
ない人は、必要な医療費を全額負担しなければならない。
● 医療保険会社および医療機関
EPS、ARS、医療機関の現行の設立条件を見直し、技術、運営、財政面での条
件が正しく整っているようにする。財政的な能力に欠けている機関は、解散整理
する。ARS および EPS は、リスクを補完し、財政能力を強化するため、グルー
プ化することができる。
ARS が医療サービス支払いに充当する資金が年度内に全額必要でない場合は、
支払準備金として積み立てをしておかなければならない。
● 医療サービスの質を保証するシステムの強化
医療機関および EPS における質を保証するシステム強化を質的向上を奨励す
るメカニズムにより図る。
● 公立病院
公立病院は ESE(国家社会公社)に転換しなければならない。そのためには、
人員をリストラし、
(雇用)契約システムを順応性のあるものに代え、経営を改善
し、レファレルシステムを充実・強化し、医療内容を適切なものにして、今後も病
院としての機能を持続していけるようにしなければならない。そのため、政府は
公立保健医療サービス網を制度的に強化する計画を推進し、地方自治体(県およ
び各市町村)および/または病院と共同で資金を調達する。目的は保健推進・予防・
防護・治療といった保健医療サービスを総合的な形で提供できるよう改善するため
である。いずれにせよ法律により認められている、または合意により認められて
いる従来の法的権利が損なわれることはない。
保健省と地方自治体(県および市町村)は、その病院のレベルおよびその地方
の可能性に応じて、必要とされる適切な人員配置にするため、技術的支援、研修
- 15 -
養成およびクレジット(借款)による財政支援をする。国家社会保障審議会は、
ARS と公立医療機関との間の契約条件や最低パーセンテージを決定する権限を有
する。政府は、ESE の理事会(構成)メンバーの構成や性格、資格について法律
で規定する。
● 情報システム
SGSSS の監視およびコントロールシステムと保健医療部門の科学的調査、研
究を行う。
(3) 地震後の復興プロセス
1999 年 1 月 25 日
「コ」西部地震が発生
↓
1999 年 1 月 29 日
地震後の対応について大統領政令が発令
↓
1999 年 1 月 30 日
・法令 197 により FOREC を設立
・法令 350 第 18 条により FOREC が復興計画を支援することが可能となる
・法令 350 第 56 条により FOREC が病院等を支援することが可能となる
・国家保健社会保障諮問委員会が協定 122、124 により保健サービスに上限 50 億ペソの
活動支援を約束
↓
1999 年 1 月 30 日
キンディオ県保健局が病院地震報告リストを作成
↓
1999 年 3 月 9 日
策定中の国家開発計画に、地震についての記載を行う
↓
1999 年 3 月 12 日
保健省が病院緊急復興計画を策定
1)保健省とキンディオ県保健局が 6 病院施設復興計画を策定
2)保健省とキンディオ県保健局が医療機材については外国援助に頼ることを決定
↓
1999 年 4 月 30 日
保健省、FOREC、キンディオ県保健局、アルメニア市保健部が地震復興のための協定
書に署名 No.0011
1)保健省とキンディオ県保健局が施設については「コ」側で負担することを決定
2)保健省とキンディオ県保健局が FOREC、保険金、その他の資金の手当てを打診
3)キンディオ県がピハオ、コルドバの 2 病院を担当
4)FOREC が 3 病院を担当
5)保健省がサン・ファン・デ・ディオス病院を担当
- 16 -
↓
1999 年 4 月 19 日
「コ」政府が日本政府等に無償資金協力の要請を提出
↓
1999 年 5 月 17 日
「コ」国大統領が来日し、援助の要請を依頼
↓
1999 年 6 月 28 日
FOREC が地震後の行動計画を策定
↓
1999 年 7 月 6 日∼7 日
6 病院中 2 病院はドイツの有償援助で行うことを決定
↓
1999 年 8 月 20 日
キンディオ県保健局が病院施設復興報告書を作成
↓
1999 年 10 月 21 日
保健省とキンディオ県保健局が病院施設復興計画の状況書を策定
(4) FOREC(コーヒー生産地帯再建・社会開発基金)
FOREC(Fondo para la Reconstrucción y Desarrollo Social del Eje Cafetero)は地震か
らの復興に関して、資金的な面の窓口になっている。そのため、FOREC の概要を以下に
示す。キンディオ県全体の援助の内容に関しては FOREC が管理しており、保健医療分
野においても保健省ではなく、FOREC が管理している。
FOREC は大統領府直属で法人格を有し、独立採算性をとり、基金の目的は地震によっ
て被害を受けた「コーヒー生産地帯」の再建であり、本部はアルメニア市にある。
ヴィジョン
コーヒー生産地帯の現代的・全体的経済樹立への構造的・斬新的飛躍を求めること。そし
て、その生産力の物理的側面での再構築を進めるとともに、「コ」国において公正社会の
実現を目指し、独自なリーダーシップを発揮していた先人たちの楽観主義と努力とを、人
間的エネルギーと社会的ダイナミズムとをもって伝達しているところの、そして、敬意と
団結、および責任の引き受けと活動への参加とを基礎におくところの地域文化の発展を進
めること。
任務
FOREC は国家的災厄をめぐっての全体的な公的処置を、国家資金の運用において迅速、
清廉、責任の引き受け、効率といった諸価値に縁取られた諸企業の連帯網を用い、かつ友
- 17 -
愛心と分担精神とをもつ組織化されたチームのテクノロジカルな支援を得て、遂行するこ
とを任務とする。
FOREC:財政および契約のシステム
基金はこの「コーヒー生産地帯」が社会的・経済的に再活性化するための組織である。
従って雇用を創出するような発案や、より多くの人を雇用し、この地方の経済を強化する
企業を承認する。
基金は県知事や市長村長、コミュニティのリーダーに技術的な援助を通じて協力し、彼
らがこの地域の再建計画を策定、実行、評価できるようにする。資金の支給は迅速かつ効
率的に行い、支出やプロジェクトの進捗が最善の形で行われるよう要求する。
基金の使途については透明性を重視している。すべての活動について必要とする人に公
開し適切な形で情報を提供する。会計検査院、訴訟代理人、検察庁、
「国民の権利擁護者」
国際的に有名な会計監査会社の協力も得る。
資産
z
z
z
z
国家予算
国際協力による資金
寄付
国内/国際クレジット
FOREC
信託
運営細則
地域管理事務所との契約及び横断契約
z
z
z
z
緊急事態対策
強化対策
地域活動計画
再建計画
⇒ 地区別詳細プロジェクト
⇒ 活動計画
⇒ 実働計画
⇒ 社会組織計画
コーヒー生産者連合、道路公団、
地域政治経済社会会議、
ラ・プレビソーラ保険、
統計局基金、地質鉱山調査庁、
ロス・アンデス大学、キンディオ
大学等
図 2-3 FOREC 概要
- 18 -
「コーヒー生産地帯」の再建にあたっては、1999 年 1 月 25 日の状況に戻すのではな
く、社会的、経済的、政治的な状況を効率性の高い競争力のある状況にして、21 世紀を
迎えられるようにする。この災害(地震)をひとつの人生の特典として、この地方、この国
の将来を決めるようにすべきである。
全国コーヒー生産者連盟(Federación Nacional de Cafeteros)が農村地域開発の諸計
画のコーディネートをする。資金の割り当てについては FOREC が上記連盟の決めた方
針を参考にして決める。
コーヒー生産地域以外の地域については、農業農村開発省(Minsterio de Agricultura y
Desarrollo Rural)およびコーヒー生産者委員会(Comité de Cafetero)との調整の上、
その地域の総合的な開発に役立つよう資金を割り当てる。FOREC 以外に、各市町村のコ
ミュニティ組織や、NGO が市長村長や知事と調整しつつ、この地方の再建に努力する。
NGO の活動を監督するのは、各市町村当局、コミュニティの監視機関、会計検査院、訴
訟代理人、県や市の会計監査機関である。その他に各プロジェクトごとに一緒に仕事をす
る機関や監査役を勤める機関がある。
ゾーン・マネージメント(Gerencia Zonal)
問題を地域ごとに分割し、より詳細に、身近でその解決にあたれるよう、FOREC はゾ
ーン・マネージメントに権限を委任する。ゾーン・マネージメントは NGO が公募によって
選ばれる。この NGO というのは利益を目的としない社会的な組織、アカデミックな機関
または同業者組織で実績があり、管理運営能力、財政能力のある組織を云う。その使命は
公益の為に働くことにある。アルメニア市では被害の規模に応じて 15 の「ゾーン・マネ
ージャー」が指名される。2 つか3つの市町村をひとつのゾーンとし、「ゾーン・マネージ
ャー」が指名される。
各市町村はその管轄区域について将来を見据えて、国土計画や地域の開発計画に沿って
計画を作り、次なる災害に備えて危険地域を示す地図を作る。
資金の総額は 1999 年 4 月 15 日現在で 5,932,268,299.69 ペソ(約 3 億円)に上り、ボ
ゴタ銀行の FOREC の口座に入っている。その他にも第三者が災害復興のために解説し
た銀行口座が 97 あり、これらの口座の金はまだ FOREC には渡されていない。金額は不
詳であるが、推定で 80 億ペソ(約 4 億円)と思われる。
基金はアンドレス・パストラーナ・アランゴ大統領の指示のもとに、地震の影響を受け
た 28 市町村のそれぞれを物理的・経済的・社会的に立て直すことを目指しており、住宅や
- 19 -
建物、教会、学校、農場、病院の再建に努力する。
大統領が 9 名から成る評議会メンバーを任命。評議員は殆ど全員が「コーヒー生産地
帯」に属している。評議会委員長は Dr. Luis Carlos Villegas。実際に運営にあたる運営
委員長は María Mercedes Botero で、
彼女と他に 10 人以上の専門家が技術委員会
(Comité
Técnico Nacional)を構成する。同時に知事や市長村長、コミュニティも再建の主役とし
て積極的に参加する。
図 2-4 に FOREC の組織図を示す。なお、
( )内はスタッフ数である。
共和国大統領
外郭会計検査事務所
会計検査院−検察庁
理事会
企画庁
地域当局
執行部(3)
国内専門家委員会
地域管理事務所
支援部隊
区画整理及び都市開発(3)
法律(5)
インフラストラクチャー
及び公共業務(3)
財政(3)
運営(25)
住宅および都市更新(4)
情報処理(6)
教育(2)
コミュニケーション(3)
保健(2)
専門的情報(15)
社会(5)
内部規制(1)
雇用と収入の産出(1)
環境(1)
プロジェクト管理とフォ
ローアップ(3)
国際関係(1)
図 2-4 FOREC 組織図
- 20 -
(5) 健康保険について
低所得者は、市町村の役所と連絡をとり、SISBEN(医療保険制度受益者選抜制度)
によりアンケートに回答し、階層が決定される。低所得者層は、階層 1 から 3 であるが、
現在は、階層 1 と階層 2 を優先している。その中でも、妊婦、母子家庭、子供、老人、
身体障害者、先住民が優先される。保険は国、県、市町村の予算によりまかなわれている。
国は FOSYGA(助け合い保証基金)より予算が入り、県は国からの財政補助、公的医療
サービスの割り当て金、宝くじ、酒税などの予算である。市町村は国からの補助金でまか
なわれる。
保険に加入していない人は、下記の割合を支払う。
階層
階層 1
階層 2
階層 3
階層 4∼6
個人負担
5%
10%
30%
100%
国等の負担
95%
90%
70%
0%
*POS-S の範囲
限定なし
限定
限定
限定なし
所属医療サービス会社
ARS
ARS
ARS あるいは EPS
EPS
注)*POS-S:最低医療サービス提供プラン…公的補助健保加入者用
実際は、階層 1 および 2 の人々は、個人負担分も支払えない状況であり、その分、病
院側の経費負担になっている。階層 0 は、黒人、原住民などであり、国が 100%負担にな
る。
(6)法律 100 号(1993 年発令)の概要
SGSSS(総合保険医療保証制度)はこの法律により定められた。内訳は、年金、健康
保険(拠出型、公的補助型、未加入者)、労災、貧困老人福祉、その他補完するサービス
となっている。新しい保険制度では、医療保険会社(EPS)が、利用者(患者)に加入
してもらい、EPS が契約している契約病院を通じて保健医療サービスを保障する。この
法律により 2000 年までに「コ」国全土の人々の健康が社会保険で賄えられることになって
いる。同法律の特記事項として、保健医療サービス提供の組織化があげられる。これは基
本計画、保険義務計画、補完計画を立てて、予防・治療・リハビリのサービスを提供するこ
とである。
保険カードをもらえなく待機している住民(Vinculado:保険未加入者)は、ある程度
の金額を支払うと診察をしてもらえる。保険カードをもらえない低所得者は人権侵害で国
に対して裁判を起こして高額医療を受けることが可能である。救急で病院に患者が行けば
病院は断ることができない。
- 21 -
FOSYGA(助け合い保証基金)
FOSYGA の口座は以下の 4 つに分かれている。
①拠出型の保証口座(収支のバランスをとる)
②公的補助型に対する連帯資金口座
③保健推進、予防防止の口座
④天災、交通事故に対する口座
国からの国庫補助金である地方交付金のうち、25%を保健分野に使用し、その内 60%
は保険カードによる支払いにまわし、残りの 40%は待機している人が病気になり診断・治
療にかかった支払または、健康推進、ワクチン接種などにあてられる。
(7) 医療保険会社(EPS:Empresas Promotoras de Salud)
EPS の役割は、保健医療サービス提供者である病院と利用者との間の仲介者として
存在し、保健医療サービスを保証する契約・義務化システムを構築するため、「コ」国政
府とともに法制化およびプログラムを進めている。EPS は社会保険に加入していない
人々の加入を促進するが、利用者の選択の自由は保証している。加入者の健康状態を
良好に保つため、義務保険計画に定められた医療サービスを組織・保証するとともに、
合理化を行い、情報提供・啓蒙活動をし、手続きをより良き方向へ作りだす努力をして
いる。
保険金の支払については、勤務者の場合総額給与から、会社が 8%、個人が 4%の割
合で天引きされる。自営業者の場合は、法律で定められている最低賃金の 2 倍の 12%
を支払うことになっているが、今後は、クレジットカードの限度額を加味して行う方
針である。年金者の場合は、年金月額の 12%を支払うことになっている。
SGSSS
公的補助型
EPS
拠出型
公的
契約
EPS
民間
•
ARS
最低医療サービス提供
最低医療サービス
提供
IPS
勤労者
公的-ESE
自営業者
応分の保険料を負担
民間-クリニック
128,530 ペソ/年間 1 人当り
244,577 ペソ/年間 1 人当り
図 2-5 保険のしくみ
- 22 -
IPS
加入者が EPS へ支払った 12%のうち、1%は FOSYGA 経由で公的補助型 EPS へ移
すことになる。また、0.5%は保健の予防、健康活動、さらに 2.5%は病気、怪我など
による休業手当て、一般的事故にまわすことが定められている。残りの加入者の扶養
家族に応じたバランスを調整するために使用する。
ゲリラによる占拠および暴力により居住地を追放された、保険カードを所有してい
る患者は、他の県で診療が可能であるが、地震の際には適用されない。EPS は、一定
期間低所得者層を対象としている病院とも契約する条項がある。
EPS は FOSYGA を通じて、赤字および黒字の精算を行うため、経営的には厳しく
ない。また、EPS は 31 社、ARS は 262 社あり、EPS のうち ARS も扱っている会社
は 1 社のみである。今後は、ARS の設立条件を厳しくすることを行う方針である。EPS
も ARS も加入者が自由に選択ができるが、EPS は個人が保険金を支払い、ARS への
均等割の負担金は市町村の長が支払う。市町村の長が ARS に対して金額を支払った
段階で、POS-S を保証した保険カードを発行してもらう。ARS は IPS と契約をし、
クリニック、病院、保健所、個人クリニック、薬局と契約をかわして医療サービスを
提供する。ARS の契約は、1 年を最低とし、4 月 1 日から 3 月 31 日あるいは 10 月 1
日から 9 月 30 日までの、年に 2 回の支払形態を選択する。
- 23 -
(8)法律 60 号(1993 年発令)の概要
この法律は地方分権化政策を促進するものである。各県・各特別区に権限を与え、医療
活動を各々の責任で行わせ、県・区・市の各レベルでの体制が整えられるように分権化を実
現させる。第一次医療レベルは市、第二次と第三次レベルは県あるいは区の保健局が担当
する。また、国家の保健医療補助金を各県・特別区の低所得者数、財政運営努力状況に応
じて配分する。この法律の特徴の一つは、各病院の保健医療サービスの供給レベルを一定
レベルにする制度を維持していくことである。そのため一定の補助金は毎年配分されるが、
人口または応対患者数により大幅に変動することはない。補助金は県あるいは区に配分さ
れるが、その後各々の保健機関に配分される。大きな病院では院長以外に医療担当、財務
担当などの副院長が配置されている。病院は独立し、単独で運営することも可能であり、
理事会などの判断で投資を行うことも可能である。
今までは需要に応じて、県からは歳入による割り当て金を、国庫からは財政支出として
の補助金を拠出していた。しかしながら、補助金を削減すれば病院経営が厳しくなるため、
1999 年法律 508 により、この割合を凍結し、当面は 1999 年の削減率で 2000 年も行う
ことになった。2001 年以降はまだ決定されていない。
理由としては、以下があげられる。
①待機者がまだ数多くいるため、診断・治療に対する病院の経費がかかるため
②POS-S と POS のサービスに違いがあるため
③精神病院などの特殊な病院は補助金がまだ必要であるため
④請求システムが需要に応じて発行できないため
法律で定められた補助金の削減率は、以下のとおりである。
1997 年
1998 年
1999 年
2000 年
国からの補助金(国→県→市町村)
15%削減
25%削減
35%削減
60%削減
県からの補助金(県→市町村)
削減なし
15%削減
35%削減
60%削減
2-2-2 財政事情
「コ」国における国家予算および、それに対する保健省予算の割合を表 2-10 に示す。
表 2-10 国家予算における保健省予算の割合
(単位:億ペソ)
①国家予算
②保健省予算
②/①×100(%)
1994
1995
1996
1997
1998
12,031.7
615.3
5.11
13,703.1
938.4
6.85
21,321.0
1,309.4
6.14
25,790.2
1,597.9
6.20
29,799.1
1,862.7
6.25
- 24 -
1998
(1-8 月)
20,620.3
1,483.2
7.19
1999
(1-8 月)
23,406.6
1,054.1
4.50
「コ」国の保健省歳出実績の推移を表 2-11 に示す。
表 2-11 保健省歳出実績
(単位:ペソ)
1997
費目
人件費
一般経費
1998
2000(予算)
1999
18,507,980,333
12,122,383,485
13,885,451,998
14,898,798,843
6,842,407,065
4,183,784,253
3,148,444,077
2,121,856,571
活動費
894,623,587,027 1,082,279,392,447 1,316,902,009,181
296,049,837,120
出資金
686,911,186,632
810,120,423,352
673,000,558,000
合計 1,606,885,161,057 2,041,869,340,993 2,144,056,328,608
986,071,050,534
943,283,780,808
(出典:保健省資料)
保健省予算が 1999 年より減り、2000 年には大幅に減っているが、これは①経済の停
滞、②各種プログラム経費が保健省予算とは別の枠組みで確保されることになったためで
ある。
「コ」国の会計年度は、1 月から 12 月である。来年度の予算は 6 月に審議し、9 月の国
会承認、11 月に大枠が決定される。各病院の予算推移に付いては 4-2-2 に示す。なお「コ」
国の社会・経済事情は資料 4 に添付する。
2-3 他援助機関との関連
保健医療分野と関連がある他の援助国・援助機関の援助内容を記載する。
ドナー名
期間
援助形態
ドイツ
2年
技術協力
イタリア
1年
設備供与
オランダ
3年
技術協力
援助額
援助内容
(千ドル)
2,135 ククタとボゴタの周辺共同体の対応を改
善し、社会保障システムの地方分権化と
改革の責任者を担当させる。
1,500 ARAUCA の BEATO
RICARDOPAMPURI 病院
825 ナリーニョ県における 5 ヶ所の市の産
科部門の開発
地震後の他ドナーの状況について保健省が分かっている内容は、以下のとおりである。
ただし、地震による援助は、FOREC が担当しており、また他国からの援助については
A.C.C.I.(コロンビア国際協力庁)が行っているため、保健省より各機関に依頼をして援
助内容をまとめている最中である。
ドナー名
ドイツ
期間
約2年
援助形態
有償援助
援助額
100 万マルク
- 25 -
援助内容
ピハオのサンタ・アナ病院とコルドバのサ
ン・ロケ病院の医療機材(建物に関しては、
キンディオ県が行う)
2-4 我が国の援助実施状況
「コ」国は石炭、石油等の資源に恵まれ、経済運営も比較的堅実で中南米地域における
数少ない債務繰延べを行っていない国の一つであること、また、我が国との伝統的友好関
係および近年の二国間関係の一層の緊密化等を考慮し、技術協力を中心とした援助を実施
している。1999 年 1 月 25 日の「コ」国における地震災害についても我が国は緊急物資
援助、緊急無償資金協力とともに国際緊急援助隊救助チームおよび医療チームや、インフ
ラ等の復興支援のための専門家等を派遣している。
有償資金協力については、居住環境、エネルギー、農業開発分野において協力実績があ
る。また、
「コ」政府は最近アジア太平洋地域へのアクセス改善を目的とした整備計画を
策定しており、我が国の協力に対する期待が高まっている。
無償資金協力については、文化無償、草の根無償を中心に実施されている。94 年度お
よび 98 年度には地震災害に対する復興、被災者支援を行っている。一般無償資金協力に
ついては、現在は卒業国であるが、85 年度、90 年度、96 年度に医療分野の一般プロジ
ェクト無償資金協力を行っている。
技術協力については、援助関係者の安全確保に十分な配慮を払いつつ、保健・医療、農
業、鉱工業などの分野で各種形態により協力を行っているほか、交通、環境等の分野で開
発調査を実施している。
○保健医療分野の無償資金協力案件
案件名
実施年度
供与限度額
案件概要
医療機材整備計画
1985 年度
3.91 億円
救急車整備計画
1990 年度
1.88 億円
ナリーニョ県パスト県立病院への機材整備計
画
全土に 50 台の救急車を配備
主要病院機材整備計画
1996 年度
7.51 億円
緊急無償地震災害
1998 年度
0.62 億円
医療機材の老朽化や故障による低所得者住民
への基本的な医療サービスの低下という問題
を解決するため主要都市 5 都市 7 病院への医
療機材整備計画
1999 年 1 月 25 日の地震直後、緊急援助隊を
派遣
○プロジェクト方式技術協力
中央医学研究所(83.1∼86.3)
マラリア等熱帯性感染症診断技術開発(86.10∼89.9)
家族計画・母子保健(85.11∼90.11)
- 26 -
2-5 プロジェクト・サイトの状況
2-5-1 自然条件
「コ」国は、南米大陸の北端にある。南米大陸の太平洋岸を縦走するアンデス山脈
は、この国に入る東部、中央、西部の 3 つの山系に分かれて、それぞれに 3,000m 級
の山脈を形成している。このため国土の 40%はアンデス山系であるが、これら山岳地
帯の東側には平原が開け、さらに東は草原やアマゾン川流域の密林が広がっている。
総人口は約 4,004 万人(1997 年)、国土面積は約 1,139,000Km²(日本の約 3 倍)であ
る。赤道直下の熱帯圏に位置しているものの、地形的条件から気候は 4 つに区分され
る。海岸など平野部では平均気温 28℃の高温多湿の熱帯性、標高 1,000∼1,500m の地
域は 20℃前後の亜熱帯性、さらに 2,000m を超えると温暖の気候となり、3,000m 級
の地は一日の気温の差が大きく夜は肌寒いほどである。
キンディオ県は、
「コ」国のアンデス地方の中西東部地域に位置している。中央脊領
山脈の西部山腹とカウカ川流域をカバーしている。キンディオ県は標高約 1,000m で
あり、大部分が山地であるが、下流に崖が多い地域である。12 市町、37 県警支局、部
落・集落を含む 2 つの村からなる。
南西部をヴァジェ・デ・カウカ県、東部をトリマ県、北部をリサラルダ県と接する。
面積は 1,961Km²であり、
「コ」国全土の 0.1%を占める。人口は 53 万 6 千人(国全体
の約 1.5%)である。
2-5-2 社会基盤整備状況
「コ」国の社会基盤整備状況は、ラテンアメリカ諸国の中でも高い水準を維持して
いる。都市の中心部は商業地域であるが、都市の周辺にある傾斜地や排水不良地域に
は低所得者が多く住むスラム街が形成されている。
「コ」国では火災、風害が少ないが、雨期の大降雨による局地的な水害とナスカ・プ
レートの活況から地震が時折発生している。「コ」国中西部の一帯で 1999 年 1 月 25
日に震度 6 を記録する大地震が発生し、建物の 7 割が崩壊した。県都であるアルメニ
アは人口約 30 万人であり、1970 年代からコーヒー豆の輸出で飛躍的に成長し、
「コ」
国では「奇跡の街」と呼ばれていた。
- 27 -
1.電気設備
(1)電力引き込み
電力供給はキンディオ県の電気供給事業体(Empresa de Energia Electrica del
Quindio)によりなされている。電力は敷地外から高圧で電気室に引き込まれており、
その引き込み容量はそれぞれ施設規模に適合したものとなっている。発電機による
非常電源の容量はサン・ファン・デ・ディオス病院を除いて外部引き込み容量と同
じ数値である。これには頻発する停電に備えるものであり、こうした停電は 1 日で
多い時で 5∼6 回、一回当たり長くて 2 時間というものであるが、停電時も施設の
全容量の電力を賄う。このための発電機棟は排気ガスの影響を避け、いずれの施設
も病院本体から離して設けられている。
サン・ファン・デ・
ディオス病院
ラ・ミセリコルデ
ィア病院
サン・カミロ病院
サン・ヴィセンテ
病院
施設引き込み
容量
1,640KVA
(400KVA+620KV
A+620KVA)
225KVA
(一般 150KVA+放
射線専用 75KVA)
75KVA
−
非常用電源容量
備考
435KVA
(85KVA+350KVA)
電気室では老朽化した旧受電トラ
ンスに改修のため、新たな受電ト
ランスを加えているため、現状で
は施設規模を越えた引き込み容量
となっている。
225KVA
( 一 般 150KVA+ 放
射線専用 75KVA)
75KVA
−
現場から約 100 メートル程先から
引き込み工事を行う必要がある。
なお、これらの病院においては生命維持の診療等、診療上重要度の高い部屋では
医用電源を置している。このための電源系統は一般の電源系統と独立させ、無停電
電源装置(UPS)も備えた高品質のものである。ただし、サン・ヴィセンテ病院の電
力引き込み等については約 100 メートル程先から引き込み工事を行う必要がある。
(2)電圧変動
「コ」国の定格電圧・周波数は 120V(単相)・208V(三相)
、60Hz であるが、
地域によっては電力供給事情により電圧が上下する。アルメニア地域では地震被災
により電力消費量が低減しているために、供給電力の余剰により電圧が上がる傾向
にある。4 病院の電圧測定をして以下の結果を得た。測定場所はサン・ファン・デ・
ディオス病院、ラ・ミセリコルディア病院の 2 病院は工事現場で、サン・カミロ病
院、サン・ヴィセンテ病院の 2 病院は工事現場の近隣で開設している仮設診療所で
行った。測定時間としてはそれぞれ午前 10 時∼翌日の午前 10 時の 24 時間であっ
た。
- 28 -
サン・ファン・デ・ディオス病院
ラ・ミセリコルディア病院
サン・カミロ病院
サン・ヴィセンテ病院
朝∼就寝時間帯
117∼123V
113∼122V
90∼123V
108∼123V
深夜時間帯
123V 定圧
115∼121V
110∼123V
120∼123V
電圧変動値としてサン・ファン・デ・ディオス病院、ラ・ミセリコルディア病院
の 2 つの病院については、定格電圧 120V に対して高い方で 1∼2%と小さく、低い
方では 5%であった。この 2 つの病院には電気室に受電トランスが設けられており、
そうした設備条件の中での測定であったため、大きな変動値となっていないと判断
される。サン・カミロ病院、サン・ヴィセンテ病院の 2 つの病院については、いず
れにおいても定格電圧 120V に対して低い方で 10%を越える変動値を示しており、
特にサン・カミロ病院の変動値は常識を越えた大きなものになっている。この 2 つ
の病院においては電気引き込みの受電トランスの無い仮設診療であり、そうした設
備条件の中での測定であったため、こうした大きな変動値が示されたものと思われ
る。したがって、これらの 2 つの病院においては、受電トランスを持つ新しい設計
により新築・完成されれば、こうした大きな変動値は無くなると思われる。なお、
県の電気供給事業体によると雨期・乾期の年間を通して、供給電力の電圧変動は僅
かで多くても 3%とのことである。
いずれにしても、これらの病院においては電圧変動が一定の幅で起きるため、本
計画の実施に当たり、電圧変動の影響を受ける機材には電圧安定装置を付属させる
事は必須である。電圧安定装置の仕様については入力の電圧変動幅に適用できるも
のを採用する必要がある。
(3)使用電源の種類
①120V:単相電源として、次の 3 種類のコンセントで使い分けられている。
‐ 単純な平端 2 ピン:一般家庭等で広く見られるが、アースは無いタイプである。
‐ 3 ピン:上記の平端 2 ピンにアースの丸ピンが加わった形状である。アースの接
地方法は施設構造体に取るもので、最近出来ている「コ」国のオフィスビル等で
はコンピューター等の機器対応を配慮して、このタイプが多く普及している。
‐ 3 ピン:上記の 3 ピンと同じ形状であるが、平端 2 ピンの一方のピンは引き抜き
防止の T 字の形状となっている。アースの接地方法は施設構造体とは別に独立
させた精度の高いものである。調査対象施設の医用電源系統はこのタイプを使用
している。
- 29 -
②208V:三相電源
‐ 3 ピン:ハの字形状の平端 2 ピンにニュートラルの平端 1 ピンが加わる形状であ
る。
③その他
‐ 医療施設では「コ」国には無い特殊な規格として 380V 三相電源が希にある。具
体的には欧州系の X 線装置がそれに当たる。
2.給排水衛生設備
(1)給水系統
いずれの施設も前面道路敷設の公共水道管より敷地内に引き込む形を採っている。
給水系統の水圧については、いずれの施設も、高架水槽を伴う場合は高架水槽の設
置の高さを吸水位置より 10m 以上取り、圧力ポンプ式の場合もその高さ分の圧力
以上を想定したものにしている。したがって改修工事中またはこれから新築として
着工するいずれの施設も、水圧については 1kg/cm2 以上を確保出来るようになっ
ている。
①サン・ファン・デ・ディオス病院
既存の受水槽 200m3 および高架水槽 70m3 がある。高架水槽は老朽化している
上維持管理が行き届いていない。
②ラ・ミセリコルディア病院
受水槽 42m3 および 12m3 を新設し、各階にポンプにより圧送する。
③サン・カミロ病院
1 階において前面道路の水道本管から引き込み、それから地下 1 階・地上 2 階分
に直接揚水ポンプによって供給することとしている。
④サン・ヴィセンテ病院
現場から約 500 メートル程先から引き込み工事を行う必要があることが判明し
た。
(2)水質
4 病院の水質検査についてキンディオ県保健局が調査報告書を作成した。
水の採取場所はサン・ファン・デ・ディオス病院、ラ・ミセリコルディア病院の
2 つの病院は工事現場で、サン・カミロ病院、サン・ヴィセンテ病院の 2 つの病院
については工事現場の近隣で開設している仮設診療所であった。
- 30 -
サン・ファン・デ・
ディオス病院
ラ・ミセリコルデ
ィア病院
サン・カミロ病院
サン・ヴィセンテ
病院
ph
7.1
6.9
6.9
6.8
濁度
1.5
0.5
0.5
1.5
全硬度(Ca、Mg)
(mg/Lit.)
43
65
59
17
アルカリ性物質
(mg/Lit.)
48
61
60
19
調査項目
これらの検査結果から、いずれの病院も ph 値は標準の 6.5∼7.5 の範疇にあり、
全硬度も 100 以下を示している。したがって本計画実施の場合、計画機材に対して
特別に水処理装置等を付属させる配慮は必要ないと判断される。
(3)給湯・給蒸
①サン・ファン・デ・ディオス病院
地階の機械室ボイラーより同階の厨房に給湯している。
②ラ・ミセリコルディア病院
一階の機械室にボイラーを設置している。そのボイラーから給湯は厨房に、供蒸
は厨房および中央材料滅菌室の 2 箇所に行っている。
③サン・カミロ病院
別棟の機械室にボイラーを設置している。そのボイラーから各階の必要な箇所に
給湯している。
3.医療ガス配管設備
①サン・ファン・デ・ディオス病院
酸素、麻酔ガス、圧縮空気、吸引の 4 系統による中央配管が医療ガス業者により
なされているが、圧縮空気、吸引のポンプ装置が設置されていない状況である。
②ラ・ミセリコルディア病院
酸素、麻酔ガス、圧縮空気、吸引の 4 系統による中央配管で計画している。圧縮
空気、吸引の同一配管の可能性も当たっているとのことである。
③サン・カミロ病院
当設備は行わない。これは施設規模から判断して妥当である。
4.通信設備
キンディオ県では医療機関相互の情報網を持っている。これはアルメニア市に所在
する保健省キンディオ県保健局の無線センターにより統括され、救急医療の対応は勿
- 31 -
論のこと医療行政に関わる伝達等に幅広く活用されており、主に VHF の無線システ
ムによるが、一般の電話回線による方法もとっている。調査対象の 4 病院を含め、
県内における第一次医療機関の診療所レベルから第二次医療機関の病院までの総ての
医療機関およびそれぞれに所属する救急車にはこのための無線装置が設備されている。
「コ」国では、全国の県にそれぞれ、こうした情報網が整備されており、首都サンタフ
ェ・デ・ボゴタの保健省・無線センターが全国を統括している。
2-5-3 既存施設・機材の現状
(1)被災地における各対象医療施設の役割
被災地における各対象医療施設の役割は以下のとおりである。
①サン・ファン・デ・ディオス病院
アルメニア市にあり、キンディオ県唯一の第三次医療施設であり、医学部の教育病院で
もある。地震の際には被災者の診断・治療を行った中心病院である。
②ラ・ミセリコルディア病院
カラルカ市にあり、第一次と第二次医療を行う医療施設である。第二次医療施設は本病
院だけである。
③サン・カミロ病院
ブエナビスタ市にある第一次医療施設である。
④サン・ヴィセンテ病院
モンテネグロ市にある第一次医療施設であるが、第二次医療サービスも行っていた。
- 32 -
(2)各対象病院の概要
各対象病院の概要表を以下に示す。
表 2-11 対象各病院概要
病院名
サン・ファン・デ・
ディオス病院
アルメニア
ラ・ミセリコルディア
病院
カラルカ
サン・カミロ
病院
ブエナビスタ
サン・ヴィセンテ
病院
モンテネグロ
第三次
第二次
第一次
第一次
地震前
335
103
4
41
現在
328
23
4
21
再建後
226
76
7
24
内科
外科
小児科
産婦人科
救急科
リハビリ科
外来部門
精神科
ICU
NICU
内科
外科
小児科
産婦人科
救急科
眼科
整形外科
内科
小児科
産婦人科
救急科
歯科
救急歯科
内科
小児科
産婦人科
救急科
眼科
歯科
所在都市
医療レベル
床数
診療科目
(主な科目のみ)
医者数
95
29
4
10
看護婦数
22
27
0
3
297
7
16
29
5
1
0
1
13
3
0
3
その他医療職員
事務員
年間外来患者数
28
256
88,364
70
97
54,475
1
4
8,221
23
24
38,894
年間入院患者数
14,381
2,855
230
2,069
建築面積(㎡)
21,800
4,160
1,027
2,600
准看護婦数
放射線技師数
検査技師数
注)上記医療従事者数、患者数は 1998 年度のデータである。
- 33 -
サン・ファン・デ・ディオス病院
県条例に基づく社会法人の官営病院である県立サン・ファン・デ・ディオス・アルメニア
大学病院は、医療レベル 3 の機関で、1906 年 9 月 24 日、市側の合意、市議会決定議事
録に基づき創設されたが、それはアルメニア市での社会福祉事業開始を示すものであり、
以降、1990 年 10 月 29 日に、保健省から医療レベル 3 を有することを承認する決定条項
第 14678 号が公布され、サン・フアン・デ・ディオス大学病院となった。通称はサン・ファ
ン・デ・ディオス病院である。
キンディオ県の総人口は 559,289 人、その内 53%はアルメニア市内に居住し、モンテ
ネグロ市、カラルカ市、シルカシア市の住民を合計すると県の総人口の 83%に達するが、
本病院の診療対象地区はアルメニア市をはじめとし、テバイダ市、モンテネグロ市、キン
バヤ市、シルカシア市、ヘノバ市、サレント市、ピハオ市、コルドバ市、ブエナビスタ市、
フィランダ市、カラルカ市などで、バジェ、トリマ、チョコ各県北部の市町村(17 市町
村)からは、特別に、あるいは他の IPS からの許可証持参で、利用者が病院を訪問して
いる。最も近いペレイラのサンホルヘ病院を除き、県内には医療レベル 3 を実施できる
公立医療機関は他に存在しない。
サン・ファン・デ・ディオス病院はベット数 328 床(ベッド数を表 S-1 に示す)を有
し、24 時間体制の緊急医療、外来および入院患者診療を実施する医療機関で、診療科目
は、外科、内科、産婦人科、整形外科、小児科となっている。また泌尿器科、眼科、耳鼻
咽喉科、形成外科、小児外科、神経外科、神経科、血液科、皮膚科、精神科、病理科など
の診療も行ない、臨床研究室、 A 型の血液バンク、集中治療設備、物理療法、リハビリ
治療室などもある。本病院の現在の組織図を図 S-1 に示す。なお、1999 年の医師数は 95
人、看護婦数は准看護婦も含め 319 名であり、全体の医療従事者数は表 S-2 になってい
る。なお、2000 年より人員削減をし、組織改革を行うことになっており、新組織図を図
S-2 に示す。
1月 25 日の地震の後、立壁崩壊により病室、手術室、分娩室等の一部が閉鎖されてお
り、十分な医療サービスを提供できる状況ではなかったが、現在改修工事が進められてお
り、残すところ臨床検査室の改修工事のみとなっている。
過去 5 年間および 1999 年 6 月までの外来患者の十大疾病は表 S-3 のようになっている。
外傷患者、また呼吸器感染症をはじめとする呼吸器系疾患患者が毎年多く、呼吸器感染症
以外に、他の感染症患者が目立つ。
- 34 -
外来患者数と入院患者数の推移は表 S-4 で示すようになっており、外来患者について
は救急外来患者が 1998 年度の統計によると、外来患者総数 88,364 人中、51,042 人と約
58%を占めている。しかしながら、地震の影響による病室等の立壁崩壊、機材の破損で
サービスを提供できず、1999 年の患者数は外来・入院それぞれ 73,079 人、7,150 人と減
少している。
1999 年の統計ではベッド占有率は、内科 92.0%、外科 86.9%、小児科 44.9%、産婦
人科 53.7%となっている。手術件数は帝王切開子宮掻爬 804 件、帝王切開 779 件、虫垂
切除 338 件、ヘルニア切開術 147 件の順になっているほか、処置数としては骨折手術が
1,076 件と多い。新生児の出生数は 2,316 人、死亡数は 61 人である。
- 35 -
取締役会
院長
副院長(管理)
院長(医療)
人事・法務課
情報課
内科
社会・福祉課
年金課
外科
会計・財務課
図書室
産婦人科
経理部門
看護部
小児科
供給部門
救急車サービス
メンタルヘルスユニット
倉庫部門
外来
物理療法・リハビリテーション
一般サービス部門
歯科
庶務課
救急サービス
メンテナンス課
診療支援部門
薬局
臨床検査
ソーシャルワーク科
放射線科
老人病
栄養・食事療法
病理学検査
図 S-1 サン・ファン・デ・ディオス病院組織図(1999 年現在)
本病院は、病院経営改善計画の一つとして、組織の構造計画を行い、生産性と売上を向
上するため、図 S-2 のような組織に再編することを保健省に申請した。新たな組織設計
によると、現在 670 ある職位を 386 にまで減らす予定にしており、355 の職位を廃止し、
新たに 71 職位を設ける計画である。廃止予定の職位は、医療従事者以外であり、今後契
約職員で遂行していく計画としている。新たに設ける職位としては、各部門のコーディネ
ーター、各科長、マーケティング、内部監査等の管理部門に関する職位である。
- 36 -
取締役会
会計検査官
執務室
院内管理
法律事務所
企画課
マーケティング
情報システム
承認・支払
財源部門
入院部門
人的資源部門
救急部門
物品販売部門
診断支援部門
図 S-2 サン・ファン・デ・ディオス病院新組織図
表 S-1 サン・ファン・デ・ディオス病院ベッド数
診療部門
内科
外科
産婦人科
小児科
新生児科
ICU
有料ベッド
精神科
救急
計
地震前
58
73
45
45
22
9
48
16
19
335
現在
58
73
45
45
22
2
48
16
19
328
今後
58
74
35
30
22
9
16
22
266
(出典:病院資料)
- 37 -
表S-2 サン・ファン・デ・ディオス病院医療従事者数(1999年)
項目
診療部
部門名
内科
人数
医師
項目
部門名
人数
2 手術部・麻酔部 中央材料滅菌室 医師
看護婦
救急外来
医師
看護婦
一般外来
8
手術室
医師
看護婦
麻酔科
11
ICU
4
看護婦
その他
医師
看護婦
検査部
放射線
血液検査
その他
医師
2 病棟
検査技師
5
医師
0
検査技師
9
外科病棟
内科病棟
産婦人科病棟
検査技師
解剖
医師
2
検査技師
4
小児科病棟
医師
6
感染症患者用
病棟
医師
隔離病棟
医師
5
24
看護婦
38
医師
11
看護婦
34
医師
11
看護婦
30
6
30
医師
看護婦
医師
看護婦
その他
医師
医師
看護婦
検査技師
施設機材保守
リハビリテー 食事療法科 医師
ション
療法士
物理療法科 医師
2
療法士
8
施設・機材保守
言語療法科 医師
療法士
呼吸療法科 医師
療法士
19
医師
医師
検査技師
その他
0
看護婦
検査技師
血液銀行
看護婦
看護婦
生化学検査 医師
病理
9
医師
13
74
医師
看護婦
4
14
医師
30
医師
看護婦
歯科
看護婦
1
その他
(出典:病院資料)
- 38 -
1
14
15
表 S-3 サン・ファン・デ・ディオス病院外来患者の十大疾病
疾病名
1994年
患者数
疾病名
患者数
1997年
1.外傷性全身障害
2,034 1.外傷性全身障害
2,908
2.高血圧
1,668 2.悪性腸感染症
2,409
3.悪性腸感染症
1,654 3.呼吸器感染症
1,727
4.喘息
1,526 4.耳炎
1,554
5.神経障害
1,273 5.高血圧
1,496
6.頭部外傷
1,142 6.呼吸器疾患
1,387
7.泌尿器障害
1,058 7.喘息
1,374
8.頭蓋骨・脳障害
1,056 8.泌尿器障害
1,340
9.胃障害
979 9.胃障害
1,319
10.呼吸器
946 10.神経障害
1,169
1995年
1998年
1.外傷性全身障害
2,021 1.外傷性全身障害
3,115
2.高血圧
1,690 2.悪性腸感染症
2,585
3.喘息
1,615 3.呼吸器疾患
1,881
4.耳炎
1,515 4.呼吸器感染症
1,552
5.悪性腸感染症
1,481 5.耳炎
1,227
6.呼吸器感染症
1,444 6.神経障害
1,159
7.神経障害
1,311 7.胃障害
1,063
8.頭蓋骨・脳障害
1,136 8.高血圧
984
9.胃障害
1,118 9.頭蓋内部損傷
820
10.頭部外傷
1,118 10.頭部外傷
740
1996年
1999年6月まで
1.外傷性全身障害
2,465 1.悪性腸感染症
1,733
2.呼吸器感染症
1,968 2.外傷性全身障害
1,407
3.悪性腸感染症
1,940 3.呼吸器疾患
641
4.頭部外傷
1,722 4.神経障害
624
5.喘息
1,672 5.呼吸器感染症
604
6.耳炎
1,512 6.喘息
518
7.泌尿器障害
1,356 7.耳鼻半化膿
492
8.神経障害
1,341 8.胃障害
487
9.糖尿病
743 9.泌尿器感染症
465
10.胃障害
715 10.肺炎
421
(出典:病院資料)
- 39 -
表 S-4 サン・ファン・デ・ディオス病院外来・入院患者の推移
1994
項目
1995
1996
1997
1998
1999
[外来患者数]
内科
1,223
3,340
3,777
3,892
3,472
2,660
外科
2,843
2,483
2,905
2,354
2,102
1,935
小児科
1,718
1,386
1,125
993
645
323
産婦人科
3,940
2,523
2,448
2,031
1,825
1,935
救急外来
40,497
48,808
49,143
54,751
51,042
43,881
歯科
2,549
2,381
3,269
3,028
2,455
1,694
眼科
3,951
3,499
4,107
3,342
2,795
2,048
耳鼻咽喉科
2,818
2,623
2,366
2,227
1,695
1,471
整形外科
1,090
1,310
1,555
1,141
911
607
神経科
1,251
1,193
405
89
0
0
その他
35,047
33,730
30,054
26,544
21,422
16,525
96,927
103,276
101,154
100,392
88,364
73,079
内科
1,849
2,295
2,362
2,573
2,344
1,020
外科
3,375
3,371
3,482
3,269
2,560
1,059
小児科
1,688
1,836
1,745
1,538
1,259
536
産婦人科
5,073
4,575
4,886
5,140
4,230
1,936
救急外来
3,458
3,687
3,619
2,891
2,282
1,801
その他
3,065
2,830
2,556
2,533
1,706
798
18,508
18,594
18,650
17,944
14,381
7,150
合計
[入院患者数]
合計
(出典:病院資料)
各部門の状況および各部門の主な既存機材の現状を以下より示す。
①診断部門(外来)
外来には救急外来および一般外来がある。初診の患者は全て救急外来にて診察を行い、
一般外来には 2 回目以降の患者が診察する。救急外来には 1 日 200 人の患者が来院して
おり、小児科、一般内科、産婦人科、小児外科、整形外科の患者が多い。診察室 3 部屋、
小児診察室部屋、感覚診断室 1 部屋、小手術室 1 部屋、観察室 1 部屋(15 床)より構成
されている。救急外来には 8 人の医師で 24 時間交代、
(そのうち 2 人は必要時のみの専
門医)
、正看護婦 2 人、准看護婦が 25 人 3 交代で対応している。観察室には 26 床の簡易
ベッドがある。観察室では救急外来患者を 24 時間観察し、入院の必要性を判断する。
救急外来にある小手術室には約 20 人/日の患者が利用している。小手術室の中に蘇生室
が 1 つあるが、これは観察室のベッド数が不足していること、また ICU が機能している
のが実際には 2 床しかないことから、重症患者をここで観察している。小手術室の中に
- 40 -
在る蘇生室には人工呼吸器、心電計、除細動機、蘇生器(大人用、小児用)、喉頭鏡がある。
この除細動機は救急外来に 1 台しかない。
一般外来には 1 日 150 人の患者が来る。一般外来における診療科目は、各種専門内科、
外科、小児科、産婦人科、歯科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、神経科、形成外科、泌尿
器科等の 16 科目からなる。一般外来棟は入院棟とは別棟で約 20m 離れたところにある。
各診療科には専門室をもち、専門医・看護婦(准看護婦含む)の各 1 名が担当している。
地震の影響で救急患者は増えたが、一般外来は対策本部となり 3 ヶ月閉鎖していたた
め、患者数は減少した。また緊急手術が多数行われ、手術室が救急患者で満杯になり、一
般手術は使用できない状況にあった。
心電計、3 チャンネル、解析装置
心電計は 3ch のものが既存で 2 台、1ch のものが 1 台、心電図モニターが 3 台あったが、
心電図モニタの内 2 台が故障して使用できない状況である。そのうち 1 台は地震により
故障した。
脳波計、18ch
脳波計に関しては 1996 年 6 月まで脳波計による診断を古い型式の機器で行っていたが、
キンディオ大学との協定終了とともに終了した。しかしながら、この検査に対する需要は
高く住民 10,000 人あたり年間 2.5 件と推定されている。脳波計は 1996 年までは既存 1
台、常時使用しており、検査数は 1994 年 312 件、1995 年 580 件、1996 年 240 件であ
った。5 階に専用室がある。
②内視鏡検査
内視鏡検査は 1999 年においては、気管支内視鏡検査 176 件、胃内視鏡検査 1,064 件、
直腸 S 状結腸内視鏡検査 73 件、結腸鏡検査 87 件、膀胱鏡検査 161 件の検査を行ってい
る。一般外来で成人泌尿器科内視鏡検査、病棟に付随してある内視鏡室において気管支内
視鏡、消化器官内視鏡検査、手術室では腹腔内視鏡手術を行っている。
腹腔鏡
本機材は既存 2 台があり、1 台はビデオ装置付き(使用年数 7 年)であり、もう 1 台は 25
年使用し、老朽化のため、使用不可能となっている。既存で使用している機材も一部故障
している。本機材は手術室で使用され、食道、胃、十二指腸、ヘルニア、肝臓、胆管の外
科手術および急性・慢性の腹部の診断、胸部スコープ、婦人科検査、慢性の骨盤の痛みな
どにも使用され、利用回数は年間 2,000 件と推定されている。
- 41 -
内視鏡台
内視鏡台は、現在使用しているものは、専用台でないため患者の上体を適当な角度まで誘
導できず、検査がやりにくく、患者に負担も多くなっている。
腎膀胱鏡
本機材は既存で 1 台(15 年)あるが、老朽化などにより光源が故障しており、一部不良
のまま使用している。患者数も年間 150 名と需要も高い機材である。
③放射線科
放射線科は医師 2 名、技師 5 名で運営している。全部で 4 部屋あり、内 1 部屋は現在
手術室として使用され、1 部屋を使用不能機材の部屋として使用している。キンディオ県
内での画像診断総数は約 150,000 件、うち約 16%が本病院で検査を行っており、1997 年
には 24,256 件、1998 年には 23,295 件、1999 年には 25,053 件行っている。X 線透視撮
影装置、X 線撮影装置、X 線テレビ装置(C アーム)
、回診型の X 線撮影装置、X 線フィ
ルム自動現像機、超音波診断装置等が既存機材としてあるが、その内半分が故障等で使用
不可能となっており、第 3 次レベルの病院として十分なサービスが提供できない状況に
なっている。
X 線一般撮影装置
放射線室にある X 線一般撮影装置は使用年数 20 年と老朽化のため、X 線照射部分はスト
ッパーが固定されにくく、自然落下する。X 線チューブは本体から落下することがあり、
テープで固定して使用している。外来患者の 10 大疾病(1998 年)においても多部位外傷
3,115 件(1 位)
、頭部外傷 740 件(10 位)と、X 線撮影検査の頻度も高い。またシーメ
ンス製の X 線透視撮影装置を約 1 年使用している。これらを使って本病院は簡単な検査
を 20 件、特別な検査を 223 件行っている。キンディオ県における画像診断の需要は外来、
救急外来、入院患者および本病院以外の外来などを含め推定で 15 万件であるが、これら
の需要のうち、本病院で対応しているのは 12%に過ぎず、大半は機材がない為行われて
いないので、その影響をもっとも大きく受けるのは保険未加入者(貧困層)である。外部
からの X 線検査の要請に対し、本病院では 1 日あたり 60 件を断っている状態である。
超音波診断装置、移動式
本機材は、現在放射線室に 1 台あり、使用年数も 1.5 年と新しく、問題なく使用している。
しかし、産婦人科病棟に 2 台の既存機材があるが、1 台は不調であるため需要に応えられ
ていないのが現状である。
- 42 -
自動 X 線フィルム現像装置
既存に 2 台あり、そのうち 1 台は使用年数 10 年で地震後破損した。現在使用しているも
のも現像感度が落ちており、不調である。現在、本病院で行っている撮影件数は、約 40
件/日で約 100 枚の現像を行っている。X 線撮影装置が故障していることもあり、現在は
現像数が多くないが、機材が整備され、病院機能が回復することを考え、病院側は 80 件/
日、200 枚/日を目標としている。
④産婦人科
現在産婦人科には 45 床のベッドを有し、医師 11 名、看護婦 30 名が従事している。現
在は地階に分娩室(1 室)と病棟がある。改築が終わり 3 階へ移り、分娩室、婦人科、新
生児科、新生児集中治療室が同じ階となった。新設分娩室は 2 室である。1998 年におけ
る分娩件数は 2,676 件、1999 年には 2,316 件となっている。出産数はばらつきがあるが、
月平均 193 件(1999 年)
、本病院の新生児死亡は 61 人(1999 年)となっている。
新生児用蘇生器
現在既存にあるものはアンビュバッグなどの最小限の機材のみで、アンビュバッグの一部
は損傷が激しく、テープなどで補強して使用している状況である。
⑤新生児室(NICU)
通常 7 人のスタッフでみているが、緊急時等の際は 14 人で対応する。保育器が 10 台、
搬送用保育器(アトム)が 2 台あるが、1 台は小児科にて使用されている。
人工呼吸器、新生児用
現在、新生児室には新生児用の人工呼吸器が 2 台、小児用の人工呼吸器が 1 台ある。3 台
はいずれも正常に稼動する。未熟児およびハイリスクの妊婦が増えているため、需要が高
まっている。
⑥手術室
以前は 8 室あったが、地震のため、現在救急外来の一部に 2 部屋(手術台 4 台)と放
射線科の一部(手術台 1 台)に 1 部屋で手術を行っていた。改築工事が終了し 8 部屋(各
部屋手術台 1 台)にもどった。医師 6 人、看護婦 74 名、麻酔医 9 名が従事している。1998
年における手術件数は 7,545 件であったが、1999 年は手術室数の減少の伴い減少してい
る。予定手術件数は減少しており、6,952 件であった。緊急手術件数は平均 7 件と変わら
ない。機材はいずれも古く、中には医師個人が持ちこんで使用しているモニターもある。
- 43 -
天吊無影灯
天吊無影灯は既存 5 台あるが、そのうち 1 台は地震により故障した。
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
麻酔器は既存 8 台あるが、内 3 台は麻酔ガス漏れが激しく使用不能のため、倉庫に保管
している。3 台が地震で一部破損しており、現在使用しているうちの 1 台はモニタが破損
し、医師個人がボゴタから借用使用している。
⑦回復室
術後の患者の観察・治療のための部屋である。回復室は手術室に隣接して 7 床が設置さ
れた。改修工事終了までは救急外来の観察室で代用していた。
⑧集中治療室
専門医(ICU 有資格者)4 名(日中 1 名、夜間 1 名、緊急時用 2 名)
、医師 5 名(午前、
午後、夜間各 1 名、緊急時用 2 名)看護婦 13 名(婦長含む)、6 時間交代で対応している。
本来 9 床であるが、機材の不備から 2 床のみ稼動している。機材の故障の原因としては、
地震により患者数が増え、使用頻度が急激に増え、メンテナンスができない状況になった
ためである。実際に稼動している機材が少ないため、ポータブルの吸引器、パルスオキシ
メーターを順番に使用している状況である。今後、一般病棟と ICU の間の Intermedio(中
間治療用)という部屋を設け、一般病棟の中に 6 床設置することにしている。
人工呼吸器
人工呼吸器は 3 台あるが、1 つの故障原因としては、24 時間フル活動で 65 日使用したた
め故障した。
集中治療室用蘇生器
本機材は、既存がなく、現在は他の部門から借りて使用している。
⑨一般入院室
一般入院室の診療科目は 10 部門(一般内科、専門内科、泌尿器科、整形外科、形成外
科、婦人科、神経科、耳鼻科、眼科、小児科)である。総ベット数は 280 床(新設部門
では 3 階、4 階、5 階)であり、ベット占有率 65.6%(1999 年)
、合計入院日数 70,233
日(1999 年)である。
- 44 -
蘇生器
現在の蘇生器は、アンビューバック、喉頭鏡、チューブ類等セットとしてワゴンに常備し
ている。セットとして 4 台である。
患者監視装置
本病院では心不全等、心臓・循環器系疾病が入院患者 10 大疾病の上位を占めている。患
者監視装置は既存が 11 台あり、内 3 台は故障している。
輸液ポンプ
輸液ポンプは既存が 2 台あるが、いずれも業者からの借用使用である。
除細動器、モニタ付
既存で 2 台は正常に稼動している。
⑩中央材料室
中央配管により滅菌器を使用している。14 名のスタッフが従事している。高圧蒸気滅
菌器が 4 台、EOG ガス滅菌器 1 台、蒸留水製造装置 1 台あるが、殆ど全ての機材は 30
∼40 年以上経っており、老朽化のため故障しているものと、一部機能が作動しないが、
使用している状況である。
高圧蒸気滅菌装置
高圧蒸気滅菌器は、既存機材が 4 台あり、約 400 リットルと約 200 リットルが各 2 台で
使用年数はいずれも 35 年であり、各 1 台ずつ老朽化による故障のため使用できず、現在
2 台で滅菌している。
蒸留水製造装置
蒸留水製造装置は既存で1台あるが、使用年数約 40 年である。各部署(手術室、救急外
来、分娩室、ICU、各病棟などほとんどの部署)への洗浄用蒸留水の配給を行っており、
5 リットルのプラスチック製瓶を高圧滅菌して、蒸留水を詰め配給している。必要蒸留水
量は 5 リットル×50 本/日=250 リットルである。老朽化から近い将来の故障が予想され
る。
⑪検査室
検査技師数 9 人、24 時間体制で従事している。血液学検査、生化学検査(電解質検査
含む)
、血清学検査(輸血検査は他に血液銀行部門がある)尿・一般検査等を行っている。
現在は地階にあるが、改修工事終了後は 2 階に移る予定である。
- 45 -
双眼顕微鏡
1 日に 888 件の検査、1 年に合計 324,000 件の検査を実施している。双眼顕微鏡は既存が
8 台ありその内 5 台は修理不良で使用していない。
滅菌機、縦型
既存が 1 台あり、使用年数 15 年である。容量は約 20 リットルである。使用頻度は細菌
学検査件数が平均約 20 件/日である。
⑫病理標本作製室
病理医 2 名、技師 3 名が従事している。検体は約 600 ブロック/月行われている。
回転型ミクロトーム
既存が 1 台あるが、6 年ほど前までは使用していたが旧式で(25 年前)使用に耐えない状況
である。手術中の迅速標本作製用に使用する機材である。病理検査室では年間約 3,600 件
の検査をするが、その内容は生検で採った組織、外科手術で切除した断片、細胞学的分析、
死体解剖などである。機材の使用頻度については一回の検査に平均 3 枚のプレートを使
うとすると 10,800 回である。(その中には病院内における診断のための凍結による生検
が含まれている。)
自動包埋装置 1 台
自動包埋機は既存が 2 台のうち 1 台は使用年数 25 年で、もう 1 台は大学のものだが導入
当初から作動せず、6 年間使用していない。現在使用している機材は老朽化が激しく、技
師が手動で浸透漕の移動、攪拌をやっており、もはや自動装置ではない。
- 46 -
⑬メンテナンス課
現在のメンテナンス組織図を図 S-3 に示す。なお、( )内は人数である。
エンジニア・メンテナンス主任
コーディネーター(1)
倉庫係(1)
医療機材技師(1)
電気技師(2)
家具職人(1)
塗装工(1)
金属細工師(2)
調理具製造職人(2)
配管工(1)
電気工(1)
図 S-3 サン・ファン・デ・ディオス病院メンテナンス課組織図
これまで、上記のような体制でメンテナンスが行われてきたが、組織改革に伴い、病院
の再建を図るため(図:病院組織図参照)、今後のメンテナンス体制が変わり、今までのメ
ンテナンス課、供給部門等の他の部門とともには物品販売部門(D. Recursos Fiscos)に
統合される。要員は、以下のとおりに配置する。
① 医療機材:医療機材に関しては各機材の代理店と保守契約を結びメンテナンスを図
る。
② 電気・配管等、医療機材以外に関しては、商工会議所に登録された人または会社(例
えば Oficinas Temporales de Trabajo 人材派遣会社)と契約してメンテナンスを
図る。
これらは、問題が発生したときに、各契約者に物品販売部門担当者(現在の医療機材供
給担当者)が連絡をとる。
- 47 -
ラ・ミセリコルディア病院
本病院はカラルカ市に位置し、アルメニアの次に大きな市である。本病院はもともと 2
箇所に在り、102 床を有する第二次レベルの病院として医療サービスを提供してきたが、
1 月 25 日の地震により 1 つは完全に壊滅してしまい、ベッド数は 75 床になった。地震
後、市の当局により第一次レベル・第二次レベルの医療サービスを提供することを計画し、
1 つは 32 床を有し、市の健康衛生局と統合し第一次レベルの病院として医療サービスを
提供し、第二次レベルとしては 43 床の病院とし、基礎専門医療を中心に、臨床検査室を
備え、超音波診断装置については提携サービスを受けながらこのまま第二次病院として行
う計画である。
「コ」国側は第二次レベルの病院の機材整備を要請してきた。
外来患者は、カラルカ市からの患者が約 96%を占め、続いてアルメニア市、モンテネ
グロ市、ラ・テバイダ市となっている。
診療科目としては内科、外科、小児科、産婦人科、救急外来、眼科、整形外科、神経
科等がある。病院組織図は図 M-1 に示す。なお、全体の医療従事者数は表 M-1 に示す。
本病院では医師はすべて契約であり、29 名の医師がいる。
過去 6 年間の外来患者の十大疾病は表 M-2 に示す。本病院では眼科系疾患の患者が多
く、毎年約 20%を占めている。続いて、生殖器疾患、高血圧、呼吸器疾患の順になって
いる。この傾向はここ数年変わっていない。入院患者の十大疾病に関しては、妊娠時の合
併症が多く、最近では呼吸器疾患が増加している。
外来患者数と入院患者数の推移は表 M-3 に示す。1998 年の年間の外来患者数は 54,475
人、入院患者は 2,855 人である。しかし、本病院も地震による影響で 1999 年には外来・
入院患者それぞれ 43,794 人、1,658 人と減少している。1999 年の救急外来が 23,447 人
と全外来患者数の約 53.5%を占めている。入院患者は十大疾病からもわかるように、産
婦人科の患者が多い。
1999 年のベッド占有率は、内科 39.1%、外科 27.8%、小児科 45.5%、産婦人科 31.9%
となっている。1998 年の手術件数は、子宮摘出 233 件、卵管采切除 111 件、関節包外手
術 108 件、鼠経部ヘルニア手術 90 件となっている。手術件数に関する 1999 年の統計は
まだ出ていない。
1998 年の分娩数は 746 件、出生数 746 人、流産・中絶が 85 件、1999 年の出生数は 685
人となっている。
- 48 -
カルテ部門
取締役会
入院部門
司法事務所
技術部門
内部監督事務所
院長
役員会
内部監督調整部門
経理監督局
その他
副院長:経営
副院長:医療
グループ長
医務調整員
会計員
往診サービス調整員
倉庫
救急サービス調整員
衛生設備
産婦人科調整員
一般サービス
内科調整員
手術調整員
外科調整員
小児科調整員
臨床検査調整員
図 M-1 ラ・ミセリコルディア病院組織図
- 49 -
表 M-1 ラ・ミセリコルディア病院医療従事者数(1999 年)
項目
診療部
部門名
内科
外科
救急外来
人数
眼科
小児科
産婦人科
人数
9 手術部・麻酔部 中央材料滅菌室 医師
看護婦
1
医師
4
看護婦
1
医師
4
看護婦
看護婦
麻酔科
14
4 病棟
看護婦
3
医師
2
看護婦
1
医師
1
看護婦
9
医師
1
2
医師
手術室
医師
看護婦
整形外科
部門名
医師
看護婦
歯科
項目
12
医師
1
看護婦
1
医師
外科病棟
看護婦
内科病棟
医師
看護婦
産婦人科病棟
2
17
医師
看護婦
小児科病棟
14
医師
医師
1
看護婦
1
その他
看護婦
検査部
放射線
血液検査
生化学検査
医師
施設機材保守
検査技師
1
医師
2
検査技師
3
医師
1
施設・機材保守
検査技師
(出典:病院資料)
- 50 -
表 M-2 ラ・ミセリコルディア病院外来患者十大疾病
疾病名
1994年
患者数
疾病名
患者数
1997年
1.眼科系疾患
2,333 1.眼科系疾患
1,950
2.生殖器疾患
1,611 2.生殖器疾患
1,647
3.歯科系疾患
1,217 3.呼吸器疾患
1,084
4.高血圧
907 4.高血圧
973
5.その他
870 5.皮膚・細胞組織・皮下障害
962
6.消化器疾患
844 6.泌尿器疾患
736
7.皮膚・細胞組織・皮下障害
841 7.寄生虫病
708
8.呼吸器疾患
840 8.急性呼吸器感染症
702
9.妊娠合併症
828 9.消化器疾患
690
10.急性呼吸器疾患
662 10.骨・筋肉障害
647
1995年
1998年
1.眼科系疾患
1,191 1.眼科系疾患
1,801
2.呼吸器疾患
1,164 2.生殖器疾患
1,201
3.生殖器疾患
934 3.高血圧
1,169
4.急性呼吸器疾患
850 4.呼吸器疾患
1,167
5.潰瘍
840 5.皮膚・細胞組織・皮下障害
874
6.消化器疾患
754 6.寄生虫病
798
7.皮膚・細胞組織・皮下障害
725 7.急性呼吸器感染症
789
8.腸炎・下痢
619 8.泌尿器疾患
685
9.その他ウイルス性疾患
619 9.骨・筋肉障害
674
10.外傷
611 10.消化器疾患
660
1996年
1999年
1.消化器疾患
1,415 1.眼科系疾患
833
2.屈折・調節機能障害
1,247 2.高血圧
664
3.泌尿器疾患
1,130 3.生殖器疾患
556
4.腸感染症
1,052 4.病名不明
515
5.急性呼吸器感染症
1,022 5.呼吸器疾患
498
6.寄生虫病
1,008 6.急性呼吸器感染症
461
7.外傷
950 7.皮膚・細胞組織・皮下障害
425
8.高血圧
857 8.神経・精神障害
423
9.胃腸障害
765 9.寄生虫病
393
10.耳炎
676 10.骨・筋肉障害、結合組織障害
336
(出典:病院資料)
- 51 -
表 M-3 ラ・ミセリコルディア病院外来・入院患者の推移
1994
項目
1995
1996
1997
1998
1999
[外来患者数]
27,346
内科
21,311
1,341
1,395
1,590
603
714
603
761
262
1,469
1,460
1,339
939
外科
小児科
産婦人科
16,239
17,471
1,067
965
824
694
救急外来
3,323
3,494
18,219
22,491
25,413
23,447
歯科
3,892
眼科
1,383
1,604
1,742
844
454
431
449
194
78
407
478
28
整形外科
神経科
2,742
その他(専門)
4,166
7,260
16,963
21,765
21,879
14,041
合計
51,074
49,536
45,580
51,121
54,475
43,794
内科
489
410
911
377
523
327
外科
698
627
306
359
412
218
小児科
460
307
315
306
459
268
1,474
1,401
1,108
1,268
1,140
828
693
591
427
359
321
17
3,814
3,336
3,067
2,669
2,855
1,658
[入院患者数]
産婦人科
その他
合計
(出典:病院資料)
各部門の状況および各部門の主な既存機材の現状を以下より示す。
①産科
所属専門医が 1 名、他は非常勤の医師で午前 3 人、午後 1 人、夜 1 人体制で、看護婦
は 14 名所属している。地震で建物が破壊されたため、現在は隣にある建物の 1 部屋を借
用して使用している。改築後は 2 部屋の分娩室を設ける予定である。現在 5 床、改築後
は 15 床の予定である。現在の分娩数は平均 8 件/週であり、1998 年の統計では、正常分
娩数 252 件、総出生数 746 件、1999 年の総出生数は 685 件となっている。新生児集中治
療室は無く、重症新生児は他病院へ送ることにしている(平均 1 人/週)
。保育器は搬送用
を含めて一台もない。帝王切開は手術室で行っており、正常分娩は出産翌日には退院とな
る。
吸引器、産科用
手術室にある吸引器を使用していたが、使用年数 20 年と老朽化で使用できず、低圧吸引
器の 1 台のみ使用できる。
- 52 -
輸液ポンプ
現在は分娩室に既存で 1 台あるが、老朽化のため一部が機能していないが使用している
状況である。院内では他に外来(使用年数 20 年)にあるのみである。
新生児用保育器
本機材は既存で 1 台あるが、使用年数 30 年と老朽化のため、8 年前から故障し、使用で
きなくなっている。現在は毛布などにくるみ、保育している状況である。
胎児モニタ
本機材は既存で 1 台あり、正常に稼動している。本機材は、ハイリスク妊婦や搬送必要
妊婦の胎児の状態を観察するために使用する。使用頻度は院内では平均約 10 回/月、搬送
必要妊婦に対しては平均 5 回/月である。
無影灯、移動式、バッテリ付
無影灯(移動式)は既存が 1 台あり、使用年数 15 年でバッテリ部分が故障している。
②外科
医師 9 名、看護婦 1 名、準看護婦 2 名が所属している。以前は 5 部屋あったが、現在
は 1 部屋で救急外来の一部にある。改築後は 5 部屋にする予定である。当面は機材数の
関係から 2 部屋で行っている。手術件数は 1998 年の統計によると 1,842 件、平均 7 件/
日であったが、現在は平均 4 件/日である。救急外来には小手術室がある。1998 年の主な
手術は子宮摘出、卵管采切徐、関節包外手術等である。
天吊無影灯
本機材は手術室に既存で 3 台あったが、うち 1 台は地震時に落下により故障し、他の 1
台は地震以前からの故障である。残りの 1 台は、以前の手術室に据え付けられているが、
現在は倉庫になっており、その手術灯が使用できるかが、判断できない。使用年数は 20
年と老朽化で使用できないことも考えられる。
除細動器、モニタ付
本機材は手術室に既存で 1 台あり、使用年数が 30 年であるが正常に稼動している。
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
本機材は既存で 6 台ある。うち 1 台は使用年数 30 年、2 台は使用年数 25 年、1 台が使用
年数 20 年で地震前から故障して使用していない。現在使用しているものは 2 台であるが、
いずれもガス漏れ、モニタ故障等があり、不完全である。
- 53 -
手術台、油圧・手動式
手術台は既存で 4 台あり、その内 1 台は地震で一部変形している(使用年数 10 年)。1 台
は使用年数 25 年で台の上下移動ができず、1 台は使用年数 40 年で使用可能だが老朽化
が激しく、手動式の歯車が非常に硬くなっている状況である。使用可能なものは使用年数
5 年の台のみである。
③救急外来
現在診察室 3(仕切のみ)
、蘇生室1(仕切のみ)
、診察室(ドア付き)1 部屋、処置室
(小手術室)1、ギブス室 1、観察室 1(3 床)により構成されている。改築後の処置室は
現在の手術室に移る。観察室には現在 3 床、改修後は 6 床になる。救急外来で診察、処
置後必要に応じて 24 時間観察し、その後入院か退院かを判断する。通常は常勤医者数 1
名、インターン 4 名、正看護婦 2 名、看護助手 8 名で対応、他に必要に応じて専門医が
一般外来と兼ねて非常勤で対応している。主な診療科目は内科、外科、小児科、整形外科、
産婦人科である。救急外来患者数は 1994 年 3,323 人、1995 年 3,494 人、1996 年 18,219
人、
1997 年 22,491 人、
1998 年 25,413 人と増える傾向にあったが、地震の影響もあり 1999
年の救急外来患者は 23,447 人である。交通事故患者が多い。24 時間体制で診療サービス
を提供している。重症患者はアルメニアの第三次病院へ搬送しており、救急車は 2 台保
有している。現在処置件数(小手術〕は 20∼25 件/日である。酸素配給は中央配管方式、
酸素ボンベも置いてある。
パルスオキシメータ、移動式
救急は診察室、蘇生室、処置室、観察室、ギブス室によって構成されているが、本機材は
既存が 2 台(使用年数は 5 年)蘇生室に設置されている。使用頻度は平均 5 回/日であり、
1 台は搬送用に救急車(2 台)用としても使用している。現在救急には、患者モニタが 1
台、心電計が 2 台(1ch)は、蘇生室のみにあり、救急としての機材が整備されていない。
X 線装置、回診型
本機材は既存が1台あり、使用年数 20 年である。4 年前から民間会社に委託しているが、
病院の既存の機材は老朽化のため一部故障しており、民間会社は機材を所有しているため、
院内での必要に応じて技術者が来て独自の機材で撮影している。使用頻度は平均 15 件/日
である。病院の機材は、老朽化が激しく動きがスムーズに行かず患者に動いてもらわなけ
ればならないこともある。
- 54 -
④放射線科
画像診断部門は本病院内敷地と一部本病院機材を提供し、4 年前から民間医療画像診断
会社(QUINDIMAG)に委託している。X 線技師 1 名が民間会社に所属している。本病
院は技術的人員的には関与していないが、本病院敷地施設内にX線撮影室、CT スキャナ
室がある。
X 線透視撮影装置
既存が 1 台あり、使用年数は 16 年である。病院内の一室に設置されている。技術者は民
間会社に所属しており、必要に応じて来院する。現在改修工事しているところにX線撮影
室を計画している。
⑤歯科
医師 2 名、准看護婦 2 名で診療にあたっている。患者数は現在平均約 25 名/日である。
主な治療は虫歯、歯垢除去、さし歯、奥深い虫歯治療(脱神経処置)を行っている。入れ
歯の製作はしない。午前と午後の診療で、地震後病院から 300m ほど離れた幼稚園の一
角に、入院病棟と一般外来の部門もあわせて間借りしている。
デンタルユニット
本機材は既存で 2 台あるが、1 台は地震時に故障し、もう 1 台もマイクロモーターが不調
である。いずれも使用年数は 20 年である。
滅菌器
本機材は既存に 1 台あり、使用年数は 25 年である。地震時に一部故障したが、現在も使
用している。
⑥一般外来
一般外来棟は地震で被害が大きかった建物であり、歴史的建築物で老朽化により再建築
は取りやめる方針である。診療科目は全て専門医により行われている。診療科目は一般内
科、外科、小児科、産婦人科、歯科、眼科、耳鼻科、整形外科、神経科、呼吸機能訓練科、
その他専門内科であり、特に重要な診療科目は一般内科、婦人科、整形外科、眼科、呼吸
機能訓練科である。医師は必要に応じて出勤してくる。眼科は視力検査と他の眼科疾病の
医師がそれぞれ午前中だけ勤務している。手術にも対応しており、眼科手術用顕微鏡もあ
るが、地震後は手術室が少なくなっているため一般外来での手術はしていない。1998 年
における眼科疾病の患者数は外来患者 1,801 人と外来患者 10 大疾病の第 1 位である。現
在患者数は平均 9 人/日である。呼吸機能訓練科には喘息治療専門家がいて、吸入治療
の他に抗喘息体操などの指導をしている。
- 55 -
⑦病室
ベット数は地震以前は小児科 17 床、内科 17 床、外科 32 床の合計 66 床、他に産婦人
科 18 床があった。新築後は合計 50 床にする予定である。現在は 1 部屋、16 床のみで、
300m ほど離れた幼稚園の一角で外来と歯科の活動をしている。1998 年の入院数は 2,855
人であった。各科毎入院数(ベット占率)は、内科 523 患者(25.2%)
、外科 412 患者(21.8%)
、
小児科 459 患者(31.1%)、その他専門科 321 患者(0.9%)となっている。
輸液ポンプ 2 台
既存に 1 台あり、使用年数 20 年であるが、使用状態は良い。使用頻度は現在 3 回/週であ
るが、内科、小児科の各病棟にない。
⑧検査室
地震後、近くにある民間のビルの一室を借りて行っている。細菌学者 3 名、検査技術
者 4 名で行っている。検査数(1998 年)は血液検査 51,423 件、生化学検査 13,996 件、
尿検査 6,118 件、糞便検査 4,286 件、血清学検査 3,676 件、培養検査 4,555 件となってお
り、血液検査件数については平均 40 件/日、尿検査平均 30 件/日、生化学検査平均 40 検
体数/日である。現在細菌学検査は地震後部屋が狭くなったため行われていない。細菌学
検査は以前は平均 20 検体/日であった。結核菌については喀痰検査と培養検査も行われて
いた。市内には他に 2 件の民間の臨床検査室がある。検査技術者の資格は検査技術者の
養成所で 1 年間の修学が必要であり、細菌学者の資格は大学で 4 年間の修学が必要とな
っている。
自動血球計数装置
既存に 1 台あり使用年数は 2 年である。現在まで試薬の購入も順調に行っている。
電動白血球分類計算器
現在は手動の白血球計算器を使用している。使用年数は 5 年であり、本病院での検査に
十分対応している。
分光光度計
既存で 1 台あるが、使用年数 16 年で、老朽化によりフィルターが劣化している。
乾燥器
既存 1 台で地震以前に故障し、使用年数は 20 年であった。現在は細菌培養用に使用して
いたふらん器を代行使用している。
- 56 -
双眼顕微鏡 2 台
双眼顕微鏡は既存が 3 台であり、うち 1 台は地震で破損、対物レンズが固定されない(使
用年数 15 年)。現在は 2 台で血液系、一般系検査で使い分けている。
血液保冷庫
血液銀行用冷蔵庫は既存 1 台あったが、使用年数 10 年で破損し、保冷効果がない状態で
ある。倉庫となっている部門に保管してあり、現在使用していない。
蒸留水製造装置、純粋製造装置
蒸留水製造装置 3 年前までは旧式の蒸留装置を使っていたが、故障し、部品調達不能で、
廃棄処分となり、現在は週に 1∼2 回、アルメニアの保健局より無料で調達している。必
要蒸留水量は約 20 リットル/日で、試験管類の洗浄、恒温水槽用、試薬調整、細菌培養検
査用培地の調整に使用される。
水平振とう器
既存 1 台で使用年数 30 年であるが、回転状態もタイマーも使用に耐えている状態である。
分析天秤
既存 1 台で、使用年数 30 年である上皿両天秤の錘は 2 箱あるが、地震時に散乱して全て
は回収できず、どれもそろってはいない。
- 57 -
サン・カミロ病院
サン・カミロ病院はブエナビスタ市に位置し、1967 年に市民グループによって保健所
として発足した。1975 年頃には保健センターになり、1981 年ごろには病院へと発展し、
1993 年サン・カミロ病院として活動を開始した。本病院は 4 床(男性入院室 2 床および
女性入院室 2 床)を有する第一次レベルの病院である。
診療科目は内科、小児科、産婦人科、救急外来、歯科、救急歯科等がある。病院組織
図は図 C-1 に示す。1 月 25 日の地震により、本病院は壊滅状態になったため、現在は小
学校を借りて診療サービスを行っている(ベッド数は 4 床のままである)
。旧病院跡地に
新築予定であり、再建工事が完工次第、開院の運びとなり、ベッド数は 7 床(男性入院
室 2 床、女性入院室 2 床、小児科 1 床、分娩室 2 床)になる。本病院では、病院診療の
ほか、月 2 回巡回診療を行っており、山岳地帯の遠隔地まで出向いている。巡回診療を
行っている医療従事者は、医師、歯科医師、助手、衛生指導員、事務員各 1 名である。
本病院の医師数は 4 人、看護婦数 16 人であり、全体の医療従事者数は表 C-1 に示すと
おりである。
過去 6 年間の外来患者の十大疾病は表 C-2 に示す。1998 年までは急性呼吸器感染症が
最も多く、続いて高血圧、皮膚疾患の順になっている。1999 年になると、寄生虫病、感
染症、胃腸疾患が 10 大疾病の上位を占めている。地震による被害が多く、感染症等の危
惧が見られる。外来患者と入院患者数の推移は表 C-3 に示す。1998 年における年間外来
患者数は 8,221 人、年間入院患者数は 230 人、1999 年における外来・入院患者はそれぞ
れ 8,376 人、172 人である。外来患者が多少増加しているものの、入院患者については減
少している。
1998 年におけるベッド占有率は内科 52.7%、外科 11.8%、小児科 10.7%となってい
る。1998 年の手術件数は成人においては眼科系手術が最も多く 28 件、次いで整形外科
手術が 25 件となっている。小児(7 歳以下)の手術としては、整形外科手術がもっとも多
く 23 件である。年間の手術件数は、成人・小児合せて 289 件である。1998 年の出生数
は 32 人、死亡数は 1 人となっている。
- 58 -
保健局
法律顧問
コーディネーター
院内監査
院長
経理
副院長
専門レベル
研修医
技術レベル
作業員レベル
管理レベル
研修歯科医
補助レベル
歯科医見習
排水設備技術
管理助手
運転手
助手
准看護婦
保健促進者
一般サービス補助員
図 C-1 サン・カミロ病院組織図
- 59 -
表 C-1 サン・カミロ病院医療従事者数(1999 年)
項目
診療部
部門名
内科
人数
医師
看護婦
外科
項目
部門名
1 リハ ビ リ テ ー 食事療法科
2 ション
医師
物理療法科
看護婦
救急外来
歯科
眼科
産婦人科
整形外科
医師
1
看護婦
3
医師
1
看護婦
2
言語療法科
放射線
看護婦
医師
呼吸療法科
病棟
医師
医師
看護婦
外科病棟
医師
1
看護婦
1
医師
看護婦
医師
1
看護婦
2
医師
1
看護婦
2
内科病棟
産婦人科病棟
小児科病棟
医師
看護婦
検査部
医師
看護婦
看護婦
小児科
人数
医師
1
看護婦
2
医師
1
看護婦
2
医師
看護婦
医師
施設機材保守 施設・機材保守
検査技師
血液検査
医師
1
検査技師
生化学検査
医師
1
検査技師
(出典:病院資料)
- 60 -
表 C-2 外来患者の十大疾病(1994-1999 年)
疾病名
1994年
患者数
疾病名
患者数
1997年
1.歯および口腔疾患
346 1.急性呼吸器感染症
654
2.高血圧
342 2.皮膚疾患
457
3.急性呼吸器感染症
224 3.高血圧
409
4.皮膚病
212 4.消化器疾患
340
5.消化器疾患
185 5.生殖器疾患
316
6.寄生虫病
178 6.腸炎・下痢症
252
7.外傷
156 7.デング熱
231
8.生殖器疾患
137 8.寄生虫病
218
9.聴覚器疾患
120 9.外傷
207
10.腸炎・下痢症
120 10.その他呼吸器疾患
205
1995年
1998年
1.呼吸器感染症
455 1.急性呼吸器感染症
496
2.歯および口腔疾患
323 2.高血圧
468
3.皮膚疾患
272 3.皮膚疾患
399
4.高血圧
204 4その他呼吸器疾患
336
5.消化器疾患
200 5.寄生虫病
296
6.生殖器疾患
183 6.生殖器疾患
208
7.泌尿器疾患
173 7.消化器疾患
201
8.眼炎
165 8.ウィルス性疾患
199
9.ウィルス性疾患
147 9.外傷
184
10.外傷
136 10.腸炎・下痢症
182
1996年
1999年
1.急性呼吸器感染症
403 1.腸寄生虫
447
2.歯および口腔疾患
317 2.急性鼻咽頭炎
366
3.高血圧
276 3.特異性高血圧
316
4.皮膚疾患
234 4.非特異性高血圧
159
5.消化器疾患
192 5.急性扁桃腺炎
146
6.生殖器疾患
159 6.皮膚疾患
125
7.泌尿器疾患
138 7.心臓疾患
120
8.眼炎症
133 8.急性呼吸器感染症
106
9.寄生虫病
133 9.腸感染症
94
10.その他呼吸器疾患
131 10.急性胃炎
81
(出典:病院資料)
- 61 -
表 C-3 サン・カミロ病院外来・入院患者の推移
1994
項目
1995
1996
1997
1998
1999
[外来患者数]
3,388
4,263
6,908
93
98
27
歯科
204
236
291
救急歯科
401
427
4,086
内科
救急外来
合計
6,137
5,818
358
911
2,403
5,024
7,584
7,048
8,221
15
50
58
53
143
4
7
465
9
44
37
58
46
34
43
56
115
569
96
230
8,376
[入院患者数]
内科
小児科
産婦人科
合計
172
注)1999 年のデータは地震により紛失したため、合計数のみ記載した。 (出典:病院資料)
各部門の状況および各部門の主な既存機材の現状を以下より示す。
①産婦人科
外来医師が担当しており、専門医はいない。出産数は 1997 年に 28 件、1998 年には 32
件となっている。診察室、分娩室、膣触診室から構成されている。産婦人科における入院
患者数は 1998 年には 43 件、合計入院日数は 49 日となっている。
ドップラー胎児心音計
外来に地震後導入した既存が 1 台あり、現在は外来との兼用で使用している。分娩数は
年間約 30 件である。
吸引器、産科用
既存の 1 台が正常に動いているが、容量が少ない。
②救急外来
医師 2 名、看護婦 2 名で、交代で 24 時間体制でサービスを提供している。患者数は平
均 5 名/日である。1998 年における救急外来の患者数は 2,969 人であった。
患者監視装置
既存で 1 台作動状況が良好なものがある。
- 62 -
ネブライザー、超音波
既存に 1 台あるが、上気道炎、喘息等が多く、疾患、病状により使用薬品が異なるため、
現在の 1 台では足りない状況である。
高圧蒸気滅菌装置
本機材は既存で 2 台あり、その内 1 台が故障している。容量約 20 リットル、いずれも使
用年数 20 年である。現在は救急外来で使用している。処置用各種器具、ガーゼ類の滅菌、
処置・手術用手袋の滅菌等に使用し、現在の使用頻度は 1.5 回/日である。老朽化が激し
く、いずれ使用中のものも電気的故障が起こる可能性がある。
③外来
外来における主な疾病は高血圧症、結核治療、心臓疾患、糖尿病等で、衛生指導、妊産
婦検診等も行われている。1998 年における外来患者数は救急外来患者を含め、8,221 名
である。
ドップラー胎児心音計
現在、外来と産科で兼用しているドップラーがあり、作動状況も良好である。
④歯科
歯科医 1 名、助手 1 名で診療にあたっている。日中診療の他、月 2 回、巡回診療にあ
たる。地震で機材が破損し、現在は抜歯や歯垢除去ぐらいしかできない状況であり、患者
数は地震前 30 名であったが、現在は 20 名である。
滅菌器、歯科用
本機材は使用年数が 40 年と老朽化のため温度が上がらず使用していない。現在は薬品に
よる消毒のみである。本来は薬品消毒後、水洗、乾熱滅菌が必要である。
歯科ユニット、携帯用
歯科ユニットが地震のため故障しているため、現在はキンディオ県保健局からの貸与で携
帯用の歯科ユニットを使用して治療を行っている。
歯科用コンプレッサー
本機材は地震以後故障し、現在はデンタルユニットが使用できないため修理していない。
使用年数が 20 年と老朽化も激しく、修理の可能性が少ない。
- 63 -
X 線フィルム現像装置、手動式、歯科用
歯科用 X 線フィルム現像装置(手動式)は既存で 1 台あるが、使用年数 20 年と老朽化が
激しく、現在使用できない状況である。
⑤検査室
大学卒の有資格者(細菌学者)1 名が半日勤務している。検査数(地震以前)は血液学
検査でヘマトクリットが 921 件、生化学検査では血糖 569 件、コレステロール 208 件、
BUN99 件、一般尿検査が 635 件行われている。
水平振とう器
血清学的検査等に使用される。既存で 1 台あったが故障により使用不能である。現在は
手で回転させて使用している。
分析天秤
本機材は使用年数は 10 年であるが、正常に稼動している。
恒温水槽
恒温水槽は既存に 1 台あるが試験管立てをいれると隙間が無いほどサイズが小さく、ま
た水流装置が無いため、試験管を入れた際の温度変化が大きくなっている。生化学検査や
一部の血清学検査に使用するが、現在は結核菌培養のふらん器がわりとしても使用してお
り、汚染の危険性もある他、検査結果に影響を及ぼしており、正確な検査ができない状況
である。
乾燥器
乾燥器は、現在は家庭用料理用オーブンを代用して使用している状況である。試験管や他
使用機材の洗浄後の乾燥に使用する。
双眼顕微鏡
双眼顕微鏡は既存が 1 台で、使用年数は 8 年である。1998 年には尿検査 635 件、血液白
血球分類検査 578 件、寄生虫検査 370 件を行っているが、光軸がゆがみ焦点が合わせに
くい。
ふらん器
ふらん器は現在、恒温水槽を代用して使用している。恒温水槽はサイズが小さいため結核
菌培養が併用されていると本来の目的に使用するのに困難である。
- 64 -
⑥中央材料室
現在は中央材料室が存在しないが、新設病院に計画している。
⑦放射線科
1 年ほど前から開設準備を進めている。25 年使用した単純撮影機材を他病院からもら
いうけたが、施設が整わず未使用であった。今回の地震で埃塗れみなり、別所保管してい
る。新設病院では専用部屋の準備をしている。技術者は今後確保する予定である。
⑧病室
病室は 4 床(男性入院室 2 床および女性入院室 2 床)を有する。1998 年には 230 人の
入院患者であったが、1999 年は 172 人と減少している。ベッドがあるのみで、機材は他
部門の機材を共有して使用している。
- 65 -
サン・ヴィセンテ病院
サン・ヴィセンテ病院はモンテネグロ市に位置する。本病院は 1 月 25 日の地震により、
病院全体の約半分が被害を受け、被害の多かった部分には地面に亀裂が入り、今後の危険
性も高いことから移転新築を予定している。現在は残っている約半分のスペースで診療を
行っている。ベッド数は地震前は総数 41 床であったが、現在は 21 床で行っている。再
建後は 24 床の病院として再開する。
本病院利用者はモンテネグロ市(都市部/農村部)キンバヤ、シルカシア、ラ・テバイダ、
アルメニアの各都市およびバジェ県北部の市町村(アルカラー、ウリョア、オバンド)な
どから来院する。重傷患者に関してはアルメニア市の第三次レベル病院であるサン・ファ
ン・デ・ディオス病院に搬送している。
診療科目は内科、小児科、産婦人科、救急外来、一般外来等となっている。本病院の
組織図を図 V-1 に示す。全体の医療従事者数は表 V-1 に示すとおりである。
過去 6 年間の外来患者の十大疾病は表 V-2 に示す。1996 年までは急性呼吸器感染症、
皮膚病が多く、近年では呼吸器系疾患に加え、腸炎・下痢症、ウィルス性疾患が増えてい
る。1999 年には感染症、寄生虫患者が十大疾病に加わっていることからも、地震の影響
により危惧されていた感染症の増大がわかる。
外来患者と入院患者数の推移は表 V-3 に示す。1998 年における年間外来患者数は 38,894
人、年間入院患者数は 2,069 人である。1999 年には外来・入院患者それぞれ 43,751 人、
836 人となっている。外来患者が大幅に増えているのは、地震直後の救急患者が多かった
ことがあげられる。入院患者に関しては、地震により入院病棟が損壊した為、大幅に減少
している。
1999 年におけるベッド占有率は内科 53.5%、小児科 55.9%、産婦人科 57%となって
いる。1998 年の手術件数はポメロイ手術が最も多く 54 件、次いでヘルニア切徐が 30 件
となっている。1999 年の出生数は 521 人となっている。
- 66 -
取締役会
理事会
•
•
•
•
•
•
•
司法顧問
内部統制顧問
管理業務課
患者対応
•
•
•
•
•
•
運営副理事
患者への情報提供
資金
人材
有形資材
一般サービス
メンテナンス
救急サービス
外来サービス
病院外サービス
入院サービス
手術室
臨床検査室
図 V-1 サン・ヴィセンテ病院組織図
- 67 -
表 V-1 サン・ヴィセンテ病院医療従事者数(1999 年)
項目
診療部
部門名
内科
人数
項目
人数
リハ ビ リ テ ー 食事療法科
ション
医師
看護婦
外科
部門名
医師
医師
看護婦
物理療法科
医師
看護婦
救急外来
歯科
眼科
看護婦
医師
3
看護婦
8
医師
3
看護婦
2
医師
言語療法科
医師
看護婦
呼吸療法科
医師
看護婦
病棟
外科病棟
看護婦
小児科
医師
内科病棟
看護婦
産婦人科
医師
産婦人科病棟
看護婦
その他
検査部
放射線
医師
3
看護婦
8
医師
1
小児科病棟
医師
1
看護婦
3
医師
3
看護婦
5
医師
3
看護婦
5
医師
3
看護婦
5
施設機材保守 施設・機材保守
検査技師
血液検査
医師
2
検査技師
生化学検査
医師
検査技師
(出典:病院資料)
- 68 -
表 V-2 外来患者の十大疾病(1994 年∼1999 年)
疾病名
患者数
1994年
疾病名
患者数
1997年
1.急性呼吸器感染症
1,987 1.生殖器疾患
904
2.皮膚病
1,569 2.高血圧症
853
3.歯および歯茎の炎症
1,444 3.皮膚病
694
4.高血圧
1,249 4.消化器系疾患
545
5.外傷
1,206 5.急性呼吸器系疾患
541
6.腸炎およびその他の下痢性疾患
1,122 6.泌尿器疾患
486
7.妊娠合併症
1,033 7.その他の呼吸器系疾患
445
8.生殖器疾患
974 8.栄養失調
378
9.消化器系疾患
941 9.妊娠合併症
377
10.気管支炎および喘息
818 10.腸炎およびその他下痢性疾患
368
1995年
1998年
1.急性呼吸器感染症
1,051 1.急性呼吸器系疾患
1,469
2.皮膚病
1,044 2.腸炎およびその他の下痢性疾患
1,426
3.歯および歯茎の炎症
917 3.皮膚病
1,356
4.腸炎およびその他の下痢症
804 4.ウィルス性疾患
1,245
5.生殖器疾患
752 5.生殖器系疾患
1,160
6.外傷
735 6.その他の呼吸器系疾患
1,160
7.呼吸器系疾患
693 7.消化器系疾患
1,125
8.消化器系疾患
649 8.外傷
1,116
9.耳の疾患
550 9.高血圧症
1,016
10.ウィルス性疾患
530 10.泌尿器系疾患
1996年
874
1999年
1.皮膚病
1,371 1.歯および歯茎の炎症
615
2.急性呼吸器系疾患
1,358 2.高血圧症
587
3.外傷
1,119 3.その他の消化器疾患
380
4.生殖器疾患
951 4.生殖器疾患
377
5.消化器系疾患
862 5.急性呼吸器感染症
344
6.ウィルス性疾患
822 6.その他の寄生虫病
317
7.腸炎およびその他の下痢性疾患
781 7.皮膚病
314
8.呼吸器系疾患
741 8.泌尿器疾患
294
9.表面的な外傷
736 9.その他の呼吸器感染症
238
10.気管支炎および喘息
586 10.ウィルス性疾患
227
(出典:病院資料)
- 69 -
表 V-3 サン・ヴィセンテ病院外来・入院患者の推移
1994
項目
1995
1996
1997
1998
1999
[外来患者数]
救急外来
15,078
18,060
22,506
27,948
一般外来
16,124
10,184
16,388
15,803
31,202
28,244
38,894
43,751
合計
[入院患者数]
内科
620
419
326
641
639
268
外科
53
153
49
20
0
0
375
211
207
382
542
149
小児科
産婦人科
合計
851
757
707
962
888
419
1,899
1,540
1,289
2,005
2,069
836
(出典:病院資料)
各部門の状況および各部門の主な既存機材の現状を以下より示す。
①産科
分娩室と病棟は地震で被害を受け、現在は小児科病棟と兼ねて会議室で仮診療を行って
いる。分娩室 1 部屋、陣痛室 3 部屋、診察室 1 部屋で構成され、入院ベットは成人用 7
床、小児科用 4 床ある。専門医の常勤はなく、必要に応じて外来と兼ねて勤務している。
通常分娩が主で、異常分娩はアルメニアの病院に紹介または搬送している。重症新生児も
アルメニアに搬送している。分娩数は 1997 年 565 件/年、1998 年 416 件/年、1999 年上
半期 229 件であり、アルメニアに紹介または搬送患者は約 2 件/日という状況である。
輸液ポンプ
陣痛促進剤や異常分娩の患者をアルメニアに搬送する時に使用する。既存が 1 台あるが、
点滴数のコントロールが故障しており調節できない。アルメニアに紹介または搬送する患
者数は約 2 件/日と多く、使用頻度が高い。
新生児用蘇生器
新生児用蘇生器は既存が 1 台で、内容はアンヴューバック1、新生児用咽頭鏡1、チュ
ーブ類等である。使用頻度は少ないものの、機材は古く、使用に耐えられるかどうかとい
う状況である。
②外来
診察室 5 部屋、一般内科 2 部屋、小児科、婦人科、歯科各 1 部屋、肺機能回復訓練室、
相談室、看護婦ステーション(問診室)から構成されている。地震では建物に大きな被害
が及ばなかった。医師が午前 2 名、午後 1 名で、看護婦 1 名、准看護婦が午前 2 名、午
- 70 -
後 2 名、歯科医 2 名、准看護婦 1 名、呼吸機能訓練士(午前 7 時より 11 時まで)1 名が
従事している。呼吸機能訓練士が扱う主な疾病は肺炎、急性気管支炎、喘息等で、1 日平
均 13 名の患者が来院する。医師は日によって午前、午後各 4 名となることもある。一般
診療のほかに保育教室、妊婦教室、高血圧教室、結核予防教室、糖尿病教室などをおこな
っている。患者数は、各教室等の参加者が来ると増えるが平均 150 患者/日である。
心電計、3 チャンネル、解析装置付
心電計は救急外来に 1 台あり、心疾患患者などの検査に使用している。使用頻度は救急
外来、一般外来含めて 15 件/日である。一般外来での使用には救急外来からの借用使用と
なるため、救急外来での使用に不都合が起こる。
無影灯、移動式、バッテリ付
現在移動式無影灯が 1 台婦人科診療室にあり、婦人科の内診等に使用している。現在の
無影灯は普通電球式のため発熱し、頻繁に電球切れが起こり必要時に使用できないことが
よくある。
③歯科
虫歯治療、抜歯処置、歯垢除去治療等を行っている。義歯の作成は第一次病院ではおこ
なわず民間施設でのみ行っている。歯科医 2 名が従事し、歯科診療台が 2 台で、患者数
は平均 30 患者/日である。
歯科ユニット、歯科用コンプレッサ
デンタルユニット、歯科用コンプッレッサーは各 2 台既存であり、使用年数それぞれ 10
年、8 年である。
X 線フィルム現像装置、手動式、歯科用
X 線フィルム現像装置(手動式)は既存で 1 台あるが、老朽化が激しい(使用年数 18 年)。
旧式機材のため使用勝手が悪く鮮明な X 線像が得られない可能性がある。
④救急外来
診察室、小児科診察室、婦人科診察室、処置室、観察室(4 床)他、滅菌室から構成さ
れている。医師 2 名、うち 1 名は常時勤務している。看護婦 1 名、准看護婦 2 名にて 24
時間対応で従事している。患者数は平均 50 患者/日となっている。主な疾病は、急性呼吸
器疾患、下痢症、深部皮膚外傷、ウイルス性疾患、婦人科器官疾患、呼吸器疾患、消化器
官疾患、外傷性疾患、高血圧、尿道疾患等である。救急車は 2 台保有しており、重症患
者はアルメニアに搬送している。
- 71 -
除細動器、モニタ付
本機材は既存で 1 台あるが、1 年前に故障し、修理不能で倉庫に保管されている。
ドップラ胎児心音計
ドップラ胎児心音計は、既存に 1 台あるが故障している。
無影灯、移動式、バッテリ付
既存の無影灯はグースネックランプが 1 台あるが、普通電球式のため発熱し、頻繁に電
球切れが起こり必要時に使用できないことがよくある。
ネブライザ、超音波
ネブライザは 1 台既存である。既存機材平均使用回数は 40 回/日である。
⑤検査室
技師(大卒、細菌学者)が 1 名、准看護婦(受付)1 名が従事している。また、時期によ
ってはインターン生が 1 名従事する。本病院の検査項目は血液学検査全般、尿一般検査、
糞便検査、血清学検査、生化学検査、膣細菌鏡見検査、喀痰結核菌直接塗抹検査、結核菌
培養植菌である。
自動血球計数装置
現在は用手法で行っており、検査数は 1999 年上半期で 1,452 件、1 日平均約 10 件であ
る。血球計数検査は 1 検体につき平均 25 分を要するため、結果がでるまで時間を要する。
また、検査結果にばらつきが生じやすい。
蒸留水製造装置
院内に 1 台あったが、老朽化により 8 年前から使用していない。現在は県保健局から蒸
留水を調達しているが、品質の劣化があり、試薬の品質が落ちる場合がある。
⑥放射線科
地震前は開設していたが、地震で機材が直接被害を受けた為、撮影できない状態である。
X 線技師助手が 1 名(修学 0.5 年、勤続 8 年、現在は管理部門勤務)
、他に医師が担当し
ている。
X 線装置、回診型
既存でオランダ製のものが 1 台あったが、地震時に故障し、現在は使用していない。
- 72 -
X 線フィルム現像装置、手動式
本機材も既存で 1 台あったが地震時に故障し、現在使用できない状況である。
⑦滅菌室
地震で直接被害を受けた。地震以前は手術室の隣に位置していたが、現在は救急外来の
一角の小部屋で滅菌作業をしている。
高圧蒸気滅菌装置
既存 4 台(約 250 リットル、約 200 リットル、約 100 リットル、約 30 リットル)のう
ち約 250 リットルのものは使用年数 15 年で老朽化のため修理不能で 7 年前から使用して
いない。約 200 リットル、約 100 リットルのものは使用年数 15 年、滅菌室移動に伴い倉
庫と検査室に保管されている。現在約 30 リットルのみ使用している。使用頻度は約 20
回/日であり、老朽化が激しい。
⑧一般病室
地震の直接被害をうけたため、現在中庭に臨時の病棟を建設し使用(男女同棟、計 10
床)している。以前は総ベット数 41 床だったが、現在は 21 床になっている。婦人科の
ベットも足りず一般病棟に 1 名入院中である。
除細動器、モニタ付
除細動器・モニタ付き、吸引器は救急外来と兼用で 1 台あったが、1 年前に故障し、修理
不能で倉庫に保管されている。
- 73 -
2-5-4 各対象病院の建設・改修工事の状況
各病院が提出した工程表によると、建設・改修工事はすべて、周辺設備(電力、水供給、
排水、その他の設備)の整備も含め、以下の期日までに完工する予定である。なお、「コ」
側は各対象病院の工事進捗状況について月 1 回 JICA 事務所に報告することを約束した。
病院名
サン・ファン・デ・ディオス病院
ラ・ミセリコルディア病院
サン・カミロ病院
サン・ヴィセンテ病院
完工月
2000 年 3 月末
2000 年 9 月末
2000 年 7 月末
2000 年 9 月末
1) サン・ファン・デ・ディオス病院(アルメニア)
病院改修工事のうち、前回調査時に未契約であった 2 階ラボの改修工事は契約も終
わり、病院全体の改修工事としては、4 階および 2 階の塗装工事が一部残されている程
度で、その他の部分はすべて完了し既に使用に供されていた。病院改修工事は遅くとも
2000 年 3 月には終了するものと判断される。
2)ラ・ミセルコルディア病院(カラルカ)
基本設計調査時に確保されていなかった第 2 フェーズの工事資金約 5 億 5200 万ペソ
が確保されていることが基本設計概要説明時に確認された。改修工事については、諸事
情から第 1 フェーズの工事業者と第 2 フェーズの業者が替わるという事態になり、第 1
フェーズの工事内容が変更されそれに伴い工期が 4 月 7 日までに延期された。現在工
事は 2 階、3 階の南側諸室の内装工事を行っており、これが完成次第現在医療活動を行
っている地階の救急医療部門がここに移転し、第 2 フェーズに予定されていた 2 階、3
階の北側部分の完成を急ぐことになる。第 2 フェーズの工事業者は地階、1 階の内装工
事を工期 5 ヵ月で完了する契約になっている。第 1 フェーズの残された工事内容およ
び第 2 フェーズの工事規模から判断して改修工事は 2000 年 9 月までに完了するものと
判断される。
3) サン・カミロ病院(ブエナヴィスタ)
工事契約書および着工命令書による工事期間は 1999 年 12 月 16 日から 7 ヵ月間とな
っている。工事は現在 1 階柱のコンクリート打設が行われており、事前に着工されて
いたため工程表よりも進んでいる状態である。雨によりアクセス道路の一部が崩壊して
いたが、本病院は山岳地帯に立地するためこのような自然災害が工事に影響しないこと
を期待する。新築工事は、予定工事期間から 2 ヵ月程の期間内(2000 年 9 月頃)まで
には工事は完了するものと判断される。なお、隣接地の取得が未だ行われていない状態
であった。この場所は水、電気等のエネルギーの取入れが行われる重要な土地であるた
- 74 -
め早い時期の取得が必要である。
4) サン・ヴィセンテ病院(モンテネグロ)
建設工事はまだ着手されたばかりで、建物の一部の基礎工事のための根切りが実施さ
れた程度である。なお、工事は 9 月最終週に引渡しが予定されている。1 月 26 日に再
度建設現場を訪ね現場の責任者に電気、水道の引き込みについて尋ねるとともに引き込
み個所の確認を現地にて行ったところ、電気については現場から約 100 メートル程、
また水道については約 500 メートル程先から引き込み工事を行う必要があることが判
明した。これらの工事は時間的にも金銭的にもかなりの工事になるので、病院本体の建
設工事が完了するまでに確実に実施されるように要請するとともに、翌日保健省の建築
担当者に報告し十分な指導を重ねて要請した。
2-5-5 環境の配慮
(1)医療廃棄物処理
いずれの病院においても、院内感染や院外での取り扱いの危険性等を理由に注射器・
注射針・点滴チューブ・手袋等の感染性廃棄物の処理についての認識は高く、「医療施
設に関する省令」に基づきながら院内でこうした廃棄物をそれぞれの診療部門で工夫
して分別管理している。しかし、こうした廃棄物の処理は公共機関または専門業者と
いった外部に委託する仕組みはアルメニア地域にないため、いずれの施設においても
焼却炉により自ら行っている。
一方、中央の保健省では、各病院において不完全な焼却処理をして発する煙の大気
汚染公害について問題視する方向もある。保健省の施設担当者によれば、ボゴタ市で
は、市が市内の医療廃棄物を収集し、完全な処理をする計画を持っているとの事であ
る。
①サン・ファン・デ・ディオス病院
敷地内の焼却炉で処理している。焼却炉の燃料は重油で行ってきたが、公害に影響の
少ない天然ガスの燃料に近々変える方針をたてている。
②ラ・ミセリコルディア病院
焼却炉が地震で壊れて以来、院外から離れた広場でまとめて焼却している。
③サン・カミロ病院
現在の仮診療所には焼却炉がないが、診療規模は小さいためその必要性も無い。しか
し新病院では診療規模が拡大されるため、敷地内に焼却炉を持つ方針をたてている。
- 75 -
④サン・ヴィセンテ病院
こうした廃棄物は定期的にアルメニア市の焼却処理場に自ら運んで処理している。
新病院では敷地内に焼却炉を持つ方針をたてている。
なお、メデジン市パブロ・トボン・ウリベ病院が 1992 年 10 月に作成した医療廃棄物
取り扱いマニュアルを以下に示す。現在 100 以上の保健医療施設がこれを参考にしてい
る。
色の分別
緑:通常の廃棄物でリサイクルできないもの
赤:生物学的に危険をはらんだ廃棄物
黒:解剖や病理検査の結果として生ずる廃棄物
オレンジ:プラスチック製品
白:ガラス製品
灰色:紙・ダンボールその他同種のもの
使い捨てのビニール袋(厚さ 0.8mm 以上)も、それを入れる硬質プラスチック容器も同
色とする。
-
針・注射器、その他切断や穿刺などに使う器具は 500PPM の次悪塩素酸リーダー入り
の硬質プラスチック容器に入れ、赤いビニール袋に入れて最終処理→焼却できれば理
想的
-
隔離患者から生ずる廃棄物は赤い袋に入れる
-
ラボから出る廃棄物は化学的または物理的な方法で不活性化して赤い袋に入れる。
-
治療や手術から生じた廃棄物は赤い袋に入れる。
-
使用済みのゾンデ・チューブ・カテーテル・ガーゼなどは赤い袋に入れ焼却または埋立
地へ
-
医療施設での廃棄物はその施設が責任をもって処理する必要がある。
-
できれば施設内にある程度の規模の焼却を設置し、ごみ収集会社の協力を得て廃棄物
の処理に関する研修プログラムを導入する。病院から汚染の危険性のある廃棄物を外
に出さないようにできれば理想的である。
- 76 -
法律第 9:公衆衛生法(1979.1.24 公布)
第24条 いかなる施設も保健省の事前の許可なく空き地にその施設から出た廃棄物を保
管してはならない。
第33条 廃棄物を運搬する車は耐水性で密閉型、高さの低い貨物用のものとする。但し、
風などによって運び去られたりしない性格の廃棄物の場合は開放型の車でもよ
い。
第34条 保健省の事前の許可なく、廃棄物を除去する方法として野外で焼却するシステ
ムを利用してはならない。
保健省省令 2104(1983 年 7 月 26 日公布)
第Ⅱ章 一般規定
第10条 廃棄物の処理については以下の状況が生じない方法で行う。
(以下抜粋)
z
人間や動物に疾病が感染するようなベクターや状況が蔓延する。
z
大気・水・土壌を汚染する。
(2)検査廃液処理
現状ではいずれの施設も検査廃液について直放流をしており、環境的配慮は何もし
ていない。今後は有害物に対する廃液槽の使用、劇薬の稀釈処理等により、環境に対
する配慮をする方針を取っていくとのことである。
一方、医療廃棄物や検査廃液の処理と言った医療施設の環境規準は「キンディオ県
地域公社」(CRQ)が監督しており、定期的な立ち入り検査をしている。
(3)放射線防護
放射線診断装置を囲う部屋においては、「医療施設に関する省令」に基づき、平屋の
場合は周囲の壁を、多層階構造で中間階の場合はさらに床および天井も防護するとし
た工事が、いずれの調査対象病院の放射線診断室でもなされている。
壁には所定の厚さの鉛を張り回す方法を取っている。複層階構造で中間階の場合は、
所定の鉛厚さの放射線防護に相当する鉄筋コンクリートの床構造が直上階および直下
階に存在する場合、床および天井には鉛を張る等の特別の施しはしていない。
- 77 -
(4)その他
<医療医療施設に関する省令 (1996 年・第 4445 号)>
当省令では、「施設構造」および患者の院内アクセスに対する条件等の「運営」の両面
において記述されている。
当省令の中で本計画に関わる可能性のあるもののみを抜粋すると次の通りである。
1.管理部門
a. 固形廃棄物の処理
感染性医療廃棄物が発生する場合はその保管場所を定め、然るべき管理をする。
b. 大気汚染防止
医療施設から発生する排気の基準は環境省関係法令等に合致するものとする。
2.診療部門
a. 放射線(画像診断)
<部屋構成>
‐
300mmA 以上の撮影装置には 20m2 以上の面積の撮影室とする。
‐
撮影室とは別に操作室を設ける。
‐
放射線遮蔽
‐
放射線診断装置を囲う部屋において、平屋の場合は周囲の壁を、多層階構造の中
間階の場合は更に床および天井も遮蔽するものとする。
b. 手術
手術室は 20m2 以上の広さと、2.8m 以上の天井高を確保する。
c. 分娩
分娩部室は 16m2 以上の広さと、2.6m 以上の天井高を確保する。
d. 材料滅菌
諸室構成では機材の取り扱いについて①洗浄②セット・組立③滅菌④滅菌物保管の工程
を順序立て、清潔管理を配慮したものにする。
e. 重症治療
各患者の生態を中央で監視できる機能を確保する。
- 78 -
第 3 章 プロジェクトの内容
第 3 章 プロジェクトの内容
3-1 プロジェクトの目的
キンディオ県は、「コ」国アンデス地方の中西東部に位置する人口 53 万 6 千人(国全
体の約 1.5%)のコーヒー産地である。1999 年 1 月 25 日に発生した「コ」国西部地震に
より、キンディオ県中南部は約 7 万戸の家屋が損壊するなど、甚大な被害を受けた。医
療セクターにおいては、同県の 15 公立病院中、6 病院が全半壊、その他の病院において
も医療機器が損壊する等、総額約 12 億円の被害を受け、基礎的保健医療サービスが停止
した。 一方、震災後、衛生状況が悪化したために急性下痢症や急性呼吸器疾患が増加し、
また感染症の蔓延化が危惧され、医療ニーズは増加している。現在、本計画の対象医療施
設では、半壊の施設もしくは仮の施設で、損壊を免れた少々の機材を用いて診療活動を行
っている状況である。「コ」国政府は被災地であるコーヒー栽培地域に対する「コーヒー
地帯社会再建/開発基金」を創設し、これと並行してキンディオ県中南部の病院再建計画
を含む、県全体の病院緊急整備計画を策定した。
「コ」国保健省は、キンディオ県中南部の現在の医療状況に鑑み、これら病院の再建を
優先的に考えている。しかしながら、保健省は、資金面、技術面等から種々の困難を抱え
ており、特に被害の大きい、また低所得者層を対象とした下記 4 公立病院の再建にかか
る医療機材整備計画である。
① サン・ファン・デ・ディオス病院
② ラ・ミセリコルディア病院
③ サン・カミロ病院
④ サン・ヴィセンテ病院
本計画における上位目標、プロジェクト目標、期待される効果はそれぞれ以下のとおり
である。
● 上位目標:
「コ」国キンディオ県における保健医療体制が地震前のレベルまで回復する。
● プロジェクト目標:対象医療施設における保健医療体制が地震前のレベルまで回復する。
● 期待される成果:対象医療施設における機材整備状況が地震前のレベルまで回復する。
被災地における保健医療サービス機能の回復を目的とした計画内容、規模とすることが、
本計画では最も重要なことである。
- 79 -
3-2 プロジェクトの基本構想
3-2-1 協力の方針
各対象病院の妥当性は、「コ」国での現地調査および情報収集を通して、1999 年 1 月 25
日の「コ」国の大地震による被害状況、再建工事計画、病院の位置付け、医療活動の内容、
医療従事者のレベル、実施体制、既存機材の状況等を確認し、本計画の対象としての妥当
性は明らかになった。
本計画と「コ」国における上位計画(国家開発計画および保健医療開発計画)との連携、
保健医療分野での優先度を把握するとともに、地震の被害を受けた地域の被害状況を確認
し、裨益対象ともに妥当であることが確認された。さらに、実施後の運営・維持管理体制
の確保を調査し、地震の被害が大きく、受診者の大部分を占める低所得者層住民への保健
医療サービス提供医療施設の整備を目的として調達を行うことにした。
本計画の全体機材計画は、以下の方針に基づき、各対象病院の本来もっている診療活動
機能を著しく低下させている地震による被害で故障した機材を更新することにより、地震
前のレベルまで診療活動機能を回復することを目的としたものである。
① 地震で被害を受けた機材の更新を重点におき、既存機材において更新が必要な機材お
よび病院の診療医療体制の強化に必要な機材の更新、補充で、現在の体制で使用可能
なレベルであること。
② 新たな技術の導入を前提としないこと。
③ 「コ」国側による自助努力を促すために、独力で購入可能なものについては、本計画
で除く。
したがって、優先されるべき機材は、原則として地震により破損した既存機材を対象と
し、かつ現体制(医師・看護婦・技術者等)で対応可能な範囲内の機材計画とした。ただし、
本計画の対象病院である 4 病院は、それぞれアルメニア、カラルカ、ブエナビスタ、モ
ンテネグロという主要都市のトップの医療施設であることを鑑み、著しく医療体制、診療
機能について不備である部門に対して、一部の機材の新規導入を考慮した。
- 80 -
1)プロジェクトの行動計画
上位目標
キ ンデ ィ オ 県 に お け る
保 健医 療 体 制 が 地 震 前
のレベルまで回復す
る。
プロジェクト目標
対象医療施設における保
健医療体制が地震前のレ
ベルまで回復する。
活動
成果
•
•
診療機能の回復
病院運営の回復
投入
医療機材整備
(日本側)
活動
この仕組の原点は「プロジェクトの目標」であり、それの前提となる「活動」と「投入」の在り方が重要な
要素となってくる。
図 3-1 プロジェクトの行動計画
本計画の目標達成については、最良の成果(OUTPUTS)を引出すことが前提であり、
そのためには効果的な「活動」と「投入(INPUTS)」が行動計画として重要な位置付けと
なる。
2) 活動計画
本計画は、1999 年 1 月 25 日の地震により被害を受けたキンディオ県の医療体制の復
旧を目的とした計画であり、以下の目標があげられる。
(1) 各対象病院における患者診療機能の回復
的確な診断・治療、運営管理、患者へのサービス等を地震前のレベルまで回復する
ことが必要である。
(2) 各対象病院における病院運営の回復
各対象病院の的確な人員配置、予算の確保、運営維持管理費等を含めた病院運営を
地震前のレベルまで回復することが必要である。
- 81 -
3)投入
本プロジェクトに必要となる投入は、以下のとおりである。
表 3-1
投入計画表
「コ」国側
本プロジェクト終了までに以下の体制を構築する必要がある。
1) 施設の再建/改修の手配
既存機材の移設、再建/改修工事を本プロジェクトの据付までに終了する。
2)医療従事者の手配
必要があれば新規によるスタッフの採用を行う。
3)医薬品、消耗品等の手配
病院内の物品供給体制を構築する。
4)運営資金の手配
消耗品購入費、減価償却費、保守維持管理契約費用などを確保する。
日本国側
病院への医療機材等の調達
「コ」国側の活動・投入の行動計画表は以下のとおりである。
表 3-2 活動・投入の行動計画表
6
1
12
施設の再建/改修の手配
コ
投 医療従事者の手配
ロ
医薬品・消耗品の
ン 入 手配
ビ
運営資金の手配
ア
国
活
診療機能の向上
活動準備
活動実施
活動準備
活動実施
側
動 病院運営の向上
日 投
本
側 入
医療機材整備
(実施設計)
(入札・業者選定)
(機材搬入)
(据付)
- 82 -
3-2-2 基本方針
本計画をプロジェクトの有効な投入として位置付けるために、要請機材の選定基準につ
いては従来の機材選定基準ではなく、以下の原則に基づいて策定する。
● 地震により被害を受けた機材
● 現有機材において更新が必要な機材
● 病院の地震後復旧に際して必要とされる機材
「コ」国における対象地域の一般的な疾病に対して、診断・治療が可能となるような基本
的な機材で、保守・維持管理の容易さ、確実さ、また対象病院の保有する機材および人材
との整合性に配慮した計画を策定する。
機材内容は、現状の診療レベルの位置付け、将来の施設状況や規模、既存の医療従事者
の維持管理能力を調査、検討により機材の内容および数量の設定を行う。
3-3 基本設計
3-3-1 設計方針
(1)機材の範囲、グレードの設定に対する方針
対象地域の一般的な疾病に対して、診断・治療が可能となるような基本的な機材で保守・
維持管理の容易さ、確実さ、また対象病院の保有する機材との整合性に配慮した計画を策
定する。また、自動電圧安定化装置、無停電電源装置、機械類の保守点検用工具セット等
の本体を活用するための周辺機材も対象とする。放射線診断装置には、X 線防護用に必要
なエプロンなども考慮する。
(2) 自然条件に対する方針
「コ」国は南米大陸と中米を結ぶ要所に位置し、太平洋岸と大西洋岸の双方に面した地の
利を得ている。「コ」国は赤道直下の熱帯圏に位置し、地形的条件から気候は 4 つに区分
される。キンディオ県のアルメニア市の標高は約 1,400m である。
自然条件から機材の仕様を各対象病院ごとに変える必要はないが、電圧の変動を考慮し
て、電圧変動に弱いと判断される機材には、自動電圧安定化装置を付設する。さらに停電
を考慮し、無停電電源装置を手術室、集中治療室などに付設する。特に人工呼吸器のよう
に常時患者に装備している機材については必ず装置する。標高、湿度、温度、塵等が計画
機材に影響がないように、医療機材製造会社や現地代理店からキンディオ県の各対象病院
における機材に関する影響を聴取し計画に反映させる。
また、保守点検用の工具セットも機材本体を活用するために必要と判断されるものは計
画する。
- 83 -
(3)現地業者、現地資機材の活用についての方針
製造会社の代理店を 31 社調査したが、「コ」国では、医療機材はほとんど製造されてお
らず、特定な機材に限られている。各対象病院に納入されている機材の代理店については、
ほとんどが米国系の医療機材代理店であり、その半数が販売代理店であった。したがって
本計画では機材を「コ」国以外から輸入することになるが、「コ」国内に代理店があり、スペ
アパーツおよび消耗品等の生産、供給が一定期間(最低 5 年間)見込める機材を選定す
る。日本製品あるいは第三国製品を採用するが、その際、保守・維持管理の容易さ、確実
さ、また各対象病院の保有する機材との整合性を配慮する。
そのため入札時の第三国製品としては、品質、安全性を考慮して OECD 諸国の製品に
限定することにする。さらに、第三国製品とすることで消耗品等の手配が早くなり、病院
側は発注後 48 時間以内に入手することが可能となる。
(4)実施機関の維持管理能力に対する対応方針
運転資金、使用者の技術レベルに関して、本計画では既存機材で基本的な機材に限定し
ているため、実施後に「コ」側で対処が困難となるような機材はほとんど発生しないと考え
られる。しかしながら、計画機材には高度な医療機材が一部含まれており、病院側が高度
医療機材の保守のために、製造会社と機材保守管理契約を締結し、機材の長期的な活用を
図ることが必要である。
日常の保守点検と同時に故障時の対応により、病院全体の医療サービスに影響を及ぼす
ため、巡回をしている代理店の関係者と密に連絡をとりあいながら、適切な対応をするこ
とが求められる。
(5)工期に対する方針
対象病院の施設改修/再建の工程にあわせて、要請機材の搬入を行う必要があるため、
「コ」国側の自然条件なども十分に勘案した上で、実施工程の設定を行う。
実施時の機材配備および設置作業は、病院の日常医療業務に差し障りのないように、効
率的に短時間で完了し得るように計画する。据付作業を必要とする特別仕様の大型医療機
材については、製造会社の工場にて出荷前に十分な打合せを行い、機材据付時の工期の短
縮を図る。
- 84 -
3-3-2 基本設計
(1)機材検討の経緯
調査団は基本設計調査時に「コ」国と要請機材について機材選定の協議を行い、各機材
について以下の優先順位を付した。
優先順位 A: 地震によって被害を受けた機材
優先順位 B: 既存機材において更新が必要な機材
病院の地震後復旧に際して必要とされる機材
優先順位 C: 医療機材以外の機材および家具類
院内の調達により共有化・集中化が可能な機材
「コ」側で調達が容易な機材
現在の対象病院の技術レベルを超えている機材
単独での消耗品およびスペアパーツ
上記優先順位のもと、日本での国内解析において検討され、最終的な協力の内容、コン
サルタントの補足現地調査の結果により、改めて対象としての可否を検討した。
国内解析の結果、機材計画について検討経緯を表 3-3 に示す。
(2)機材計画
以上の検討および病院の患者需要、人員計画、計画機材内容、技術レベルから判断して、
前項の本計画機材の設計方針・調査および協議の結果に基づき以下のような計画機材を作
成する。
基本設計方針および条件に導き出される本計画に妥当な規模の機材は 69 種類で、その
内容および数量は次表に示すとおりである。
表 3-4 に全体機材計画表、表 3-5 に各対象病院機材計画表、表 3-6 に主要機材の仕様を
添付する。
- 85 -
表 3-3 機材計画の検討経緯
A:サン・ファン・デ・ディオス病院
部署名
基本設計調査時
機材名
最終合意
備考
数量
優先順位
心電計、3チャンネル、解析装置付
2
1A・1B
2
脳波計、18チャンネル
1
B
1
腹腔鏡、ビデオ付
1
B
1
内視鏡台
2
B
2
膀胱鏡、小児用、ビデオ付
1
B
1
腎膀胱鏡
1
B
1
気管支鏡、小児用
1
B
1
関節鏡、ビデオ付
1
B
1
内視鏡用洗浄装置、手動式
1
B
1
X線透視撮影装置
1
B
1
X線テレビ装置(Cアーム)
1
A
1
カラードップラ超音波診断装置
1
B
1
超音波診断装置、移動式
1
B
1
自動X線フィルム現像装置(B)
1
B
1
羊水鏡
1
B
0
ドップラ胎児心音計
1
A
1
蘇生器
2
B
2
インファントウォーマ
1
B
1
パルスオキシメータ、移動式
2
B
1
数量変更
パルスオキシメータ、移動式
4
B
3
数量変更
輸液ポンプ
4
B
4
人工呼吸器、新生児用
1
B
1
ビリルビン計
1
B
1
天吊無影灯
4
1A・3B
4
無影灯、移動式、バッテリ付
2
A
2
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
4
B
4
輸液ポンプ
4
B
4
整形外科用器具セット(A)
1
B
0
回復室
輸液ポンプ
4
B
4
患者監視装置
4
B
4
中央材料室
高圧蒸気滅菌装置(B)
2
B
2
超音波洗浄装置
1
B
1
蒸留水製造装置
1
B
1
集中治療ベッド、電動式
6
B
0
患者監視装置
3
B
3
輸液ポンプ
10
B
9
血液ガス分析装置
1
B
1
除細動器、モニタ付
2
B
2
集中治療室用蘇生器
2
B
2
心電計、3チャンネル、解析装置付
2
A
2
蘇生器
6
B
3
数量変更
患者監視装置
4
B
3
数量変更
輸液ポンプ
20
B
8
数量変更
除細動器、モニタ付
2
B
1
数量変更
眼科用プロジェクタ
1
A
1
耳鼻咽喉科
オージオメータ、小児用
1
B
1
検査室
双眼顕微鏡
2
B
2
遠心器、卓上用
2
A
2
滅菌器、縦型
1
B
1
ピペット洗浄器
1
B
1
自動生化学分析装置
1
B
1
回転型ミクロトーム
1
B
1
凍結ミクロトーム
1
A
1
診断
内視鏡検査
放射線
産婦人科
新生児
手術室
中間治療室
集中治療室
一般室
眼科
病理
- 86 -
数量
現在あまり使用されない
「コ」国で調達可能と判断
議事録での優先度Cと判断
数量変更
表 3-3 機材計画の検討経緯
B:ラ・ミセリコルディア病院
部署名
産科
外科
救急
歯科
基本設計調査時
機材名
最終合意
数量
優先順位
数量
吸引器、産科用
2
B
2
輸液ポンプ
3
B
3
新生児用保育器
1
B
1
搬送用保育器
1
B
1
胎児モニタ
1
B
1
超音波診断装置、移動式
1
B
1
無影灯、移動式、バッテリ付
2
B
2
輸液ポンプ
3
B
2
電気メス
1
A
1
天吊無影灯
2
A・B
2
除細動器、モニタ付
1
B
1
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
2
B
2
X線テレビ装置(Cアーム)
1
B
0
万能手術台(油圧・手動式)
1
B
1
整形外科用器具セット(B)
1
B
0
パルスオキシメータ、移動式
2
B
2
輸液ポンプ
3
B
3
自動X線フィルム現像装置(A)
1
A
1
X線装置、回診型
1
B
1
歯科用コンプレッサ
2
A
2
歯科ユニット
2
A
2
歯科ユニット、携帯用
3
B
0
歯科用セット
2
B
2
滅菌器、歯科用
1
A
1
歯科用X線装置、床置
1
A
1
備考
数量変更
重症患者はアルメニアへ搬送
重傷患者はアルメニアへ搬送
「コ」国で調達可能と判断
X線フィルム現像装置、歯科用
1
B
1
自動血球計数装置
1
B
0
既存で対応可能と判断
自動生化学分析装置、簡易型
1
B
0
既存で対応可能と判断
電動白血球分類計算器
1
B
0
既存で対応可能と判断
分光光度計
1
B
1
乾燥器
1
B
1
遠心器、卓上用
1
A
1
双眼顕微鏡
2
A・B
2
血液保冷庫
1
B
1
蒸留水製造装置
1
B
1
純水製造装置
1
B
0
滅菌器、縦形
1
A
1
ふらん器
1
A
1
水平振とう器
1
B
1
分析天秤
1
B
0
除細動器、モニタ付
1
B
1
輸液ポンプ
3
B
2
数量変更
放射線
X線透視撮影装置
1
B
0
外部委託で対応
一般サービス
院内廃棄物最終処理機材
1
B
0
環境への影響
臨床検査
病室
- 87 -
維持管理費が高額な為
「コ」国で調達可能と判断
表 3-3 機材計画の検討経緯
C:サン・カミロ病院
部署名
産科
救急
外来
歯科
基本設計調査時
機材名
最終合意
数量
優先順位
数量
輸液ポンプ
1
B
0
蘇生器
1
B
1
無影灯、移動式、バッテリ付
1
A
1
心電計、3チャンネル、解析装置付
1
B
1
ドップラ胎児心音計
2
B
1
新生児用保育器
1
B
1
電気焼灼器
1
B
0
吸引器、産科用
1
B
1
患者監視装置
1
B
0
除細動器、モニタ付
1
B
1
患者監視装置
1
B
1
ネブライザ、超音波式
2
B
1
無影灯、移動式、バッテリ付
1
A
1
輸液ポンプ
2
B
2
パルスオキシメータ、移動式
2
B
0
ドップラ胎児心音計
1
B
1
外来用器具セット
2
A
0
滅菌器、歯科用
1
B
1
歯科ユニット
1
A
1
歯科ユニット、携帯用
1
B
0
歯科用コンプレッサ
1
B
1
歯科用セット
1
A
1
歯科用X線装置、床置
1
A
1
X線フィルム現像装置、歯科用
1
B
1
備考
他部門と共有
数量変更
医学的見地から危険と判断
救急部門と共有
数量変更
患者監視装置で対応
「コ」国で調達可能と判断
「コ」国で調達可能と判断
水平振とう器
1
B
1
分析天秤
1
B
0
恒温水槽
1
B
1
乾燥器
1
B
1
ヘマトクリット遠心器
1
A
1
双眼顕微鏡
1
B
1
遠心器、卓上用
1
A
1
ふらん器
1
B
1
蒸留水製造装置
1
B
1
滅菌器、縦形
1
B
1
自動生化学分析装置、簡易型
1
B
0
維持管理費が高額な為
検査用器具セット
1
B
0
「コ」国で調達可能と判断
放射線室
X線装置、回診型
1
B
1
X線フィルム現像装置、手動式
1
B
1
中央材料室
高圧蒸気滅菌装置(A)
1
B
1
病室
輸液ポンプ
1
B
0
他部門と共有
一般サービス
院内廃棄物最終処理機材
1
B
0
環境への影響
臨床検査
- 88 -
「コ」国で調達可能と判断
表 3-3 機材計画の検討経緯
D:サン・ヴィセンテ病院
部署名
外科
産科
外来
救急
歯科
機材名
基本設計調査時
最終合意
優先順位
数量
吸引器(A)
1
A
0
天吊無影灯
1
B
0
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
1
A
0
除細動器、モニタ付
1
B
0
手術台(油圧・手動式)
1
B
0
電気メス
1
A
0
輸液ポンプ
1
B
1
蘇生器
1
B
1
新生児用保育器
1
A
1
搬送用保育器
1
B
1
コルポスコープ
1
B
0
胎児モニタ
1
B
1
外来用器具セット
2
B
0
心電計、3チャンネル、解析装置付
1
B
1
無影灯、移動式、バッテリ付
1
B
1
除細動器、モニタ付
1
B
2
ドップラ胎児心音計
1
B
1
無影灯、移動式、バッテリ付
2
B
2
患者監視装置
1
B
1
ネブライザ、超音波式
2
B
1
数量変更
輸液ポンプ
2
B
1
数量変更
吸引器(A)
0
-
1
救急医療処置において必要と判断
万能手術台(油圧・手動式)
0
-
1
救急医療処置において必要と判断
電気メス
0
-
1
救急医療処置において必要と判断
滅菌器、歯科用
1
A
1
歯科ユニット
1
B
0
既存機材で対応可能と判断
歯科ユニット、携帯用
1
B
0
「コ」国で調達可能と判断
歯科用コンプレッサ
1
B
0
既存機材で対応可能と判断
歯科用セット
1
B
0
既存機材で対応可能と判断
歯科用X線装置、床置
1
A
1
X線フィルム現像装置、歯科用
1
B
1
自動血球計数装置
1
B
1
双眼顕微鏡
1
A
1
蒸留水製造装置
1
B
1
自動生化学分析装置、簡易型
1
B
0
ふらん器
1
B
1
滅菌器、縦形
1
B
1
X線装置、回診型
1
A
1
X線フィルム現像装置、手動式
1
A
1
超音波診断装置、移動式
1
B
1
中央材料室
高圧蒸気滅菌装置(B)
1
B
1
病室
輸液ポンプ
1
B
0
除細動器、モニタ付
1
B
1
吸引器(B)
1
A
1
院内廃棄物最終処理機材
1
B
0
臨床検査
放射線室
一般サービス
備考
数量
- 89 -
外科部門の予算・人員の確保が不明瞭
治療体制、技術者の確保が不明確
「コ」国で調達可能と判断
救急医療処置において必要と判断し1台増
維持管理費が高額な為
他部門と共有
環境への影響
表3-3 全体機材計画表
設置個所名および数量
ラ・ミセリコルディア病院
サン・ファン・ディオス病院
No.
機材名(参考邦訳)
数量
1
自動生化学分析装置
1
2
自動血球計数装置
1
3
カラードップラ超音波診断装置
1
4
水平振とう器
診
断
内
視
鏡
検
査
放
射
線
産
婦
人
科
新
生
児
手
術
室
回
復
室
中
央
材
料
室
4
1
1
1
7
関節鏡、ビデオ付
1
8
検
査
室
病
理
産
科
外
科
救
急
歯
科
1
高圧蒸気滅菌装置(B)
3
11
恒温水槽
1
輸液ポンプ
気管支鏡、小児用
1
15
インファントウォーマ
1
病
室
サン・カミロ病院
産
科
救
急
外
来
歯
科
臨
床
検
査
4
4
4
9
8
3
2
1
1
1
1
3
2
2
1
1
1
1
歯科用コンプレッサ
3
除細動器、モニター付
9
21
ドップラ胎児心音計
4
22
超音波診断装置、移動式
3
23
電気メス
心電計、3チャンネル、解析装置付
2
24
6
2
25
脳波計、18チャンネル
1
1
26
X線透視撮影装置
歯科用X線装置、床置
1
27
2
28
X線装置、回診型
3
29
蘇生器
7
30
集中治療室用蘇生器
2
31
分光光度計
1
32
滅菌器、歯科用
3
33
滅菌器、縦形
4
1
1
34
乾燥器
2
1
1
35
ふらん器
3
1
1
36
新生児用保育器
3
37
搬送用保育器
X線テレビ装置(Cアーム)
2
38
39
歯科用セット
3
40
天吊無影灯
2
1
1
1
1
1
2
3
1
1
1
1
2
4
2
1
1
6
4
2
46
患者モニタ(麻酔器用)
6
4
2
47
万能手術台(油圧・手動式)
2
ネブライザ、超音波式
2
56
血液保冷庫
自動X線フィルム現像装置(A)
1
57
58
自動X線フィルム現像装置(B)
1
59
自動包埋装置
1
60
血液ガス分析装置
1
61
眼科用プロジェクタ
1
62
パルスオキシメータ、移動式
X線フィルム現像装置、歯科用
6
1
2
1
66
吸引器B
1
67
吸引器、産科用
3
68
歯科ユニット
3
69
人工呼吸器、新生児用
1
1
1
2
2
1
1
1
1
4
3
3
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
2
3
X線フィルム現像装置、手動式
2
2
1
吸引器A
1
1
1
65
1
1
12
64
1
2
2
1
55
1
1
1
内視鏡用洗浄装置、手動式
2
1
1
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
胎児モニタ
1
1
ピペット洗浄器
患者監視装置
1
1
44
回転型ミクロトーム
1
1
1
1
54
1
1
2
1
53
1
1
1
52
1
1
6
1
1
1
1
9
6
2
1
1
2
1
凍結ミクロトーム
1
1
45
63
1
1
1
1
双眼顕微鏡
1
1
1
3
51
病
室
1
19
50
中
央
材
料
室
1
2
20
2
放
射
線
室
1
4
1
1
臨
床
検
査
1
1
内視鏡台
歯
科
1
腎膀胱鏡
ヘマトクリット遠心器
救
急
1
膀胱鏡、小児用、ビデオ付
48
外
来
1
43
49
産
科
1
17
43
サン・ヴィセンテ病院
中
央
材
料
室
1
18
41 無影灯、移動式、バッテリ付
42-a 腹腔鏡、ビデオ付
42-b 十二指腸鏡
放
射
線
室
2
1
13
14
臨
床
検
査
1
1
オージオメータ、小児用
高圧蒸気滅菌装置(A)
10
遠心器、卓上用
耳
鼻
咽
喉
科
2
蒸留水製造装置
16
眼
科
1
超音波洗浄装置
ビリルビン計
一
般
室
1
5
12
集
中
治
療
室
1
6
9
中
間
治
療
室
1
1
1
1
1
1
1
2
1
2
1
- 90 -
1
表 3-5 各対象病院機材計画表
A:サン・ファン・デ・ディオス病院
部署名
診断
内視鏡検査
放射線
産婦人科
新生児
手術室
回復室
機材名
数量
心電計、3チャンネル、解析装置付
2
脳波計、18チャンネル
1
腹腔鏡、ビデオ付
1
内視鏡台
2
膀胱鏡、小児用、ビデオ付
1
腎膀胱鏡
1
気管支鏡、小児用
1
関節鏡、ビデオ付
1
内視鏡用洗浄装置、手動式
1
X線透視撮影装置
1
X線テレビ装置(Cアーム)
1
カラードップラ超音波診断装置
1
超音波診断装置、移動式
1
自動X線フィルム現像装置(B)
1
ドップラ胎児心音計
1
蘇生器
2
インファントウォーマ
1
パルスオキシメータ、移動式
1
パルスオキシメータ、移動式
3
輸液ポンプ
4
人工呼吸器、新生児用
1
ビリルビン計
1
天吊無影灯
4
無影灯、移動式、バッテリ付
2
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
4
輸液ポンプ
4
輸液ポンプ
4
患者監視装置
4
高圧蒸気滅菌装置(B)
2
超音波洗浄装置
1
蒸留水製造装置
1
中間治療室
患者監視装置
3
集中治療室
輸液ポンプ
9
血液ガス分析装置
1
除細動器、モニタ付
2
集中治療室用蘇生器
2
心電計、3チャンネル、解析装置付
2
蘇生器
3
患者監視装置
3
輸液ポンプ
8
除細動器、モニタ付
1
眼科
眼科用プロジェクタ
1
耳鼻咽喉科
オージオメータ、小児用
1
検査室
双眼顕微鏡
2
遠心器、卓上用
2
滅菌器、縦型
1
ピペット洗浄器
1
自動生化学分析装置
1
回転型ミクロトーム
1
凍結ミクロトーム
1
自動包埋装置
1
中央材料室
一般室
病理
- 91 -
表 3-5 各対象病院機材計画表
B:ラ・ミセリコルディア病院
部署名
産科
外科
救急
歯科
臨床検査
病室
機材名
数量
吸引器、産科用
2
輸液ポンプ
3
新生児用保育器
1
搬送用保育器
1
胎児モニタ
1
超音波診断装置、移動式
1
無影灯、移動式、バッテリ付
2
輸液ポンプ
2
電気メス
1
天吊無影灯
2
除細動器、モニタ付
1
麻酔器、人工呼吸器・モニタ付
2
万能手術台(油圧・手動式)
1
パルスオキシメータ、移動式
2
輸液ポンプ
3
自動X線フィルム現像装置(A)
1
X線装置、回診型
1
歯科用コンプレッサ
2
歯科ユニット
2
歯科用セット
2
滅菌器、歯科用
1
歯科用X線装置、床置
1
X線フィルム現像装置、歯科用
1
分光光度計
1
乾燥器
1
遠心器、卓上用
1
双眼顕微鏡
2
血液保冷庫
1
蒸留水製造装置
1
滅菌器、縦形
1
ふらん器
1
水平振とう器
1
除細動器、モニタ付
1
輸液ポンプ
2
- 92 -
表 3-5 各対象病院機材計画表
C:サン・カミロ病院
部署名
産科
機材名
数量
蘇生器
1
無影灯、移動式、バッテリ付
1
心電計、3チャンネル、解析装置付
1
ドップラ胎児心音計
1
新生児用保育器
1
吸引器、産科用
1
除細動器、モニタ付
1
患者監視装置
1
ネブライザ、超音波式
1
無影灯、移動式、バッテリ付
1
輸液ポンプ
2
外来
ドップラ胎児心音計
1
歯科
滅菌器、歯科用
1
歯科ユニット
1
歯科用コンプレッサ
1
歯科用セット
1
救急
臨床検査
放射線室
中央材料室
歯科用X線装置、床置
1
X線フィルム現像装置、歯科用
1
水平振とう器
1
恒温水槽
1
乾燥器
1
ヘマトクリット遠心器
1
双眼顕微鏡
1
遠心器、卓上用
1
ふらん器
1
蒸留水製造装置
1
滅菌器、縦形
1
X線装置、回診型
1
X線フィルム現像装置、手動式
1
高圧蒸気滅菌装置(A)
1
- 93 -
表 3-5 各対象病院機材計画表
D:サン・ヴィセンテ病院
部署名
産科
外来
救急
歯科
臨床検査
放射線室
機材名
数量
輸液ポンプ
1
蘇生器
1
新生児用保育器
1
搬送用保育器
1
胎児モニタ
1
心電計、3チャンネル、解析装置付
1
無影灯、移動式、バッテリ付
1
除細動器、モニタ付
2
ドップラ胎児心音計
1
無影灯、移動式、バッテリ付
2
患者監視装置
1
ネブライザ、超音波式
1
輸液ポンプ
1
吸引器(A)
1
万能手術台(油圧・手動式)
1
電気メス
1
滅菌器、歯科用
1
歯科用X線装置、床置
1
X線フィルム現像装置、歯科用
1
自動血球計数装置
1
双眼顕微鏡
1
蒸留水製造装置
1
ふらん器
1
滅菌器、縦形
1
X線装置、回診型
1
X線フィルム現像装置、手動式
1
超音波診断装置、移動式
1
中央材料室
高圧蒸気滅菌装置(B)
1
病室
除細動器、モニタ付
1
吸引器(B)
1
- 94 -
表 3-6 主要機材の仕様
部署名
機材名
数
量
内容(仕様、寸法等)
使用目的
検査室
自動生化学分析装置
1 1)測定項目:15項目程度
2)測定:180テスト/時
3)測定波長:340-600nm
4)記録装置付
血液中の酵素やコレステロール、
尿酸等、血糖、尿糖、肝機能検査、
腎機能その他の検査に用いる。
臨床検査
自動血球計数装置
1 1)測定項目:8項目
2)測定時間:約50秒サンプル/時
3)サンプル量:0.05ml程度
4)記録装置付
本機材は白・赤血球数の算定、血
液検査に用いられるもっとも基本
的な分析装置である。この検査結
果から患者の診断が可能となる。
放射線
カラードップラ
超音波診断装置
1 1)カラードップラー方式(心臓用)
2)モード:B、M、ドップラ
3)プローブ:コンベックス/リニア/セクトール/小
児心臓/等
4)プリンタ付
5)モニタ:12インチ以上
検査室
蒸留水製造装置
4 1)製造量:18L/hr程度
2)型式:バーンステッド型
本機材は超音波を人体に放射し、
その反射波を装置内で解析するこ
とにより、体内の構造の像が得ら
れるもので、反射波を検出、観察
することにより、臓器や疾病の形
態および組織の特性がわかる。観
察するモニタは見やすい12インチ
以上とする。
蒸留水を製造する装置で、対象病
院では検査室へ設置する予定であ
る。
検査室
超音波洗浄装置
1 1)洗浄方式:超音波
2)構成:洗浄/リンス/乾燥器
3)処理漕材質:ステンレス
検査用器具類や各種医療器具の洗
浄用ユニットである。
内視鏡検査
関節鏡、ビデオ付
耳鼻咽喉科
オージオメータ、
小児用
1 1)関節鏡およびモニタシステム
2)モニタ、ビデオ、カート付
3)光源装置付
4)術用鉗子類
1 1)検査項目:5項目
2)小児検査用ディスプレイ付
内視鏡による関節疾患の診断、手
術、治療に使用される。また、生
検や関節リウマチの薬効判定にも
使用される。
聴力検査に使用される。本機材は
小児用である。
中央材料室
高圧蒸気滅菌装置(A)
1 1)扉:片側
2)手動開閉式
3)約220∼250L
4)蒸気発生装置付
中央材料室
高圧蒸気滅菌装置(B)
3 1)扉:片側
2)手動開閉式
3)約420∼580L
4)蒸気発生装置なし
内視鏡検査
気管支鏡、小児用
1 1)軟性鏡(小児用)
2)外径:約φ6mm以下
3)光源装置付
4)ビデオモニタシステム付
恒温、高圧、水蒸気での飽和に耐
える物品の滅菌に使用される。特
に手術から出される大量の鉗子、
衣服類、機材類にこの滅菌装置が
使用される。
恒温、高圧、水蒸気での飽和に耐
える物品の滅菌に使用される。特
に手術から出される大量の鉗子、
衣服類、機材類にこの滅菌装置が
使用される。
肺癌や肺結核など肺、気管支疾患
の診断の目的で、気管支内の観
察、鉗子による生検、キューレッ
ト、ブラシによる細胞診や、洗浄
液を採取するために用いる。
- 95 -
表 3-6 主要機材の仕様
部署名
機材名
数
量
内容(仕様、寸法等)
使用目的
産婦人科
インファントウォーマ
1 1)温度設定(サーボ/マニュアル併用)
2)温度設定範囲:34°∼37°
3)蘇生器付
内視鏡検査
腎膀胱鏡
1 1)膀胱および腎臓用(成人用)
2)軟性鏡
3)外径:φ6mm以下
内視鏡検査
膀胱鏡、小児用
1 1)硬性鏡(小児用)
2)外径:φ3mm以下
3)光源装置付
4)ビデオモニターシステム付
一般室
除細動器、モニタ付
9 1)出力:3∼360J(負荷抵抗50Ω) 本機材は、心室細動を起こした患
2)パッド(成人用&小児用)モニター付 者の蘇生に使用する。日常的に使
3)プリンター/カート付
用される機材ではないが、緊急時
に必要な機材である。最も基本的
な心電図測定機能付で移動用の架
台付とする。
放射線室
超音波診断装置、
移動式
3 1)モード:B、M、B/M、その他
2)プローブ:コンベックス/リニア/経膣用
3)モニター:12インチ以上
診断
心電計、3ch、
解析装置付
6 1)チャンネル数:3~6ch
2)記録装置付
3)カート付
診断
脳波計、
18チャンネル
1 1)チャンネル数:18ch
2)測定:プログラム方式
3)光刺激装置付
4)カート付
放射線
X線透視撮影装置
救急
X線装置、回診型
3 1)管電圧:最大125kV
2)X線管:最大300kHU
3)走行:自走式
産科
搬送用保育器
2 1)駆動源:バッテリー/AC電源併用
2)温度設定範囲:29.0-37.0°
3)キャリア付
新生児の加温を目的とするもの
で、出産時の新生児の処置や観
察、低温時の加湿など、あまり長
時間にわたらない場合に利用され
る。
膀胱、腎臓、上部尿管等の観察、
診断、治療に使用する。
膀胱の観察、診断、治療に使用す
る。
本機材は超音波を人体に放射し、
その反射波を装置内で解析するこ
とにより、体内の構造の像が得ら
れるもので、反射波を検出、観察
することにより、臓器や疾病の形
態および組織の特性がわかる。観
察するモニタは見やすい12インチ
以上とし、プローブは各科で共有
するために3本とする。
不整脈、廃血性心疾患、心肥大、
電解質異常等の診断の補助に利用
する。
てんかんをはじめとして、脳腫
瘍、脳血管障害、頭部外傷、脳・
髄膜炎などに伴う中枢神経系の機
能状態を知る補助診断機器として
用いられる。
1 1)遠隔操作型
消化管などの透視・撮影を行うす
2)テーブル起到角:90°∼-30° べての検査に使用する。
3)イメージインテンシファイア
- 96 -
本機材は重症でベッドからX線撮
影室まで行くことが困難な患者に
対して使用される。対象となる部
位は全身で、各部位の単純撮影が
行われる。
新生児の施設間、院内搬送に用い
られる。保温は充電用電池により
行われ、また酸素ボンベが取り付
け可能な搬送カート(スタンド)
を構成の一部とした。
表 3-6 主要機材の仕様
部署名
機材名
数
量
内容(仕様、寸法等)
使用目的
1 1)C-アーム型
2)管電圧(最大):100KV
3)管電流(最大):20mA
4)フォーカスサイズ
:0.5mm/1.0mm
5)TVモニター付
6 1)型式:天井吊親子型
2)照度:主灯100,000Lux以上、
副灯55,000Lux以上
外科手術、整復、救急室等で患者
が動かせない場合に装置各部の自
在な動きによって必要なポジショ
ニングができるように設計されて
いる透視撮影用X線システムであ
る。
手術を行うための照射、照度、正
しい色温度、無熱性を供給するた
めの照明灯である。
1 1)硬性鏡
2)視野角:0/30°
3)モニターシステムおよび光源装置付
胆石除去手術、腹腔内腫瘍等の形
態学的診断や直視下の穿刺生検等
を行う機材である。
放射線
X線テレビ装置
(Cアーム)
手術室
天吊無影灯
内視鏡検査
腹腔鏡、ビデオ付
外科
麻酔器、人工呼吸器・ 6 1)流量計:酸素/笑気/空気
2)気化器:ハロセン/イソフレン
モニタ付
3)患者モニター付
外科
患者モニタ
(麻酔器用)
外科
手術台、油圧・手動式
内視鏡検査
内視鏡台
病理
凍結ミクロトーム
一般室
産科
吸入麻酔薬を使用して全身麻酔を
行うために使用する。また静脈麻
酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔の補助
として使用する。人工呼吸器付と
する。
6 1)モニターサイズ:7インチ以上
上記麻酔器を使用している患者を
2) 測定項目
監視するためのモニタであり、測
ECG/RESP/BP/NIBP/TEM 定項目は左記の6項目とする。
P/SPO2
2 1)昇降範囲:最低位75cm∼最高
位100cm
2)縦転角度:頭部上下 各25°以
上
3)横転角度:左右各15°以上
4)手動式
2 1)テーブルトップサイズ:600(W)
×1700(L)以上
2)高さ調整:75~100cm程度
3) 傾 斜 角 : ト レ ン デ ン ベ ル グ 約
15°、反トレンデンベルグ約18°
1 1)冷却室内温度:最低-30℃
2)切片厚調整:0∼20μm
3)最大切削寸法:50×50mm
手術時患者を寝かせるために用い
られる。通常のベッドと異なり、
体を傾けたり、方向を変えたりす
ることが可能で、手術に便利な体
位を取らせ、安全に手術を行うこ
とができる。
内視鏡検査を行う際に使用される
専用台である。
患者監視装置
12 1)患者監視用モニタ
3) 測定項目:
ECG/RESP/SpO2/NIBP
3)モニタ:6インチ以上
胎児モニタ
2 1)心拍数表示範囲:50-210
beat/min.
2)インプットモード:1ch以上
3)記録計付
本機材は、集中治療室の患者の生
体情報を監視する目的で使用され
る。基本的な心電図、呼吸、表皮
酸素濃度、血圧の測定が有線式で
行える仕様とする。
妊娠、分娩時における胎児の心拍
図の記録、陣痛曲線による胎児監
視等に使用される。
- 97 -
組織の病理学的顕微鏡検査を行う
ために、組織を凍結後薄層状にス
ライスする機材である。
表 3-6 主要機材の仕様
部署名
放射線
放射線
集中治療室
放射線
機材名
数
量
内容(仕様、寸法等)
使用目的
自動X線フィルム現像装 1 1)床置式
2)現像時間:可変
置(A)
3)現像速度:90秒/枚
4)タンク:現像/定着/洗浄
1
1)卓上型
自動X線フィルム現像装
2)現像時間:可変
置(B)
3)設置台付
放射線フィルムの現像に使用す
る。
1 1)ph : 6,000-8,000
2)PCO2 : 5.0-250.0 Torr
3)PO2 : 0-800.0 Torr
4)B.P. : 600-900 Torr
5)サンプル量 : 1.0ml程度
X線フィルム現像装置、 2 1)現像タンク:18L
2)定着タンク:18L
手動式
3)洗浄タンク:40L
4)ヒーター付
血液中のガスを分析する装置で、
呼吸状態の把握、術中の呼吸監
理、人工呼吸などに要するもので
ある。
血液ガス分析装置
歯科
歯科ユニット
新生児
人工呼吸器、新生児用
3 1)エアーチューブハンドピース
2)マイクロモータハンドピース
3)フィルムビューアー
4)アルコールランプ
5)ライト
1 1)適用:小児用
2)モード:SIMV/ CPAP他
3)加湿器、コンプレッサー付
- 98 -
放射線フィルムの現像に使用す
る。
放射線フィルムの現像に使用す
る。
歯科の根治治療を目的としたユニ
ットである。
本機材は、自発呼吸のある新生児
患者が補助強制呼吸を必要とする
際の調節呼吸に使用する。
3-4 プロジェクトの実施体制
3-4-1 組織
保健省が本計画の責任・実施機関である。以下に保健省の組織図を示す。
大臣室
私設秘書
監査室
法務室
法務調整室
(国会・保健省間)
諮問委員会組織
・国家保健安全審議会
・国家保健局長審議会
・省患部委員会
・省議委員会
・人事委員会
・諮問委員会
・国家障害者保護委員会
・保健年金受給国家基金管理審議会
内務室
通信室
次官室
事務総局
企画室
事務財務局
保健政策分析局
財務部
経済調査、公共投資局
倉庫管理部
予算編成、業務管理局
総務部
人材局
人事部
情報システム局
麻薬対策基金
科学技術開発局
契約監査室
国際協力局
社会保健局
財務管理局
推進予防局
保健医療サービス開発局
保険推進企業課
外国援助管理課
流行病室
保健サービス機関提供課
補助精度課
助け合い基金課
保健優先行動課
救急災害課
推進課
薬剤研究課
地方分権政策課
予防課
保健医療管理課
州営企業支援課
環境保健課
社会参加課
広報課
労働保険課
地方分権、地方開発局
図 3-2 保健省組織図
- 99 -
保健省は、キンディオ保健行政機関および対象病院と調整をとりながら、本計画におい
て地方自治体および病院との間で、機材引渡しのために署名した相互管理協定の実施、管
理、フォローに責任を負う。
保健省は本計画の実施に必要とされる技術面での監理とフォローについて、キンディオ
県保健行政機関および各対象病院と調整をとりながら、同省保健医療サービス局および財
務局の監督のもとにこれを行う。図 3-3 に保健医療サービス局の組織図を示す。
保健医療サービス開発局
技術管理支援グループ室
保健医療サービス機関提供課
物的資源プログラム室
救急災害課
薬剤研究科
保健医療管理課
第一レベルプログラム係
緊急災害プログラム係
薬剤提供プログラム係
登録確認係
救急プログラム係
検査プログラム係
地域支援係
第二、第三レベルプログラム係
組織開発プログラム係
リハビリプログラム係
図 3-3 保健医療サービス局組織図
なお、日本から無償資金協力の実施にあたって必要とされる経費は「コ」国際協力庁
(A.C.C.I.)により、保健省の技術面での判断を事前に受けた上で、負担される。そのた
め A.C.C.I.の概要を以下に示す。
<背景>
「コ」国際協力庁(A.C.C.I)は、1996 年 9 月 20 日制定の法律第 318 号の規定に準じ、国家
企画庁(DNP)に付属する国家レベルの機関であり、法人資格並びに、独自の資産、自治権
を持つ公共機関として創設された。1997 年 12 月以降、その活動を開始し、国際協力に
ついて国が提出する事業計画、プロジェクトに関する業務に当っている。
「コ」国際協力庁は、社会的、環境的な性格を帯びた免責操作の結果として生じた資財をは
じめとし、開発のための公共機関への公的支援および技術協力の全体的な調整、管理、促
進の業務を遂行していくことを基本的な目的としている。
「コ」国際協力庁と外務省は、「コ」国の外交政策における優先度に準じ、協力事業の提供
機関と事業受入機関両者間の折衝、調整業務を行なうものとする。
- 100 -
<「コ」国際協力庁の使命>
国内の様々な地域、分野の体制強化を可能とする国際レベルの技術移管、人材育成を目的
とした無償資金協力および技術協力の施行命令の発令、および調整業務にあたる。
<「コ」国際協力庁の機能>
「コ」国際協力庁は、独自に設立される理事会の指揮の下、活動を行ない、以下に述べる業
務内容の遂行に努めるものとする;
z
技術協力に関する計画、プログラム、プロジェクトの立案、策定の段階における、
中央政府、および地方政府レベルの機関、並びにその他の国内機関、組織への支援
を通し、国際協力事業に関する全ての業務の調整、まとめ役として任務を果たすも
のとする。
z
国内の機関が提出する無償資金協力および技術協力に関する計画、プログラム、プ
ロジェクトの検討作業を行なう。
z
非政府機関や民間機関からの国際協力事業申請に関し、国家政府の保証や同政府側
からの異論が無いことを要求する公式機関としての性格を有する国際機関との間で
の調整業務に当る。
z
国際協力やその他の協議内容に関する国際的な協定、その他の合意事項の折衝段階
において、外交関連機関をサポートすると共に、準備会合や合同委員会などの技術
機関を管理する。
z
国家が推し進めている国際的な無償資金協力および技術協力に関する計画、プログ
ラム、プロジェクトの立案、施行推進業務に当る。
<組織構造>
「コ」国際協力庁組織の内部構造は以下のとおりである。なお、組織図は図 3-4 に示す。
理事会
理事会は、理事会の統括業務を担当する DNP(国家企画庁)の部長あるいは副部長、外
務大臣あるいは外務副大臣、国内の全ての機関からの代弁者として内務大臣あるいは内務
副大臣、共和国大統領の代理人 1 人、およびコロンビア学術会(COLCIENCIAS)の理
事長により構成される。理事会は、外務省が設定する外交政策に準じ、国際協力事業に対
する一般的な指針、優先度を決定しなければならないものとする。
- 101 -
長官
「コ」国際協力庁の管理業務を指揮、監督、調整の業務を行ない、同時に、「コ」国際協力庁
の法的代表者としての責務を負うものとする。
開発途上国間技術協力事業部 (CTPD)
コロンビア国の外交政策の優先度に応じ、先進国が同程度もしくは開発が立遅れている
国々への協力を行なう水平的協力に関する計画、プログラム、プロジェクトを立案する。
計画立案事業部
分野別並びに、地域別に支援の必要性の優先度を考慮の上、国家への支援能力を行使し得
る協力事業の需給状況を把握する。
プロジェクト事業部
技術協力に関する計画、プログラム、プロジェクト立案、策定の段階で国内の機関に対し、
技術的な面からの支援を提供するものとする。また、これらの計画を分析、評価を行ない、
意見を述べる。
管理、財務事業部
資材、人材、財源などの分野で、「コ」国際協力庁に属する様々な機関から要請のある業務
の運営に当る。
国際委員会
「コ」国際協力庁には、長官、各省庁の国際技術協力室々長、計画室々長、DNP(国家企
画庁)
、COLCIENCIAS(コロンビア学術会)の承認を得た分野間の委員会が設けられて
いる。当委員会では、事業提供機関から提出される各分野の協力計画、プロジェクトの内
容を検討、分析し、「コ」国際協力庁の理事会に対し勧告案を示すことになっている。
理事会
長官
管理・財務事業部
顧問
計画・立案事業部
プロジェクト事業部
開発途上国間技術協力事業部
図 3-4 「コ」国国際協力庁組織図
- 102 -
国際委員
<国際協力事業の受入れ>
外交政策、国家開発計画、国際協力指針に応じ、国際協力計画やプロジェクトを提出した
国家レベル、地方政府レベルの公共機関、並びに国内の機関は、「コ」国際協力庁を介し、
国際協力事業の受入れを行なうことができるものとする。
3-4-2 予算
先方実施機関の運営維持管理にかかる予算実績、資金計画等にかかる調査を行い、本計
画実施後の運営維持管理費を試算の上、先方による経費負担が可能な範囲であるかを検証
することを行った。各対象病院については、収支については過去 3∼5 年の収支実績に基
づき、今後の伸び率を想定して「コ」国によるプロジェクト開始後の必要経費の負担能力
を検討した(4-2 運営維持管理計画を参照)。
1)A.C.C.I.予算
本計画の実施にあたり必要とされる経費は「コ」国際協力庁(A.C.C.I.)が負担する。
A.C.C.I.の収支状況については表 3-7 のとおりであり、2000 年には本案件実施のための
予算も確保されており、本計画実施の上で問題になることはない。
表 3-7 A.C.C.I.歳入状況
(単位:ペソ)
1999 年実績
歳入
21,187,845,896
2000 年予算
171,090,648,176
なお、保健省の予算については 2-2-2 財政事情に記載した。
2)キンディオ県保健局の予算
キンディオ県保健局の収支(1997 年∼1999 年)を以下に示す。1999 年度は予算であ
る。財政不況のため、保健局の予算も減っており、人員削減などをして、1999 年の人件
費が 1997 年に比べて約 79%に減っている。
- 103 -
表 3-8 キンディオ県保健局予算
(単位:ペソ)
1997
費目区分
1998
1999(予算)
収入
I1(I1-1+I1‐2)当座収入
出資金及び税金
I1-1
売上収入
I1-2
資本流入
I2
①収入合計(I1+I2)
支出
G1
G2
G3
G4
G5
人件費
一般経費
当座振替
債務サービス
投資
②支出合計(G1+G2+G3+G4+G5)
27,854,930,000
27,743,858,000
111,072,000
2,814,528,000
30,669,458,000
30,097,457,000
30,048,029,000
49,428,000
2,786,964,000
32,884,421,000
22,676,396,447
22,633,769,839
42,626,608
1,014,006,078
23,690,402,525
2,002,091,000
849,893,000
23,567,918,000
33,950,000
1,079,112,000
27,532,964,000
1,979,407,000
581,754,000
26,869,557,000
247,122,000
1,004,286,000
30,682,126,000
1,539,370,854
415,792,225
17,809,644,999
897,790,229
20,662,598,307
(キンディオ県保健局資料)
3)各対象病院の予算
以下に各対象病院の収支実績を示す。
サン・ファン・デ・ディオス病院
1997
11,883,746
収入
13,998,432
支出
-2,114,686
収支バランス
ラ・ミセリコルディア病院
1997
3,301,203
収入
3,205,871
支出
95,332
収支バランス
(単位:千ペソ)
1998
14,889,398
15,327,900
-438,502
(単位:千ペソ)
1998
3,316,035
3,291,139
24,896
1997
283,736
281,795
1,941
1998
339,146
339,108
38
1999
350,254
342,883
7,371
(単位:千ペソ)
サン・ヴィセンテ病院
収入
支出
収支バランス
1999
4,644,610
3,604,527
1,040,083
(単位:千ペソ)
サン・カミロ病院
収入
支出
収支バランス
1999
19,379,000
26,485,680
-7,106,680
1997
1,453,106
1,360,252
92,854
1998
1,428,298
1,415,368
12,930
1999
2,526,466
1,984,776
541,690
なお、各病院の今後の収支バランス予測を 4-2 運営維持管理計画で示す。
- 104 -
3-4-3 要員・技術レベル
各対象病院の医師のレベルに不安はないが、経営改善のために、人員削減を行っており、
医療従事者についても契約により必要な時に勤務してもらう体制にする方向である。その
ため、各対象病院では、機材搬入までに人員の確保を必ず行うことを日本側に約束してい
る。
- 105 -
第 4 章 事業計画
第 4 章 事業計画
4-1 施工計画
4-1-1 施工方針
(1) 実施体制
1) 事業実施機関
本計画の管理および実施に際しては、保健省が責任・実施機関である。保健省は、
本計画の実施に必要とされる技術面での監理とフォローについて、キンディオ保健
行政機関および対象病院と調整をとりながら、同省保健医療サービス局、財務局お
よび国際協力室の監督のもとにこれを行う。
また、コロンビア国際協力庁(A.C.C.I)は、保健省の技術面での判断を事前に
受けた上で、日本からの無償資金協力の実施にあたって必要とされる経費を負担す
る。
2) コンサルタント
日本国政府および「コ」国政府による交換公文(E/N)締結後、直ちに日本国コ
ンサルタントは、我が国無償資金協力の手続に従い、
「コ」国の代表である A.C.C.I.
とコンサルタント契約を締結する。この契約は日本国政府による認証を経て発効す
るが、これに基づきコンサルタントは次の業務を実施する。
① 詳細設計段階
:詳細設計仕様書およびその他の技術資料の作成
② 入札段階
:資機材調達業者の選定および調達契約に関する業務協力
③ 調達段階
:資機材調達管理および出荷前検査業務
④ 据付段階
:据付および操作保守指導の監理
コンサルタントは、業務主任、機材計画 1、機材計画 2 の合計 3 名の技術者からなる
チームを編成し実施設計・施工監理業務を行う。
◇業務主任
詳細設計から竣工までの、すべての業務の責任者として、日本国政府
並びに「コ」国政府との協議を管理する。
◇機材計画 1
詳細設計時に保健省、各対象病院および各製造会社側との機材仕様の
確認を行う。その後、詳細設計仕様書の作成等日本国政府および「コ」
国政府へ提出する必要書類の作成を行う。また引き渡し時の検査も担
当する。
- 106 -
◇機材計画 2
日本にて詳細設計により変更があった積算の見直しと関連資料の作成
を行う。さらに再度積算資料の収集も行う。
3) 機材調達業者
機材調達業者は入札によって選定され、A.C.C.I.と契約を締結する。この契約も
日本国政府による認証を得て発効し、当該業者はその契約に基づき、必要な機材の
調達、搬入を行い、当該機材の据付、操作並びに維持管理に関する技術指導を行う。
また機材引き渡し後のスペアパーツ、消耗品の調達、技術指導を含めた維持管理体
制の構築を行う。調達後の保守管理に必要なマニュアル等技術資料および製造会社
代理店リストを作成する。納入、据付時期等について機材調達業者は実施機関と十
分な調整を行い、事業の円滑な遂行を図る。
4) 国際協力事業団
本計画における円滑な実施のために国際協力事業団は、日本国政府に対する様々
な書類の確認および承認を行う。
(2) 実施方針
1) 交換公文の締結(E/N)後、入札、入札図書承認、業者選定、業者契約、製造日程
確認、出荷前検査および事業費支払までの各段階において、コンサルタントが「コ」
国側政府機関、日本側政府関係機関、機材調達業者およびその他の必要機関と本計
画が円滑に実施されるように、十分な打ち合わせを行うとともに、必要な手続をと
るものとする。
2) 対象施設が病院という性格上、日常の業務を中止させての搬入、据付業務を遂行す
ることは困難であるため、本事業の進行に支障をきたさないよう、実施設計の段階
においてあらかじめコンサルタントと相手国病院関係者との間で作業行程等、綿密
な打ち合わせを行う。さらに、据付工事を行う際には騒音、衛生管理に厳重な注意
を払い、医療機材搬入の際の安全管理には特に注意をする。
3) 日本国内で調達される機材については、あらかじめ日本国内において、十分な品質
管理、製造検査、出荷前検査等を実施する。
4) 据付の必要な機材に関して、機材調達業者は製造会社の技術者を派遣し機材の据付
を行う。製造会社の技術者の派遣が困難な機材については、製造会社の代理店の技
術者が代わって行えるよう、コンサルタントがその対策を機材調達会社に指導する。
- 107 -
5) 機材の納品にあたっては、コンサルタントが現地にて検収を行い、各部門での機材
の配置結果を的確に把握し、本計画の納品の完了を確認する。
6) 調達機材に対する操作方法、保守管理等に関する知識の周知・徹底を図るため、各
部門毎に担当者を集め、機材調達業者によるトレーニングおよびオリエンテーショ
ンを実施させる。特に操作および保守管理マニュアルにおいて修得が可能な機材に
ついてはトレーニングを行わず、マニュアルで確認する。さらに、トレーニングの
強化を目指し、保守維持管理課の担当者による定期点検等の方法を確認する。
4-1-2 施工監理上の留意事項
(1) 日本側
機材の輸送先が 4 ヶ所あるため、各対象病院向けに個別コンテナを分け、輸送間違
いが生じないよう十分に注意を払う必要がある。
(2) 「コ」国側
改修・再建工事を機材船積時までに完了し、さらに機材の搬入および据付が順調に行
われるように、免税措置、通関などについて関係機関の調整を事前に行う必要がある。
4-1-3 施工区分
本計画に関する日本側負担範囲と「コ」国側負担範囲の施工区分概要は以下のとおりで
ある。
1) 日本側負担範囲
① 計画機材の調達を行う。
② 海上輸送費および対象医療施設までの内陸輸送を行う。
③ 機材の据付、設置を行う。
④ 調達機材全般にかかる試運転、操作、保守点検、維持管理についての技術指導を
行う。
2) 「コ」国側負担範囲
① 据付、設置に必要とされる情報、資料の提示をする。
② 実施期間中、一時的に事務所として使用する場所を対象病院内に提供する。
③ 調達機材の設置に必要な施設設備および場所を提供する。
④ 機材設置に必要な周辺基盤(電力・給排水、その他の設備)の一次側付帯工事を
機材の据付けまでに整備・提供し、新機材を設置するべき場所にある既存機材を撤
去する。
⑤ 機材到着後、据付作業開始までの機材の保管場所を提供する。
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⑥ 輸入される機材について、円滑な荷揚げ、通関手続き並びに国内輸送に必要な便
宜を図る。
⑦ 本計画の実施のために「コ」国内の滞在する日本人に対し、関税およびその他の
賦課税の支払を免除する。
⑧ 日本国民による本計画の遂行に必要な機材の持ち込みおよび役務を供与するにあ
たり、
「コ」国へ入国および滞在する日本国民に対し便宜を供与し、安全の確保に
ついて十分配慮する。
⑨ 銀行取極(B/A)および支払授権書(A/P)の手続のために必要となる経費を負担
する。
⑩ 本計画の実施が効果的に行われるために必要とされる予算、人材(無償資金協力
により調達される機材の保守維持管理費含む)を配置する。
⑪ 無償資金協力により調達された機材を 5 年間にわたり、機材の使用計画書を作成
し、またその使用状況について定期的に在「コ」日本国大使館に報告する。
⑫ 無償資金協力により調達される機材等を適切に、かつ有効に維持管理する業務お
よびその費用を負担する。
⑬ 無償資金協力計画実施のために必要な許可、免許およびその他の認定事項の授与
を行う。
⑭ 免税手続に伴う費用を負担する。
⑮ 上記日本国側および「コ」国側の負担範囲外で、本計画の実施のために必要な費
用を負担する。
- 109 -
4-1-4 調達監理計画
我が国の無償資金協力の方式に従い、日本法人コンサルタント会社は、「コ」国側実施
機関である A.C.C.I.とコンサルタント契約を締結し、本計画の実施設計および調達監理を
行う。調達監理の目的は、作業行程、内容が設計図書に沿って実施されているか否かを確
認し、機材調達契約内容の適正な履行を確保するために公正な立場にたち、調達期間の指
導、助言、調整を行い、品質向上を図ることにあり、次のような業務で構成されている。
(1) 入札および業者契約関連業務
機材調達および据付工事にかかる日本の請負会社選定のための入札に必要な入札図書
を作成し、入札公示、入札参加願いの受理、資格審査、入札図書の配布、応札図書の受
理、入札結果評価等の入札業務を行うとともに、「コ」国 A.C.C.I.と請負会社との間の
機材調達および業者契約締結にかかる助言を行う。
(2) 機材調達会社に対する指導、助言、調整
施工工程、施工計画、資機材調達計画、医療機材調達、据付計画等の検討を行い、機
材調達会社に対する指導、助言、調整を行う。
(3) 製作図、施工図等の検査および承認
機材調達会社から提出される施工図、製作図、書類等の検査、指導を行い、承認を与
える。
(4) 調達機材の確認および承認
機材調達会社が調達する医療機材と契約図書との整合性を確認し、その採用に対する
承認を与える。
(5) 工場検査
必要に応じて医療機材の製造工場における検査に立ち会い、品質・性能の確保にあた
る。
(6) 作業行程進捗状況の報告
施工工程と施工現場の状況を把握し、工程進捗状況を両国関係機関に報告する。
(7) 竣工検査および試運転
医療機材および設備の竣工検査並びに試運転を行い、契約図書内容に合致しているこ
とを確認し、検査完了書を「コ」国側に提出する。
- 110 -
(8) 操作、保守管理技術研修に対する指導
計画機材には操作および保守管理上の技術的知識を必要とするものがあるため、据付、
調整、試運転期間中に各機材担当者に対して操作方法、点検方法、修理技術等を修得し
てもらうためにトレーニングを施設内で実施する必要があり、コンサルタントはこれに
関して指導、助言を与える。
コンサルタントは上記の業務を遂行するにあたり、本計画の規模から判断して、全工
程を通じて派遣することはなく、進捗状況に応じて必要となる技術者を現場に配置し検
査・指導・調整に携わらせるとともに、日本国内にも担当技術者を配置し、現地との連絡
業務および支援体制を確立する。また、日本国政府関係機関に対し本計画の進捗状況、
支払手続き、引き渡し等に関する必要事項の報告を行う。また「コ」国の関連法規、労
務状況について、特に問題になる事項はない。
- 111 -
4-1-5 資機材調達計画
(1) 現地資機材
現地にて生産されている医療機器は、患者用ベッド、ストレッチャー、車椅子、デンタ
ルユニット、その他鋼製小物等があるが、これらの機材のうち本計画において該当するも
のはデンタルユニットのみである。
同機器は現地での普及率が高く、本体価格、維持管理費についても安価で、保守管理に
ついても日本製品や第三国製品に対して有利な条件となっている。しかしながら信頼性の
高い該当メーカーが少ないため、機能、価格、維持管理の面からさらに継続して日本製品
および第三国製品とも比較検討する必要がある。よって日本製品および第三国製品の調達
も並行して検討する。
(2) 第三国品の活用方針
現地では第三国製品(欧米製品)が主流となっており、現地代理店も多数存在している。
本計画における最終要請機材は、一部を除いたほとんどの機材について第三国製品にて賄
うことが可能であるため、第三国製品を活用することが望ましい。
特に対象医療施設における現地調査結果では、既存機材のほとんどが第三国製品となっ
ていることが確認されていることから、技術面、運営維持管理面の観点より第三国調達の
方が、より円滑な機材調達、また各対象施設における操作技術、保守技術面においても問
題が少ないものと判断される。
(3) 施工上の留意事項
1) 機材の搬送
調達機材の搬送については、海上輸送、トラック輸送の複合輸送により行う計画で
ある。調達機材はそのほとんどが欧米製品または一部日本製品となり、輸送は各原産
地より米国(ロス・アンゼルス等)経由となるものと判断される。
「コ」国内における輸送経路は、港湾より現地までほぼ舗装された道路となってお
り、インフラ面での問題はほとんどないものと考えられるが、場所によっては治安上
の問題が発生する可能性が高いため、この点を考慮した輸送計画が必要になる。
2) 日本側および「コ」国側工事
現地側工事範囲としては、基本的に機材設置に必要な建築施設、部屋の準備、1 次
側施設設備(電気および給排水とも)の準備とし、日本側では機材の調達、海上およ
び国内輸送、開梱および搬入、据付、設置、調整等の作業および工事、また 1 次側施
- 112 -
設設備との接続工事を含むものとする。
(4) 資機材調達計画
1)
アフターサービス等関連情報
アフターサービスは、通常機材引渡し後 1 年間の保証期間がついており、保証期
間後は主要機材については保守維持管理契約を締結している。またその他の機材につ
いては必要に応じてサービスを実施しているのが現状である。本計画においても機材
納入後 1 年間は保証する計画内容とする。
2)
医療機材、試薬、消耗品等の現地調達、第三国調達にかかる価格
現地調達に該当する品目は本計画ではごく一部に限られる(デンタルユニット)が、
通常付加価値税(16%程度)、販売税(10%程度)等が付加され、第三国調達の場合
にはさらに輸入税(5%程度)がかかるシステムである。
(5)輸送期間
日本から調達される機材については海上輸送に約 4 週間、第三国(主に米国)から
の調達は 2∼4 週間、輸送通関に約 1 週間、さらに「コ」国の国内輸送に約 3 日間、計
約 5 週間を要する。「コ」国の最大の港であるブエナベンツーラ港から、コンテナにて
各対象病院に搬送する。荷揚げおよび通関等を考慮して、時間的に十分余裕のある調
達計画を策定する。
- 113 -
4-1-6 実施工程
本計画の実施にかかる交換公文が日本および「コ」国の両国間で締結された場合、以後
の実施工程は、次に示す詳細設計業務、入札業務、機材調達の三段階に分けられる。なお、
実施設計は詳細設計業務と入札業務に分けられる。
(1) 詳細設計業務
「コ」国政府を代表する A.C.C.I.と日本法人コンサルタントとの間で、コンサルタン
ト契約が締結された後、契約書の日本政府による認証を経て、コンサルタントは詳細設
計を開始する。詳細設計では詳細設計図、仕様書、入札要項書等の入札設計図書一式が
作成される。この間「コ」国側と機材内容に関する協議を行い、最終的には入札設計図
書一式の承認を「コ」国側から得るものとする。設計作業の所要期間は、詳細設計、国
内作業、図書承認等で約 3.0 ヵ月と予想される。
(2) 入札業務
機材調達の請負会社は入札によって選定される。入札は入札公示、入札参加願いの受
理、資格審査、入札図書配布、入札、入札結果報告、機材調達請負会社指名、機材調達
契約の順に行われ、この間約 2.0 ヵ月を要する。
(3) 機材調達
業者契約締結後、日本国政府による契約書の認証を経て契約業務を開始する。本計画
の対象施設内容、規模、契約内容、気候条件等を考慮して工期を試算した結果、今回の
工期は約 6.0 ヵ月である。
交換公文締結、完工にいたるまでの実施工程は、以下に示すとおりである。
表 4-1 実施工程表
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
○ E /N ○ コ ン サ ル タ ン ト 契 約
詳細設計
入札図書作成
詳細設計
入札図書承認
入札公示
入札
入札及び評価、契約
機材製造、調達
輸送
機材調達
据付、調整
トレーニング
現地作業
国内作業
- 114 -
11
12
4-1-7 相手国側負担事項
本計画の実施に関する「コ」国側負担事項は 4-1-3 に記述しているが、特に下記の事項
を適切に実施することとする。
①
対象病院のうち建設・改修工事が未着工のものについては速やかに着工することとし、
すべての対象病院の建設・改修工事は、機材設置に必要な周辺基盤(電力・給排水、
その他の設備)の一次側付帯工事を、機材船積みまでに完工する。「コ」国側は各対
象病院の工事進捗状況について、毎月 1 回 JICA 事務所に報告する。
②
本計画の実施が効果的に行われるために必要とされる予算、人材(無償資金協力に
より調達される機材の O/M コストも含む)を配置する。
③
銀行取極(B/A)および支払授権書(A/P)の手続きのために必要となる経費を負担
する。
④
免税手続きに伴う費用を負担する。
⑤
本計画の実施のために「コ」国内に滞在する日本国民に対し、関税およびその他の賦
課税の支払を免除する。
⑥
日本国民による本計画の遂行に必要な機材の持ち込みおよび役務を供与するにあた
り、「コ」国へ入国および滞在する日本国民に対し便宜を供与し、安全の確保につい
て十分配慮する。
⑦
輸入される機材について、円滑な荷揚げ、通関手続き並びに国内輸送に必要な便宜
を図る。
⑧
無償資金協力計画実施のために必要な許可、免許およびその他の認定事項の授与を
行う。
⑨
上記日本国側および「コ」国側の負担範囲外で、本計画の実施のために必要な費用を
負担する。
- 115 -
4-2 概算事業費
4-2-1 概算事業費
本計画を日本の無償資金協力により実施する場合に必要となる事業費総額は、約 5.27
億円となり、先に述べた日本と「コ」国の負担区分に基づく双方の経費内訳は、以下に示
す積算条件によれは、次のとおりと見積もられる。
(1) 日本側負担経費
事業費区分
合計
1)機材費
5.01 億円
1) 設計監理費
0.26 億円
合計
5.27 億円
(2) 「コ」国側負担経費
現在、
「コ」国側で対象病院(サン・ファン・デ・ディオス病院、ラ・ミセリコルディ
ア病院については改修工事、サン・カミロ病院、サン・ヴィセンテ病院については再建工
事)の施設工事が行われている。各対象病院の改修/再建工事の進捗状況については問題
なく進んでいる。なお、機材整備計画である本計画の実施に関して、
「コ」国側が新たに
負担する費用はない。
(3) 積算条件
①積算時点:平成 12 年(2000 年)2 月
②為替交換率:1 米ドル=105.78 円、1$=1,944.53peso
③実施設計・施工監理期間:約 12 ヵ月
④発注方式:一括発注
⑤その他:本計画は、日本国政府の無償資金協力の制度にしたがい実施されるものとす
る。
「コ」国政府により資機材に対する輸入関税、日本法人にかかる事業税、
付加価値税等「コ」国における国内税が免除される、あるいは「コ」国政府
により支払われることを前提とする。
また、手数料負担、税負担として次の費用を「コ」国政府は見込む必要があ
る。
① 機材納入に必要な公的手続費用
② 資機材輸入にかかる関税
③ 銀行取極手数料および支払授権書発行手数料
④ 国内税、その他の財政課徴金に対する免税手続費用および付加価値支払の
必要経費
- 116 -
本計画が円滑に実施され、また機材据付後ただちに有効活用されるよう、
「コ」国政府
は適切な時期に、これらの項目につき予算措置を行うことが必要である。
4-2-2 運営・維持管理計画
「コ」国の病院では、維持管理要員を削減する方針であり、そのために部門ごとに各製造
会社の代理店と年間保守維持管理契約を締結している。各代理店は巡回でメンテナンスを
行っており、修理のための予算が確保されていれば問題なく機材は稼動することになって
いる。
「コ」国の公立病院は、国営機関であり、県条例により法人格と独自の予算が与えられ、
独立体制をとり、設備・機材を運営・維持管理をしている。1993 年の法律 100 の規定によ
り、公立病院の予算の 5%が病院の維持管理にあてられることになっている。
しかしながら、病院の経営が厳しいのは、県、EPS の支払いが法律では、90 日までに
支払うことになっているが、実際は 120 日以上かかっているためである。
(1)保守維持管理
本計画実施後の機材の維持管理を考慮し、機材納入時には、各機材操作担当者に対して
保守・日常点検のトレーニングを実施することとし、各機材の保守管理に必要な技術的資
料、マニュアル、製造会社リスト、代理店リストなどを整備し、調達後の保守維持管理の
資料とする。
対象病院に必要と判断される基本的な新規機材を導入する時には、専任の技術者に対し
て保守管理に関するトレーニングを実施する方針である。また、これらの機材を選定する
にあたっては、可能な限りサンタフェ・デ・ボゴタあるいはカリに現地代理店があり、さら
に保守維持管理体制の整った製造会社を優先させることとする。
(2)資機材調達業者によるトレーニング
資機材調達業者は、機材据付の際に病院の使用および保守担当者に正しい操作方法、日
常点検、故障の対処等に関する技術移転を行う技術者を派遣することとする。また、これ
らのトレーニングを実施するために必要な操作マニュアル、保守管理マニュアル等を西語
にて提供することを入札条件とする。
更新機材が主であるため、全機材に対してトレーニングを実施することは行わず、必要
と判断される機材のみに関してトレーニングを行うこととする。
「コ」国側に機材が引渡される前に以下の説明を行い、使用者、保守管理担当者が必要な
知識を身につけられるものとする。
- 117 -
① 日常的保守管理方法(清掃・調整等)
② 操作・保守調整方法(簡単な故障診断等)
③ 消耗品・スペアパーツの管理・保管方法
④ 各種マニュアルの管理・保管方法
X 線撮影装置、超音波診断装置、麻酔器、人工呼吸器、患者監視装置、血液ガス分析装
置、自動生化学分析装置、自動血球計数装置などの複雑な機材については、早期に問題を
発見し、速やかに代理店に通報する体制の確立に主眼をおいたトレーニングを行う。
資機材調達業者は、操作マニュアル、保守管理マニュアル、パーツリスト、図面、製造
会社リスト、代理店リスト等の技術資料を以下の内容で西語にて提供することを入札条件
とする。
① 操作マニュアル
:機材操作用、保守管理課、病院側資料
② 保守管理マニュアル
:保守管理課、病院側資料
③ パーツリスト
:保守管理課、病院側資料
④ 図面
:保守管理課、病院側資料
⑤ 製造会社リスト
:保守管理課、病院側資料
⑥ 代理店リスト
:保守管理課、病院側資料
(3)スペアパーツ、消耗品の供給体制
機材の維持に必要なスペアパーツ、消耗品については、資機材調達業者が保証期間終了
後、機材の更新時期となる最低 5 年間は有償にて供給することを義務付けた契約内容と
し、消耗頻度の高いスペアパーツおよび消耗品については、あらかじめ見積書を病院側へ
提出させ、病院側はこれらの購入費用を試算し、予算措置を講じておくことが必要である。
3 ヶ月間に通常使用する量を上限として必要な量の消耗品を計画する。試薬についても同
様に上記の内容を加味し、さらに有効期限内で消費する量を限度として決定する。
(4)維持管理経費の概算
本計画により新たにかかる維持管理費(消耗品費および保守維持管理費)は以下のとお
りであり、何れの病院も 99 年度の予算に対する比率は 1%以内であり、要員・技術レベ
ルについても十分なレベルであり、本計画実施後の維持管理に問題になることはない。
(単位:ペソ)
99年度予算
サン・ファン・デ・ディオ ス病院
ラ・ミセリコルディア病院
サン・カミロ病院
サン・ヴィセンテ病院
日本側新規導入機材
維持管理費
99年度予算に対する
比率(%)
19,379,000,000
42,240,432
0.22%
2,813,355,000
3,595,930
0.13%
334,708,000
2,967,094
0.89%
1,736,114,000
6,067,906
0.35%
- 118 -
(5)収支予測
今後 5 年間の収支バランスを予測する際、以下のような前提条件のもと試算した。
GDP 伸び率、物価上昇率は収支ともに影響することであるためここでは考慮しないこ
ととする。
なお、一般支出、移転支出の費目は以下のような内容である。
一般支出…消耗品費、維持管理費、機材購入費、光熱費、通信輸送費等である。
移転支出…年金、休業手当、社会保障費等である。
①サン・ファン・デ・ディオス病院
[収入]
国・県からの補助金
2000 年 保健省決議による資金割当て金額
2001 年 10%減
2002 年∼前年度金額より増減なし
病院独自の収入
2000 年 低所得者層診療費請求業務改善による 30%
増+診療費増額 10%
2001 年∼過去の診療収入増加率 25.90%+低所得者
層診療費請求業務改善による 10%増
2002 年∼前年度金額より増減なし
その他(資本収入、特別補助金含) 2000 年 保健省決議による資金割当て金額
2001 年∼増減なし
[支出]
人件費
2000 年
解雇計画による病院計上額
2001 年∼ 人員の増減なしと考え伸び率も増減なし
一般支出
2000 年
過去の患者増加率平均−7.13%
2001 年
前年度一般支出費用+本計画による消耗
品費増加分
2002 年
前年度一般支出費用+本計画による維持
管理費増加分
2003 年
前年度より増減なし
移転支出
2000 年
解雇計画による病院計上額
プログラム出資金等
増減なし
- 119 -
②ラ・ミセリコルディア病院
[収入]
国・県からの補助金
2000 年 10%減
2001 年∼前年度より増減なし
病院独自の収入
2000 年 過去の診療収入増加率平均 28.57%+低所
得者層診療費請求業務改善による 10%増+
診療費増額 10%
2001 年 過去の診療収入増加率平均 28.57%
2002 年∼前年度より増減なし
その他(資本収入、特別補助金含) 2000 年∼増減なし
[支出]
人件費
人員の増減なしと考え伸び率も増減なし
一般支出
2000 年 過去の患者増加率平均 8.5%
2001 年 前年度一般支出費用+本計画による消耗品
費増加分
2002 年 前年度一般支出費用+本計画による維持管
理費増加分
2003 年 前年度より増減なし
移転支出
人員の増減なしと考え伸び率も増減なし
プログラム出資金等
増減なし
③サン・カミロ病院
[収入]
国・県からの補助金
2000 年
10%減
2001 年∼ 前年度より増減なし
病院独自の収入
2000 年
過去の診療収入増加率平均 27.56%+低
所得者層診療費請求業務改善による 10%
増+診療費増額 10%
2001 年
過去の診療収入増加率平均 27.56%
2002 年∼ 前年度金額より増減なし
その他(資本収入、特別補助金含) 増減なし
- 120 -
[支出]
人件費
一般支出
2000-01 年
患者増加に伴い人員増で 2.9%増
2002 年∼
前年度金額より増減なし
2000 年
過去の患者増加率平均 2.9%
2001 年
前年度一般支出費用+本計画による
消耗品費増加分
2002 年
前年度一般支出費用+本計画による
維持管理費増加分
移転支出
プログラム出資金等
2003 年
2002 年より増減なし
2000-01 年
患者増加に伴い人員増で 2.9%増
2002 年∼
前年度金額より増減なし
増減なし
④サン・ヴィセンテ病院
[収入]
国・県からの補助金
2000 年 10%減
2001 年∼前年度より増減なし
病院独自の収入
2000 年 過去の診療収入増加率 19.54%+低所得者
層診療費請求業務改善による 10%増+診療
費増額 10%
2001 年 過去の診療収入増加率平均 19.54%
2002 年∼前年度金額より増減なし
その他(資本収入、特別補助金含) 2000 年∼増減なし
[支出]
人件費
人員の増減なしと考え伸び率も増減なし
一般支出
2000 年
過去の患者増加率平均 14.6%
2001 年
前年度一般支出費用+本計画による消耗
品費増加分
2002 年
前年度一般支出費用+本計画による維持
管理費増加分
2003 年
2002 年より増減なし
移転支出
人員の増減なしと考え伸び率も増減なし
プログラム出資金等
増減なし
- 121 -
−122−
病院独自の収入
その他(資本収入、特別補助金含)
I2
I3
15,327,900
-438,502
13,998,432
-2,114,686
プログラム出資金等
②支出合計(G1+G2+G3+G4)
収支バランス①‐②
938,697
738,949
病院独自の収入
その他(資本収入、特別補助金含)
I2
I3
(金額)
一般支出
移転支出
プログラム出資金等
G2
G3
G4
収支バランス①‐②
②支出合計(G1+G2+G3+G4)
2,387,064
人件費
G1
3,715
3,291,139
24,896
2,374
3,205,871
95,332
210,019
416,020
2,661,385
247,744
568,689
(金額)
支出
(金額)
201,557
3,316,035
289,613
3,301,203
①収入合計(I1+I2+I3)
2,175,781
(金額)
2,272,641
国・県からの補助金
183.11
(前年度比)
141.31
562.04
76.73
104.63
(前年度比)
-9,204,000
28,583,000
1,585,000
3,701,000
172.79
161.17
127.06
6,835,000 364.3843
16,462,000
金額
19,379,000
6,317,000
3,689,000
9,373,000
金額
1999(実績)
-793,934
18,264,000
390,000
1,351,000
5,969,000
10,554,000
金額
17,470,066
3,639,466
5,164,600
8,666,000
金額
68.95
15.6
37.94
87.33
73.84
(前年度比)
89.33
57.61
140.00
90.00
(前年度比)
2000(予測)
102.65
156.48
84.77
73.15
111.49
(前年度比)
100.44
69.59
127.03
95.73
(前年度比)
146.35
92.05
100.49
(前年度比)
140.07
617.34
130.11
100.15
(前年度比)
1,040,083
3,604,527
109.52
239,657 6,451.06
307,364
382,957
2,674,549
(金額)
4,644,610
1,244,293
1,221,341
2,178,976
(金額)
1999(実績)
1,315,132
3,704,785
307,364
307,364
415,508
2,674,549
(金額)
5,019,918
1,244,293
1,814,546
1,961,078
(金額)
102.78
100.00
100.00
108.50
100.00
(前年度比)
108.08
100.00
148.57
90.00
(前年度比)
2000(予測)
ラ・ミセリコルディア病院収支予測(1997年-2003年)
109.49
111.64
101.60
90.87
117.06
(前年度比)
125.29
1998(実績)
2,912,715
I1
1997(実績)
2,866,679
収入
費目
1,549,627
1,387,971
移転支出
G4
1,875,767
G3
2,064,148
一般支出
8,989,791
金額
14,889,398
G2
7,679,634
125.90
119.75
(前年度比)
1,123,924 1,920.45
4,807,677
8,957,797
金額
1998(実績)
人件費
金額
11,883,746
585,237
3,818,625
7,479,884
金額
1997(実績)
G1
支出
①収入合計(I1+I2+I3)
国・県からの補助金
I1
収入
費目
サン・ファン・デ・ディオス病院収支予測(1997年-2003年)
100.00
100.00
100.00
100.46
100.00
(前年度比)
100.42
100.00
135.90
100.00
(前年度比)
2,048,319
3,490,015
89,884
307,364
418,218
2,674,549
(金額)
5,538,334
1,244,293
2,332,962
1,961,078
(金額)
94.20
100.00
100.00
100.65
100.00
(前年度比)
110.33
100.00
128.57
100.00
(前年度比)
2001(予測)
166,091
18,291,466
390,000
1,351,000
5,996,466
10,554,000
金額
18,457,557
3,639,466
7,018,691
7,799,400
金額
2001(予測)
100.00
100.00
100.00
100.25
100.00
(前年度比)
101.12
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
1,203,592
3,490,900
89,884
307,364
419,103
2,674,549
(金額)
4,694,492
400,451
2,332,962
1,961,078
(金額)
100.03
100.00
100.00
100.21
100.00
(前年度比)
84.76
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
2002(予測)
151,191
18,306,366
390,000
1,351,000
6,011,366
10,554,000
金額
18,457,557
3,639,466
7,018,691
7,799,400
金額
2002(予測)
(単位:千ペソ)
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
101.83
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
1,203,592
3,490,900
89,884
307,364
419,103
2,674,549
(金額)
4,694,492
400,451
2,332,962
1,961,078
(金額)
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
2003(予測)
(単位:千ペソ)
151,191
18,306,366
390,000
1,351,000
6,011,366
10,554,000
金額
18,457,557
3,639,466
7,018,691
7,799,400
金額
2003(予測)
‐123‐
182,816
病院独自の収入
その他(資本収入、特別補助金等含)
I2
I3
プログラム出資金等
G4
病院独自の収入
その他(資本収入、特別補助金等含)
I2
I3
一般支出
移転支出
プログラム出資金等
G2
G3
G4
収支バランス①‐②
②支出合計(G1+G2+G3+G4)
人件費
G1
支出
①収入合計(I1+I2+I3)
942,037
0
1,415,368
12,930
1,360,252
92,854
22,161
143,843
1,249,364
972
34,438
247,382
1,077,460
金額
1,428,298
1,453,106
金額
15,209
461,806
951,283
金額
124,753
386,316
金額
国・県からの補助金
I1
7,371
342,883
-
-
49,919
292,964
金額
350,254
50,695
109,767
189,792
金額
101.11
-
-
74.13
112.74
(前年度比)
103.28
2923.59
95.80
85.17
(前年度比)
1999(実績)
23,431
352,827
-
-
51,367
301,460
金額
376,257
50,695
154,750
170,813
金額
102.90
-
-
102.90
102.90
(前年度比)
107.42
100.00
140.98
90.00
(前年度比)
2000(予測)
104.05
0.00
64.35
58.15
115.95
(前年度比)
98.29
12.19
119.54
100.98
(前年度比)
541,690
1,984,776
156,911
32,191
323,083
1,472,591
金額
2,526,466
868,479
690,736
967,251
金額
140.23
-
145.26
224.61
117.87
(前年度比)
176.89
5710.30
149.57
101.68
(前年度比)
1999(実績)
670,912
2,031,946
156,911
32,191
370,253
1,472,591
金額
2,702,858
868,479
963,853
870,526
金額
102.38
100.00
100.00
114.60
100.00
(前年度比)
106.98
100.00
139.54
90.00
(前年度比)
2000(予測)
サン・ヴィセンテ病院収支予測(1997年-2003年)
120.34
-
963.97
115.88
117.00
(前年度比)
119.53
7.70
146.16
121.89
(前年度比)
1998(実績)
38
1,941
1997(実績)
339,108
-
11,905
67,337
259,866
281,795
338
1,235
収入
費目
収支バランス①‐②
②支出合計(G1+G2+G3+G4)
移転支出
G3
58,108
222,114
人件費
一般支出
G1
金額
支出
G2
339,146
283,736
①収入合計(I1+I2+I3)
金額
1,734
114,575
222,837
金額
1998(実績)
22,530
78,390
金額
国・県からの補助金
I1
1997(実績)
収入
費目
サン・カミロ病院収支予測(1997年-2003年)
102.86
-
-
102.64
102.90
(前年度比)
111.34
100.00
127.56
100.00
(前年度比)
856,268
2,034,927
156,911
32,191
373,234
1,472,591
金額
2,891,195
868,479
1,152,190
870,526
金額
100.15
100.00
100.00
100.81
100.00
(前年度比)
106.97
100.00
119.54
100.00
(前年度比)
2001(予測)
55,982
362,924
-
-
52,722
310,202
金額
418,906
50,695
197,398
170,813
金額
2001(予測)
100.44
-
-
103.06
100.00
(前年度比)
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
853,182
2,038,013
156,911
32,191
376,320
1,472,591
金額
2,891,195
868,479
1,152,190
870,526
金額
100.15
100.00
100.00
100.85
100.00
(前年度比)
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
2002(予測)
54,371
364,535
-
-
54,333
310,202
金額
418,906
50,695
197,398
170,813
金額
2002(予測)
(単位:千ペソ)
100.00
-
-
100.00
100.00
(前年度比)
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
853,182
2,038,013
156,911
32,191
376,320
1,472,591
金額
2,891,195
868,479
1,152,190
870,526
金額
100.00
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
100.00
100.00
100.00
100.00
(前年度比)
2003(予測)
(単位:千ペソ)
54,371
364,535
-
-
54,333
310,202
金額
418,906
50,695
197,398
170,813
金額
2003(予測)
第 5 章 プロジェクトの評価と提言
第 5 章 プロジェクトの評価と提言
5-1 妥当性にかかる実証・検証及び裨益効果
1)妥当性にかかる実証・検証
「コ」国は、①保健、交通事故被害者、および自然災害被災者に対する助成制度への加入
と救急ネットワークの強化、②基礎的保健医療サービス計画、③その他、財政の安定、医
療サービスの質を保証するシステム強化等を掲げているが、「コ」国政府は地震直後、被災
地であるコーヒー栽培地域に対する「コーヒー地帯社会再建/開発基金」を創設し、これと
並行して「コ」国保健省は、キンディオ県中南部の現在の医療状況を鑑み、病院の再建を優
先的するために、キンディオ県全体の病院緊急整備計画を策定し、最優先で本計画を実施
している。
本計画は 1999 年 1 月 25 日に大地震の被害を受けた病院のうち、特に被害が大きかっ
たキンディオ県の 4 医療施設に対し、「コ」国保健省、キンディオ県保健局と協調を図り
ながら、地震で被害を受けた機能の回復を目的としたものである。
本計画の実施によりキンディオ県の医療サービスが復興され、低所得者も含めた地震後
の医療ニーズへの対応が可能となる。
また、本計画で調達される機材により、地震で中断されていた母子保健サービス、救急
サービスおよび検査サービスの向上が大幅に改善される。さらに各部門の稼動率が上がり、
通常の死亡率、乳幼児死亡率、妊産婦死亡率の改善が行われる。各対象病院がもつ問題点
と現状に対し、本計画の実施により達成あるいは期待される主な効果は次のとおりである。
本計画は大きく分類すると母子保健(集中治療室)、救急、検査の 3 つに分けられる。
母子保健は産婦人科、新生児、外来(歯科、眼科、耳鼻咽喉科)
、病室が対象であり、救
急は救急室、手術室、回復室、中央材料室が対象であり、検査は内視鏡、放射線、臨床検
査、病理が対象である。
母子保健
近年の母体死亡率は先進国と比較して非常に高い状況であり、キンディオ県において出生
時死亡率は乳児死亡率の約 40%を占めている。さらに地震の影響で医療機材の損壊およ
び老朽化などにより、対応できる医療サービスが適切でない状況にある。また、地震によ
り患者の経済的不安なども健康に大きく影響している。「コ」国保健省では、妊娠・出産、
新生児、幼児(10 歳以下)の難度の高い診療・治療に優先度をおいてプロジェクトを実施
している。本計画では、インファントウォーマ、パルスオキシメータ、新生児用保育器、
- 124 -
搬送用保育器、胎児モニタ、移動式超音波診断装置、人工呼吸器、患者監視装置、心電計、
除細動器、血液ガス分析装置などを計画し、機能の回復を行う内容になっている。
救急
救急医療における死亡例の高い頻度は、外傷、循環器系疾患、出産前後の重症、急性感染
症、急性呼吸器系疾患の順になっている。特に地震の被害を受けた地域では、救急医療の
必要性が高まっている。「コ」国の法律第 10 号第 2 条(1990 年)によると、すべての医
療機関は、受診者の社会・経済的能力にかかわりなく、救急医療の初期対応を行うことが
義務づけられている。救急には、回診用 X 線装置などを配置し、手術室には、無影灯、
麻酔器、患者監視装置、高圧蒸気滅菌装置などを計画している。
検査
内視鏡、放射線、臨床検査、病理における診断の困難性に対する支援は、保健医療分野の
進展の柱となる母子保健、救急の目的を達成するためには、非常に重要であるため、地震
の被害を受けたキンディオ県では今後とも重視する方向である。放射線は、X 線透視撮影
装置、X 線テレビ装置(C アーム)
、カラードップラ超音波診断装置などを配置し、臨床
検査および病理では、自動生化学分析装置、自動包埋装置などを計画して検査の効率を図
る。
2)計画実施による裨益効果
A)直接効果
① コロンビア西部地震により被害を受けたキンディオ県の 4 公立病院の医療機材が
復旧・整備されることから、地震による施設・機材の損壊によって医療サービスを
受けられなくなった人々*(外来患者 20,954 人、入院患者 9,719 人)に対して適
切な医療サービスが提供可能になる。
*地震前の患者数−地震後の患者数
外来患者:
入院患者:
189,954 人 (1998 年)
19,535 人 (1998 年)
− 169,000 人 (1999 年)
− 9,816 人 (1999 年)
=
=
20,954 人
9,719 人
② 機材計画は地震後の医療需要を踏まえたものとなることから、本計画の対象とな
っている病院のそれぞれのレファレル地域における保健医療体制が復旧・改善さ
れ、低所得者を含めた対象病院のレファレル人口約 20 万人に裨益する。
- 125 -
B)間接効果
キンディオ県の医療サービスが復興され、低所得者も含めた地震後の医療ニーズ
への対応が可能となり、地震により甚大な被害を受けた同県の住民 53 万 6 千人の
生活の安定が図られ、同県の社会的・経済的な発展に貢献する。
3)運営維持管理
① 運営体制
本計画の各対象病院は、「コ」国保健省の監督によりキンディオ県保健局の管轄下で運営
されている。その病院の運営にあたっては、自治権が認められており、病院長が実施を行
っている。本計画は既存の医療機材の更新を主体としており、本計画実施後の各病院にお
ける医療活動内容は、現状と本質的に変わるものではない。
② 予算措置
本計画による調達機材は、ほとんどが既存機材の更新を主体としているため、試薬・消
耗品などの維持管理経費等の増加分は各対象病院の年間予算の 1.0%以内と見込まれる。
1999 年度の各対象病院予算においては、法律により病院予算の 5%以上を見込んでお
り、この一部が調達機材の運営維持管理費にあてられる。この予算が計画通りに執行され
れば、現在生じている煩雑な修理、電力、水などの浪費分を差し引き、今後の維持管理は
「コ」国側で十分対応が可能と判断される。
③ 維持管理
本計画は、実施後の維持管理を「コ」国側が容易に行い得ることを念頭において策定され
ている。維持管理に専門的技術を要する機材については、各製造会社の代理店における保
守維持管理体制を重視して計画している。基本的な取扱い、点検方法等については、既存
機材と同等なレベルであるため大幅な変更はない。なお、新規導入する機材に関しては、
納入前に十分なトレーニングを行うことにより、「コ」国側にとってより効率的な維持管理
が可能となる。
5-2 技術協力・他ドナーとの連携
1)技術協力の必要性
「コ」国は保健医療サービス体制を立て直すために、国際機関・外国援助等の支援を得て
様々なプログラム、プロジェクトを計画・実施している。本計画機材にかかる病院スタッ
フの短期研修員の受入れや、長期専門家派遣による医学的な技術指導、保守点検等のわが
国技術協力が可能であれば、なお一層の医療技術の向上が期待できる。
- 126 -
2)他ドナーとの連携
本計画に関しては、他ドナーとの連携はないが、各対象病院で医療従事者を対象とした
研修を重要視しており、海外での研修を他ドナーに要請している。
5-3 課題・提言
本計画の各対象病院も保健医療サービスを行うにあたり、技術的能力、運営能力を有し
ており、医療レベルは高く、さらに社会保険制度の導入による診療報酬徴収体制により、
今後はさらなる健全な運営が行える状況にある。
また、本計画は、キンディオ県保健局の病院緊急整備計画に則り地震の被害を受けた地
域にとり重要な案件であり、この成功は対象地域全体の医療サービスの向上に寄与するも
のであることから、本計画が実施されることの意義は大であると判断される。
最後に本計画の速やかな実現と、対象病院の機材整備の後、円滑かつ効果的な運用が行
われ、初期の目的を達成し得るよう、本計画の実施には次の留意点があり、「コ」国におい
て実施する必要がある。
組織、人材面
(1)限られた機材をより有効に活用するために、中央管理体制を確立する。
(2)契約で採用する医療従事者は、医療サービスに支障がないように必ず配置する。
財務、資金計画面
(1)病院独自の収入を今後とも拡大する。
(2)資金計画を立て、少なくとも毎月その収支状況を把握する。
(3)病院運営のための O/M コストを確保することに加え、機材の耐用年数、経年劣化
による機材更新に備え、積み立てを行う。
(4)高度医療機材の保守管理契約(有償)を締結し、資金計画にあらかじめその費用を
組み込んでおく。
モニタリング・レポート
本計画実施後のモニタリングについては、「コ」国保健省およびキンディオ県保健行政機
関が責任を持って実施するが、機材据付後は同省保健医療サービス局がモニタリング実施
機関となる。各対象病院は「コ」国保健省を経由し、在「コ」日本国大使館および国際協力事
業団「コ」国事務所あてに、5 年間にわたり前年度の機材の使用状況について毎年 2 月 1 日
から 2 月 5 日までに報告することとし、各病院の院長がこの作業に関する責任者となる。
- 127 -
対象機材と報告内容に関しては、以下の主要機材 18 品目とする。
1) 人工呼吸器、新生児用(年間の装着患者総数、年度末時点での稼動可能台数(既存
/新規)
、新着患者の死亡率)
2) カラードップラ超音波診断装置(年間の検査数)
3) 超音波診断装置、移動式(年間の検査数)
4) X 線透視撮影装置(年間の検査数)
5) X 線テレビ装置(C アーム)(年間の検査数)
6) X 線装置、回診型(年間の検査数)
7) X 線フィルム自動現像装置(年間の処理枚数、稼動不能であった日数)
8) 歯科用 X 線装置(年間の検査数)
9) 血液ガス分析装置(年間の検査数、稼動不能であった日数)
10) 自動生化学分析装置(年間の検査数、稼動不能であった日数)
11) 自動血球計数装置(年間の検査数、稼動不能であった日数)
12) 凍結ミクロトーム(年間の検査数、稼動不能であった日数)
13) 自動包埋装置(年間の検査数、稼動不能であった日数)
14) 気管支鏡(年間の検査数、年間の生検数)
15) 関節鏡(年間の検査数、年間の生検数)
16) 腹腔鏡(年間の検査数、年間の生検数)
17) 膀胱鏡(年間の検査数、年間の生検数)
18) 腎膀胱鏡(年間の検査数、年間の生検数)
本計画は、地震により故障したあるいは機能が低下した機材を更新すること、さらに新
規機材を導入することで、病院の基本的診療機能、保健医療体制が地震前のレベルまで回
復することを目指したものである。したがって、本計画実施後に以下の内容についてのモ
ニタリングも合わせて行う。
1) 各病院の死亡数(全体、乳幼児)
2) 患者数(外来、入院)
3) 紹介患者率
4) 院内感染率
5) 患者満足度調査
6) 平均在院日数
- 128 -
資料
1.
調査団員氏名、所属
2.
調査日程
3.
相手国関係者リスト
4.
協議議事録
5.
技術協議メモランダム
6.
当該国の社会・経済事情
7.
参考資料リスト
8.
各対象病院図面
資料 1. 調査団員氏名、所属
1)基本設計調査(平成 11 年 10 月 7 日∼平成 11 年 11 月 6 日)
福田 茂樹
【総括】
外務省経済協力局無償資金協力課
青山 温子
【技術参与】
厚生省国立国際医療センター
国際医療協力局派遣協力課
藤田 文彦
【業務主任/病院整備計画】
株式会社 エムイー企画
玉井 京子
【機材計画Ⅰ】
株式会社 エムイー企画
長谷川 正
【機材計画Ⅱ】
株式会社 エムイー企画
金山 秀明
【建築計画】
株式会社 エムイー企画
與座 卓
【調達計画/積算】
株式会社 エムイー企画
藤本 巴
【通訳】
株式会社 エムイー企画
杉田 雅子
【調達計画/積算補助】
株式会社 エムイー企画
2)基本設計概要説明調査(平成 12 年 1 月 15 日∼平成 12 年 1 月 31 日)
古屋 年章
【総括】
在コロンビア JICA 事務所長
露木 佳子
【技術参与】
厚生省国立国際医療センター
国際医療協力局派遣協力課
森田 千春
【計画管理】
国際協力事業団無償資金協力部
業務第二課
藤田 文彦
【業務主任/病院整備計画】
株式会社 エムイー企画
玉井 京子
【機材計画Ⅰ】
株式会社 エムイー企画
金山 秀明
【建築計画】
株式会社 エムイー企画
藤本 巴
【通訳】
株式会社 エムイー企画
杉田 雅子
【調達計画/積算補助】
株式会社 エムイー企画
資料2. 調査日程(基本設計調査)
業務主任 /
病院整備計画
日数
日付
曜日
1
10月6日
水
成田発12:00(JL006)→ニューヨーク着11:20
2
10月7日
木
ニューヨーク発9:50(AV021)→ボゴタ着14:30、JICA事務所表敬訪問
業務主任と同じ
3
10月8日
金
(技術参与:成田発12:00(JL006)→ニューヨーク着11:20
保健省表敬訪問
業務主任と同じ
土
(総括:成田発12:00(JL006)→ニューヨーク着11:20 ニューヨーク泊)
(技術参与:ニューヨーク発9:50(AV021)→ボゴタ着14:30)
団内協議・資料整理
業務主任と同じ
4
10月9日
官団員
ニューヨーク泊)
機材計画(I) 機材計画(II)
建築計画
調達計画/積算
ニューヨーク泊
通訳(西語)
業務主任と同じ
5
10月10日 日
(総括:ニューヨーク発9:50(AV021)→ボゴタ着14:30)
ヴィクトリア病院・ケネディ病院訪問・調査
6
10月11日 月
JICA事務所、日本大使館、コロンビア国際協力庁、外務省、保健省表敬訪問、移動:ボゴタ→アルメニア(飛行機にて)
代理店調査
業務主任と同じ
7
10月12日 火
キンディオ県知事表敬、対象医療施設事務局長と打ち合わせ、サン・ファン・デ・ディオス病院、スール病院、ラ・ミセリコルディア病院、ピオ10世病院視
察
代理店調査
業務主任と同じ
8
10月13日 水
サン・カミロ病院、サン・ヴィセンテ病院視察、ミニッツ協議
代理店調査
業務主任と同じ
9
10月14日 木
私立病院視察、移動:アルメニア→ボゴタ(飛行機にて)
資料整理
代理店調査
業務主任と同じ
10月15日 金
ミニッツ署名、JICA事務所・日本大使館へ報告
(官団員:ボゴタ発16:00(AV020)→ニューヨーク着22:35)
サン・ファン・デ・ディオス病院調査
代理店調査
業務主任と同じ
サン・ファン・デ・ディオス病院調査
輸送会社調査
業務主任と同じ
資料整理
業務主任と同じ
10
業務主任と同じ
11
10月16日 土
ニューヨーク発13:30(JL005)→
ボゴタ→
アルメニア
12
10月17日 日
成田着16:15
団内協議・資料整理
13
10月18日 月
サン・ファン・デ・ディオス病院調査
代理店調査
業務主任と同じ
14
10月19日 火
サン・ファン・デ・ディオス病院調査
代理店調査
業務主任と同じ
15
10月20日 水
ラ・ミセリコルディア病院調査
代理店調査
業務主任と同じ
16
10月21日 木
ラ・ミセリコルディア病院調査
代理店調査
業務主任と同じ
17
10月22日 金
サン・カミロ病院調査
施工会社調査
業務主任と同じ
18
10月23日 土
団内協議・資料整理
ボゴタ発
業務主任と同じ
19
10月24日 日
団内協議・資料整理
20
10月25日 月
サン・ヴィセンテ病院調査
21
10月26日 火
サン・ファン・デ・ディオス病院調査
業務主任と同じ
22
10月27日 水
サン・ファン・デ・ディオス病院調査
業務主任と同じ
23
10月28日 木
移動:アルメニア(15:30)→ボゴタ(飛行機にて)
業務主任と同じ
24
10月29日 金
保健省訪問・資料収集、各関連会社等訪問・資料収集
業務主任と同じ
25
10月30日 土
団内協議・資料整理
業務主任と同じ
26
10月31日 日
団内協議・資料整理
業務主任と同じ
27
11月1日
月
団内協議・資料整理
業務主任と同じ
28
11月2日
火
保健省訪問・資料収集、各関連会社等訪問・資料収集
業務主任と同じ
29
11月3日
水
保健省訪問・資料収集、各関連会社等訪問・資料収集
業務主任と同じ
30
11月4日
木
保健省訪問・資料収集、JICA事務所報告
業務主任と同じ
31
11月5日
金
ボゴタ発10:35(CO738)→ニューヨーク着16:25
業務主任と同じ
32
11月6日
土
ニューヨーク発12:10(JL005)→
業務主任と同じ
33
11月7日
日
成田着16:10
業務主任と同じ
ニューヨーク着 業務主任と同じ
成田着
業務主任と同じ
資料2. 調査日程(基本設計概要説明調査)
日数
日付
曜日
1
1月15日
土
2
1月16日
日
官団員
コンサルタント団員(業務主任/病院整備計画、機材計画1、建築計画、通訳、調達計画/積算補佐)
成田発12:00(JL006)→ニューヨーク着10:15
ニューヨーク発08:50(AV021)→ボゴタ着14:30
3
1月17日
月
08:30
10:30
11:30
14:00
18:40
JICA事務所
日本大使館
A.C.C.I.(コロンビア国際協力庁)
保健省表敬訪問・ミニッツ案提示
移動:ボゴタ→アルメニア
4
1月18日
火
08:00 サン・ファン・デ・ディオス病院調査
10:30 ラ・ミセリコルディア病院調査
15:00 サン・カミロ病院調査
5
1月19日
水
09:00 サン・ヴィセンテ病院調査
12:09 移動:アルメニア→ボゴタ
14:00 保健省とミニッツの打合せ
6
1月20日
木
09:00 保健省とミニッツの打合せ
7
1月21日
金
10:30 JICA事務所報告
11:30 日本大使館報告
15:00 保健省にてミニッツ署名
8
1月22日
土
ボゴタ発
06:00 移動:ボゴタ→アルメニア
09:00 サン・ファン・デ・ディオス病院調査
9
1月23日
日
ニューヨーク発
団内協議・資料整理
10
1月24日
月
成田着15:15
09:30 サン・カミロ病院調査
17:00 キンディオ県電力供給会社調査
11
1月25日
火
08:30 サン・ファン・デ・ディオス病院調査
12
1月26日
水
08:00 ラ・ミセリコルディア病院調査
14:00 サン・ヴィセンテ病院調査
19:45 移動:アルメニア→ボゴタ
13
1月27日
木
09:00 保健省と打合せ
14
1月28日
金
10:00 JICA事務所報告
11:30 日本大使館報告
13:00 保健省にてメモランダム署名
15
1月29日
土
ボゴタ発16:00(AV020)→ニューヨーク着21:35
16
1月30日
日
ニューヨーク発12:10(JL005)→
17
1月31日
月
成田着16:10
資料 3.相手国関係者リスト(基本設計調査時)
〔コロンビア国側〕
Dr. VIRGILLO GALVIS RAMIREZ
Dr. MAURICIO ALBERTO BUSTAMANTE GARCIA
Dra. MARIELA GOMEZ
Dr. JUAN CARLOS TRIANA
Dr. LUIS FERNANDO CORREA SERNA
Dra. LUZ STELLA MENDEZ
Dra. FELICITAS OSORIO CAICEDO
Arq. AMEDEO VITA TRIONFETTI
Ing. AUGUSTO ARDILA ARIZA
Arq. HERNANDO MUÑOZ NATES
Tec. WILLIAM VILLADA HERNANDEZ
Dr. JORGE ELIECER MAICHEL GONZAILEZ
Dr. ANDRES JOSE MORENO SUAREZ
Dra. BEATRIZ MEJIA RAMIREZ
Dra. MIRYAN JUDITH VARGAS PINTO
Sr. GLADYS PULECIO DE GUARIN
Sra.PATRICIA MEDINO
Sra. EMILIA C. RUIZ
Sr. MAURICIO GUTIERTEZ
Sr. GUILLERO RAMIREZ
Sra. ADRIANA MORENO
Sra. ISABEL MARTINEZ
Sr. HENRY GÓMEZ TABARES
Sr. WILFREDY JARAMILLO
Dr. JAIME GALLEGO LOPEZ
Dra. MARIA MAGDA OSORIO SERNA
Dr. CARLOS ARTURO OCAMPO ARANGUREN
Dr.LUZ MARY MOSCOSO
Dr. LUZ GENY GUTIERREZ
Dr. JUAN GABRIEL GUTIERREZ BOTERO
Arq. ANA MILENA ZAPATA POSADA
Dr. JORGE MARIO LOPEZ RNGO
Dr. JORGE RAUL OSSA BOTERO
Dr. JAVIER CARMONA
Dr. LUIS FERNANDO
Dr. JORGE MARIO LOPEZ A.
Dr. JOSE BERNANDO VILLADA G.
Dr. LESTER ANDMOLE
Enf. LEILA MEJIA JORMILLO
Enf. ROSA ELENA GORA
Enf. ADIELA HENAO BURITICA
Enf. HILDA ARELLANO
Enf. MARTHA ELENA M. C.
Dr.ELECAZOR J. MENES M.
Dr. JEAN JEAN JACQUES MUGNIER Q.
Sr. MARIO H. GIL LIEVANO
Arq. YOLANDA ROJAS BARRANTES
Sra. ADRIANA REYES GONZALEZ
Sra. PATRICIA LOPEZ V.
Dr. HERNAN JARAMILLO BOTERO
保健省大臣
保健省副大臣
保健省国際協力局長
保健省国際協力局
保健省保健医療サービス開発局長
保健省保健医療サービス開発局
保健省保健医療サービス開発局
保健省自然災害計画担当官
保健省自然災害計画担当
保健省自然災害計画担当
保健省自然災害計画担当
保健省財務局局長
保健省財務局外国融資課副課長
保健省財務局外国融資課
保健省保健医療サービス管理局副局長
外務省
外務省
コロンビア国際協力庁長官
コロンビア国際協力庁
コロンビア国際協力庁
コロンビア国際協力庁
ボゴタ市長
キンディオ県知事
ブエナビスタ市長
キンディオ県保健医療サービス局局長
キンディオ県保健医療サービス局
キンディオ県保健医療サービス局
キンディオ県保健医療サービス局
アルメニア保健事務局
アルメニア保健事務局
アルメニア保健事務局
サン・ファン・デ・ディオス病院院長
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
ラ・ミセリコルディア病院院長
Dra. FABIOLA URIBE PALACIO
Dr. JAVIER SERNA JARAMILLO
Sr. IVAN ESCOBAR FAYAD
Sr. LUIS ALEJANDRO ROJAS BERMUDEZ
Sr. OSCAR MORALES
Dr. JAIRO A. MORENO
Ing. ALUERO ESCOBAR FAYAD
Dra. MARTA LUZ GONZALEZ
Dra. MZ CRISTINA BOTERO
Dra. LUZ OFARINA MESA
Sra. FABIOLA URIBE P.
Sra. STELLA CHINGATE
Aux. Enf. GLORIA AUPARO BAOS
Dr. CESAR AUGUSTO GARCIA ARIZA
Dr. JUAN ESTEBAN CARDONA MARIN
Dr. JUAN CARLOS MEJIA LO
Arq. ISMAEL PERDOMO
Dra. ENDA REGINA DE LA TORRE DE CASTAÑO
Dra. DALIA LASSO SERNA
Dr. LUIS ALFONSO MURCIA GUARIN
Ing. JAVIER VALENCIA
Arq. JORGE ELICER RIOS PLATA
Dr. HECTOR OLAYA
Sra. OLRION M. SOINTANU DIAZ
Sr. EDQOI CARVOJPL BRITO
Sra. ORMANA CASTITTO
Dr. JOSE FERNANDO MONTES
Dr. LUIS FELIPE HERRERA
Dr. JOSE ROBERTO GARAY GIRALDO
Dr. GERMAN RIOS RIOS
Dr. REINALDO LOPEZ ESCUDERO
Dra. ANGELA MONTENEGRO PEYES
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
サン・カミロ病院院長
サン・カミロ病院
サン・カミロ病院
サン・カミロ病院
サン・ビセンテ病院院長
サン・ビセンテ病院
サン・ビセンテ病院
サン・ビセンテ病院
サン・ビセンテ病院
ケネディ病院院長
ヴィクトリア病院
ヴィクトリア病院メンテナンス課長
ボゴタ市保健局ヴィクトリア病院担当
スール病院院長
スール病院
ピオ10世病院院長
ピオ10世病院
ピオ10世病院
ピオ10世病院
〔日本側〕
鹿野
足立
寺沢
古屋
上条
深澤
軍勝
雅彦
弘二
年章
直樹
公雄
特命全権大使
領事
一等書記官
所長
次長
所員
在コロンビア日本大使館
在コロンビア日本大使館
在コロンビア日本大使館
在コロンビア JICA 事務所
在コロンビア JICA 事務所
在コロンビア JICA 事務所
資料 3.相手国関係者リスト(基本設計概要説明時)
〔コロンビア国側〕
Dr. MAURICIO ALBERTO BUSTAMANTE GARCIA
Dra. MARIELA GOMEZ
Dr. JUAN CARLOS TRIANA
Dr. MAURICIO CALDERON ORTIZ
Dr. LUIS FERNANDO CORREA SERNA
Dra. LUZ STELLA MENDEZ
Dra. FELICITAS OSORIO CAICEDO
Arq. AMEDEO VITA TRIONFETTI
Tec. WILLIAM VILLADA HERNANDEZ
Dr. JORGE ELIECER MAICHEL GONZAILEZ
Dr. ANDRES JOSE MORENO SUAREZ
Dra. BEATRIZ MEJIA RAMIREZ
Sra. EMILIA C. RUIZ
Sr. GUILLERO RAMIREZ
Sra. ADRIANA MORENO
Sra. MARIA CRISTINA ZEA
Dr. JAIME GALLEGO LOPEZ
Dra. MARIA MAGDA OSORIO SERNA
Dr. CARLOS ARTURO OCAMPO ARANGUREN
Dr. JORGE MARIO LOPEZ RNGO
Dr. JAVIER CARMONA ROJAS
Sra. ADRIANA REYES GONZALEZ
Sra. JULIA ROSA MONTES I.
Dr. ROSARIO ARIAS
Dra. RUBEN DARIO CARVANAL
Dr. NESTOR BOTIA
Dr. RICARDO ANTONIO SUAREZ
Dr. LUIS ALBERTO ROJAS
Dra. MARIA LUIZA GARCIS
Enf. YOLANDA VARGAS
Dr. DARID ALBERTO OSSA
Ing. LUIS FERNANDO HERNANDEZ S.
Sr. ROBERTO VARGAS V.
Dr. HERNAN JARAMILLO BOTERO
Dra. FABIOLA URIBE PALACIO
Ing. IVAN ESCOBAR FAYAD
Dr. CESAR AUGUSTO GARCIA ARIZA
Arq. ISMAEL PERDOMO
Ing. MARIA LIZ GUARO CASTAÑEDA
Sr. GOSTADO ALBERTO JAVA
Sr. CARLOS ALBERTO BOTERO
Dra. ENDA REGINA DE LA TORRE DE CASTAÑO
Dra. DALIA LASSO SERNA
Dr. LUIS ALFONSO MURCIA GUARIN
Dra. ANA LUCIA BOTERO
Arq. MARDEO YARDANQA
Arq. LEONALDO YENER P.
Ing. RUBEN DARIO GOMEZ PALACIO
保健省副大臣
保健省国際協力局長
保健省国際協力局
保健省保健医療サービス開発局長
保健省保健医療サービス開発局
保健省保健医療サービス開発局
保健省保健医療サービス開発局
保健省自然災害計画担当官
保健省自然災害計画担当
保健省財務局局長
保健省財務局外国融資課副課長
保健省財務局外国融資課
コロンビア国際協力庁長官
コロンビア国際協力庁
コロンビア国際協力庁
コロンビア国際協力庁
キンディオ県保健医療サービス局局長
キンディオ県保健医療サービス局
キンディオ県保健医療サービス局
サン・ファン・デ・ディオス病院院長
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
サン・ファン・デ・ディオス病院
ラ・ミセリコルディア病院院長
ラ・ミセリコルディア病院
ラ・ミセリコルディア病院
サン・カミロ病院院長
ブエナビスタ市Compartir
ブエナビスタ市Compartir
モンテネグロ市長
モンテネグロ市
サン・ビセンテ病院院長
サン・ビセンテ病院
サン・ビセンテ病院
サン・ビセンテ病院
モンテネグロ市Compartir
モンテネグロ市Compartir
キンディオ県電力供給会社
〔日本側〕
鹿野
豊
古屋
上条
深澤
軍勝
輝久
年章
直樹
公雄
特命全権大使
技術協力
所長
次長
所員
在コロンビア日本大使館
在コロンビア日本大使館
在コロンビア JICA 事務所
在コロンビア JICA 事務所
在コロンビア JICA 事務所
資料 7.参考資料リスト
主な収集資料は以下のとおりである。
‹
PLAN DE DESARROLLO 1999-2002
(国家開発計画 1999-2002)
‹
LEY100 DE 1993(Diciembre23)-Sistema de Seguridad Social Integral
(法律 100 号-社会保険制度について)
‹
LEY60 DE 1993 y DECRETOS REGLAMENTARIOS
(法律 60 号)
‹
LEY10 DE 1990 Por las cual se reorganiza el Sistema Nacional de Salud y se dictan
otras disposiciones LEY 266 DE 1996, LEY 352 DE 1997
(法律 10 号、法律 266 号、法律 352 号)
‹
RECONSTRUCCION
DE
LA
RED
PUBLICA
DE
DEPARTAMENTO DEL QUINDIO
(地震の被害によるキンディオ県保健医療サービス網再建計画)
‹
RESOLUCION NUMERO 4445 DE 1996
(医療施設に関する法令)
‹
CARTA DE ORGANIZACION –FOREC−
(FOREC の概要)
SERVICIOS
DEL
Fly UP