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平成27年度事業計画書 - 公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
平成27 年度 事業計画 書 (平成2 7年4 月1日か ら平成2 8年3 月31日 まで) 当財団は、平成18年度から3年間の3期間にわたる平成26年度まで、彩 の国さいたま芸術劇場、埼玉会館及び埼玉県熊谷会館の管理運営に係る指定管 理者の指定を受け、公共劇場の使命を果たすとともに、高い評価を得た数多く の舞台芸術作品の提供や、県民の芸術文化活動の支援に関する取組を継続的に 行ってきた。さらには、地域の核としての賑わいを創出する事業の実施や経営 に関する様々な改革にも取り組んできた。 新たな指定管理期間の始まりである平成27年度においては、これまで培っ てきた実績と経験を最大限に活用しながら、県内における芸術文化の一層の振 興と、真に豊かさとゆとりを実感できる県民生活の実現のため、引き続き次の 目標を掲げ事業に取り組んでいくこととする。 (1)埼玉から国内外に向けた芸術文化の創造と発信 「彩の国シェイクスピア・シリーズ」や「さいたまゴールド・シアター」、 「さいたまネクスト・シアター」など、公共劇場ならではの埼玉独自の取 り組みを行い、埼玉から国内外に向けて新たな芸術文化の創造、発信を行 っていく。 (2)県立文化施設独自の事業展開 彩の国さいたま芸術劇場及び埼玉会館における舞台や客席の規模に応じ た事業を行うとともに、様々なネットワークを駆使した全県的な視野を持 った事業に取り組んでいく。また、作品の制作過程を通じて若手人材の育 成に取り組むほか、人々の心に恵沢をもたらす感動体験や本物体験を様々 な形で提供していくなど、県立文化施設が果たすべき役割に積極的に取り 組んでいく。 (3)地域の核として賑わいの創出 各施設で地域の特性に合ったプログラムを行うとともに、地域の方々と 連携した取り組みを行うことで、地域の核として賑わいを創出していく。 1 舞台芸術作品の提供等に関する事業 (1)自主企画公演等及び国内外との交流(61事業) 彩の国さいたま芸術劇場では「創造する劇場」の理念のもと、世界トッ プレベルの芸術作品を創造、発信、提供していく。 また、埼玉会館では、地域の方々に親しみやすい作品を中心に事業を実 施する。 ア 彩の国さいたま芸術劇場(57事業) (ア)演劇部門 蜷川幸雄芸術監督の演出による多彩なラインナップを展開する。 当劇場の看板シリーズである「彩の国シェイクスピア・シリーズ」 は、4月に第30弾として歴史劇「リチャード二世」を「さいたまネ クスト・シアター」のメンバーによって上演する。また10月には第 31弾として喜劇「ヴェローナの二紳士」をオールメール(男性俳優 のみ)で上演する。 9月にはロンドン、ニューヨーク公演を経た「海辺のカフカ」の凱 旋公演を行う。 2月には気鋭の劇作家・演出家、藤田貴大書き下ろしによる新作「蜷 の綿 Nina’s Cotton 」を蜷川幸雄芸術監督の演出により上演するとと もに、作者自身による演出版を同時期に上演し、演出の違いを鑑賞で きる機会を提供する。 児童・青少年向けの演劇作品としては、「KAAT 神奈川芸術劇場」や 「国際児童・青少年演劇フェスティバルおきなわ」との連携によりカ ナダ・ケベック州の劇団コンフェティ劇団ほかを招聘し、あらゆる世 代が鑑賞できる機会を設ける。 その他、 国際的な舞台 芸術の祭典である 「フェスティバル/トーキ ョー」と連携して、パリ市立劇場「犀」を招聘する。 なお、熊谷会館の夏の恒例公演として定着してきた「松竹大歌舞伎」 は、同会館の廃止を受け、来年度は(公財)熊谷市文化振興財団との 共催公演として熊谷市文化創造館さくらめいとで実施する。 事 業 名 実施予定時期 会 場 彩の国シェイクスピア・シリーズ第 30 弾「リチャード二世」 4月 大ホール 松竹大歌舞伎 7月 熊谷市文化創造館さくらめいと コンフェティ劇団公演 8月 小ホール 児童演劇公演 8月 大ホール オックスフォード大学演劇協会公演 8月 小ホール 海辺のカフカ 9月 大ホール 彩の国シェイクスピア・シリーズ第 31 弾「ヴェローナの二紳士」 10月 大ホール パリ市立劇場「犀」 11月 大ホール 蜷の綿 Nina’s Cotton ‐蜷川幸雄 Ver.‐ 2月 大ホール 蜷の綿 Nina’s Cotton ‐藤田貴大 Ver.‐ 2月 小ホール (イ)舞踊部門 世界的に活躍する振付・演出家の最新作や国内外で活躍するアーテ ィストによる、多彩な身体表現の可能性を探る作品を提供する。 国内からは、近藤良平が率いる、生演奏、人形劇、映像、コントを 展開する人気のダンスカンパニー「コンドルズ」による9回目の埼玉 スペシャル公演を上演する。 海外からは、北欧を代表する世界的振付家、テロ・サーリネンが、 「MORPHED」で 彼のダンスカンパニーの初来日公演を行う。秋には、 1980年代からフランスの新しいダンスの流れを牽引してきたダ ニエル・ラリューが、仲間のダンサーたちと創作したユニークな作品 「En Piste」を上演する。 また、年明けには第21回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞したイ スラエルを代表する世界的振付家、演出家のインバル・ピントとアヴ シャロム・ポラックの作品「DUST」を上演する。 このほか、振付家、ダンサーの岩淵多喜子による、県内中学校の生 徒を対象にしたダンス・ワークショップを26年度に引き続き実施す る。 事 業 名 実施予定時期 会 場 コンドルズ新作公演「ストロベリーフィールズ」 5月 大ホール テロ・サーリネン「MORPHED」 6月 大ホール 11月 小ホール 1月 大ホール ボワヴァン/ウバン/ラリュー「En Piste」 インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック「DUST」 ミート・ザ・ダンス(岩淵多喜子 WS) 未定 県内中学校 (ウ)音楽部門 彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールの音響特性を活かし、世界屈指 の巨匠から若手まで幅広く起用して、多様なニーズに応える公演を実 施する。また、気軽に足を運べる無料コンサートや参加・育成を目的 とした事業も併せて展開する。 注目のアーティストをクローズアップして3年にわたって展開す る劇場オリジナル企画「現在(いま)」シリーズは、ヴァイオリンの 佐藤俊介による2年目の公演を実施する。 また、若手の中でも選りすぐりのピアニストによる「ピアノ・エト ワール・シリーズ」、同シリーズの「アンコール!」公演及びリサイ タル・シリーズ「次代へ伝えたい名曲」を継続して開催する。 加えて、最高級の演奏を鑑賞する機会だけでなく、トップ・アーテ ィストからの学びの場も提供する。 世界のトップ・ピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスを初めて劇 場に招聘し、公演後にはアフタートークを実施するほか、ウィーンと ベルリンの首席級奏者による「アンサンブル・ウィーン =ベルリン」 の公演及び楽器クリニックを実施する。 また、国際的に活躍するメキシコのパーカッション・グループ「タ ンブッコ」による劇場・県北公演並びにワークショップを開催する。 国際的な活躍も目覚ましいバッハ・コレギウム・ジャパンによる毎 年度恒例の彩の国さいたま芸術劇場公演では、クリスマスの時期に合 わせて、ヘンデルの《メサイア》を上演する。 一方、誰でも気軽に音楽に触れられる機会を提供するため、ポジテ ィフ・オルガンを活用した無料のミニ・コンサート「光の庭プロムナ ード・コンサート」や、オルガンを通じて音楽の普及啓発を図る「み んなのオルガン講座」を引き続き実施する。 また、若い世代に芸術の体験機会を提供する小・中学校へのアウト リーチ事業「MEET THE MUSIC~アーティストが学校にやってくる!」 も引き続き実施する。 事 業 名 実施予定時期 会 場 庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ デュオ・リサイタル 5月 音楽ホール アンサンブル・ウィーン=ベルリン 7月 音楽ホール 9 月~3 月 音楽ホール 次代へ伝えたい名曲(第4回~第6回) タンブッコ(県北出張ミニ・コンサートを含む) 9月 音楽ホール他 タンブッコのメンバーによるワークショップ 9月 音楽ホール ピアノ・エトワール・シリーズ(Vol.27~Vol.28) 9 月,1 月 音楽ホール ピアノ・エトワール・シリーズ アンコール! Vol.4 11月 音楽ホール マリア・ジョアン・ピリスとピリスが選んだ若き才能との共演(仮称) 11月 音楽ホール バッハ・コレギウム・ジャパン ヘンデル《メサイア》 12月 音楽ホール ピアノ・エトワール・シリーズ アンコール! Vol.5 2月 音楽ホール 佐藤俊介の現在(いま) Vol.2 2月 音楽ホール 光の庭プロムナード・コンサート 通年 情報プラザ みんなのオルガン講座 通年 大練習室他 MEET THE MUSIC~アーティストが学校にやってくる! 通年 県内小・中学校 (エ)その他 好評の「彩の国さいたま寄席」(年4回実施)を引き続き実施する。 また、親子で劇場空間に親しんでいただく「劇場体験ツアー」も引き 続き実施する。 さらに、県内高等学校の生徒及び公立文化施設の職員を対象とした 舞台技術の研修会を実施するとともに、埼玉大学の講座への協力、大 学生インターンシップを積極的に受け入れるなどして、地域との連携 を深めていく。この一環として、劇場を核とした地域・文化の在り方 を考える「彩の国レクチャー・シリーズ」を引き続き実施する。 事 業 名 彩の国さいたま寄席 会 場 4 月~1月 小ホール 12月 大ホール 大学生インターンシップ 通年 芸術劇場 舞台技術講座 未定 小ホール 彩の国レクチャー・シリーズ 未定 映像ホール他 埼玉大学アートマネジメント講座 未定 埼玉大学他 劇場体験ツアー イ 実施予定時期 埼玉会館(4事業) 埼玉会館は10月から改修工事に入ることから、これまでに醸成され てきたホールの文化を少しでも再開後につなげるべく、一部の公演につ いては会場を移し、近隣ホールとの連携により実施する。 大人から子どもまで幅広い年齢層を対象にしたファミリー・クラシッ ク、平日昼間のランチタイム・コンサートは、9月までは埼玉会館で実 施する。 毎年好評を博しているNHK交響楽団公演については秋の実施となる ため、(公財)さいたま市文化振興事業団との共催事業として、さいた ま市文化センターにて実施する。 事 業 名 実施予定時期 埼玉会館ランチタイム・コンサート(第 29 回~第 30 回) 6 月,8 月 埼玉会館ファミリー・クラシック 「夏休みオーケストランド!」 7月 NHK交響楽団 下野竜也(指揮) 清水和音(ピアノ) 11月 会 場 大ホール他 大ホール さいたま市文化センター (2)企画展示・広報等 ア 企画展示事業 彩の国さいたま芸術劇場内の情報プラザ、ガレリア等を活用し、「彩 の国シェイクスピア・シリーズ」など財団主催事業の紹介や舞台芸術へ の関心を高めるための企画展示を開催する。 イ 財団情報誌「埼玉アーツシアター通信」の発行 会員の方々に財団の主催する公演や活動内容を詳しく紹介するととも に、新たな会員の拡大とチケットの販売促進に効果を上げることを目的 に、情報誌を発行する。 (ア)発行回数、部数 (イ)配布先 年6回 各12,000部発行 財団メンバーズ、サポーター会員、マスコミ、プレイガ イド、県内文化施設など ウ メンバーズ事業 会員に財団情報誌「埼玉アーツシアター通信」を送付するほか、主催 事業のチケットの優先予約や割引販売などを行うことにより、顧客の定 着化とチケットの販売促進を図る。 会員数 5,558人(平成27年2月末現在) エ サポーター会員制度の運営 財団の活動に対し財政面で支援いただく法人等の会員組織「サポータ ー会員」の運営を行うとともに、会員の拡大を図る。 サポーター会員数 102社(者)(平成27年2月末現在) (3)2020年東京五輪文化プログラム 東 京 オ リ ン ピ ッ ク の 文 化 プ ロ グ ラ ム へ の 参 加 を 見 据 え 、蜷 川 幸 雄 芸術監督総合演出による大群像劇の企画や参加者のオーディショ ンなどを行っていく。 2 芸術文化活動の場の提供等に関する事業 利用者が自ら行う芸術文化活動の拠点施設として、彩の国さいたま芸術劇 場及び埼玉会館について、多様なニーズに対応するとともに、各施設の持つ 機能を効果的に活用しながら施設貸与を行っていく。 (1)彩の国さいたま芸術劇場 施設の適正な管理を行うとともに、ホール、けいこ場、練習室等が十分 に活用されるよう利用者サービスの向上に努めるほか、施設の空き情報の 提供など積極的な働き掛けを行い、利用率の向上に努める。 また、ウェブサイトを活用し、わかりやすく充実した利用案内や迅速な 施設利用情報の提供、公演チラシ掲載による貸館公演の広報支援など、利 用者サービスの充実を図る。 (2)埼玉会館 施設の適正な管理を行うとともに、ホール、会議室、展示室等が十分に 活用されるよう利用者サービスの向上に努める。また、全国的に誇れる価 値をもつ「埼玉会館の歴史と建物」を発信しつつ、利用促進のために地元 への営業活動を行うほか、施設の空き情報の提供等を行い、利用率の向上 に努める。また、10月から予定されている大規模改修工事のための休館 に備えるとともに、リニューアルオープン後の利用サービスの向上につい ての検討を行う。 3 芸術文化に係る事業を推進するための付帯事業 埼玉会館は多目的ホールであるため、芸術文化活動以外の多様な活動の場 としても施設の提供を行っていく。 また、駐車場の管理や自動販売機の設置により施設利用者へのサービスの 向上に努めるとともに、芸術文化に係る事業の推進を図る。 (1)各種の活動及び発表の場の提供 埼玉会館においては、芸術文化活動以外の講演会、講習会及びその他の 催し物等について施設の貸与を行う。 (2)駐車場の管理運営 施設利用者の便宜を図るため、彩の国さいたま芸術劇場及び埼玉会館に おいて有料駐車場を管理運営する。 (3)その他公益目的事業の推進に資する事業 施設利用者の便宜を図るため、彩の国さいたま芸術劇場及び埼玉会館の 施設内において、県の行政財産使用許可を得た上で、飲料販売業者と契約 し、自動販売機を設置する。