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自然地域システムの探究

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自然地域システムの探究
地表の自然地域(
)区分
地表の自然地域(景域)
自然地域(
・Humboldtの「Kosmos」学は自然科学
自然科学であり,
自然科学
自然地理学諸分野の母体となった。
・それはまず,地表の自然
自然地域
分布
自然地域区分
地域区分とその分布
区分
システムの探究へ展開した。
システム
・ 中でも,Humboldtとその後継者たちが関心を
向けたのは植生
植生景観
⇒ 様々な植生景観区分
植生景観区分
植生
の試み ⇒ 植生(植物)地理学へ展開
・区分の手がかり
区分 手がかり ⇒ 「Landshaft」
・自然地域区分の探究は,
自然地域区分の探究は,世界
の探究は,世界の
世界の植生型の
植生型の分類と植生帯
分類と植生帯区分へ,
植生帯区分へ,
・このドイツ語は,英語で landscapeで,
日本語では通常「景観」。
さらには,
さらには,植生の様相に大きな影響を与える
植生の様相に大きな影響を与える
「気候」の
気候」の類型化
」の類型化とその
類型化とその地域
とその地域区分
地域区分研究に向かう
区分研究に向かう
・しかしこの「Landschaft」の本来の意
味は,類似した景観がまとまった範域
のことで,景観地域か「景域
景域」が正しい。
景域
植生景観区分
(景域)図の例
←Alps Andes→
Walter,1964
・こうした地表の自然
自然景観
景域」区分には,しばしば人間
人間の営みも含まれた。
自然景観ないし「景域
景域
人間
・Ritterの「Erdkunde」にも,農業形態や栽培作物などの人文
人文要素も含まれていた。
人文
矢沢大二1989『気候地域論考』古今書院
・19世紀中頃からの気候地域区分研究の試行錯誤
の歴史が,多数の図版とともに整理された大著。
Alpsの植生と土地利用の垂直分化
Andesの主作物の垂直分化(Trewartha)
・しかし,当時は 科学=自然科学
自然科学 の隆盛時代であり,
・産業革命がまだ欧州の先進地域に限られて,地表
景観に占める「自然
自然」的要素は圧倒的であった。
自然
「朝日百科世界の地理,27」(1981)
⇒そのため,地理学は
「自然地理学」として
発展することになる。
Muhry,1860の「雨地域
雨地域」
雨地域
1
ケッペンの
ケッペンの気候地域区分
気候地域区分
・ 「気候」
気候」 … 年単位で繰り返される天候変化
単位で繰り返される天候変化の
総合的・平均的パターン
天候変化の総合的・平均的
平均的パターン
樹 種
区分記号
・「気象」
気象」 … 個々の大気
個々の大気現象
の大気現象。その
現象。その状況は,
。その状況は,等温線図
状況は,等温線図,
等温線図,等圧線図,
等圧線図,降水分布図,
降水分布図,
そして天気図
天気図によって客観的に描ける。
そして
天気図によって客観的に描ける。 しかし,「総合像
しかし,「総合像」としての「
総合像」としての「気候
」としての「気候」を
気候」を
客観的に把握するには,何らかの客観的な「手がかり」
客観的に把握するには,何らかの客観的な「手がかり」が必要。
客観的な「手がかり」が必要。
⇒ 「植生」に着目したのが
植生」に着目したのがケッペン
」に着目したのがケッペン
・ たしかに「植生
たしかに「植生」は,日々変化する
植生」は,日々変化する気象
」は,日々変化する気象現象の長期間の
気象現象の長期間の
累積に対応して成立
累積に対応して成立するもの
に対応して成立するもので,
するもので,それこそは天候変化の
で,それこそは天候変化の
総合像としての「
総合像としての「気候
としての「気候」を体現するものといえる。
気候」を体現するものといえる。
⇒ ケッペンの
ケッペンの気候地域区分
気候地域区分 … 最初の完成版の発表
最初の完成版の発表
は1900年。
年。その後,本人および弟子が修正を重ねる。
年。その後,本人および弟子が修正を重ねる。
・「記号」表記の工夫により,世界に広く受容される。
記号」表記の工夫により,世界に広く受容される。
・それはまさに,Humboldtの「
の「Kosomos」以来の
」以来の
それはまさに,
の「
地表の
地表の自然地域
自然地域区分
地域区分研究
区分研究の
研究の到達点。
Wladimir Peter Köppen
(1846~1940)
・今日の「気候学」の研究は,大気大循環システムの中で生じる気候
変動や異常気象の成因研究 --- たとえばエル・ニーニョのような遠隔
連鎖現象や,都市気候のようなミクロな大気現象の研究に焦点が移る。
・その過程で,「気象学」との違いが縮小。
・他方,こうした研究の科学的精緻化の中で,ケッペンの気候区分は,
「気候」それ自体の生成メカニズムに基づくものではないために,「気
候学」として取り上げられることはほとんどなくなった。
・その一方で,ケッペンが示した気候地域類型は,世界の自然環境
の違いの理解に一定の科学的な説明(文学者によくみられる直観的・
イメージ的なものではなく)を与えることになった。
二宮書店「基本地図帳」
・そのため,人類の文化=生活様式を生み出す具体的な自然環境,
ないしは風土の類型として,むしろ世界の人文
人文地理学的,あるいはそ
人文
の1流派である「環境論」的理解のよりどころの1つとして,広く利用
されることに。
ケッペンの
ケッペンの「気候地域」区分
「気候地域」区分
2
(1)大気大循環
)大気大循環
地域区分から「
地域区分から「成因
から「成因」へ
成因」へ
(2)海陸配置(大陸の東岸・西岸)
)海陸配置(大陸の東岸・西岸)
海 洋
大 陸
海 洋
・偏西風 … 大陸東岸:大陸の影響 ⇒ 寒暖差が大
大陸西岸:海洋の影響 ⇒ 寒暖差が小
・季節風 … 大陸東岸:夏・冬の性質差が大
大陸西岸:夏・冬の性質差が小
(3)海流
)海流
・大陸東岸:暖流 ⇒ 温暖多湿
・大陸西岸:寒流 ⇒ 冷涼少雨
(4)地形障壁
)地形障壁
・風衝斜面 ⇒ 多雨
・山岳の風下 ⇒ 乾燥
3
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